JPH07138640A - 優れた磁束密度を有する無方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

優れた磁束密度を有する無方向性電磁鋼板の製造方法

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JPH07138640A
JPH07138640A JP5281272A JP28127293A JPH07138640A JP H07138640 A JPH07138640 A JP H07138640A JP 5281272 A JP5281272 A JP 5281272A JP 28127293 A JP28127293 A JP 28127293A JP H07138640 A JPH07138640 A JP H07138640A
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高英 島津
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健司 小菅
Kouji Muneta
孝司 棟田
Yoshiyuki Masuda
義行 増田
Takashi Sadamasa
貴志 貞政
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、無方向性電磁鋼板の製造方法の改
良に関し、とくに特定の熱間圧延条件を採用することに
より、磁束密度に優れた無方向性電磁鋼板を得る方法を
提供する。 【構成】 重量%でC≦0.01%,Si+Al≦5
%,Mn≦1.5%,P≦0.2%,S≦0.01%,
N≦0.004%で残部が鉄および不可避的不純物から
なるスラブを熱延するに際して、950〜1250℃で
スラブ加熱し、その後、仕上タンデム圧延機の最終スタ
ンドの圧下率を3〜17%とし、次いで、注水して巻取
ってから、脱スケール、冷間圧延、焼鈍をすることを特
徴とする優れた磁束密度を有する無方向性電磁鋼板の製
造方法、および焼鈍後に2〜15%の冷延率でスキンパ
ス圧延を追加することを特徴とする前記の優れた磁束密
度を有する無方向性電磁鋼板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は家電用や産業用の回転機
またはEIコア等の小型トランスなどに用いられる無方
向性電磁鋼板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】地球環境問題や化石エネルギー資源の有
効活用の観点から、エネルギーを消費する部品である電
気機器の効率向上が今日の重要な課題である。このた
め、電気機器に多く使用される無方向性電磁鋼板には鉄
損の低減と共に、銅損に効く磁束密度の向上が強く望ま
れている。
【0003】この磁気特性を改善する手段として、熱延
での仕上圧延温度を制御する方法として例えば、特開平
2−73919号公報が知られている。しかし、熱延の
温度制御だけでは望ましい熱延板のテクスチャーが得ら
れなかった。また、熱延の仕上圧延を終了してから更に
ランナウトテーブル上で圧延または塑性歪みを導入す
る、特開昭60−258414号公報や特開平3−53
022号公報が知られている。この方法は新規な手法で
はあるが、工業的には大きな設備投資が伴うため無理が
あった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
解決すべく工業的に容易な方法で且つ優れた磁束密度を
有する無方向性電磁鋼板の製造方法を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するための、 重量%でC≦0.01%,Si+Al≦5%,Mn≦
1.5%,P≦0.2%,S≦0.01%,N≦0.0
04%で、残部が鉄および不可避的不純物からなるスラ
ブを熱延するに際して、950〜1250℃でスラブ加
熱し、その後、仕上タンデム圧延機の最終スタンドの圧
下率を3〜17%とし、次いで注水して巻取ってから、
脱スケール、冷間圧延、焼鈍をすることを特徴とする優
れた磁束密度を有する無方向性電磁鋼板の製造方法、お
よび 焼鈍後に2〜15%の冷延率でスキンパス圧延を追加
することを特徴とする前項に記載した優れた磁束密度
を有する無方向性電磁鋼板の製造方法である。
【0006】本発明は以下の3つのポイントの発見に基
づく。すなわち、第1には熱延板の表層結晶粒径を大き
くすることが最終製品の磁束密度を向上させること。第
2に、熱延での仕上圧延の最終スタンドの圧下率が熱延
板表層の結晶粒サイズを支配すること。第3に、この仕
上圧延最終スタンドの圧下率は3〜17%が効果的なこ
とである。
【0007】以下に本発明の限定理由について詳細に述
べる。Cの量が多いと、熱延の時にフェライト+オース
テナイトの混合相が増加し、結晶粒成長にとって有害と
なるので、0.01%以下とする。SiとAl量は、当
然多い方が鉄損を減少させて好ましいが、多すぎると冷
延や打抜工程での脆性問題が発生することから、Si+
Al量で5%以下とする。Mnは硬さを得るのに有効で
あるが、添加コストの問題があるので1.5%以下とす
る。Pは鋼板強度を上昇させ、打抜時の鋼板だれ・かえ
りを防止するが、添加コストの問題があるため0.2%
以下とする。Sは硫化物を形成せしめ、鉄損を劣化させ
るので、0.01%以下とする。Nは多すぎるとブリス
ターと呼ばれるふくれの欠陥が生じるので、0.004
%以下とする。なお、公知のCu,Cr,B,Sn,S
bなどの集合組織を改善する元素を添加しても、本発明
の効果を損なうものでないが、添加量はコストの問題か
らそれぞれ、0.2%以下が好ましい。
【0008】上記元素を含む溶鋼を連続鋳造してスラブ
を造り、スラブ加熱を実施するが加熱温度は950〜1
250℃とする。この理由は、1250℃を超えると硫
化物や窒化物の固溶が起きて、熱延中に微細析出物が生
じ、結晶粒成長を抑制して本発明の目的を達成できない
