JP5190818B2 - 液晶素子および液晶素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶素子に関するもので、特に、TN(捩じれたネマティック)構造であってユニフォームツイスト構造の状態で動作させる方式の低電圧駆動化を図った液晶素子、該液晶素子の製造方法、および該液晶素子の利用方法に関するものである。
ここで、ネマティック液晶とは、液晶分子が概ね同じ方向を向く性質を持っている液晶である。また、TN構造とは、2枚の基板間に挟まれた液晶分子の配向方向が上下基板で約90度捩じれている(ツイスト)構造である。
また、液晶の他の構造として、ハイブリッド構造、ホメオトロピック構造、ホモジニアス構造、ベント構造、スプレイ構造等がある。ハイブリッド構造では、2枚の基板間に挟まれた液晶分子群の長軸方向が、一方の基板側では(基板面に対し)平行、他方の基板側では垂直になっている。ホメオトロピック構造では、2枚の基板間に挟まれた液晶分子群の長軸方向が、基板面に垂直になっている。ホモジニアス構造では、2枚の基板間に挟まれた液晶分子群の長軸方向が、基板面に略平行になっている。ベント構造では、2枚の基板間に挟まれた液晶分子群が、基板の近くでは基板に対してあるプレチルト角で配向し、液晶層の中央付近では基板に略垂直に配向し、全体として折れ曲がった弓のように配向している。スプレイ構造では、2枚の基板間に挟まれた液晶分子群が、基板の近くでは基板に対してプレチルト角で配向し、液晶層の中央付近で基板に略平行に配向するように、基板に垂直な面内で液晶分子の傾きが連続的に変化している。
特許文献1には、スプレイ配列とベント配列を用いるOCB方式の液晶(複屈折効果型液晶)において、電圧無印加時の液晶分子配列を360±5度の捩じれネマティックのスプレイ配列とすること、そしてそのスプレイ配列を安定にするためにカイラル剤を充填することが開示されている。
特許文献2には、電極分割式の液晶であって、配向処理によって規定される液晶分子の捩じれ方向と反対の螺旋構造をとらせるネマティック液晶を挟持し、そしてスプレイ配列を安定にして、ノーマル・ツイスト・ドメインの発生を抑制するようにカイラル剤を充填することが開示されている。
特許文献3に記載のOCB方式の液晶は、ツイスト配置を経由させることにより、液晶分子のスプレイ配置からベント配置への転移をスムーズにするものである。ツイスト配置を経由させるために、第1と第2の基板におけるラビングの方向の差を2度から30度とすることが提案されている。またカイラル剤を添加し、カイラルピッチをp、液晶層の厚さをdとするとき、0 <d/p<0.25とすることも開示されている。
特許文献4には、二色性色素を用いるゲスト・ホスト(GH)型液晶装置において、二色性色素とカイラル剤が用いられ、液晶分子が捩じれ構造となっているものが開示されている。
特開平9−90432号公報 特開平8−179381号公報 特開平9−105957号公報 特開2000−162574号公報
先ず、従来技術である一般的なTN構造の液晶素子について説明する。
図19は、配向処理(ラビング処理)の方向と液晶分子の立ち上がり方向を概念的に示す図である。
配向膜51の表面が配向処理されていると、配向膜表面の液晶分子52はその配向処理の方向と配向膜に垂直な方向を含む面内で、その配向方向に対してある角度θで傾斜して立ち上がる。配向膜表面と液晶分子のなす角θをプレチルト角と呼ぶ。配向処理は、例えば、表面を一方向にこすること(ラビング)により行うことができる。
図20は、一般的なTN構造の液晶素子の概念図である。
2枚の基板101,102の内側にそれぞれ配向膜103,104が配置され、配向膜103, 104間には液晶材料105が充填されている。液晶材料105には、ネマティック液晶材料が用いられる。TN構造の液晶素子においては、両配向膜に施された配向処理の方向のなす角が約90度であるように配向膜が配置される。
この図では、上の配向膜103の表面は点線矢印106の方向(約10時の方向)に配向処理され、下の配向膜104の表面は実線矢印107の方向(約7時の方向)に配向処理されている。この結果、上の配向膜表面の分子は点線矢印方向(10時の方向)から下の配向膜に向ってプレチルト角θ(図19参照)だけ傾いて立ち上がり、下の配向膜表面の分子は、実線矢印方向(7時の方向)から上の配向膜に向ってプレチルト角θだけ傾いて立ち上る。両配向膜表面に施されたラビング処理の方向が上下で約90度ずれているので、液晶素子の中で、液晶分子は右回り、あるいは左回りに捩じれて配向する。
図21,図22は、液晶素子110,120中の液晶分子111,121が、それぞれ右回りと左回りに捩じれて配向している様子を概念的に示す図である。
