JPH07130472A - エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

エレクトロルミネッセンス素子

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JPH07130472A
JPH07130472A JP5301091A JP30109193A JPH07130472A JP H07130472 A JPH07130472 A JP H07130472A JP 5301091 A JP5301091 A JP 5301091A JP 30109193 A JP30109193 A JP 30109193A JP H07130472 A JPH07130472 A JP H07130472A
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JP
Japan
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substrate
electrode
back surface
electroluminescent element
electroluminescence element
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Application number
JP5301091A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Inokuchi
和宏 井ノ口
Masakane Watanabe
正金 渡辺
Nobue Ito
信衛 伊藤
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Japan Science and Technology Agency
Denso Corp
Original Assignee
Research Development Corp of Japan
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】実装作業性に優れ、歩留まりが高く、より安定
で信頼性に優れた表示品位の高いエレクトロルミネッセ
ンス素子を提供すること。 【構成】図1は本発明に係る可変色エレクトロルミネッ
センス(EL)素子の断面の模式図で、EL素子が、ガラス基
板上に順次、透明な第1の電極、絶縁層、発光層、絶縁
層、および透明導電膜からなる第2の透明電極を積層し
て形成され、第1及び第2の各々の電極端部は、基板裏
面への引き回し電極により基板の裏面まで接続されて基
板裏面の所定の位置に電極取り出し部が形成されてい
る。電極取り出し部を、基板端部を介して配線を基板裏
面まで引き回す構造とすることで、基板のみの状態でEL
素子を重ね合わせ配置することができ、シリコンオイル
等の絶縁流体を注入封止した後に取り出しリード線を接
続することができるので、EL素子をより簡単に品質良く
製造できる構造とできた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種情報端末機器のデ
ィスプレイや車載用表示装置等に使用されるエレクトロ
ルミネッセンス素子に係わるもので、特に異なる複数の
発光色を表示できる可変色エレクトロルミネッセンス素
子に使用される、エレクトロルミネッセンス素子の電極
取り出し構造を有するエレクトロルミネッセンス素子に
関する。
【0002】
【従来の技術】エレクトロルミネッセンス素子は、硫化
亜鉛(ZnS) 等を母体とする蛍光体に電界をかけたとき発
光する現象を利用したもので、自発光型の平面ディスプ
レイとして注目されている。図8はその典型的な断面構
造を模式的に示したものであり、発光色は発光体層4中
に添加する発光中心元素の種類によって種々に変えるこ
とができる。例えば、発光母体を硫化亜鉛(ZnS) とし、
発光中心元素としてマンガン(Mn)を添加した場合には黄
橙色に、またフッ化テルビウム(TbF3)、塩化サマリウム
