JPH07135423A - パラメトリック発振器 - Google Patents
パラメトリック発振器Info
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- JPH07135423A JPH07135423A JP5283089A JP28308993A JPH07135423A JP H07135423 A JPH07135423 A JP H07135423A JP 5283089 A JP5283089 A JP 5283089A JP 28308993 A JP28308993 A JP 28308993A JP H07135423 A JPH07135423 A JP H07135423A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 素子個々の特性を揃えることが容易で、消費
電力が少なく、製造が容易なパラメトリック発振器を提
供する。 【構成】 液晶表示素子11は、メルク社製のネマティ
ック液晶E−8を挟入して、セル厚4μm,電極面積1cm
2,水平配向に形成する。この液晶表示素子11を可変容
量とし、インダクタンス12と並列に接続してパラメト
リック発振器を形成する。このパラメトリック発振器の
共振回路に予め±1Vの微小電圧振動(20Hz)を与え
ておいて励起用電源13によって±10V,20Hzの方
形波を印加すると発振が始まり、発振の振幅が±10V
まで成長して安定する。このように構成したパラメトリ
ック発振器は、素子個々の特性を揃えることが容易であ
り、消費電力が少なく、製造も容易である。
電力が少なく、製造が容易なパラメトリック発振器を提
供する。 【構成】 液晶表示素子11は、メルク社製のネマティ
ック液晶E−8を挟入して、セル厚4μm,電極面積1cm
2,水平配向に形成する。この液晶表示素子11を可変容
量とし、インダクタンス12と並列に接続してパラメト
リック発振器を形成する。このパラメトリック発振器の
共振回路に予め±1Vの微小電圧振動(20Hz)を与え
ておいて励起用電源13によって±10V,20Hzの方
形波を印加すると発振が始まり、発振の振幅が±10V
まで成長して安定する。このように構成したパラメトリ
ック発振器は、素子個々の特性を揃えることが容易であ
り、消費電力が少なく、製造も容易である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、パラメトリック発振
器に関する。
器に関する。
【0002】
【従来の技術】パラメトリック発振器は、強磁性体や強
誘電体の非線形リアクタンスのパラメータ励振による発
振作用を利用した論理素子であり、可変容量を用いる方
式と図7に示すように可変インダクタンスを用いる方式
とがある。現在実用化されているのはフェライト磁心の
非線形リアクタンス(可変インダクタンス)を利用したも
のである。
誘電体の非線形リアクタンスのパラメータ励振による発
振作用を利用した論理素子であり、可変容量を用いる方
式と図7に示すように可変インダクタンスを用いる方式
とがある。現在実用化されているのはフェライト磁心の
非線形リアクタンス(可変インダクタンス)を利用したも
のである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のフェライト磁心の非線形リアクタンス(可変インダ
クタンス)を利用したパラメトリック発振器は、素子そ
のものの劣化がなく、特性が安定しており、小型で製造
も容易で、所要電力も比較的少ない等優れた特性を有し
ている。ところが、個々の特性を揃えることが難しいと
いう問題がある。その理由は、特性の揃った磁心を大量
に得ることが難しいことに起因する。
来のフェライト磁心の非線形リアクタンス(可変インダ
クタンス)を利用したパラメトリック発振器は、素子そ
のものの劣化がなく、特性が安定しており、小型で製造
も容易で、所要電力も比較的少ない等優れた特性を有し
ている。ところが、個々の特性を揃えることが難しいと
いう問題がある。その理由は、特性の揃った磁心を大量
に得ることが難しいことに起因する。
【0004】そこで、この発明の目的は、素子個々の特
性を揃えることが容易であり、消費電力が少なく、製造
が容易なパラメトリック発振器を提供することにある。
性を揃えることが容易であり、消費電力が少なく、製造
