JPH07137290A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JPH07137290A
JPH07137290A JP5283691A JP28369193A JPH07137290A JP H07137290 A JPH07137290 A JP H07137290A JP 5283691 A JP5283691 A JP 5283691A JP 28369193 A JP28369193 A JP 28369193A JP H07137290 A JPH07137290 A JP H07137290A
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JP
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recording
test pattern
dot
dots
ink
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JP5283691A
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English (en)
Inventor
Masaru Hoshino
勝 星野
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 記録媒体のインクのにじみ特性が異なっても
常に良好な記録を行なう記録装置を、テスト記録用の用
紙や領域を特別に使うことなく実現する。 【構成】 記録ヘッド2とテストパターン像検出手段1
を具える記録装置でデータ記録領域21の外部にテスト
パターン記録位置22を設定し、設定された位置に微小
なテストパターンを記録し、記録されたテストパターン
像をテストパターン像検出手段1で検出し、検出結果に
よって記録条件を調整し、記録データを先のテストパタ
ーン像の記録された記録媒体8a上に記録ヘッド2によ
り記録する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット素子に
よりインクを吐出させ記録媒体に文字や画像を記録する
インクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット方式による記録装置は、
インパクトドット方式のプリンタに比較して低騒音であ
ることから普及し始め、近年では小型化、低価格化が進
んだことから急速に普及しつつある。またコンピュータ
環境の充実に伴いカラー記録のニーズが増加しており、
黒に加えてイエロー、マゼンタ、シアンなどの色インク
を記録するヘッドの追加により比較的簡単にカラー記録
装置が実現できることからインクジェット方式による記
録装置が注目されている。
【0003】以上のような状況の中でインクジェット記
録装置の高画質化が期待されている。記録装置において
画質の要因は解像度と階調性と色再現性の3つが重要と
されている。現在のカラーインクジェット記録装置はド
ット密度300〜400dpiでインクを黒、イエロ
ー、シアン、マゼンタの4色を用いるものが多く、文字
や簡単な図などの画像は実用レベルの画質を示すが、絵
や写真などの多くの階調を含む画像は未だ不十分な画質
である。
【0004】インクジェット記録装置の画質は記録媒体
の特性に大きく影響される。インクジェット記録装置メ
ーカは画質の良い専用紙を推奨しているが、インクジェ
ット専用紙は高価であることと一般の事務用紙と質感が
異なることからユーザーは一般の事務用紙を使用するこ
とが多い。ここで実用上の問題点として事務用紙を用い
た記録の画質が劣ることに加えて、事務用紙の種類によ
っても大きく画質が異なることが挙げられる。これは紙
によってインクのにじみ方が異なることによるものであ
り、連続してドットが記録される文字部分などに比べて
分散してドットが記録される絵や写真などの画像部分に
おいて記録濃度や色が記録データのそれと大きく異なっ
てしまい画質を低下させる要因になっている。
【0005】従って上に述べた問題点を解決するために
特開平2−3327号公報に示されているように記録前
にテスト記録を行ない、テスト記録された像を読み取る
ことでインクのにじみ度合を検知して補正を行なうなど
の方法が考案されている。
【0006】しかしながら、従来の方法では、テスト記
録用として、テスト用紙を使用して良い場合や印字物内
にテストパターンが記録されてしまっても良い場合など
の特別な場合に限られてしまうという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明が解決
しようとする課題は、テスト用紙やテスト領域を使用で
きない一般の記録においてもテスト記録、テスト記録結
果の検出、検出結果による記録条件調整を可能とするこ
とで紙質など記録媒体の特性によらず記録品質を向上さ
せる実用的な記録装置を実現することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために本発明においては、インク滴を吐出する記録ヘ
ッドにより記録媒体上に記録データに基づく画像を形成
するインクジェット記録装置において、1ドットのイン
ク量が0.1μg以下であり、記録媒体上の記録領域外
の位置に微小面積のテストパターンを記録する手段と、
記録媒体上に記録された前記テストパターンの濃度又は
面積分布を検出するテストパターン像検出手段と、前記
テストパターン像検出手段によって得られた前記テスト
パターンの濃度又は面積分布によって前記記録ヘッドの
インク滴量を調整する手段又は前記記録データの展開方
法を調整する手段とを具え、前記テストパターンが記録
されている記録媒体上に前記記録データに基づいた画像
を記録するようにした。
【0009】
【作用】記録媒体上の記録領域外の位置に微小面積のテ
