JPH07139767A - 輻射空調装置 - Google Patents

輻射空調装置

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JPH07139767A
JPH07139767A JP28349893A JP28349893A JPH07139767A JP H07139767 A JPH07139767 A JP H07139767A JP 28349893 A JP28349893 A JP 28349893A JP 28349893 A JP28349893 A JP 28349893A JP H07139767 A JPH07139767 A JP H07139767A
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JP
Japan
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radiation
air
radiant
panel
refrigerant
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Application number
JP28349893A
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English (en)
Inventor
Koichi Kitagawa
晃一 北川
Hiroko Maeda
ひろ子 前田
Ichiro Hongo
一郎 本郷
Koichi Goto
功一 後藤
Yasunori Oyabu
康典 大薮
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 室内における輻射環境の不均一による快適性
のばらつきを防止する。 【構成】 暖房時に、外気が触れるガラス窓17に近い
側の輻射パネル19aの温水パイプ21aに流れる温水
の温度を高め、ガラス窓17からの冷輻射を打ち消し、
室内の輻射環境を均一化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、輻射パネルからの輻
射熱により被空調空間に対して空調を行う輻射空調装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】図11は、被空調空間となる室内1にお
ける天井3に輻射パネル5を設けた例を示している(例
えば、特開平4−190027号公報、特開平4−27
3930号公報参照)。一般に、人間の温熱環境に関す
る快適性は、空気温度,輻射温度,湿度,気流の四つの
熱環境及び、着衣量,代謝量の二つの人間側要素からな
る六つの因子に大きく影響を受けることが知られてい
る。そして、人間の体感温度は、輻射空調のような気流
が小さい場合には、空気温度と室内の壁から受ける平均
輻射温度の平均値として近似できる作用温度を用いて評
価することが可能である。
【0003】ここで、輻射による人体への熱交換量Q
は、次式のように、輻射パネルからの輻射量が人体にど
れだけ届くかを示す形態係数Fi ,輻射パネルの輻射率
εi ,輻射パネルの表面温度Tq と人体の表面温度Th
との温度差により大きな影響を受ける。
【0004】
【数1】 図12は、輻射パネル5と人体7との位置関係を示す模
式図であり、a,bが相互に直交する水平方向距離を、
cが上下方向距離をそれぞれ示している。図13は、b
/cに対する形態係数Fi を、a/cが0.2から∞ま
でについて表したもので、これによれば、形態係数Fi
は輻射パネル5と人体7との距離により大きな影響を受
けることがわかる。
【0005】前記図11に示すように、天井3に輻射パ
ネル5が設けられた空調している室内1として、二つの
外壁9,11と、他の室内側に面した二つの内壁13,
15とを備え、このうち一方の外壁9にガラス窓17が
設けられた場合を考える。この場合、室内1の輻射環境
は、ガラス窓17に近い空間と、内壁15に近い空間と
では異なるものとなる。例えば、暖房が必要な外気温度
が低い場合には、ガラス窓17からの冷輻射のために、
ガラス窓17付近のほうが寒く感じ、室内1に輻射環境
の不均一、またはそれに伴う温度分布が生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、輻射パネル
