JPH07131291A

JPH07131291A - 二重モード弾性表面波フイルタ

Info

Publication number: JPH07131291A
Application number: JP29478593A
Authority: JP
Inventors: Arata Doi; 新土井
Original assignee: Kyocera Crystal Device Corp
Current assignee: Kyocera Crystal Device Corp
Priority date: 1993-10-29
Filing date: 1993-10-29
Publication date: 1995-05-19

Abstract

(57)【要約】【目的】本発明の目的は、二重モード弾性表面波フイ
ルタにおいて、通過帯域外のスプリアス特性を改善する
ことである。【構成】櫛型電極（ＩＤＴ）と反射器からなる二重モー
ド弾性表面波フイルタにおいて、初段目と次段目で通過
帯域外の特性を異ならせることにより、スプリアスの周
波数関係を少しずらせて初段目のスプリアスの周波数と
次段目のスプリアスの周波数が重ならない様にすること
でスプリアス特性が改善された。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、二段縦続接続の二重モ
ード弾性表面波フイルタの通過帯域外の特性改善に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来から二段縦続接続の二重モード弾性
表面波フイルタでは、初段目と次段目同一設計同一特性
のものを縦続接続して構成されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、この様な同一
特性の二段縦続接続の二重モード弾性表面波フイルタで
は、初段目と次段目同一設計同一特性のものを縦続接続
して構成すると、通過帯域外の特性がほぼ同じであるた
めに、スプリアスの周波数もほぼ同じに重なって、比率
としては改善されないという課題が有った。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
には、二段縦続接続の二重モード弾性表面波フイルタの
反射器の設計を初段目の反射器３と次段目の反射器４で
少し変更することで、帯域外の特性に差をもたせること
により、スプリアスの周波数が重ならないようにするこ
とでスプリアスの比率を軽減することで、前記課題が解
決された。

【０００６】

【作用】弾性表面波フイルタにおいて、通過帯域外の減
衰量を多く確保する手法に段数を重ねて縦続接続する方
法がある。この場合、従来技術で述べた様に同じ特性の
ものを縦続接続することが従来は行われて来た。一般的
に通過帯域外の特性は平坦ではなく、ノイズレベルより
スプリアスの様に特性の悪い部分と特性の良い部分とが
あり、同一設計ではこれらの特性がほぼ類似している。
これを二段縦続接続を行った場合の例を図２に示す。図
２（ａ）に示す様なノイズレベル３０ｄＢスプリアス１
５ｄＢ（レベルの表示は、通過域のレベルとの差で示
す）がの特性の初段に同じ特性の次段図２（ｂ）を重ね
た特性を図２（ｃ）に示す。図２（ｃ）の特性はノイズ
レベル６０ｄＢスプリアス３０ｄＢとなり、通過帯域外
の特性は初段１段の場合の２倍良くなるが、スプリアス
も２倍になっているため初段１５ｄＢ：３０ｄＢ＝０．
５と初段＋次段の特性３０ｄＢ：６０ｄＢ＝０．５と比
率は変わらない。

【０００６】ところが本発明の様に、通過帯域の特性は
同一にして通過帯域外の特性を少し異ならせることによ
り、スプリアスの周波数が同一にならないため二段縦続
接続を行つた場合、スプリアスのレベルはスプリアスと
スプリアスの和ではなく、スプリアスとノイズレベルの
和になる。この間の関係を図３に示す。即ち、図３
（ａ）示す様に、初段の特性を図２（ａ）と同じと仮定
し、次段の通過帯域外の特性を初段とは少し異ならせた
図３（ｂ）に示す様にしたと仮定すると、初段次段共、
ノイズレベルとスプリアスのレベルの関係は、１５ｄ
Ｂ：３０ｄＢ＝０．５であるが、初段と次段の総合特性
ではスプリアスとノイズレベルの比率は４５ｄＢ：６０
ｄＢ＝０．７５と、通過帯域外の特性が同じ特性である
弾性表面波フイルタを単純に二段縦続接続した場合に比
較して、改善される。本考案の方法による改善の程度
は、フイルタ一段分のスプリアスレベルとノイズレベル
の差分だけ、スプリアス特性が改善される。

