JPH07133723A - 直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室 - Google Patents
直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室Info
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 排気中の黒煙とハイドロカーボンとを低減す
る。 【構成】 略中心部に突出した多孔式燃料噴射ノズル７
の噴孔からキャビティ１１の内周壁面９に向けて高圧燃
料が噴射される燃焼室において、キャビティ１１の内周
壁面９からキャビティ１１中心部に向けて突出する複数
のアーム１２を多孔式燃料噴射ノズル７の噴孔と相対す
るように配設し、該アーム１２の先端に前記噴孔から噴
射される燃料の噴出方向に略直交する面を有する干渉板
１３を設けた構成としている。 【効果】 干渉板１３が燃料の進路を妨害して拡散させ
空気との混合を促進し、燃料を加熱して気化を促進す
る。
る。 【構成】 略中心部に突出した多孔式燃料噴射ノズル７
の噴孔からキャビティ１１の内周壁面９に向けて高圧燃
料が噴射される燃焼室において、キャビティ１１の内周
壁面９からキャビティ１１中心部に向けて突出する複数
のアーム１２を多孔式燃料噴射ノズル７の噴孔と相対す
るように配設し、該アーム１２の先端に前記噴孔から噴
射される燃料の噴出方向に略直交する面を有する干渉板
１３を設けた構成としている。 【効果】 干渉板１３が燃料の進路を妨害して拡散させ
空気との混合を促進し、燃料を加熱して気化を促進す
る。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、直接噴射式ディーゼル
エンジンの燃焼室に関するものである。
エンジンの燃焼室に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】図１９は従来の直接噴射式ディーゼルエ
ンジンの燃焼室の一例であり、図中、１はシリンダブロ
ック、２はシリンダブロック１に嵌合された中空円筒状
のシリンダライナ、３は図示していないクランクシャフ
トにコネクチングロッド４を介して接続され前記クラン
クシャフトの回転に伴って前記のシリンダライナ２内を
上下方向へ往復移動するピストン、５は前記ピストン３
の外周に嵌合されピストン３の往復移動時に前記のシリ
ンダライナ２内面を摺動するピストンリング、６は前記
シリンダブロック１の上面に取り付けられたシリンダヘ
ッド、７はシリンダヘッド６内に配設された多孔式燃料
噴射ノズルである。
ンジンの燃焼室の一例であり、図中、１はシリンダブロ
ック、２はシリンダブロック１に嵌合された中空円筒状
のシリンダライナ、３は図示していないクランクシャフ
トにコネクチングロッド４を介して接続され前記クラン
クシャフトの回転に伴って前記のシリンダライナ２内を
上下方向へ往復移動するピストン、５は前記ピストン３
の外周に嵌合されピストン３の往復移動時に前記のシリ
ンダライナ２内面を摺動するピストンリング、６は前記
シリンダブロック１の上面に取り付けられたシリンダヘ
ッド、７はシリンダヘッド６内に配設された多孔式燃料
噴射ノズルである。
【０００３】前記ピストン３上面の中央部には、ピスト
ン３上面に開口する開口部８から下方へ向かって直径が
漸増し、さらに所定高さ以下では該直径が漸減する所定
の曲面を有する内周壁面９と、中央部が凸状に形成され
且つ周辺部が前記内周壁面９の下部になだらかな曲面を
もって連続する底部１０とによりキャビティ１１を形成
するリエントラント形の燃焼室が設けられている。
ン３上面に開口する開口部８から下方へ向かって直径が
漸増し、さらに所定高さ以下では該直径が漸減する所定
の曲面を有する内周壁面９と、中央部が凸状に形成され
且つ周辺部が前記内周壁面９の下部になだらかな曲面を
もって連続する底部１０とによりキャビティ１１を形成
するリエントラント形の燃焼室が設けられている。
【０００４】上記の直接噴射式ディーゼルエンジンで
は、ピストン３が略上死点まで上昇すると、多孔式燃料