からである。また、950℃未満では熱延のロールにか
かる荷重が大きくなって操業上問題である。
【0009】粗圧延を終えて、次ぎに仕上タンデム圧延
を行う。仕上スタンド数は通常3〜8台であるが、この
最終スタンドでの圧下率が重要である。従来、この圧下
率は20〜40%が常識的に採用されてきた。しかし、
本発明者等は軽圧下にすることにより、熱延板の組織が
改善されることを発見した。最終スタンドの圧下率を3
〜17%に制限することで、優れた磁束密度が得られ
る。制限の理由は3%未満では圧下量が小さすぎて、ま
た、18%超では圧延歪みが大き過ぎて磁束密度が向上
しないためであるが、このことは、冷延での所謂、スキ
ンパス効果と似た現象であろう。なお、最終スタンドの
一つ前のスタンドでもこの軽圧下を採用すれば、更に効
果的であるが、効果代としては小さい。つまり、仕上ス
タンド毎の圧下配分を後段を軽く前段または中段を重く
がこの発明の思想でもある。熱延板の板厚は通常1〜5
mmを採用し、仕上温度は通常の750〜1100℃で行
う。また、巻取温度はとくに規制するものではないが、
通常の500〜800℃が望ましい。
【0010】熱延板は焼鈍しないで酸洗し、冷間圧延す
る。冷延後の仕上厚みは通常の0.2〜1.5mmとす
る。冷延後の再結晶焼鈍は、通常の600〜900℃の
範囲で行う。また、この工程に追加するに、最終冷延を
通常知られている2〜15%で実施し、次いで顧客での
歪取焼鈍時に結晶粒成長をさせる、所謂、セミプロセス
無方向性電磁鋼板のプロセスも採用できる。次いで、実
施例について説明する。
【0011】
【実施例1】重量比で0.004%C,0.15%S
i,0.11%Mn,0.08%P,0.004%S,
0.003%Al,0.003%Nを含み、残部実質的
にFeよりなるスラブを鋳造し、1020℃で加熱後の
熱延の条件を以下の表1の如くに変更して試験を実施し
た。仕上入口の板厚は35mmで、仕上は6スタンドで圧
延、巻取り温度650℃で、熱延板の厚みは2.8mmと
した。次いで、酸洗後0.5mmまで冷延し、脱脂した
後、800℃×10秒の均熱を実施して、磁気特性を測
定した。磁気特性エプスタイン試料(30mm幅×300
mm長)を圧延方向とそれに垂直な方向に切りだし、JI
S C 2550に準拠して測定し、表1を得た。
【0012】
【表1】
【0013】表1に示す如く、本発明の範囲にある試料
No.〜は磁束密度B50が1.79T以上の従来得
られなかったレベルの特性を持っている。
【0014】
【実施例2】重量比で0.004%C,0.15%S
i,0.11%Mn,0.08%P,0.004%S,
0.003%Al,0.003%Nを含み、残部実質的
にFeよりなるスラブを鋳造し、1020℃で加熱後の
熱延の条件を以下の表1の如くに変更して試験を実施し
た。仕上入口の板厚は30mmで、仕上は6スタンドで圧
延、巻取り温度650℃で、熱延板の厚みは1.4mmと
した。次いで、酸洗後0.526mmまで冷延し、脱脂し
た後、750℃×10秒の均熱を実施してから、スキン
パス圧延で0.5mmにして、磁気特性エプスタイン試料
(30mm幅×300mm長)を圧延方向とそれに垂直な方
向に切りだし、次いで、750℃×2hrの磁性焼鈍を
実施してから磁気特性を測定した。JIS C 255
0に準拠して測定し、表2を得た。
【0015】
【表2】
【0016】
【実施例3】重量比で0.002%C,1.85%S
i,0.06%Mn,0.11%P,0.001%S,
0.262%Al,0.001%Nを含み、残部実質的
にFeよりなるスラブを鋳造し、1230℃で加熱後の
熱延の条件を以下の表2の如くに変更して試験を実施し
た。仕上入口の板厚は35mmで、仕上は6スタンドで圧
延した。巻取り温度610℃、熱延板の厚みは2.1mm
とした。次いで、酸洗後0.5mmまで冷延し、脱脂した
後、760℃×30秒の均熱を実施して、磁気特性を測
定した。磁気特性エプスタイン試料(30mm幅×300
mm長)を圧延方向とそれに垂直な方向に切りだし、JI
S C 2550に準拠して測定し、表3を得た。
【0017】
【表3】
【0018】
【発明の効果】以上の如く本発明によれば、熱延の特定
圧延機での圧下率制御を実施することにより、極めて優
れた磁束密度を有する無方向性電磁鋼板を製造すること
ができる。
フロントページの続き (72)発明者 増田 義行 兵庫県姫路市広畑区富士町1番地 新日本 製鐵株式会社広畑製鐵所内 (72)発明者 貞政 貴志 兵庫県姫路市広畑区富士町1番地 新日本 製鐵株式会社広畑製鐵所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%でC≦0.01%,Si+Al≦
    5%,Mn≦1.5%,P≦0.2%,S≦0.01
    %,N≦0.004%で、残部が鉄および不可避的不純
    物からなるスラブを熱延するに際して、950〜125
    0℃でスラブ加熱し、その後、仕上タンデム圧延機の最
    終スタンドの圧下率を3〜17%とし、次いで注水して
    巻取ってから、脱スケール、冷間圧延、焼鈍をすること
    を特徴とする優れた磁束密度を有する無方向性電磁鋼板
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 焼鈍後に2〜15%の冷延率でスキンパ
    ス圧延を追加することを特徴とする請求項1に記載した
    優れた磁束密度を有する無方向性電磁鋼板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100516458B1 (ko) * 2000-08-08 2005-09-23 주식회사 포스코 자성이 우수한 무방향성 전기강판 및 그 제조방법
JP2021139040A (ja) * 2020-02-28 2021-09-16 Jfeスチール株式会社 方向性電磁鋼板の製造方法

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