JPH07137042A - 硬化性樹脂の硬化方法 - Google Patents

硬化性樹脂の硬化方法

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JPH07137042A
JPH07137042A JP28813793A JP28813793A JPH07137042A JP H07137042 A JPH07137042 A JP H07137042A JP 28813793 A JP28813793 A JP 28813793A JP 28813793 A JP28813793 A JP 28813793A JP H07137042 A JPH07137042 A JP H07137042A
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JP
Japan
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curing
resin
ultrasonic wave
curing agent
curable resin
Prior art date
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JP28813793A
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Hisaaki Fukui
久明 福井
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SAN GIKEN KK
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SAN GIKEN KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加熱設備を使用することなく、硬化反応を迅
速に行うことができ、しかも硬化物の物性及び作業性に
おいても優れた硬化性樹脂の硬化方法を提供すること。 【構成】 少なくとも硬化剤を配合してなる硬化性樹脂
に対して、金属媒体を介して超音波を照射する硬化性樹
脂の硬化方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波を利用する硬化
性樹脂の硬化方法に関し、特にアンカーボルト等の埋込
み固定材を固着するための硬化性樹脂の硬化方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、ビニルエステル樹脂(エポキシアクリレート樹脂)
等の硬化性樹脂を硬化する方法としては従来各種のもの
が知られている。これらの硬化方法を大別すれば、硬化
剤、硬化促進剤を配合した樹脂を加熱により硬化する加
熱硬化法と、常温硬化性の硬化剤、硬化促進剤を用いて
室温にて硬化する常温硬化法とに分けられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】加熱硬化法は、硬化性
樹脂の硬化を短時間にて完全に行うことができ、生産
性、作業効率の点及び硬化物の物性の点では好ましいと
いえる。しかし、このためには加熱金型あるいは加熱プ
レス装置等の比較的大型の加熱設備が必要となる。ま
た、加熱設備が必要となるためアンカーボルトのような
埋込み固定材の固着のような加熱手段を適用しにくい態
様に対しては適当な硬化方法ではない。一方、常温硬化
法では加熱設備は必要としないので、建築用塗料、シー
リング剤、接着剤等あるいは埋込み固定材の固着等には
好適である。しかし、この場合には硬化に長時間を要
し、また長時間かけても効果が不十分となる場合もあ
り、硬化物の物性面でも不満が残る。また、硬化剤、硬
化促進剤を配合した後のポットライフは数時間で作業性
は大幅に制限されるという問題点もある。そこで、本発
明は従来の加熱設備を使用することなく硬化反応を迅速
に行うことができ、しかも硬化物の物性においても優
れ、また作業性にも優れた硬化性樹脂の硬化方法を提供
することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、鋭意検討した
結果、硬化反応を促進するための手段として超音波を利
用することにより前記課題を解決し得ることを見出し、
本発明に至った。すなわち、本発明は、少なくとも硬化
剤を配合してなる硬化性樹脂に対して、金属媒体を介し
て超音波を照射する硬化性樹脂の硬化方法である。本発
明の硬化方法に使用できる樹脂は、超音波手段の適用に
より硬化反応を促進することができる樹脂系であれば特
に制限はない。例えばエポキシ樹脂、ビニルエステル樹
脂(エポキシアクリレート樹脂)、不飽和ポリエステル
樹脂等を好ましく使用することができる。エポキシ樹脂
としては常温で液体で、エポキシ基を2個あるいはそれ
以上持つものであれば特に制限はない。
【0005】このようなものとして、例えばビスフェノ
ールAとエピクロルヒドリンより得られるビスフェノー
ルA型エポキシ化合物、フェノール樹脂とエピクロルヒ
ドリンより得られるノボラック型エポキシ化合物、ポリ
ブタジエンの2重結合部を過酢酸等によりエポキシ化す
るポリブタジエン型エポキシ化合物、ハロゲン化ビスフ
ェノールAとエピクロルヒドリンより得られるハロゲン
化エポキシ化合物、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール等のグリコールとエピクロルヒドリン
より得られるポリアルキレンエーテル型エポキシ化合
物、β−メチルエピクロルヒドリンと多価フェノール、
多価アルコール、多価カルボン酸等より得られるメチル
置換型エポキシ化合物、その他ウレタン変性エポキシ化
合物及びこれらの混合物等を挙げることができる。
