JPH07134421A - 画像形成材料およびそれを用いた画像形成方法 - Google Patents

画像形成材料およびそれを用いた画像形成方法

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JPH07134421A
JPH07134421A JP27911893A JP27911893A JPH07134421A JP H07134421 A JPH07134421 A JP H07134421A JP 27911893 A JP27911893 A JP 27911893A JP 27911893 A JP27911893 A JP 27911893A JP H07134421 A JPH07134421 A JP H07134421A
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JP
Japan
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image
image forming
silver halide
photosensitive
resist
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JP27911893A
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English (en)
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Yasuo Tsubakii
靖雄 椿井
Kenji Hyodo
建二 兵頭
Junji Harada
純二 原田
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Circuit Boards (AREA)
  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高感度、高解像力かつ高画質でレジスト性や
安定性なども優れた画像形成材料、及びそれを使用して
作業性や生産性などが良好で経済的にも有利な画像形成
方法を提供する。 【構成】 基体、非感光性レジスト層、及び感光性ハロ
ゲン化銀ゼラチン乳剤層をこの順で積層してなる画像形
成材料において、剥離用支持体を粘着剤で付着すること
を特徴とする画像形成材料であり、この画像形成材料を
画像露光し現像して感光性ハロゲン化銀ゼラチン乳剤層
に銀画像部を形成し、銀画像部をエッチングブリーチし
て非感光性レジスト層を露出させ、非感光性レジスト層
をレジスト溶出現像して基体を露出させ、場合に応じて
基体が露出している場合には、これをエッチングして除
去し次いで残存している感光性ハロゲン化銀ゼラチン乳
剤層と非感光性レジスト層とを除去し、必要な工程にお
いて、剥離用支持体と粘着剤を基体から剥離して、画像
形成材料を用いる画像形成方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感度、解像力、画質等
の諸性能に優れた応用範囲の広い画像形成材料、及びそ
れを使用する作業性、生産性等の良好な画像形成方法に
関する。より具体的には、非常に高感度で、空冷アルゴ
ンレーザー、ヘリウムネオンレーザーもしくは半導体レ
ーザー光などで露光可能で、良好なレジスト像を形成し
得る材料とその形成方法に関する。更に具体的には、高
感度で高精細なプリント配線板の作成、メタルマスク像
の作成、ネームプレート、金属微細加工、印刷版の作成
などにおいて、作業性が良好でかつ精度の高い画像を形
成する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀ゼラチン乳剤感光系は、一
般に、高感度、高解像力で、コンシステンシー、保存安
定性などに優れている。そのため従来から、この系は、
一般写真用、医用分野、写真製版などの分野に広く用い
られている。しかしながら、レジストを形成する手段と
して用いられているケースはあまりない。上記のごと
く、この系は数々の利点を有しており、ハロゲン化銀感
光系を用いたレジストの形成が好ましく達成できれば、
その応用は広範囲に渡る。例えば、金属半導体、絶縁体
などの微細加工、無機、有機の薄膜パターニングにも応
用でき、とりわけエレクトロニクス関連の諸材料の加
工、ネームプレートの他、各種のアートワーク、印刷な
どの分野へ応用可能である。特に近年、コンピューター
デザインCAD/CAMを用いた設計とグラフィクスの
技術は急速な進展を示しており、レーザーもしくはLE
Dアレーからの走査出力によるグラフィクス技術はすで
に多方面で実用化されている。かような直接走査露光、
特にレーザー走査露光、更には、コスト的に有利で安定
な低エネルギーレーザー光、例えば空冷アルゴンレーザ
ー、ヘリウムネオンレーザー、半導体レーザーなどに適
合できる高感度で高画質のレジスト形成材料、及びその
形成方法が望まれている。一般レジスト分野でもその高
感度化は大きな課題として検討されている(日写誌Vo
l.54、P684(1991))が、現状では100
μJ/cm2 以下相当の感度が限界であり、なお、保存
性、画質等に問題がある。
【0003】ハロゲン化銀感光系を応用した系として
は、必ずしもレジストの例ではないが、例えば、英国特
許第1,571,155号明細書、同第1,567,8
44号明細書あるいは米国特許第4,168,167号
明細書には、アルミニウム支持体上に感光性ハロゲン化
銀乳剤層が直接設けられた感光性平版印刷版が開示され
ている。しかし、これらの感光性平版印刷版には、カブ
リやスポットの発生の問題がある。
【0004】又、それの問題点の一つを改善したとし
て、例えば、米国特許第4,268,609号明細書、
同第4,347,305号明細書あるいは同第4,35
8,530号明細書には、アルミニウム支持体上に、非
