JPH07133113A - 酸化アンチモン水性ゾルの製造方法 - Google Patents

酸化アンチモン水性ゾルの製造方法

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JPH07133113A
JPH07133113A JP30089293A JP30089293A JPH07133113A JP H07133113 A JPH07133113 A JP H07133113A JP 30089293 A JP30089293 A JP 30089293A JP 30089293 A JP30089293 A JP 30089293A JP H07133113 A JPH07133113 A JP H07133113A
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aqueous sol
antimony
sol
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 難燃助剤として使用する際に樹脂エマルジョ
ンの加工特性を低下させず、かつ加工対象物の色相を損
なうことなく、しかも、難燃助剤効果を充分に発現する
ことができる、酸化アンチモンが微粒子状に分散した高
濃度の酸化アンチモン水性ゾルを安価に製造する。 【構成】 三酸化アンチモンを水中で三酸化アンチモン
1モルに対して0.8〜2.5モルの過酸化水素と反応
させて低濃度の酸化アンチモンの〔組成式:Sb2
3+x (O<X≦2)〕ゾルを生成させた後、無機酸また
はアンモニウム塩を酸化アンチモンに対して1重量%以
上添加して酸化アンチモンのゲルを生成させ、分離、水
洗した後、アルカノールアミン、アルカノールアミン
塩、脂肪族α−ヒドロキシカルボン酸および脂肪族多価
アルコールの中から選択した少なくとも1種を分散剤と
して酸化アンチモンに対して1〜50重量%添加し、解
膠して高濃度の酸化アンチモン水性ゾルを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化アンチモン水性ゾ
ルの製造方法に関し、さらに詳しくは、酸化アンチモン
が微粒子状に分散した高濃度の酸化アンチモン水性ゾル
を安価に製造することができる酸化アンチモン水性ゾル
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】酸化アンチモン〔組成式:Sb2 3+x
(0<X≦2)〕の水性ゾルは、主として、ハロゲン含
有樹脂エマルジョンやハロゲン系難燃剤添加樹脂エマル
ジョンに添加されて、加工対象物に塗付され、使用樹脂
エマルジョンの難燃化あるいは加工対象物に対する難燃
性付与の難燃助剤として広く利用される。
【0003】また、この酸化アンチモンの水性ゾルは、
酸化アンチモンの粒子径が非常に小さいため、透明性が
優れており、加工対象物に塗付した時に、下地となる加
工対象物の色相を阻害しない、という特徴を有してい
る。
【0004】この酸化アンチモンの水性ゾルの製造方法
としては、大別すると、三酸化アンチモン(Sb2
3 )を水中で過酸化水素(H2 2 )で酸化する方法
と、アンチモン酸塩を酸分解して解膠する方法、が知
られている。
【0005】そして、上記の三酸化アンチモンを過酸
化水素で酸化する方法には、添加物を添加することな
く、三酸化アンチモンを過酸化水素で酸化する方法と、
無機または有機の添加物を添加して、三酸化アンチモン
を過酸化水素で酸化する方法とがある。
【0006】上記の添加物を添加することなく、三酸化
アンチモンを過酸化水素で酸化する方法では、高濃度の
酸化アンチモンの水性ゾルを得るために、高濃度で三酸
化アンチモンを過酸化水素で酸化すると、生成するゾル
の粒子径が大きくなり、難燃助剤として樹脂エマルジョ
ンに添加して加工した場合、加工対象物の透明性を損な
わせることになる。そのため、良好な透明性を確保でき
るように酸化アンチモンの粒子径を小さく保とうとする
と、濃度が25%(濃度に関して、特に付記しないかぎ
り、%は重量%である)程度の水性ゾルを得るのが限度
である。
【0007】しかし、濃度が25%以下の低濃度の酸化
アンチモン水性ゾルでは、難燃助剤として樹脂エマルジ
ョンに添加した時にエマルジョン濃度を低下させるた
め、塗付などの加工特性を著しく低下させるので、増粘
剤の添加を必要としたり、他の特性を付与するための添
加剤の添加量を制限しなければならないという問題を引
き起こす。
【0008】そのため、低濃度の水性ゾルを濃縮するこ
とによって濃度が50%以上の高濃度の水性ゾルにする
と、増粘しすぎて加工特性を低下させたり、濃縮工程の
付加によりコストアップを招くという問題がある。
【0009】したがって、三酸化アンチモンの過酸化水
素による酸化だけでは、酸化アンチモンが微粒子状に分
散した高濃度の水性ゾルを安価に製造することができな
い。
【0010】そのため、前述したように、過酸化水素に
よる酸化段階で無機または有機の添加物を添加して高濃
度の水性ゾルを得ようとする試みがなされている。
【0011】上記のような過酸化水素による酸化段階で
添加物を添加する方法のうち、無機物を添加する方法と
しては、特公昭57−11848号公報、特公平3−3
5248号公報、特公平4−29610号公報、特開昭
60−108466号公報、特開平2−174929号
公報などに開示の方法がある。
【0012】そして、添加する無機物としては、アルカ
リ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、無機塩類、
無機ケイ酸化合物などが使用されている。
【0013】たとえば、上記特公昭57−11848号
公報には、三酸化アンチモンと水酸化カリウムと過酸化
水素とを、ほぼ1:2.1:2のモル比で反応させてア
ンチモン酸カリウムを生成させ、ついで脱イオンを行
う、という酸化アンチモンのコロイドゾルの製造方法が
開示されている。
【0014】しかし、上記方法でも、高濃度の水性ゾル
を得ることができず、濃縮して高濃度化すると、ゾルが
増粘して取扱いが困難になり、また濃縮コストの付加に
より、コストも高くなるという問題があった。
【0015】また、特公平4−29610号公報では、
三酸化アンチモンと過酸化水素との反応にあたり、三酸
化アンチモンに対する過酸化水素のモル比を1:1.2
5〜1.8とし、かつ、反応系にアルカリ金属の水酸化
物などを三酸化アンチモンに対して1.5〜30モル%
添加して酸化反応を行うという、コロイド状酸化アンチ
モンの製造方法が開示されている。
【0016】しかし、この方法では、酸化アンチモンの
コロイド中にアルカリ金属の化合物が混入し、そのアル
カリ金属化合物が酸化アンチモンの有する難燃助剤効果
を低下させるという問題があった。
【0017】また、過酸化水素による酸化段階で有機物
を添加する方法としては、特公昭61−24330号公
報に開示の方法がある。
