JPH07137153A - 繊維強化樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

繊維強化樹脂成形体の製造方法

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JPH07137153A
JPH07137153A JP5288239A JP28823993A JPH07137153A JP H07137153 A JPH07137153 A JP H07137153A JP 5288239 A JP5288239 A JP 5288239A JP 28823993 A JP28823993 A JP 28823993A JP H07137153 A JPH07137153 A JP H07137153A
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JP
Japan
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resin
fiber
parts
transparent
curing
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JP5288239A
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English (en)
Inventor
Hajime Naito
一 内藤
Masahiro Ishii
正裕 石居
Michihiko Watanabe
充彦 渡辺
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形体長手方向に順次色が異なる繊維強化樹
脂成形体、および交互に透明部と不透明部とが繰り返さ
れ、かつ表面性に優れる繊維強化樹脂成形体の製造方法
を提供する。 【構成】 第1の製造方法は、異なる色の熱硬化性樹脂
組成物A、Bを金型の樹脂含浸ゾーン4に交互に注入し
て繊維に含浸し、加熱硬化を行い、引き抜く。交互注入
は3方バルブ10の切り替えにより行う。組成物Aおよ
びBの粘度差は7000cps以上である。第2の製造
方法は、硬化後に透明になる熱硬化性樹脂組成物Bと硬
化後に不透明になる熱硬化性樹脂組成物Aとを交互に注
入する。組成物AおよびBの粘度差は、7000cps
以上であり、透明樹脂組成物Bは、透明樹脂100重量
部に対し、平均粒径10〜50μmのガラスバルーンま
たはガラスパウダー10〜50重量部と、低収縮剤0.
5〜4重量部とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形体長手方向に順次
色が異なる繊維強化樹脂成形体および成形体長手方向に
交互に透明部と不透明部とが繰り返される繊維強化樹脂
成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、着色された繊維強化樹脂成形体を
引抜成形法によって製造する方法としては、強化繊維を
含む熱硬化性樹脂含浸長尺芯材の外表面に、樹脂含浸着
色連続繊維を配置して、これらを金型内へ引き込み加熱
硬化を行う方法が知られている(例えば特開平2−89
625号公報参照)。
【0003】また、ガラス繊維に、硬化したときに透明
もしくは半透明になる樹脂を含浸させると、繊維強化樹
脂成形体の透明性が維持されることが一般的によく知ら
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
製造法では、様模が直線状もしくは螺旋状の縞模様のよ
うな非常に単調な成形体しか得られず、意匠性に劣ると
いう問題があった。
【0005】また、透明部と不透明部とを有する繊維強
化樹脂成形体の製造法は、これまで知られていないばか
りか、透明もしくは半透明な樹脂成形体を得るには次の
ような問題点があった。すなわち、硬化後の透明性を維
持するためには、樹脂組成物に低収縮剤を添加しないこ
とが必要であるが、低収縮剤を含まない樹脂組成物を引
抜成形に用いると、熱硬化性樹脂の硬化収縮により得ら
れる成形体の表面性が低下するという問題点があった。
【0006】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解決し、成形体長手方向に順次色が異なる繊維強化樹脂
成形体、および成形体長手方向に交互に透明部と不透明
部とが繰り返され、かつ表面性に優れる繊維強化樹脂成
