JPH07108621A - 平滑な表面を有する成形品及びその製造方法 - Google Patents

平滑な表面を有する成形品及びその製造方法

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JPH07108621A
JPH07108621A JP5258225A JP25822593A JPH07108621A JP H07108621 A JPH07108621 A JP H07108621A JP 5258225 A JP5258225 A JP 5258225A JP 25822593 A JP25822593 A JP 25822593A JP H07108621 A JPH07108621 A JP H07108621A
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resin
thermosetting resin
intermediate film
pores
skin layer
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JP5258225A
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Akihiro Ueda
明弘 上田
Mitsuo Okubo
光夫 大久保
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた表面平滑性を有する高意匠な繊維強化
熱硬化性樹脂成形品および該成形品を安定して能率良く
連続的に製造することができる方法を提供する。 【構成】 平滑な表面を有する成形品18は、繊維強化熱
硬化性樹脂からなる成形品本体19の少なくとも片面に、
多数の細孔21を有しかつ印刷層22を備えた熱可塑性樹脂
製中間フィルム4 を介して、平滑な表面を有しかつ透明
または半透明の熱硬化性樹脂からなる外皮層20が設けら
れている。外皮層20の熱硬化性樹脂が中間フィルム4 の
細孔を通して成形品本体19の熱硬化性樹脂に接合されて
いる。成形品18の製造方法は、未硬化樹脂配合物含浸強
化繊維に、細孔21と印刷層22を有する中間フィルム4 を
積層して、これらを一緒に金型内に引き込んで加熱し、
金型内において成形品本体側の熱硬化性樹脂が未硬化な
いし半硬化の状態である間に、外皮層形成用の熱硬化性
樹脂配合物を供給して、外皮層20を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高意匠で平滑な表面を
有する成形品およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、引抜成形法で得られた繊維強化熱
硬化性樹脂からなる成形品は、その表面に基材の繊維パ
ターンが露呈しているので、このままでは表面平滑性が
劣るばかりでなく、外観上その繊維パターン自身の織り
目が現われたり、着色が不均一となったりするなどの不
具合が生じた。このため従来は、まず第1に、表層部分
に、不織布またはサーフェースマット等の強化繊維材料
を用い、これにマトリックスとなる樹脂を多量に含浸さ
せたものを積層して、樹脂リッチな表面層を形成した
り、あるいは第2に、一旦引抜成形品を成形した後に、
その成形品に塗料を塗布するという方法が一般に行われ
てきた。さらに第3に、模様を付与する方法として、例
えば特開平2−89625号公報に開示されているよう
に、連続フィラメントを含む熱硬化性樹脂含浸長尺心材
の外表面に、着色した樹脂含浸連続フィラメントを配置
して、これらを金型内に引き込み、硬化せしめることで
成形品の表面に模様を付与する方法がとられてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
不織布またはサーフェースマット等の強化繊維材料を用