(SmCl3) 、塩化ツリウム(TmCl3) 、フッ化プラセオジウ
ム(PrF3)を添加した場合には、それぞれ、緑色、赤色、
青色、白色に発光する。
【0003】一方、多色もしくは可変色エレクトロルミ
ネッセンス素子の構造は従来より多数のものが提案され
ており、例えば特開平1-315987号公報などがある。この
従来構造は、相対向する二枚の基板の内側それぞれの面
にエレクトロルミネッセンス素子および電極が構成され
たものである。この構造は同一の箇所から異なった波長
の光を出すことができる特徴をもち、カラードット構成
に向いている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この従来構
造のエレクトロルミネッセンス素子で、各々わずかに離
れた2つの基板から、外部電源などと接続する電極およ
び配線を取り出す必要がある。このとき、多数の電極を
取り出す場合には、その実装組み付け作業が非常に困難
で、これが歩留まりの低下、ひいては信頼性の低下を招
くことになるという問題がある。
【0005】また、一枚の基板上に形成されたエレクト
ロルミネッセンス素子においても、エレクトロルミネッ
センス素子形成面側に電極取り出し部等が配置されてい
ると、発光に関与しないスペース(表示領域以外のスペ
ース=デッドスペース)が大きくなるので、例えば、表
示の高密度化、装置の小型化が要求される製品、例えば
車載用のエレクトロルミネッセンス素子としては不適当
なものとなってしまうという問題もある。
【0006】本発明は、上記の課題を解決するために成
されたものであり、その目的とするところは、実装作業
性に優れ、歩留まりが高く、より安定で信頼性に優れた
表示品位の高いエレクトロルミネッセンス素子を提供す
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の第一発明の構成は、絶縁性基板上の表面に、少なくと
も光取り出し側が透明導電材料からなる一対の電極間
に、蛍光体からなる発光層および絶縁層が配設されたエ
レクトロルミネッセンス素子であって、該エレクトロル
ミネッセンス素子に通電するための電極取り出し部をエ
レクトロルミネッセンス素子形成面とは反対面の基板裏
面上に形成した裏返し電極構造であることである。ま
た、第二発明の構成は、透光性前面基板と背面基板との
対向面上にそれぞれ個別エレクトロルミネッセンス素子
を形成したエレクトロルミネッセンス素子において、少
なくとも一方の基板の個別エレクトロルミネッセンス素
子に通電するための電極取り出し部を、前記個別エレク
トロルミネッセンス素子形成面とは反対面の基板裏面上
に形成した裏返し電極構造となっていることである。
【0008】上記発明の関連発明の構成は、前記裏返し
電極構造が、基板端面の表面に設けた配線を介して、エ
レクトロルミネッセンス素子形成面と反対面の前記基板
裏面上に形成した構造であることを特徴とし、またその
別な構成は、前記基板端面の1部に切り欠きを設けて、
各々の電極取り出し部を分離した構造を有することを特
徴とする。
【0009】別の関連発明の構成は、前記裏返し電極構
造が、基板の端部にスルーホールを設けて、エレクトロ
ルミネッセンス素子形成面と反対面の前記基板裏面上に
形成した構造であることを特徴とする。
【0010】
【作用及び発明の効果】本発明は、エレクトロルミネッ
センス素子に通電するための電極取り出し部を、エレク
トロルミネッセンス素子形成面とは反対側の基板裏面上
に形成した。このため、1枚の基板上に形成されたエレ
クトロルミネッセンス素子においては、電極取り出し部
がエレクトロルミネッセンス素子形成面とは反対側の基
板裏面上に配置されるので、発光に関与しないスペース
(表示領域以外のスペース=デッドスペース、周辺領
域)を小さくでき、表示装置の高密度化・小型化が図れ
る。また、2枚の対向した基板面上に各々エレクトロル
ミネッセンス素子を形成した多色発光エレクトロルミネ
ッセンス素子においては、少なくとも一方の基板のエレ
クトロルミネッセンス素子に通電するための電極取り出
し部を、エレクトロルミネッセンス素子形成面とは反対
側の基板裏面上に形成することにより、駆動回路や電源