が容易なパラメトリック発振器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、可変容量とインダクタンス
から成るパラメトリック発振器であって、少なくとも電
極膜および配向膜が順次形成された一対の基板を上記配
向膜側を対向させて配置して上記配向膜間に液晶を封入
して成る液晶素子を備えて、上記液晶素子における両電
極膜間に交流電圧を印加して上記液晶素子の液晶の配向
を変化させることによって静電容量を変化させて、上記
液晶素子を上記可変容量として用いたことを特徴として
いる。
め、請求項1に係る発明は、可変容量とインダクタンス
から成るパラメトリック発振器であって、少なくとも電
極膜および配向膜が順次形成された一対の基板を上記配
向膜側を対向させて配置して上記配向膜間に液晶を封入
して成る液晶素子を備えて、上記液晶素子における両電
極膜間に交流電圧を印加して上記液晶素子の液晶の配向
を変化させることによって静電容量を変化させて、上記
液晶素子を上記可変容量として用いたことを特徴として
いる。
【0006】また、請求項2に係る発明は、請求項1に
係る発明のパラメトリック発振器において、上記液晶素
子に封入される液晶はネマティック液晶であることを特
徴としている。
係る発明のパラメトリック発振器において、上記液晶素
子に封入される液晶はネマティック液晶であることを特
徴としている。
【0007】また、請求項3に係る発明は、請求項1に
係る発明のパラメトリック発振器において、上記液晶素
子に封入される液晶は強誘電性液晶であることを特徴と
している。
係る発明のパラメトリック発振器において、上記液晶素
子に封入される液晶は強誘電性液晶であることを特徴と
している。
【0008】また、請求項4に係る発明は、請求項3に
係る発明のパラメトリック発振器において、上記強誘電
性液晶は、その2軸誘電異方性の符号が印加電圧の周波
数によって反転することを特徴としている。
係る発明のパラメトリック発振器において、上記強誘電
性液晶は、その2軸誘電異方性の符号が印加電圧の周波
数によって反転することを特徴としている。
【0009】
【作用】請求項1に係る発明では、液晶素子における一
対の基板に形成されている両電極膜間に交流電圧が印加
されて液晶の配向が変化されることによって上記液晶素
子の静電容量が変化される。こうして、上記液晶素子が
可変容量として動作することによって、上記液晶素子と
インダクタンスから成るパラメトリック発振器は発振す
る。
対の基板に形成されている両電極膜間に交流電圧が印加
されて液晶の配向が変化されることによって上記液晶素
子の静電容量が変化される。こうして、上記液晶素子が
可変容量として動作することによって、上記液晶素子と
インダクタンスから成るパラメトリック発振器は発振す
る。
【0010】請求項2に係る発明では、パラメトリック
発振器に対する印加電圧の位相をπだけずらすと発振の
位相もπだけずれる。また、上記印加電圧の周波数が増
加すると、ネマティック液晶の誘電率が小さくなって発
振振幅が減少する。
発振器に対する印加電圧の位相をπだけずらすと発振の
位相もπだけずれる。また、上記印加電圧の周波数が増
加すると、ネマティック液晶の誘電率が小さくなって発
振振幅が減少する。
【0011】請求項3に係る発明では、パラメトリック
発振器に対する印加電圧の位相をπだけずらすと発振の
位相もπだけずれる。また、上記印加電圧の周波数を増
加すると、発振振幅が減少して一旦発振が停止した後発
振振幅が増加するという従来のパラメトリック発振器と
は異なる周波数依存性を呈する。
発振器に対する印加電圧の位相をπだけずらすと発振の
位相もπだけずれる。また、上記印加電圧の周波数を増
加すると、発振振幅が減少して一旦発振が停止した後発
振振幅が増加するという従来のパラメトリック発振器と
は異なる周波数依存性を呈する。
【0012】請求項4に係る発明では、上記液晶素子に
封入された強誘電性液晶の2軸誘電異方性の符号が印加
電圧の周波数によって反転する。そのために、上記2軸
誘電異方性の符号が反転する所定の周波数を境にして上
記液晶素子の静電容量の変化特性が変わり、上記所定の
周波数を境にしてパラメトリック発振器の発振振幅の変
化特性も変わる。
封入された強誘電性液晶の2軸誘電異方性の符号が印加
電圧の周波数によって反転する。そのために、上記2軸