いる第1の方法では、その材料自身がやはり繊維で構成
されており、その繊維による凹凸が、なお成形品表面に
浮き出てくるために、高度な表面平滑性を具備した成形
品は得られないという問題があった。また成形後、成形
品に塗装を施す第2の方法では、マトリックス樹脂に含
まれている内部離型剤が成形品の表面に滲出しているの
で、塗料層の密着性が悪く、それを改良するために、塗
装を施す前に成形品の表面処理が必要となり、工程数が
増加し、成形速度が遅くなり、製造コストも高くつくと
いう問題があった。
【0004】さらに、着色した連続フィラメントを外表
面に配置して成形する従来の第3の方法では、模様が直
線状あるいは螺旋状の縞模様のような非常に単調な成形
品しか得られず、意匠性に劣るという問題があった。
【0005】本発明の目的は、上記の従来技術の問題を
解決し、優れた表面平滑性を有する高意匠な成形品、お
よびこの成形品を連続的に製造することができる方法を
提供しようとするにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、まず請求項1記載の発明は、直線状連
続繊維を含む繊維強化熱硬化性樹脂からなる成形品本体
の少なくとも片面に、直径0.1〜1.5mmの多数の細
孔を有しかつ印刷層を備えた熱可塑性樹脂製中間フィル
ムを介して、平滑な表面を有しかつ透明または半透明の
熱硬化性樹脂からなる外皮層が設けられ、外皮層の熱硬
化性樹脂が中間フィルムの多数の細孔を通して成形品本
体の熱硬化性樹脂に接合されており、熱可塑性樹脂製中
間フィルムの全細孔の占める面積が該フィルムの20〜
70%となされている、平滑な表面を有する成形品を要
旨としている。
【0007】請求項2記載の発明は、上記第1発明の平
滑な表面を有する成形品を製造する方法であって、直線
状連続繊維を主体とする強化繊維に未硬化の熱硬化性樹
脂配合物を含浸させ、この未硬化樹脂配合物含浸強化繊
維によって所期の引抜き成形品本体を構成するべき強化
繊維体を形成し、該強化繊維体の少なくとも片面に、直
径0.1〜1.5mmの多数の細孔を有しかつ印刷層を備
えた熱可塑性樹脂製中間フィルムを積層して、これらを
一緒に金型内に引き込んで加熱し、金型内において成形
品本体側の熱硬化性樹脂が未硬化ないし半硬化の状態で
ある間に、硬化後透明または半透明となる未硬化の熱硬
化性樹脂配合物を中間フィルムの表面に供給し、中間フ
ィルム上に、平滑な表面を有しかつ透明または半透明の
熱硬化性樹脂からなる外皮層を形成して、外皮層側の熱
硬化性樹脂を中間フィルムの多数の細孔を通して成形品
本体側の熱硬化性樹脂に接合せしめ、上記熱可塑性樹脂
製中間フィルムの全細孔の占める面積を該フィルムの2
0〜70%としたことを特徴とする、平滑な表面を有す
る成形品の製造方法を要旨としている。
【0008】ここで、本発明による成形品は、成形品本
体の片面に、多数の細孔を有する熱可塑性樹脂製中間フ
ィルムと、平滑表面を有する透明または半透明の熱硬化
性樹脂からなる外皮層とが設けられている場合、成形品
本体の両面に、これらの中間フィルムと外皮層とが設け
られている場合、成形品本体の周面全面に、中間フィル
ムと外皮層とが設けられている場合がある。
【0009】本発明において用いる熱硬化性樹脂として
は、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエ
ステル樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げら
れる。成形品本体形成用の熱硬化性樹脂と、外皮層を形
成する熱硬化性樹脂とは、同じ系統の樹脂でも、あるい
は異なる種類の樹脂でもよい。しかし、硬化の段階でそ
れぞれの樹脂が互いに架橋し、化学的な結合構造を形成
するものを選択使用することが好ましい。またこれらの
樹脂は樹脂単独で硬化させた場合は通常透明または半透