銀感光層を介して感光性ハロゲン化銀乳剤層が設けられ
た感光性平版印刷版が提案されている。この非銀感光層
は、(1)ジアゾ樹脂からなるもの、(2)o−キノン
ジアジドからなるもの、(3)感光性アジド化合物から
なるもの、(4)重合体の主鎖又は側鎖に−CH=CH
−CO−基を含む高分子化合物からなるもの、(5)付
加重合性不飽和化合物、光重合開始剤およびバインダー
としての高分子化合物からなるものなどである。更には
例えば、L. Plambeck 等による、2官能カラー発色現像
主薬とポリマーカプラーを利用し、露光現像後、選択的
ワオッオフによるレリーフ像を形成して印刷版とする開
示がある(J. Image. Sci., 30, 221(1986))。
【0005】例えばプリント配線板の分野においては、
従来、スクリーン印刷法および液状レジストやドライフ
ィルムレジストを使用する写真法がレジスト画像の形成
に用いられている。そして、最近のプリント配線板の高
性能化の要望に伴ない、フォトレジストあるいはドライ
フィルムレジストの高感度化が種々検討されている(例
えば、日写誌Vol.54、P684(1991)ある
いは「新光機能性高分子の応用」、CMC(1988年
発行)参照)。ところが、これらを使用して製造された
プリント配線板の感度及び解像力は一般に低く、しかも
その製造工程が複雑でプリント配線板の製造に多くの作
業工程と時間とを要する。
【0006】特開昭63−129689号公報には、こ
れらの点を改良したプリント配線板の作製法が提案され
ている。すなわち、この方法は、有機光導電性感光層に
レーザー光で配線回路パターンを直接描画して電子写真
方式でトナー画像を形成し、これをレジストとしてプリ
ント配線板を作製する方法である。
【0007】しかしながら、非銀感光層を介して感光性
ハロゲン化銀乳剤層を有する前記感光性印刷版(米国特
許4,268,605号明細書など)では第1露光、現
像、定着に続き、非銀感光層を露光する為の紫外線露光
が必要であるなど、設備、工程が複雑なシステムとなる
とか、非銀感光層の感度が低く平行性に欠ける光源を用
いることから来る解像度の劣化などの問題がある。
【0008】又、前記の電子写真方式によりレジスト画
像を作製する方法(特開昭63−129689号公報)
には、次のような問題点がある。すなわち、(イ)有機
光導電性感光層に露光直前にチャージングが必要で、そ
のための特別な装置を設置しなければならない、(ロ)
有機光導電性感光層の特性が温度、湿度などの環境条件
に大きく依存する、(ハ)有機光導電性感光層は塵埃を
吸着しやすく、そのためスポットトラブルを生じ易い、
などの問題点がある。又、発色現像主薬の酸化物による
ポリマーカプラーの架橋による方法では、酸化物の拡散
による解像性の低下などの問題がある。
【0009】さらに、近年カスタムメイドの小ロット生
産が主流になりつつある業界においては、画像露光、現
像、エッチングブリーチ、レジスト溶出現像の各工程に
おいて、ロール原反で供給される画像形成材料では歩留
まりが悪く、プレカットシートで使用される例が増えて
いる。この場合に問題となるのが、一般に薄い画像用支
持体、および画像形成層や感光性レジスト層よりなる画
像形成材料の作業性の悪さである。例えば画像用支持体
としては一般に25μm厚のポリイミドシートが使われ
ており、また、画像形成層としては1〜4μm厚程度の
銅膜が、さらに感光性レジストとしては10〜20μm
厚のものが使われているがこれら全部を合わせても50
μm厚以下で物理的強度が弱く扱い方が悪い場合は容易
にしわなどが入ってしまう。プレカットシートにおいて
は感光性レジストの溶出現像中にテンションコントロー
ルすることは不可能なので、折れ曲がりが生じたり、ヘ
アーラインなどの引っかき傷が生じやすい。このような
目的で使用される画像形成材料には目的に応じた厚みが
あるため、ただ単に画像支持体の厚みを増すのみでは解
決にならない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】よって本発明の目的
は、基体上に非感光性レジスト層および感光性ハロゲン
化銀ゼラチン乳剤層をこの順で設けてなる画像形成材料
において、この基体に剥離型支持体を粘着剤を用いて付
着したことを特徴とする画像形成材料およびそれを用い
た画像形成方法に関し、作業性、生産性、経済性が良好
で、またレーザー走査露光が好適に行える高感度、高解
像力かつ高画質でレジスト性や安定性などに優れる画像
形成材料および画像形成方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の問題
に対して鋭意検討を重ねた結果、次の発明に至った。す
なわち、基体上に非感光性レジスト層および感光性ハロ
ゲン化銀ゼラチン乳剤層をこの順で設けてなる画像形成
材料において、この基体に剥離型支持体を粘着剤によっ
て付着したことを特徴とする画像形成材料の発明であ
る。
【0012】又、上記画像形成材料を画像露光後現像し
て感光性ハロゲン化銀ゼラチン層に銀画像部を形成し、
該銀画像部をエッチングブリーチにより除去し、次いで
露出した非感光性レジスト層を溶出現像して除去し、か
つ場合に応じて基体をエッチングし、さらに場合に応じ
て残存している非感光性レジスト層と感光性ハロゲン化
銀ゼラチン乳剤層を除去することを特徴とする画像形成
方法の発明である。
【0013】本発明を用いれば、画像形成材料の基体面
に粘着剤を用いて剥離用支持体を付着することで、画像
形成材料を補強することができ、良好な作業性、生産性
を得ることができる。また、本発明の画像形成材料を用
いることで高解像力かつ高画質でレジスト性や安定性な
どに優れた画像を得ることができる。さらに、レーザー
走査露光に好適な高感度の画像形成材料を得ることがで
きる。
【0014】以下、本発明を詳しく説明する。本発明に
係わる画像形成材料は基体上にハロゲン化銀ゼラチン乳