【0018】この特公昭61−24330号公報には、
粒状アンチモン成分を、アルカノールアミン、アルカノ
ールアミン塩、脂肪族α−ヒドロキシカルボン酸、脂肪
族多価アルコールなどの水溶性安定剤の存在下で、過酸
化水素により酸化するか、あるいは、少なくとも一部を
水和酸化アンチモンのコロイド粒子に転化させた後、上
記水溶性安定剤を添加する、酸化アンチモンの水性ゾル
の製造方法が開示されている。
【0019】しかし、上記方法でも、良好なゾル特性を
得るには、低濃度のゾルしか製造できず、そのため、濃
縮により高濃度化すると、増粘したり、濃縮コストの付
加によりコストアップを招くという問題があった。
【0020】また、水性ゾルの製造方法ではないが、酸
化アンチモンの製造に関する先行技術として、特開昭6
3−310726号公報には、安定剤を含むアンチモン
水性ゾルを噴霧乾燥して、水分を8〜13%含有する再
分散性が良好な酸化アンチモン粉末組成物の製造方法が
開示されている。
【0021】そして、上記方法で得た酸化アンチモン粉
末組成物から、酸化アンチモン濃度が50%以上の高濃
度の酸化アンチモン水性ゾルを製造することが可能であ
るが、噴霧乾燥により水分をコントロールすることがむ
つかしく、安定した製造がしにくい上に、噴霧乾燥に伴
うコスト付加などにより、コストが高くなるという問題
があった。
【0022】さらに、三酸化アンチモンの酸化処理後に
アルカリ処理した組成物が特開昭60−108466号
公報に開示されているが、この場合も、処理に使用した
アルカリ金属またはアルカリ土類金属の化合物が組成物
中に混在し、酸化アンチモンの有する難燃助剤効果を低
下させるという問題があった。
【0023】また、前記のアンチモン酸塩を酸分解し
て解膠する方法としては、特公平4−4980号公報、
特開昭61−227918号公報、特開昭62−182
116号公報などに開示の方法がある。
【0024】たとえば、上記の特公平4−4980号公
報には、アンチモン酸アルカリを化学量論比で0.7〜
5倍量の一価または二価の無機塩と反応させて酸化アン
チモンゲルを生成させ、このゲルを分離、水洗した後、
有機塩基により解膠する、という酸化アンチモンゾルの
製造方法が開示されている。
【0025】しかし、上記のアンチモン酸塩を酸分解
して解膠する方法は、いずれの場合も、原料としてアン
チモン酸アルカリを使用しているため、酸分解後、ゲル
を分離して酸洗浄しても、アルカリ金属を完全に除去す
ることができず、生成する水性ゾル中にアルカリ金属が
残存するため、酸化アンチモンの有する難燃助剤効果が
低下するという問題があった。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
酸化アンチモンの水性ゾルの製造方法は、種々の問題点
を有している。
【0027】たとえば、添加物を添加することなく、三
酸化アンチモンを過酸化水素で酸化する方法では、高濃
度酸化を行うと生成するゾルの粒子径が大きくなり、難
燃助剤として樹脂エマルジョンに添加して加工した場
合、加工対象物の透明性を損なわせる。そのため、良好
な透明性を確保できるように粒子径を小さく保った状態
で水性ゾルを得ようとすると、高々25%程度の低濃度
の水性ゾルしか得られない。
【0028】しかし、低濃度の水性ゾルでは、樹脂エマ
ルジョンに添加した時にエマルジョン濃度を低下させる
ため、塗付などの加工特性を著しく低下させるので、本
来添加しなくてもよい増粘剤の添加が必要になったり、
あるいは他の特性を付与するための添加剤の添加量を制
限しなければならないという問題が生じる。
【0029】また、この低濃度の水性ゾルを濃縮して濃
度が50%以上の高濃度の水性ゾルにすると、増粘した
り、濃縮コストの付加によりコストアップを招くことに
なる。
【0030】したがって、三酸化アンチモンの過酸化水
素による酸化だけでは、酸化アンチモンが微粒子状に分
散した高濃度の水性ゾルを安価に製造することができな
い。
【0031】そのため、過酸化水素による酸化段階でア
ルカリ金属化合物などを添加する方法が採用されている
が、生成した水性ゾル中に上記アルカリ金属化合物が残
存し、酸化アンチモンの有する難燃助剤効果を低下させ
るため、イオン交換あるいは限外濾過などにより金属イ
オンを除去することが必要になり、それらの工程の採用
に伴うコスト付加によりコストアップを招くことにな
る。
【0032】また、アンチモン酸アルカリを無機酸で処
理して解膠する方法では、高濃度水性ゾルの製造は可能
であるが、酸分解後、ゲルを分離して酸洗浄しても、出
発原料のアンチモン酸アルカリ中のアルカリ金属分が一
部酸化アンチモンの構造内に取り込まれ、結果的に酸化
アンチモンに対して数%のアルカリ金属が水性ゾル中に
残存し、その残存アルカリ金属が酸化アンチモンの難燃
助剤効果を低下させることになる。
【0033】したがって、樹脂エマルジョンの加工特性
を低下させず、かつ、加工対象物の色相を損なうことな
く、しかも、酸化アンチモンの有する難燃助剤効果を充
分に発現することができる高濃度の酸化アンチモン水性
ゾルの出現が要望されている。
【0034】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記要望
に応えるべく鋭意検討を重ねた結果、三酸化アンチモン
を過酸化水素によって酸化し、低濃度の酸化アンチモン
の水性ゾルを生成させ、上記水性ゾルに無機酸またはア
ンモニウム塩を添加してゾルをゲル化させると、得られ
る酸化アンチモンのゲルが容易に濾過可能であることを
見出した。
【0035】さらに、本発明者らは、驚くべきことに、
上記濾過によって得られた濾過ケーキが、弱い凝集力で
凝集していて、トリエタノールアミンなどの分散剤の解
膠力により、容易に分散解膠して、高濃度の酸化アンチ
モン水性ゾルが得られることを見出した。
【0036】そこで、本発明者らは、上記二つの知見を
組み合わせることにより、酸化アンチモン以外の金属化
合物を含有せず、しかも酸化アンチモンが微粒子状に分
散した、高濃度の酸化アンチモン水性ゾルを安価に製造
することに成功し、本発明に到達したのである。
【0037】本発明では、三酸化アンチモンの過酸化水
素による酸化を低濃度で行えるので、酸化アンチモンの
粒子径が大きくならない。したがって、樹脂エマルジョ
ンに添加して加工した時に、加工対象物の色相を損なう
ことがない。
【0038】そして、低濃度の水性ゾルを濃縮すること
に代えて、ゲル化し、それを濾過し、分散剤により解膠
して高濃度化していくので、濃縮する場合のような増粘
化が生じない。したがって、樹脂エマルジョンに添加し
た時に、樹脂エマルジョンの加工特性を低下させず、ま
た、水性ゾルが高濃度であるため、エマルジョン濃度を
著しく低下させるようなことがない。
【0039】また、噴霧乾燥などの乾燥工程や濃縮工
程、あるいはイオン交換、限外濾過などの金属イオン除
去工程などの操作を必要としないので、高濃度の酸化ア