明である。
【0010】本発明において、外皮層を構成する熱硬化
性樹脂には、必要に応じて充填材を混合することができ
る。このような充填材としては、例えば、炭酸カルシウ
ム、水酸化アルミニウム、ガラスパウダー、ガラスビー
ズ、ガラスバルーン、ウィスカ等、本発明に使用する熱
硬化性樹脂中で溶解することなく固体の状態で分散する
ものが使用でき、無機物であっても有機物であってもよ
い。また、その形状も球形粒子、繊維状粉末、フレーク
状粉末等のものが使用できるが、好ましくはガラスパウ
ダー、ガラスビーズ、ガラスバルーンのような光線透過
率を維持する物質を使用するのが良い。
【0011】充填材の平均粒子径は、一般に5μm以上
50μm以下であり、この充填材を上記樹脂100重量
部に対して0.1〜200重量部、好ましくは10〜1
80重量部使用する。なお、外皮層を構成する熱硬化性
樹脂には、このような充填材を混合しない場合もある。
そしてまた、外皮層形成用樹脂を硬化させたときの光線
透過率は通常30%より高くなされ、好ましくは50%
以上とされる。
【0012】本発明において用いる熱可塑性樹脂製の中
間フィルムとしては、成形時に変形したり破損したりし
ない強度と溶融することのない耐熱性とを有する材料で
あって、例えばポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、フ
ッ素系樹脂、あるいはポリイミド樹脂等のフィルムが使
用できる。これらの熱可塑性樹脂製の中間フィルムは、
予めその表面に種々の模様の印刷層を設けることによ
り、成形品に高意匠性を付与する。
【0013】上記熱可塑性樹脂製の中間フィルムは、全
体に直径0.1〜1.5mmのの多数の細孔が均一にあけ
られており、その全細孔の占める面積がフィルム全体の
20〜70%であるものが使用される。
【0014】ここで、中間フィルムの細孔の直径が、
1.5mmを超えるかまたは細孔の全面積が70%を超え
ると、フィルムの表面に印刷された模様に不具合が生じ
る。また細孔の直径が0.1mmより小さいかまたは全面
積が20%より少ないと、成形品本体形成用樹脂と外皮
層形成用樹脂との接触面積が小さくなって接着強度が低
下する。
【0015】熱可塑性樹脂製の中間フィルムの細孔は、
ニードルパンチや円筒型のドラムの側面に針状物を多数
配置したものに巻き付ける等の方法により加工され、細
孔の形状は円形、多角形等何れの形状でもよい。
【0016】本発明において用いる強化繊維としては、
ガラス繊維、炭素繊維、有機繊維等のロービング(直線
状連続繊維)や連続ストランドマット、チョップドスト
ランドマット、クロス、ラミマット等が挙げられるが、
ロービングを単独で用いる場合と、ロービングおよびマ
ットの両方をあわせて用いる場合とがある。強化繊維の
体積含有率は、30%以上50%以下の範囲であるのが
好ましい。
【0017】また本発明の方法において、直線状連続繊
維を主体とする強化繊維に未硬化の熱硬化性樹脂配合物
を含浸させる。この未硬化樹脂配合物含浸連続強化繊維
は、ガイドを通過するうちに所期の引抜き成形品本体の
形状に予備賦型されて強化繊維体となされ、この強化繊
維体の少なくとも片面に、多数の細孔を有しかつ印刷層
を備えた熱可塑性樹脂製中間フィルムを積層して、一緒
に硬化金型内に引き込まれる。
【0018】ここで、使用する硬化金型は、例えば2つ
のゾーンに分かれ、成形方向に向かって、手前側を第1
の硬化区間、後側を第2の硬化区間とし、それぞれの硬
化区間における温度制御は、独立して操作できるように
するのがよい。
【0019】そして、硬化金型内において、成形品本体
形成用の熱硬化性樹脂が未硬化ないし半硬化の状態の間
に、外皮層形成用の未硬化の熱硬化性樹脂配合物を中間
フィルムの表面に供給する。ここで、供給手段として
は、硬化金型内の第1及び第2の硬化区間の境目の成形
