JPH07136234A - 医療用多層フィルム及び複室容器 - Google Patents

医療用多層フィルム及び複室容器

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JPH07136234A
JPH07136234A JP6012332A JP1233294A JPH07136234A JP H07136234 A JPH07136234 A JP H07136234A JP 6012332 A JP6012332 A JP 6012332A JP 1233294 A JP1233294 A JP 1233294A JP H07136234 A JPH07136234 A JP H07136234A
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冨士夫 井上
Masamitsu Izumi
雅満 泉
Shigeaki Kashiyama
薫明 樫山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 透明性、柔軟性、耐衝撃性、イージーピール
シール性のいずれをも満足し得る医療用多層フィルム及
び複室容器を提供する。 【構成並びに効果】 ポリオレフィンを主成分とする内
層、中間層及び外層からなる多層フィルムであって、内
層は、密度0.918g/cm3 以上、0.930g/
cm3 未満のエチレン・α−オレフィン共重合体とポリ
プロピレンとの混合樹脂から、中間層は、密度0.88
5〜0.920g/cm3 のエチレン・α−オレフィン
共重合体から、外層は、密度0.918g/cm3
上、0.930g/cm3 未満のエチレン・α−オレフ
ィン共重合体から、それぞれ形成され、外層のエチレン
・α−オレフィン共重合体の密度を、中間層のそれより
0.002g/cm3 以上高くしたことを特徴とする医
療用多層フィルム、及び該多層フィルムを用いて成型さ
れていることを特徴とする医療用複室容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明性、柔軟性、耐衝
撃性、イージーピールシール性などに優れている医療用
多層フィルム及び該多層フィルムを用いて成型された医
療用複室容器に関する。
【0002】本明細書において、イージーピールシール
性とは、ヒートシール時の溶着温度を変えることによ
り、実質的に剥離開封できない強シール部と、容易に剥
離開封できる弱シール部(以下イージーピールシール部
という)とを、選択的に形成できる性質をいう。
【0003】
【従来の技術とその課題】従来の医療容器用フィルムと
しては、酸、アルカリ、塩類等に化学的安定度の高いポ
リエチレン、又はポリプロピレン製のものが良く用いら
れている。又、同時に配合すると経時変化を起こすよう
な不安定な薬剤を別々に分割して収容するための複室容
器用フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン
等の相溶性の異なるα−ポリオレフィン系樹脂を溶融混
合した樹脂層を持つ単層、又は二層フィルムが知られて
いる。
【0004】例えば特開平2−4671号公報には、単
層フィルムとして、直鎖状低密度ポリエチレンとポリプ
ロピレンとの2成分混合樹脂単層フィルム、或いは直鎖
状低密度ポリエチレンとポリプロピレンとエチレン・プ
ロピレン共重合体との3成分混合樹脂単層フィルム等が
開示されている。また二層フィルムとしては、直鎖状低
密度ポリエチレンの外層と直鎖状低密度ポリエチレンと
ポリプロピレンとの混合樹脂の内層によって構成される
二層フィルムが開示されている。
【0005】上記混合樹脂中、ポリプロピレンは融点が
最も高く、主としてイージーピールシール性を確保する
ために使用されている。
【0006】しかし、上記の2成分混合樹脂の単層フィ
ルムは、該単層樹脂内にポリエチレンと比べて透明性、
柔軟性に乏しいポリプロピレンが多量に混合されている
ため、このフィルムを用いて容器を製造すると、透明
性、柔軟性、耐衝撃性において実用性の乏しいものとな
る。
【0007】さらに、3成分混合樹脂の単層フィルムで
は、フィルム成型時に於いて、成分の不均一さが問題と
なる。つまり非晶性、もしくは低結晶性であって融点が