剤層をこの順で設けてなる画像形成材料で、この基体に
剥離型支持体を粘着剤によって付着する。本発明に係わ
る粘着剤としては、一般の再剥離型粘着剤を使用するこ
とができる。再剥離型粘着剤としては、ゴム系粘着剤、
アクリル系樹脂粘着剤等のどちらでも使用できる。
【0015】上記粘着剤には、種々の目的で添加剤を混
入することができる。例えば、接着性が強すぎる粘着剤
に長鎖アルキルアクリレート共重合体、長鎖アルキルビ
ニルエーテル共重合体、長鎖アルキルビニルエステル共
重合体、長鎖アルキルアマイド共重合体、長鎖アルキル
アリルエステル共重合体、長鎖アルキルアリルエステル
共重合体、ポリエチレンイミン誘導体、シリコーン樹
脂、弗素樹脂等の剥離剤を混入することにより、剥離性
を適度に発現させ機能させることができる。
【0016】ブロッキング防止用に、あるいは増量、増
粘などの目的で粘着剤に、有機あるいは無機顔料を含有
させることが可能で、例えば、カオリン、焼成カオリ
ン、タルク、ろう石、ケイソウ土、炭酸カルシウム、水
酸化アルミニウム、水酸化マグナシウム、炭酸マグネシ
ウム、酸化チタン、炭酸バリウム、尿素−ホルマリン樹
脂、スチレン等のプラスティックビーズなどが挙げられ
る。
【0017】粘着剤の塗布量は、限定されるものではな
いが、好ましくは0.5〜30g/m2以下、より好ま
しくは、1.0〜20g/m2以下の範囲内である。本
発明の粘着剤の塗液を塗布する方法としては、グラビア
ロールおよびトランスファロールコーター、バーコータ
ー、マルチロールコーター、エアナイフコーター、Uコ
ンマコーター、AKKUコーター、スムージングコータ
ー、マイクログラビアコーター、リバースロールコータ
ー、ブレードコーター、ディップコーター、ロッドコー
ター、キスコーター、ゲートロールコーター、スクイズ
コーター、落下カーテンコーター、スライドコーター、
ダイコーターなど、如何なるコーターを用いてもよい。
【0018】本発明に係わる剥離用支持体としては、グ
ラシン紙、上質紙、アート紙、コーテッド紙、キャスト
紙などの一般紙を用いることができ、木材パルプ、合成
パルプ、填料、サイズ剤、紙力増強剤、染料等、通常抄
紙で用いられる原材料を必要に応じて使用することが可
能である。又、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエ
チレングリコールテレフタレート、ポリアミド、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エバール、ポリメチル
ペンテン等のプラスッチクシート、およびこれらの合成
繊維からなる合成紙や不織布、又はこれらの合成樹脂を
紙に片面、又は両面にラミネートしたラミネート紙、金
属箔、又は金属箔と紙の貼り合わせ品、蒸着紙、ホログ
ラム処理を施した不透明シート、合成樹脂フィルムとの
貼り合わせ品、マイカ紙、ガラスペーパーなども使用可
能である。これらの支持体は無機あるいは有機染顔料、
インク、トナーなどにより印字記録することができる。
【0019】また、基材の厚は、前述の作業性、生産
性、経済性を満たす範囲で決めれば良い。また、用いる
材料により自ずと制限されるが、例えば紙や不織布を利
用した場合は約0.1mmから5mmの範囲が好ましく、ま
た、プラスチックフィルム等の場合は約0.050mmか
ら5mmの範囲が好ましい。
【0020】次に、本発明の画像形成材料について説明
する。本発明の画像形成材料において、基体に特に限定
はない。例えば、紙、およびポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリエステル、エポシキ、ポリイミド、ポリウレ
タン、ナイロンなどのプラスチックあるいはゴムなど、
あるいはその複合されたもの、鉄、アルミニウム、亜
鉛、ニッケル、銅などの金属板あるいは合金板などであ
る。例えば、本発明をプリント配線板の製造に使用する
場合には、基体はプラスチックなどの電気絶縁性材料か
らなる支持層に銅等の導電性材料からなる画像形成層を
設けたような2層以上の構造を有する。支持層としては
上記の基体と同じものを挙げることができる。本発明に
おける画像形成層としては、例えば、銅、アルミニウ
ム、ニッケル、銀、金などの金属層、ITOなどの金属
酸化物薄層、セラミックス絶縁性薄膜を挙げることがで
きる。この層の厚さは、数百オングストローム〜100
μmの範囲であることが好ましい。
【0021】本発明における非感光性レジスト層形成樹
脂としては、感光性ハロゲン化銀ゼラチン乳剤層のエッ
チングブリーチによって形成されるゼラチンレリーフ像
をマスクとして、レジストを溶出現像(溶解・除去)可
能な樹脂であれば、いずれも使用することができる。
【0022】このような樹脂としては、有機溶剤可溶性
樹脂が好ましい。特に、レジストの溶出現像で使用する
溶剤の毒性を低く押さえ、後の洗浄などの工程でレジス
ト残りなどのトラブルを少なくし、さらに最終的にパタ
ーン化されたレジスト除去が必要な場合に用いる脱膜工
程の際に一般的なアルカリ脱膜を行なえるようにするた
めには、アルコール、グリコールエーテルなどの水混和
性極性溶媒可溶性かつアルカリ可溶性の樹脂が好まし
い。
【0023】このような樹脂の代表的なものとしては、
アルカリ可溶性ノボラック樹脂を挙げることができる。
このアルカリ可溶性ノボラック樹脂は、フェノール類と
アルデヒド類とを酸触媒の存在下に付加縮合して合成さ
れる化合物である。フェノール類としては、フェノー
ル、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾー
ル、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p
−エチルフェノール、キシレノール、α−ナフトール、
β−ナフトールなどが使用できる。また、アルデヒド類
としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、