材料通路内にある成形品本体の外周部を取り囲むように
開口部を設けるとともに、この開口部に樹脂配合物流入
管を連通せしめておく。そして、この流入管を通して、
樹脂配合タンクから液状樹脂配合物を流し込むようにす
ればよい。流入管より供給された外皮層形成用の未硬化
熱硬化性樹脂配合物は上記開口部に達すると、成形品本
体表面の中間フィルムの外周面に流延しながら供給され
る。
【0020】上記において、成形品本体形成用の熱硬化
性樹脂が未硬化ないし半硬化状態である間とは、樹脂が
加熱されてその硬化反応が徐々に進行し、ゲル化状態を
経て、樹脂の温度が最高発熱温度に達するまで、好まし
くは最高発熱温度の直前までをいう。なおゲル化点は成
形品本体形成用の樹脂含浸繊維と一緒に熱電対を流し、
熱硬化性樹脂の硬化反応過程を追跡し時間と樹脂温度を
グラフ化した場合、反応熱により急激に昇温する変曲点
で位置付けすることが可能であり、樹脂の最高発熱温度
も同様にして、ゲル化点後の極大値として把握すること
が可能である。
【0021】本発明の方法を実施するに当っては、熱電
対を硬化金型中に導いて樹脂温を追跡してもよく、ある
いは事前にテストを行って、外皮層形成用樹脂の適当な
注入時期を推測可能にしておいてもよい。
【0022】なお、その他は、従来知られている引抜成
形方法がそのまま採用可能であり、硬化金型を出た成形
品は、カッターで切断して定尺とすればよい。また成形
速度は、通常20cm/分〜2m/分である。
【0023】
【作用】上記請求項1記載の発明によれば、繊維強化熱
硬化性樹脂からなる成形品本体の少なくとも片面に多数
の細孔を有しかつ印刷層を備えた中間フィルムを介し
て、平滑な表面を有しかつ透明または半透明の熱硬化性
樹脂からなる外皮層が設けられているから、成形品本体
の強化繊維の凹凸が外皮層によって平滑化され、成形品
は優れた平滑性を発揮し、成形品表面の乱反射が少なく
表面の光沢が優れたものとなされる。また外皮層の樹脂
と成形品本体の樹脂とは、一体的に硬化されることで優
れた密着性を有し、外皮層の接着強度が非常に高いもの
である。また外皮層と成形品本体の間に介在された熱可
塑性樹脂製の中間フィルムには印刷層が設けられてお
り、かつ外皮層は透明または半透明であるため、印刷層
を外部より透視することができ、成形品は意匠性に優れ
ている。
【0024】また本発明の成形品の製造方法によれば、
強化繊維に未硬化の熱硬化性樹脂配合物を含浸させ、こ
れより所期の引抜き成形品本体を構成するべき樹脂含浸
強化繊維体を形成して、樹脂含浸強化繊維体の少なくと
も片面に、多数の細孔を有しかつ印刷層を備えた熱可塑
性樹脂製中間フィルムを積層して、これらを一緒に金型
内に引き込んで加熱し、金型内において外皮層用の未硬
化の熱硬化性樹脂配合物を中間フィルムの表面に供給
し、中間フィルム上に、平滑な表面を有しかつ透明また
は半透明の熱硬化性樹脂からなる外皮層を形成するもの
であるから、成形品本体の表面に浮き出る強化繊維の凹
凸を外皮層によって隠蔽することができ、しかも外皮層
は光線透過率が高く透明または半透明を有するものであ
るので、成形品の表面が優れた平滑性と美観及び光沢を
有するものとなり、かつこのような品質の良い成形品を
安定して能率良く製造することができる。
【0025】また金型内において外皮層用の未硬化の熱
硬化性樹脂配合物を、多数の細孔を有する中間フィルム
の表面に供給して硬化せしめるので、中間フィルムの細
孔に外皮層形成用樹脂配合物が入り込み、アンカー効果
により外皮層が成形品本体に、しっかりと接合される。
さらに外皮層形成用樹脂と成形品本体形成用樹脂が細孔
を通して接触して硬化反応により互いに架橋することに
より、外皮層と成形品本体との接着強度が非常に高いも
のとなる。
【0026】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を、図面を参照して
