JPH0713831B2 - オンライン文字認識方式 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はタブレットに筆記された文字を認識するオンラ
イン文字認識方式に関する。

（従来の技術） 従来のオンライン文字認識装置では、タブレット上に記
入文字枠が設定されており、筆記された入力文字の各ス
トロークの座標値が同一文字枠に属していればそれらの
ストロークは同一筆記文字についての構成部分とみなし
ていた。そして異なる文字枠に属するストロークの座標
値が入力されたとき、前の文字枠に属するストロークを
一文字分のストロークとして文字の切り出し（以下、こ
れを文字枠による文字の切り出しと称す）を行い文字を
認識していた。

一方文字枠に文字を筆記した後、次の文字がある一定時
間内に筆記されないとそれまでにその文字枠に筆記され
た各ストロークを一文字分のストロークとして文字の切
り出し（以下、これを時間監視による文字の切り出しと
称す）を行う方式もとられている。

（発明が解決しようとする問題点） しかし、上記文字枠による文字の切り出し方式では、次
の文字が別の文字枠に筆記されないと、前の文字につい
ての文字の切り出しが行われなかった。このため、一文
字ずつ文字を文字枠に筆記して認識結果を確認する場合
や、連続して文字を筆記したときに最終文字を確認する
場合には、別途設置した切り出し専用キー等をペンでタ
ッチするなどの操作をしなければならず、ペン操作上の
わずらわしさがあった。

また、時間監視による文字の切り出し方式においては、
時間切り出しの設定時間を短くすると、文字を筆記する
際、ストロークとストロークとの間のペンオフ時間を短
くしなければ同一文字が分離されてしまい、結果的に誤
認織となる。一方、設定時間を長くすると、画数の小さ
い文字でもその文字の認識結果が出力されるまでには、
少なくとも前記設定時間がかかり、その結果、認識速度
が問題となる。

本発明は前記問題点を解決し、最適な文字切り出しによ
り認識処理を高速化することが可能なオンライン文字認
識方式を提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 本発明は前記問題点を解決するために、タブレット上の
文字枠毎に筆記される入力文字を認識するオンライン文
字認識方式において、前記タブレットから出力される座
標データに基づいて直前のストロークとは異なる文字枠
のストロークを検出したとき入力文字の切り出しを行う
第１の切出手段と、前記座標データに基づいて入力文字
のストローク毎の特徴を抽出する抽出手段と、前記座標
データに基づいてストローク終了後のオフ時間がストロ
ーク数毎に予め設定される時間以上継続したとき入力文
字の切り出しを行う第２の切出手段と、前記抽出手段で
抽出された特徴情報に基づいて入力文字を認識し、第１
及び第２の切出手段の切り出し結果に基づいて認識結果
を出力する認識手段とを具備するものである。

（作 用） 本発明の技術的手段は次のように作用する。抽出手段
（例えば後述するストロークデータ処理部）は入力座標
データに基づいてストローク毎の特徴を順次抽出して出
力するように働き、認識手段（例えば後述する認識部，
外部インタフェース部）は抽出されたストローク毎の特
徴情報に基づいて入力文字の認識を行うように働く。こ
のとき、認識手段は、例えば認識処理中に次のストロー
クが入力されれば中断し、次のストロークも含めて認識
処理を行い、また認識処理後に、第１の切り出し手段
（例えば後述する文字切り出し検出部）又は第２の切出
手段（例えば後述する文字切り出しタイマ及びタイマ設
定部）により入力文字の切り出しが行われなければ、認
識結果を無効として、次のストロークを含めて認識処理
を行う。この結果、次のストロークも含めて認識処理が
行われた後、更に次のストロークが直前のストロークと
は異なる文字枠に属するものであることが第１の切出手
段によって検出され、それまでのストロークが一文字と
して切り出されると（文字枠による文字の切り出し）、
認識手段は当該認識結果を入力文字の認識結果として出
力する。一方、ストローク終了後のオフ時間（後述する
ペンオフ時間）が第２の切出手段によって監視され、オ
フ時間がストローク数毎に予め設定される時間以上継続
したとき、それまでのストロークが一文字として切り出
されると（時間監視による文字の切り出し）、同様に、
認識手段は当該認識結果を入力文字の認識結果として出
力する。このストローク数毎に予め設定される時間は、
ストローク数が、比較的少ない場合（例えば１〜４スト
ローク）や多い場合（例えば20〜25ストローク）には認
識対象文字が少ないので短時間に設定される。このよう
に、文字枠による文字の切り出しと時間監視による文字
の切り出しを併用すると共に、後者において設定時間を
従来のように固定とせず、ストローク数に応じて最適な
切り出し時間を設定しているので、前記従来技術の問題
点を解決できるのである。