配向膜表面112,113、および配向膜表面122,123上の配向処理(ラビング)の方向131,132は、それぞれ点線および実線矢印で示されている。図21と図22の配向処理の方向131,132は同じである。
10時の方向をx軸方向、7時の方向をy軸方向、xy面に垂直な方向をz軸方向とするとき、液晶分子111,121は、上の配向膜の近くではxz面内でプレチルト角θだけ傾いて配向して立ち上がり、下の配向膜の近くでは液晶分子111,121がyz面内でプレチルト角θだけ傾いて配向するように立ち上がり、中間では上の配向膜から下の配向膜に近づくに従って液晶分子111,121の配向方向が回転しながら連続的に変わっている、すなわち捩じれている。
上の配向膜の配向処理の方向と下の配向膜の配向処理の方向が与えられた場合、上と下の配向膜からプレチルト角θで立ち上がった液晶分子の配向を連続的につなぐ捩じれ構造には、右回りと、左回りがある。液晶の捩じれ方向は上基板(観察者側)の配向膜112,122上の液晶分子の配向方向から下基板の配向膜113,123上の液晶分子の配向方向に向って捩じれる方向が右回りか左回りかで定義する。図21の場合は右回りであり、図22の場合は左回りである。
図21の液晶の配列と図22の液晶の配列を比較すると、図22の配列は上下方向にも捩じれており(スプレイツイスト構造)、自由エネルギーが高い。このため、図22の配列の液晶素子に中間調に相当する電圧を印加すると、図21の配列(ユニフォームツイスト構造)に転移する。
1組の配向膜の配向処理(ラビング)の方向131,132の組み合わせにより可能な液晶分子の捩じれ方向のうち1方向がユニフォームツイスト配列になる。しかし、プレチルト角の組み合わせだけでは液晶注入後均一なユニフォームツイスト配列が得られず、一部逆方向に捩じれた配列(スプレイツイスト構造)が形成されることがある。
これを防止するために、従来技術において、液晶材料にカイラル剤と呼ばれる光学活性物質を加えることにより、液晶材料の捩じれ方向を決めることが行われている。この場合、当然、液晶分子にユニフォームツイスト配列を与える液晶材料の捩じれ方向と同じ捩じれ方向を誘起せしめるカイラル剤を加える。そうすると、液晶材料をパネルに注入後、電場処理などの処理を加えることなく、均一な液晶配向が得られる。カイラル剤の含有量は、螺旋ピッチpが100μmになるように決めるのが一般的である。このカイラル剤は、不斉炭素を含み光学異方性を有する化合物であり、その性質、種類、それぞれの特性は、当業者によく知られた技術知識である。
この様に、従来技術のTN構造の液晶素子においては、1組の配向膜の配向処理の方向の組み合わせが与えられたとき、ユニフォームツイスト構造を作る捩じれ方向と、液晶材料に含有される光学活性物質により誘起される液晶材料の捩じれ方向は同一の方向に設定されていた。この向きを逆にすると、上記の説明から明らかなように、スプレイツイスト構造が安定となるからである。すなわち、従来技術においては、カイラル剤は、スプレイツイスト構造ができることを防止し、ユニフォームツイスト構造を安定化するために使われていた。
ここで、液晶素子は、近年携帯電話用途の小型のものから液晶TV用途の大型のものまで、その市場を拡大してきている。液晶素子は、上下基板の配向方向が約90度捩じれた構造をもつ、上記したTN構造の液晶素子を中心に発展してきたが、大型TVなどの視野角が特に要求される分野では、MVA・IPSなどの方式が主流になりつつある。
しかしながら、TN(捩じれたネマティック)方式には他方式に比べてセル厚の変化に対して透過率の変化(ギャップムラ)が少ないなどの利点があり、PC(パーソナルコンピュータ)用途など特に視野角の要求が厳しくない用途には、まだTN方式が用いられている。また、電卓・コントローラーなどのセグメント表示の機器にはTN方式が用いられている。
これらの用途には、低電圧化の要請が特に大きい。その理由は、PC用途にはTFT素子がアモルファスシリコンからポリシリコンに変わりつつあり、ポリシリコンで周辺回路を作りこむ場合駆動電圧を高くできず、また、省エネルギー・低消費電力の要請もあり、さらに、セグメント表示の機器は一般に電池駆動であり、当然、消費電力を低くする要請が高いからである。
そこで、本発明は、低電圧(例えば1ボルト程度)で駆動可能な、TN構造の液晶素子を提案することを課題とする。
上記した課題は、請求項1の本発明によって解決された。