【0006】これらのエポキシ樹脂は、1液型として
も、又2液型としてもよい。1液硬化型エポキシ樹脂に
用いる潜在性硬化剤は、エポキシ樹脂を硬化させ常温で
不活性のものであれば何でも良く、例えばアミン、酸無
水物、ジシアンジアミド、BF3・アミン錯体、アミン
塩、変性イミダゾール化合物等が知られる。又、硬化時
間を短くする又は硬化温度を低下させるための促進剤と
して、3級アミン化合物、イミダゾール化合物、ジメチ
ル尿素化合物等も使用することができる。エポキシアク
リレート樹脂は常温で液体で、上記エポキシ化合物のエ
ポキシ基をアクリル酸、メタクリル酸等で変性したもの
である。また必要に応じてスチレン、メタクリル酸メチ
ル、エチレングリコールジメタクリレート、フタル酸ジ
アリル等の反応性単量体と混合して用いても良い。この
樹脂の硬化剤としては、エポキシアクリレート樹脂と接
触して硬化するものであれば何でも良いが、一般に有機
過酸化物例えばベンゾイルパーオキサイド、メチルエチ
ルケトンパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、ジ
クミルパーオキサイド、ターシャルブチルパーオクトエ
ート等が用いられる。また、樹脂の硬化を促進するため
に硬化促進剤を用いることができる。硬化促進剤は硬化
剤とは分離しておく必要がある。
【0007】硬化促進剤は例えばジメチルアニリン、ジ
エチルアニリン、ジメチルパラトルイジン等のアミン
類、ナフテン酸コバルト、オクトエ酸コバルト、ナフテ
ン酸マンガン、ナフテン酸カルシウム等の金属石鹸類、
バナジルアセチルアセトネート、鉄アセチルアセトネー
ト等のキレート化合物である。さらに樹脂の安定性を維
持するために、ハイドロキノン、ナフトキノン等の重合
禁止剤を加える事もできる。不飽和ポリエステル樹脂
は、不飽和多塩基酸、飽和多塩基酸、グリコール等のエ
ステル結合からなり、必要に応じて末端をアクリル酸、
メタクリル酸等で封鎖したものである。不飽和多塩基酸
としては一般には無水マレイン酸、フマル酸が用いら
れ、まれにイタコン酸、シトラコン酸等が用いられる。
【0008】飽和多塩基酸は不飽和ポリエステル樹脂の
不飽和度を調節し、反応性を用途に合わせるために用い
る。用いられる飽和多塩基酸としては、無水フタル酸、
イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族飽和多塩基酸、
アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族飽和多塩基酸、テト
ラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無
水フタル酸等の無水マレイン酸とジエン化合物のDie
ls−Alder反応による付加物が知られる。グリコ
ール類としてはプロピレングリコール、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール
等の汎用グリコール類、ビスフェノールAプロピレンオ
キシド付加物、水素化ビスフェノールA等の耐食用途
品、ジブロムネオペンチルグリコール等の含臭素化合物
等が用いられる。またこれらの酸、グリコールからなる
不飽和ポリエステル樹脂は、必要に応じて、スチレン、
メタクリル酸メチル、エチレングリコールジメタクリレ
ート、フタル酸ジアリル等の反応性単量体と混合して用
いても良い。
【0009】不飽和ポリエステル樹脂のための硬化剤、
促進剤、重合禁止剤などは、すべて上記したエポキシア
クリレート樹脂と同じものを使用することができる。ま
たこれらの硬化性樹脂には、必要に応じて骨材又は充填
剤を混入することができる。骨材としては特に限定され
ないが、天然砕石又はマグネシアクリンカー等の人工石
等を使用することができる。充填剤としては特に限定さ
れないが、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、無水ケイ
酸、粘土等を使用することができる。本発明の硬化法に
おいて、硬化性樹脂中に、硬化剤を配合するにあたり、
貯蔵安定化を図るためあるいは作業性を考慮して、硬化
性樹脂と硬化剤とを隔離することが有利な場合がある。
硬化性樹脂と硬化剤とを隔離するには、周知のように硬
化剤をガラスやプラスチックフィルムなどでカプセル化
するのがよい。また、硬化剤の粉末を不活性な層で被覆
してマイクロカプセル化したものも有用である。
【0010】本発明は超音波を利用するものであるが、
その超音波は発振器により振動子を振動させることによ
り発生させ、その超音波を金属媒体を介して硬化性樹脂
に照射させるというものである。この金属媒体は、樹脂
に超音波を照射して、その硬化を促進させ得るものであ
れば特に制限はない。本発明の硬化法は、とくに制限さ
れるものではなく、一般成形品の成形、樹脂含浸物の積
層成形あるいはシーリング剤、接着剤の硬化法としても
利用できるが、本発明硬化法の特徴が最も発揮されるの
は、アンカーボルトのような埋込み固定材を岩盤などへ
固着する場合である。この場合前記の振動子よりの超音
波を樹脂に照射させる金属媒体として、アンカーボルト
など金属性埋込み固定材自体を利用することができるの
で好都合である。
【0011】本発明を固定材の固着に利用する好適な態
様についてさらに説明すると、図1はその硬化法の説明
図である。図中、1は高周波電気信号を発生する発振
器、2はその電気信号を受けて超音波を発生する振動
子、3はその超音波を硬化性樹脂に照射するアンカーボ
ルトなどの固定材、4は硬化性樹脂、5は岩盤などに設
けた固定材を固定するための固定材挿入穴である。硬化
性樹脂は、超音波の照射により加熱されて硬化反応が促
進され、数分〜数十分間で十分に硬化することができ