詳細に説明する。
【0027】本発明の成形品の製造方法の実施に用いる
装置の具体例を示す図1と図2において、連続繊維から
なる強化繊維(1) は、複数のボビンから連続的に引き出
される。強化繊維(1) は、成形品本体を形成するための
熱硬化性樹脂配合物の未硬化の液槽(2) 内を連続的に通
過して、繊維(1) 内に未硬化樹脂配合物が含浸される。
未硬化樹脂配合物含浸強化繊維(1) のガイド(3) は、成
形方向に沿って配置され、該強化繊維(1) はこれらのガ
イド(3) により漸次最終的に賦形すべき所期の断面形状
の引抜き成形品本体を構成するべき強化繊維体に整列さ
れる。
【0028】熱可塑性樹脂製の中間フィルム(4) は、そ
の表面に模様の印刷層(22)が設けられかつこれらには予
め多数の細孔(21)があけられている。また中間フィルム
(4)は、未硬化樹脂配合物含浸強化繊維(1) の上下に配
置されたボビンからそれぞれ巻き戻される。
【0029】整列された樹脂含浸強化繊維体(6) と熱可
塑性樹脂製の中間フィルム(4) は、硬化金型(5) の一端
から連続的に送り込まれる。なお、成形品本体を形成す
る樹脂液は、このように、硬化金型(5) に送り込む前段
階で含浸させてもよいし、硬化金型(5) の入口付近に設
けられた図示しない樹脂液注入孔より送り込んでもよ
い。
【0030】硬化金型(5) は、図2に示すように、引き
込み側の約半分が第1の硬化区間(7) となされ、引き続
いて引き出し側の約半分が第2の硬化区間(8) となされ
ている。第1の硬化区間(7) と第2の硬化区間(8) には
連続して成形材料通路(9) が設けられている。
【0031】そして、第1及び第2の硬化区間(7)(8)の
境目の成形材料通路(9) 内に、未硬化の熱硬化性樹脂配
合物流入管(10)が設けられ、その先端は、該成形材料通
路(9) の内周に沿う開口部(11)となされ、外皮層形成用
の未硬化の樹脂配合物は、未硬化樹脂配合物液タンク(1
2)から注入管(10)を経由して、開口部(11)より中間フィ
ルム(4) の表面に供給するように流し込まれる。
【0032】第1の硬化区間(7) の外周壁にはヒーター
(13)が、また第2の硬化区間(8) の外周壁にはヒーター
(14)がそれぞれ取り付けられている。硬化金型(5) 内に
おいて樹脂配合物流入管(10)の開口部(11)の周囲に冷却
水路(15)が配設されており、冷却水を流通させることが
できる。なお(16)は引取機である。
【0033】上述の装置を用いて、本発明の製造方法を
実施するには、まず、強化繊維(1)の多数本を、ボビン
から引き出しつつ、成形品本体を形成するための熱硬化
性樹脂配合物の未硬化の液槽(2) 内を通過させ、ガイド
(3) により整列させつつ、表面に印刷層(22)を有しかつ
多数の細孔(21)を有する熱可塑性樹脂製の中間フィルム
(4) を巻き戻しながら、樹脂含浸強化繊維(1) の上下に
導き、かつ漸次所定の断面形状を呈するように、これら
の樹脂含浸強化繊維(1) 及び熱可塑性樹脂製の中間フィ
ルム(4) を引き揃えて、硬化金型(5) 内に送り込む。
【0034】樹脂含浸強化繊維体(6) は、硬化金型(5)
を通過する過程で余分の樹脂を絞りとられ、徐々に硬化
するが、第1の硬化区間(7) の成形材料通路(91)を通過
する段階では完全に硬化せず、半硬化の状態に維持され
る。樹脂含浸強化繊維体(6)が、未硬化の熱硬化性樹脂
配合物流入管(10)に達したときに半硬化状態であること
は、予め樹脂含浸強化繊維体(6) と同時に熱電対を硬化
金型(5) 内に引き込み、樹脂温度を測定し半硬化状態で
あることを確認した。そして、樹脂配合物流入管(10)か
ら、外皮層形成用樹脂(17)を、樹脂配合物液タンク(12)
より図示しないポンプにより加圧下で注入する。注入さ
れた樹脂配合物は開口部(11)より成形材料通路(9) 内に