ストパターンを記録し、記録されたテストパターン像を
検出し、検出結果によってインク滴量または記録データ
展開方法を調整し、テストパターン像の記録された記録
媒体上に記録データに基づく画像を記録することで、テ
スト記録用の用紙や領域を特に使用することなく記録媒
体の特性に合わせた条件での記録が可能となり、実用的
に記録品質の高いインクジェット記録装置が実現でき
る。
【0010】
【実施例】以下に本発明の詳細を図示した実施例に基づ
いて説明する。
【0011】本発明の実施例として製作したインクジェ
ット記録装置の構成と動作及び特徴を図1から図13に
より説明する。
【0012】製作した記録装置は写真イメージの記録も
可能な記録装置で128ノズルの記録ヘッドを4本具
え、黒、イエロー、マゼンタ、シアンの4色のインク滴
をそれぞれ吐出できる。前記の記録ヘッドはそれぞれの
ノズルに対応した圧電素子によってインクを加圧し吐出
させるもので繰返し吐出周波数が20kHz、記録密度
600dpiでA4大用紙1ページの記録速度は約3p
pmである。
【0013】本実施例の記録装置は機構的にはいわゆる
シリアルプリンタと呼ばれるものであり、紙送り方向と
直行した方向に記録ヘッドを移動させて記録をおこな
う。その構造を図1により説明する。
【0014】記録ヘッド2とテストパターン像検出手段
であるところのセンサユニット1を乗せたキャリッジ3
はキャリッジガイド6に沿ってモータ10により矢印a
方向に往復運動する構造となっている。
【0015】記録媒体であるところの記録紙8は、紙送
りローラ5を図示しないモータによって回転させ給紙ユ
ニット9から1枚づつ給紙され、記録位置であるプラテ
ン7と記録ヘッド2の間に送られる。また、必要に応じ
て記録紙8を矢印bの方向に前後させることができる。
【0016】センサユニット1は記録紙上のテストパタ
ーン像を照明する光源とテストパターン像を読み取るC
CD素子から成っている。プラテン7の横の符号4はセ
ンサユニット1の校正用のパターンの印刷されている校
正板である。
【0017】図1で示す記録ヘッド2の内部構造を断面
図として図11に示す。図1ではインクを吐出するノズ
ルが下向きであるが、図11ではノズル111を図面右
横向きに示す。インクはノズル111と圧力室112と
インク供給路113とインクタンク114に満たされて
おり、圧力壁115に接続された圧電素子116に電圧
波形を印加し変形させることで圧力室112のインクを
ノズル111からインク滴117として吐出する構造に
なっている。本実施例では図11に示す様な構造を1色
について128素子形成して、各色1列に配置してい
る。
【0018】本発明によれば、ホストコンピュータなど
から送られた記録データから記録領域を検出し記録媒体
上の記録領域外にテストパターン記録位置を決定する工
程、テストパターンを前記記録位置に記録する工程、記
録されたテストパターン像をテストパターン像検出手段
で検出する工程、検出されたテストパターン像によって
記録ヘッドのインク滴量あるいは記録データの展開方法
を調整する工程、が行なわれた後に、前記テストパター
ン像が記録されている同一の記録媒体上に記録データに
基づく実際の記録を行なう。
【0019】図4に本実施例の構成を示すブロック図
を、図5に本実施例における記録動作のフローを示し、
以下に詳細に説明する。
【0020】図5中符号55で記録動作を開始すると図
中符号56でテストパターンを記録するかどうか判断す
る。判断はユーザーに選択させる方法を採って特に記録
品質を必要としない場合や通常と同じ記録用紙を使用す
る場合などはテストパターン記録を省略させることもで
きる。また、判断は記録装置が用紙を交換したかどうか
などの情報を自動で判断して行なってもよい。しかし、
本発明によればテストパターン記録を行ないその結果を
検出して補正するのに、余分な用紙を必要とせず、また
それに要する時間もほとんどないので常にテストパター
ン記録をするようにしても良い。
【0021】次に図5中符号57で示すように記録デー
タからテストパターンを記録する場所を決定する。ホス
トコンピュータなどから送られた記録データは図4で示
す記録データメモリ41に一時的に格納される。記録デ
ータは記録領域検出機構45によって一部解釈されてデ
ータ記録領域外にテストパターン記録位置を決定し、制
御機構53に通知する。
【0022】本発明によれば記録媒体上のデータ記録領
域外の一部をテストパターン記録位置とするが、本実施
例では記録データの情報からデータの記録される領域を
検出し、記録媒体上の記録領域外の一部にテストパター
ン記録位置をソフトウェアによって決定する。本実施例
は機構的には、記録可能な領域はA4大の記録媒体の場
合下端部数mmを除いてほぼ全面であるが、ホストコン
ピュータから送られる記録データはほとんど全ての場合
記録媒体の周縁に記録しない余白の領域を持つので、デ
ータ記録領域外の部分にテストパターンの記録が可能で
ある。
【0023】図2に記録紙上の記録例を示す。符号8a
の記録紙と符号8bの記録紙は同一のものであり、記録
紙8aはテストパターン記録直後の状態、記録紙8bは
その上から記録データに基づく画像を記録した状態であ
る。本例では文字記録の部分を符号23、24に文字を
省略して示し、中間調を含む画像記録の部分を符号25
で示している。本例で前記記録領域検出機構45は図中
21で示す破線の領域をデータ記録領域として検出して
いる。そして制御機構53によって図2の22aまたは
22bで示すテストパターン記録位置をデータ記録領域
21の外部右上に設定している。
【0024】次に図5中符号58で示すように記録する
テストパターンを選択する。本実施例では図4で示すテ
ストパターンメモリ48に通常使用するテストパターン
の他により簡単なテストパターンと、比較的複雑なテス