噴射ノズル７の複数の噴孔から燃料がキャビティ１１の
内周壁面９に向けてやや斜め下方に放射状に噴射され、
噴射された燃料は霧状になって前記内周壁面９に衝突し
て着火し、燃焼する。
は、ピストン３が略上死点まで上昇すると、多孔式燃料
噴射ノズル７の複数の噴孔から燃料がキャビティ１１の
内周壁面９に向けてやや斜め下方に放射状に噴射され、
噴射された燃料は霧状になって前記内周壁面９に衝突し
て着火し、燃焼する。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ような直接噴射式ディーゼルエンジンでは、多孔式燃料
噴射ノズル７から燃焼室内に噴射される燃料に対するキ
ャビティ１１の内周壁面９による加熱温度が低いと燃料
の気化作用が十分に行なわれないため排気中にハイドロ
カーボン（ＨＣ）が多くなる。また、前記の燃料と吸入
空気との混合が不十分であると排気中の黒煙が多くなる
という問題があった。
ような直接噴射式ディーゼルエンジンでは、多孔式燃料
噴射ノズル７から燃焼室内に噴射される燃料に対するキ
ャビティ１１の内周壁面９による加熱温度が低いと燃料
の気化作用が十分に行なわれないため排気中にハイドロ
カーボン（ＨＣ）が多くなる。また、前記の燃料と吸入
空気との混合が不十分であると排気中の黒煙が多くなる
という問題があった。
【０００６】本発明は、前述の実情に鑑み、燃焼室内に
噴射される燃料の直進を阻害し得る障害物を適宜設ける
ことにより、燃料に対する加熱作用と燃料と空気の混合
状態とを促進し得る直接噴射式ディーゼルエンジンの燃
焼室を提供することを目的としてなしたものである。
噴射される燃料の直進を阻害し得る障害物を適宜設ける
ことにより、燃料に対する加熱作用と燃料と空気の混合
状態とを促進し得る直接噴射式ディーゼルエンジンの燃
焼室を提供することを目的としてなしたものである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】第１の発明は、略中心部
に突出した多孔式燃料噴射ノズルの噴孔からキャビティ
の内周壁面に向けて高圧燃料が噴射される直接噴射式デ
ィーゼルエンジンの燃焼室において、キャビティの内周
壁面からキャビティ中心部に向けて突出する複数のアー
ムを多孔式燃料噴射ノズルの噴孔と相対するように配設
し、該アームの先端に前記噴孔から噴射される燃料の噴
出方向に略直交する面を有する干渉板を設けた構成とし
ている。
に突出した多孔式燃料噴射ノズルの噴孔からキャビティ
の内周壁面に向けて高圧燃料が噴射される直接噴射式デ
ィーゼルエンジンの燃焼室において、キャビティの内周
壁面からキャビティ中心部に向けて突出する複数のアー
ムを多孔式燃料噴射ノズルの噴孔と相対するように配設
し、該アームの先端に前記噴孔から噴射される燃料の噴
出方向に略直交する面を有する干渉板を設けた構成とし
ている。
【０００８】第２の発明は、略中心部に突出した多孔式
燃料噴射ノズルの噴孔からキャビティの内周壁面に向け
て高圧燃料が噴射される直接噴射式ディーゼルエンジン
の燃焼室において、上端部が前記多孔式燃料噴射ノズル
から噴射される燃料の略噴霧中心に達する高さを有する
円筒形状の障壁をキャビティの底部に立設した構成とし
ている。
燃料噴射ノズルの噴孔からキャビティの内周壁面に向け
て高圧燃料が噴射される直接噴射式ディーゼルエンジン
の燃焼室において、上端部が前記多孔式燃料噴射ノズル
から噴射される燃料の略噴霧中心に達する高さを有する
円筒形状の障壁をキャビティの底部に立設した構成とし
ている。
【０００９】第３の発明は、略中心部に突出した多孔式
燃料噴射ノズルの噴孔からキャビティの内周壁面に向け
て高圧燃料が噴射される直接噴射式ディーゼルエンジン
の燃焼室において、前記多孔式燃料噴射ノズルの噴孔と
相対する各高さ位置に少なくとも１個以上の透孔を配設
した円筒形状の障壁をキャビティの底部に立設した構成
としている。
燃料噴射ノズルの噴孔からキャビティの内周壁面に向け
て高圧燃料が噴射される直接噴射式ディーゼルエンジン
の燃焼室において、前記多孔式燃料噴射ノズルの噴孔と
相対する各高さ位置に少なくとも１個以上の透孔を配設
した円筒形状の障壁をキャビティの底部に立設した構成
