JPH07136258A - シリンジポンプ - Google Patents

シリンジポンプ

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Publication number
JPH07136258A
JPH07136258A JP3229992A JP22999291A JPH07136258A JP H07136258 A JPH07136258 A JP H07136258A JP 3229992 A JP3229992 A JP 3229992A JP 22999291 A JP22999291 A JP 22999291A JP H07136258 A JPH07136258 A JP H07136258A
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syringe
syringe pump
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overload
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JP3229992A
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English (en)
Inventor
Yuji Komuro
裕司 小室
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 過負荷状態を反射型フォトセンサの出力レベ
ルによって正確に把握することのできるシリンジポンプ
を提供する。 【構成】 シリンジ11のピストン部17を押して溶液
を送り出す力は、バネ押さえ35に取り付けられたバネ
36を介して所定方向に移動するブロック32から与え
られる。ブロック32の内面には反射型フォトセンサ3
8が取りつけられており、これと対向するバネ押さえ3
5の上面には反射面の少なくとも一部が反射型フォトセ
ンサ38から徐々に遠ざかるように傾斜した反射板39
が配置されている。過負荷が生じた状態では反射型フォ
トセンサ38が傾斜部分を検出して行くので、検出出力
が漸減することになり、負荷の増加状態が容易に把握で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、病院等においてシリン
ジ内の薬液等の溶液を設定された流量で血管等に注入す
るために用いるシリンジポンプに係わり、特に注入時に
過負荷が発生した場合のその検出に工夫を行ったシリン
ジポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】図10は、シリンジを取りつけた状態の
シリンジポンプを上から見た図である。シリンジポンプ
10は、例えば病院において不整脈治療剤、抗癌剤等の
薬剤や濃厚流動食等のその他の溶液を患者に持続的にか
つ予め設定した流量で注入するために用いるものであ
り、これらの溶液はシリンジ11内に収容されている。
シリンジポンプ10を使用する際には、シリンジポンプ
本体12のシリンジ本体固定部13に筒状のシリンジ本
体14を載せて、そのフランジ部15をこのシリンジ本
体固定部13に設けた係合溝16に嵌め込む。そしてシ
リンジ本体14にその先端部分を内挿しているピストン
部17の後端部18をシリンジポンプ本体12に移動自
在に配置されたスライダ19の係合部21に係合させ
る。この状態で、シリンジポンプ本体14に配置された
クランプ22を操作してシリンジ本体14を上から押さ
えつけるようにセットすると、シリンジ11はシリンジ
ポンプ本体12に固定される。
【0003】次に操作部24の注入量設定スイッチ25
を操作して注入量表示部26に単位時間当たりの溶液の
所望の注入量を表示させる。クランプ22には、複数の
磁気センサが配置されており、シリンジ本体固定部13
に固定されたシリンジ11の内径の大きさに応じてこの
注入量を実現するためのピストン部17の単位時間当た
りの移動量が算出される。そこで、このシリンジポンプ
10の操作者が操作部24の開始ボタン28を押すと開
始ランプ29が点灯して図示しない駆動モータが回転を
開始し、スライダ19が移動してピストン部17がシリ