トパターンの3種類のテストパターンを格納している。
テストパターン選択機構49が、ユーザーの選択または
記録データの状態にに基づいてテストパターンを選択す
る。簡単なテストパターンは記録データが簡単な文字デ
ータだけの場合などに選択され、複雑なテストパターン
はユーザーが特に指定した場合に選択されテストパター
ン像検出結果のホストコンピュータへの報告または記録
用紙への出力も必要に応じて可能な構成としている。本
実施例の説明では図3に示すテストパターンのセットを
通常使用するテストパターンとして使用する。
【0025】次に図5中符号59で示すようにテストパ
ターン記録位置にテストパターン像を記録する。図4の
制御機構53は先ほど決定したテストパターン記録位置
に従ってメカ機構ドライバ51を駆動し記録用紙と記録
ヘッドをテストパターン記録位置に移動すると同時に、
テストパターンメモリ48から選択されされたテストパ
ターンデータを記録ドットデータメモリ43に転送し記
録ヘッドドライバ44を駆動し記録ヘッド1からインク
滴を吐出し記録紙8a上にテストパターンを記録する。
【0026】テストパターンは本例では図2記録領域2
1外の22aに示す部分に記録される。本例のテストパ
ターンは図3に示すように図中符号31a、32a、3
3a、34a、35aの5つの部分のテストパターンか
ら成っている。符号31a、32a、33aは1ドット
のテストパターンであり、34aは2ドット×2ドット
の4ドット構成の集合ドットのテストパターンであり、
符号35aは3ドット×3ドット格子の中心のドットを
除いた8ドット構成のテストパターンである。1ドット
のテストパターンは記録領域が非常に狭い為に、万一、
記録紙の状態が異常な部分に記録された場合にはその検
出結果に大きな誤差を生じてしまう。従って本実施例で
は1ドットのテストパターンを31a、32a、33a
と複数記録するようにしている。
【0027】次に図5中符号60で示すように校正パタ
ーンを読みとってテストパターン読み取り系を校正す
る。校正板は図10に示すように白地に黒の校正パター
ンを印刷した金属にセラミクスのコーティングを施した
板である。
【0028】次に図5中符号61で示すようにテストパ
ターンが記録された位置でテストパターン像を読み取
る。本実施例のテストパターン像検出手段であるところ
のセンサユニットの構造を図8に断面図で示す。図中符
号95は黒色の樹脂で成形した筒状のフレームであり、
その内部に照明系とセンサ系を配置している。光源91
からの照明光をレンズ92で概平行光にして記録紙8a
を照明し、記録されたテストパターン像34aの像はレ
ンズ93によってCCD素子94に投影される。本実施
例で用いたCCD素子は図9(A)で示すように60×
60の格子状領域に3600個のセンサ画素を持つもの
とした。図9(B)(C)(D)は図3の符号34aで
示す4ドットのテストパターンをCCD素子上に投影し
た状態を示す説明図である。インク滴によって紙面上に
記録された像は、それぞれのドットは概円形であるが多
少不均一なにじみ状態を示す。図9(B)(C)(D)
は図3の34aで示す4ドットから成るテストパターン
の記録紙上の像がCCD素子に投影された状態を示す図
である。図9(B)の34cは標準的なにじみ状態の
像、図9(C)の34dはにじみが少ない例、図9
(D)の34eはインクが大きくにじんだ状態を示して
いる。本実施例ではCCD素子の各画素の出力を図4符
号50で示すA/D変換器でデジタルデータに変換し制
御機構53に入力している。
【0029】次に図5中符号62で示すようにテストパ
ターン像読み取り結果を処理し補正手段を決定する。本
実施例では図4の符号53で示す制御機構でソフトウェ
アによって処理している。
【0030】処理結果によって図5符号63で示すよう
に記録ヘッドドライブ波形の設定と記録データ展開方法
の設定を行なう。本実施例では図4において制御機構5
3により、記録ヘッドドライバ44に接続されたドライ
ブ波形設定機構47とデータ展開機構42に接続された
展開処理設定機構46を設定する。
【0031】次に図5中符号64で示すように記録デー
タの展開をおこなう。記録データは図4の符号42で示
すデータ展開機構で先に設定された展開方法で展開され
記録ドットデータメモリ43に格納される。
【0032】次に図5中符号65で示すように記録をお
こなう。図4で記録ドットデータメモリに格納されたデ
ータに従って先にドライブ波形を設定された記録ヘッド
ドライバ44によって記録ヘッド2を駆動し、図2で示
す先にテストパターンが記録されている記録紙8a上に
記録画像を記録し符号8bの状態にとなり記録は完了す
る。
【0033】先のテストパターン記録時のテストパター
ン像は図2符号22bで示すように記録領域外に残る
が、テストパターンは微小面積であることに加えてデー
タ記録領域外に記録されているので、観察者は詳細に観
察しない限りテストパターンが記録された跡を発見する
ことはない。
【0034】本方法によれば記録結果として同じ記録媒
体上に記録データとテストパターンが記録されるのでイ
ンク吐出量が多いと微小なテストパターンを形成するこ
とができず記録結果の品質を損なうことになる。そこ
で、本発明に当り1ドットのインク吐出量を変えて記録
を行ないその記録結果を官能評価する実験をした結果、
1ドットのインク吐出量が0.1μg以下であれば問題
ないことがわかった。従って本実施例では1ドットのイ
ンク吐出量を0.03μgとしている。
【0035】また、1ドットのインク吐出量が0.1μ
g以下であってもテストパターンの面積が多い場合はテ
ストパターン記録跡が目立って観察され記録結果を損な
うことがある。これについて連続した画像部分の大きさ
を様々に変化させたテストパターンと記録データを一緒
に記録し、記録結果を官能評価した結果、テストパター
ンの1箇所における連続領域の画像の大きさが直径0.