導入され、かつ成形品本体形成用材料すなわち中間フィ
ルム(4)の表面に流延する。すると、半硬化状態にある
成形品本体形成用樹脂と、供給された外皮層形成用樹脂
(17)とは、硬化金型(5) の第2の硬化区間(8) の成形材
料通路(92)を通過する過程で加熱され、ほぼ硬化が完了
した形で成形品(18)となって引取機(16)により引き取ら
れ、さらに、図示しないカッターにより切断される。
【0035】このようにして成形された成形品(18)の断
面を図3に示した。成形品(18)は、成形品本体(19)の表
面に、印刷層(22)を有しかつ多数の細孔(21)を有する熱
可塑性樹脂製の中間フィルム(4) が積層されており、さ
らにその表面に外皮層(20)が形成された構造のものとな
っている。
【0036】なお、上記装置において、硬化金型(5) 内
における外皮層形成用の未硬化樹脂配合物供給用開口部
(11)は、成形材料通路(9) に対して直角方向すなわち引
抜方向に対して直角方向に設けると、成形材料の周囲に
効率よく均一にそれぞれの外皮層形成用樹脂を供給する
ことができる。
【0037】また、樹脂流入管(10)の周囲に設けた冷却
水路(15)は、外皮層形成用樹脂(17)を局部的に冷却する
ことによって、外皮層形成用樹脂(17)が、硬化金型(5)
内で開口部(11)に達するまでの間、硬化することなくか
つ成形品本体形成用樹脂の硬化を妨げないようにするこ
とができる。
【0038】また上記装置において、成形材料通路(9)
の断面積は、第1の硬化区間(7) の部分(91)よりも、第
2の硬化区間(8) の部分(92)のほうが、大きく設定され
ており、この大きくされた分が、成形品(18)における外
皮層(20)となり、該外皮層(20)の厚みは、この断面積の
増加程度如何により任意に設定することが可能である
が、安定して連続的に成形品(18)を得るためには、外皮
層(20)の厚みが、80μm以上250μm以下であるこ
とが好ましい。
【0039】実施例1〜4および比較例1〜4 上記成形工程に従って、次の成形材料及び成形条件によ
り実施例1〜4および比較例1〜4の各種成形品を製造
した。
【0040】(1) 成形材料 成形品本体 強化繊維;ガラスロービング(旭ファイバーグラス社
製、4450番)及びコンティニアスマット(旭ファイ
バーグラス社製、450番) 熱可塑性樹脂製の中間フィルム;ポリエチレンテレフタ
レートフィルム(厚み100及び200μm)の表面に
大理石模様の印刷層(22)を有するもの細孔の直径及び全
細孔面積は、表1に記載 樹脂 ;イソフタル酸系不飽和ポリエステル樹脂 100重量部 硬化剤 ;t−ブチルパーオキシベンゾエート 1.0重量部 充填材 ;炭酸カルシウム 10重量部 内部離型剤;正燐酸系内部離型剤 0.7重量部 外皮層形成樹脂 樹脂 ;イソフタル酸系不飽和ポリエステル樹脂 100重量部 硬化剤 ;t−ブチルパーオキシベンゾエート 1.5重量部 充填材 ;ガラス粉末(M−500S、平均粒径35μm; 日本フエロー社製) 100重量部 内部離型剤;正燐酸系内部離型剤 0.7重量部 外皮層形成用樹脂のみを硬化させ光線透過率をJIS
K 7105により測定し、厚みを100μmに換算し
た結果60%であった。
【0041】(2) 成形条件 金型温度;第1の硬化区間 100℃ 第2の硬化区間 150℃ 樹脂流入管の開口部付近 60℃ 金型寸法;全長=1000mm、(第1の硬化区間=50
0mm、第2の硬化区間=500mm 外皮層厚み;100μm 樹脂流入管の位置;金型入口より500mm 樹脂注入圧;3〜5kgf/cm2 引取速度;40cm/分 熱可塑性樹脂製の中間フィルム(4) の厚み、細孔(21)の
直径及び全細孔面積を変化させ、その他の成形材料及び
成形条件を固定して、実施例1〜4および比較例1〜4
の各種の成形品を製造し、得られた成形品について、外