等との接続のための取り出しリード線(配線)を、エレ
クトロルミネッセンス素子の実装組み付け後に取り付け
ることができるので、従来のような取り出しリード線
(配線)を付けた状態での煩雑な作業が回避できる。そ
の結果、互いの基板の位置合わせ精度が飛躍的に向上し
画像ボケ(2重写し)をなくすことができ、表示品位が
向上する。更にまた、2枚の基板を対向させて防湿用の
シリコンオイル等の注入封止を行う際に伴う、取り出し
リード線(配線)の洗浄等、余計な作業も不要となる。
【0011】以上述べたように、透光性前面基板と背面
基板との対向面上にそれぞれ個別エレクトロルミネッセ
ンス素子を形成したエレクトロルミネッセンス素子にお
いて、少なくとも一方の基板の個別エレクトロルミネッ
センス素子に通電するための電極取り出し部をエレクト
ロルミネッセンス素子形成面とは逆の基板裏面上に形成
することにより、実装作業性に優れ、歩留まりが高く、
より安定で信頼性に優れた表示品位の高いエレクトロル
ミネッセンス素子が提供できる。
【0012】
【実施例】以下、具体的な実施例に基づいて説明する。
図1は本発明に係る可変色エレクトロルミネッセンス素
子の断面図を示した模式図である。また、図2は、図1
の光取り出し側(第1の発光色)のエレクトロルミネッ
センス素子Aを拡大した模式的な縦断面図を示すもの
で、丸囲いの部分は更にその一部を拡大した図である。
光取り出し側(第1の発光色)のエレクトロルミネッセ
ンス素子Aは、透光性絶縁基板であるノンアルカリのガ
ラス基板11上に、順次、以下の薄膜が形成され構成さ
れている。また図3は一枚のエレクトロルミネッセンス
素子Aの正面図である。
【0013】図2で、ガラス基板11上には、ITO (Ind
ium Tin Oxide:酸化インジウム、錫)透明導電膜からな
る第1透明電極21、第1絶縁層31、母体材料が硫化
亜鉛(ZnS) からなる第1の発光色を呈する発光層41、
第2絶縁層32及び酸化亜鉛(ZnO:Ga2O3) 透明導電膜か
らなる第2透明電極22が積層形成されている。そし
て、第1絶縁層31、発光層41、第2絶縁層32で被
覆されていない第1透明電極21の各々の端子部を、端
子間が接続しないように孤立してNiおよび/またはAuよ
りなる金属膜で被覆して接続用端子部5が形成されてい
る。更に、接続用端子部5から基板を挟んで、接続用端
子部5と対称の基板裏面の位置まで基板端面を介して、
Niおよび/またはAuよりなる裏面への引き回し電極6に
より接続し、電極取り出し部91(図3)が形成されて
いる。又、同様に第2透明電極22の端子部(紙面に垂
直方向、図3参照)もNiおよび/またはAuよりなる裏面
への引き回し電極6により基板の裏面まで接続され、所
定の位置に電極取り出し部92(図3)が形成されてい
る。
【0014】一方、図1において、これとは別に背面側
(第2の発光色)のエレクトロルミネッセンス素子B
が、上述したガラス基板11とは異なる別のノンアルカ
リのガラス基板12上に順次、ITO 透明導電膜からなる
第1の電極、絶縁層、第1の発光色とは異なる第2の発
光色を呈する発光層、絶縁層、および酸化亜鉛(ZnO:Ga2
O3) 透明導電膜からなる第2の透明電極、を積層し形成
されている。又、第1及び第2の各々の電極端部は、光
取り出し側(第1の発光色)のエレクトロルミネッセン
ス素子Aと同様に裏面への引き回し電極により基板の裏
面まで接続され、基板裏面の所定の位置に電極取り出し
部が形成されている。
【0015】そして、これら2枚のエレクトロルミネッ
センス素子AとBとを、互いの発光面が向い合う形で対
向配置させ、スペーサ8で各基板間を一定の間隙に保持
するとともに、その間隙にシリコンオイルからなる透光
性絶縁物質を充填し、気密封止して形成されている。ま
た、基板裏面に形成された電極取り出し部には、フレキ
シブルプリント板よりなる取り出しリード線7が接続さ
れており、取り出しリード線7のもう一方の端部は、図
示しないエレクトロルミネッセンス用駆動回路等に接続
されている。
【0016】ここで、背面側(第2の発光色)のエレク