ンチモン水性ゾルを安価に製造することができる。
【0040】以下、本発明の実施にあたっての詳細を説
明する。
【0041】まず、三酸化アンチモンを過酸化水素で酸
化する際の三酸化アンチモンの濃度は、5%から25%
が好ましく、なかでも10%から20%が特に好まし
い。三酸化アンチモンの濃度が5%より低い場合は、生
産性が低下し、また三酸化アンチモンの濃度が25%よ
り高くなると、酸化後の酸化アンチモンの粒子径が大き
くなり透明性が低下するおそれがある。
【0042】三酸化アンチモンの酸化にあたっての過酸
化水素量は、三酸化アンチモン1モルに対して0.8モ
ルから2.5モルであることが適切であり、特に1.4
モルから2.2モルが好ましい。過酸化水素量が三酸化
アンチモン1モルに対して0.8モルより少ない場合
は、透明性の良好な酸化アンチモンゾルが生成せず、過
酸化水素量が三酸化アンチモン1モルに対して2.5モ
ルより多くなると、未反応の過酸化水素が増大して経済
的でない。
【0043】上記のような過酸化水素による三酸化アン
チモンの酸化によって生成する酸化アンチモンは、組成
式Sb2 3+x (0<X≦2)で表されるものであり、
本発明において、酸化アンチモンとは、すべてこのSb
2 3+x (0<X≦2)を意味する。このSb2 3+x
(0<X≦2)に属するものの主たる具体例としては、
たとえばSb2 4 、Sb6 13、Sb2 5 などが挙
げられ、三酸化アンチモンに対する過酸化水素のモル比
にもよるが、多くの場合、それらの混合物として生成す
るか、あるいはそれらの水和物、それら水和物の混合
物、それら酸化物と水和物の混合物などとして生成す
る。そして、上記のようにして得られる酸化アンチモン
の水性ゾルは従来技術による場合と同様に低濃度のもの
であるが、この低濃度とは通常25%以下を意味する。
【0044】上記酸化により生成した酸化アンチモンの
水性ゾルをゲル化するための無機酸としては、たとえば
塩酸、硫酸、硝酸などの一価または二価の酸強度の大き
い無機酸が使用可能であるが、特に塩酸、硫酸などが好
ましい。
【0045】また、上記酸化により生成した酸化アンチ
モンの水性ゾルをゲル化するためのアンモニウム塩とし
ては、たとえば塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、
酢酸アンモニウム、臭化アンモニウム、硝酸アンモニウ
ム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウムなどが挙
げられるが、特に塩化アンモニウム、酢酸アンモニウ
ム、硫酸アンモニウムなどが好ましい。
【0046】上記酸化アンチモンの水性ゾルをゲル化す
るための無機酸またはアンモニウム塩の添加量は、酸化
アンチモンに対して1重量%以上であることが必要であ
り、好ましくは2重量%以上である。
【0047】無機酸またはアンモニウム塩の添加量が酸
化アンチモンに対して1重量%より少ない場合は、良好
なゲルが生成せず、濾過もれあるいは濾過時間が増大し
経済的でない。無機酸またはアンモニウム塩の添加量
は、多くなっても特に問題はないが、濾過後、それらを
除去するための水洗液量が多くなるため、適量にするこ
とが好ましく、酸化アンチモンに対して10重量%程度
までが好ましい。
【0048】上記の無機酸またはアンモニウム塩以外に
も、酸化アンチモンの水性ゾルをゲル化するための添加
剤として、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウムなどのアル
カリ金属化合物が使用可能であるが、これらのアルカリ
金属化合物を用いた場合は、酸化アンチモンの構造中に
アルカリ金属が取り込まれ、酸化アンチモンの難燃助剤
効果を低下させるので好ましくない。
【0049】濾過後は、再びゾル化しない程度の水で水
洗する。通常は、濾過に用いた水性ゾルの全体積に対し
て、1〜3割程度の水である。
【0050】濾過によって得られた酸化アンチモンゲル
の濾過ケーキを解膠させる分散剤としては、たとえばト
リエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノ
ールアミン、トリプロパノールアミン、N−エチルアミ
ノエタノールアミンなどのアルカノールアミンなどが挙
げられる。
【0051】また、上記アルカノールアミン以外にも、
トリエタノールアミンリン酸塩などのアルカノールアミ
ン塩、酒石酸などの脂肪族α−ヒドロキシカルボン酸、
グリセリンなどの脂肪族多価アルコールなどが、解膠力
を有していて、分散剤として使用可能であるが、特に上
記のアルカノールアミンが好ましい。
【0052】上記アルカノールアミンなどの分散剤の添
加量としては、酸化アンチモンに対して1〜50重量%
であることが必要であり、好ましくは3〜30重量%、
さらに好ましくは3〜15重量%である。アルカノール
アミンなどの分散剤の添加量が酸化アンチモンに対して
1重量%より少ない場合は、解膠状態が良好でなく、透
明性の良好なゾルが生成せず、またアルカノールアミン
などの分散剤の添加量が酸化アンチモンに対して50重
量%より多くなると、樹脂エマルジョンに添加した時に
エマルジョン特性に悪影響を及ぼすことがあり、また水
性ゾル中の酸化アンチモンの濃度が40%以上の高濃度
にならないことがあるので好ましくない。
【0053】解膠後の水性ゾル中の酸化アンチモンの濃
度は、濾過ケーキの絞り率と解膠時の水添加量により決
定され、酸化アンチモン濃度として65%以下であれ
ば、目的に応じて種々の濃度の水性ゾルが製造可能であ
り、本発明は、従来より高濃度、すなわち25%より高
い濃度で酸化アンチモンの水性ゾルを製造する場合に適
用されるが、特に40%以上、とりわけ45%以上の高
濃度の水性ゾルを得る場合にその効果が特に顕著に発揮
される。
【0054】分散剤による解膠にあたっては、たとえば
攪拌分散、ディスパー分散、サンドグラインダー分散な
どが採用可能であるが、特に制約はない。
【0055】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限
定されるものではない。
【0056】実施例1 内容積1リットルの容器内に水561mlを入れ、攪拌
しながら、その中に三酸化アンチモンの粉末114gを
添加し、さらに35%過酸化水素水60.8gを添加し
た。三酸化アンチモンに対する過酸化水素の割合は、三
酸化アンチモン1モルに対して1.6モルであった。
【0057】得られた懸濁液を攪拌しながら加熱し、1
5分間で沸騰まで昇温させ、そのまま1時間沸騰状態を
維持して酸化アンチモンの水性ゾルを得た。
【0058】得られた酸化アンチモンの水性ゾルを冷却
し80℃に保ちながら、その中に塩化アンモニウム3.
0g(酸化アンチモンに対して約2.6重量%)を加え
て15分間攪拌し、酸化アンチモンの水性ゲルを得た。
【0059】得られた酸化アンチモンの水性ゲルを、東
洋濾紙社製のNo.5Cの濾紙を2枚敷いた直径19.