誘電異方性の符号が反転する所定の周波数を境にして上
記液晶素子の静電容量の変化特性が変わり、上記所定の
周波数を境にしてパラメトリック発振器の発振振幅の変
化特性も変わる。
【0013】
【実施例】以下、この発明を図示の実施例により詳細に
説明する。
説明する。
【0014】液晶素子は平面表示素子として広く利用さ
れている。上記液晶素子の表示原理は電界で分子配向を
変化させて透過光量を制御するものである。したがっ
て、液晶素子によれば、非常に狭い電圧範囲で印加電圧
を制御して微妙な階調を得ることができるのである。こ
の液晶素子は成膜技術によって精密に形成されるので素
子個々の特性を揃えることが比較的容易であり、製造も
容易で、消費電力も少ない。
れている。上記液晶素子の表示原理は電界で分子配向を
変化させて透過光量を制御するものである。したがっ
て、液晶素子によれば、非常に狭い電圧範囲で印加電圧
を制御して微妙な階調を得ることができるのである。こ
の液晶素子は成膜技術によって精密に形成されるので素
子個々の特性を揃えることが比較的容易であり、製造も
容易で、消費電力も少ない。
【0015】液晶分子は誘電異方性を有しており、電界
で分子配向を変化させるとその静電容量も変化するので
可変容量としても利用することができる。そこで、この
発明では、液晶素子を可変容量素子として用いて、これ
までのパラメトリック発振器の優れた特性を損なうこと
なく、個々の特性が揃ったパラメトリック発振器を得る
のである。また、強誘電性液晶の2軸誘電異方性の周波
数依存性を利用して、従来にはない新規な特性を有する
パラメトリック発振器を得るものでもある。
で分子配向を変化させるとその静電容量も変化するので
可変容量としても利用することができる。そこで、この
発明では、液晶素子を可変容量素子として用いて、これ
までのパラメトリック発振器の優れた特性を損なうこと
なく、個々の特性が揃ったパラメトリック発振器を得る
のである。また、強誘電性液晶の2軸誘電異方性の周波
数依存性を利用して、従来にはない新規な特性を有する
パラメトリック発振器を得るものでもある。
【0016】図1は本実施例のパラメトリック発振器に
おける可変容量素子として用いる液晶素子の断面図であ
る。
おける可変容量素子として用いる液晶素子の断面図であ
る。
【0017】2枚の導電性基板1a,1bが互いに対向し
て配置され、夫々の導電性基板1a,1bの内面上はSiO
2等からなる絶縁膜3a,3bが被覆されている。さらに、
夫々の絶縁膜3a,3bの内面上には、ラビング処理等の
1軸配向処理が施された配向膜4a,4bが形成されてい
る。尚、この配向膜4a,4bとしてはポリイミド膜,ナイ
ロン膜,ポリビニルアルコール膜等の有機高分子膜やSi
O斜方蒸着膜等が用いられる。そして、上記1軸配向処
理は、ネマティック液晶の場合であってその誘電異方性
が正の場合には、液晶分子が電極基板となる導電性基板
1a,1bの内面に対して大略水平に配向するように施さ
れる(水平配向)。
て配置され、夫々の導電性基板1a,1bの内面上はSiO
2等からなる絶縁膜3a,3bが被覆されている。さらに、
夫々の絶縁膜3a,3bの内面上には、ラビング処理等の
1軸配向処理が施された配向膜4a,4bが形成されてい
る。尚、この配向膜4a,4bとしてはポリイミド膜,ナイ
ロン膜,ポリビニルアルコール膜等の有機高分子膜やSi
O斜方蒸着膜等が用いられる。そして、上記1軸配向処
理は、ネマティック液晶の場合であってその誘電異方性
が正の場合には、液晶分子が電極基板となる導電性基板
1a,1bの内面に対して大略水平に配向するように施さ
れる(水平配向)。
【0018】上述のようにして表面に絶縁膜3a,3bお
よび配向膜4a,4bが形成された導電性基板1a,1bは、
セル厚制御用のスペーサ5を介して一部に注入口を残し
て封止剤6で貼り合わされる。そして、上記注入口から
2枚の配向膜4a,4bで挟まれた空間に液晶7が注入さ
れて挟持され、上記注入口は封止剤8で封止されて液晶
素子9が形成される。
よび配向膜4a,4bが形成された導電性基板1a,1bは、
セル厚制御用のスペーサ5を介して一部に注入口を残し
て封止剤6で貼り合わされる。そして、上記注入口から
2枚の配向膜4a,4bで挟まれた空間に液晶7が注入さ
れて挟持され、上記注入口は封止剤8で封止されて液晶
素子9が形成される。
