JPH07117140A - 高意匠性引抜成形品及びその製造方法 - Google Patents

高意匠性引抜成形品及びその製造方法

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JPH07117140A
JPH07117140A JP5270565A JP27056593A JPH07117140A JP H07117140 A JPH07117140 A JP H07117140A JP 5270565 A JP5270565 A JP 5270565A JP 27056593 A JP27056593 A JP 27056593A JP H07117140 A JPH07117140 A JP H07117140A
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JP
Japan
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sheet
thermosetting resin
molded article
cloth
resin
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JP5270565A
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Inventor
Mitsuo Okubo
光夫 大久保
Akihiro Ueda
明弘 上田
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高意匠性と優れた表面平滑性を有する繊維強
化熱硬化性樹脂引抜成形品および該成形品を安定して連
続的に製造することができる方法を提供する。 【構成】 高意匠性引抜成形品14は、繊維強化熱硬化性
樹脂からなる成形品本体15の外面に、着色または模様等
の表面印刷16が施された布またはシート状物4 が積層さ
れ、布またはシート状物4 の表面に、成形品本体15側よ
り浸透した熱硬化性樹脂よりなる透明または半透明のス
キン層17が形成されている。高意匠性引抜成形品14の製
造方法は、未硬化樹脂配合物含浸強化繊維体6 の表面
に、着色または模様等の表面印刷16が施されかつ未硬化
樹脂含浸性を有する布またはシート状物4 を積層して、
これらを一緒に金型内に引き込んで加熱し、成形品本体
15と布またはシート状物4 を成形品本体15側より浸透し
た熱硬化性樹脂よりなる透明または半透明のスキン層17
を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高意匠性引抜成形品及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、引抜成形法で得られた繊維強化熱
硬化性樹脂からなる成形品は、その表面に基材の繊維パ
ターンが露呈しているので、このままでは表面平滑性が
劣るばかりでなく、外観上その繊維パターン自身の織り
目が現われたり、着色が不均一となったりするなどの不
具合が生じた。このため従来は、まず第1に、一旦引抜
成形品を成形した後に、その成形品に塗料を塗布すると
いう方法が一般に行われてきた。また第2に、模様を付
与する方法として、例えば特開平2−89625号公報
に開示されているように、連続フィラメントを含む熱硬
化性樹脂含浸長尺心材の外表面に、着色した樹脂含浸連
続フィラメントを配置して、これらを金型内に引き込
み、硬化せしめることで成形品の表面に模様を付与する
方法がとられてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来法のうち、成形後、成形品に塗装を施す第1の方法で
は、マトリックス樹脂に含まれている内部離型剤が成形
品の表面に滲出しているので、塗料層の密着性が悪く、
それを改良するために、塗装を施す前に成形品の表面処
理が必要となり、工程数が増加し、成形速度が遅くな
り、製造コストも高くつくという問題があった。