5cmのヌッチェ(ブフナーロート)を用いて吸引濾過
し、ヌッチェ上の液体がなくなった後、直ちに水100
mlを追加して引き続き吸引濾過を行った。濾過終了
後、濾紙上の酸化アンチモンのウェットケーキを取り出
した。
【0060】得られた酸化アンチモンのウェットケーキ
の一部10gを100℃で4時間乾燥して、ウェットケ
ーキの水分率を測定した結果、水分率は38.3%であ
った。
【0061】得られた酸化アンチモンのウェットケーキ
120gを200mlのビーカーに取り、イオン交換水
7.2gとトリエタノールアミン7.4g(酸化アンチ
モンに対して約10重量%)を加えて1時間攪拌し、高
濃度の酸化アンチモンの水性ゾルを得た。
【0062】得られた水性ゾルは、pH:7.95、粘
度:11cpであり、水性ゾル中の酸化アンチモン、N
2 O、Clの濃度は、それぞれ次の通り、酸化アンチ
モン:52.6%、Na2 O:0.01%以下、C1:
80ppm、であった。なお、粘度は25℃で芝浦シス
テム社製の単一円筒型回転粘度計ビスメトロン型式VS
−A1により測定したものであり、以後の粘度も同様の
条件下で測定したものである。
【0063】また、上記のようにして得られた水性ゾル
を95℃で12時間乾燥し、乾燥物の比表面積を湯浅ア
イオニクス社製のマルチソーブ12(全自動12検体表
面積測定装置)で測定したところ、比表面積は66m2
/gであり、このように比表面積が大きいことから、水
性ゾル中の酸化アンチモンの平均一次粒子径が非常に小
さいことが確認された。
【0064】さらに、上記のようにして得られた水性ゾ
ルを濃度が0.5%になるまで希釈し、幅1cmの石英
セルに入れて、全光線透過率およびヘイズ度をスガ試験
機社製の直読ヘイズコンピューターHGM−2DP型で
測定した結果、全光線透過率が64%で、ヘイズ度が1
7%であり、得られた水性ゾルは透明感のある水性ゾル
であることが確認された。
【0065】しかも、上記のようにして得られた水性ゾ
ルは室温30℃で30日間保存しても、粘度の増加が認
められなかった。
【0066】実施例2 酸化アンチモンの水性ゾルをゲルに転換する際に、実施
例1で使用した塩化アンモニウムに代えて、35%塩酸
8.6g(酸化アンチモンに対して塩化水素として約
2.6重量%)を使用した以外は、実施例1と同様の処
理を行い、酸化アンチモンのウェットケーキを得た。
【0067】このウェットケーキの水分率を実施例1と
同様の方法により測定したところ、水分率は36.3%
であった。
【0068】上記水分率のデータを基にして、酸化アン
チモンのケーキ120g、イオン交換水11g、トリエ
タノールアミン7.64g(酸化アンチモンに対して約
10重量%)を用いて実施例1と同様に処理し、高濃度
の酸化アンチモンの水性ゾルを得た。
【0069】得られた水性ゾルは、pH:7.4、粘
度:10cpであり、水性ゾル中の酸化アンチモン、N
2 O、Clの濃度は、それぞれ次の通り、酸化アンチ
モン:51.9%、Na2 O:0.01%以下、C1:
110ppm、であった。また、この水性ゾルを乾燥し
て得られた酸化アンチモンの比表面積、全光線透過率、
ヘイズ度は、それぞれ次の通り、比表面積:63m2
g、全光線透過率:66%、ヘイズ度:16%、であ
り、得られた水性ゾルは透明感のある水性ゾルであるこ
とが確認された。
【0070】また、上記のようにして得られた水性ゾル
は30℃で30日間保存しても、粘度の増加が認められ
なかった。
【0071】実施例3 酸化アンチモンの水性ゾルをゲルに転換する際に使用す
る塩化アンモニウムの添加量を30g(この塩化アンモ
ニウム量は酸化アンチモンに対して約26重量%であ
る)に増やし、ゲルを濾過して水洗する際の水量を60
0mlに増やした以外は、実施例1と同様の処理を行
い、酸化アンチモンのウェットケーキを得た。
【0072】このウェットケーキの水分率を実施例1と
同様の方法により測定したところ、水分率は39.5%
であった。
【0073】上記水分率のデータを基にして、酸化アン
チモンのケーキ120g、イオン交換水4.7g、トリ
エタノールアミン7.26g(酸化アンチモンに対して
約10重量%)を用いて実施例1と同様に処理し、高濃
度の酸化アンチモンの水性ゾルを得た。
【0074】得られた水性ゾルは、pH:7.7、粘
度:13cpであり、水性ゾル中の酸化アンチモン、N
2 O、Clの濃度は、それぞれ次の通り、酸化アンチ
モン:52.3%、Na2 O:0.01%以下、C1:
90ppm、であった。また、この水性ゾルを乾燥して
得られた酸化アンチモンの比表面積、全光線透過率、ヘ
イズ度は、それぞれ次の通り、比表面積:65m2
g、全光線透過率:63%、ヘイズ度:19%、であ
り、得られた水性ゾルは透明感のある水性ゾルであるこ
とが確認された。
【0075】また、上記のようにして得られた水性ゾル
は30℃で30日間保存しても、粘度の増加が認められ
なかった。
【0076】実施例4 三酸化アンチモン粉末を酸化する35%過酸化水素の量
を53.2gに減らした以外は、実施例1と同様の処理
を行い、酸化アンチモンのウェットケーキを得た。三酸
化アンチモンに対する過酸化水素の割合は、三酸化アン
チモン1モルに対して1.4モルであった。
【0077】このウェットケーキの水分率を実施例1と
同様の方法により測定したところ、水分率は36.8%
であった。
【0078】上記水分率のデータを基にして、酸化アン
チモンのケーキ120g、イオン交換水10g、トリエ
タノールアミン7.58g(酸化アンチモンに対して約
10重量%)を用いて実施例1と同様に処理し、高濃度
の酸化アンチモンの水性ゾルを得た。
【0079】得られた水性ゾルは、pH:7.1、粘
度:11cpであり、水性ゾル中の酸化アンチモン、N
2 O、Clの濃度は、それぞれ次の通り、酸化アンチ
モン:52.8%、Na2 O:0.01%以下、C1:
90ppm、であった。また、この水性ゾルを乾燥して
得られた酸化アンチモンの比表面積、全光線透過率、ヘ
イズ度は、それぞれ次の通り、比表面積:86m2
g、全光線透過率:77%、ヘイズ度:9%、であり、
得られた水性ゾルは透明感のある水性ゾルであることが
確認された。
【0080】また、上記のようにして得られた水性ゾル
は30℃で30日間保存しても、粘度の増加が認められ
なかった。
【0081】実施例5 三酸化アンチモン粉末を酸化する35%過酸化水素水の
量を83.6gに増やした以外は、実施例1と同様の処
理を行い、酸化アンチモンのウェットケーキを得た。三
酸化アンチモンに対する過酸化水素の割合は、三酸化ア
ンチモン1モルに対して2.2モルであった。
【0082】このウェットケーキの水分率を実施例1と
同様の方法により測定したところ、水分率は37.2%
であった。
【0083】上記水分率のデータを基にして、酸化アン
チモンのケーキ120g、イオン交換水10g、トリエ