すなわち、略平行に配置され少なくとも一方が透明な1組の基板と、それぞれの基板の内側に配設された1組の配向膜と、上記1組の配向膜の間に充填された液晶材料を備え、上記配向膜の表面に上記液晶材料中の液晶分子が同一方向に向くように配向処理が施され、両配向膜に施された配向処理の方向のなす角が70度から110度である液晶素子であって、上記1組の配向膜の配向処理の方向の組み合わせでユニフォームツイスト構造を形成するときの液晶分子の捩じれ方向に対して反対方向の捩じれ方向を与える螺旋ピッチを有する光学活性物質を上記液晶材料が含有することと、上記配向膜のプレチルト角が30度以上45度以下であることと、電圧が印加されると上記液晶分子がユニフォームツイスト構造を形成する液晶素子とすることにより、駆動電圧を小さくすることを可能とした。
このような表示形態はこれまで存在しなかった。また、上記した特許文献1乃至4に開示された液晶においても、カイラル剤と呼ばれる光学活性物質が使用されているが、これらの液晶はTN構造の液晶素子ではなく、またカイラル剤は前記したように駆動電圧を低減するためのものではない。
本発明では、両配向膜に施された配向処理の方向のなす角は70度から110度、好ましくは80度から100度、さらに好ましくは略90度である。これは、70度より両配向膜に施された配向処理の方向のなす角度が小さい場合、或いは逆に110度よりこの角度が大きい場合は、いずれも十分なコントラストを得ることが出来ない。
また、本発明では、1組の配向膜の配向処理の方向によって定まるユニフォームツイスト構造を与える捩じれ方向と、液晶材料に含有される光学活性物質により誘起される液晶材料の捩じれ方向を逆にして液晶素子を構成する。このとき、スプレイツイスト構造が形成される。
このスプレイツイスト構造をユニフォームツイスト構造に変換するには、液晶材料を挟む基板間に電圧を印加する。この電圧信号は特に限定されることはないが、例えば、1Hz程度の周波数のサイン波などの低い交流信号を用いることにより、短時間でスプレイツイスト構造をユニフォームツイスト構造に変換させることが可能である。
このスプレイツイスト構造からユニフォームツイスト構造への変換は、液晶材料の螺旋ピッチが短いほど困難である。すなわち、液晶材料の螺旋ピッチが短いほどより高い電圧の印加が必要になり、また変換に長時間を要する。
このようにして得られたユニフォームツイスト構造は、電圧無印加状態で放置すると、元のスプレイツイスト構造に変わる。そして、この変化速度も、液晶材料の螺旋ピッチの長さに依存する。すなわち、螺旋ピッチが長いほどユニフォームツイスト構造からスプレイツイスト構造にもどる時間が長くなる(すなわち、ユニフォームツイスト構造が安定となる)。逆に螺旋ピッチが短くなると、ユニフォームツイスト構造からスプレイツイスト構造に戻る時間が短くなる(すなわち、ユニフォームツイスト構造が不安定となる)。
他方、液晶素子のしきい値電圧(駆動電圧)は、液晶材料の螺旋ピッチが短いほど低くなり、螺旋ピッチが長いほど高くなる。このように、ユニフォームツイスト状態の形成しやすさ・安定性を求めることと、駆動電圧を下げることについて、液晶材料の螺旋ピッチの長さに関するトレードオフの関係が存在する。
このため、本発明の液晶素子には、目的に応じて最も適した液晶材料の螺旋ピッチの長さが存在する。すなわち、極めて低電圧駆動が必要であるが、安定性には余裕がある液晶素子(例えば、構造維持のための信号の印加が可能な液晶素子)の場合は、液晶材料の螺旋ピッチを出来るだけ短く、例えば15μm以下して駆動電圧を下げればよい。それに対して、安定性が求められる液晶素子では、液晶材料の螺旋ピッチの長さを短くすることには限界があるので、駆動電圧を高くする。
ユニフォームツイスト構造を安定に存在させるためには、プレチルト角を高くする、例えば30度以上とすることも有効である。プレチルト角を高くすれば、ユニフォームツイスト構造のギブスのフリーエネルギーがスプレイツイスト構造に比べて下がるため、室温においても長時間ユニフォームツイスト構造を保持することが可能になる。
上記したようにプレチルト角は高いほどユニフォームツイスト構造が安定になるが、プレチルト角をあまり高くすると、電圧無印加状態でも透過率が低くなるという問題が生じる。これを防ぐには屈折率異方性を大きくすればよい。しかし液晶材料の屈折率異方性は最大0.25程度なので、プレチルト角の限界は45度程度が最大である。このプレチルト角が大きい場合の問題は、液晶材料層のリタデーションの値を1.5μm以上に設定することにより解決される。このように設定すると、プレチルト角が1度のときのファーストミニマムの条件と同様の結果が得られる。
本発明によれば、低電圧(例えば1ボルト程度)で駆動可能な、TN構造の液晶素子を実現することができる。
以下、上記した本発明に係る液晶素子の効果を裏付ける試験例、及び本発明に係る液晶素子の実施例につき説明する。
<試験例1>
プレチルト角=45度、R=1.90、p=60μm、(−)
図1は、試験例1に係る本発明の液晶素子1における、液晶分子の配向を示す概念図である。