3mmの円に収まる大きさであれば問題ないことがわか
った。また、同時にこの場合の単位面積当りのインク量
を評価した結果、テストパターンの記録ドット量を1m
m四方面積当り3μg以下にすればほとんどの記録媒体
で良好な結果が得られた。従って本実施例では図3の符
号33a、34a、35aにそれぞれ横方向の大きさを
0.06mm、0.1mm、0.14mmと示す様にテ
ストパターンの大きさがそれぞれ直径0.3mmの円に
十分入る大きさのテストパターンとしている。
【0036】本実施例におけるテストパターン像読み取
り結果の処理方法を図6により説明する。
【0037】CCDセンサからの信号は各画素毎にA/
D変換されそれぞれ光量に応じたデジタル値に変換され
る。本実施例においては読み取り系の校正時に図10の
校正板の校正パターン102部分で黒レベルを、103
部分で白レベルを画素単位で検知し、更に、記録紙の記
録前の反射光量から記録紙の白レベルを検出して、CC
Dの各画素単位で読み取り結果の白/黒の判断のしきい
値を決定する。テストパターン像の読み取り結果は図6
の符号71でCCDの画素単位で、しきい値より高い場
合は白、しきい値より低い場合は黒として処理する。本
実施例ではまず図3の31aのドットパターンを検知し
図6の符号72でCCD上の黒の画素数をカウントし単
独ドットテストパターンの面積とする。図3の符号32
a、33aも同様に処理し、34aの集合ドットのテス
トパターンも同様にパターンの面積を図6の符号73で
処理する。また、図3の符号35aのテストパターンは
図6の符号74で黒部分に囲まれた白部分の画素数をカ
ウントし中ヌケ部分の面積とする。上記で測定された各
面積値を図6の符号75でソフトウェアによって設定さ
れている判断ルールに従って処理する。その結果インク
滴のドット量を調整する場合はドライブ波形の設定を、
記録データの展開処理方法を調整する場合は展開処理方
法を設定する。本実施例では上記の判断処理を記録装置
とホストコンピュータの両方のソフトウェアを用いて実
現している。
【0038】本実施例におけるインク滴のドット量を調
整する方法を図11、12、13により説明する。本実
施例では図11に示す構造の圧電素子を用いてインクを
加圧してノズルから吐出する方法を用いており、インク
の吐出動作は圧電素子116の端子に図12に示す電圧
波形を印加することで行なう。すなわち図12の電圧波
形121において説明すると、Tc0の区間で圧電素子
116を充電し端子間電圧を高くすることで圧電素子の
電極間が拡張する方向に歪むために図11でそれに直行
する方向に接続されている圧力壁115は加圧室112
を拡張する方向にたわむ、この動作でインクをインク供
給路113から圧力室112に引き込む。
【0039】次に図12のThで示す部分で圧電素子の
電圧を保持する。次にTdの区間で圧電素子の電荷を放
電する、このとき圧電素子は先の歪みを解放し図11で
圧力壁115は圧力室112を収縮する方向に戻るので
インクはノズル111よりインク滴となって吐出する。
このような構造の記録素子では圧力室を拡張する時間を
変化させることでインクの圧力室への引き込み量と引き
込み速度が変化し吐出量が変化することが知られてい
る。すなわち図12の圧電素子への印加電圧波形では通
常の充電時間Tc0を破線123で示すTc1の様に短
くすればインク滴の吐出量が多くなり、破線122で示
すTc2の様に充電時間を長くすればインク吐出量は少
なくなる。
【0040】図13は本実施例の記録ヘッドのドライブ
回路を示すものである。符号116は記録ヘッドの圧電
素子、符号131の破線で囲まれる部分が圧電素子に電
圧を印加し充電、放電をする部分、符号132の破線で
囲まれる部分がそれぞれの圧電素子のスイッチングをす
る部分である。回路は端子Tscに制御信号を入力する
ことで符号133の破線で囲まれる部分から基準コンデ
ンサCoに定電流による充電をし、基準コンデンサCo
の電位に応じてTr2を通して圧電素子116を充電す
る。また、端子Tsdに制御信号を入力することで基準
コンデンサCoの電荷を符号134の部分で定電流で放
電しTr2を通して圧電素子116の放電をする。回路
131に接続された複数の圧電素子116のそれぞれの
ドライブのON/OFFは端子Ts1、Ts2に加える
制御信号で行なう。従ってドライブ回路図13において
基準コンデンサCoへの充電時間を決定している抵抗1
35部分の抵抗値を変化させることで図12Tcで示す
充電時間を変更できるので、ドット量の調整が可能であ
る。
【0041】本例では抵抗135に並列に接続すること
のできる抵抗136と137をリレーによるスイッチ1
36s、137sによって接続を制御し抵抗値を変化さ
せる構造としている。本実施例では全ての圧電素子のド
ライブ波形の設定が前記抵抗値の制御でできるのでドラ
イバ回路の構成が簡単である。
【0042】本実施例のように圧電素子を用いてインク
を加圧するインクジェット方式の記録装置は圧電素子の
ドライブ波形を変えることで比較的簡単にインク吐出量
を変化させることができ、吐出量の変化幅もインク量で
3割程度は安定して変化させられるので本発明のドット
量の調整には適している。また、ドット量の調整にドラ
イブ電圧を変更する方式に比べてドライバの負荷の変動
が少なく安定した特性が得られる。
【0043】本実施例におけるデータ展開方法の調整に
ついて図6、7により説明する。本実施例では、テスト
パターンの読み取り結果から、そのにじみ具合や再現性
が標準の記録状態に近いと判断される場合は、記録ヘッ
ドのドライブ波形の設定、記録データ展開方法の設定を
標準のまま記録を行なうが、にじみ具合や再現性が標準
状態より離れている場合、例えばテストパターンのにじ
み具合が標準より多い場合は、記録ヘッドのドライブ波
形を調整して吐出ドット量を少なくし、記録される画像
の状態を標準状態にする。しかしテストパターンのにじ
み具合や再現性が標準の記録状態から大きく離れている
と判断される場合はドライブ波形の変更によるドット量
の調整に加えて記録データ展開方法の変更を行ない、記