【0004】また、着色した連続フィラメントを外表面
に配置して成形する従来の第2の方法では、模様が直線
状あるいは螺旋状の縞模様のような非常に単調な成形品
しか得られず、意匠性に劣るという問題があった。
【0005】本発明の目的は、上記の従来技術の問題を
解決し、優れた表面平滑性を有する高意匠性引抜成形
品、およびこの成形品を連続的に製造することができる
方法を提供しようとするにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、まず請求項1記載の発明は、直線状連
続繊維を含む繊維強化熱硬化性樹脂からなる成形品本体
の外面に、着色または模様等の表面印刷が施されかつ未
硬化樹脂含浸性を有する布またはシート状物が積層さ
れ、成形品本体の熱硬化性樹脂が、硬化後に透明または
半透明となる熱硬化性樹脂100重量部に対して低収縮
剤5〜10重量部、平均粒子径5〜30μmのガラス系
充填剤10〜100重量部が配合されたものであり、成
形品本体に積層された布またはシート状物の表面に、こ
れらの布またはシート状物を成形品本体側より浸透した
熱硬化性樹脂よりなる透明または半透明のスキン層が形
成されていることを特徴とする、高意匠性引抜成形品を
要旨としている。
【0007】請求項2記載の発明は、上記請求項1記載
の発明の高意匠性引抜成形品を製造する方法であって、
直線状連続繊維を含む強化繊維に未硬化の熱硬化性樹脂
配合物を含浸させ、この未硬化樹脂配合物含浸強化繊維
によって所期の引抜き成形品本体を構成するべき強化繊
維体を形成し、上記熱硬化性樹脂配合物は、硬化後に透
明または半透明となる熱硬化性樹脂100重量部に対し
て低収縮剤5〜10重量部、平均粒子径5〜30μmの
ガラス系充填剤10〜100重量部が配合されたもので
あり、未硬化樹脂配合物含浸強化繊維体の少なくとも片
面に、着色または模様等の表面印刷が施されかつ未硬化
樹脂含浸性を有する布またはシート状物を積層して、こ
れらを一緒に金型内に引き込んで加熱し、樹脂配合物を
硬化せしめて、繊維強化熱硬化性樹脂からなる成形品本
体を形成するとともに、成形品本体に積層された布また
はシート状物の表面に、これらの布またはシート状物を
成形品本体側より浸透した熱硬化性樹脂よりなる透明ま
たは半透明のスキン層を形成することを特徴とする、高
意匠性引抜成形品の製造方法を要旨としている。
【0008】ここで、本発明による成形品は、成形品本
体の片面に、着色または模様等の表面印刷が施されかつ
未硬化樹脂含浸性を有する布またはシート状物が積層さ
れる場合、成形品本体の両面に、これらの布またはシー
ト状物が積層される場合、成形品本体の周面全面に、こ
れらの布またはシート状物が積層される場合がある。
【0009】本発明において用いる熱硬化性樹脂として
は、例えば不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビ
ニルエステル樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂が
挙げられる。これらの樹脂は樹脂単独で硬化させた場合
は通常透明または半透明である。
【0010】本発明において、低収縮剤としては、ポリ
エステル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル等の熱可塑性
樹脂やそれらの共重合体が、一般に用いられる。低収縮
剤は、熱硬化性樹脂100重量部(重合性モノマーを含
む)に対して5〜10重量部を用いることが必要で、5
重量部より少ないと低収縮効果がなく、10重量部より
多いと、着色または模様が印刷された布またはシート状
物を透過して形成された樹脂とスキン層が白化し易く、
そのため模様が隠蔽され模様が出ない。
【0011】また本発明において、ガラス系充填剤とし
ては、例えばガラスパウダー、ガラスビーズ、ガラスバ
ルーン等が用いられる。ガラス系充填剤は、熱硬化性樹
脂100重量部に対して10〜100重量部の割合で使