ンジ本体14に前記した単位時間当たりの移動量で押し
込まれ、溶液の注入が開始されることになる。
【0004】このようなシリンジポンプ10では、シリ
ンジ11から送り出された溶液が図示しないチューブを
介して患者等の体内に注入されるが、患者等が寝返った
りしてチューブの一部が折れ曲がると溶液を注入できな
い状態となる。この状態でシリンジポンプ10がなおも
ピストン部17の押し込みを続けると、シリンジ11内
の溶液の圧力が高まり、接続部からチューブが抜ける等
の不都合が発生するおそれがある。そこでシリンジポン
プ10には過負荷検出機構が備えられており、輸液回路
の閉塞等によってシリンジ11の内圧が高まりポンプ側
に過負荷が生じた場合には、ピストン部17の押し込み
を直ちに停止させるようにしている。
【0005】図11は、このようなシリンジポンプにお
ける従来の過負荷検出機構を表わしたものである。シリ
ンジ11のピストン部17を矢印31方向に移動させる
スライダ19は、前記した駆動モータによって直接駆動
力を伝達されるのではなく、ブロック32から間接的に
駆動力を伝達されている。すなわち、スライダ19は、
パイプシャフト34の一端に固定されており、このパイ
プシャフト34の他端は所定長だけ小径となっており、
この小径の部分が中空のブロック32に設けられた穴部
に移動自在に貫入されており、その小径の先端部分にバ
ネ押さえ35が取りつけられている。ブロック32の中
空部分に配置されたバネ押さえ35は複数のバネ36を
介してブロック32の内面に取りつけられている。ブロ
ック32は前記した駆動モータの駆動力によって矢印3
1方向に移動させられる。
【0006】バネ36は予め一定の長さまで圧縮されて
いる。このため、ピストン部17による正常な注入動作
におけるシリンジ11の内圧の上昇(0.1〜0.2K
g/cm2 )による負荷ではバネ36の圧縮力が勝って
おり、パイプシャフト34はブロック32に押しつけら
れた状態を維持する。これにより、脈動のない、精度の
高い注入が可能となる。
【0007】一方、このようにシリンジポンプが作動し
ている状態で前記したように輸液回路の閉塞等が発生す
ると、ピストン部17の押し込みに障害が生じて負荷が
増大する。ブロック32は依然として矢印31方向に移
動するのでバネ36がこの負荷と釣り合うようにより圧
縮されることになる。このとき、シリンジ11の内圧は
例えば0.5Kg/cm2 以上と異常に上昇している。
ブロック32の内面には反射型フォトセンサ38が配置
されており、バネ押さえ35のこれに対抗する位置には
一様な反射率を有する長方形の反射板39が配置されて
いる。反射型フォトセンサ38は、例えば発光ダイオー
ドとフォトダイオードが対になったもので、発光ダイオ
ードから照射された光線が前方に配置された物体で反射
し、その反射光がフォトダイオードによって検出される
ようになっている。
【0008】図12はこのような反射型のフォトセンサ
の出力特性を表わしたものである。図で横軸は負荷の大
きさを示しており、縦軸は反射型フォトセンサ38の出
力を示している。このシリンジポンプ10の場合の反射
型フォトセンサ38と反射板39の配置関係は、ピスト
ン部17が正常に溶液の送り出しを行っている状態で、
すなわちバネ36が正常に圧縮されている状態で反射型
フォトセンサ38が反射板39を検出するような位置関
係となっている。したがって、負荷が零から増加してピ
ストン部17の押し込みを正常に行っている範囲で
は、反射型フォトセンサ38の出力は常に2値化のため
のスレッショルドレベルa′よりも高くなっている。
【0009】輸液回路の閉塞等が生じて負荷が増大しバ
ネ36の圧縮がこれ以上高くなると、反射板39の位置
が相対的にずれてその検出が行われないようになってい
る。したがって反射型フォトセンサ38の出力は過負荷
の初期状態(図で範囲)で急激に低下し、これよりも
更に過負荷の程度が増大する(図で範囲)と反射板3
9以外の部位のみからの反射光を検出するので、反射型
フォトセンサ38の出力は低いレベルに落ち着くことに
なる。このように過負荷になった初期状態で反射型フォ
トセンサ38の出力は急激に低下するので、その出力が
スレッショルドレベルa′に到達した時点、すなわち負
荷が図でaとなった時点で、過負荷になった状態が検出