録される画像が標準の記録状態に近付くようにする。例
えば、テストパターンの記録状態からドットのにじみ量
が大きくドット量を標準より少なく調整しても記録され
る画像が標準状態にならないと判断される場合は、記録
データの展開処理方法の設定を変更し記録するドット密
度を少なくすることで、記録される画像を標準状態に調
整する。
【0044】本実施例において、画像処理方法の調整
は、記録データを展開する場合に用いるγ特性の変更に
より行なう。中間調を含む記録データは、ホストコンピ
ュータからRGB値などで与えられるが、記録装置とし
て画素単位でのドット量の変調は不可能なので、記録面
積当りの記録ドット数を変調するディザ処理によって階
調記録を行なう。本実施例においてディザ処理できる階
調数を64階調とした場合、面積当りの記録ドット密度
を64段階で変調することになるが、それによって記録
される記録紙上の平均濃度は、記録ヘッドから吐出され
るインクのドット量によって異なったものとなる。
【0045】図7(A)に本実施例で64段階のディザ
処理をしてグレースケールを記録した場合の紙面上の記
録濃度を示す。符号82はドット径が標準の場合の特性
であり、符号81はドット径が大きい場合の特性、符号
83はドット径が小さい場合の特性である。グラフでわ
かるようにドット径が変化すると全体に再現される濃度
値が変化するがそれとともに、グラフの形も変化するこ
とがわかる。グラフではディザ処理のステップ値が0か
ら64に増加するに従い記録される濃度が増加するが、
その中間と右上部分ににグラフが直線でなくなる部分が
存在する。これは、一般にドットゲインと呼ばれ、ディ
ザ処理のステップ値が増加して行く途中で記録されたド
ットとドットが接触し始める場合に発生し、濃度が急増
する現象である。図7のグラフより、記録ドットのドッ
ト径を変化させると、記録される濃度値が変わるだけで
なくドットゲインの発生する位置が変わることがわか
る。
【0046】図7(B)は本実施例において、記録デー
タとして与えられる階調値からディザ処理のステップを
決定する為のγ特性の設定を示すグラフである。符号8
5はドット径が標準の場合の特性であり先に説明したド
ットゲインの記録特性を相殺するよう設定されている。
本特性により濃度データをディザステップ値に変換した
後、紙面上に記録すれば図7(A)の符号82でしめす
ディザステップ値ー記録濃度の特性により、記録データ
として与えられた階調値が紙面上でほぼ忠実に再現され
ることになる。
【0047】本実施例において、テストパターンの読み
取り結果に基づいて、記録ヘッドのドライブ波形を変更
しドット量を変更することでドット径が標準になる場合
はデータ展開方法は標準のままで良いが、ドライブ波形
を変更してもドット径が標準にならない場合は更にデー
タ展開方法の変更による再現濃度値の標準化が必要にな
る。しかし、その場合も単純に画像展開時の濃度特性を
調整するだけでなく濃度変換特性全体の調整が必要であ
る。階調データによる記録結果濃度は図7(A)のグラ
フで示す様にドット径の変化でドットゲインの位置が変
わるので図7(B)の符号84、86で示すようにドッ
トゲインの補正を含めたγ特性全体の変更をすること
で、記録再現性が改善される。
【0048】以上のように、本実施例では、テストパタ
ーンが記録された記録媒体に記録データを記録するの
で、テストパターン用の用紙を使用することなく、ま
た、実際に記録する紙質に合わせた補正ができ、常に良
好な画像再現が可能になる。また、テストパターンの記
録媒体が実際の記録媒体と同じであること、テストパタ
ーンが簡単であること、テストパターン検出装置が記録
ヘッドと同一キャリッジに具えられていることにより、
テストパターン記録、読み取りのためののための時間を
極小にすることができた。
【0049】なお、本発明によれば必ずしも上記実施例
と同様の構成を採る必要はなく、テストパターン発生機
構やテストパターン読み取り結果の処理機構、ドライブ
波形の設定機構や展開処理の設定機構などを含む各種メ
モリや展開機構、処理機構、設定機構などの機能はソフ
トウェアで実現しても良いしハードウェアで実現しても
良い。またそれぞれの機能は記録装置内にあっても良い
し接続されているホストコンピュータ上にあっても構わ
ない。また、それぞれの機能をそれぞれの部分が独立し
て実現しても良いし統合的に実現しても良い。また、上
記実施例の記録装置は圧電素子を用いた記録ヘッドを採
用しているが、本発明は熱素子を用いた記録ヘッドなど
圧電素子によらないインクジェット記録素子を用いる記
録装置においても有効である。また、記録画像の補正は
インクドット量のみを調整してもよいし、データ展開方
法のみを調整してもよいし、また、それらの組み合せに
よってもよい。
【0050】上記実施例以外のテストパターンを以下に
説明する。図14は本発明の記録装置に特に有効なテス
トパターンである。符号141は1ドットのテストパタ
ーン、符号142、143はそれぞれ2ドット×2ドッ
ト、3ドット×3ドットの集団ドットのテストパター
ン、符号145、146はそれぞれ3ドット×3ドッ
ト、5ドット×5ドットのの中心1ドットを除いたテス
トパターン、符号147、148はそれぞれ4ドット×
4ドット、6ドット×6ドットの中心2ドット×2ドッ
トを除いたテストパターンである。いずれのパターンも
多くの面積を必要としないので記録した結果がからほと
んどわからない点で本発明に適する。更に、いずれのパ
ターンもほぼ同心円状の形をしているのでテストパター
ン像検出手段での検出や検出結果の処理が簡単に行なえ
る。
【0051】符号141の1ドットのテストパターンは
紙によるインクのにじみ具合がわかる最も簡単なパター
ンであり、テスト記録位置の自由度が高い。符号14
2、143の集団ドットのテストパターンは紙によるイ
ンクのにじみ具合がわかるのと同時に、ドットのつなが
り方の特徴がわかる。また、記録面積が広いのでベタ記
録時の平均濃度の測定が容易である。さらに、単独ドッ
ト141のにじみ具合と集団ドットのにじみ具合との差