トロルミネッセンス素子Bでは、絶縁基板12としてノ
ンアルカリのガラス基板を用いているが、必ずしも透明
である必要はなく、ムライト(3Al2O3 ・2SiO2 〜Al2O3
・2SiO2)やアルミナ(Al2O3)等のセラミックス基板でも
よい。また同様に、背面側(第2の発光色)のエレクト
ロルミネッセンス素子Bでは、第1の電極もITO 透明導
電膜よりなる透明電極としているが、必ずしも透明であ
る必要はなく、Al、Ta等の金属電極であってもかまわな
い。
【0017】次に、上述の可変色薄膜エレクトロルミネ
ッセンス素子の製造方法、特に基板裏面に電極取り出し
部を形成する方法について以下に述べる。なお、エレク
トロルミネッセンス素子Bの製造方法は基本的にエレク
トロルミネッセンス素子Aと同じであり、発光層の部分
の材料のみが異なるので、代表してエレクトロルミネッ
センス素子Aを中心に説明し、エレクトロルミネッセン
ス素子Bについては発光層の製造法についてのみ述べ
る。
【0018】まず、ガラス基板11上にITO (Indium Ti
n Oxide:酸化インジウム、錫)透明導電膜をアルゴン(A
r)及び酸素(O) の混合ガス雰囲気中でDCスパッタして
200nm の厚さに成膜し、ウェットエッチングにより、図
2の左右方向であるX方向にストライプ状の透明な第1
電極21を形成した(図3参照)。その上に、五酸化タ
ンタル・酸化アルミニウム混合(Ta2O5・Al2O3)をターゲ
ットとして、アルゴン及び酸素の混合ガス雰囲気中で高
周波スパッタして400nm の厚さに第1絶縁層31を成膜
した。次に、TbOFを添加した硫化亜鉛(ZnS) をターゲッ
トとして、アルゴン及びヘリウム(He)の混合ガス雰囲気
中で高周波スパッタして厚さ500nm の発光層41(図
2)を形成した。なおエレクトロルミネッセンス素子B
においてはここで、Mnを添加した硫化亜鉛(ZnS) を蒸着
用ペレットとして、電子ビーム蒸着法により620nm の厚
さに成膜し、発光層42を形成した。
【0019】そして、シリコンをターゲットとして、ア
ルゴン、窒素、及び少量の酸素の混合ガス雰囲気中で高
周波スパッタして、酸化窒化珪素(SiON)を100nm の厚さ
に成膜した。更に、その上に、五酸化タンタル・酸化ア
ルミニウム混合をターゲットとして、アルゴン及び酸素
の混合ガス雰囲気中で高周波スパッタして、厚さ400nm
の第2絶縁層32(図2)を成膜した。これらの薄膜を
積層形成した後、Ga2O3 を添加したZnO 透明導電膜をイ
オンプレーティングにより450nm の厚さに成膜し、フォ
トエッチング法により、紙面(図2)に上下方向である
Y方向にストライプ状の第2電極22を形成した(図3
参照)。
【0020】ここで、第1絶縁層31、発光層41、第
2絶縁層32の成膜に際しては、第1電極21を形成
後、金属マスク等でガラス基板11の周囲(領域bの外
周を覆って)を制限して成膜し、第1電極21の所定の
端部を覆わないようにした(図3参照、内側点線領域a
は発光層41成膜領域、外側点線領域bは第1及び第2
絶縁層31、32成膜領域)。
【0021】その後、金属マスク、即ち第1絶縁層3
1、発光層41、第2絶縁層32の成膜領域(領域b)
を塞ぎ、ガラス基板11の周囲の第1電極21及び第2
電極22の端部の所定の位置(図3のf参照)に開口し
た金属マスク等を用いて、成膜領域を制限しながら、ニ
ッケル(Ni)をターゲットとしてアルゴン雰囲気中でDC
スパッタして350nm の膜厚に成膜し、フォトエッチング
法により各々の電極端子部を端子間が接続しないように
孤立して接続用端子部5を形成した。
【0022】図3に、裏面への引き回し電極6まで形成
した、本発明のエレクトロルミネッセンス素子Aの平面
の模式図を示す。また、図4(ア)〜(ウ)は、裏面へ
の引き回し電極6の製造方法の説明補助図として、ガラ
ス基板11のある端部の拡大斜視図を示した模式図であ
る。更に図5は、同じくガラス端部の一部の(A−A')
断面構造を示す。以下、図3、図4(ア)〜(ウ)及び
図5の記号を用いて裏面への引き回し電極6の製造方法
を説明する。
【0023】第1絶縁層31、発光層41、第2絶縁層