【0019】ここで、上記液晶素子9を表示装置として
使用する場合は、ITO(インジュウム錫酸化物)等の透
明電極が形成されたガラス等の透明基板が導電性基板1
a,1bとして用いられ、絶縁膜3a,3bも透明な材料で形
成される。そして、得られた液晶素子9を、互いの偏光
軸が直交するように配置された2枚の偏光板10a,10
bで挟んで液晶表示素子11が形成される。
使用する場合は、ITO(インジュウム錫酸化物)等の透
明電極が形成されたガラス等の透明基板が導電性基板1
a,1bとして用いられ、絶縁膜3a,3bも透明な材料で形
成される。そして、得られた液晶素子9を、互いの偏光
軸が直交するように配置された2枚の偏光板10a,10
bで挟んで液晶表示素子11が形成される。
【0020】以下、上記液晶表示素子11を用いて構成
されるパラメトリック発振器について詳細に説明する。
されるパラメトリック発振器について詳細に説明する。
【0021】<第1実施例>本実施例においては、メル
ク社製のネマティック液晶E−8を用いて図1に示すよ
うに形成された液晶表示素子11を用いる。尚、液晶表
示素子11のセル厚は4μmであり、電極面積(導電性基
板1a,1bの面積)は1cm2である。また、配向は水平配
向とし、配向状態を確認するために導電性基板1a,1b
を透明基板で構成して偏光板10a,10bを設けてい
る。
ク社製のネマティック液晶E−8を用いて図1に示すよ
うに形成された液晶表示素子11を用いる。尚、液晶表
示素子11のセル厚は4μmであり、電極面積(導電性基
板1a,1bの面積)は1cm2である。また、配向は水平配
向とし、配向状態を確認するために導電性基板1a,1b
を透明基板で構成して偏光板10a,10bを設けてい
る。
【0022】上記液晶表示素子11を可変容量として用
い、図2に示すようにインダクタンス12と並列に接続
してパラメトリック発振器を作成する。液晶表示素子1
1に励起用電源13によって±10V,20Hzの方形波
を印加して液晶分子の配向を水平配向から垂直配向に連
続的に交互に変化させると、液晶表示素子11の静電容
量が図3(a)に示すように最小660pFから最大890
pFまで連続的に交互に変化する。
い、図2に示すようにインダクタンス12と並列に接続
してパラメトリック発振器を作成する。液晶表示素子1
1に励起用電源13によって±10V,20Hzの方形波
を印加して液晶分子の配向を水平配向から垂直配向に連
続的に交互に変化させると、液晶表示素子11の静電容
量が図3(a)に示すように最小660pFから最大890
pFまで連続的に交互に変化する。
【0023】そこで、上記パラメトリック発振器の共振
回路に予め±1Vの微小な電圧振動(20Hz)を与えて
おいて液晶表示素子11に励起用電源13によって±1
0V,20Hzの方形波を印加すると、図3(b)に示すよ
うに上記方形波の印加時点から発振が始まり、発振の振
幅が±10Vまで成長して安定する。さらに、上記共振
回路に与える微小電圧振動の位相をπ(rad)だけずらし
て反転させると、通常のパラメトリック発振器と同様
に、発振の位相もπ(rad)だけずれて反転する。また、
予め共振回路に与えられる微小電圧振動の周波数を10
0Hzまで変化させると、発振の振幅が50Hzでは±7
V,100Hzでは±4Vと次第に小さくなる。これは、
上記微小電圧振動の周波数が高くなるに連れて液晶分子
の誘電率が小さくなると共に、誘電異方性が小さくなっ
て容量変化の幅が小さくなるためである。
回路に予め±1Vの微小な電圧振動(20Hz)を与えて
おいて液晶表示素子11に励起用電源13によって±1
0V,20Hzの方形波を印加すると、図3(b)に示すよ
うに上記方形波の印加時点から発振が始まり、発振の振
幅が±10Vまで成長して安定する。さらに、上記共振
回路に与える微小電圧振動の位相をπ(rad)だけずらし
て反転させると、通常のパラメトリック発振器と同様
に、発振の位相もπ(rad)だけずれて反転する。また、
予め共振回路に与えられる微小電圧振動の周波数を10
0Hzまで変化させると、発振の振幅が50Hzでは±7
V,100Hzでは±4Vと次第に小さくなる。これは、
上記微小電圧振動の周波数が高くなるに連れて液晶分子
の誘電率が小さくなると共に、誘電異方性が小さくなっ
て容量変化の幅が小さくなるためである。
【0024】ここで、上述したように、液晶素子個々の