皮層の接着強度を碁盤目密着試験(JIS K 540
0)により評価し、さらに模様の現われ具合を目視によ
り外観評価した。得られた結果を表1にまとめて示す。
【0042】なお、表1において、外観評価で「良」と
は、印刷層(22)の模様がそのまま外表面に現われて見
え、かつ中間フィルム(4) の細孔(21)は外部より判別し
難く、見えにくいものをいう。また「悪」とは、印刷層
(22)の模様の一部が欠如して不連続なものとなってお
り、かつフィルム(4) の細孔(21)が外部より確認できて
見えたものをいう。
【0043】
【表1】 上記表1から明らかなように、本発明の実施例1〜4の
成形品は、外皮層が優れた接着強度を有し、外観も優れ
ているものである。
【0044】これに対し、中間フィルムの細孔の直径及
び全細孔面積が本発明の範囲外である比較例1と2によ
れば、外観は比較的良好であるが、接着強度が著しく劣
っていた。また中間フィルムの細孔の直径が本発明の範
囲外である比較例3並びに同フィルムの全細孔面積が本
発明の範囲外である比較例4によれば、いずれも接着強
度は優れているが、外観は著しく劣るものであった。
【0045】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の発明による平滑
な表面を有する成形品は、上述のように、直線状連続繊
維を含む繊維強化熱硬化性樹脂からなる成形品本体の少
なくとも片面に、直径0.1〜1.5mmの多数の細孔を
有しかつ印刷層を備えた熱可塑性樹脂製中間フィルムを
介して、平滑な表面を有しかつ透明または半透明の熱硬
化性樹脂からなる外皮層が設けられ、外皮層の熱硬化性
樹脂が中間フィルムの多数の細孔を通して成形品本体の
熱硬化性樹脂に接合されており、熱可塑性樹脂製中間フ
ィルムの全細孔の占める面積が該フィルムの20〜70
%となされているものであるから、成形品本体の強化繊
維の凹凸が外皮層によって平滑化され、成形品は優れた
平滑性を発揮し、成形品表面の乱反射が少なく表面の光
沢が優れたものとなされる。また外皮層の樹脂と成形品
本体の樹脂とは、一体的に硬化されることで優れた密着
性を有し、外皮層の接着強度が非常に高いものである。
また外皮層と成形品本体の間に介在された熱可塑性樹脂
製の中間フィルムには印刷層が設けられており、かつ外
皮層は透明または半透明であるため、印刷層を外部より
透視することができ、成形品は意匠性に優れているとい
う効果を奏する。
【0046】また本発明の請求項2記載の発明による上
記成形品の製造方法は、上述のように、直線状連続繊維
を主体とする強化繊維に未硬化の熱硬化性樹脂配合物を
含浸させ、この未硬化樹脂配合物含浸強化繊維によって
所期の引抜き成形品本体を構成するべき強化繊維体を形
成し、該強化繊維体の少なくとも片面に、直径0.1〜
1.5mmの多数の細孔を有しかつ印刷層を備えた熱可塑
性樹脂製中間フィルムを積層して、これらを一緒に金型
内に引き込んで加熱し、金型内において成形品本体側の
熱硬化性樹脂が未硬化ないし半硬化の状態である間に、
硬化後透明または半透明となる未硬化の熱硬化性樹脂配
合物を中間フィルムの表面に供給し、中間フィルム上
に、平滑な表面を有しかつ透明または半透明の熱硬化性
樹脂からなる外皮層を形成して、外皮層側の熱硬化性樹
脂を中間フィルムの多数の細孔を通して成形品本体側の
熱硬化性樹脂に接合せしめ、上記熱可塑性樹脂製中間フ
ィルムの全細孔の占める面積を該フィルムの20〜70
%としたことを特徴とするもので、この請求項2記載の
発明の方法によれば、成形品本体の表面に浮き出る強化
繊維の凹凸を外皮層によって隠蔽することができ、しか
も外皮層は光線透過率が高く透明または半透明を有する
ものであるので、成形品の表面が優れた平滑性と美観及
び光沢を有するものとなり、かつこのような品質の良い
外観の美しい成形品を安定して能率良く連続的に製造す
ることができる。