タノールアミン7.54g(酸化アンチモンに対して約
10重量%)を用いて実施例1と同様に処理し、高濃度
の酸化アンチモンの水性ゾルを得た。
【0084】得られた水性ゾルは、pH:7.1、粘
度:16cpであり、水性ゾル中の酸化アンチモン、N
2 O、Clの濃度は、それぞれ次の通り、酸化アンチ
モン:52.7%、Na2 O:0.01%以下、C1:
95:ppm、であった。また、この水性ゾルを乾燥し
て得られた酸化アンチモンの比表面積、全光線透過率、
ヘイズ度は、それぞれ次の通り、比表面積:58m2
g、全光線透過率:57%、ヘイズ度:25%、であ
り、得られた水性ゾルは透明感のある水性ゾルであるこ
とが確認された。
【0085】また、上記のようにして得られた水性ゾル
は30℃で30日間保存しても、粘度の増加が認められ
なかった。なお、本実施例の酸化アンチモンは、三酸化
アンチモンに対する過酸化水素のモル比が多いことか
ら、生成物のほとんどがSb25 (五酸化アンチモ
ン)であると推定されることより、念のため、上記酸化
アンチモンの乾燥物のX線パターンを測定し、既知のS
2 5 のX線パターンと比較したところ、両者はほぼ
一致した。
【0086】実施例6 実施例1と同様の処理を行い、水分率が37.1%の酸
化アンチモンのウェットケーキを得た。
【0087】上記水分率のデータを基にして、酸化アン
チモンのケーキ120g、イオン交換水22g、トリエ
タノールアミンリン酸塩11.32g(酸化アンチモン
に対して約15重量%)を用いて実施例1と同様に処理
し、高濃度の酸化アンチモンの水性ゾルを得た。
【0088】得られた水性ゾルは、pH:3.1、粘度
15cpであり、水性ゾル中の酸化アンチモン、Na2
O、C1の濃度は、それぞれ次の通り、酸化アンチモ
ン:47.8%、Na2 O:0.01%以下、C1:9
5ppm、であった。また、この水性ゾルを乾燥して得
られた酸化アンチモンの比表面積、全光線透過率、ヘイ
ズ度は、それぞれ次の通り、比表面積:64m2 /g、
全光線透過率:55%、ヘイズ度27%であり、得られ
た水性ゾルは透明感のある水性ゾルであることが確認さ
れた。
【0089】また、上記のようにして得られた水性ゾル
は30℃で30日間保存しても、粘度の増加が認められ
なかった。
【0090】実施例7 実施例1と同様の処理を行い、水分率が37.6%の酸
化アンチモンのウェットケーキを得た。
【0091】上記水分率のデータを基にして、酸化アン
チモンのケーキ120g、イオン交換水19g、酒石酸
11.23g(酸化アンチモンに対して約15重量%)
を用いて実施例1と同様に処理し、高濃度の酸化アンチ
モンの水性ゾルを得た。
【0092】得られた水性ゾルは、pH:1.2、粘
度:19cpであり、水性ゾル中の酸化アンチモン、N
2 O、Clの濃度は、それぞれ次の通り、酸化アンチ
モン:47.8%、Na2 O:0.01%以下、C1:
110ppm、であった。また、この水性ゾルを乾燥し
て得られた酸化アンチモンの比表面積、全光線透過率、
ヘイズ度は、それぞれ次の通り、比表面積:66m2
g、全光線透過率:52%、ヘイズ度:29%、であ
り、得られた水性ゾルは透明感のある水性ゾルであるこ
とが確認された。
【0093】また、上記のようにして得られた水性ゾル
は30℃で30日間保存しても、粘度の増加が認められ
なかった。
【0094】実施例8 実施例1と同様の処理を行い、水分率が37.9%の酸
化アンチモンのウェットケーキを得た。
【0095】上記水分率のデータを基にして、酸化アン
チモンのケーキ120g、イオン交換水18g、グリセ
リン11.18g(酸化アンチモンに対して約15重量
%)を用いて実施例1と同様に処理し、高濃度の酸化ア
ンチモンの水性ゾルを得た。
【0096】得られた水性ゾルは、pH:1.4、粘
度:25cpであり、水性ゾル中の酸化アンチモン、N
2 O、Clの濃度は、それぞれ次の通り、酸化アンチ
モン:48.3%、Na2 O:0.01%以下、C1:
90ppm、であった。また、この水性ゾルを乾燥して
得られた酸化アンチモンの比表面積、全光線透過率、ヘ
イズ度は、それぞれ次の通り、比表面積:65m2
g、全光線透過率:50%、ヘイズ度:31%であり、
得られた水性ゾルは透明感のある水性ゾルであることが
確認された。
【0097】また、上記のようにして得られた水性ゾル
は室温で30日間保存しても、粘度の増加が認められな
かった。
【0098】実施例9 実施例1と同様の処理を行い、水分率が34.5%の酸
化アンチモンのウェットケーキを得た。
【0099】上記水分率のデータを基にして、酸化アン
チモンのケーキ120g、イオン交換水4.7g、トリ
エタノールアミン23.6g(酸化アンチモンに対して
約30重量%)を用いて実施例1と同様に処理し、高濃
度の酸化アンチモンの水性ゾルを得た。
【0100】得られた水性ゾルは、pH:7.4、粘
度:12cpであり、水性ゾル中の酸化アンチモン、N
2 O、Clの濃度は、それぞれ次の通り、酸化アンチ
モン:50.2%、Na2 O:0.01%以下、C1:
115ppm、であった。また、この水性ゾルを乾燥し
て得られた酸化アンチモンの比表面積、全光線透過率、
ヘイズ度は、それぞれ次の通り、比表面積:67m2
g、全光線透過率:63%、ヘイズ度:18%、であ
り、得られた水性ゾルは透明感のある水性ゾルであるこ
とが確認された。
【0101】また、上記のようにして得られた水性ゾル
は30℃で30日間保存しても、粘度の増加が認められ
なかった。
【0102】比較例1 内容積1リットルの容器内に入れる水の量を205ml
にし、高濃度で酸化するようにした以外は、実施例1と
同様の処理を行い、水分率38.2%の酸化アンチモン
のウェットケーキを得た。
【0103】上記水分率のデータを基にして、酸化アン
チモンのケーキ120g、イオン交換水20g、トリエ
タノールアミン7.42g(酸化アンチモンに対して約
10重量%)を用いて実施例1と同様に処理し、高濃度
の酸化アンチモンの水性ゾルを得た。
【0104】得られた水性ゾルは、pH:7.6、粘
度:26cpであり、水性ゾル中の酸化アンチモン、N
2 O、Clのは、それぞれ次の通り、酸化アンチモ
ン:46.6%、Na2 O:0.01%以下、C1:9
0ppm、であった。また、この水性ゾルを乾燥して得
られた酸化アンチモンの比表面積、全光線透過率、ヘイ
ズ度は、それぞれ次の通り、比表面積:39m2 /g、
全光線透過率:33%、ヘイズ度:64%、であり、得
られた水性ゾルは不透明な水性ゾルであった。これは、
比表面積が39m2 /gで実施例のものに比べて小さい
ことからわかるように、高濃度での酸化により、酸化ア
ンチモンの粒子径が大きくなったことによるものと考え
られる。
【0105】比較例2 添加する35%過酸化水素水の量を22.8gに減ら
し、過酸化水素量を本発明外にした以外は、実施例1と
同様の処理を行い、酸化アンチモンのウェットケーキを