形体の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
繊維強化樹脂成形体の製造方法は、連続繊維を樹脂含浸
ゾーンと加熱硬化ゾーンとを備える金型内に引き込み、
樹脂含浸ゾーンに、異なる色に着色された少なくとも2
種の熱硬化性樹脂組成物を順次注入して繊維に含浸し、
その後加熱硬化ゾーンで樹脂組成物を加熱硬化し、硬化
された成形体を金型から引き抜く引抜成形法によって、
成形体長手方向に順次色が異なる繊維強化樹脂成形体を
製造するにあたり、樹脂含浸ゾーンに連続して注入され
る異なる色の樹脂組成物の粘度が互いに異なることを特
徴とするものである。
【0008】また、本発明の請求項2記載の繊維強化樹
脂成形体の製造方法は、連続繊維を樹脂含浸ゾーンと加
熱硬化ゾーンとを備える金型内に引き込み、樹脂含浸ゾ
ーンに、硬化後に透明になる熱硬化性樹脂組成物と硬化
後に不透明になる熱硬化性樹脂組成物とを交互に注入し
て繊維に含浸し、その後加熱硬化ゾーンで樹脂組成物を
加熱硬化し、硬化された成形体を金型から引き抜く引抜
成形法によって、成形体長手方向に交互に透明部と不透
明部とが繰り返される繊維強化樹脂成形体を製造するに
あたり、前記透明な樹脂組成物と前記不透明な樹脂組成
物の粘度が互いに異なり、かつ前記透明な樹脂組成物
が、透明樹脂100重量部に対し、平均粒径10〜50
μmのガラスバルーンおよびガラスパウダーの少なくと
も一方10〜50重量部と、低収縮剤0.5〜4重量部
とを含有するものであることを特徴とするものである。
ここで、「透明」なる用語は「半透明」をも含めて意味
するものとする。
【0009】以下、本発明の製造方法について詳しく説
明する。まず、請求項1の発明について説明する。
【0010】強化繊維としては、使用せられる熱硬化性
樹脂の硬化工程の温度において安定な繊維が用いられ
る。具体的には、ガラス繊維(GF)、炭素繊維(C
F)、シリコン・チタン・炭素繊維、ボロン繊維(B
F)、微細な金属繊維などの無機繊維、アラミド繊維
(AF)、エコノール繊維、ポリエステル繊維、ポリア
ミド繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ビ
ニロン繊維などの有機繊維を挙げることができる。これ
らのうち、着色された樹脂を強化繊維に含浸し加熱硬化
した際に、強化繊維自体の色が成形体表面の色に影響し
ないという観点より、ガラス繊維が最も望ましい。また
モノフィラメントの直径は1〜50μmが好ましい。
【0011】また連続繊維の形態としては、多数本のフ
ィラメントを集束したロービング、フィラメント束のス
トランドを、2次元ランダムに配してバインダーにより
接着したコンティニアスストランドマット、ストランド
束を円(スワール)状に配してニードルパンチにより結
合したスワールマット、ロービングを平織り、朱子織り
等した、ロービングクロス、チョップドストランドマッ
ト等が単独もしくは組み合わせて用いられる。
【0012】本発明において用いる金型は、前段部に樹
脂含浸ゾーンと後段部に加熱硬化7ーンとを備えるもの
である。樹脂含浸ゾーンは金型前端から50〜200m
m程度の長さに形成されていることが望ましい。50m
m未満であると、樹脂注入口の確保が困難であり、20
0mmを超えると、金型とのこすれが大きくなり、マッ
トの切断等の問題が発生する可能性がある。
【0013】また、樹脂注入口の位置は、金型前端から
25〜150mm程度が望ましい。25mm未満である
と、含浸圧力が開放されてしまい含浸不良になり、15
0mmを超えると、繊維に巻き込まれたエアーが金型入
口側に抜けず、成形品にボイドとして残る可能性があ
る。
【0014】一方、加熱硬化ゾーンは、注入含浸された
樹脂の少なくとも一方を硬化できれば良く、それに必要
な長さは、200〜1500mm程度あれば良い。
【0015】本発明においては、強化繊維を樹脂含浸ゾ
ーンに引き込みつつ、樹脂含浸ゾーンに、強化繊維に含
浸させるべき異なる熱硬化性樹脂組成物を、順次(3種
以上の樹脂組成物の場合)あるいは交互(2種の樹脂組
成物の場合)に注入する。このような注入を行う方法と
しては、2種または3種以上の樹脂組成物をそれぞれの
樹脂タンクから、注入ポンプにより切り替えて注入す
る。速やかに樹脂を切り替えるには、なるべく金型近く
で、制御の応答性がよい3方バルブや電磁弁を用いて切
り換えることが望ましい。また、注入ポンプとしてはエ
アポンプ等を用いるが、一定圧力の制御の可能なエアポ