【０００７】

【実施例】図１に示す様に、二段縦続接続の二重モード
弾性表面波フイルタにおいては、初段目と次段目それぞ
れの通過帯域の特性は、同一でないと二段縦続した全体
の通過帯域特性が劣化するので、極力同一になる様に努
めている。その上で、本発明では通過帯域外の特性に差
を作っている。

【０００８】二重モード弾性表面波フイルタを決める要
素を考察すれば、櫛型電極（ＩＤＴ）２の櫛の対数、交
叉幅Ｗ、結合幅Ｄで通過帯域幅が主に決まり、反射器は
充分な帯域をカバーする様にされるためこの反射器のサ
イドローブとメインローブの反射係数の帯域の特性とＩ
ＤＴの放射コンダクタンスの特性の山と谷との周波数的
位置が組み合わされて、帯域外の周波数特性を形成する
ので、メインの通過帯域を形成するＩＤＴのＷ、Ｄ、対
数、ピッチは変えず、反射器のピッチあるいは対数を変
えるか、反射器のピッチ及び対数を変えることで相対的
な位置をずらして帯域外特性を変える。

【０００９】この場合、小型にしたために反射器の数が
少ない場合、更に反射器の数を減らすと反射係数が低下
して、チップエッヂからの反射の影響等が増大して、通
過帯域外の減衰特性に悪影響が生じるので反射器の本数
を減ずるよりも反射器のピッチを変えた方が有効であ
る。

【００１０】ここには、二段縦続接続についてのみ述べ
たが、この手法は複数段縦続接続全てに適用できる。

【００１１】

【発明の効果】本発明により、複数段縦続接続の二重モ
ード弾性表面波フイルタにおける通過帯域外の減衰量の
確保、とくにスプリアス特性が著しく改善されたので、
良品率が非常に改善されコストダウンが可能になった。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１（ａ）は、本発明の弾性表面波フイルタの
構成図である。図１（ｂ）は、ＩＤＴのＤとＷを説明し
た図である。図２は、初段と次段が同じ特性である場合
の説明図である。（ａ）は、初段目の特性を示す特性図
である。（ｂ）は、次段目の特性を示す特性図である。
（ｃ）は、初段と次段の総合の特性を示す特性図であ
る。図２は、本発明の初段と次段の通過帯域外特性が相
違する場合の説明図である。（ａ）は、初段目の特性を
示す特性図である。（ｂ）は、次段目の特性を示す特性
図である。（ｃ）は、初段と次段の総合の特性を示す特
性図である。

【符号の説明】

１基板２櫛型電極（ＩＤＴ）３初段目の反射器４次段目の反射器

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【手続補正書】

【提出日】平成６年８月２６日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】図面の簡単な説明

【補正方法】変更

【補正内容】

【図面の簡単な説明】

【図１】図１（ａ）は、本発明の弾性表面波フイルタの
構成図である。図１（ｂ）は、ＩＤＴのＤとＷを説明し
た図である。

【図２】図２（ａ）は、従来技術の初段目の特性を示す
特性図である。図２（ｂ）は、従来技術の次段目の特性
を示す特性図である。図２（ｃ）は、従来技術の初段と
次段の総合の特性を示す特性図である。

【図３】図３（ａ）は、本発明の初段目の特性を示す特
性図である。図３（ｂ）は、本発明の次段目の特性を示
す特性図である。図３（ｃ）は、本発明の初段と次段の
総合の特性を示す特性図である。

【符号の説明】１基板２櫛型電極（ＩＤＴ）３初段目の反射器４次段目の反射器

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】二段縦続接続の二重モード弾性表面波フ
イルタにおいて、初段目の通過帯域特性と次段目の通過
帯域特性を同一として、通過帯域外特性を異ならせたこ
とを特徴とする二重モード弾性表面波フイルタ。【請求
項２初段目のフイルタと次段目のフイルタの反射器の
ピッチ及び／又は対数を異ならせことを特徴とする特許
請求の範囲第１項記載の二重モード弾性表面波フイル
タ。