としている。
【００１０】
【作用】従って、第１の発明では、多孔式燃料噴射ノズ
ルの噴孔に相対するように設けた干渉板が前記噴孔から
噴射される霧状の燃料の進路を妨害して該燃料を拡散さ
せ空気との混合を促進させる。また、干渉板はピストン
に比べてより高い温度に昇温するので該干渉板に衝突す
る燃料の気化を促進する。
ルの噴孔に相対するように設けた干渉板が前記噴孔から
噴射される霧状の燃料の進路を妨害して該燃料を拡散さ
せ空気との混合を促進させる。また、干渉板はピストン
に比べてより高い温度に昇温するので該干渉板に衝突す
る燃料の気化を促進する。
【００１１】第２の発明では、キャビティの底部に立設
した障壁が多孔式燃料噴射ノズルの噴孔から噴射される
霧状の燃料の下半分を遮断して拡散させ、且つ上半分に
乱流を起こさせて攪拌し空気との混合を促進させる。ま
た、障壁はピストンに比べてより高い温度に昇温するの
で該障壁に衝突する燃料の気化を促進する。
した障壁が多孔式燃料噴射ノズルの噴孔から噴射される
霧状の燃料の下半分を遮断して拡散させ、且つ上半分に
乱流を起こさせて攪拌し空気との混合を促進させる。ま
た、障壁はピストンに比べてより高い温度に昇温するの
で該障壁に衝突する燃料の気化を促進する。
【００１２】第３の発明では、キャビティの底部に立設
した障壁が多孔式燃料噴射ノズルの噴孔から噴射される
霧状の燃料を遮断して拡散させ、且つ透孔を通過した燃
料の一部に乱流を起こさせて攪拌し空気との混合を促進
させる。また、障壁はピストンに比べてより高い温度に
昇温するので該障壁に衝突する燃料の気化を促進する。
した障壁が多孔式燃料噴射ノズルの噴孔から噴射される
霧状の燃料を遮断して拡散させ、且つ透孔を通過した燃
料の一部に乱流を起こさせて攪拌し空気との混合を促進
させる。また、障壁はピストンに比べてより高い温度に
昇温するので該障壁に衝突する燃料の気化を促進する。
【００１３】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説
明する。
明する。
【００１４】図１は第１の発明の直接噴射式ディーゼル
エンジンの燃焼室の一実施例の概略を表す断面図、図２
は図１のＩＩ−ＩＩ矢視図、図３は図１のＩＩＩ−ＩＩ
Ｉ矢視図である。図中、図１９と同じものには同じ符号
を付すことにより説明を省略する。
エンジンの燃焼室の一実施例の概略を表す断面図、図２
は図１のＩＩ−ＩＩ矢視図、図３は図１のＩＩＩ−ＩＩ
Ｉ矢視図である。図中、図１９と同じものには同じ符号
を付すことにより説明を省略する。
【００１５】本実施例では、キャビティ１１の内周壁面
９からキャビティ１１の中心部に向けて突出する多孔式
燃料噴射ノズル７の噴孔数と同数（図示の例では４個）
のアーム１２を多孔式燃料噴射ノズル７の噴孔と相対す
るように配設し、該アーム１２の先端に前記の噴孔から
噴射される燃料の噴出方向に略直交する面を有する干渉
板１３を設けている。該干渉板１３は図３に示すように
十字形形状を有している。
９からキャビティ１１の中心部に向けて突出する多孔式
燃料噴射ノズル７の噴孔数と同数（図示の例では４個）
のアーム１２を多孔式燃料噴射ノズル７の噴孔と相対す
るように配設し、該アーム１２の先端に前記の噴孔から
噴射される燃料の噴出方向に略直交する面を有する干渉
板１３を設けている。該干渉板１３は図３に示すように
十字形形状を有している。
【００１６】次に作動について説明する。ピストン３が
略上死点まで上昇すると、多孔式燃料噴射ノズル７の複
数の噴孔から燃料がキャビティ１１の内周壁面９に向け
てやや斜め下方に放射状に噴射され、噴射された燃料は
霧状になって前記内周壁面９に衝突して着火し、燃焼す
る。
略上死点まで上昇すると、多孔式燃料噴射ノズル７の複
数の噴孔から燃料がキャビティ１１の内周壁面９に向け
てやや斜め下方に放射状に噴射され、噴射された燃料は
霧状になって前記内周壁面９に衝突して着火し、燃焼す
る。
【００１７】このとき、多孔式燃料噴射ノズル７の噴孔
から噴射された霧状の燃料の大部分は、干渉板１３に衝
突して拡散し空気とよく混合する。また、干渉板１３は
ピストン３に比べてより高い温度に昇温するので、該干