から紙のインクの吸収度合を検出することも可能であ
る。OHP用紙への記録などでは隣接するドット同志が
インクを引き合ってインクがはじいたり流れたりする傾
向があるが、このような場合にはインクのはじき方や像
形成の特徴を検出することができる。符号145、14
6、147、148の中ヌケテストパターンは、記録媒
体が紙の場合はインクの浸透作用によって中ヌケ部分が
どの程度潰れてしまうかを検出することができる。ま
た、OHP用紙などの場合はインクの引合いによる中ヌ
ケ部分の潰れが発生するかどうかがわかる。なお、前記
に示したテストパターン以外のテストパターンを用いて
も本発明は有効であることに変わりはない。
【0052】図15は図14で示したテストパターンを
含む複数のテストパターンを本発明の方法で記録し、記
録結果を複数の被験者を用いて官能評価した結果であ
る。図15(B)表の「パターン」は図14のテストパ
ターンの符号に相当し、概寸法はそれぞれのパターンの
幅であり、「発見率」は本発明の方法でテストパターン
が記録されているA4大のプリントサンプルから、テス
トパターンの存在を発見した被験者の割合(%)であ
り、「評価」はそれぞれ前記のプリントサンプルのトー
タルとしての評価を5段階で示したものである。これに
よるとテストパターン141と142は全ての被験者が
発見することがなかった。従ってテストパターンを記録
領域外に記録したことによる評価の低下はなく5という
評価結果となっている。また、テストパターン143、
145、147、146、148とその大きさが大きく
なるに従って被験者がテストパターンを発見する率が上
がり、それとともに評価が低下する。以上の様な官能評
価の結果をテストパターンのサンプル数を多くして取
り、その評価値をグラフにしたものが図15(A)であ
る。
【0053】これらの結果から考察できることは、テス
トパターンの存在を発見してもそれが微小なものであれ
ば評価は大きく低下しないということである。また、実
際にはテストパターンを記録し、その像を読みとって記
録媒体に最適なドット量あるいは展開方法を用いてデー
タを記録しているのでテストパターンを記録しない場合
に比べて記録領域内の文字や画像の品質が向上すること
を考慮すると更にテストパターンの存在による評価の低
下は小さくなると考えられる。これらの結果からテスト
パターンのサイズが0.3mm以下であれば本発明の方
法でテストパターンを記録する利点は特に大きいことが
わかった。
【0054】図18は前記実施例以外のテストパターン
像検出手段を示す例である。前記実施例のセンサは格子
パターンに分割されていたのに比較して、本実施例では
同心円状に分割されている。図中符号181aは中心付
近のセンシング領域、符号181bはその周囲のリング
状のセンシング領域、符号181cは更にその周囲のセ
ンシング領域である。本例のセンサも集合ドット、中抜
けパターンドットなどのテストパターン読み取りにも適
用できるが、比較的簡単な単独ドットなどのテストパタ
ーンの読み取りに適する。
【0055】簡単なテストパターンであれば同心円状に
センシング領域が分割されたテストパターン検出手段
は、少ないセンサ数でドットのにじみ情報の読み取りが
可能であり、読み取り時の精度も高いことが特徴であ
る。また、ドットが円に近く、また照明系、光学系も円
形領域を重視した特性になりやすいので読み取り系の構
成も簡単である。また、読み取り結果の数が少ないので
処理が簡単にできる。一方、先の実施例で用いた格子状
に分割された領域でテストパターン像を読み取る手段
は、センシングする領域数が多いので構成が複雑になる
反面、パターンの位置や形などの情報を含めた複雑なテ
ストパターンの評価が可能になる利点を持つ。また、読
み取り対象のテストパターンがセンサの中心からずれて
いても読み取りが可能などの利点も具える。
【0056】図19は図18に示した同心円状の領域を
もつテストパターン検出センサを用いて、1ドットのテ
ストパターン像を検出し記録媒体上でのにじみ具合に応
じて記録ヘッドのドライブ波形を換えて吐出ドット量を
多く、または少なく設定する場合の判断処理方法を示す
実施例である。 本実施例では図18に示すテストパタ
ーン検出センサを用いてそれぞれの領域からの出力値を
16段階のデジタル値に変換して図19の手順で示すソ
フトウェアによる判断処理をする。図18(B)に本実
施例の標準的なドットのにじみ方を示す場合のセンサの
読み取り状態の例を示す。センサの中心の領域aに投影
されるテストパターンのドット像は全てインク色の黒で
あり、そのデジタル値を16である。その周囲の領域b
にはインク像が一部投影され、その値は10であり、最
も外側の領域cはインクの像はほとんどなくその値は1
である。同様に図18(C)はインクのにじみが少なく
テストパターンのドット径が標準よりも小さい場合、図
18(D)は標準よりも大きい場合を示す。
【0057】図19のフローチャートは前記a、b、c
の領域の出力値からヘッドドライバの設定を判断する過
程を示すもので、符号192、193、194、195
の判断においてそれぞれの検出領域の出力から、テスト
パターンのドット像が正常に検出されているかを判断
し、符号196、197で検出されているドットの大き
さを判断しヘッドドライバの設定を符号198、19
9、120で行なう構成となっている。
【0058】次に、本発明による記録装置の記録ヘッド
とテストパターン像検出手段の位置関係について説明す
る。
【0059】前記実施例では図1で示すように記録ヘッ
ド2とテストパターン検出手段1のそれぞれテストパタ
ーンの記録部と検出部は、図中符号2c、1cで示す仮
想軸上記録媒体表面との交わる位置にあり、そのそれぞ
れの走査軌跡は図中符号cで示す主走査方向に平行な同
一線上にある。従って本発明による本実施例ではテスト
パターンの記録後にキャリッジ3を移動するだけでセン
サユニット1をテストパターン像検出部に正確に移動す
ることができる。すなわち本実施例では副走査方向であ
る記号bで示す方向に紙送り機構を動作させる必要ない
ので、テストパターンの検出が正確にできると同時にテ