用するのが最もよく、ガラス系充填剤が10重量部未満
であれば、成形品の強度が上がらず、また100重量部
を越えると、布またはシート状物の表面に形成された樹
脂スキン層に充填剤が浮き出し、布またはシート状物の
印刷模様が隠蔽されるので、好ましくない。
【0012】ここで、ガラス系充填剤の平均粒子径は5
〜30μmであり、その平均粒子径が5μm未満であれ
ば、布またはシート状物の表面に形成された樹脂スキン
層の透明性が低下して、模様が隠蔽され、充填剤の平均
粒子径が30μmを越えると平滑性が悪くなるので、好
ましくない。
【0013】熱硬化性樹脂としては、硬化後に透明また
は半透明となるものを使用する。そして、布またはシー
ト状物を成形品本体側より浸透した熱硬化性樹脂が硬化
して形成されたスキン層の透明または半透明の程度とし
ては、光線透過率が、30%以上であるのが好ましく、
50%以上であるのが、さらに好ましい。
【0014】本発明において、布またはシート状物とし
ては、未硬化樹脂含浸性を有する織布や不織布または紙
を使用する。これらは、木綿、絹等の天然繊維やポリエ
ステル、ポリアミド等の合成繊維からなり、成形時に変
形したり破損したりしない強度と溶融することのない耐
熱性を有する材料を用いて製造されたものである。
【0015】これらの布またはシート状物は通常、予め
着色または模様等の表面印刷を施したものを用いて、高
意匠性成形品の製造効率を高め得るようにする。
【0016】本発明において用いる強化繊維としては、
ガラス繊維、炭素繊維、有機繊維等のロービング(直線
状連続繊維)や連続ストランドマット、チョップドスト
ランドマット、クロスマット、ラミマット等が挙げられ
るが、ロービングを単独で用いる場合と、ロービングお
よびマットの両方をあわせて用いる場合とがある。強化
繊維の体積含有率は、30%以上50%以下の範囲であ
るのが好ましい。
【0017】また本発明の方法において、直線状連続繊
維を含む強化繊維に未硬化の熱硬化性樹脂配合物を含浸
させる。この未硬化樹脂配合物含浸連続強化繊維は、ガ
イドを通過するうちに所期の引抜き成形品本体の形状に
配設されて強化繊維体となされ、この未硬化樹脂配合物
含浸強化繊維体の少なくとも片面に、着色または模様等
の表面印刷が施されかつ未硬化樹脂含浸性を有する布ま
たはシート状物を積層して、これらを一緒に金型内に引
き込んで加熱する。金型内において樹脂配合物を硬化せ
しめて、繊維強化熱硬化性樹脂からなる成形品本体を形
成するとともに、成形品本体に積層された布またはシー
ト状物の表面に、これらの布またはシート状物を成形品
本体側より浸透した熱硬化性樹脂よりなる透明または半
透明のスキン層を形成する。
【0018】ここで、使用する硬化金型は、例えば2つ
のゾーンに分かれ、成形方向に向かって、手前側を第1
の硬化区間、後側を第2の硬化区間とし、それぞれの硬
化区間における温度制御は、独立して操作できるように
するのがよい。
【0019】なお、その他は、従来知られている引抜成
形方法がそのまま採用可能であり、硬化金型を出た成形
品は、カッターで切断して定尺とすればよい。また成形
速度は、通常20cm/分〜2m/分である。
【0020】
【作用】上記請求項1記載の発明によれば、繊維強化熱
硬化性樹脂からなる成形品本体の外面に、着色または模
様等の表面印刷が施されかつ未硬化樹脂含浸性を有する
布またはシート状物が積層され、該布またはシート状物
の表面に、これらの布またはシート状物を成形品本体側
より浸透した熱硬化性樹脂よりなる透明または半透明の
スキン層が形成されているから、成形品本体の強化繊維
の凹凸が、布またはシート状物とスキン層とによって平
滑化され、成形品は優れた平滑性を発揮し、成形品表面
の乱反射が少なく表面の光沢が優れたものとなされる。
【0021】また布またはシート状物は成形品本体に対
して、布またはシート状物を成形品本体側より浸透した
熱硬化性樹脂が硬化することで優れた密着性を有し、結
合強度が非常に高いものである。さらに布またはシート