渉板１３に衝突する燃料の気化が促進される。
から噴射された霧状の燃料の大部分は、干渉板１３に衝
突して拡散し空気とよく混合する。また、干渉板１３は
ピストン３に比べてより高い温度に昇温するので、該干
渉板１３に衝突する燃料の気化が促進される。
【００１８】図４ないし図７は、干渉板１３の他の実施
例の各形状を示すものであり、図４はＸ字形状の干渉板
１３、図５は円形内に６本のクロス材を配した形状の干
渉板１３、図６はＩ字形状の干渉板１３、図７は縦材に
３本の横材を組合せた形状の干渉板１３である。各干渉
板１３の作動及び効果については、前述の一実施例と異
なるところがないので以下の説明を省略する。
例の各形状を示すものであり、図４はＸ字形状の干渉板
１３、図５は円形内に６本のクロス材を配した形状の干
渉板１３、図６はＩ字形状の干渉板１３、図７は縦材に
３本の横材を組合せた形状の干渉板１３である。各干渉
板１３の作動及び効果については、前述の一実施例と異
なるところがないので以下の説明を省略する。
【００１９】前記によれば、キャビティ１１内に噴射さ
れる燃料の進路を妨害し且つ昇温させ得る干渉板１３を
キャビティ１１内に設けたので、燃料と空気との混合を
促進し得られ排気中の黒煙を削減でき、燃料の気化を促
進し得られハイドロカーボンの低減を図り得る。
れる燃料の進路を妨害し且つ昇温させ得る干渉板１３を
キャビティ１１内に設けたので、燃料と空気との混合を
促進し得られ排気中の黒煙を削減でき、燃料の気化を促
進し得られハイドロカーボンの低減を図り得る。
【００２０】図８は第２の発明の直接噴射式ディーゼル
エンジンの燃焼室の一実施例の概略を表す断面図、図９
は図８のＩＸ−ＩＸ矢視図である。図中、図１９と同じ
ものには同じ符号を付すことにより説明を省略する。
エンジンの燃焼室の一実施例の概略を表す断面図、図９
は図８のＩＸ−ＩＸ矢視図である。図中、図１９と同じ
ものには同じ符号を付すことにより説明を省略する。
【００２１】本実施例では、上端部が多孔式燃料噴射ノ
ズル７から噴射される燃料の略噴霧中心に達する高さを
有する円筒形状の障壁１４をキャビティ１１の底部にキ
ャビティ１１と同心的に立設する。
ズル７から噴射される燃料の略噴霧中心に達する高さを
有する円筒形状の障壁１４をキャビティ１１の底部にキ
ャビティ１１と同心的に立設する。
【００２２】次に作動について説明する。ピストン３が
略上死点まで上昇すると、多孔式燃料噴射ノズル７の複
数の噴孔から燃料がキャビティ１１の内周壁面９に向け
てやや斜め下方に放射状に噴射され、噴射された燃料は
霧状になって前記内周壁面９に衝突して着火し、燃焼す
る。
略上死点まで上昇すると、多孔式燃料噴射ノズル７の複
数の噴孔から燃料がキャビティ１１の内周壁面９に向け
てやや斜め下方に放射状に噴射され、噴射された燃料は
霧状になって前記内周壁面９に衝突して着火し、燃焼す
る。
【００２３】このとき、多孔式燃料噴射ノズル７の噴孔
から噴射された霧状の燃料の下半分は障壁１４に衝突
し、上半分は障壁１４の上端を迂回し乱流を起こして拡
散し空気とよく混合する。また、障壁１４はピストン３
に比べてより高い温度に昇温するので、該障壁１４に衝
突する燃料の気化が促進される。
から噴射された霧状の燃料の下半分は障壁１４に衝突
し、上半分は障壁１４の上端を迂回し乱流を起こして拡
散し空気とよく混合する。また、障壁１４はピストン３
に比べてより高い温度に昇温するので、該障壁１４に衝
突する燃料の気化が促進される。
【００２４】前記によれば、キャビティ１１内に噴射さ
れる燃料の進路を妨害し且つ昇温させ得る障壁１４をキ
ャビティ１１内に設けたので、燃料と空気との混合を促
進し得られ排気中の黒煙を削減でき、燃料の気化を促進
し得られハイドロカーボンの低減を図り得る。
れる燃料の進路を妨害し且つ昇温させ得る障壁１４をキ
ャビティ１１内に設けたので、燃料と空気との混合を促
進し得られ排気中の黒煙を削減でき、燃料の気化を促進
し得られハイドロカーボンの低減を図り得る。
【００２５】図１０は第３の発明の直接噴射式ディーゼ
ルエンジンの燃焼室の一実施例の概略を表す断面図、図
１１は図１０のＸＩ−ＸＩ矢視図、図１２は図１０のＸ