ンプが最も望ましい。
【0016】樹脂の注入圧力は、一般に3〜10kg/
mm2 程度である。また、注入量は先に注入した樹脂と
後に注入した樹脂が混ざらないように、樹脂が注入口に
逆流しない量に調整するのが望ましい。
【0017】熱硬化性樹脂と強化繊維の割合は、繊維強
化樹脂成形体の必要とする物性により適宜決定される
が、樹脂100重量部に対して強化繊維が50〜500
重量部であるのが好ましい。強化繊維が50重量部未満
であると成形体の機械的強度が十分でなく、500重量
部を越えると強化繊維が樹脂中に均一に分散した成形体
が得にくくボイド等の発生により、成形体強度が極端に
低下する。
【0018】以上のようにして強化繊維に樹脂を含浸す
る。そして、金型の加熱硬化ゾーンで、樹脂を加熱硬化
する。加熱硬化温度は、一般に90〜180℃であり、
材料を引き抜きつつ、加熱硬化を行う。なお、本発明に
おいては、金型の加熱硬化ゾーンの後に必要に応じて、
後硬化装置を設けて後硬化を行うことができる。
【0019】このようにして、金型内に2種または3種
以上の樹脂を交互または順次注入し、加熱硬化して成形
体を得ることができる。
【0020】次に、請求項1の発明と請求項2の発明に
分けて、用いる熱硬化性樹脂組成物について詳述する。
【0021】請求項1の発明で用いる2種または3種以
上の熱硬化性樹脂組成物は、それぞれ異なる色の顔料を
含むものである。顔料としては、酸化チタン、黄鉛、酸
化鉄、アゾ系、焼成無機材料等を挙げることができる。
【0022】熱硬化性樹脂としては、引抜成形法で通常
用いられる熱硬化性樹脂を用いる。具体的には、不飽和
ポリエステル樹脂、ビニルエステル(エポキシアクリレ
ート)樹脂、エポキシ樹脂、ウレタンアクリレート樹
脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。これらの熱硬化性
樹脂のうち、硬化反応の速い、不飽和ポリエステル樹脂
が望ましい。硬化反応が速いことにより、強化繊維に含
浸後、金型内移動中に混合されにくくなる。
【0023】樹脂含浸ゾーンに連続して注入される異な
る色の樹脂組成物の粘度は、互いに異なるものである。
樹脂組成物の粘度差は、JISK7117に準拠して測
定した際に、樹脂注入時において7000cps以上に
することが好ましい。このような粘度差にすることによ
って、異なる色の樹脂組成物を切り替え注入しても、そ
の切り変わり目において樹脂組成物が混ざることがな
く、成形体に明確な色の境目を形成される。このように
7000cps以上の粘度差とするには、例えば、高粘
度樹脂組成物Aと低粘度樹脂組成物Bの2種の組成物を
用いる場合、高粘度組成物Aの粘度が10000〜50
000cpsであることが望ましい。10000cps
未満であると組成物Aと組成物Bが混ざり易くなり、5
0000cpsを超えると高粘度樹脂が強化繊維に含浸
しにくくなる。さらに低粘度組成物Bの粘度は500〜
3000cps程度が望ましい。3000cpsを超え
ると両樹脂が混ざり易くなり、500cps未満である
と低粘度樹脂が強化繊維に保持されずボイドが発生し易
くなる。
【0024】樹脂組成物の粘度を高くする手法として、
増粘剤、充填材の添加による方法があるが、粘度の制御
が行い易い充填材による増粘が望ましい。充填材として
は、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、ガ
ラスパウダー、ガラスバルーン等が挙げられる。充填材
添加量は樹脂の粘度、充填材の種類にもよるが、一般に
樹脂100重量部に対して100〜200重量部が望ま
しい。100重量部未満であると色の境界があいまいに
なり、200重量部を超えると樹脂の粘度が高くなりす
ぎ、繊維への含浸不足をおこし易くなる。
【0025】本発明において、色の異なる2種の樹脂組
成物を用いる場合は、上記したような高粘度樹脂組成物
Aと低粘度樹脂組成物Bとを交互に注入含浸すれば良
い。また、色の異なる3種以上の樹脂組成物を用いる場
合は、樹脂含浸ゾーンに連続して注入する樹脂組成物の
粘度が、上記したような高粘度樹脂組成物Aと低粘度樹
脂組成物Bになるようにすれば良い。すなわち、例え
ば、高粘度樹脂組成物A1およびA2 と低粘度樹脂組成
物Bとを用いる場合は、A1 −B−A2 −B−A1のよ
うな注入順序とすれば良く、また、例えば、高粘度樹脂
組成物Aと低粘度樹脂組成物B1 およびB2 とを用いる
場合は、A−B1 −A−B2 −Aのような注入順序とす