る。利用する超音波は5Kヘルツから50Kヘルツの周
波数が好ましい。超音波の適用による硬化促進の理由の
詳細は不明であるが、キャビテイションに伴う発熱、わ
ずかな熱エネルギーの生成によるものと推定される。
【0012】また、この場合硬化性樹脂は、樹脂と硬化
剤とを隔離させてなる形態が好ましい。例えば硬化剤を
マイクロカプセル化した形態、破砕可能な外容器と破砕
可能な内容器とからなり、硬化剤を密封した内容器と、
樹脂と必要に応じて骨材を外容器に収容し密封した形
態、あるいは樹脂を密封した内容器と、硬化剤と必要に
応じて骨材を外容器に収容し密封した形態が好ましい。
これらの破砕可能な容器は、運搬又は保管時破壊され
ず、アンカーボルトなど固定材挿入時に、簡単に破壊さ
れ細片となる容器であり、ガラス、陶磁器、合成樹脂又
は合成樹脂フィルムからなるものである。これらの容器
は、埋込み固定材の固着時に粉砕され、その大小さまざ
まな破砕片が混在して固着され、固着性能を高めること
ができる。
【0013】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。なお、以下の実施例においては埋込み固定材
を想定した態様について説明するが、本発明はこのよう
な態様に制限されるものではなく、金属を介して超音波
を樹脂に照射し得る形態にて一般成形品、積層品の製造
にも利用することができる。
【0014】実施例1 内径13.9mm、長さ160mmのガラス製試験管に
ビスフェノールA型エポキシ樹脂AER−331L(旭
化成製)100部と潜在性硬化剤ノバキュア3721
(旭化成製)28部とからなる樹脂組成物を充填し、ナ
イロン製キャップで密封した。これにキャップを通して
外径11.9mmのボルトを100mm挿入した。次い
でボルト上部に振動子を配置し、この振動子に高周波発
振器(振動子、発振器は超音波工業(株)製USH−1
200Z20Sを本実験用に改造)に接続して、振動数
20kHz、振幅約10μの超音波を発生させた。この
超音波を振動子からこれに接触しているボルトを介して
試験管内の硬化性樹脂に照射させた。照射開始後、約1
0分で樹脂は硬化した。このとき試験管内上部の樹脂温
度は86℃、またボルト下部の樹脂温度は128℃に達
していた。なお、同様の条件にてコンクリート中で硬化
させたところ、引張り剪断接着強さは130kg/cm
3であった。
【0015】実施例2 実施例1において超音波条件を振動数20kHz、振幅
14〜15μとした以外は実施例1と同様にして樹脂の
硬化を行った。その結果、超音波照射開始後約5分で硬
化し、試験管内の上部樹脂温度は78℃、ボルト下部の
樹脂温度は128℃であった。
【0016】実施例3 内径18.5mm、長さ180mmのガラス製試験管内
に実施例1と同じエポキシ樹脂組成物を充填し、ナイロ
ン製キャップで密封した。これにキャップを通して外径
15.8mm、長さ180mmのボルトを130mm挿
入した。次いでこのボルト上に実施例1と同様に振動子
を配置して、振動数20kHz、振幅14〜15μの超
音波条件でボルトを介して超音波を樹脂に照射した。そ
の結果、照射開始後16分で硬化した。樹脂温度は上
部、下部とも125℃であった。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の硬化方法
によれば、従来の加熱設備を必要とすることなく、簡便
な超音波発生器を利用することで迅速に硬化することが
できる。また、従来加熱手段が適用しにくく常温硬化性
樹脂を利用していた分野においては本発明の適用により
所望の硬化物性を得るまでの硬化時間を従来数日を要し
ていたものを数分〜数十分と著しく短縮することがで
き、しかも硬化剤を樹脂とは隔離した場合にはポットラ
イフも一年以上と大幅に延長でき、作業効率を顕著に向
上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の硬化方法の説明図。
【符号の説明】
1 発振器 2 振動子 3 固定材 4 硬化性樹脂 5 固定材埋設穴

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも硬化剤を配合してなる硬化性
    樹脂に対して、金属媒体を介して超音波を照射すること
    を特徴とする硬化性樹脂の硬化方法。
  2. 【請求項2】 硬化性樹脂が該樹脂とは隔離された硬化
    剤を配合してなる請求項1記載の硬化性樹脂の硬化方
    法。
  3. 【請求項3】 超音波が5K〜50Kヘルツの周波数を
    有する請求項2記載の硬化性樹脂の硬化方法。
JP28813793A 1993-11-17 1993-11-17 硬化性樹脂の硬化方法 Withdrawn JPH07137042A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009517861A (ja) * 2005-11-24 2009-04-30 韓国科学技術院 超音波振動を利用する電子部品間の接続方法(methodforbondingbetweenelectricaldevicesusingultrasonicvibration)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009517861A (ja) * 2005-11-24 2009-04-30 韓国科学技術院 超音波振動を利用する電子部品間の接続方法(methodforbondingbetweenelectricaldevicesusingultrasonicvibration)

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Effective date: 20010130