（実施例） 第１図は本発明の一実施例を示すブロック図である。同
図において、１は筆記文字の座標データを入力するタブ
レット、２はタブレット１からの入力座標データにより
ペンのオン／オフを検出するペンオンオフ検出部、３は
タブレット１からの入力座標データとペンオンオフ検出
部２からのペンオフ／オフ信号により入力文字の文字枠
による文字切り出しを行う文字切り出し検出部、４はペ
ンオン時におけるタブレット１からの筆記文字の入力座
標データより、各ストローク毎にストローク特徴抽出等
の処理を行うと共に文字切り出し検出部３又は後述され
る文字切り出しタイマ６より出力される文字切り出し信
号により、文字毎にストロークを管理するストロークデ
ータ処理部、５はストローク数毎に切り出し時間を設定
するタイマ設定部、６はペンオンオフ検出部２より出力
されるペンオフ信号でカウントを開始し、ペンオン信号
でリセットされるカウンタ等で構成され、ストロークデ
ータ処理部４より出力されるストローク数情報によりタ
イマ設定部５に設定されストローク数毎の切り出し時間
を参照し、時間監視による文字切り出し信号を出力する
文字切り出しタイマ、７は文字毎のストローク特徴等に
より構成される文字特徴情報が格納されている文字辞書
部、８はストロークデータ処理部４と文字辞書部７との
文字のストローク情報を比較照合して認識処理を行う認
識部、９は認識部８より出力される認識結果を文字切り
出し部３または文字切り出しタイマ６より出力される文
字切り出し信号により外部へ出力する外部インタフェー
ス部である。

第１表にタイマ設定部５に格納されているストローク数
毎の切り出し設定時間の一例を示す。

第１表に示すように、１〜４ストロークのストローク数
が比較的少ない文字あるいは20〜25ストロークのストロ
ーク数が比較的多い文字は、認識対象文字が少なく、認
識処理時間が短くてすむ為設定時間を短くとっており、
10〜13ストロークの文字は認識対象文字が多く、認識諸
理時間が長くなる為、設定時間を長くとっている。

次に本実施例の動作を説明する。

タブレット１より出力される座標データはペンオンオフ
検出部２へ送られ、タブレット１からの座標データより
ペンオン又はペンオフが検出され、ペンオンオフ検出部
２よりペンオン信号又はペンオフ信号が出力される。

文字切り出し部３は、ペンオンオフ検出部２より出力さ
れるペンオン信号とタブレット１から出力される座標デ
ータより筆記された入力文字の各ストロークがどの文字
枠に筆記されたかを検出し、異なる文字枠に筆記された
時はそれ以前のストロークを一文字と見なし、文字枠に
よる文字切り出し検出を行い、文字枠による文字切り出
し信号を出力する。文字切り出しタイマ６はペンオンオ
フ検出部２より出力されるペンオフ信号でカウントを開
始し、ペンオン信号でリセットされるタイマであり、入
力文字の各ストローク筆記終了後、即ちペンオフ後の時
間を監視し、後述のストロークデータ処理部２より出力
されるストローク数によりタイマ設定部５に格納されて
いる文字切り出し時間を参照し、その文字切り出し時間
経過後、文字切り出し信号を出力する。

ストロークデータ処理部４は、ペンオンオフ検出部２か
ら出力されるペンオン信号とタブレット１からの座標デ
ータより筆記された入力文字の座標データをとり込み、
ノイズ除去，平滑化，正規化等の前処理を施した後、公
知のストローク抽出，ストローク特徴抽出等を行う。さ
らに、ストロークデータ処理部４は文字切り出し部３又
は文字切り出しタイマ６より出力される文字切り出し信
号により、この文字切り出し信号が出力されるまでに筆
記されたストロークを一文字と見なし入力文字のストロ
ーク管理を行う。これらの管理された各ストローク情報
は入力文字情報として認識部８へ出力される。認識部８
は、ストロークデータ処理部４より出力される未知入力
文字のストローク情報と、文字辞書部７に格納されてい
る認識文字の標準パターンのストローク情報とを公知の
ストロークアナリンス法等の手法等により比較照合し、
未知入力文字を認識する。外部インタフェース９は、文
字切り出し部３、又は文字切り出しタイマ６より出力さ
れる文字切り出し信号により、認識部８より出力される
認識結果を外部へ出力する。