最も低いエチレン・プロピレン共重合体の流動性が他の
2成分よりも大きく、特にポリプロピレンとの比較では
非常に大きいために、フィルムの樹脂成分は偏ってしま
う虞があり、エチレン・プロピレン共重合体樹脂の優れ
た特性である透明性、柔軟性、耐衝撃性を、フィルムに
生かすことが難しい。そのうえ、ポリプロピレンを均一
にポリエチレンの中に分散することが難しく、イージー
ピールシール性の優れた、即ち、ポリプロピレンが均一
に分散したフィルムを成型するのは難しい。しかも該単
層フィルムでは、ヒートシールを施した時に各成分樹脂
の融点の差が大きいために、最も融点の高い成分樹脂
(ポリプロピレン)が溶融し始めた時には、最も融点の
低い成分樹脂(エチレン・プロピレン共重合体)は溶融
し過ぎて液体となって流れてしまい、ヒートシール際の
フィルム厚が極端に薄くなる(所謂二番切れ現象)。そ
のため、容器としての強度を保持する適切なヒートシー
ルができないという問題もある。
【0008】一方、上記公報に記載されている二層フィ
ルムの場合は、外層に直鎖状低密度ポリエチレン(L−
LDPE)を用いているので、透明性、柔軟性は単層の
場合と比較して若干改善されてはいるものの、満足でき
るものではなく、更に、容器としての耐衝撃性が実用上
(特に容器を5℃以下に冷却した時)支障を来たし、こ
れらのことから満足できるようなものではなく実用に適
しているとはいい難い。透明性と柔軟性は医療現場での
取扱いに大きな影響を与えるため侮れない評価項目であ
る。
【0009】そこで本発明に於いては上記問題点を解決
し、透明性、柔軟性、耐衝撃性、イージーピールシール
性の全てに優れる医療用フィルム及び複室容器を提供す
ることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリオレフィ
ンを主成分とする内層、中間層及び外層との三層から構
成された多層フィルムであって、内層は、密度0.91
8g/cm3 以上、0.930g/cm3 未満のエチレ
ン・α−オレフィン共重合体とポリプロピレンとの混合
樹脂から、中間層は、密度0.885〜0.920g/
cm3 のエチレン・α−オレフィン共重合体から、外層
は、密度0.918g/cm3 以上、0.930g/c
3 未満のエチレン・α−オレフィン共重合体から、そ
れぞれ形成され、外層のエチレン・α−オレフィン共重
合体の密度を、中間層のそれより0.002g/cm3
以上高くしたことを特徴とする医療用多層フィルムに係
る。
【0011】また、本発明の好ましい態様としては、中
間層が、2種以上のエチレン・α−オレフィン共重合体
の混合樹脂によって構成されている多層フィルムが挙げ
られる。
【0012】更に、本発明の医療用複室容器は、上記多
層フィルムを用いて成型されていることを特徴とする。
【0013】以下に本発明の1実施例を添附図面にもと
づき説明すると、次の通りである。尚、本発明における
エチレン・α−オレフィン共重合体は、コモノマーの主
体がエチレンであり、α−オレフィンを一定の割合で含
む。共重合体の構造は、ランダム共重合体、ブロック共
重合体及びグラフト共重合体のいずれでもよい。
【0014】またエチレン・α−オレフィン系エラスト
マーは、非晶性、もしくは低結晶性のエチレン・α−オ
レフィン共重合体である。
【0015】またエチレン・α−オレフィン共重合体、
又はエチレン・α−オレフィン系エラストマーにおい
て、α−オレフィンとしては例えばプロピレン、1−ブ
テン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−
ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、
1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等の炭素数
3〜12のものを挙げることができ、なかでも1−ブテ
ンとの共重合体が好適に用いることができる。特に、エ
チレン・α−オレフィン共重合体は、直鎖状ポリマーの
ものを用いるのが好ましい。
【0016】本発明による医療用多層フィルムは、図1
に示すように、内層1、中間層2及び外層3の三層から
構成されている。
【0017】内層1は、イージーピールシールを可能と
するために、エチレン・α−オレフィン共重合体とポリ