特性は成膜技術によって容易にそろえることが可能であ
る。したがって、液晶表示素子11を用いた同じ構造の
パラメトリック発振器を複数作成しても、個々のパラメ
トリック発振器に特性のばらつきは殆ど見られないので
ある。さらに、上記液晶素子は消費電力が少なく容易に
形成できる。したがって、液晶表示素子11を用いるこ
とによって、消費電力が少なく、製造が容易なパラメト
リック発振器を構成できるのである。
特性は成膜技術によって容易にそろえることが可能であ
る。したがって、液晶表示素子11を用いた同じ構造の
パラメトリック発振器を複数作成しても、個々のパラメ
トリック発振器に特性のばらつきは殆ど見られないので
ある。さらに、上記液晶素子は消費電力が少なく容易に
形成できる。したがって、液晶表示素子11を用いるこ
とによって、消費電力が少なく、製造が容易なパラメト
リック発振器を構成できるのである。
【0025】<第2実施例>本実施例においては、メル
ク社製の強誘電性液晶SCE−8を用いて図1に示すよ
うに形成された液晶表示素子11を用いる。但し、液晶
表示素子11のセル厚は1,5μmであり、電極面積は1
cm2である。また、配向は水平配向となっている。尚、
図4に示すように、強誘電性液晶分子15は、ネマテイ
ック液晶とは異なり円錐軌跡16上を運動する。
ク社製の強誘電性液晶SCE−8を用いて図1に示すよ
うに形成された液晶表示素子11を用いる。但し、液晶
表示素子11のセル厚は1,5μmであり、電極面積は1
cm2である。また、配向は水平配向となっている。尚、
図4に示すように、強誘電性液晶分子15は、ネマテイ
ック液晶とは異なり円錐軌跡16上を運動する。
【0026】上記液晶表示素子11を可変容量として用
い、図2に示すようにインダクタンス12と並列に接続
してパラメトリック発振器を作成する。液晶表示素子1
1に励起用電源13によって±10V,100Hzの方形
波を印加して液晶分子の配向を水平配向から垂直配向に
連続的に交互に変化させると、液晶表示素子11の静電
容量変化の最小値は3.25nFとなり、最大値は3.6n
Fとなる。
い、図2に示すようにインダクタンス12と並列に接続
してパラメトリック発振器を作成する。液晶表示素子1
1に励起用電源13によって±10V,100Hzの方形
波を印加して液晶分子の配向を水平配向から垂直配向に
連続的に交互に変化させると、液晶表示素子11の静電
容量変化の最小値は3.25nFとなり、最大値は3.6n
Fとなる。
【0027】そこで、予め共振回路に±1Vの微小電圧
振動(100Hz)を与えておいて液晶表示素子11に励
起用電源13によって±10V,100Hzの方形波を印
加すると発振が始まり、発振の振幅が±10Vまで成長
して安定する。さらに、共振回路に与える微小電圧振動
の位相をπ(rad)だけずらして反転させると、発振の位
相もπ(rad)だけずれて反転する。また、予め共振回路
に与えられる微小電圧振動の周波数を100Hzから1
00kHzまで変化させると、発振の振幅が500Hzで
は±7V,1kHzでは±3Vと次第に小さくなる。そし
て、2kHzで一旦発振が止まり、更に周波数を上げると
再び発振が開始して、10kHzでは±4V,100kHz
では±5Vと発振の振幅が変化するのである。
振動(100Hz)を与えておいて液晶表示素子11に励
起用電源13によって±10V,100Hzの方形波を印
加すると発振が始まり、発振の振幅が±10Vまで成長
して安定する。さらに、共振回路に与える微小電圧振動
の位相をπ(rad)だけずらして反転させると、発振の位
相もπ(rad)だけずれて反転する。また、予め共振回路
に与えられる微小電圧振動の周波数を100Hzから1
00kHzまで変化させると、発振の振幅が500Hzで
は±7V,1kHzでは±3Vと次第に小さくなる。そし
て、2kHzで一旦発振が止まり、更に周波数を上げると
再び発振が開始して、10kHzでは±4V,100kHz
では±5Vと発振の振幅が変化するのである。
【0028】ここで、上記発振回路に与える微小電圧振
動の周波数変化による液晶表示素子11の容量変化は、
周波数が高くなって2kHz付近に至ると一旦停止する。
ところが、さらに周波数が高くなると再び変化し始め
る。このように、強誘電性液晶分子はネマテイック液晶
分子とは異なる特異な容量変化を呈するため、本実施例
のパラメトリック発振器は従来のパラメトリック発振器