32の成膜領域、及び前記接続用端子部5の一部領域を
含む素子形成面(図3eの領域)、及びガラス基板11
の裏面の同位置の領域、をフォトレジストで覆った後、
同基板をニッケル(Ni)及び金(Au)の無電界メッキ液に順
次浸積処理して、ガラス基板11の周囲端面(側面を含
む、図4のガラス端面から距離cの位置)にNiを700nm
、Au200nm の厚さにし、裏面への引き回し電極6のベ
ースとなる膜(図4-(イ)の6')を形成した。
【0024】次に、ガラス基板11の周囲端面から、前
記Ni及びAuのメッキ膜の成膜領域(ガラス端面から距離
cの位置)より深い位置(ガラス端面から距離dの位
置、図3〜図5参照)まで切り込みを入れ、各々の電極
が短絡しないように分離した後、保護用に形成したフォ
トレジストを除去して裏面への引き回し電極6を形成し
た。
【0025】ここで、本実施例においては裏面への引き
回し電極6を形成する方法として、メッキ膜を形成した
後、各々の電極が短絡しないようにガラスに切り込みを
入れ分離する方法を呈示したが、予めガラス裏面の所定
の位置にNi及び/またはAuよりなる電極取り出し部9
1、92(図3の裏側)を形成しておき、ガラス端面
(側面)に導体よりなるペースト(銀ペースト等)をシ
ルクプリント法等により印刷して、接続用端子部5とガ
ラス裏面の電極取り出し部91、92を接続してもかま
わない。また、ガラスに切り込みを入れる手段として
は、多数のガラス基板の端面を揃えてセッティングした
後、一度にワイヤカット若しくはダイシングカットする
方法がある。更に、切り込みを入れるタイミングは2枚
のガラス基板を重ね合わせた後でもかまわない。
【0026】上述の製造方法により得られたエレクトロ
ルミネッセンス素子AとBの内どちらか一方の側の素子
に、ギャップ形成用の樹脂ビーズを混入したエポキシ系
の熱硬化型樹脂接着材をスクリーン印刷してスペーサ8
とし、そして接続用端子部5を形成する際、予め同時に
Ni膜にて基板上に形成しておいたアライメントマークを
用いて位置ズレが防止されるよう正確に位置合わせし
て、互いの発光面が向かい合う形で2枚の基板を重ね合
わせた後、高温槽に入れ接着固化させた。
【0027】次に、上記スペーサ8の一部を切り欠いた
オイル注入口を下にして、減圧雰囲気下でシリコーンオ
イル中に浸積し、これを大気圧に戻すことで2枚の基板
間にシリコーンオイル9を充填し、余計なオイルを拭き
取った後、オイル注入口をエポキシ系の常温硬化型の樹
脂接着材で封止した。封止に際してエポキシ系の常温硬
化型の樹脂接着材の代わりに紫外線硬化型の接着材を用
いてももちろんかまわない。その後、基板裏面に形成さ
れた電極取り出し部91、92にフレキシブルプリント
板を半田付けした後、裏面への引き回し電極6及び半田
接続部を保護するため、絶縁性のシリコーン樹脂で基板
端面周囲をカバーし、本発明の可変色エレクトロルミネ
ッセンス素子を完成させた。そして、フレキシブルプリ
ント板のもう一方の端部を、駆動回路等が実装されたガ
ラスエポキシ等よりなるプリント基板と半田付け接続し
た。
【0028】このようにして得られた可変色エレクトロ
ルミネッセンス素子を動作させて不良の有無を確認する
と、半田付け不良による欠陥や、余分なシリコーンオイ
ル残り等は全く無く、また2枚のエレクトロルミネッセ
ンス素子間の位置ズレや2枚の間隔(ギャップ)の光路
差による表示パターンのにじみも全く認められず、極め
て良好な仕上がり状態および表示動作を示すことが確認
された。
【0029】本実施例ではドットマトリックス・エレク
トロルミネッセンス素子の例を取り上げたが、当然なが
ら、セグメントタイプのエレクトロルミネッセンス素子
においても同様の効果が得られている。また、発光色に
おいても、本実施例の発光層以外の発光色を呈するもの
や、必要に応じて色フィルターを設けた物についても同
様の効果が得られることは言うまでもない。
【0030】なお、基板のエレクトロルミネッセンス素
子に通電するための電極取り出し部を、エレクトロルミ
ネッセンス素子形成面とは逆の基板裏面上に形成する方