試験例1においては、2枚の基板2,3の内側にそれぞれ配向膜4,5が配置され、この配向膜4,5はプレチルト角45度を示す配向膜であり、プレチルト角45度の配向膜は、ポリイミド樹脂で実現した。配向処理は通常のラビング処理で行った。実線および点線の矢印6,7は配向処理(ラビング)の方向である。この組み合わせの場合、ユニフォームツイスト構造を与える液晶の捩じれ方向は右回りである。なお、この明細書では、上と下の配向膜の配向方向の組み合わせが与えられたとき、ユニフォームツイスト構造を与える液晶の捩じれ方向を、「ユニフォームツイスト捩じれ方向」と呼ぶ。
液晶材料8はメルク(株)社製ZLI2293を使用した。この液晶材料の屈折率異方性は0.1362である。液晶材料層の厚みは14μmとした。従って、液晶材料層のリタデーションR=Δndは1.90(0.1362×14μm)である。
液晶材料8に、ユニフォームツイスト捩じれ方向とは逆の、左回りの捩じれを誘起する光学活性物質(メルク(株)社製S−811を使用)を添加した。光学活性物質の強さを示す螺旋ピッチpは60μmとした。
なお、図1中、2a,3aは、それぞれ基板2,3の偏光方向である。また、この明細書では、カイラルピッチの方向が(−)の場合、液晶素子のラビング方向で決まるユニフォームツイスト捩じれ方向と逆の捩じれを誘起する光学活性物質を添加したことを示し、(+)の場合、ユニフォームツイスト捩じれ方向と同じ捩じれを誘起する光学活性物質を添加したことを示す。
このとき螺旋ピッチpが60μmから70μmのとき、最も良い結果が得られた。60μmから70μmより短い場合は透過率が減少し、リタデーションを調整しても、60μmから70μmで得られた透過率は得られなかった。
図2は、試験例1に係る液晶素子の透過率の印加電圧依存性のシミュレーション計算の結果である。
なお、この明細書に記載したシミュレーション計算は、全て、(株)シンテック社製液晶分子配列シュミレータLCDマスターを用いて行ったものである。
この(株)シンテック社製の液晶分子配列シュミレータLCDマスターは、液晶の連続体理論に基づくものである。液晶の連続体理論は、液晶の分子の配列・光学特性を計算するための理論として、液晶研究の初期より広く用いられてきたものであり、LCDの開発者のほとんどが使用しているものである。当然ながら、LCDの開発において多数の実績を有する。
このシミュレーションの理論的詳細は、例えば日本液晶学会発行「液晶、第10巻 第4号、400−409ページ (2006)、液晶科学実験講座、“ネマティック液晶の電気・光学応答LCD設計に役立つ基礎理論と数値解析手法”」において詳細に解説されている。
図2から分かるように、試験例1の液晶素子では、ごく僅かな印加電圧を印加することにより透過率の変化が現れ始める。これは、プレチルト角を45度まで高くすることにより僅かな液晶材料のダイレクターの変化により、偏光の旋光性が減少するためと考えられる。液晶素子の性能の目安として通常用いられている透過率が10%となる電圧Vth(10%)は1.09Vであり、ほぼ1Vで駆動可能である。従来技術のTN構造の液晶素子の場合は、後に試験例に基づいて記載するが、印加電圧が2V程度印加されるまで透過率は変化しない。これに比べると、試験例1の本発明の液晶素子の場合は、駆動電圧が約半分である。
従来技術のTN構造の液晶素子では、透過率を最大にし、視野角特性を良好にするためいわゆるファーストミニマムの条件でリタデーションRを約0.5μmに設定することが普通である。しかしながら、この試験例1のようにプレチルト角を45度にした場合、この設定では電圧無印加時の透過率が大きく減少してしまい、液晶素子のコントラストが大きく減少するという問題が生じる。
プレチルト角45度の場合のこの問題は、リタデーションRの値を1.5μm以上に設定することにより解決された。このように設定すると、プレチルト角が1度のときのファーストミニマムの条件と同様の結果が得られることが分かった。
図3は、試験例1の液晶素子におけるユニフォームツイスト構造とスプレイツイスト構造のギブスの自由エネルギーの印加電圧依存性を示したものである。
電圧無印加状態では、スプレイツイスト構造がわずかに安定であるが、電圧印加状態ではユニフォームツイスト構造が安定になる。このため、電圧を印加することでユニフォームツイスト構造に転移させることができる。一旦、ユニフォームツイスト構造に転移後は、電圧を切った後も数分から数十分はユニフォームツイスト構造が安定に存在する。そのため、液晶素子使用時には、常にユニフォームツイスト構造として使用されることとなる。
<試験例2>
プレチルト角=45度、R=1.90、p=100μm、(+)