や第1実施例におけるパラメトリック発振器とは異なる
発振特性を呈するのである。
動の周波数変化による液晶表示素子11の容量変化は、
周波数が高くなって2kHz付近に至ると一旦停止する。
ところが、さらに周波数が高くなると再び変化し始め
る。このように、強誘電性液晶分子はネマテイック液晶
分子とは異なる特異な容量変化を呈するため、本実施例
のパラメトリック発振器は従来のパラメトリック発振器
や第1実施例におけるパラメトリック発振器とは異なる
発振特性を呈するのである。
【0029】尚、上述の構造と同じ構造のパラメトリッ
ク発振器を複数作成しても、個々のパラメトリック発振
器間に特性のばらつきは殆ど見られない。また、本実施
例におけるパラメトリック発振器は強誘電性液晶を挟入
した液晶表示素子11を用いて構成するので、消費電力
が少なく、容易に製造できるのである。
ク発振器を複数作成しても、個々のパラメトリック発振
器間に特性のばらつきは殆ど見られない。また、本実施
例におけるパラメトリック発振器は強誘電性液晶を挟入
した液晶表示素子11を用いて構成するので、消費電力
が少なく、容易に製造できるのである。
【0030】<第3実施例>本実施例においては、第2
実施例におけるパラメトリック発振器に用いられた液晶
表示素子11の誘電率特性について説明する。用いる誘
電率の測定方法は次のような方法による。すなわち、強
誘電性液晶(メルク社製の強誘電性液晶SCE−8)を挟
入した水平配向の液晶表示素子11の電極(導電性基板
1a,1b上の表示電極)に直流あるいは低周波数のバイア
ス電圧を印加して液晶分子15の自発分極Ps(図4参
照)を一定方向に揃えた状態で上記電極にプローブ電圧
を印加し、誘電率をεpを測定するのである。
実施例におけるパラメトリック発振器に用いられた液晶
表示素子11の誘電率特性について説明する。用いる誘
電率の測定方法は次のような方法による。すなわち、強
誘電性液晶(メルク社製の強誘電性液晶SCE−8)を挟
入した水平配向の液晶表示素子11の電極(導電性基板
1a,1b上の表示電極)に直流あるいは低周波数のバイア
ス電圧を印加して液晶分子15の自発分極Ps(図4参
照)を一定方向に揃えた状態で上記電極にプローブ電圧
を印加し、誘電率をεpを測定するのである。
【0031】このようにして、上記バイアス電圧を−3
0V〜30Vの範囲で変化させて測定した誘電率εpの
変化を図5に示す。液晶表示素子11は、予め印加され
る微小電圧±1Vの周波数が1kHzよりも高い場合と低
い場とで異なる特性を示している。すなわち、上記周波
数が1kHzよりも低い場合には、バイアス電圧が“0
V"より上昇(下降)するに連れて誘電率εpは減少する。
これに対して、上記周波数が1kHzよりも高い場合に
は、バイアス電圧が“0V"より上昇(下降)するに連れ
て誘電率εpは増加するのである。
0V〜30Vの範囲で変化させて測定した誘電率εpの
変化を図5に示す。液晶表示素子11は、予め印加され
る微小電圧±1Vの周波数が1kHzよりも高い場合と低
い場とで異なる特性を示している。すなわち、上記周波
数が1kHzよりも低い場合には、バイアス電圧が“0
V"より上昇(下降)するに連れて誘電率εpは減少する。
これに対して、上記周波数が1kHzよりも高い場合に
は、バイアス電圧が“0V"より上昇(下降)するに連れ
て誘電率εpは増加するのである。
【0032】また、図6は、2軸誘電異方性∂εの上記
微小電圧の周波数に対する依存性を示す。2軸誘電異方
性∂εは、上記周波数が2kHz付近を境界として低い周
波数である場合には負の値を取り、高い周波数である場
合には正の値を取る。この2kHz付近を境界とした2軸
誘電異方性∂εの正負の違いによって、図5に示すよう
に、上記周波数が1kHz付近を境にして誘電率εp−バ
イアス電圧特性が異なる特性を示すのである。
微小電圧の周波数に対する依存性を示す。2軸誘電異方
性∂εは、上記周波数が2kHz付近を境界として低い周
波数である場合には負の値を取り、高い周波数である場
合には正の値を取る。この2kHz付近を境界とした2軸
誘電異方性∂εの正負の違いによって、図5に示すよう
に、上記周波数が1kHz付近を境にして誘電率εp−バ
イアス電圧特性が異なる特性を示すのである。
【0033】図6に示すように、第2実施例における液
晶表示素子11に用いられた強誘電性液晶は、上記周波