れば良い。
【0026】以上のように樹脂組成物を注入含浸し、続
いて加熱硬化することにより、成形体長手方向に順次色
が異なる繊維強化樹脂成形体を得ることができる。
【0027】請求項2の発明では、硬化後に透明になる
熱硬化性樹脂組成物と硬化後に不透明になる熱硬化性樹
脂組成物とを用いる。まず、透明になる樹脂組成物につ
いて説明する。
【0028】ここで、「透明」とは前記のように「半透
明」をも含めるものであるが、具体的には、JISK6
718に準拠して測定した光線透過率が30%以上、好
ましくは50%以上のものをさす。
【0029】透明樹脂としては、不飽和ポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂等の透明になり
うる樹脂を用いる。
【0030】透明樹脂組成物は、樹脂100重量部に対
し、低収縮剤0.5〜4重量部を含有する。樹脂の透明
度を高めるためには、本来低収縮剤を添加しない方が良
い。なぜならば、低収縮剤を添加すると樹脂が白化する
ためである。しかし、低収縮剤を添加しない樹脂組成物
は引抜成形の場合、表面状態が著しく低下し、ガラス繊
維が浮きでるという欠点を有している。従って、透明性
を維持しつつ収縮の影響を少なくするために、樹脂組成
物に低収縮剤を上記の量添加する。添加量が4重量部を
超えると、白化が顕著になり光線透過率が悪くなり、添
加量0.5重量部未満であると、如何なる充填材を添加
してもガラス繊維が浮きでる。好ましい添加量は、1〜
3重量部である。また、低収縮剤としてはポリ酢酸ビニ
ル等が挙げられる。
【0031】また、透明樹脂組成物は、樹脂100重量
部に対し、平均粒径10〜50μmのガラスバルーンお
よびガラスパウダーの少なくとも一方10〜50重量部
を含有する。これら充填剤を含有することにより、ガラ
ス繊維の浮き出しを完全に抑えることができる。これら
は、樹脂に添加して透明性を維持できる充填材であり、
平均粒子径は10〜50μmである。50μmを超える
と光線透過率が30%以下になり、10μm未満である
と収縮が押さえられず、ガラス繊維が浮きでてしまう。
好ましい平均粒子径は、20〜40μmである。また、
ガラスバルーンおよび/またはガラスパウダーの添加量
が、10重量部未満であると収縮を抑えることができ
ず、50重量部を超えると、通常は樹脂と屈折率が異な
るので、充填材による白化を生じる可能性がある。好ま
しい添加量は、20〜40重量部である。
【0032】この際、透明樹脂組成物の粘度は上記の配
合範囲から、1000〜3000cps程度になる。
【0033】次に、不透明になる樹脂組成物について説
明する。熱硬化性樹脂としては、引抜成形法で通常用い
られる熱硬化性樹脂を用いる。具体的には、不飽和ポリ
エステル樹脂、ビニルエステル、エポキシ樹脂、ポリイ
ミド樹脂等が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂のう
ち、硬化反応の速い、不飽和ポリエステル樹脂が望まし
い。
【0034】請求項1の発明と同様に、透明樹脂組成物
と不透明樹脂組成物の間に7000cps以上の粘度差
があることが好ましく、不透明樹脂の粘度は10000
cps以上にするのが望ましい。この粘度に増粘する方
法としては、充填材を樹脂に添加する方法がある。充填
材としては、例えば、不透明にするために炭酸カルシウ
ム、ウイスカ等を用いるのが望ましく、この充填材の添
加量は、一般に樹脂100重量部に対して100〜20
0重量部とするのが望ましい。200重量部を超える
と、粘度が高くなりすぎるため含浸不良となり、100
重量部未満であると粘度が10000cps以下とな
る。
【0035】そして、上記の方法により樹脂組成物を注
入する。この際、注入圧力を3〜7kg/mm2 にする
のが望ましい。3kg/mm2 未満であると、含浸むら
が生じ透明感がなくなり、7kg/mm2 を超えると、
充填材のむらが生じ易く、透明感がなくなる。
【0036】
【作用】請求項1の発明においては、樹脂含浸ゾーンに
連続して注入される異なる色の樹脂組成物の粘度が互い
に異なるので、繊維強化樹脂成形体の色の境目は明確で
ある。
【0037】また、請求項2の発明においては、透明樹
脂組成物と不透明樹脂組成物の粘度が互いに異なるの
で、繊維強化樹脂成形体の透明部と不透明部の境目は明
確である。さらに、透明樹脂組成物が、ガラスバルーン
および/またはガラスパウダー10〜50重量部と、低
収縮剤0.5〜4重量部とを含有するので、透明感が維