ストパターンの読み取り動作を高速にできる。
【0060】図16と図17は前記実施例以外の本発明
による記録装置の構成を示す図である。図16で示す実
施例は図1の実施例と同様に記録ヘッド162と読み取
りセンサ161を取り付けたキャリッジ163がキャリ
ッジガイド166に沿って主走査方向11に移動し、記
録紙168は紙送りローラ165によって副走査方向1
2に送られる構造の記録装置である。本実施例における
テストパターンの記録位置とテストパターン読み取り位
置はそれぞれ、記録ヘッド162の仮想軸162cとテ
ストパターン読み取りセンサ161の仮想軸161cが
記録媒体168と交わる位置にあり、その双方が符号1
2cで示す副走査方向12に平行な1つの線上にある。
従って、テストパターンの記録から読み取りに移る動作
はキャリッジ163を動かすことなく記録紙168の移
動のみで行なえる。図17で示す実施例は符号175で
示すドラムに記録用紙178を巻き付け記録ヘッド17
2で記録する記録装置である。
【0061】本実施例の記録動作はドラム175を回転
させながら記録ヘッド172を移動する方法であり、記
録ヘッドの上にはテストパターン検出用のセンサユニッ
ト171が取り付けられている。従って本実施例では主
走査方向が図中符号15で示すドラムの回転方向、副走
査方向が符号16で示すキャリッジの移動方向であり、
図で示す仮想軸172c上にある記録ヘッド172でテ
ストパターンを記録する位置と、仮想軸171c上にあ
るテストパターン検出手段171の検出位置のそれぞれ
の記録用紙178上での走査軌跡は、主走査方向15と
平行な同一線c上にある。よって本実施例においてもテ
ストパターンの記録と読み取りの間の移動動作がドラム
の回転だけで良く、位置精度を確保しつつ短時間での動
作が可能である。
【0062】なお、上記実施例以外の構成の記録装置に
おいても、テストパターンの記録位置と読み取り位置の
記録媒体上での走査軌跡が主走査方向に平行な同一の線
上にるか、または、記録位置と読み取り位置の走査軌跡
が副走査方向に平行な同一の線上にあれば、テストパタ
ーンの記録から読み取りへの動作は主走査方向または副
走査方向のみの移動でよいので、同様の効果が得られ
る。
【0063】前記実施例では図1符号4及び図10で示
したテストパターン読み取り手段の校正パターンをセン
サの校正用に用いているが、更にテストパターンの読み
取り結果の処理の基準として用いてもよい。すなわち、
標準テストパターンとしてテストパターンと同様のドッ
トや中ヌケパターンを印刷しておき、紙面上に記録され
たテストパターンと比較することで、インクの紙面上の
にじみ具合などを判断する構成としてもよい。この様に
するとこで標準テストパターンとの相対的な比較のみで
テストパターンの評価ができるので、テストパターン検
出機構の出力値が記録装置の環境温度やエージングによ
って変動するなどの課題を考慮する必要がなく、簡単な
構成が可能となる。
【0064】前記実施例ではテストパターンを記録する
位置を記録媒体上の記録領域の右上部分としていたが本
発明によればデータの記録領域外であれば同様の効果が
あることは自明である。また、前記実施例ではデータの
記録領域を記録データから検出してテストパターン記録
位置を決定していたが、記録装置の記録領域としてホス
トコンピュータなどに通知、定義されている領域の外側
の一定の位置を常にテストパターン記録位置とするなど
の方法にしても良い。むしろ、普及型の記録装置におい
ては記録媒体の周縁部数mmを記録領域外としている場
合が多いので、その領域にテストパターンを記録するこ
とで記録データを参照してテストパターン記録位置を都
度決定するといった工程が必要がなくなる。
【0065】本発明による記録装置は記録媒体に通常の
紙を使用した場合だけでなく、再生紙や合成紙などの通
常の用紙と異なったインクのにじみ特性をもつものや、
OHP用紙などのようににじみがほとんどなくインク滴
が染み込みにくい記録媒体も用いる場合においても効果
がある。また、本発明による記録装置は記録媒体を最終
的な記録結果としない記録装置においても有効である。
例えば、インクジェット素子による記録像をいったんド
ラムやベルト上の記録媒体に記録し、乾燥などを行なっ
た後に記録紙などの記録媒体に転写する方式の記録装置
にも有効である。
【0066】
【発明の効果】以上、実施例に基づいて説明したよう
に、本発明によれば微小なテストパターンを記録媒体上
の記録領域外に記録し、テストパターン像の検出、検出
結果によるインク吐出量の調整またはデータ展開方法の
調整、テストパターンの記録された記録媒体上に記録デ
ータに基づく記録像を記録、という記録プロセスをとる
ことで、テストパターン記録のために記録媒体を多く使
用することなく、あらゆる記録媒体に良好な記録が可能
となる。また、テストパターンの記録を実際に記録をす
る記録媒体上で行なうので、記録媒体特性の把握が正確
であり、かつ、テストパターン像の記録、検出に要する
時間を極小にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施例の記録装置の構造を示す斜
視図である。
【図2】本発明による実施例の記録プロセスを説明する
記録画像の説明図である。
【図3】本発明による実施例のテストパターンを示す図
である。
【図4】本発明による実施例の記録装置の構成を示すブ
ロック図である。
【図5】本発明による実施例の記録動作を示すフローチ
ャートである。
【図6】本発明による実施例の読み取り結果の処理方法
を説明する説明図である。
【図7】本発明による実施例の記録濃度特性と画像展開
処理のγ特性を示すグラフである。
【図8】本発明による実施例のテストパターン像検出装
置の構成を示す断面図である。
【図9】本発明による実施例のテストパターン読み取り
センサの画素構成を示す説明図である。
【図10】本発明による実施例の校正板を示す斜視図で
ある。
【図11】本発明による実施例の記録素子の構造を示す
断面図である。
【図12】本発明による実施例の記録素子のドライブ波