は、全体としてほぼ均一な温度であり、このような状態
で暖房運転を行った場合を想定すると、ガラス窓17近
くにおいては冷輻射を打ち消すように暖めるため、この
付近では暖房効果が薄くなる。そこで、ガラス窓17付
近の温度を高めるべく輻射パネルの温度を上昇させる
と、内壁15付近の輻射環境が暖かくなり過ぎることに
なる。すなわち、人体から離れた輻射パネルの温度を高
くしても、ガラス窓17の輻射温度により、その形態係
数Fi が小さいために、人体を効果的に暖房することは
難しい。これは、人体を暖房することよりも、壁面など
を暖め室内1からの熱リーク量が増大することを意味
し、エネルギ的にも不利になることもある。
【0007】そこで、この発明は、被空調空間内におけ
る輻射環境の不均一による快適性のばらつきを防止する
ことを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、この発明は、被空調空間に設けた輻射パネルからの
輻射熱により被空調空間内を空調する輻射空調装置にお
いて、前記輻射パネルの輻射面に温度分布を付与する構
成としてある。
【0009】
【作用】このような構成の輻射空調装置によれば、輻射
パネルに温度分布が付与されているので、被空調空間内
の輻射環境の不均一に対応することが可能となる。
【0010】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づき説明
する。
【0011】図1は、この発明の第1実施例を示す輻射
空調装置の全体構成図である。この輻射空調装置が設置
される被空調空間である室内1の形式は、前記図11に
示したものと同様に、二つの外壁9,11と二つの内壁
13,15とを備え、外壁9に窓ガラス17が設けられ
たものである。天井3には輻射パネル19が設置されて
いる。
【0012】輻射パネル19は、窓ガラス17のある外
壁9側から、この外壁9に対向する内壁15側にかけて
第1,第2及び第3の三つの輻射パネル19a,19b
及び,19cに分割されている。それぞれの輻射パネル
19a,19b及び19cの上面には、これら各パネル
19a,19b及び19cに熱を供給するための温水が
流れるU字状に形成された温水パイプ21a,21b及
び,21cがそれぞれ設置されている。
【0013】温水パイプ21a,21b及び21cそれ
ぞれの上流側配管23a,23b及び23cには、ヒー
タ25a,25b及び25cと、電磁弁27a,27b
及び27cがそれぞれ下流側から順に設けられ、各上流
側配管23a,23b及び23cの上流側には配管29
を介してポンプ31が接続されている。ポンプ31は、
温水タンク33内の温水を吸引するもので、この温水タ
ンク33には前記温水パイプ21a,21b及び21c
それぞれの下流側配管35a,35b及び35cが接続
されている。温水タンク33内の水は、熱源器37によ
って温水に変えられる。
【0014】ヒータ25a,25b及び25cは、ヒー
タ駆動回路39により、また電磁弁27a,27b及び
27cは、電磁弁駆動回路41により、それぞれ駆動
し、これら各駆動回路39,41は制御回路43によっ
て制御される。制御回路43は、ガラス窓17に近い側
の輻射パネルほど温度が上がるようヒータ25a,25
b及び25cを制御する。
【0015】例えば、室内1に露出する天井3の中央
に、赤外線センサを設け、この赤外線センサにより、室
内1の各壁の表面温度を検知し、次式から近似的に平均
輻射温度Tmrt を算出し、それが室内1の居住空間の代
表点、例えば、3.6m四方の居住空間として、高さ
0.6mにおいて、室内1の中央位置・ガラス窓17か
ら0.6m離れた位置・内壁15から0.6m離れた位
置の3点で同じになるように、ヒータ25a,25b及
び25cの加熱量を調整することで、輻射パネル19の
温度を制御する。つまり、暖房運転時、冷輻射を受ける
ガラス窓17に近い側のヒータ25aの加熱量を最も大
きくして輻射パネル19aの温度を高くし、内壁15側
のヒータ25cの加熱量を最も小さくして輻射パネル1
9cの温度を低くする。
【0016】
【数2】 このように、暖房運転時において、ガラス窓17に近い
側の輻射パネル19aの温度を高くして輻射パネル19
に温度分布を付与することで、窓ガラス17からの冷輻