試験例2として、液晶材料の光学活性物質の立体配位及び濃度を調整することにより、光学活性物質の螺旋ピッチを試験例1の液晶材料の螺旋の方向の逆(従来技術のTN構造の液晶素子の螺旋ピッチと同方向)にしたことと、螺旋ピッチの長さpを100μmにしたこと以外は、試験例1と同一の条件の従来技術による液晶素子について、透過率の印加電圧依存性のシミュレーション計算を行った。
図4は、試験例2に係る液晶素子の透過率の印加電圧依存性のシミュレーション結果を示すグラフである。
試験例2の液晶素子では、透過率が10%となる駆動電圧Vth(10%)は1.49Vである。これは、本発明に係る試験例1のVth(10%)が1.09Vであるのに対して、駆動電圧が40%も大きい。
<試験例3>
プレチルト角=45度、R=1.90、p=10000μm、(+)
試験例3として、液晶材料の光学活性物質の立体配位及び濃度を調整することにより、光学活性物質の螺旋ピッチを試験例1の液晶材料の螺旋の方向の逆(従来技術のTN構造の液晶素子の螺旋ピッチと同方向)にし、螺旋ピッチの長さpを10000μmにしたこと以外は、試験例1と同一の条件の従来技術による液晶素子について、透過率の印加電圧依存性のシミュレーション計算を行った。
図5は、試験例3に係る液晶素子の透過率の印加電圧依存性のシミュレーション結果を示すグラフである。
試験例3の液晶素子では、透過率が10%となる駆動電圧Vth(10%)は1.47Vである。これは、本発明に係る試験例1のVth(10%)が1.09Vであるのに対して、やはり駆動電圧が40%も大きい。
上記試験例1〜3から、1組の配向膜の配向処理の方向とプレチルト角の組み合わせで定まるユニフォームツイスト構造を作る液晶材料の捩じれ方向と、液晶材料に含有される光学活性物質により誘起される液晶材料の捩じれ方向を逆にすると、駆動電圧を低減できることが分かる。
<試験例4>
プレチルト角=45度、R=0.5、p=60μm、(−)
試験例4として、試験例1で液晶材料層のリタデーションの値を1.9μmとしているのに対してその値を0.5μmにすること以外は、上記試験例1と同じ構成の液晶素子とした。液晶材料としてはメルク(株)社製液晶材料ZLI4792を用い、セルの厚みを5μmとした。
図6は、試験例4に係る液晶素子の透過率の印加電圧依存性のシミュレーション結果をしめすグラフである。
図2に示したように、試験例1の液晶素子の透過率が30%付近であるのに対して、試験例4の液晶素子の場合、15%程度に減少している。このことから、プレチルト角が45度の場合、リタデーションが1.5μm以上にする必要があることが分かる。
<試験例5>
プレチルト角=30度、R=0.5、p=60μm、(−)
試験例5として、プレチルト角を30度にした本発明に係る液晶素子とした。プレチルト角を30度にする場合も、配向膜はポリイミド膜表面をラビング処理することで実現することができる。液晶材料はメルク(株)社製ZLI4792を用いた。セル厚は6.5μmとした。液晶材料層のリタデーションRは0.5μmとした。この液晶材料にユニフォーム捩じれ方向とは逆の捩じれを誘起する光学活性物質を添加した。光学活性物質の強さを示す螺旋ピッチpは60μmとした。
図7は、試験例5に係る液晶素子の透過率の印加電圧依存性のシミュレーション結果を示すグラフである。
<試験例6>
プレチルト角=30度、R=0.5、p=100μm、(+)
試験例6として、液晶材料の光学活性物質の立体配位及び濃度を調整することにより、光学活性物質の螺旋ピッチを試験例5の液晶材料の螺旋の方向の逆(従来技術のTN構造の液晶素子の螺旋ピッチと同方向)にしたことと、螺旋ピッチの長さpを100μmにしたこと以外は、試験例5と同一の条件の従来技術による液晶素子について、透過率の印加電圧依存性をシミュレーション計算した。
図8は、試験例6に係る液晶素子の透過率の印加電圧依存性のシミュレーション結果を示すグラフである。
図7の試験例5の液晶素子の場合と比較すると、透過率が変化する印加電圧が、図8の試験例6の液晶素子によるものの方が大きいことが分かる。
<試験例7〜16>
プレチルト角=1度と5度、セル厚5μm、(−)
液晶材料にZLI―4792を使って、プレチルト角が1度と5度の場合の本発明に係るTN構造の液晶素子(光学活性物質の螺旋ピッチが、1組の配向膜の配向処理の方向とプルチルト角の組み合わせの結果得られる液晶材料の捩じれ方向と逆向きの液晶素子)について、螺旋ピッチpをパラメータとして、透過率が10%になる駆動電圧と1%になる駆動電圧を調べた。
その結果を表1と表2に示す。
Figure 0005190818
Figure 0005190818
<試験例17〜26 >
プレチルト角=1度と5度、セル厚5μm、(+)