アセトアルデヒドなどが使用できる。酸触媒としては、
シュウ酸、塩酸、硫酸、酢酸、ギ酸などが使用できる。
【0024】アルカリ可溶性ノボラック樹脂以外には、
レゾール樹脂、ビニルフェノール樹脂、もしくはメチル
基、エチル基などの低級アルキル基がベンゼン環又はビ
ニル基に置換したビニルフェノール誘導体の重合体、N
−(p−ヒドロキシフェニル)マレイミドポリマーなど
を例示することができる。さらに、スチレン−無水マレ
イン酸共重合体、ポリビニルヒドロキシベンゾエート、
カルボキシル基含有(メタ)アクリル酸系樹脂などを挙
げることができる。
【0025】特に、フェノール型又はクレゾール型のノ
ボラック樹脂もしくはビニルフェノール樹脂が好まし
い。ノボラック樹脂及びビニルフェノール樹脂は、感光
性ハロゲン化銀ゼラチン乳剤層の現像処理に使用される
pH12以下のアルカリ液に実質的に耐えることがで
き、しかも感光性ハロゲン化銀ゼラチン乳剤層との接着
性を維持することが可能である点で優れている。
【0026】非感光性レジスト層として、カルボキシル
基を含有する樹脂を用いることもできるが、このような
樹脂は一般的なアルカリ性の写真現像液で処理すると、
溶解もしくは部分溶解して感光性ハロゲン化銀ゼラチン
乳剤層が剥離する等の問題を生じる。カルボキシル基を
含有する樹脂を非感光性レジスト層として使用する場合
には、例えば米国特許第3,022,168号明細書に
例示されているような、中性から弱アルカリ性のアスコ
ルビン酸現像液、又は無機金属イオン(2価の鉄イオ
ン、3価のチタンイオン、2価のバナジウムイオンな
ど)を含む酸性現像液を用いることができる。前記の各
樹脂は単独もしくは2種以上を組み合わせて使用して、
非感光性レジスト層を形成することができる。
【0027】非感光性レジスト層を形成するため前記樹
脂を溶解して塗液とするのに適当な溶媒は、アルコール
(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール)、
ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン)、エチレングリコールまたはその
エーテル及びエーテルエステル(例えば、エチルセロソ
ルブ、エチルセロソルブアセテート)、プロピレングリ
コールまたはそのエーテル及びそのエーテルアセテー
ト、酢酸エステル(例えば、酢酸メチル、酢酸エチ
ル)、キシレン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミ
ド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルスルホ
キシド、アセトニトリルなどである。水混和性の溶媒が
好ましく、その一部にアンモニア、アミン類などを併用
してもよい。
【0028】その他に、本発明の非感光性レジスト層の
形成には、解像力を向上させるため、もしくは形成され
る像の視認性を上げるため、染料、顔料等を単独でもし
くは混合して配合することができる。特に、顔料のうち
カーボンブラックは、ハロゲン化銀の感光波長域の全領
域にわたって光吸収性を有するので好ましい。分散染料
なども目的に応じて添加してもよい。さらに、酸化チタ
ンなどの白色顔料も光反射剤として機能し、形成される
像の視認性、解像力の向上に有効であり好ましい。又、
ハロゲン化銀ゼラチン乳剤の写真的安定性を改善するた
めの機能物質、例えばメルカプトヘテロ環化合物なども
添加できる。
【0029】非感光性レジスト層とその上に積層する感
光性ハロゲン化銀ゼラチン乳剤層との接着性を確保する
ことは、本発明を好ましく実施する上で非常に重要であ
る。そのための具体的な方法はいくつかあるが、例え
ば、(1)セルロース誘導体を配合して非感光性レジス
ト層を形成する、(2)ゼラチンなどの親水性高分子化
合物を配合して非感光性レジスト層を形成する、(3)
酸化チタン、シリカなどの極性微粒子を配合して非感光
性レジスト層を形成する、(4)非感光性レジスト層形
成(塗布乾燥)後、その表面にコロナ放電などの表面活
性化処理を行う、(5)写真分野で一般的な中間接着加
工などを施す、などを単独もしくは併用して実施するこ
とにより、良好な接着性を確保することができる。
【0030】その他、支持体上に均一に塗布することが
できるように、塗液には、界面活性剤、可塑剤などを配
合してもよい。通常、塗液は、前記樹脂などの合計固形
分換算で、5〜50%の濃度とすることが好ましい。塗
液の塗布量は、固形分換算で0.5〜20g/m2 程度
であることが好ましい。例えば、ノボラック型フェノー
ル樹脂を用い、銅のエッチングレジストとして実施する
場合、表面の凹凸なども加味して、安定したレジスト性
能を確保する為には、固形分換算で2〜5g/m2 とな
るように均一に塗布することが好ましい。
【0031】塗液は、公知の方法でコーターなどにより
基体上に塗布され乾燥される。板状のスピンコーター、
ディップコート、スプレーコートなどを用いることがで
きる。基体がフィルム状構造体あるいは積層体で適度な
可撓性を有する長尺物である場合には、エアーナイフ、
エクストルージョン、カーテンコートなどを用いること
により、塗液を連続塗布することができる。
【0032】本発明における感光性ハロゲン化銀ゼラチ
ン乳剤層は、そのバインダーとして基本的にゼラチンを
用いるものであるが、その一部を低分子ゼラチン、フタ
ル化ゼラチンなどのゼラチン誘導体、デンプン、アルブ
ミン、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロ
ース、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、ポリビニ
ルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリアク
リルアミド、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリ
ビニルメチルエーテル−無水マレイン酸共重合体などの
親水性高分子バインダーの一種または二種以上で置換す
ることもできる。さらに、ビニル重合体水性分散物(ラ
テックス)を併用することもできる。
【0033】ハロゲン化銀ゼラチン乳剤は、ネガ型の通
常の乳剤、直接ポジ型の乳剤のいずれでも良い。ハロゲ
ン化銀としては、感光材料の製造に通常用いられる塩化
銀、臭化銀、沃化銀またはその混合ハロゲン化銀を使用
できる。特に、硬調で、かつすみやかな現像性を得るた
めには、30モル%以上の塩化銀を有するハロゲン化銀
が好ましい。
【0034】ハロゲン化銀の平均粒子径は約0.03〜
5μmの範囲が好ましいが、特に好ましくは0.1〜1
μmの平均粒子のものが用いられる。この粒子には、適
切な感度になるように、例えば、硫黄増感、還元増感、
Ir、Rh、Pt、Auなどの貴金属の塩による増感な
どの化学増感、増感色素による分光増感をほどこすこと
ができる。分光増感には、画像露光に用いられる光源の
分光波長に対応した分光感度を与える増感色素が選定さ
れる。表面潜像型や内部潜像型の潜像分布をもついずれ
の粒子でもよい。走査型露光に適したハロゲン化銀ゼラ
チン乳剤に用いられる増感色素は、走査型露光光源の発
光波長に吸収領域を有する色素である。
【0035】例えば、米国特許第4,501,811号
明細書、特開昭59−71055号公報、同昭59−7
1056号公報、同昭60−61752号公報、同昭6
0−75838号公報、同昭60−100148号公
報、同昭61−114235号公報、同昭63−477
56号公報などに開示されている、ヘリウム・ネオンレ
ーザー、アルゴンイオンレーザー、半導体レーザー、発
光ダイオードなど用の増感色素を挙げることができる
が、特に限定はされない。感光性ハロゲン化銀ゼラチン
乳剤層には、その他の添加剤、例えば塗布助剤、カブリ
防止剤、硬膜剤、イラジエーション防止色素もしくは顔
料、マット剤、現像主薬など通常の添加剤を含むことが
できる。
【0036】感光性ハロゲン化銀ゼラチン乳剤層の形成
方法としては、一般写真技術分野で採用されている塗布
及び乾燥などの方法はいずれも使用することができる。
ハロゲン化銀ゼラチン乳剤の塗布量は、一般的に、良好
な感光特性と画像形成能とを共に確保し、また現像によ
り形成された銀を触媒としてゼラチンを主体とするバイ
ンダーを破壊し除去するためには、銀量で平方メートル
当り4ミリモル(硝酸銀換算0.5g)程度で十分であ
り、通常、5〜30ミリモル(硝酸銀換算0.85〜
5.1g)程度の範囲内で塗布される。
【0037】皮膜性を維持しつつエッチングブリーチを
効率良く進行させる為には、感光性ハロゲン化銀ゼラチ
ン乳剤層中の硬膜剤の配合量を適切に調節すると共に、
ゼラチンを主体とするバインダーとハロゲン化銀との比
率をある程度の範囲内で保つ必要がある。バインダー
(ゼラチン主体)/硝酸銀換算の銀量は、約1/2〜5
/1の範囲(重量比)であることが好ましい。感光性ハ
ロゲン化銀ゼラチン乳剤層における最適なバインダー量
は2〜5g/m2 の範囲であり、硝酸銀換算で最適な銀
量は0.5〜5g/m2 の範囲である。さらに、感光性
ハロゲン化銀ゼラチン乳剤層の表面には、保護層として
非感光性コロイド層を設けることができる。この層はゼ
ラチン主体の層であり、2g/m2 程度以内であること
が好ましい。
【0038】次に、本発明の画像形成方法について説明
する。本発明における画像露光には、ハロゲン化銀乳剤
感光系における公知の画像露光方法はいずれも採用する
ことができる。すなわち、画像露光方法としては、フォ
トツールを通しての密着露光、投影露光あるいはフラッ
シュ露光などの従来の露光技術を採用することができる
が、レジスト表面へのゴミの付着やフォトツールの損傷
などの問題がなく経済的な、低エネルギーレーザー光も
しくはLEDアレーなどを用いた各種の走査型露光方法
も採用することができる。特に、空冷アルゴンレーザ
ー、ヘリウムネオンレーザー、各種の半導体レーザーを
好ましく利用できる。
【0039】本発明の画像露光において、感光性ハロゲ
ン化銀ゼラチン乳剤層の配合成分を適当に選択すること
により、100mJ/cm2 程度の非常に低い感度から
0.1μJ/cm2 程度の高感度まで設定することがで
き、スペクトル感度的にも、紫外線、可視光線、赤外線
といった光幅射エネルギーのみならず、X線、電子線な
どのエネルギー線も使用することができる。特に、単色
光もしくは平行性の高い光束が利用できて、精度が高く
欠陥の少ない画像露光を行なうことができる。
【0040】本発明における現像には、ハロゲン化銀乳
剤感光系における現像液及びそれによる処理方法はいず
れも採用することができる。すなわち、画像露光した感
光性ハロゲン化銀ゼラチン乳剤層を現像するための現像
液には、通常のハロゲン化銀感光材の現像に用いられて
いる現像液のみならず、グラフィックアーツ分野で使用
されている超硬調現像液(リス現像液、ヒドラジンある
いはそれらの誘導体を使用した造核型硬調現像液)も使
用することができ、又、感光要素中に現像主薬を包含さ
せた場合には、処理液として基本的にアルカリ剤より構
成されるアクチベータ型の現像処理液も使用できる。こ
れには、現像性が良好、安定で、かつ、現像廃液の環境
負荷を低減させることが可能など、トータルシルテムと
して利点が多い。
【0041】更には、現像液中にハロゲン化銀の溶液を
含有させ、現像と定着を同時進行させる一浴現像定着液
の使用も可能である。ノボラック型フェノール樹脂、ポ
リビニルフェノール等のフェノール樹脂類を非感光性レ
ジスト層に用いる場合には、現像液のpHはほぼ12以
下に設定すべきであり、pH9.5〜11.5の範囲と
するのが好ましい。又、前述のごとく、中性から弱アル
カリ性域で現像可能なアスコルビン酸系現像液、酸性域