射があっても、室内1の輻射環境が均一化され、快適な
空調空間が実現する。また、冷輻射が発生するガラス窓
17付近のみについて暖房能力を高めることになるの
で、効率的なエネルギ消費が可能となる。
【0017】また、三つの電磁弁27a,27b及び2
7cを開閉制御し、輻射パネル19a,19b及び19
cのいずれかを選択的に運転することにより、省エネル
ギで快適な空調空間を実現することも可能である。例え
ば、赤外線などを用いた人体検知センサにより、室内で
人体が位置する場所を検知し、形態係数の大きい領域の
輻射熱パネルを優先的に使用し、必要な交換熱量が得ら
れるように徐々に面積を拡大するよう選択的に輻射パネ
ルを使用することも考えられる。
【0018】なお、上記実施例では、暖房運転時につい
て説明したが、温水パイプを冷水パイプとして用いて冷
水の流量を調整するなどにより冷房運転時についても適
用できる。
【0019】図2は、この発明の第2実施例を示す輻射
空調装置の要部の構成図である。この輻射空調装置が設
置される室内1の形式も前記図1の第1実施例と同様で
ある。この実施例における輻射空調装置は、天井3に設
けた輻射パネル45の熱源としてヒートポンプ式の冷凍
サイクルを利用しており、この冷凍サイクルには非共沸
混合冷媒が使用されている。
【0020】図3に冷凍サイクルの全体構成を示してい
る。暖房運転時において、圧縮機47から吐出される冷
媒の流れる順に主な構成要素を述べると、四方弁49,
相互に並列接続された輻射熱交換器51及び室内熱交換
器53,各熱交換器51及び53に直列に接続された電
子膨脹弁55及び57,室外熱交換器59である。
【0021】輻射熱交換器51の両端A,B間における
冷媒配管構成を図2を用いて説明する。すなわち、両端
A,Bには、二つの四方弁61,63が接続され、輻射
パネル45上には二本の冷媒配管65,67が、ガラス
窓17が設けられた外壁9側からこれに対向する内壁1
5にかけて相互に並列状態で蛇行するように設置されて
いる。
【0022】上記のような冷凍サイクルに封入される非
共沸混合冷媒のモリエル線図を図4(a)に、単一冷媒
のモリエル線図を図4(b)にそれぞれ示す。単一冷媒
では熱交換器で凝縮するときの冷媒入口と冷媒出口との
温度差はほとんどない。これに対し、非共沸混合冷媒で
は、冷媒が流れるために発生する圧力損失により圧力は
少し低下するが、熱交換器の冷媒入口から冷媒出口にか
けて温度は徐々に低下し、この例で示した混合冷媒で
は、入口と出口で7℃程度の温度差が生じる。この温度
差を利用して室内1の輻射環境の均一化を図る。
【0023】このような構成の輻射空調装置において、
暖房運転を行う場合について説明する。外気温度が高
く、あまり寒くないときや、カーテンが使用されて室内
1における輻射環境の差がほとんどない通常時には、並
列的に設けられた冷媒配管65,67を相互に対向する
ように冷媒が流れるように、四方弁61,63を切り替
える。つまり、B部から輻射熱交換器51に流入した冷
媒は、四方弁61にて「2→1」と流れ、冷媒配管65
ではガラス窓17のある外壁9側から内壁15側に向か
って流れ、再び四方弁61に戻って「3→4」と流れ、
A部に達する。また、B部から四方弁63に流入した冷
媒は、「2→3」と流れ、冷媒配管67では内壁15側
からガラス窓17のある外壁9側に向かって流れ、再び
四方弁63に戻って「1→4」と流れ、A部に達する。
このときの二つの四方弁61,63における冷媒の流れ
を、図5において「暖房・通常」として示してある。
【0024】これに対し、ガラス窓17からの冷輻射に
より室内1にて輻射環境に不均一が生じている場合に
は、二つの四方弁61,63における冷媒の流れを図5
の「暖房・不均一」の状態として、二つの冷媒配管6
5,67に対して冷媒が同方向に流れるようにする。つ
まり、このときB部から輻射熱交換器51に流入した冷
媒は、四方弁61にて「2→1」と流れ、冷媒配管65
ではガラス窓17のある外壁9側から内壁15側に向か
って流れ、再び四方弁61に戻って「3→4」と流れ、
A部に達する。また、B部から四方弁63に流入した冷
媒も同様に、「2→1」と流れ、冷媒配管67ではガラ
ス窓17のある外壁9側から内壁15側に向かって流
れ、再び四方弁63に戻って「3→4」と流れ、A部に
達する。
【0025】このように、二つの冷媒配管61,63双