ＩＩ−ＸＩＩ矢視図である。図中、図１９と同じものに
は同じ符号を付すことにより説明を省略する。
ルエンジンの燃焼室の一実施例の概略を表す断面図、図
１１は図１０のＸＩ−ＸＩ矢視図、図１２は図１０のＸ
ＩＩ−ＸＩＩ矢視図である。図中、図１９と同じものに
は同じ符号を付すことにより説明を省略する。
【００２６】本実施例では、所定の高さを有する円筒形
状の障壁１５をキャビティ１１の底部にキャビティ１１
と同心的に立設し、該障壁１５の多孔式燃料噴射ノズル
７の複数の噴孔（図示の例では４個）と相対する各高さ
位置に円形の透孔１６を各１個づつ配設する。
状の障壁１５をキャビティ１１の底部にキャビティ１１
と同心的に立設し、該障壁１５の多孔式燃料噴射ノズル
７の複数の噴孔（図示の例では４個）と相対する各高さ
位置に円形の透孔１６を各１個づつ配設する。
【００２７】次に作動について説明する。ピストン３が
略上死点まで上昇すると、多孔式燃料噴射ノズル７の複
数の噴孔から燃料がキャビティ１１の内周壁面９に向け
てやや斜め下方に放射状に噴射され、噴射された燃料は
霧状になって前記内周壁面９に衝突して着火し、燃焼す
る。
略上死点まで上昇すると、多孔式燃料噴射ノズル７の複
数の噴孔から燃料がキャビティ１１の内周壁面９に向け
てやや斜め下方に放射状に噴射され、噴射された燃料は
霧状になって前記内周壁面９に衝突して着火し、燃焼す
る。
【００２８】このとき、多孔式燃料噴射ノズル７の噴孔
から噴射された霧状の燃料の大部分は、障壁１５に衝突
して拡散し、且つ透孔１６を通過した前記燃料の一部は
乱流を起して攪乱し、全ての燃料と空気とがよく混合す
る。また、障壁１５はピストン３に比べてより高い温度
に昇温するので、該障壁１５に衝突する燃料の気化が促
進される。
から噴射された霧状の燃料の大部分は、障壁１５に衝突
して拡散し、且つ透孔１６を通過した前記燃料の一部は
乱流を起して攪乱し、全ての燃料と空気とがよく混合す
る。また、障壁１５はピストン３に比べてより高い温度
に昇温するので、該障壁１５に衝突する燃料の気化が促
進される。
【００２９】図１３ないし図１８は、透孔１６の他の実
施例の各形状及び配置を示すものであり、図１３は１箇
所に４個の丸小孔を正方形に配設した形状の透孔１６、
図１４は１箇所に４個の丸小孔を菱形に配設した形状の
透孔１６、図１５は１箇所に４個の角小孔を正方形に配
設した形状の透孔１６、図１６は１箇所に４個の角小孔
を菱形に配設した形状の透孔１６、図１７は１箇所に４
個の三角小孔を菱形に配設した形状の透孔、図１８は１
箇所に６個の三角小孔を円形に配設した形状の透孔１６
である。各透孔１６の作動及び効果については、前述の
一実施例と異なるところがないので以下の説明を省略す
る。
施例の各形状及び配置を示すものであり、図１３は１箇
所に４個の丸小孔を正方形に配設した形状の透孔１６、
図１４は１箇所に４個の丸小孔を菱形に配設した形状の
透孔１６、図１５は１箇所に４個の角小孔を正方形に配
設した形状の透孔１６、図１６は１箇所に４個の角小孔
を菱形に配設した形状の透孔１６、図１７は１箇所に４
個の三角小孔を菱形に配設した形状の透孔、図１８は１
箇所に６個の三角小孔を円形に配設した形状の透孔１６
である。各透孔１６の作動及び効果については、前述の
一実施例と異なるところがないので以下の説明を省略す
る。
【００３０】前記によれば、キャビティ１１内に噴射さ
れる燃料の進路を妨害し且つ昇温させ得る透孔１６付き
の障壁１５をキャビティ１１内に設けたので、燃料と空
気との混合を促進し得られ排気中の黒煙を削減でき、燃
料の気化を促進し得られハイドロカーボンの低減を図り
得る。
れる燃料の進路を妨害し且つ昇温させ得る透孔１６付き
の障壁１５をキャビティ１１内に設けたので、燃料と空
気との混合を促進し得られ排気中の黒煙を削減でき、燃
料の気化を促進し得られハイドロカーボンの低減を図り
得る。
【００３１】なお、本発明は前述の実施例にのみ限定さ
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内に
おいて種々変更を加え得ることは勿論である。