液晶材料にZLI―4792を使って、プレチルト角が1度と5度の場合の従来技術によるTN構造の液晶素子(光学活性物質の螺旋ピッチが、1組の配向膜の配向処理の方向とプルチルト角の組み合わせの結果得られる液晶材料の捩じれ方向と同一の向きの液晶素子)について、螺旋ピッチpをパラメータとして、透過率が10%になる駆動電圧と1%になる駆動電圧を調べた。
その結果を表3と表4に示す。
Figure 0005190818
Figure 0005190818
図9は、表1から表4に基づいて作った、螺旋ピッチの逆数(1/p)を変数とする、輝度が10%になる電圧と、輝度が1%になる電圧のグラフを示す。
螺旋ピッチpが小さい程、光学活性物質が誘起する捩じれの力が強く、その逆数1/pが小さいほど弱い。ユニフォームツイスト捩じれ方向と反対の方向の捩じれの力の場合、pに負号が付されている。
図9において、横軸(1/p)の中央のゼロ点は光学活性物質の捩じれの力がほとんどゼロであり、正の領域は、ユニフォームツイスト捩じれ方向と同じ方向の捩じれの力の場合(従来技術に対応)、負の領域はユニフォームツイスト捩じれ方向と反対の方向の捩じれの力の場合である(本発明の場合に対応)。
図9から、1組の配向膜の配向処理の方向とプレチルト角の組み合わせにより定まる液晶材料の捩じれ方向と、液晶材料に含有される光学活性物質により誘起される液晶材料の捩じれ方向を逆(−)にすることにより、低電圧化が得られることが分かる。
<試験例27>
プレチルト角=1度、セル厚5μm、p=100μm、(−)
試験例27として、液晶素子を構成する配向膜材料として(株)日本合成ゴム製 JSR1051(プレチルト角1度)を用い、基板間の厚みを5μmとし、図1に示す構成(上基板から下基板の向きに液晶分子のダイレクターは右回りに捩じられる。)でパネルを作成し、チッソ(株)社製液晶材料TC5065を注入した。この液晶材料ではカイラル剤の添加により液晶材料は左回りに捩じられ、螺旋ピッチの長さは100μmとなるように調整されていた。
この試験では2枚の基板に添付された偏光板の透過軸は平行になるように設置し、このセルに信号電圧(三角波 ±10V)を印加し、そのときの透過率の変化を測定した。
結果を図10に示す。
図10では、0Vから10Vに電圧を上昇している過程の透過率変化を測定している。図には6Vまでの結果を示している。
<試験例28>
プレチルト角=1度、セル厚5μm、p=∞
試験例28として、液晶材料として、カイラル剤を添加せず螺旋ピッチの長さp が無限大である液晶材料TC5065を用いる以外は、試験例27と同じ方法でパネルを作製し、試験例27と同じ特性を測定した。
結果を図10に併記する。
試験例27及び試験例28により、1組の配向膜の配向処理の結果得られるプレチルト角による液晶材料の捩じれ方向と、液晶材料に含有される光学活性物質により誘起される液晶材料の捩じれ方向を逆にすることにより、低電圧化が得られることが確認された。
<試験例29〜33>
セル厚=14μm、p=60μm、(−)
メルク(株)社製液晶材料ZLI2293を用い、セル厚が14μm、プレチルト角がそれぞれ1度,5度,10度,30度,45度で、液晶材料の螺旋ピッチが60μmのTN構造の液晶素子について、配向膜の配向処理の方向の組み合わせにより定まる液晶材料のユニフォームツイスト捩じれ方向に対して、光学活性物質により誘起される液晶材料の捩じれ方向を逆(−)にした場合の本発明に係る液晶素子について、ユニフォームツイスト構造とスプレイツイスト構造の電圧印加時のギブスの自由エネルギーをシミュレーション計算し、その安定性を比較した。
図11〜15は、プレチルト角がそれぞれ1度,5度,10度,30度,45度の場合の試験例29〜33についてシミュレーション計算された、ユニフォームツイスト構造とスプレイツイスト構造の電圧印加時のギブスの自由エネルギーである。
いずれのプレチルト角の場合も電圧無印加時はスプレイツイスト構造が安定になり、電圧印加時はユニフォームツイスト構造が安定になることが分かる。そして、プレチルト角が高いほどユニフォームツイストが安定になる。プレチルト角を45度とすると電圧無印加時でもユニフォームツイスト構造のギブスの自由エネルギーはスプレイツイスト構造のギブスの自由エネルギーに等しくなり、わずかな電圧の処理でユニフォームツイスト構造が安定に得られることが分かる。
<実施例>
透明導電膜として電気抵抗30Ω/cm2のITOを蒸着した1.1mmのガラス基板に配向膜として、チッソ株式会社製ポリイミドPIA−X−689−01Xをスピンコートし、80℃で溶媒をとばした後、200℃で1時間加熱することにより約70nmのポリイミド膜を形成した。