され、シリンジポンプ10の動作が停止し、過負荷警報
としてブザーが鳴動することになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このようにシリンジポ
ンプにおける従来の過負荷検出機構では、反射型フォト
センサ38の出力レベルを監視し、これが過負荷検出の
基準レベルa′以下となったとき、過負荷であることを
検出するようになっていた。しかしながら、従来のこの
ような機構では、反射型フォトセンサ38が反射板39
の終端を検出することによる出力レベルの急激な変化を
利用して過負荷を検出していた。従って測定できる過負
荷の範囲を広く設定することはできず、過負荷検出の基
準レベルを幾つも設定することはできなかった。
【0011】ところでシリンジポンプ10には、複数の
サイズのシリンジ11のうちから所望の1つを選択して
セットするようになっている。シリンジ11のサイズが
異なるとこれらの内径寸法が異なる。この内径寸法が相
違すると、過負荷検出時のシリンジ11の内圧は概ね寸
法の二乗に反比例して差を生じることになる。例えばあ
るシリンジ11の内径が他のものの2/3になると、過
負荷検出時の内圧は2〜2.5倍に増加する。したがっ
て、シリンジ11のサイズによって過負荷検出の基準レ
ベルはそれぞれ相違すべきである。従来ではこの基準レ
ベルを1箇所にセットしていたので、シリンジ11の内
径が相違すると検出する内圧が一定しないという問題が
あった。
【0012】すなわち、あるサイズのシリンジ11にと
って過負荷検出の基準レベルが極端に低くなるような場
合には、例えば針や輸液回路が細いとき、あるいは薬液
の粘度が高いようなときに輸液回路の流路抵抗が大きい
のでそれ自身によるシリンジ11の内圧の上昇で、輸液
回路が閉塞していないのに過負荷警報が発生するおそれ
があった。また、反対に他のサイズのシリンジ11にと
って過負荷検出の基準レベルが高くなりすぎるような場
合には、輸液回路やフィルタ等の耐圧より高くなっても
過負荷警報が発生しない場合があり、最悪の場合には輸
液回路等を破損してしまうおそれもあった。
【0013】そこで本発明の目的は、過負荷状態におけ
る反射型フォトセンサの出力レベルを正確に把握するこ
とのできるシリンジポンプを提供することにある。
【0014】本発明の他の目的は、それぞれのシリンジ
のサイズに応じて過負荷検出の基準レベルを別個に設定
することのできるシリンジポンプを提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、シリンジポンプ本体と、溶液が収容された筒状のシ
リンジ本体をこのシリンジポンプ本体に固定するシリン
ジ本体固定部と、シリンジ本体にその先端部分を内挿さ
れたピストン部をシリンジ本体内の溶液を押し出す方向
に移動自在に保持するスライダと、反射型フォトセンサ
を取りつけたセンサ取付部と、このセンサ取付部をピス
トン部の移動のために予め設定された速度で移動させる
センサ取付部駆動手段と、スライダに一端を固定し他端
をセンサ取付部とバネを介して接続された駆動力伝達部
材と、この駆動力伝達部材における反射型フォトセンサ
と対向する位置に配置されこれらの位置の相対的な変化
に応じてこの反射型フォトセンサに入射させる光量を漸
次変化させる光線反射部と、前記したスライダにかかる
負荷が変動し、センサ取付部の移動時における駆動力伝
達部材の相対的な位置が変化して、反射型フォトセンサ
に入射する反射光量の変化によりその検知出力が予め設
定された検知レベルに到達したとき、これを検知する負
荷検知回路と、この負荷検知回路が過負荷に相当する検
知出力を検知したときセンサ取付部駆動手段の駆動を停
止させる駆動機構停止手段とをシリンジポンプに具備さ
せる。
【0016】すなわち請求項1記載の発明では、反射型
フォトセンサに対向した光線反射部を反射光量を漸次変
化させる構造とし、ブロック等からなるセンサ取付部と
駆動力伝達部材との相対的な位置変化に対する反射型フ
ォトセンサの出力を緩やかに変化させることにして、前
記した目的を達成する。
【0017】請求項2記載の発明では、光線反射部をそ
の反射面の少なくとも一部が反射型フォトセンサから徐
々に遠ざかるように傾斜しているような形状にし、この