持される。
【0038】
【実施例】 [実施例1]本発明の繊維強化樹脂成形体は、例えば、
図1に示す装置により製造される。以下の説明におい
て、前とは図1の右方向をいうものとする。
【0039】図1において、金型は長さ1000mmで
あり、樹脂含浸ゾーン(4) と加熱硬化ゾーン(5) とを備
える。樹脂タンク(3a)(3b)からそれぞれ樹脂注入管(9a)
(9b)が配され、3方バルブ(10)を経て樹脂注入管(9) と
なり、樹脂含浸ゾーン(4) に通じている。また、3方バ
ルブ(10)は、制御装置(11)により作動がコントロールさ
れる。加熱硬化ゾーン(5) は、加熱ヒーター(8) により
加熱されるようになされている。金型の後方には、イン
フィードプレート(2) が配され、金型の前方には、引抜
装置(12)が配されている。また、図1において、(1) は
強化繊維を示し、(6) および(7) はそれぞれ色の異なる
樹脂含浸部を示す。
【0040】この実施例で用いた原料は以下の通りであ
る。 ガラス繊維(ロービング):旭ガラス社製ガラスロービング 4450番 ガラス繊維 (マット) :旭ガラス社製コンティニアスマット450番 組成物A 樹脂A :ユピカ社製不飽和ポリエステル樹脂3512 100重量部 硬化剤 :t−ブチルパーオキシベンゾエート 1重量部 顔料 :大日本精化社製ST5266(緑)30重量部 焼成無機 炭酸カルシウム :100重量部 組成物B 樹脂B :ユピカ社製不飽和ポリエステル樹脂3512 100重量部 硬化剤 :t−ブチルパーオキシベンゾエート 1重量部 顔料(アゾ系) :大日本精化社製ST5232(赤)30重量部 炭酸カルシウム :10重量部 以上のような樹脂配合により、組成物Aの粘度(20
℃)は10000cps、組成物Bの粘度は700cp
sとなった。
【0041】組成物Aと組成物Bを樹脂タンク(3a)(3b)
に各々入れ、金型の樹脂含浸ゾーン(4) に組成物Aと組
成物Bを3方バルブ(10)の切り替えにより、圧力5kg
/cm2 で交互に注入含浸し、125℃に温調した断面
寸法100mm×3mの金型内を80cm/分で通過させ
た。この操作により、成形体長手方向に交互に色が異な
る繊維強化樹脂成形体を得ることができ、また、色の境
目は明確であった。
【0042】[比較例1]実施例1の組成物Aの炭酸カ
ルシウムの配合量を10重量部にして組成物Aの粘度を
組成物Bと同じ1000cpsにした以外は、実施例1
と同様の方法で繊維強化樹脂成形体を製造したところ色
が混ざってしまい、明確に色の分かれた成形体は得られ
なかった。
【0043】[実施例2]この実施例で用いた原料は以
下の通りである。 ガラス繊維(ロービング):旭ガラス社製ガラスロービング 4450番 ガラス繊維(マット) :旭ガラス社製コンティニアスマット450番 組成物A 樹脂A :ユピカ社製不飽和ポリエステル樹脂3512 100重量部 硬化剤 :t−ブチルパーオキシベンゾエート 1重量部 炭酸カルシウム :100重量部 顔料 :大日本精化社製ST5266(緑)30重量部 焼成無機 組成物B 樹脂B :ユピカ社製不飽和ポリエステル樹脂3140 100重量部 硬化剤 :t−ブチルパーオキシベンゾエート 1重量部 低収縮剤 :酢酸ビニル樹脂 2重量部 ガラスパウダー :20重量部(平均粒径30μm) 以上のような樹脂配合により、組成物Aの粘度は100
00cps、組成物Bの粘度は1500cpsとなっ
た。
【0044】組成物Aと組成物Bを樹脂タンク(3a)(3b)
に各々入れ、金型の樹脂含浸ゾーン(4) に組成物Aと組
成物Bを3方バルブ(10)の切り替えにより、圧力5kg
/cm2 で交互に注入含浸し、150℃に温調した断面
寸法100mm×3mの金型内を80cm/分で通過させ
た。この操作により、透明部と不透明部が明確に分かれ
た成形体を得ることができいた。この際、JISK67
18に従い、透明部分であるB組成物が含浸硬化した成
形体の光線透過率を測定したところ70%(厚さ3mm)
であった。そして、不透明部分の光線透過率は15%以
下であった。
【0045】[比較例2]この比較例で用いた原料は以
下の通りである。 ガラス繊維(ロービング):旭ガラス社製ガラスロービング 4450番 (マット) :旭ガラス社製コンティニアスマット450番 組成物A 樹脂A :ユピカ社製不飽和ポリエステル樹脂3512 100重量部 硬化剤 :t−ブチルパーオキシベンゾエート 1重量部 炭酸カルシウム :100重量部 顔料(焼成無機顔料) :大日本精化社製ST5266(緑)30重量部 組成物B 樹脂B :ユピカ社製不飽和ポリエステル樹脂3140 100重量部 硬化剤 :t−ブチルパーオキシベンゾエート 1重量部 ガラスパウダー :20重量部(平均粒径35μm) 以上の配合とした以外は、実施例2と同様の条件で繊維