状物には着色または模様等の表面印刷が施されており、
かつスキン層は透明または半透明であるため、着色およ
び印刷を外部より透視することができ、成形品は高意匠
性を有している。
【0022】また本発明の引抜成形品の製造方法によれ
ば、強化繊維に未硬化の熱硬化性樹脂配合物を含浸さ
せ、この未硬化樹脂配合物含浸強化繊維によって所期の
引抜き成形品本体を構成するべき強化繊維体を形成し
て、この強化繊維体の少なくとも片面に、着色または模
様等の表面印刷が施されかつ未硬化樹脂含浸性を有する
布またはシート状物を積層して、これらを一緒に金型内
に引き込んで加熱し、樹脂配合物を硬化せしめて、繊維
強化熱硬化性樹脂からなる成形品本体を形成するととも
に、成形品本体に積層された布またはシート状物の表面
に、これらの布またはシート状物を成形品本体側より浸
透した熱硬化性樹脂よりなる透明または半透明のスキン
層を形成するものであるから、成形品本体の表面に浮き
出る強化繊維の凹凸を、布またはシート状物とスキン層
とによって隠蔽することができ、しかもスキン層は光線
透過率が高く透明または半透明を有するものであるの
で、成形品の表面が優れた平滑性と光沢を有するものと
なるとともに、布またはシート状物の着色および印刷が
スキン層を通して外部より透視することができて、成形
品は高意匠性であり、かつこのような品質の良い成形品
を安定して能率良く連続的に製造することができる。
【0023】また布またはシート状物は、これらの布ま
たはシート状物を成形品本体側より浸透した熱硬化性樹
脂が硬化することで優れた密着性を有し、布またはシー
ト状物の結合強度が非常に高いものとなって、成形品は
優れた強度を有するものである。
【0024】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を、図面を参照して
詳細に説明する。
【0025】本発明の成形品の製造方法の実施に用いる
装置の具体例を示す図1と図2において、連続繊維から
なる強化繊維(1) は、複数のボビンから連続的に引き出
される。強化繊維(1) は、成形品本体を形成するための
熱硬化性樹脂配合物の未硬化の液槽(2) 内を連続的に通
過して、繊維(1) 内に未硬化樹脂配合物が含浸される。
未硬化樹脂配合物含浸強化繊維(1) のガイド(3) は、成
形方向に沿って配置され、該強化繊維(1) はこれらのガ
イド(3) により漸次最終的に賦形すべき所期の断面形状
の引抜き成形品本体を構成するべき強化繊維体に整列さ
れる。
【0026】布またはシート状物(4)(4)は、着色または
模様等の表面印刷が施されかつ未硬化樹脂含浸性を有し
ている。これらの布またはシート状物(4)(4)は、強化繊
維(1) の上に配置されたボビンから巻き戻される。
【0027】整列された樹脂含浸強化繊維体(6) と布ま
たはシート状物(4) は、硬化金型(5) の一端から連続的
に送り込まれる。なお、成形品本体を形成する樹脂液
は、このように、硬化金型(5) に送り込む前段階で含浸
させてもよいし、硬化金型(5)の入口付近に設けられた
図示しない樹脂液注入孔より送り込んでもよい。
【0028】硬化金型(5) は、図2に示すように、引き
込み側の約半分が第1の硬化区間(7) となされ、引き続
いて引き出し側の約半分が第2の硬化区間(8) となされ
ている。第1の硬化区間(7) と第2の硬化区間(8) には
連続して成形材料通路(9) が設けられている。
【0029】第1の硬化区間(7) の外周壁にはヒーター
(11)が、また第2の硬化区間(8) の外周壁にはヒーター
(12)がそれぞれ取り付けられている。なお(13)は引取機
である。
【0030】上述の装置を用いて、本発明の製造方法を
実施するには、まず、強化繊維(1)の多数本を、ボビン
から引き出しつつ、成形品本体を形成するための熱硬化
性樹脂配合物の未硬化の液槽(2) 内を通過させ、ガイド
(3) により整列させつつ、表面に印刷(16)を設けた布ま
たはシート状物(4) を巻き戻しながら、強化繊維(1)の
上に導き、かつ漸次所定の断面形状を呈するように、こ