でも現像可能な無機金属イオン現像液も使用できる。こ
れらの現像液は、一般的な保存性は悪いが、電解還元で
再生できる利点がある。最終的に画像を形成すべき材
料、それに関連して設定される非感光性レジスト層の材
料、ハロゲン化銀ゼラチン乳剤の組成およびトータルの
処理性能等から、好適な現像液が選択される。
【0042】現像液による処理方法については、例え
ば、T. H. James, The Theory of ThePhotographic Pro
cess 4th. Ed., Macmillan Publishing Co., Inc. (197
7) 、あるいは、「写真の化学」、笹井明著、写真工業
出版社(昭和57年3月初版発行)、などに記載されて
いる方法によって好適に行なうことができる。例えば、
保存性に優れ硬調現像が可能でかつ現像性の良い、いわ
ゆるPQ現像液、すなわち、ハイドロキノン及びフェニ
ドンを用い、炭酸ソーダ、亜硫酸ナトリウム及び少量の
臭化カリウムより基本的に構成される現像液を使用した
場合、通常、液温20〜40℃好ましくは25〜35℃
で、10〜120秒間処理することによって行なうこと
ができる。通常この種の現像液のpHは、10.5±
0.5の範囲に入る。現像後、写真処理で一般的なチオ
硫酸塩、水溶性アルミニウム塩などを含む定着剤を使用
する定着処理を行なって、未露光の感光性ハロゲン化銀
ゼラチン乳剤層のハロゲン化銀を除去してもよい。本発
明の方法では特に定着の必要はないが、例えば現像後に
保存もしくは画像検査などを行なう場合には、写真処理
で一般的な停止もしくは定着の処理をすることが好まし
い。
【0043】本発明におけるエッチングブリーチは、感
光性ハロゲン化銀ゼラチン乳剤層において画像露光及び
現像により形成された銀画像部を選択的に除去する工程
である。銀画像部において、銀粒子のため酸化還元反応
によりラジカルが生成し、このラジカルによりゼラチン
が分解され除去されて、画像露光に応じたレリーフ像が
形成される。エッチングブリーチは、具体的には例え
ば、画像露光及び現像後の感光性ハロゲン化銀ゼラチン
乳剤層を、基本的に多価金属イオンと過酸化物とを含む
組成液で処理することによって行なうことができる(例
えば、Modern Photographic Processing Vol.2, John W
iley & Sons (1976) P346 参照)。この組成液は、銀画
像部のエッチングブリーチ液として公知のものであり、
グラフィックアーツの分野では、反転処理、スライド作
成、着色像作成などに一部応用されているものである。
【0044】この多価金属イオンとしては、例えば、2
価の銅イオン、3価の鉄イオン、4価のセリウムイオ
ン、5価のバナジウムイオンを挙げることができる。過
酸化物としては、例えば、過酸化水素あるいは水溶性有
機過酸化物(例えば日本油脂(株)製有機過酸化物)を
挙げることができる。
【0045】特に、2価の銅イオンと過酸化水素とを含
む組成液が、エッチングブリーチ能及び保存安定性の点
で好ましい。約2μmの厚さで塗布した感光性ハロゲン
化銀ゼラチン乳剤層を画像露光し現像した後、この組成
液でエッチングブリーチして形成されたレリーフ像は、
非常にシャープで250本/mm以上の優れた解像力を
示す。この2価の銅イオンを含む組成液は、基本的に、
(1)硫酸銅、塩化第2銅、硝酸銅などの可溶性第2銅
塩と、(2)pH調節を兼ね、2価の銅イオンとキレー
ト化しうる、クエン酸、酢酸、EDTAなどの酸、更
に、反応を促進させるための、可溶性の塩化物や臭化物
などのハロゲン化物の少量とから構成される。過酸化水
素水は、通常、この組成液とは別にストックされ、用時
混合して、エッチングブリーチに供される。両液混合後
は、数日間以内であれば比較的安定で使用が可能である
が、工業的には、これらの液を適宜補充する実用的なシ
ステムにより、エッチングブリーチを円滑に行なえるよ
うにすることが好ましい。
【0046】エッチングブリーチの処理温度は通常20
〜30℃であり、処理時間は10〜120秒間、通常6
0秒間以内で十分なエッチングブリーチが行なえる。処
理後に洗浄を兼ねてブラッシング又は水洗ジェット等に
より分解残渣物を除去することは、後に続くレジスト溶
出現像によって良好なレジスト像を得るために必要なプ
ロセスである。
【0047】なお一般に、ゼラチンレリーフ像を得る方
法としては、前記エッチングブリーチ法以外に、現像主
薬の酸化物を利用してマトリックスを架橋する硬化現像
法、あるいは2官能のカラー発色現像薬を用いて、その
酸化物とカップリング機能を有するバインダーポリマー
との反応、架橋によりレリーフ像を得る方法などが知ら
れている。しかし、これらの方法によって得られるレリ
ーフ像には解像力、エッジ特性などに致命的欠陥がある
ため、これらの欠陥がなく前記利点を持つエッチングブ
リーチが本発明の工程として優れている。
【0048】本発明におけるレジストの溶出現像は、銀
画像部のエッチングブリーチにより形成された残存ハロ
ゲン化銀ゼラチン層より構成されるレリーフ像をマスク
として、露出している非感光性レジスト層を可溶化除去
する工程である。
【0049】具体的には、レジスト溶出現像は、ゼラチ
ン層に対して非膨潤的(非浸透)で、しかも非感光性レ
ジスト層を溶解させる物質で処理することによって行な
う。このような物質としては、例えば、メタノール、エ
タノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール
類、アセトンなどのケトン類、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピ
レングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリ
ン、およびそれらの誘導体、アルカノールアミン等の含
窒素溶剤等の中から選択できる。さらに、「溶剤ポケッ
トブック」(オーム社発行)に記載されている各種の溶