プロピレンとの混合樹脂を用いるが、透明性及び柔軟性
を損なわないようにするために、使用する樹脂及び構成
を以下のようにする。即ち、エチレン・α−オレフィン
共重合体としては、密度0.918g/cm3 以上、
0.930g/cm3 未満、好ましくは0.918〜
0.925g/cm3 のものを用いる。また、ポリプロ
ピレンとしては、プロピレンホモポリマー又はプロピレ
ンとα−オレフィンとの共重合体のいずれも用いること
ができる。
【0018】上記プロピレンとα−オレフィンとの共重
合体は、コモノマーの主体がプロピレンであり、α−オ
レフィンを一定の割合で含み、プロピレンランダム共重
合体、プロピレンブロック共重合体及びプロピレングラ
フト共重合体のいずれでもよい。上記共重合体が含むα
−オレフィンとしては、エチレンの他に1−ブテン、1
−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテ
ン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デ
セン、1−ウンデセン、1−ドデセンの炭素数4〜12
のものを例示でき、中でもエチレンとの共重合体が好ま
しい。
【0019】ポリプロピレンが共重合体の場合は、プロ
ピレンホモポリマーと同程度の耐熱性を有していること
が必要である。よってプロピレンに対するαーオレフィ
ンの混入割合は比較的小さい範囲から設定される。例え
ばα−オレフィンがエチレンの場合には、混入割合は2
0重量%以下、好ましくは10重量%以下、より好まし
くは5重量%以下に設定される。以下、ポリプロピレン
とは、特に断わらないかぎり、ホモポリマーと共重合体
の両方を含む。
【0020】ポリプロピレンのメルトフローレート(M
FR)は1〜10g/10分(230℃)のものから選
択することができる。
【0021】該ポリプロピレンのMFRは、上記エチレ
ン・α−オレフィン共重合体のMFRに対して適宜選択
され、例えば、MFRが2g/10分(190℃)前後
の上記エチレン・α−オレフィン共重合体に対しては、
MFRが3〜10g/10分(230℃)、好ましくは
3〜7g/10分(230℃)のプロピレンホモポリマ
ーを用いるのがよい。また、プロピレンホモポリマーの
MFRが同温条件で上記エチレン・α−オレフィン共重
合体とほぼ等しいものを用いることも好ましい。
【0022】また、ポリプロピレンがプロピレンランダ
ム共重合体である場合は、例えばMFRが2g/10分
(190℃)前後の上記エチレン・α−オレフィン共重
合体に対して、MFRが1〜10g/10分(230
℃)のエチレン・プロピレン共重合体等のプロピレンラ
ンダム共重合体を用いるのが良い。
【0023】これにより、両者をほぼ均一に混合するこ
とができ、イージーピールシール性の優れる樹脂層を得
ることができると共に、イージーピールシール部の開封
力が安定しているものを得ることができる。
【0024】また、ポリプロピレンとエチレン・α−オ
レフィン共重合体との混合比(重量比)は、イージーピ
ールシールの密封シール性並びにオープン性に影響を与
え、前者対後者の混合比(重量比)が1対1〜3、特に
1対2の場合に好結果が得られる。因みにポリプロピレ
ンの混合量が上記範囲に達しない場合はオープン性が、
また上記範囲を超えると密封シール性がいずれも不充分
となり、好ましくない。内層1の肉厚は10〜50μm
程度が適当であり、好ましくは25〜35μmの範囲か
ら選択され、この肉厚の範囲から、多層フィルム全体の
肉厚の15〜38%程度、好ましくは15〜25%の範
囲になるように、適宜選択される。
【0025】中間層2は、透明性及び柔軟性を損なわ
ず、フィルム全体に柔軟性及び耐衝撃性をもたせるため
に、密度0.885〜0.920g/cm3 、好ましく
は0.900〜0.920g/cm3 のエチレン・α−
オレフィン共重合体を用い、またその中でも直鎖状ポリ
マーのものが好適に用いられ、更に後述するように外層
の樹脂との密度差をもたせる。中間層2に用いる樹脂は
1種類であってもよいが、密度の異なる2種以上の樹脂
の混合物とするのが好ましく、例えば、一般にL−LD
PEといわれている密度0.918〜0.925g/c
3 のエチレン・α−オレフィン共重合体と、密度0.