強化樹脂成形体を製造したところ、透明部にガラス繊維
の浮きだしが発生した。
【0046】[比較例3]実施例2の組成物Bの低収縮
剤の配合量を8重量部にした以外は、実施例2と同様の
方法で繊維強化樹脂成形体を製造したところ、透明部に
白化が生じ、光線透過率が20%となった。
【0047】[比較例4]実施例2の組成物Bのガラス
パウダーの配合量を60重量部にした以外は、実施例2
と同様の方法で繊維強化樹脂成形体を製造したところ、
透明部に白化が生じ、光線透過率が15%となった。
【0048】
【発明の効果】請求項1の発明においては、色の境目が
明確な成形体長手方向に順次色が異なる高意匠性の繊維
強化樹脂成形体を得ることができる。
【0049】また、請求項2の発明においては、透明部
と不透明部の境目が明確であり、かつ透明部の透明感が
維持され、ガラス繊維の浮きだしがない、透明部と半透
明部とが交互に繰り返される高意匠性の繊維強化樹脂成
形体を得ることができる。
【0050】さらに、両発明を組み合わせることによ
り、透明部と不透明部とを有し、透明部が異なる色から
なる繊維強化樹脂成形体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法の概略を示すプロセス図である。
【図2】本発明の方法で得られた成形体の一例を示す斜
視図である。
【符号の説明】
(1) :強化繊維 (2) :インフィードプレート (3a)(3b):注入タンク (4) :樹脂含浸ゾーン (5) :加熱硬化ゾーン (6) :樹脂A含浸部 (7) :樹脂B含浸部 (8) :加熱ヒーター (9)(9a)(9b) :注入管 (10):3方バルブ (11):制御装置 (16):樹脂A硬化部 (17):樹脂B硬化部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 509:08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続繊維を樹脂含浸ゾーンと加熱硬化ゾ
    ーンとを備える金型内に引き込み、樹脂含浸ゾーンに、
    異なる色に着色された少なくとも2種の熱硬化性樹脂組
    成物を順次注入して繊維に含浸し、その後加熱硬化ゾー
    ンで樹脂組成物を加熱硬化し、硬化された成形体を金型
    から引き抜く引抜成形法によって、成形体長手方向に順
    次色が異なる繊維強化樹脂成形体を製造するにあたり、 樹脂含浸ゾーンに連続して注入される異なる色の樹脂組
    成物の粘度が互いに異なることを特徴とする、繊維強化
    樹脂成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 連続繊維を樹脂含浸ゾーンと加熱硬化ゾ
    ーンとを備える金型内に引き込み、樹脂含浸ゾーンに、
    硬化後に透明になる熱硬化性樹脂組成物と硬化後に不透
    明になる熱硬化性樹脂組成物とを交互に注入して繊維に
    含浸し、その後加熱硬化ゾーンで樹脂組成物を加熱硬化
    し、硬化された成形体を金型から引き抜く引抜成形法に
    よって、成形体長手方向に交互に透明部と不透明部とが
    繰り返される繊維強化樹脂成形体を製造するにあたり、 前記透明な樹脂組成物と前記不透明な樹脂組成物の粘度
    が互いに異なり、かつ前記透明な樹脂組成物が、透明樹
    脂100重量部に対し、平均粒径10〜50μmのガラ
    スバルーンおよびガラスパウダーの少なくとも一方10
    〜50重量部と、低収縮剤0.5〜4重量部とを含有す
    るものであることを特徴とする、繊維強化樹脂成形体の
    製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102975379A (zh) * 2011-04-29 2013-03-20 提克纳有限责任公司 带有上游表面的浸渍部件以及用于浸渍粗纱纤维的方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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