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内に
おいて種々変更を加え得ることは勿論である。
【００３２】
【発明の効果】本発明の直接噴射式ディーゼルエンジン
の燃焼室によれば、下記のごとき種々の優れた効果を奏
し得る。
の燃焼室によれば、下記のごとき種々の優れた効果を奏
し得る。
【００３３】Ｉ）燃料と空気との混合が促進されるので
排気中の黒煙が低減する。
排気中の黒煙が低減する。
【００３４】ＩＩ）燃料の気化作用が促進されるので排
気中のハイドロカーボン（ＨＣ）が低減する。
気中のハイドロカーボン（ＨＣ）が低減する。
【図１】第１の発明の直接噴射式ディーゼルエンジンの
燃焼室の一実施例の概略を表す断面図である。
燃焼室の一実施例の概略を表す断面図である。
【図２】図１のＩＩ−ＩＩ矢視図である。
【図３】図１のＩＩＩ−ＩＩＩ矢視図（干渉板の正面
図）である。
図）である。
【図４】図１に関連する干渉板の他の実施例の正面図で
ある。
ある。
【図５】図１に関連する干渉板の他の実施例の正面図で
ある。
ある。
【図６】図１に関連する干渉板の他の実施例の正面図で
ある。
ある。
【図７】図１に関連する干渉板の他の実施例の正面図で
ある。
ある。
【図８】第２の発明の直接噴射式ディーゼルエンジンの
燃焼室の一実施例の概略を表す断面図である。
燃焼室の一実施例の概略を表す断面図である。
【図９】図８のＩＸ−ＩＸ矢視図である。
【図１０】第３の発明の直接噴射式ディーゼルエンジン
の燃焼室の一実施例の概略を表す断面図である。
の燃焼室の一実施例の概略を表す断面図である。
【図１１】図１０のＸＩ−ＸＩ矢視図である。
【図１２】図１０のＸＩＩ−ＸＩＩ矢視図である。
【図１３】図１０に関連する透孔の他の実施例の正面図
である。
である。
【図１４】図１０に関連する透孔の他の実施例の正面図
である。
である。
【図１５】図１０に関連する透孔の他の実施例の正面図
である。
である。
【図１６】図１０に関連する透孔の他の実施例の正面図
である。
である。
【図１７】図１０に関連する透孔の他の実施例の正面図
である。
である。
【図１８】図１０に関連する透孔の他の実施例の正面図
である。
である。
【図１９】従来の直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼
室の一例の概略を表す断面図である。
室の一例の概略を表す断面図である。
７ 多孔式燃料噴射ノズル ９ 内周壁面 １１ キャビティ １２ アーム １３ 干渉板 １４ 障壁 １５ 障壁 １６ 透孔
Claims (3)
- 【請求項１】 略中心部に突出した多孔式燃料噴射ノズ
ルの噴孔からキャビティの内周壁面に向けて高圧燃料が
噴射される直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室にお
いて、キャビティの内周壁面からキャビティ中心部に向
けて突出する複数のアームを多孔式燃料噴射ノズルの噴
孔と相対するように配設し、該アームの先端に前記噴孔
から噴射される燃料の噴出方向に略直交する面を有する
干渉板を設けたことを特徴とする直接噴射式ディーゼル
エンジンの燃焼室。 - 【請求項２】 略中心部に突出した多孔式燃料噴射ノズ
ルの噴孔からキャビティの内周壁面に向けて高圧燃料が
噴射される直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室にお
いて、上端部が前記多孔式燃料噴射ノズルから噴射され
る燃料の略噴霧中心に達する高さを有する円筒形状の障
壁をキャビティの底部に立設したことを特徴とする直接
噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室。 - 【請求項３】 略中心部に突出した多孔式燃料噴射ノズ
ルの噴孔からキャビティの内周壁面に向けて高圧燃料が
噴射される直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室にお
いて、前記多孔式燃料噴射ノズルの噴孔と相対する各高
さ位置に少なくとも１個以上の透孔を配設した円筒形状
の障壁をキャビティの底部に立設したことを特徴とする