以上の動作説明における入力文字のストローク筆記状態
と認識処理された結果が出力される関係を第２図のタイ
ムチャートを用いて説明する。

ここで、ストローク筆記終了後からT_N-1後にストローク
数Ｎ−１に設定されている時間による文字切り出し信号
が文字切り出しタイマ６より出力されるものとする。ま
た、認識部８における認識処理に要する時間をT_R、次の
ストロークが入力開始されるまでの時間をT_OFFとする。
第（Ｎ−１）ストローク筆記終了後、認識処理は開始さ
れ、その結果はT_R後に求められる。もし、T_N-1時間内に
次の第Ｎストロークが（Ｎ−１）ストロークと同一文字
枠内に筆記が開始されればT_Rによる認識結果は無効とな
り、第Ｎストローク筆記終了後、認識処理が開始され
る。この時、T_R＜T_OFFで既に認識結果が求まっている
か、外部インタフェース９へは出力されない。また、T_R
＞T_OFFで、認識処理中に次の第Ｎストロークが入力開始
されたならば認識処理は途中で中断し、新たに第Ｎスト
ローク筆記終了後、認識処理を開始するが、この時認識
未終了であるので外部インタフェース９へは出力されな
い。一方、T_N-1時間内に次の第Ｎストロークが第（Ｎ−
１）ストロークの筆記文字枠と異なった文字枠に筆記が
開始されたならば、第（Ｎ−１）ストロークまでの認識
結果はT_R,T_OFFの大小に無関係に有効であり、さらに文
字枠による文字切り出し信号が文字切り出し検出部３よ
り出力される為、T_R直後に認識結果は外部インタフェー
ス９へ出力される。従って、第Ｎストロークは新たな文
字の第１ストロークとして認識処理される。また、第Ｎ
ストローク以降ストロークが入力されない時はT_Rによる
認識終了後、認識結果はストローク数Ｎに設定されてい
るT_N後に外部インタフェース９へ出力される。

次にストローク数と設定切り出し時間の関係を第３図の
タイムチャートを用いて説明する。第３図の実線部は認
識処理時間の短い場合、すなわちストローク数が少ない
か、あるいは多い場合で、破線部は認識処理時間の長い
場合である。破線で示す時間監視による文字切り出し信
号は、従来の固定された設定時間と同等である。認識処
理時間の短い場合は、第１表に示すように、切り出しの
設定時間が短く設定してあるので、認識処理終了後、時
間を待たずして文字の切り出しを行い、認識結果が外部
に出力されることになる。

このように、認識処理時間すなわちストローク数によっ
て切り出しの設定時間をかえているので、従来の固定さ
れた設定時間を待って切り出しを行う場合より、認識結
果が外部に出力される時間が短くなるのは明らかであ
る。

以上のように、本実施例によれば、時間監視による文字
切り出しにおいて、文字切り出しの設定間を固定せず、
ストローク数に応じて設定時間を変えるようにしたの
で、認識結果が出力されるまでの時間を必要最小限に短
くすることができる。特に、一文字ずつ文字を文字枠に
筆記して認識結果を確認する場合や、連続して文字を筆
記したときに最終文字を確認する場合に、認識対象文字
が少なく、従って認識時間の短い１〜６ストローク等の
文字や20〜25ストローク等の文字は、今まで設定時間が
固定のため、認識結果が出力されるまで時間を要してい
たが、ストローク数毎に切り出し時間を設定したので、
筆記者の入力速度に応じた認識速度を得られるという利
点を有する。

（発明の効果） 以上詳細に説明したように、本発明によれば、文字枠に
よる文字切り出しと時間監視による文字切り出しを併用
すると共に、後者において、切り出し時間を固定とせ
ず、ストローク数に応じて最適な時間で切り出せるよう
に設定したので、入力操作が簡単になると共に、ストロ
ーク数が比較的少ない場合や比較的多い場合には従来よ
り短時間で認識処理ができる。従って、筆記文字の認識
速度の高速化を図ることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す構成図、第２図及び第
３図は本実施例の動作を説明するタイムチャートであ
る。 １……タブレット、２……ペンオンオフ検出部、 ３……文字切り出し検出部、 ４……ストロークデータ処理部、 ５……タイマ設定部、６……文字切り出しタイマ、 ７……文字辞書部、８……認識部、 ９……外部インタフェース。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】タブレット上の文字枠毎に筆記される入力
   文字を認識するオンライン文字認識方式において、 前記タブレットから出力される座標データに基づいて直
   前のストロークとは異なる文字枠のストロークを検出し
   たとき入力文字の切り出しを行う第１の切出手段と、 前記座標データに基づいて入力文字のストローク毎の特
   徴を抽出する抽出手段と、 前記座標データに基づいてストローク終了後のオフ時間
   がストローク数毎に予め設定される時間以上継続したと
   き入力文字の切り出しを行う第２の切出手段と、 前記抽出手段で抽出された特徴情報に基づいて入力文字
   を認識し、第１及び第２の切出手段の切出し結果に基づ
   いて認識結果を出力する認識手段とを具備することを特
   徴とするオンライン文字認識方式。