880〜0.890g/cm3 のエチレン・α−オレフ
ィン系エラストマーとの混合比(重量比)を4:6〜
6:4とする混合樹脂が好適である。尚、混合樹脂を用
いた場合も、全体の密度は上記の範囲内になるよう設定
される。
【0026】中間層2の肉厚は30〜100μm程度の
範囲から、好ましくは65〜95μmの範囲から選択さ
れ、多層フィルム全体の肉厚の14〜50%程度、好ま
しくは40〜50%の範囲となるように、適宜選択され
る。
【0027】外層3は、透明性、柔軟性に加え加熱滅菌
として例えば高圧蒸気滅菌又は熱水滅菌等の温度条件や
衝撃に対し耐久性があることが必要であり、このような
諸特性は、用いるエチレン・α−オレフィン共重合体を
密度0.918g/cm3 以上、0.930g/cm3
未満の範囲から、好ましくは0.918〜0.925g
/cm3 のものより選択し、その中でも直鎖状ポリマー
のものが好適に用いられ、更に中間層の樹脂の密度より
0.002g/cm3 以上高くすることにより得られ
る。外層3の肉厚は50〜145μm程度の範囲から、
好ましくは50〜80μmの範囲から選択され、多層フ
ィルム全体の肉厚の25〜78%程度、好ましくは25
〜45%の範囲となるように、選択される。
【0028】本発明多層フィルムは、水冷式又は空冷式
共押出インフレーション法、共押出Tダイ法、ラミネー
ション法など、公知の製造方法を適用して製造される。
とり分け、共押出し法で同時押出し成形することが好ま
しく、ほぼ均一な厚さの樹脂層が成形され成形効率がア
ップすることに加え、成形時の樹脂の劣化が少ないので
各層の特性が維持され透明性及び柔軟性のよいものが得
られる。得られる多層フィルムはチューブ状の場合と、
シート状の場合がある。製造に於ける温度条件は、16
0〜250℃、より好ましくは165〜230℃であ
る。各層1,2,3はエチレン・α−オレフィン共重合
体を共通の成分として含んでいて、更に、層2は熱によ
る溶融性が優れている樹脂を含有しているので、多層フ
ィルム成型に際する各層の溶着が容易であり、層間剥離
を起こしにくい。各層を構成する樹脂は、ほぼ均一な層
の厚さ及び成形性を維持するために、メルトフローレー
ト(MFR)の差を少なくするのが望ましい。更に、本
発明多層フィルムは、1つの層を2層以上に分けて共押
出し成型してもよく、これによりフィルム全体の透明性
をより向上させることができる。
【0029】但し、この場合は同樹脂によって構成され
ているので、多層成型されていても単層として取り扱わ
れる。
【0030】本発明によれば、各層1,2,3が保有す
る透明性並びに柔軟性により、フィルム全体に優れた透
明性並びに柔軟性を与えることができると共に、中間層
2と外層3から優れた耐衝撃性をまた内層1から優れた
イージーピールシール性をそれぞれ得ることができる。
よって本発明によれば、透明性、柔軟性、耐衝撃性及び
イージーピールシール性に優れる医療用多層フィルムを
提供できる。尚、本発明多層フィルムは、外層にエチレ
ン・α−オレフィン共重合体を用いているので、例えば
フィルムの外側にバリア性多層フィルム(内層がエチレ
ン・α−オレフィン共重合体のもの)のカバーを溶着す
るような場合、容易に溶着ができるという利点がある。
【0031】また、本発明多層フィルムは、イージーピ
ールシール等によって仕切られた別々の室に、同時に配
合すると経時変化を起こしてしまう薬剤を保存し、用時
混合あるいは溶解することができる医療用複室容器を提
供することができる。該複室容器は、本発明多層フィル
ムと同様に、透明性、柔軟性、耐衝撃性及びイージーピ
ールシール性の優れるものが得られる。
【0032】該複室容器に封入する薬剤は、粉末剤、液
剤或いは固形剤のいずれでも良く、粉末剤としては、例
えば抗生剤、抗癌剤、ステロイド剤、血栓溶解剤又はビ
タミン剤などの吸湿性、易酸化性及び易熱変性の物質が
挙げられ、また液剤としては、例えば生理食塩液、ブド
ウ糖液、注射用蒸留水、電解質液、アミノ酸液、脂肪乳
剤等が挙げられる。
【0033】尚、抗生物質を該複室容器内に収容保存す
る場合は、本発明多層フィルムの原料樹脂に含まれる低
分子量物質(炭素数70以下、特に炭素数22〜28)
が、抗生物質と結合して不溶性微粒子を形成する虞があ
る。従って、原料樹脂を予め減圧下で加熱したり、フィ
ルム成型中に減圧下を保つことで低分子量物質を除去し
たり、或いはn−ヘキサンや熱水で抽出又は洗い流した
りすることで対処すれば好ましい。
【0034】本発明多層フィルムを用いて複室容器を製
造する場合は、例えば、以下のような方法によって作ら
れる。図2に複室容器の製造法の1例が工程順に示さ
れ、次の(a)〜(e)の工程を順次経ることにより複
室容器Aを得ることができる。
【0035】(a)工程−多層フィルムを所定の大きさ
にカットし、該フィルム4の中心に口部用の孔5を穿孔