法としては、例えば、代表的なものとして次の2つがあ
げられる。1つは、”電極の1部にスルーホールを形成
し、このホールに導電性材料を充填あるいはホール壁面
に導電性の膜をコートして、基板裏面に形成した電極取
り出し部(パッド部)と接続する方法”、もう1つ
は、”素子形成面側の電極を導電性の金属膜等で基板端
面を介して裏面側に引き回し、基板裏面に形成した電極
取り出し部(パッド部)と接続する方法”がある。本発
明に適用する方法は、これらいずれの方法であってもか
まわないが、エレクトロルミネッセンス素子に用いられ
る基板は、通常ガラスやセラミックス等の比較的加工の
困難なものであることが多いため、スルーホール方式の
ものより加工の容易な基板壁面を利用した方法のほうが
量産に向いている。
【0031】次に、図6に示す比較例の場合で考慮する
と、電極取り出し部5が内側になるため、配線7を予め
半田等の導電性の接着剤で固着しておく必要がある。そ
のため、このように配線7を取り付けた後の基板11、
12を、互いに発光させる形状に合わせて正確に位置を
固定することは困難である。しかもその後に、防湿のた
めのシリコーンオイル9等を封入させようとすると、配
線7が時としてオイル9中に浸されることとなり、その
洗浄が困難なものになる。
【0032】更に一般的に、2枚の基板11、12の距
離(ギャップ)が大きくなればなる程、その距離に比例
して光路差による表示パターンのずれが大きくなること
が知られている。図6の比較例の場合は、電極7の取り
出し部5が内側になるため、配線7の厚さ(or径、例え
ば非常に薄い配線として知られているフレキシブルプリ
ント板でさえ1枚約100〜200μmの厚さを有す
る)の2倍(2枚分)以上の基板間距離(ギャップ)を
取らねばならないため、大きく表示品位を落とすことに
なる。従って、この図6の比較例は現実的でない。つま
り、電極取り出し部はエレクトロルミネッセンス素子を
形成した側ではなく、外側の基板裏側に形成することが
理想的であることがわかる。
【0033】(第二実施例)図1の可変色エレクトロル
ミネッセンス素子は、背面側(第2の発光色)のエレク
トロルミネッセンス素子Bについても、光取り出し側
(第1の発光色)のエレクトロルミネッセンス素子Aと
同様に、第1および第2の電極端部に形成された接続用
端子部5が、導電性の金属膜により基板の端面を介して
基板裏面の電極取り出し部と接続された構造の一例であ
るが、何れか一方の基板側は、必ずしも基板裏面の電極
取り出し部を形成する必要はなく、その構造の一例を図
7に示す。
【0034】図7の可変色エレクトロルミネッセンス素
子では、光取り出し側(第1の発光色)のエレクトロル
ミネッセンス素子Aは、図1のエレクトロルミネッセン
ス素子Aと同様に、基板裏面に電極取り出し部91、9
2が形成された構造となっているが、背面側(第2の発
光色)のエレクトロルミネッセンス素子Bには基板裏面
の電極取り出し部91、92は形成されておらず、その
代わりに第1の透光性絶縁基板11より一回り大きい絶
縁基板12のエレクトロルミネッセンス素子形成面上に
電極取り出し部(この場合、接続用端子部5と同じ)が
形成されている。この場合、外形寸法は大きくなるが、
第1の透光性絶縁基板11の外側に電極取り出し部(=
接続用端子部5)が突き出ているため、2枚の基板を重
ね合わせた後でも直接取り出しリード線(例えばフレキ
シブルプリント板)と接続できる構造になっている。
【0035】図7の例では、光取り出し側(第1の発光
色)のエレクトロルミネッセンス素子Aに、基板裏面の
電極取り出し部91、92を設けているが、このタイプ
の可変色エレクトロルミネッセンス素子で、背面側(第
2の発光色)のエレクトロルミネッセンス素子Bに基板
裏面の電極取り出し部91、92を設けたい場合には、
図7の例とは逆に、光取り出し側(第1の発光色)のエ
レクトロルミネッセンス素子Aの透光性絶縁基板11
を、背面側(第2の発光色)のエレクトロルミネッセン
ス素子Bの絶縁基板12よりひと回り大きくしておき、
エレクトロルミネッセンス素子A側の電極取り出し部
(=接続用端子部5)を、エレクトロルミネッセンス素