傾斜面に対して反射型フォトセンサが光を照射し反射光
を検出することで、反射型フォトセンサの出力を緩やか
に変化させることにしている。
【0018】請求項3記載の発明では、光線反射部を構
成する反射面の幅を前記した移動方向にそって増加また
は減少させ、この部分における反射型フォトセンサの出
力を緩やかに変化させることにしている。
【0019】請求項4記載の発明では、前記した移動方
向にそって光線反射部の反射率を増加または減少させ
て、この部分における反射型フォトセンサの出力を緩や
かに変化させることにしている。
【0020】請求項5記載の発明では、シリンジ本体固
定部に固定されるシリンジの種類を判別し、反射型フォ
トセンサに入射する反射光量に対応した過負荷の検知レ
ベルをシリンジのサイズに応じて適性なものに設定する
ことにしている。
【0021】請求項6記載の発明では、1つのシリンジ
に対して正常な範囲の負荷および過負荷を問わず反射型
フォトセンサに入射する反射光量に対応させた複数の検
知レベルを設定しておき、これらを判別することで、シ
リンジの内圧上昇を段階を追って検出することが可能に
なる。
【0022】
【実施例】以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
【0023】図1は本実施例のシリンジポンプにおける
過負荷検出機構を表わしたものである。本実施例シリン
ジポンプは、この図に示した過負荷検出機構および後に
説明する検出回路が図10〜図12に示した従来のシリ
ンジポンプと相違するのみである。したがって、図1で
図11と同一部分には同一の符号を付しており、これら
の説明を適宜省略することにする。
【0024】この図1に示した過負荷検出機構でパイプ
シャフト34の一端にはバネ押さえ41が固定されてお
り、複数のバネ36を介してブロック32の内壁に取り
つけられている。ブロック32の上部内壁には、反射型
フォトセンサ38がその直下の反射物を検出するように
配置されている。また、反射型フォトセンサ38と対向
するバネ押さえ41の上面は図で右半分が移動方向31
にそって反射型フォトセンサ38から遠ざかるように下
方に傾斜している。このバネ押さえ41の上面全域に
は、その形状に沿って反射板42が配置されている。
【0025】図2は、このシリンジポンプにおけるブロ
ックを移動させる機構を説明するためのものである。図
10等の既に説明した図と同一部分には同一の符号を付
しており、これらの説明を適宜省略する。この図2は、
図10におけるV−V線に沿った断面を表わしたもので
ある。
【0026】シリンジポンプ本体12は、上部ケース5
1と下部ケース52から構成されている。上部ケース5
1内には駆動モータ54が配置されている。駆動モータ
54の近傍には回転羽根から構成されたモータ回転検出
部50が配置されており、この回転羽根の回転数を例え
ば光学的なセンサで検出することによってモータの回転
速度の制御が行われるようになっている。駆動モータ5
4のシャフトは図示しない送りねじに連結され、更にこ
の送りねじは送りナット55を介してブロック32に連
結されている。ブロック32は、ガイドシャフトに沿っ
て移動可能となっており、すでに説明したようにスライ
ダ19(図10参照)が連動するようになっている。
【0027】図1に示したように、スライダ19とブロ
ック32とはパイプシャフト34によって連結されてい
る。すなわち、駆動モータ54の駆動力は送りねじおよ
び送りナット55を介してブロック32に伝達され、更
にパイプシャフト34を介してスライダ19に伝達され
る。送りナット55にはクラッチシャフト56が連結さ
れている。クラッチシャフト56はクラッチボックス5
7内に設けられたクラッチ58に連結されている。
【0028】図3は、図1に示した反射型フォトセンサ
による反射板の検出原理を説明するためのものである。
本実施例の反射型フォトセンサ38は、発光ダイオード
61とフォトダイオードおよびトランジスタからなる受
光素子62によって構成されている。発光ダイオード6
1には電源VCCから定電圧が供給され、一定の強さの光
線65が反射板42に照射される。反射板42によって
反射された光線は受光素子62に入射し、出力端子66
から入射光の強さに応じた出力信号が得られる。反射型