数が2kHzで2軸誘電異方性∂εが“0"となるため
に、上述のように上記微小電圧振動の周波数が2kHzに
なると液晶分子の配向が変化しても液晶表示素子11の
容量は変化しなくなるのである。このような特性はネマ
ティック液晶では見られない特性であり、従来のパラメ
トリック発振器でも見られない新規な特性である。
晶表示素子11に用いられた強誘電性液晶は、上記周波
数が2kHzで2軸誘電異方性∂εが“0"となるため
に、上述のように上記微小電圧振動の周波数が2kHzに
なると液晶分子の配向が変化しても液晶表示素子11の
容量は変化しなくなるのである。このような特性はネマ
ティック液晶では見られない特性であり、従来のパラメ
トリック発振器でも見られない新規な特性である。
【0034】上記各実施例においては、パラメトリック
発振器を構成する液晶表示素子11の導電性基板1a,1
bは透明基板で構成し、夫々の外側には偏光板10a,1
0bを設けている。これは種々特性を計測する際に透過
光量によって液晶の配向状態を確認するためである。し
たがって、図1において特に導電性基板1a,1bを透明
基板していない液晶素子9のみであっても上記効果は得
られる。
発振器を構成する液晶表示素子11の導電性基板1a,1
bは透明基板で構成し、夫々の外側には偏光板10a,1
0bを設けている。これは種々特性を計測する際に透過
光量によって液晶の配向状態を確認するためである。し
たがって、図1において特に導電性基板1a,1bを透明
基板していない液晶素子9のみであっても上記効果は得
られる。
【0035】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1に係
る発明のパラメトリック発振器は、液晶の配向が変化さ
れることによって静電容量が変化する液晶素子を可変容
量として用いたので、成膜技術によって精密に形成され
る半導体素子で形成できる。したがって、この発明によ
れば、素子個々の特性を容易に揃えることができ、消費
電力が少なく、容易に製造できるパラメトリック発振器
を提供できる。
る発明のパラメトリック発振器は、液晶の配向が変化さ
れることによって静電容量が変化する液晶素子を可変容
量として用いたので、成膜技術によって精密に形成され
る半導体素子で形成できる。したがって、この発明によ
れば、素子個々の特性を容易に揃えることができ、消費
電力が少なく、容易に製造できるパラメトリック発振器
を提供できる。
【0036】また、請求項2に係る発明のパラメトリッ
ク発振器は、上記液晶素子にネマティック液晶を封入し
たので、従来のパラメトリック発振器と同じ周波数依存
性を有し、且つ、素子個々の特性を容易に揃えることが
でき、消費電力が少なく、容易に製造できるパラメトリ
ック発振器を提供できる。
ク発振器は、上記液晶素子にネマティック液晶を封入し
たので、従来のパラメトリック発振器と同じ周波数依存
性を有し、且つ、素子個々の特性を容易に揃えることが
でき、消費電力が少なく、容易に製造できるパラメトリ
ック発振器を提供できる。
【0037】また、請求項3に係る発明のパラメトリッ
ク発振器は、上記液晶素子に強誘電性液晶を封入したの
で、従来のパラメトリック発振器と異なる周波数依存性
を有し、且つ、素子個々の特性を容易に揃えることがで
き、消費電力が少なく、容易に製造できるパラメトリッ
ク発振器を提供できる。
ク発振器は、上記液晶素子に強誘電性液晶を封入したの
で、従来のパラメトリック発振器と異なる周波数依存性
を有し、且つ、素子個々の特性を容易に揃えることがで
き、消費電力が少なく、容易に製造できるパラメトリッ
ク発振器を提供できる。
【0038】また、請求項4に係る発明のパラメトリッ
ク発振器は、上記液晶素子に封入される強誘電性液晶は
その2軸誘電異方性の符号が印加電圧の周波数によって
反転するので、上記2軸誘電異方性の符号が反転する所
定の周波数を境にして上記液晶素子の静電容量の変化特
性が変わる。したがって、上記所定の周波数を境にして
上記パラメトリック発振器の発振振幅の変化特性も異な
り、従来のパラメトリック発振器と異なる周波数依存性
を呈する。
ク発振器は、上記液晶素子に封入される強誘電性液晶は
その2軸誘電異方性の符号が印加電圧の周波数によって
反転するので、上記2軸誘電異方性の符号が反転する所
定の周波数を境にして上記液晶素子の静電容量の変化特