直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5279581A JPH07133723A (ja) | 1993-11-09 | 1993-11-09 | 直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5279581A JPH07133723A (ja) | 1993-11-09 | 1993-11-09 | 直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07133723A true JPH07133723A (ja) | 1995-05-23 |
Family
ID=17612980
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5279581A Pending JPH07133723A (ja) | 1993-11-09 | 1993-11-09 | 直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07133723A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2004031554A1 (en) * | 2002-10-02 | 2004-04-15 | Westport Research Inc. | Direct injection combustion chamber geometry |
| FR2861809A1 (fr) * | 2003-11-03 | 2005-05-06 | Renault Sas | Piston pour chambre de combustion destinee a reduire les emissions de suies |
| WO2021203578A1 (zh) * | 2020-04-07 | 2021-10-14 | 天津大学 | 优化内燃机油气混合过程的装置 |
| US11346275B2 (en) | 2020-04-07 | 2022-05-31 | Tianjin University | Apparatus for optimizing fuel/air mixing process of internal combustion engine |
-
1993
- 1993-11-09 JP JP5279581A patent/JPH07133723A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2004031554A1 (en) * | 2002-10-02 | 2004-04-15 | Westport Research Inc. | Direct injection combustion chamber geometry |
| US7213564B2 (en) | 2002-10-02 | 2007-05-08 | Westport Power Inc. | Direct injection combustion chamber geometry |
| FR2861809A1 (fr) * | 2003-11-03 | 2005-05-06 | Renault Sas | Piston pour chambre de combustion destinee a reduire les emissions de suies |
| WO2021203578A1 (zh) * | 2020-04-07 | 2021-10-14 | 天津大学 | 优化内燃机油气混合过程的装置 |
| US11346275B2 (en) | 2020-04-07 | 2022-05-31 | Tianjin University | Apparatus for optimizing fuel/air mixing process of internal combustion engine |
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