フォトセンサ38は、負荷が変動するとこの図3の紙面
に対して垂直方向に反射板42との間の位置関係を移動
させる。
【0029】図4はバネ押さえ上部を表わしたものであ
る。バネ押さえ41の上部は、金属板を所定の角度で折
り曲げた反射板42によって覆われている。図3に示し
た反射型フォトセンサ38の発光ダイオード61から出
力された光線65は、図1に示したシリンジ11による
溶液の送り出しが正常に行われている状態で、反射板4
2上の点線で示した領域67の照射を行っている。すな
わち、この正常状態ではバネ押さえ41が図1に示した
反射型フォトセンサ38と位置関係を多少変動させて
も、反射板42における光線65の照射領域は反射型フ
ォトセンサ38に対して平行に配置された板上の部分で
あり、図3に示した出力端子66から得られる出力信号
のレベルは基本的に変動しない。
【0030】これに対して、輸液回路の閉塞等によって
シリンジ11の内圧が高まりポンプ側に過負荷が生じた
場合には、バネ押さえ41が相対的に移動方向37に移
動し、過負荷の程度に応じて光線65の照射領域が反射
板42の傾斜面を下降するようになる。すると、光線6
5の照射領域が反射板42の傾斜面を下降するほど、反
射面と発光ダイオード61との距離が遠ざかるので、受
光素子62に入射する光線の量は漸次減少していくこと
になる。
【0031】図5は従来の図12に対応させたもので、
本実施例における反射型のフォトセンサの出力特性を表
わしたものである。図で横軸は負荷の大きさを示してお
り、縦軸は反射型フォトセンサ38の出力を示してい
る。範囲′は図12に示した範囲と同一であるが、
範囲′すなわち過負荷状態における負荷の変動を出力
信号のレベルで追跡できる範囲は図12に示した範囲
に較べて大幅に拡大していることがわかる。また、この
範囲′における負荷の変化に対する信号レベルの変化
は、従来の図12と比較すると、より再現性よく、特性
的に信頼性の高いものとなっている。これは、従来と比
較すると本実施例の場合には反射板42の反射面を継続
的に検出対象としているので、反射板39(図11)の
エッジ部分を検出対象とする従来の場合よりも検出が広
範囲に安定していることによる。
【0032】したがって、本実施例のシリンジポンプで
は、過負荷状態の範囲′においてシリンジ11(図
1)の各サイズに応じてそれぞれ異なった過負荷検出の
負荷レベルA、B、Cを設定し、これらに対応する出力
側の基準レベルA′、B′、C′によってこれらの判定
を行う。ここで、一番低い負荷レベルAは本実施例のシ
リンジポンプで用いる3種類のシリンジ11のうち内径
が最も細いものに対して設定されるものであり、負荷レ
ベルBは内径が中くらいのものに対して設定されるもの
である。一番高い負荷レベルCはこの3種類のシリンジ
11のうち内径が最も太いものに対して設定されること
になる。このようにシリンジ11の内径が大きいほど負
荷レベルA、B、Cを高く設定したのは、内径にかかわ
らずシリンジ11の内圧が所定の値に達した時点で過負
荷状態を検出し警報を発することができるようにするた
めである。
【0033】図6は、このシリンジポンプにおける過負
荷検出のための回路構成の概要を表わしたものである。
このシリンジポンプは過負荷検出や各部の制御を行うた
めにCPU(中央処理装置)71を搭載している。CP
U71はデータバス等のバス72を介してROM73、
作業用メモリ74、不揮発性メモリ(NVM)75、A
/D変換器76、操作部用I/O(入出力ポート)7
7、シリンジサイズ検出回路78、モータ駆動回路79
およびブザー鳴動回路81等の各部と接続されている。
【0034】ここでROM(リード・オンリ・メモリ)
73には、過負荷検出等の制御を行うためのプログラム
が格納されている。作業用メモリ74は、このような制
御を行う上での各種データを一時的に格納するためのメ
モリである。不揮発性メモリ75には、前記した基準レ
ベルA′、B′およびC′のようにシリンジポンプの電
源がオフになった状態でも保存すべきデータが格納され
るようになっている。A/D変換器76は図3に示した
出力端子66から得られる出力信号を入力してこれをデ
ィジタル信号に変換するための回路である。操作部用I
/O77には図10に示した操作部24が接続されてお