【0047】また金型内において外皮層用の未硬化の熱
硬化性樹脂配合物を、多数の細孔を有する中間フィルム
の表面に供給して硬化せしめるので、中間フィルムの細
孔に外皮層形成用樹脂が入り込み、アンカー効果により
外皮層が成形品本体に、しっかりと接合される。さらに
外皮層形成用樹脂と成形品本体形成用樹脂が細孔を通し
て接触して硬化反応により互いに架橋することにより、
外皮層と成形品本体との接着強度が非常に高いものとな
るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成形品の製造方法を実施する装置の一
例を示す概略図である。
【図2】同装置の硬化金型部分の拡大断面図である。
【図3】本発明による成形品の横断面図である。
【符号の説明】
1 強化繊維 2 樹脂液槽 3 ガイド 4 熱可塑性樹脂製の中間フィルム 5 硬化金型 6 樹脂含浸強化繊維体 7 第1の硬化区間 8 第2の硬化区間 9 成形材料通路 10 樹脂配合物流入管 11 開口部 12 樹脂液タンク 13 ヒーター 14 ヒーター 15 冷却水路 16 引取機 18 成形品 19 成形品本体 20 外皮層 21 細孔 22 印刷層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/06 8413−4F // B29K 101:10 101:12 105:04 105:08 B29L 9:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直線状連続繊維を含む繊維強化熱硬化性
    樹脂からなる成形品本体の少なくとも片面に、直径0.
    1〜1.5mmの多数の細孔を有しかつ印刷層を備えた熱
    可塑性樹脂製中間フィルムを介して、平滑な表面を有し
    かつ透明または半透明の熱硬化性樹脂からなる外皮層が
    設けられ、外皮層の熱硬化性樹脂が中間フィルムの多数
    の細孔を通して成形品本体の熱硬化性樹脂に接合されて
    おり、熱可塑性樹脂製中間フィルムの全細孔の占める面
    積が該フィルムの20〜70%となされている、平滑な
    表面を有する成形品。
  2. 【請求項2】 直線状連続繊維を主体とする強化繊維に
    未硬化の熱硬化性樹脂配合物を含浸させ、この未硬化樹
    脂配合物含浸強化繊維によって所期の引抜き成形品本体
    を構成するべき強化繊維体を形成し、該強化繊維体の少
    なくとも片面に、直径0.1〜1.5mmの多数の細孔を
    有しかつ印刷層を備えた熱可塑性樹脂製中間フィルムを
    積層して、これらを一緒に金型内に引き込んで加熱し、
    金型内において成形品本体側の熱硬化性樹脂が未硬化な
    いし半硬化の状態である間に、硬化後透明または半透明
    となる未硬化の熱硬化性樹脂配合物を中間フィルムの表
    面に供給し、中間フィルム上に、平滑な表面を有しかつ
    透明または半透明の熱硬化性樹脂からなる外皮層を形成
    して、外皮層側の熱硬化性樹脂を中間フィルムの多数の
    細孔を通して成形品本体側の熱硬化性樹脂に接合せし
    め、上記熱可塑性樹脂製中間フィルムの全細孔の占める
    面積を該フィルムの20〜70%としたことを特徴とす
    る、平滑な表面を有する成形品の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016078452A (ja) * 2014-10-17 2016-05-16 東レ株式会社 繊維強化複合材料の製造方法、樹脂基材およびプリフォーム
JP2016094772A (ja) * 2014-11-14 2016-05-26 新日鉄住金マテリアルズ株式会社 トンネルの剥落防止工法

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