する。
【0036】(b)工程−フィルム4の外層側に於い
て、孔5に口部6を溶着手段の適用で取付ける。
【0037】(c)工程−口部6を中心にフィルム4を
折り曲げ2枚重ね合わせの状態にする。
【0038】(d)工程−2枚重ねにしたフィルム4の
周縁部を、充填口7,8を残して溶着温度145〜18
5℃でシールし、強シール部9を形成し容器となす。
【0039】(e)工程−容器の中間部にイージーピー
ルシール部(弱シール部)10を溶着温度105〜13
5℃で形成し、複室容器Aを得る。
【0040】イージーピールシール部10により仕切ら
れた上、下容器部に於いて、例えば両方の室に反応性の
高い薬液を別々に封入する場合は、上、下容器部に充填
口7,8を通じて薬液11,12を充填した後、両充填
口7,8をシールし、高圧蒸気滅菌又は熱水滅菌を行
う。滅菌終了後容器外部を乾燥して所定の形状に整え
る。この状態が図2(f)に示されている。
【0041】一方上下容器部に於いて、例えば抗生剤等
の薬剤と溶解液等の薬液を封入するような場合は、図2
(e)の状態で溶解液室側の充填口7を通じて溶解液1
3を充填した後、両充填口7,8をシールし、高圧蒸気
滅菌又は熱水滅菌を行う。この状態が図2(g)に示さ
れている。滅菌終了後容器外部を乾燥すると共に、図2
(g)に示すように空室となっている側の充填口8をカ
ットにより再び開封し、ここより清浄エアを吹き込んで
乾燥する。そして、図2(h)に示すように再開口の充
填口8を通じて抗生剤等の薬剤14を無菌条件下で充填
し、充填後、図2(i)に示すように充填口8をシール
し、所定の形状に整え、終了する。
【0042】
【実施例】以下、本発明の医療用多層フィルム及び複室
容器の製造例を挙げ、次いで、それを用いた試験例を挙
げる。
【0043】
【実施例1】水冷式共押出インフレーション成型機によ
って、直鎖状低密度ポリエチレン(エチレン・1−ブテ
ン共重合体)〔三井石油化学株式会社製;密度0.92
0g/cm3 ,MFR2.0g/10分(190℃)〕
(以下「PE」という)とプロピレンホモポリマー
〔三井石油化学株式会社製;密度0.910g/c
3,MFR7.0g/10分(230℃)〕(以下
「PP」という)との樹脂混合比(重量比)が2:1
からなる混合樹脂層30μmを内層に有し、PEとエ
チレン・α−オレフィン系エラストマー(エチレン・1
−ブテン共重合体)〔三井石油化学株式会社製(商品
名:タフマーA);密度0.885g/cm3 ,MFR
1.0g/10分(190℃)〕(以下「PE」とい
う)との樹脂混合比(重量比)が1:1からなる混合樹
脂層80μmを中間層に有し、PEからなる層65μ
mを外層に有する三層フィルムを成型した。該フィルム
を用いて前記の複室容器製造方法に基づき、周縁部の密
封シール(強シール)温度を150℃、中間部のイージ
ーピールシール温度を125℃として内容量100ml
用のイージーピールシールをもつ複室容器を製造した。
【0044】
【実施例2〜4及び比較例】実施例1と同様に以下の多
層フィルム及び複室容器を成型した。
【0045】尚、比較試験には、従来技術で挙げたよう
な樹脂構成の二層フィルムを用いた。
【0046】
【実施例2】 ・内 層:PE+PPの混合樹脂(混合比2:1) ・中間層:PE=直鎖状低密度ポリエチレン(エチレ
ン・1−ブテン共重合体)〔三井石油化学株式会社製;
密度 0.900g/cm3 , MFR 1.5g/10分(190 ℃)〕 ・外 層:PE
【0047】
【実施例3】 ・内 層:PE+PPの混合樹脂(混合比2:1) ・中間層:PE=直鎖状低密度ポリエチレン(エチレ
ン・1−ブテン共重合体)〔三井石油化学株式会社製;
密度 0.918g/cm3 , MFR 2.2g/10分(190 ℃)〕 ・外 層:PE
【0048】
【実施例4】 ・内 層:PE+PPの混合樹脂(混合比2:1) PP=プロピレンランダム共重合体(エチレン・プロ
ピレン共重合体)〔三井石油化学株式会社製;密度 0.9
10g/cm3 , MFR 1.0g/10分(230 ℃)〕(以下「PP
」という) ・中間層:PE+PEの混合樹脂(混合比1:1) ・外 層:PE
【0049】
【比較例】
・内 層:PE+PPの混合樹脂(混合比2:1) ・外 層:PE
【0050】
【試験例】実施例1〜4及び比較例で製造した複室容器
を用い、容器の各室に蒸留水を50mlずつ充填し、1
06℃、35分間の熱水滅菌処理を施した後、以下のよ
うな試験方法で評価した。その結果を表1に示す。
【0051】透明性としては、容器の白濁化を目視観察
及び450nmの光透過率を測定し評価を行った。
【0052】柔軟性としては、室温に於いて60cmの
高さから内容液の自然排出を行い、液排出速度変動、容
器の液排出後の空隙腔の大きさ等を目視観察し、更に残
液率にて評価を行った。