れらの強化繊維(1) 及び布またはシート状物(4) を引き
揃えて、硬化金型(5) 内に送り込む。
【0031】このようにして、布またはシート状物(4)
が表面に積層された樹脂含浸強化繊維体(6) は、硬化金
型(5) を通過する過程で余分の樹脂を絞りとられ、徐々
に硬化するが、第1の硬化区間(7) を通過する段階では
完全に硬化せず、未硬化または半硬化の状態に維持され
る。硬化金型(5) の第2の硬化区間(8) を通過する過程
で加熱され、樹脂含浸強化繊維体(6) 中の樹脂配合物が
硬化して、図3に示すように、繊維強化熱硬化性樹脂か
らなる成形品本体(15)が形成されるとともに、成形品本
体(15)に積層されかつ印刷(16)を有する布またはシート
状物(4) の表面に、これらの布またはシート状物(4) を
成形品本体(15)側より浸透した熱硬化性樹脂よりなる透
明または半透明のスキン層(17)が形成され、ほぼ硬化が
完了した形で成形品(14)となって引取機(13)により引き
取られ、さらに、図示しないカッターにより切断され
る。
【0032】このようにして、成形された成形品(14)の
断面は、図3に示すように、成形品本体(15)の表面に、
印刷(16)を有する布またはシート状物(4) が積層された
構造のものとなっている。
【0033】実施例1〜6および比較例1〜6 上記成形工程に従って、次の成形材料及び成形条件によ
り実施例1〜6および比較例1〜6の各種成形品を製造
した。
【0034】 (1) 成形材料 成形品本体 強化繊維;ガラスロービング(旭ファイバーグラス社製、4450番)及び コンティニアスマット(旭ファイバーグラス社製、450番) 樹脂 ;イソフタル酸系不飽和ポリエステル樹脂 100重量部 硬化剤 ;t−ブチルパーオキシベンゾエート 1.0重量部 低収縮剤;ポリ酢酸ビニル系低収縮剤(添加量は、表1に記載) 充填剤 ;ガラスパウダー(添加量と平均粒子径は、表1と表2に記載) (a) 平均粒子径10μm(日本フエロー社製:M-50PS) (b) 平均粒子径20μm(日本フリット社製:GF-2-20-A ) (c) 平均粒子径35μm(日本フエロー社製:M-500S) (d) 平均粒子径3μm(日本フリット社製:GF-2-05C、平均粒子 径6.5μm以下粒子径5μm以上の成分を除去したもの) 内部離型剤;正燐酸系内部離型剤 0.7重量部 印刷布 ;飽和ポリエステル不織布(OL−150、23g/m2 、日本 バイリーン社製)の表面に大理石模様の印刷(16)を施したもの (2) 成形条件 金型温度;第1の硬化区間 100℃ 第2の硬化区間 150℃ 金型寸法;全長=1000mm、(第1の硬化区間=500mm、第2の 硬化区間=500mm) 引取速度;40cm/分 低収縮剤の添加量および充填剤の添加量と平均粒子径
を、表1と表2のように変化させ、その他の成形材料及
び成形条件を固定して、実施例1〜6および比較例1〜
6の各種の引抜成形品を製造し、得られた成形品を、次
の項目で評価した。 なお、成形品本体における繊維含
有率は、いずれの例でも約40体積%であった。
【0035】(i) 外観(白化と良好)。
【0036】(ii) 表面平滑性・十点平均粗さ(Rz)
(JIS B 0601)。
【0037】(iii) 曲げ強さ:引抜方向の直角方向(J
IS K 6911)。 また、各実施例および比較例に用いた樹脂配合物のみを
硬化させたときの全光線透過率をJIS K 6718
により測定し、厚み30μmに換算した測定値を表1と
表2に記載した。なお、樹脂を単独で硬化させたときの
全光線透過率は、91.2%であった。
【0038】さらに実施例により得られた成形品(14)の
断面を走査型電子顕微鏡により200倍に拡大して観察
した結果、印刷布(4) の印刷(16)の上に、厚み10〜3
0μmの樹脂層によるスキン層(17)が確認された。
【0039】なお、表1と表2において、外観評価で
「良好」とは、印刷(16)の模様がそのまま外表面に現わ
れて見えるものをいう。また「白化」とは、印刷(16)の