剤も、非感光性レジスト層を構成している材料に応じて
使用することができる。その他、例えばポリエチレンオ
キサイド−ポリプロピレンオキサイドの共重合誘導体類
(日本油脂(株)製ユニルーブ)は、安全性も高く好適
である。これらの物質は、その揮発性、有害性、危険性
等も加味して、沸点が少なくとも150℃以上、引火点
が50℃以上、かつ水混和性の溶剤を主体とするものが
好ましい。これらは、通常、単独で使用するよりも、2
〜3種のものを組み合せて使用するのが実用的である。
【0050】前記物質には助剤を併用してもよく、この
ような助剤としては、水洗時のレジスト再析出及び付着
防止のため、例えば、銅金属表面と強く相互作用しブロ
ック効果を有する界面活性剤、シランカプリング剤、金
属表面処理剤を使用することができる。金属表面処理剤
の例としては、窒素、イオウを含むヘテロ環化合物、メ
ルカプト化合物を挙げることができる。前記物質にはそ
の他に、長いランニング期間中においても腐敗したりす
ることのないように、防腐剤を一部配合してもよい。
【0051】レジスト溶出現像の処理方法としては、通
常、20〜35℃の処理温度で、5秒間から長くても1
20秒間程度で好適に実施できる。エッチングブリーチ
した画像形成材料に前記物質を瞬間的に接触させた後、
ブラッシングもしくは水流ジェットによって、合計10
〜30秒間程度の迅速な処理も可能である。
【0052】更に場合に応じて、レジスト溶出現像によ
り露出した画像形成層をエッチングして除去する。画像
形成層のエッチングは、画像形成層を構成する材料に応
じて、公知のエッチング液、エッチング方法の中から選
択できる。
【0053】例えば、本発明の一態様である支持体上に
銅を積層した画像形成層の場合には、公知の銅のエッチ
ング液を使用して好適に行なうことができる。具体的に
は、「多層プリント回路ハンドブック」、J.A.スカ
ーレット編、島田良巳訳、近代科学社(1992年発
行)、「フォトエッチングと微細加工」、楢岡清威、二
瓶公志共著、総合電子出版社(昭和52年5月第1版発
行)、そのほか多くの成書に紹介されている、塩化第2
鉄、塩化第2銅、過硫酸アンモニウム、過酸化水素等が
使用できる。画像形成層がアルミニウムの場合には、例
えば、リン酸、硝酸及び酢酸を含む混合組成液でエッチ
ングできる。クロム膜の場合には、赤血塩含有組成液又
は硝酸第2セリウムと過酸化水素とを含む組成液を使用
することができる。
【0054】本発明を例えばプリント配線板の製造に応
用する場合には、画像形成層をエッチング処理した後の
非感光性レジスト層及び感光性ハロゲン化銀ゼラチン乳
剤層を除去しても良い。これは、感光性ハロゲン化銀ゼ
ラチン乳剤層と非感光性レジスト層をアルカリ液で処理
して脱膜させる工程である。アルカリ液としては、pH
12以上の水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのア
ルカリ金属の水溶液が好適に使用できる。非感光性レジ
ストは残存させ、感光性ハロゲン化銀ゼラチン乳剤層の
み除去する方法も可能である。例えばペプシンなどの酵
素を作用させて分解除去する方法も可能である。又、別
の方法では、前記のレジスト溶剤と水との適度な比率の
混合液で処理することにより達成できる。
【0055】本発明において、剥離用支持体は、これま
でに述べてた工程のどの段階において画像形成材料から
剥離しても差し支えない。すなわち、画像露光後、ハロ
ゲン化銀ゼラチン乳剤層の現像後、銀画像部のエッチン
グブリーチ後、非感光性レジスト層をレジスト溶出現像
後、画像形成層のエッチング後、あるいは残存感光性ハ
ロゲン化銀ゼラチン乳剤層と非感光性レジスト層の除去
後など、どの工程の後でも剥離可能であるが、できるだ
け最後の工程まで剥離用支持体を画像形成材料と一体化
しておいた方が、作業性が向上し、好ましい。
【0056】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本実施例により本発明が制限して解釈される
べきではない。
【0057】実施例1 50μmのポリエステルフィルム上に画像形成層として
18μm厚の圧延銅箔を貼り合せた片面銅張り積層板を
基体として用いた。剥離用支持体として、セルロース繊
維からなる厚さ約150μmの紙の両側を厚さ12μm
になるようポリエチレンを溶融ラミネートした写真印画
紙用原紙を用い、剥離用支持体にアクリル系粘着剤(コ
ニシ製、ボンドCE753)を12g/m2 になるよう
にオフセットグラビアコーターで塗布、乾燥後、その上
に上記の基体のポリエステルフィルム面を重ね合わせ
て、剥離用支持体と基体を一体化した。次に基体の銅表
面上に、下記に示す非感光性レジスト液を塗布した。 非感光性レジスト液の組成 ノボラック型フェノール樹脂(住友デュレズ(株)製スミライトレジン) 10g p−ポリビニルフェノール樹脂(丸善石油化学(株)製) 3g 1−メトキシ−2−プロパノール 80g 塗布は0.90ミルのステンレスワイヤーを巻いたロッ
ドを用いて行なった。塗布量はウエット実測で21g/
2 で、乾燥後の樹脂厚は約3μmであった。乾燥後、
100℃で10分間キュアリングした。
【0058】次に、下記組成のハロゲン化銀ゼラチン乳
剤を、そのウエット塗布重量が35g/m2 になるよう
に、エアーナイフ型コーターを用いて連続的に均一に塗
布し、45℃の乾燥空気で乾燥した。ハロゲン化銀ゼラ
チン乳剤は塩化銀を95モル%、臭化銀を4モル%及び
沃化銀を1モル%相当量含有するいわゆる塩臭沃化銀乳
剤で、平均粒子サイズは0.33μmでオルソクロマテ
ィクに増感されたものを用いた。乳剤1Kg当りゼラチ
ンを60g、ハロゲン化銀を0.36モル含有してお
り、又、乳剤1Kg当りグリオキザールの1%水溶液3
0mlとホルマリンの10%水溶液5mlとを加えた。
乳剤塗布、乾燥後は、40℃、65%RHで1夜加温し
た。