方ともに、冷媒が冷輻射を受けるガラス窓17のある外
壁9側から内壁15側に向かって流れるようにすること
で、冷媒は、ガラス窓17に近い部分から離れるに従っ
て徐々に温度が低下しながら凝縮し、その結果、室内1
の輻射環境の不均一が解消される。
【0026】冷房運転時においても同様に、二つの四方
弁61,63における冷媒の流れ方向を図5に示すよう
に切り替え、通常時には、冷媒配管65,67に流れる
冷媒が互いに対向するように流れ、不均一時には冷媒配
管65,67に流れる冷媒双方がガラス窓17側から内
壁15側に向かって流れるようにする。これにより、暖
房時とは逆にガラス窓17から入る暑い輻射による室内
1の輻射環境の不均一が解消されることになる。
【0027】図6は、この発明の第3実施例を示す輻射
空調装置の全体構成図である。この実施例も、室内1の
形式は前記図1の第1実施例と同様である。この実施例
における輻射空調装置は、室内1に接する上部の輻射面
パネル69と天井71との間に空気流路73を設け、こ
の空気流路73に熱交換器75で熱交換された空気を流
すことで、輻射面パネル69に熱を与えるようにしてい
る。熱交換器75は、ヒートポンプ式の冷凍サイクルを
利用したものでよい。
【0028】空気流路73は、その中央に外壁9の面と
平行に延長された仕切板77によって、ガラス窓17が
ある外壁9側と、これに対向する内壁15側との二つの
流路73a,73bが画成される。仕切板77の外壁1
1側の端部位置で、外壁11の面から少し離れた位置
に、前記熱交換器75が設置され、熱交換器75と外壁
11との間に、上記二つの流路73a,73bに連通す
る共通流路79が形成される。この共通流路79の熱交
換器75に近接する位置に横流送風機81が設置されて
いる。
【0029】二つの流路73a,73bは、熱交換器8
1の長手方向の端部から内壁13近傍まで延長される仕
切板83,85により、熱交換器75及び共通流路79
を空気が通過する矢印A及びBで示す循環流路が形成さ
れる。共通流路79の流路73a側の端部及び、流路7
3b側の端部には、空気流量を調整可能な流量可変機構
としてのダンパ87及び89がそれぞれ設けられてい
る。
【0030】また、この実施例では、輻射パネル69
を、なるべく熱抵抗を小さくするために熱伝導率の良い
材料で構成する一方、天井71側には熱リーク量を小さ
くするためにウレタンなどの断熱材91を取り付けた構
造としてある。
【0031】このような構成の輻射空調装置において
は、共通流路79に設けたダンパ87,89の開度を調
整して二つの流路73a,73bにおける空気流量を変
化させることで、ガラス窓17がある外壁9側と、これ
に対向する内壁15側とで、輻射パネル69における熱
交換量を変化させることが可能となり、室内1での輻射
環境の不均一を解消できる。すなわち、例えば空気流量
を少なくした場合には、熱交換量が小さいことと、流速
が小さいことにより、輻射パネル69への熱交換効率が
低下する。その結果、暖房する場合には、輻射パネル6
9面の温度は低下することになる。逆に、暖房時、空気
流量を多くした場合には、輻射パネル69面の温度は上
昇することになる。
【0032】なお、上記実施例では、流量可変機構とし
て、ダンパ87,89の代わりに、各流路73a,73
bに送風機を設け、この送風機の回転数などを制御する
ことで空気流量を調整するようにしてもよい。
【0033】図7は、この発明の第4実施例を示す輻射
空調装置の全体構成図である。この実施例も、室内1の
形式は前記図1の第1実施例と同様である。この実施例
における輻射空調装置は、前記図6の実施例と同様に、
輻射パネル69と天井71との間の空気流路73を、仕
切板77により二つの流路73a,73bに画成したも
のであり、熱交換器75を流れて熱交換された空気によ
り輻射パネル69が熱交換されるものである。
【0034】上記熱交換器75は、ヒートポンプ式の冷
凍サイクルを利用したものであるが、この冷凍サイクル
には非共沸混合冷媒が使用されており、前記図2の第2
実施例と同様に、非共沸混合冷媒の熱交換器での温度変
化を利用して輻射環境の不均一を解消するものである。
【0035】熱交換器75は、その冷媒流路の上流側が
流路73a側に、冷媒流路の下流側が流路73b側に位
置するように配置されており、熱交換器75に近接した