模様の一部が白化した樹脂により隠蔽され、不連続とな
っているものをいう。
【0040】
【表1】
【表2】 上記表1から明らかなように、本発明の実施例1〜6の
成形品は、曲げ強さが大きく、充分な強度を有するとと
もに、全光線透過率が高く、外観も優れている。また表
面粗さの値が低く、すぐれた表面平滑性を有しているも
のである。
【0041】これに対し、上記表2から明らかなよう
に、低収縮剤の添加量が、本発明の範囲より少ない比較
例1によれば、表面粗さの値が高く、表面平滑性に劣る
ものであった。また逆に、低収縮剤の添加量が、本発明
の範囲より多い比較例2によれば、全光線透過率が小さ
く、かつ外観に白化が生じた。また充填剤の平均粒子径
が、本発明の範囲より少ない比較例3によれば、全光線
透過率が小さく、かつ外観に白化が生じた。また逆に、
充填剤の平均粒子径が、本発明の範囲より大きい比較例
4によれば、表面粗さの値が高く、表面平滑性に劣るも
のであった。さらに充填剤の添加量が、本発明の範囲よ
り少ない比較例5によれば、表面粗さの値がやや高く、
また曲げ強さが小さく、強度が充分でなかった。また逆
に、充填剤の添加量が、本発明の範囲より多い比較例6
によれば、全光線透過率が小さく、かつ外観に白化が生
じた。
【0042】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の発明による高意
匠性引抜成形品は、上述のように、直線状連続繊維を含
む繊維強化熱硬化性樹脂からなる成形品本体の外面に、
着色または模様等の表面印刷が施されかつ未硬化樹脂含
浸性を有する布またはシート状物が積層され、成形品本
体の熱硬化性樹脂が、硬化後に透明または半透明となる
熱硬化性樹脂100重量部に対して低収縮剤5〜10重
量部、平均粒子径5〜30μmのガラス系充填剤10〜
100重量部が配合されたものであり、成形品本体に積
層された布またはシート状物の表面に、これらの布また
はシート状物を成形品本体側より浸透した熱硬化性樹脂
よりなる透明または半透明のスキン層が形成されている
ものであるから、成形品本体の強化繊維の凹凸が、布ま
たはシート状物とスキン層とによって平滑化され、成形
品は優れた平滑性を発揮し、成形品表面の乱反射が少な
く表面の光沢が優れたものとなされる。また布またはシ
ート状物は成形品本体に対して、布またはシート状物を
成形品本体側より浸透した熱硬化性樹脂が硬化すること
で優れた密着性を有し、結合強度が非常に高いものであ
る。さらに布またはシート状物には着色または模様等の
表面印刷が施されており、かつスキン層は透明または半
透明であるため、着色および印刷を外部より透視するこ
とができ、成形品は高意匠性を有するものであるという
効果を奏する。
【0043】また本発明の請求項2記載の発明による上
記成形品の製造方法は、上述のように、直線状連続繊維
を含む強化繊維に未硬化の熱硬化性樹脂配合物を含浸さ
せ、この未硬化樹脂配合物含浸強化繊維によって所期の
引抜き成形品本体を構成するべき強化繊維体を形成し、
上記熱硬化性樹脂配合物は、硬化後に透明または半透明
となる熱硬化性樹脂100重量部に対して低収縮剤5〜
10重量部、平均粒子径5〜30μmのガラス系充填剤
10〜100重量部が配合されたものであり、未硬化樹
脂配合物含浸強化繊維体の少なくとも片面に、着色また
は模様等の表面印刷が施されかつ未硬化樹脂含浸性を有
する布またはシート状物を積層して、これらを一緒に金
型内に引き込んで加熱し、樹脂配合物を硬化せしめて、
繊維強化熱硬化性樹脂からなる成形品本体を形成すると
ともに、成形品本体に積層された布またはシート状物の
表面に、これらの布またはシート状物を成形品本体側よ
り浸透した熱硬化性樹脂よりなる透明または半透明のス
キン層を形成することを特徴とするもので、この請求項
2記載の発明の方法によれば、成形品本体の表面に浮き
出る強化繊維の凹凸を、布またはシート状物とスキン層
とによって隠蔽することができ、しかもスキン層は光線
透過率が高く透明または半透明を有するものであるの