【0059】このようにして得られた画像形成材料を用
い、順次、以下に示す操作及び処理を行って銅プリント
配線板を作製した。
【0060】〈露光〉タングステンランプを光源とする
真空密着プリンター(大日本スクリーン(株)製P−6
15−D)にて解像力チャートを密着焼付けし、潜像を
形成した。他の試料に、フォトツール作成用フォトプロ
ッター(感度488nmの空冷アルゴンレーザー使用)
(サイテックス社製レスポンス−280)にて、プリン
ト回路パターンをリスフィルムに露光するのと同じ様
に、5〜10μJ/cm2 相当露光で直接露光し、潜像
を形成した。
【0061】〈現像〉続いて、下記に示す現像液で現像
した。現像液の温度は25℃で、現像は20秒間実施し
た。 現像液の組成 水 700ml 無水亜硫酸ナトリウム 45g ハイドロキノン 12g フェニドン 1g 炭酸ナトリウム(1水塩) 80g 臭化カリウム 2g 水を加えて 1000mlとした。 この現像液を水で(1:1)に希釈して用いた。使用時
の液のpHは10.3であった。
【0062】〈エッチングブリーチ〉ゴムロールにてス
クイーズ後、ただちに下記に示すエッチングブリーチ液
に浸漬した。 エッチングブリーチ液の組成 A液 水 750ml 硫酸銅 120.0g クエン酸 150.0g 臭化カリウム 7.5g 水を加えて 1000mlとした。 B液 3%過酸化水素水 1000ml A液とB液を等量(各500ml)混合して使用液とし
た。液の温度を23℃とした。この使用液に浸漬して、
約10秒後には露光され現像された黒化銀部位(銀画像
部)が溶解し、剥離しはじめたが、合計30秒間浸漬し
た。水流ジェットで洗浄しローラースクイーズ後、乾燥
した。
【0063】〈レジスト溶出現像〉次に、レジスト溶出
現像を行った。下記組成液に23℃で5秒間浸漬し、水
流ジェットで洗浄した。 レジスト溶出現像液の組成 ポリエーテル系合成油 80g エタノール 20g モノエタノールアミン 5g このようにして非感光性レジスト層がレジスト溶出現像
され、露光・現像・エッチングブリーチされた部位の非
感光性レジスト層が除去された当該部に銅が露出した。
レジストの画像特性を評価する為に、ここで一部の試料
を乾燥した。
【0064】〈銅エッチング〉続いて、試料をエッチン
グ浴に移して銅エッチングした。エッチングは試験的に
組んだスプレー式エッチング槽において行った。エッチ
ング液は、塩化第2鉄を主成分とするプリント基板用エ
ッチング液(サンハトヤ(株)製H−1000A)を用
いた。スプレー液温は45℃とし、ブランクとして実施
した18μm銅張り積層板のエッチング最低時間が40
秒であったので、銅エッチングはその1.5倍の60秒
間実施した。
【0065】〈脱膜〉引き続いて、水洗後、25℃で
0.1規定のカセイソーダの液に10秒間浸漬し、残存
している非感光性レジスト層及び感光性ハロゲン化銀ゼ
ラチン乳剤層を剥離させた。十分に水洗し、ゴムロール
でスクイーズした後に乾燥した。ポリエステルフィルム
支持体上に、きれいな銅のパターンが形成されていた。
【0066】〈剥離〉次に、基体から剥離用支持体を剥
離した。基体と剥離用支持体は軽い力で簡単に剥離でき
た。実施例1で使用した剥離用支持体を有する基体で
は、上記の各工程を行うにあたって、基体の折れ曲がり
等の欠陥はみられなかった。
【0067】〈評価〉顕微鏡にて観察したところ、ピン
ホール、エッチピット等の欠陥の発生は見られなかっ
た。解像力チャートの密着像を評価したところ、銅エッ
チング前の段階で採取したレジスト像では、100本/
mmの像が明確に形成されていた。又、アルゴンレーザ
ー露光で実施した回路配線パターンからは、18μm厚
の銅箔を用いた場合に、30μmのライン&スペースが
回路パターンとして可能であることを確認した。支持体
の折れに起因する回路配線の欠陥は認められなかった。
【0068】比較例1 実施例1において、剥離用支持体と粘着剤を用いない以
外は同様にして画像形成材料を作製した。露光、現像、
レジスト溶出現像処理、ゼラチン層除去、水洗を行った
が、現像工程において画像形成材料に折れ曲がりが生
じ、また画像の一部が引っかき傷により欠落した。
【0069】
【発明の効果】本発明の画像形成材料とその製造方法お
よび、これらを用いた画像形成方法を使用することで、
作業性、生産性、経済性が良好で、またレーザー走査露
光が好適に行える高感度、高解像力かつ高画質でレジス
ト性や安定性などに優れる画像形成材料およびそれを用
いた画像形成方法を得ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に非感光性レジスト層および感光
    性ハロゲン化銀ゼラチン乳剤層をこの順で設けてなる画
    像形成材料において、該基体に剥離型支持体を粘着剤に
    よって付着したことを特徴とする画像形成材料。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の画像形成材料を画像露光
    後現像して感光性ハロゲン化銀ゼラチン層に銀画像部を
    形成し、該銀画像部をエッチングブリーチにより除去
    し、次いで露出した非感光性レジスト層を除去し、かつ
    場合に応じて基体をエッチングし、さらに場合に応じて
    残存している非感光性レジスト層と感光性ハロゲン化銀
    ゼラチン乳剤層を除去することを特徴とする画像形成方
    法。
  3. 【請求項3】 画像露光をレーザー走査露光により行う
    請求項2記載の画像形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010043358A (ja) * 2002-07-12 2010-02-25 Fujimori Kogyo Co Ltd 電磁波シールド材の製造方法

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