得た。三酸化アンチモンに対する過酸化水素の割合は、
三酸化アンチモン1モルに対して0.6モルであり、過
酸化水素の量が本発明で規定する範囲(三酸化アンチモ
ン1モルに対して0.8〜2.5モル)より少なかっ
た。
【0106】このウェットケーキの水分率を実施例1と
同様の方法により測定したところ、水分率は60.7%
であった。
【0107】上記水分率のデータを基にして、酸化アン
チモンのケーキ120g、イオン交換水32.5g、ト
リエタノールアミン4.72g(酸化アンチモンに対し
て約10重量%)を用いて実施例1と同様に処理し、高
濃度の酸化アンチモンの水性ゾルを得た。
【0108】得られた水性ゾルは、pH:8.0、粘
度:38cpであり、水性ゾル中の酸化アンチモン、N
2 O、Clの濃度は、それぞれ次の通り、酸化アンチ
モン:27.6%、Na2 O:0.01%以下、C1:
100ppm、であった。また、この水性ゾルを乾燥し
て得られた酸化アンチモンの比表面積、全光線透過率、
ヘイズ度は、それぞれ次の通り、比表面積:67m2
g、全光線透過率:25%、ヘイズ度:90%、であ
り、得られた水性ゾルは不透明な水性ゾルであった。こ
れは、三酸化アンチモンに対する過酸化水素量が少ない
ために、酸化アンチモンの粒子同士の凝集が強固にな
り、再分散しても分散できないために、透明性のある水
性ゾルが得られなくなったものと考えられる。
【0109】比較例3 この比較例3では、低濃度の水性ゾルを濃縮により高濃
度化した場合に生じる問題点を明らかにするために、次
の実験を行った。
【0110】すなわち、内容積1リットルの容器内に水
561mlを入れ、攪拌しながら、その中に三酸化アン
チモン粉末114gを加え、さらに35%過酸化水素水
60.8gを添加した。得られた懸濁液を攪拌しながら
加熱し、15分間で沸騰まで昇温させ、そのまま1時間
沸騰状態を維持して、酸化アンチモンの濃度が16.5
%の水性ゾルを得た。三酸化アンチモンに対する過酸化
水素の割合は、三酸化アンチモン1モルに対して1.6
モルであった。
【0111】得られた低濃度水性ゾルをロータリーエバ
ポレーターを用いて濃縮し、酸化アンチモン濃度が40
%の水性ゾルを得た。
【0112】得られた水性ゾルは、pH:2.6、粘
度:1100cpであり、水性ゾル中の酸化アンチモ
ン、Na2 O、Clの濃度は、それぞれ次の通り、酸化
アンチモン:40.9%、Na2 O:0.01%以下、
C1:10ppm以下、であった。また、この水性ゾル
を乾燥して得られた酸化アンチモンの比表面積、全光線
透過率、ヘイズ度は、それぞれ次の通り、比表面積:6
1m2 /g、全光線透過率:62%、ヘイズ度:22
%、であり、得られた水性ゾルは透明感のある水性ゾル
であることが確認されたが、濃縮により粘度が上記のよ
うに1100cpに増粘していて、加工特性を著しく低
下させる程度(約1000cp以上)にまで粘度が高く
なっていた。
【0113】比較例4 この比較例4では、水性ゾルをゲルに転換する際にアル
カリ金属化合物を使用した場合に生じる問題点を明らか
にするために、次の実験を行った。
【0114】すなわち、水性ゾルをゲルに転換する際
に、実施例1で使用した塩化アンモニウムに代えて、塩
化ナトリウム3g(酸化アンチモンに対して約2.6重
量%)を用いた以外は、実施例1と同様の処理を行い、
酸化アンチモンのウェットケーキを得た。
【0115】このウェットケーキの水分率を実施例1と
同様の方法により測定したところ、水分率は40.2%
であった。
【0116】上記水分率のデータを基にして、酸化アン
チモンのケーキ120g、イオン交換水4g、トリエタ
ノールアミン7.18g(酸化アンチモンに対して約1
0重量%)を用いて実施例1と同様に処理し、高濃度の
酸化アンチモンの水性ゾルを得た。
【0117】得られた水性ゾルは、pH:8.3、粘
度:17cpであり、水性ゾル中の酸化アンチモン、N
2 O、Clの濃度は、それぞれ次の通り、酸化アンチ
モン:52.7%、Na2 O:0.64%、C1:12
0ppm、であった。また、この水性ゾルを乾燥して得
られた酸化アンチモンの比表面積、全光線透過率、ヘイ
ズ度は、それぞれ次の通り、比表面積:61m2 /g、
全光線透過率:61%、ヘイズ度:19%、であり、得
られた水性ゾルは透明感のある水性ゾルであることが確
認されたが、塩化ナトリウムによりゲル化したため、ア
ルカリ金属化合物であるNa2 Oが0.64%も存在し
ていて、酸化アンチモンの難燃特性を低下させる程度
(約0.5%以上)にまでNa2 Oが残存していた。
【0118】比較例5 この比較例5では、アンチモン酸塩を酸分解して解膠し
た場合に生じる問題点を明らかにするために、次の実験
を行った。
【0119】すなわち、アンチモン酸ナトリウム120
gを水400mlに分散させ、これを攪拌しながら35
%塩酸70gを添加した後、40℃に加温し4時間反応
させた。
【0120】ついで、生成した酸化アンチモンゲルを吸
引濾過し、80mlの水で洗浄を行って酸化アンチモン
のウェットケーキを得た。
【0121】このウェットケーキの水分率を実施例1と
同様の方法により測定したところ、水分率は36.4%
であった。
【0122】上記水分率のデータを基にして、酸化アン
チモンのケーキ120g、イオン交換水25g、トリエ
タノールアミン7.63g(酸化アンチモンに対して約
10重量%)を添加、混合した後、75℃に加温して5
時間分散を行い、高濃度の酸化アンチモンの水性ゾルを
得た。
【0123】得られた水性ゾルは、pH:8.7、粘
度:16cpであり、水性ゾル中の酸化アンチモン、N
2 O、Clの濃度は、それぞれ次の通り、酸化アンチ
モン:48.0%、Na2 O:2.4%、C1:161
0ppm、であった。また、この水性ゾルを乾燥して得
られた酸化アンチモンの比表面積、全光線透過率、ヘイ
ズ度は、それぞれ次の通り、比表面積:71m2 /g、
全光線透過率:61%、ヘイズ度:24%、であり、得
られた水性ゾルは透明感のある水性ゾルであることが確
認されたが、出発物質としてアンチモン酸塩を用い、そ
れを酸分解して解膠している関係上、得られた酸化アン
チモンの水性ゾル中にアルカリ金属化合物であるNa2
Oが2.4%も存在していた。
【0124】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
酸化アンチモンが微粒子状に分散した高濃度の酸化アン
チモン水性ゾルを安価に製造することができる。
【0125】そして、本発明により製造された酸化アン
チモン水性ゾルは、高濃度であるため、難燃助剤として
樹脂エマルジョンに添加した時に、樹脂エマルジョンの
濃度を著しく低下させることがないので、樹脂エマルジ
ョンの加工特性を低下させることがなく、また、酸化ア
ンチモンが微粒子状であるため、加工対象物の色相を損
なうことがない。
【0126】また、上記酸化アンチモン水性ゾルは、実