り、各種キーあるいはボタンスイッチの操作によるデー
タを入力すると共に、注入量表示部26に必要な表示を
行うようになっている。シリンジサイズ検出回路78
は、図2等に示したクランプ22に配置された複数の磁
気センサによって、シリンジポンプ本体12にセットさ
れたシリンジ11の外径を測定し、これによってどの内
径サイズのシリンジ11がセットされたかを検出するよ
うになっている。検出結果によって、図2に示す操作部
24の3つのシリンジ表示ランプ91〜93のうち対応
するランプが点灯表示される。ここで一番上のシリンジ
表示ランプ91は50ミリリットルのシリンジがセット
されたことを表示し、真中のシリンジ表示ランプ92は
30ミリリットルのシリンジがセットされたことを表示
し、一番下のシリンジ表示ランプ93は20ミリリット
ルのシリンジがセットされたことを表示するようになっ
ている。モータ駆動回路79は駆動モータ54およびモ
ータ回転検出部50を接続しており、駆動モータ54を
予め設定された速度で駆動制御するようになっている。
ブザー鳴動回路81はシリンジポンプ本体12に配置さ
れたブザー94を所定の条件の下に鳴動させるための回
路である。図10に示す操作部24には、警報の原因を
示す3つの表示ランプ95〜97と、鳴動を停止させる
ためのブザー停止ボタン98が配置されている。
【0035】図7は、所定のシリンジをシリンジポンプ
本体にセットして溶液の注入を開始する場合における過
負荷検出の制御の様子を表わしたものである。シリンジ
ポンプの操作者が図10に示す操作部24の開始ボタン
28を押すと(ステップS101;Y)、シリンジサイ
ズ検出回路78の検出したシリンジのサイズ(内径)と
注入量設定スイッチ25によって設定された単位時間当
たりの注入量(流量)の関係から駆動モータ54の回転
速度が算出され、作業用メモリ74にその値が格納され
る(ステップS102)。CPU71はこの値をモータ
駆動回路79に与え、駆動モータ54の駆動を開始させ
る。駆動モータ54はモータ回転検出部50の検出動作
に応じてこれ以後一定の回転速度で回転する。これによ
り、シリンジ11のピストン部17の押し込みが行わ
れ、溶液の注入が開始される。
【0036】この状態でCPU71はA/D変換器76
から入力される反射型フォトセンサ38の出力信号を監
視する(ステップS104)。そして、これが不揮発性
メモリ75に書き込まれている基準レベルA′、B′お
よびC′のうち現在セットされているシリンジ11に該
当する基準レベル以下となった場合には(Y)、輸液回
路の閉塞等によって過負荷が発生したものとして駆動モ
ータ54の駆動を停止させるようにモータ駆動回路79
を制御する(ステップS105)。これにより、過負荷
を原因とする障害を回避することができる。この過負荷
を原因とする駆動モータ54の停止制御の場合には、図
示しない制御フローによってブザー鳴動回路81が駆動
され、ブザー94が鳴動するので、これに対して適切な
処置を採ることができる。なお、駆動モータ54の駆動
停止は図10に示した停止ボタン99を押す等のその他
の停止のための条件が満足されたときにも停止する(ス
テップS106)。
【0037】以上説明した実施例では反射板42を折り
曲げた形状にし、過負荷状態になると反射型フォトセン
サ38から反射面が遠ざかるようにして検出出力を緩や
かに減少させたが、本発明の反射板はこれに限るもので
はない。
【0038】図8は反射板の第1の変形例を表わしたも
のである。この反射板101は上面が平らで比較的光線
を反射しない表面特性のバネ押さえ102に貼り付けら
れた金属板からなり、過負荷における光線の反射領域が
先細りの3角形に形成されている。このため、過負荷が
生じるとこれが増加するほど反射光の量が減少するよう
になっている。
【0039】図9は反射板の第2の変形例を表わしたも
のである。この反射板103は上面が平らなバネ押さえ
102の上面全域に貼り付けられるようになっており、
図で黒色に示した領域103Aのみを黒色等の光を吸収
する色で印刷し、残りの領域103Bを金属の地色のま
まとしている。バネ押さえ102を白色系統のプラスチ
ックで形成した場合には、このバネ押さえ102の上面
にこのような印刷を行うことで反射板を省略することも
可能である。また、金属板等の板またはバネ押さえ10