このポリイミド膜上を木綿製のベルベット布を用いて通常の方法でラビング処理を行った。すなわち、5cmのローラーにベルベット布を巻き、ベルベット布の毛先をポリイミド膜と0.5mm接触させる条件で2000RPMの回数で行った。
このようにして処理した配向膜つきガラス基板の1つの上に5μmの球状シリカのイソプロパノール懸濁液をスピンコーティングし、その後80℃に基板を加熱することにより、イソプロパノール乾燥した(基板A)。
別の配向膜つきガラス基板の周囲に常温硬化型エポキシ系接着剤を塗布した(基板B)。
上記基板Aおよび基板Bを組み合わせ、ポリエチレン製の袋に入れ真空に引くことで大気圧をかけ圧着する状態で1昼夜放置し、当該常温硬化型接着剤を硬化した。このときのラビング方向は、図16に示す方向とした。
この液晶セルに大日本インキ株式会社製の液晶材料RDP−94808(E062)を注入した。注入は室温で行った。この液晶材料は螺旋ピッチ15μmであり、螺旋方向は左巻きである(カイラル剤はS−811を使用)。このため、図1に記載の方向とは逆向きに巻いていることになる。
このようにして得られたパネルは、いずれの角度から目視しても明確な狭視野角方向(法線方向から70度傾けて観察すると黒またはグレーが観察される方向)がないことから、液晶分子がスプレイツイスト構造に配列した液晶パネルになっていることが分かる。
このパネルに±20V、0.1Hzの3角波を印加した。3角波印加開始直後、パネル内に微細な円形の新しい領域が形成され、この領域が拡大していくのが観察された。この現象は、それまで形成されている液晶配列とは異なる新たな液晶配列が電場印加によって生じていることを意味する。
3分後1cm2の電極の領域全体が新しい領域に変化した。この領域では特定の方位角の1方向の極角70度から観察したとき、TN構造の液晶特有の狭視野角状態が観察され、通常のTN状態になっていることが確認された。また、狭視野角の方向は図16に記載されている、2枚の配向膜のラビング方向の位置関係から決まる狭視野となる方向と同じであり、液晶分子が左向きに捩じれたTN構造が形成されていることが分かった。
図18のグラフ(1)は、この状態の液晶パネルの印加電圧―透過率特性を示す。
<比較例>
液晶材料がRDP−94808(E062)(螺旋ピッチ15μm 螺旋方向は左向き)ではなく、現在のTN構造の液晶素子の標準液晶材料であるメルク(株)社製ZLI−4792(螺旋ピッチ100μm 螺旋方向は左向き)であり、ラビング方向を図17としたこと以外は、上記実施例と全く同じ条件で従来技術の液晶素子を作成し、この液晶素子について、上記実施例と同じ条件で印加電圧―透過率特性を測定した。
図18のグラフ(2)は、この比較例で作ったTN液晶デバイスの印加電圧―透過率特性を示す。
<考察>
図18から本発明における液晶素子の印加電圧―透過率特性は次の特徴を持つことが分かる。
(a)本発明に係る液晶素子はしきい値特性を持たず、電圧印加とともに輝度が低下始める。それに対して同じ材料を用いて従来技術のTN構造に組んだ場合1.8V〜2.0Vのしきい値電圧を持つ。
(b)10%まで輝度を減少する電圧を比較すると、同じ材料を用いて従来技術のTN構造に組んだ場合が4.0V付近であるのに対して、本発明に係る構成の液晶素子は1V付近となり、1/4の電圧となっている。
このように、本発明のTN構造の液晶素子を用いれば1Vの駆動電圧で駆動することが可能な液晶素子を形成することが可能である。
このような低電圧で駆動することができることは、例えばドライバー回路を作りこんだポリシリコンTFT−LCDにとって極めて望ましいことである。何故ならガラス基板上にポリシリコンの薄膜で作りこむことはコスト削減の上で重要であるが、基板上に作りこんだドライバー回路による駆動電圧を高くすることは難しい。このため駆動電圧の低い液晶が望まれている。本発明の液晶素子はこの目的に適するものである。
また省エネルギーを求められる液晶素子に対しても、初期には比較的高い電圧による処理が必要になるが、駆動時は低電圧での駆動が可能になる本発明は極めて有用である。
以上、本発明を見出した試験例、および本発明に係る液晶素子、該液晶素子の製造方法、および該液晶素子の利用方法についての実施例を説明したが、本発明は、何ら既述の試験例、実施例に限定されるものではない。