形を示す図である。
【図13】本発明による実施例の記録素子のドライブ回
路を示す回路図である。
【図14】本発明による実施例のテストパターンを示す
図である。
【図15】本発明による実施例にる記録結果の官能評価
結果を示すグラフと表である。
【図16】本発明によるその他の実施例の記録装置の構
成を示す斜視図である。
【図17】本発明によるその他の実施例の記録装置の構
成を示す斜視図である。
【図18】本発明によるその他の実施例のテストパター
ン検出装置を示す図である。
【図19】本発明によるその他の実施例のテストパター
ン検出結果の処理例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1:センサユニット(テストパターン検出手段) 2:記録ヘッド 3:キャリッジ 4:校正用標準板 5:紙送りローラ 6:キャリッジガイド 7:プラテン 8:記録紙(記録媒体) 9:給紙カセット 10:キャリッジ送りモータ 8a:記録紙(テストパターン記録直後) 8b:記録紙(データ記録後) 21:記録領域 22a:テストパターン記録位置(テストパターン記録
直後) 22b:テストパターン記録位置(データ記録後) 23:文字記録部分 24:文字記録部分 25:画像記録部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41J 2/12 29/46 A B41J 3/04 104 F

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク滴を吐出する記録ヘッドにより記
    録媒体上に記録データに基づく画像を記録するインクジ
    ェット記録装置において、1ドットのインク量が0.1
    μg以下であり、記録媒体上のデータ記録領域外の位置
    に微小面積のテストパターンを記録する手段と、記録媒
    体上に記録された前記テストパターンの濃度又は面積分
    布を検出するテストパターン像検出手段と、前記テスト
    パターン像検出手段によって得られた前記テストパター
    ンの濃度又は面積分布によって前記記録ヘッドのインク
    滴量を調整する手段又は前記記録データの展開方法を調
    整する手段とを具え、前記テストパターンが記録されて
    いる記録媒体上に前記記録データに基づいた画像を記録
    することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記テストパターンの1箇所における連
    続領域の画像の大きさが直径0.3mmの円に収まる大
    きさであることを特徴とする請求項1記載のインクジェ
    ット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記テストパターンによる記録に使用さ
    れるインク量は記録媒体上の面積1mm四方に対して3
    μg以下であることを特徴とする請求項1記載のインク
    ジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記テストパターンの画像構成は1ドッ
    トの単独、又は、2ドット×2ドット格子の4ドット構
    成、又は、3ドット×3ドット格子の9ドット構成、又
    は、3ドット×3ドット格子の中心に位置するドットを
    除いた8ドット構成、又は、5ドット×5ドット格子の
    25ドット格子の中心のドットを除いた24ドット構成
    であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかの
    項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 前記テストパターンを記録する手段のイ
    ンク滴を記録する位置と前記テストパターン像検出手段
    の像検出位置のそれぞれの記録媒体上での位置が、主走
    査方向に平行な同一の線上にあるか、または、副走査方
    向に平行な同一の線上にあることを特徴とする請求項1
    ないし4のいずれかの項に記載のインクジェット記録装
    置。
  6. 【請求項6】 前記テストパターン像検出手段は光源と
    光学センサから成り、概同心円状に分割された複数の領
    域の光学的反射率をそれぞれ検出する構成であることを
    特徴とする請求項1ないし5のいずれかの項に記載のイ
    ンクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 前記テストパターン像検出手段は光源と
    光学センサから成り、格子状に分割された複数の領域の
    光学的反射率をそれぞれ検出する構成であることを特徴
    とする請求項1ないし6のいずれかの項に記載のインク
    ジェット記録装置。
  8. 【請求項8】 前記テストパターン像検出手段の校正用
    として白地に半径の異なる複数の黒色の円を予め記録し
    た校正パターンを具えたことを特徴とする請求項1ない
    し7のいずれかの項に記載のインクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】 前記記録ヘッドは圧電素子の変形エネル
    ギーによりインク滴を吐出する構造であり、前記インク
    滴量を調整する手段は前記圧電素子に印加する電圧波形
    を変更する機構によることを特徴とする請求項1ないし
    8のいずれかの項に記載のインクジェット記録装置。
  10. 【請求項10】 前記記録データの展開方法を調整する
    手段は、濃度情報を含む記録データの展開処理を行なう
    場合に、濃度情報を含む記録データを前記検出手段の結
    果に基づいて設定されたγ特性によって変換処理を行な
    う構成であることを特徴とする請求項1ないし9のいず
    れかの項に記載のインクジェット記録装置。
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