2の上面に対する印刷は、この図9に示したような方法
で行う必要はなく、例えば網点状あるいはドット状の模
様を光線の反射が漸次減少するような面積比率で過負荷
に対応する領域に印刷するようにしてもよい。
【0040】また、実施例では過負荷を検出するための
基準レベルをシリンジの種類ごとに1つずつ設定した
が、1つのシリンジについて更に複数の基準レベルを設
定しシリンジ内圧の上昇を段階的に検出して、これに対
する適切な制御を行うようにしてもよい。更に実施例で
は触れなかったが、不揮発性メモリ75に書き込む各基
準レベルの値を必要に応じて訂正できるようにすれば、
シリンジの構造や収容される液体に変更が生じた場合に
も、これに対応して適切な基準レベルに変更することが
でき、過負荷でない状態で過負荷警報が出たり過負荷の
状態でなかなか過負荷警報がでないといった不都合を解
消することができる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
によれば、反射型フォトセンサと対向する位置に配置さ
れた光線反射部を、これらの相対的な位置変動によって
反射型フォトセンサに入射させる光量を漸次変化させる
ような構造にしたので、負荷の検出範囲をより広くかつ
検出精度をより高くすることができるようになり、シリ
ンジのサイズの違いによる過負荷の判定や同一サイズの
シリンジの内圧変化の段階的な判定をも行うことができ
るようになるという効果がある。
【0042】また、請求項2〜請求項4記載の発明によ
れば、光線反射部をその反射面の少なくとも一部が反射
型フォトセンサから徐々に遠ざかるように傾斜させた
り、反射面の形状や反射率を変えるようにしたので、簡
単な構造により負荷の変動を精度よく検出させることが
できるという利点がある。
【0043】更に請求項5記載の発明によれば、シリン
ジの種類を判別してこれらに応じて負荷の検知レベルを
異なって設定できるようにしたので、シリンジの内圧が
内径にかかわらず一定の値に達した時点で過負荷の検出
を行うことができるという利点がある。
【0044】また、請求項6記載の発明によれば、1つ
のシリンジに対しても複数の検知レベルを設定できるよ
うにしたので、シリンジポンプの作動時における負荷変
動を細かく把握することができ、過負荷発生前の注意表
示を行ったり、過負荷発生時の迅速な検出を行うことが
可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例のシリンジポンプにおける過負荷検出
機構を表わした概略構成図である。
【図2】本実施例のシリンジポンプで図10図のV−V
線にそった縦断面図である。
【図3】図1に示した反射型フォトセンサによる反射板
の検出原理を説明するための回路図である。
【図4】本実施例のバネ押さえ上部を表わした斜視図で
ある。
【図5】本実施例における反射型のフォトセンサの出力
特性を表わした特性図である。
【図6】本実施例のシリンジポンプにおける過負荷検出
のための回路構成の概要を表わしたブロック図である。
【図7】本実施例で所定のシリンジをシリンジポンプ本
体にセットして溶液の注入を開始する場合における過負
荷検出の制御の様子を表わした流れ図である。
【図8】反射板の第1の変形例を表わした平面図であ
る。
【図9】反射板の第2の変形例を表わした平面図であ
る。
【図10】本実施例等で用いられるシリンジポンプ本体
にシリンジを保持した状態を示す平面図である。
【図11】従来のシリンジポンプにおける過負荷検出機
構を表わした概略構成図である。
【図12】従来の反射型のフォトセンサの出力特性を表
わした特性図である。
【符号の説明】
10 シリンジポンプ 11 シリンジ 12 シリンジポンプ本体 13 シリンジ本体固定部 14 シリンジ本体 17 ピストン部 19 スライダ 32 ブロック(センサ取付部) 34 パイプシャフト(駆動力伝達部材) 35 バネ押さえ(駆動力伝達部材) 36 バネ 38 反射型フォトセンサ 42、101、103 反射板 54 駆動モータ 71 CPU 73 ROM 74 作業用メモリ 75 不揮発性メモリ 78 シリンジサイズ検出回路 79 モータ駆動回路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンジポンプ本体と、 溶液が収容された筒状のシリンジ本体をこのシリンジポ