共通流路79には、流路73a側及び流路73b側それ
ぞれに送風機93,95が設置されている。送風機93
及び95は、熱交換器75に向けて空気を吹き付けるも
ので、このため各流路73a,73bにおける空気の流
れ方向は、矢印A及びBで示すように、図6の実施例と
は逆になっている。また、仕切板77には二つの流路7
3a,73b相互を連通可能なダンパ93が設けられて
いる。
【0036】このような構成の輻射空調装置において
は、例えば暖房運転を行う場合を想定すると、熱交換器
75における冷媒流路の上流側における送風経路、つま
り送風機93によって空気が送られる流路73aの方
が、同下流側の送風経路、つまり送風機95によって空
気が送られる流路73bよりも高い温度となる。
【0037】このため、ガラス窓17からの冷輻射など
による輻射環境の不均一が発生している場合には、流路
73aを流れる暖かい空気により、不均一状態が抑制さ
れ、快適な環境が得られることになる。
【0038】なお、輻射による不均一が小さいような場
合には、仕切板77に設けたダンパ97を開き、流路7
3a,73b相互間の熱交換された空気を混合すること
により、ほぼ同じ温度の空気を各流路73a,73bに
流すことが可能となる。
【0039】図8〜図10は、この発明の第5実施例を
示している。この実施例は、図8に示すように、輻射パ
ネル99をアルミニウムなどの熱伝導率が良く軽量の材
料とし、この輻射パネル99の一側部のボス部99aに
冷凍サイクル中の冷媒配管101を貫通させ、かつこの
冷媒配管101から輻射パネル99に熱を運ぶ複数のヒ
ートパイプ103を、ボス部99aから延長して設置し
てある。
【0040】このような構成の輻射空調装置における熱
交換性能は、 (A)冷媒からヒートパイプ103への熱交換 (B)ヒートパイプ103における熱輸送 (C)ヒートパイプ103から輻射パネル99への熱交
換 (D)輻射パネル99から被空調空間である室内に対す
る熱交換のプロセスにより定まる。
【0041】すなわち、輻射パネル99の熱交換性能を
向上させるためには、輻射パネル1枚あたりのヒートパ
イプの本数を増加させること(上記A,B,Cの改良に
つながる)、ヒートパイプの径を大きくするか、あるい
は図9に示すようにヒートパイプ105を折り曲げて構
成するなどにより、冷媒配管101あるいは輻射パネル
99との接触面積を拡大すること(上記A,Cの改良に
つながる)、輻射パネル99の厚さを厚くすること(上
記Cの改良につながる)、などの施策が考えられる。
【0042】図10は、天井3の輻射パネル設置領域P
に、前記図8に示したヒートパイプ103を備えた輻射
パネル99を設置したものであるが、この領域Pのう
ち、ガラス窓17の近くの高熱交換パネル領域Qに、図
9に示したようなヒートパイプ105を備えた熱交換性
能の高い輻射パネル99を設置している。これにより、
暖房運転する場合に、ガラス窓17からの冷輻射を小さ
くすることができ、室内1での輻射環境の不均一を解消
することが可能となる。
【0043】この発明の第6実施例として、前記図10
における高熱交換パネル領域Qに、この領域Qを除く他
の輻射パネル設置領域Pに設置する輻射パネルの材料よ
りも輻射率εの大きい材料を使用した輻射パネルを設置
することが考えられる。輻射による交換熱量は、前述し
た従来技術で用いた式(1)からもわかるように、輻射
面の輻射率εにより影響を受け、この数値が大きいほど
増加するので、上記のようにガラス窓17近くに輻射率
εの大きい材料からなる輻射パネルを設置することで、
輻射環境の不均一は抑制され、より快適な室内環境が実
現できる。
【0044】輻射率εの大きい材料としては、例えば色
で言うと、黒が最も輻射率が高いことが知られており、
輻射面に黒色の塗料を塗布することが考えられる。輻射
面に黒色の塗料を塗布する場合は、コスト的あるいはイ
ンテリア性の制約などから不利となるが、輻射パネル設
置領域Pの一部の高熱交換パネル領域Qに、このような
処理を施しているので、特に問題となることはない。
【0045】
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明によ
れば、被空調空間に設置される輻射パネルの輻射面に温
度分布を付与するようにしたので、被空調空間内におけ