質上、酸化アンチモン以外の金属化合物を含有しないの
で、酸化アンチモンの有する難燃助剤効果を低下させる
ことがない。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年6月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【補正内容】
【0062】 得られた水性ゾルは、pH:7.95、
粘度:11cpであり、水性ゾル中の酸化アンチモン、
NaO、Clの濃度は、それぞれ次の通り、酸化アン
チモン:52.6%、NaO:0.01%以下、C
l:80ppm、であった。また、水性ゾル中の酸化ア
ンチモンのSb+5/Sb+3〔五価アンチモンと三価
アンチモンとの比〕は3.9であった。なお、粘度は2
5℃で芝浦システム社製の単一円筒型回転粘度計ビスメ
トロン型式VS−Alにより測定したものであり、以後
の粘度も同様の条件下で測定したものである。また、上
記Sb+5/Sb+3は次のようにして求めたものであ
る。まず、試料(水性ゾル)を塩酸に溶解し、原子吸光
分析法により全Sb量を測定する。そして、試料中のS
+5を常温でヨウ化カリウムにより還元して生じたヨ
ウ素をチオ硫酸ナトリウムで滴定することによってSb
+5量を測定する。これらの測定値から下記の式により
Sb+5/Sb+3を求める。Sb+5/Sb+3=S
+5量/(全Sb量−Sb+5量)なお、以後の実施
例および比較例におけるSb+5/Sb+3も、上記と
同様の方法により求めたものである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正内容】
【0069】 得られた水性ゾルは、pH:7.4、粘
度:10cpであり、水性ゾル中の酸化アンチモン、N
O、Clの濃度は、それぞれ次の通り、酸化アンチ
モン:51.9%、NaO:0.01%以下、Cl:
110ppm、であった。そして、水性ゾル中の酸化ア
ンチモンのSb+5/Sb+3は4.0であった。
た、この水性ゾルを乾燥して得られた酸化アンチモンの
比表面積、全光線透過率、ヘイズ度は、それぞれ次の通
り、比表面積:63m/g、全光線透過率:66%、
ヘイズ度:16%、であり、得られた水性ゾルは透明感
のある水性ゾルであることが確認された。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正内容】
【0074】 得られた水性ゾルは、pH:7.7、粘
度:13cpであり、水性ゾル中の酸化アンチモン、N
O、Clの濃度は、それぞれ次の通り、酸化アンチ
モン:52.3%、NaO:0.01%以下、Cl:
90ppm、であった。そして、水性ゾル中の酸化アン
チモンのSb+5/Sb+3は3.9であった。また、
この水性ゾルを乾燥して得られた酸化アンチモンの比表
面積、全光線透過率、ヘイズ度は、それぞれ次の通り、
比表面積:65m/g、全光線透過率:63%、ヘイ
ズ度:19%、であり、得られた水性ゾルは透明感のあ
る水性ゾルであることが確認された。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0079
【補正方法】変更
【補正内容】
【0079】 得られた水性ゾルは、pH:7.1、粘
度:11cpであり、水性ゾル中の酸化アンチモン、N
O、Clの濃度は、それぞれ次の通り、酸化アンチ
モン:52.8%、NaO:0.01%以下、Cl:
90ppm、であった。そして、水性ゾル中の酸化アン
チモンのSb+5/Sb+3は2.3であった。また、
この水性ゾルを乾燥して得られた酸化アンチモンの比表
面積、全光線透過率、ヘイズ度は、それぞれ次の通り、
比表面積:86m/g、全光線透過率:77%、ヘイ
ズ度:9%、であり、得られた水性ゾルは透明感のある
水性ゾルであることが確認された。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0084
【補正方法】変更
【補正内容】
【0084】 得られた水性ゾルは、pH:7.1、粘
度:16cpであり、水性ゾル中の酸化アンチモン、N
O、Clの濃度は、それぞれ次の通り、酸化アンチ
モン:52.7%、NaO:0.01%以下、Cl:
95:ppm、であった。そして、水性ゾル中の酸化ア
ンチモンのSb+5/Sb+3は8.8であった。
た、この水性ゾルを乾燥して得られた酸化アンチモンの
比表面積、全光線透過率、ヘイズ度は、それぞれ次の通
り、比表面積:58m/g、全光線透過率:57%、
ヘイズ度:25%、であり、得られた水性ゾルは透明感
のある水性ゾルであることが確認された。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0088
【補正方法】変更
【補正内容】
【0088】 得られた水性ゾルは、pH:3.1、粘
度15cpであり、水性ゾル中の酸化アンチモン、Na
O、Clの濃度は、それぞれ次の通り、酸化アンチモ
ン:47.8%、NaO:0.01%以下、Cl:9
5ppm、であった。そして、水性ゾル中の酸化アンチ
モンのSb+5/Sb+3は3.9であった。また、こ
の水性ゾルを乾燥して得られた酸化アンチモンの比表面
積、全光線透過率、ヘイズ度は、それぞれ次の通り、比
表面積:64m/g、全光線透過率:55%、ヘイズ
度27%であり、得られた水性ゾルは透明感のある水性
ゾルであることが確認された。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0092
【補正方法】変更
【補正内容】
【0092】 得られた水性ゾルは、pH:1.2、粘
度:19cpであり、水性ゾル中の酸化アンチモン、N
O、Clの濃度は、それぞれ次の通り、酸化アンチ
モン:47.8%、NaO:0.01%以下、Cl:
110ppm、であった。そして、水性ゾル中の酸化ア
ンチモンのSb+5/Sb+3は4.0であった。
た、この水性ゾルを乾燥して得られた酸化アンチモンの
比表面積、全光線透過率、ヘイズ度は、それぞれ次の通
り、比表面積:66m/g、全光線透過率:52%、
ヘイズ度:29%、であり、得られた水性ゾルは透明感
のある水性ゾルであることが確認された。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0096
【補正方法】変更
【補正内容】
【0096】 得られた水性ゾルは、pH:1.4、粘
度:25cpであり、水性ゾル中の酸化アンチモン、N
O、Clの濃度は、それぞれ次の通り、酸化アンチ
モン:48.3%、NaO:0.01%以下、Cl:
90ppm、であった。そして、水性ゾル中の酸化アン
チモンのSb+5/Sb+3は4.0であった。また、
この水性ゾルを乾燥して得られた酸化アンチモンの比表
面積、全光線透過率、ヘイズ度は、それぞれ次の通り、
比表面積:65m/g、全光線透過率:50%、ヘイ