で、成形品の表面が優れた平滑性と光沢を有するものと
なるとともに、布またはシート状物の着色または模様等
の表面印刷がスキン層を通して外部より透視することが
できて、成形品は高意匠性であり、かつこのような高意
匠性成形品を安定して能率良く連続的に製造することが
できる。
【0044】また布またはシート状物は、これらの布ま
たはシート状物を成形品本体側より浸透した熱硬化性樹
脂が硬化することで優れた密着性を有し、布またはシー
ト状物の結合強度が非常に高いものとなって、成形品は
優れた強度を有するものであるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成形品の製造方法を実施する装置の一
例を示す概略図である。
【図2】同装置の硬化金型部分の拡大断面図である。
【図3】本発明により得られた成形品の縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1 強化繊維 2 樹脂液槽 3 ガイド 4 布またはシート状物 5 硬化金型 6 樹脂含浸強化繊維体 7 第1の硬化区間 8 第2の硬化区間 9 成形材料通路 11,12 ヒーター 13 引取機 14 成形品 15 成形品本体 16 印刷 17 スキン層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直線状連続繊維を含む繊維強化熱硬化性
    樹脂からなる成形品本体の外面に、着色または模様等の
    表面印刷が施されかつ未硬化樹脂含浸性を有する布また
    はシート状物が積層され、成形品本体の熱硬化性樹脂
    が、硬化後に透明または半透明となる熱硬化性樹脂10
    0重量部に対して低収縮剤5〜10重量部、平均粒子径
    5〜30μmのガラス系充填剤10〜100重量部が配
    合されたものであり、成形品本体に積層された布または
    シート状物の表面に、これらの布またはシート状物を成
    形品本体側より浸透した熱硬化性樹脂よりなる透明また
    は半透明のスキン層が形成されていることを特徴とす
    る、高意匠性引抜成形品。
  2. 【請求項2】 直線状連続繊維を含む強化繊維に未硬化
    の熱硬化性樹脂配合物を含浸させ、この未硬化樹脂配合
    物含浸強化繊維によって所期の引抜き成形品本体を構成
    するべき強化繊維体を形成し、上記熱硬化性樹脂配合物
    は、硬化後に透明または半透明となる熱硬化性樹脂10
    0重量部に対して低収縮剤5〜10重量部、平均粒子径
    5〜30μmのガラス系充填剤10〜100重量部が配
    合されたものであり、未硬化樹脂配合物含浸強化繊維体
    の少なくとも片面に、着色または模様等の表面印刷が施
    されかつ未硬化樹脂含浸性を有する布またはシート状物
    を積層して、これらを一緒に金型内に引き込んで加熱
    し、樹脂配合物を硬化せしめて、繊維強化熱硬化性樹脂
    からなる成形品本体を形成するとともに、成形品本体に
    積層された布またはシート状物の表面に、これらの布ま
    たはシート状物を成形品本体側より浸透した熱硬化性樹
    脂よりなる透明または半透明のスキン層を形成すること
    を特徴とする、高意匠性引抜成形品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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GB2516157A (en) * 2013-05-08 2015-01-14 Gpfone Ltd Coloured carbon-fibre composite materials
CN109291470A (zh) * 2017-07-24 2019-02-01 洛阳双瑞橡塑科技有限公司 一种栈道板的生产工艺

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