る輻射環境の不均一を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例を示す輻射空調装置の全
体構成図である。
【図2】この発明の第2実施例を示す輻射空調装置の全
体構成図である。
【図3】図2の輻射空調装置に使用される冷凍サイクル
構成図である。
【図4】(a)は図3の冷凍サイクルに使用される非共
沸混合冷媒のモリエル線図、(b)は単一冷媒のモリエ
ル線図である。
【図5】図2の輻射空調装置における二つの四方弁の冷
媒の流通方向を示す説明図である。
【図6】この発明の第3実施例を示す輻射空調装置の全
体構成図である。
【図7】この発明の第4実施例を示す輻射空調装置の全
体構成図である。
【図8】この発明の第4実施例を示す輻射空調装置の基
本的構成の斜視図である。
【図9】この発明の第4実施例を示す輻射空調装置の高
熱交換パネルの構成を示す斜視図である。
【図10】この発明の第4実施例による輻射空調装置を
被空調空間に設置した例を示す斜視図である。
【図11】従来例を示す被空調空間における天井に輻射
パネルを設けた例を示す説明図である。
【図12】輻射パネルと人体との位置関係を示す模式図
である。
【図13】輻射パネルと人体との位置関係に対する形態
係数を表す説明図である。
【符号の説明】
1 室内(被空調空間) 3 天井 19,45,69,99 輻射パネル 65,67 冷媒配管 75 熱交換器 73 空気流路 87,89 ダンパ(流量可変機構) 93,95 送風機 103,105 ヒートパイプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 功一 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝住空間システム技術研究所内 (72)発明者 大薮 康典 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝住空間システム技術研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被空調空間に設けた輻射パネルからの輻
    射熱により被空調空間内を空調する輻射空調装置におい
    て、前記輻射パネルの輻射面に温度分布を付与すること
    を特徴とする輻射空調装置。
  2. 【請求項2】 輻射パネルに近接して冷凍サイクルの冷
    媒配管を設置し、この冷凍サイクルに封入する冷媒を非
    共沸混合冷媒とし、この非共沸混合冷媒の前記輻射パネ
    ルに近接して設置した冷媒配管における流れ方向によっ
    て、前記輻射パネルの輻射面に温度分布を付与すること
    を特徴とする請求項1記載の輻射空調装置。
  3. 【請求項3】 輻射パネルに近接して熱交換後の空気が
    流れる空気流路を設け、この空気流路は、熱交換後の空
    気を複数方向に分流させる構成とし、この複数方向の空
    気流路に対する空気の流量を変化させる流量可変機構を
    設けて、前記輻射パネルの輻射面に温度分布を付与する
    ことを特徴とする請求項1記載の輻射空調装置。
  4. 【請求項4】 輻射パネルに近接した位置に冷凍サイク
    ルの熱交換器を通過した空気が流れる空気流路を設け、
    この空気流路は、前記熱交換器を通過した空気を複数方
    向に分流させる構成とするとともに、前記冷凍サイクル
    に封入する冷媒を非共沸混合冷媒とし、前記熱交換器を
    流れる非共沸混合冷媒の上流側から下流側にわたる熱交
    換器に近接した位置に、前記複数方向の空気流路に対応
    して送風機を設けて、前記輻射パネルの輻射面に温度分
    布を付与することを特徴とする請求項1記載の輻射空調
    装置。
  5. 【請求項5】 輻射パネルに近接してヒートパイプを設
    け、このヒートパイプと前記輻射パネルとの接触面積を
    変化させるなど熱交換能力を変化させて、前記輻射パネ
    ルの輻射面に温度分布を付与することを特徴とする請求
    項1記載の輻射空調装置。
  6. 【請求項6】 輻射パネルの一部を、輻射率の異なる材
    料で構成して、前記輻射パネルの輻射面に温度分布を付
    与することを特徴とする請求項1記載の輻射空調装置。
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