ズ度:31%であり、得られた水性ゾルは透明感のある
水性ゾルであることが確認された。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0100
【補正方法】変更
【補正内容】
【0100】 得られた水性ゾルは、pH:7.4、粘
度:12cpであり、水性ゾル中の酸化アンチモン、N
O、Clの濃度は、それぞれ次の通り、酸化アンチ
モン:50.2%、NaO:0.01%以下、Cl:
115ppm、であった。そして、水性ゾル中の酸化ア
ンチモンのSb+5/Sb+3は3.9であった。
た、この水性ゾルを乾燥して得られた酸化アンチモンの
比表面積、全光線透過率、ヘイズ度は、それぞれ次の通
り、比表面積:67m/g、全光線透過率:63%、
ヘイズ度:18%、であり、得られた水性ゾルは透明感
のある水性ゾルであることが確認された。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0104
【補正方法】変更
【補正内容】
【0104】 得られた水性ゾルは、pH:7.6、粘
度:26cpであり、水性ゾル中の酸化アンチモン、N
O、Clのは、それぞれ次の通り、酸化アンチモ
ン:46.6%、NaO:0.01%以下、Cl:9
0ppm、であった。そして、水性ゾル中の酸化アンチ
モンのSb+5/Sb+3は4.0であった。また、こ
の水性ゾルを乾燥して得られた酸化アンチモンの比表面
積、全光線透過率、ヘイズ度は、それぞれ次の通り、比
表面積:39m/g、全光線透過率:33%、ヘイズ
度:64%、であり、得られた水性ゾルは不透明な水性
ゾルであった。これは、比表面積が39m/gで実施
例のものに比べて小さいことからわかるように、高濃度
での酸化により、酸化アンチモンの粒子径が大きくなっ
たことによるものと考えられる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0108
【補正方法】変更
【補正内容】
【0108】 得られた水性ゾルは、pH:8.0、粘
度:38cpであり、水性ゾル中の酸化アンチモン、N
O、Clの濃度は、それぞれ次の通り、酸化アンチ
モン:27.6%、NaO:0.01%以下、Cl:
100ppm、であった。そして、水性ゾル中の酸化ア
ンチモンのSb+5/Sb+3は0.4であった。
た、この水性ゾルを乾燥して得られた酸化アンチモンの
比表面積、全光線透過率、ヘイズ度は、それぞれ次の通
り、比表面積:67m/g、全光線透過率:25%、
ヘイズ度:90%、であり、得られた水性ゾルは不透明
な水性ゾルであった。これは、三酸化アンチモンに対す
る過酸化水素量が少ないために、酸化アンチモンの粒子
同士の凝集が強固になり、再分散しても分散できないた
めに、透明性のある水性ゾルが得られなくなったものと
考えられる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0112
【補正方法】変更
【補正内容】
【0112】 得られた水性ゾルは、pH:2.6、粘
度:1100cpであり、水性ゾル中の酸化アンチモ
ン、NaO、Clの濃度は、それぞれ次の通り、酸化
アンチモン:40.9%、NaO:0.01%以下、
Cl:10ppm以下、であった。そして、水性ゾル中
の酸化アンチモンのSb+5/Sb+3は3.9であっ
た。また、この水性ゾルを乾燥して得られた酸化アンチ
モンの比表面積、全光線透過率、ヘイズ度は、それぞれ
次の通り、比表面積:61m/g、全光線透過率:6
2%、ヘイズ度:22%、であり、得られた水性ゾルは
透明感のある水性ゾルであることが確認されたが、濃縮
により粘度が上記のように1100cpに増粘してい
て、加工特性を著しく低下させる程度(約1000cp
以上)にまで粘度が高くなっていた。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0117
【補正方法】変更
【補正内容】
【0117】 得られた水性ゾルは、pH:8.3、粘
度:17cpであり、水性ゾル中の酸化アンチモン、N
O、Clの濃度は、それぞれ次の通り、酸化アンチ
モン:52.7%、NaO:0.64%、Cl:12
0ppm、であった。そして、水性ゾル中の酸化アンチ
モンのSb+5/Sb+3は3.9であった。また、こ
の水性ゾルを乾燥して得られた酸化アンチモンの比表面
積、全光線透過率、ヘイズ度は、それぞれ次の通り、比
表面積:61m/g、全光線透過率:61%、ヘイズ
度:19%、であり、得られた水性ゾルは透明感のある
水性ゾルであることが確認されたが、塩化ナトリウムに
よりゲル化したため、アルカリ金属化合物であるNa
Oが0.64%も存在していて、酸化アンチモンの難燃
特性を低下させる程度(約0.5%以上)にまでNa
Oが残存していた。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0123
【補正方法】変更
【補正内容】
【0123】 得られた水性ゾルは、pH:8.7、粘
度:16cpであり、水性ゾル中の酸化アンチモン、N
O、Clの濃度は、それぞれ次の通り、酸化アンチ
モン:48.0%、NaO:2.4%、Cl:161
0ppm、であった。そして、この水性ゾル中の酸化ア
ンチモンは、全Sb中のほとんどがSb+5であって、
Sb+3が検出できなかったので、Sb+5/Sb+3
を求めることはできなかった。また、この水性ゾルを乾
燥して得られた酸化アンチモンの比表面積、全光線透過
率、ヘイズ度は、それぞれ次の通り、比表面積:71m
/g、全光線透過率:61%、ヘイズ度:24%、で
あり、得られた水性ゾルは透明感のある水性ゾルである
ことが確認されたが、出発物質としてアンチモン酸塩を
用い、それを酸分解して解膠している関係上、得られた
酸化アンチモンの水性ゾル中にアルカリ金属化合物であ
るNaOが2.4%も存在していた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 三酸化アンチモンを水中で三酸化アンチ
    モン1モルに対して0.8〜2.5モルの過酸化水素と
    反応させて低濃度の酸化アンチモン〔組成式:Sb2
    3+x (0<X≦2)〕の水性ゾルを生成させた後、無機
    酸またはアンモニウム塩を上記酸化アンチモンに対して
    1重量%以上添加して上記酸化アンチモンのゲルを生成
    させ、分離、水洗した後、アルカノールアミン、アルカ
    ノールアミン塩、脂肪族α−ヒドロキシカルボン酸およ
    び脂肪族多価アルコールよりなる群から選ばれた少なく
    とも1種を分散剤として上記酸化アンチモンに対して1
    〜50重量%添加し、解膠することを特徴とする高濃度
    の酸化アンチモン水性ゾルの製造方法。
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