試験例1に係る本発明の液晶素子における、液晶分子の配向を示す概念図である。 図1の試験例1に係る液晶素子の透過率の印加電圧依存性のシミュレーション計算の結果である。 試験例1における、ユニフォームツイスト構造とスプレイツイスト構造のギブスの自由エネルギーの印加電圧依存性を示したグラフである。 試験例2に係る液晶素子の透過率の印加電圧依存性のシミュレーション結果を示すグラフである。 試験例3に係る液晶素子の透過率の印加電圧依存性のシミュレーション結果を示すグラフである。 試験例4に係る液晶素子の透過率の印加電圧依存性のシミュレーション結果をしめすグラフである。 試験例5に係る液晶素子の透過率の印加電圧依存性のシミュレーション結果を示すグラフである。 試験例6に係る液晶素子の透過率の印加電圧依存性のシミュレーション結果を示すグラフである。 表1から表4に基づいて作った、螺旋ピッチの逆数(1/p)を変数とする、輝度が10%になる電圧と、輝度が1%になる電圧を示すグラフである。 試験例27と試験例28について、印加電圧と透過率の関係の実験結果を示すグラフである。 プレチルト角が1度で、光学活性物質により誘起される液晶材料の捩じれ方向を逆(−)にした場合について、ユニフォームツイスト構造とスプレイツイスト構造の電圧印加時のギブスの自由エネルギーのシミュレーション計算の結果を示すグラフである。 プレチルト角が5度で、光学活性物質により誘起される液晶材料の捩じれ方向を逆(−)にした場合について、ユニフォームツイスト構造とスプレイツイスト構造の電圧印加時のギブスの自由エネルギーのシミュレーション計算の結果を示すグラフである。 プレチルト角が10度で、光学活性物質により誘起される液晶材料の捩じれ方向を逆(−)にした場合について、ユニフォームツイスト構造とスプレイツイスト構造の電圧印加時のギブスの自由エネルギーのシミュレーション計算の結果を示すグラフである。 プレチルト角が30度で、光学活性物質により誘起される液晶材料の捩じれ方向を逆(−)にした場合について、ユニフォームツイスト構造とスプレイツイスト構造の電圧印加時のギブスの自由エネルギーのシミュレーション計算の結果を示すグラフである。 プレチルト角が45度で、光学活性物質により誘起される液晶材料の捩じれ方向を逆(−)にした場合について、ユニフォームツイスト構造とスプレイツイスト構造の電圧印加時のギブスの自由エネルギーのシミュレーション計算の結果を示すグラフである。 実施例における上下配向膜のラビング方向を示す概念図である。 比較例における上下配向膜のラビング方向を示す概念図である。 実施例と比較例の印加電圧―透過率特性を示すグラフである。 配向処理(ラビング処理)の方向と液晶分子の立ち上がり方向を概念的に示す図である。 従来技術によるTN構造の液晶素子の概念図である。 液晶分子が右回りに捩じれて配向している様子を概念的に示す図である。 液晶分子が左回りに捩じれて配向している様子を概念的に示す図である。

Claims (6)

  1. 略平行に配置され少なくとも一方が透明な1組の基板と、それぞれの基板の内側に配設された1組の配向膜と、上記1組の配向膜の間に充填された液晶材料を備え、上記配向膜の表面に上記液晶材料中の液晶分子が同一方向に向くように配向処理が施され、両配向膜に施された配向処理の方向のなす角が70度から110度である液晶素子であって、上記1組の配向膜の配向処理の方向の組み合わせでユニフォームツイスト構造を形成するときの液晶分子の捩じれ方向に対して反対方向の捩じれ方向を与える螺旋ピッチを有する光学活性物質を上記液晶材料が含有することと、上記配向膜のプレチルト角が30度以上45度以下であることと、電圧が印加されると上記液晶分子がユニフォームツイスト構造を形成することを特徴とする、液晶素子。
  2. 上記プレチルト角が30度である時、上記液晶材料層のリタデーションが0.5μmであることを特徴とする、請求項1記載の液晶素子。
  3. 上記プレチルト角が45度である時、上記液晶材料層のリタデーションが0.5μmから1.9μmであることを特徴とする、請求項1記載の液晶素子。
  4. 上記両配向膜に施された配向処理の方向のなす角が略90度であることを特徴とする、請求項1記載の液晶素子。
  5. 上記電圧が1Hz程度の周波数のサイン波などの低い交流信号であることを特徴とする、請求項1記載の液晶素子。
  6. ITOを蒸着した2枚のガラス基板をポリイミド膜で被覆して配向膜を形成する過程と、上記配向膜をラビングする過程と、上記各ガラス基板上の配向膜が内側になり、かつそれらの配向方向が70度から110度になるように上記2枚のガラス基板を近接して配置する過程と、上記2枚のガラス基板間の空間に液晶材料を充填する過程を含む液晶素子の製造方法であって、上記液晶材料が光学活性物質を含み、上記液晶材料中の液晶分子の螺線ピッチが上記光学活性物質のカイラル方向と逆方向であることと、上記配向膜のプレチルト角が30度以上45度以下であることと、液晶素子に電圧を印加して、スプレイツイスト構造からユニフォームツイスト構造に変えることを特徴とする、液晶素子の製造方法。
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