    ンプ本体に固定するシリンジ本体固定部と、 前記シリンジ本体にその先端部分を内挿されたピストン
    部をシリンジ本体内の溶液を押し出す方向に移動自在に
    保持するスライダと、 反射型フォトセンサを取りつけたセンサ取付部と、 このセンサ取付部を前記ピストン部の移動のために予め
    設定された速度で移動させるセンサ取付部駆動手段と、 前記スライダに一端を固定し他端を前記センサ取付部と
    バネを介して接続された駆動力伝達部材と、 この駆動力伝達部材における前記反射型フォトセンサと
    対向する位置に配置されこれらの位置の相対的な変化に
    応じてこの反射型フォトセンサに入射させる光量を漸次
    変化させる光線反射部と、 前記スライダにかかる負荷が変動し、前記センサ取付部
    の移動時における前記駆動力伝達部材の相対的な位置が
    変化して、前記反射型フォトセンサに入射する反射光量
    の変化によりその検知出力が予め設定された検知レベル
    に到達したとき、これを検知する負荷検知回路と、 この負荷検知回路が過負荷に相当する検知出力を検知し
    たとき前記センサ取付部駆動手段の駆動を停止させる駆
    動機構停止手段とを具備することを特徴とするシリンジ
    ポンプ。
  2. 【請求項2】 前記光線反射部は、その反射面の少なく
    とも一部が前記反射型フォトセンサから徐々に遠ざかる
    ように傾斜していることを特徴とする請求項1記載のシ
    リンジポンプ。
  3. 【請求項3】 前記光線反射部は、前記移動方向にそっ
    てその反射面の幅が増加または減少していることを特徴
    とする請求項1記載のシリンジポンプ。
  4. 【請求項4】 前記光線反射部は、前記移動方向にそっ
    てその反射面の反射率が増加または減少していることを
    特徴とする請求項1記載のシリンジポンプ。
  5. 【請求項5】 前記シリンジ本体固定部に固定されるシ
    リンジの種類を判別する種類判別手段と、 前記負荷検知回路の検知する検知レベルを複数設定して
    おき、前記種類判別手段の判別したシリンジの種類に対
    応して過負荷の検知レベルを選択する過負荷検知レベル
    選択手段とを具備することを特徴とする請求項1記載の
    シリンジポンプ。
  6. 【請求項6】 前記シリンジ本体固定部に固定されるシ
    リンジの種類を判別する種類判別手段と、 前記負荷検知回路の検知する負荷の検知レベルを1つの
    シリンジに対して複数設定しておき、前記種類判別手段
    の判別したシリンジの種類に対応して予め定めた複数の
    検知レベルを選択する検知レベル選択手段と、 この検知レベル選択手段によって選択された複数の検知
    レベルをそれぞれ判別する検知レベル判別手段とを具備
    することを特徴とする請求項1記載のシリンジポンプ。
JP3229992A 1991-09-10 1991-09-10 シリンジポンプ Pending JPH07136258A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4923049B2 (ja) * 2006-12-28 2012-04-25 スーガン株式会社 注射器型ハンドスイッチ
JP2021529390A (ja) * 2018-06-29 2021-10-28 ズルツァー ミクスパック アーゲーSulzer Mixpac AG 分配制御システム、分配デバイスの制御方法、及びコンピュータ・プログラム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP4923049B2 (ja) * 2006-12-28 2012-04-25 スーガン株式会社 注射器型ハンドスイッチ
JP2021529390A (ja) * 2018-06-29 2021-10-28 ズルツァー ミクスパック アーゲーSulzer Mixpac AG 分配制御システム、分配デバイスの制御方法、及びコンピュータ・プログラム

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