【0053】耐衝撃性としては落下試験を行うために、
1箱(縦×横×高さ=125×175×148mm,重
量=140g)に品温5℃以下にした該容器の9袋を詰
め、それを3箱用意する。箱の面、辺、角の各々に床よ
り1.2mからの落下衝撃を10回ずつ与え、3箱すべ
て終えた後に容器(27個)を取り出し、27個の各容
器の液漏れ、亀裂、破袋の有無を目視観察した。(JI
S−Z−0202準拠) イージーピールシール部のオープン性(開封性)として
は圧縮試験を行ない、東洋精機製作所の引っ張り圧縮試
験機ストログラフMZに直径100mmの圧縮治具を取
り付け、溶液封入部に50mm/minの速度で押し、
イージーピールシール部が開封した時の治具に加わる圧
力を測定し、開封力の変動係数を調べた。但し、イージ
ーピールシール部の初期の開封力は各々内層樹脂構成に
よって10〜25kgの範囲のものに設定した。
【0054】尚、開封力の変動係数は、イージーピール
シール部の開封力のばらつきを相対的に表すものであ
り、下記の式によって算出した。
【0055】開封力の変動係数=開封力の標準偏差/開
封力の平均値 加えて、全体の外観の目視観察を行って、しわ、変形、
破袋の状況を調べた。
【0056】以上の評価項目により総合的な評価を行な
った。
【0057】
【表1】
【0058】ここで、◎は非常に良好、○は良好、△は
少し不良、×は不良を示している。
【0059】上記試験結果(表1)について、より詳し
く説明する。
【0060】*耐衝撃性試験については、実施例1〜4
の容器は27袋中27袋すべてに亀裂の発生は見られな
かった。比較例の容器は27袋中13袋に亀裂が発生し
た。
【0061】*柔軟性試験については、実施例1〜4の
容器に於ける容器内の残存液量は5%以内であった。比
較例の容器は容器内の残存液量は10〜13%であっ
た。
【0062】*透明性試験については、実施例1〜4の
容器に於いて85%以上の光透過率が測定され、特に実
施例1〜2及び4では平均90%以上の光透過率であっ
た。そして実施例1〜2及び4の最高値は92%の値が
測定された。比較例の容器は平均80%の光透過率が測
定された。
【0063】*イージーピールーシール部の開封性試験
について、実施例1〜4容器及び比較例は、初期の開封
力として設立した値に対して開封力の変動係数が0.0
75〜0.188となり、安定した開封性を示した。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、透明性、柔軟性、耐衝
撃性及びイージーピールシール性の優れる医療用多層フ
ィルムを提供でき、またこのような多層フィルムを用い
ることにより、透明性、柔軟性、耐衝撃性及びイージー
ピールシール性の優れる医療用複室容器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明多層フィルムの1例を示す拡大縦断面図
である。
【図2】本発明複室容器の製造例を工程順に示す説明図
である。
【符号の説明】
1 内層 2 中間層 3 外層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィンを主成分とする内層、中
    間層及び外層との三層から構成された多層フィルムであ
    って、 内層は、密度0.918g/cm3 以上、0.930g
    /cm3 未満のエチレン・α−オレフィン共重合体とポ
    リプロピレンとの混合樹脂から、 中間層は、密度0.885〜0.920g/cm3 のエ
    チレン・α−オレフィン共重合体から、 外層は、密度0.918g/cm3 以上、0.930g
    /cm3 未満のエチレン・α−オレフィン共重合体か
    ら、それぞれ形成され、外層のエチレン・α−オレフィ
    ン共重合体の密度を、中間層のそれより0.002g/
    cm3 以上高くしたことを特徴とする医療用多層フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 中間層が、2種以上のエチレン・α−オ
    レフィン共重合体の混合樹脂によって構成されている請
    求項1記載の医療用多層フィルム。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の多層フィルムを用
    いて成型されていることを特徴とする医療用複室容器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999003679A1 (en) * 1997-07-17 1999-01-28 Otsuka Pharmaceutical Factory, Inc. Multilayer film and container
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