性が変わる。したがって、上記所定の周波数を境にして
上記パラメトリック発振器の発振振幅の変化特性も異な
り、従来のパラメトリック発振器と異なる周波数依存性
を呈する。
【図1】この発明のパラメトリック発振器における可変
容量素子として用いる液晶表示素子の一実施例の断面図
である。
容量素子として用いる液晶表示素子の一実施例の断面図
である。
【図2】図1に示す液晶表示素子を可変容量として用い
たパラメトリック発振器の回路図である。
たパラメトリック発振器の回路図である。
【図3】図2に示すパラメトリック発振器における液晶
表示素子の静電容量変化およびパラメトリック発振器の
発振特性を示す図である。
表示素子の静電容量変化およびパラメトリック発振器の
発振特性を示す図である。
【図4】強誘電性液晶分子の運動軌跡の説明図である。
【図5】図1に示す液晶表示素子における誘電率−バイ
アス電圧特性の説明図である。
アス電圧特性の説明図である。
【図6】図1に示す液晶表示素子における2軸誘電異方
性−周波数依存性の説明図である。
性−周波数依存性の説明図である。
【図7】可変インダクタンスを用いた従来のパラメトリ
ック発振器の回路図である。
ック発振器の回路図である。
1…導電性基板、 4…配向膜、7…
液晶、 9…液晶素子、10…
偏光板、 11…液晶表示素子、1
2…インダクタンス、 13…励起用電源。
液晶、 9…液晶素子、10…
偏光板、 11…液晶表示素子、1
2…インダクタンス、 13…励起用電源。
Claims (4)
- 【請求項1】 可変容量とインダクタンスから成るパラ
メトリック発振器であって、 少なくとも電極膜および配向膜が順次形成された一対の
基板を上記配向膜側を対向させて配置し、上記配向膜間
に液晶を封入して成る液晶素子を備えて、 上記液晶素子における両電極膜間に交流電圧を印加して
上記液晶素子の液晶の配向を変化させることによって静
電容量を変化させて、上記液晶素子を上記可変容量とし
て用いたことを特徴とするパラメトリック発振器。 - 【請求項2】 請求項1に記載のパラメトリック発振器
において、 上記液晶素子に封入される液晶はネマティック液晶であ
ることを特徴とするパラメトリック発振器。 - 【請求項3】 請求項1に記載のパラメトリック発振器
において、 上記液晶素子に封入される液晶は強誘電性液晶であるこ
とを特徴とするパラメトリック発振器。 - 【請求項4】 請求項3に記載のパラメトリック発振器
において、 上記強誘電性液晶は、その2軸誘電異方性の符号が印加
電圧の周波数によって反転することを特徴とするパラメ
トリック発振器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5283089A JPH07135423A (ja) | 1993-11-12 | 1993-11-12 | パラメトリック発振器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5283089A JPH07135423A (ja) | 1993-11-12 | 1993-11-12 | パラメトリック発振器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07135423A true JPH07135423A (ja) | 1995-05-23 |
Family
ID=17661078
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5283089A Pending JPH07135423A (ja) | 1993-11-12 | 1993-11-12 | パラメトリック発振器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07135423A (ja) |
-
1993
- 1993-11-12 JP JP5283089A patent/JPH07135423A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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R250 | Receipt of annual fees |
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