子Bの絶縁基板12の外側に突き出るような位置に形成
しておけば良い。
【0036】以上、図1や図7で示すように、電極取り
出し部を基板端部を介して配線を基板裏面まで引き回す
本発明の構造とすることで、基板のみの状態で重ね合わ
せアライメントをすることができ、シリコンオイル等の
絶縁流体を注入封止した後に、取り出しリード線(例え
ばフレキシブルプリント板)を接続することができるの
で、図6で示す比較例の構造のように、予め基板に取り
出しリード線を付けた状態で実装プロセスを行わなけれ
ばならないような種々の問題は生じず、エレクトロルミ
ネッセンス素子をより簡単に品質良く製造できる構造と
できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体的な一実施例に係る可変色エレク
トロルミネッセンス素子の断面構造を示した模式図であ
る。
【図2】同図1の実施例の部分拡大断面構造を示した模
式図である。
【図3】同図1の実施例の一素子側の平面を示した模式
図である。
【図4】同図3の実施例の部分拡大斜視図を示した模式
図であり、裏面への引き回し電極6の製造方法を説明す
るための補助図である。
【図5】同図3の実施例の部分拡大斜視図と同基板端面
の拡大断面構造を示した模式図である。
【図6】電極取り出し部が内側に入った可変色エレクト
ロルミネッセンス素子の断面構造を示した比較例として
の模式図である。
【図7】本発明の他の実施例に係る可変色エレクトロル
ミネッセンス素子の断面構造を示した模式図で、具体的
には2枚のエレクトロルミネッセンス素子の内、一方の
みに基板裏面の電極取り出し部を設けた構造の可変色エ
レクトロルミネッセンス素子の断面構造を示した模式図
である。
【図8】従来のエレクトロルミネッセンス素子の典型的
な断面構造を示した模式図である。
【符号の説明】
11−ガラス基板(透光性絶縁基板) 21−第1透明電極(第1電極) 31−第1絶縁層 41−第1の発光色を呈する発光層(発光層) 32−第2絶縁層 22−第2透明電極(第2電極) 5−接続用端子部 6−裏面への引き回し電極 6' −裏面への引き回し電極形成(切り込み)前の膜状
態を表す図 7−取り出しリード線(例えばフレキシブルプリント
板) 8−スペーサ 9−絶縁流体(例えばシリコーンオイル) 10−基板端部の切り込み部 A−第1の発光色のエレクトロルミネッセンス素子 B−第2の発光色のエレクトロルミネッセンス素子 12−絶縁性基板 42−第2の発光色を呈する発光層(発光層) 91−電極取り出し部(第1電極側) 92−電極取り出し部(第2電極側) a−発光層成膜領域を示す補助記号 b−第1及び第2絶縁層の成膜領域を示す補助記号 c−裏面への引き回し電極6の成膜領域を示す補助記号 d−基板端部への切り込み深さを表す補助記号 e−裏面への引き回し電極6を形成する際の保護膜領域
を示す補助記号 f−接続用端子部5の成膜領域を示す補助記号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 信衛 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性基板上の表面に、少なくとも光取
    り出し側が透明導電材料からなる一対の電極間に、蛍光
    体からなる発光層および絶縁層が配設されたエレクトロ
    ルミネッセンス素子であって、 該エレクトロルミネッセンス素子に通電するための電極
    取り出し部をエレクトロルミネッセンス素子形成面とは
    反対面の基板裏面上に形成した裏返し電極構造であるこ
    とを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
  2. 【請求項2】 透光性前面基板と背面基板との対向面上
    にそれぞれ個別エレクトロルミネッセンス素子を形成し
    たエレクトロルミネッセンス素子において、 少なくとも一方の基板の個別エレクトロルミネッセンス
    素子に通電するための電極取り出し部を、前記個別エレ
    クトロルミネッセンス素子形成面とは反対面の基板裏面
    上に形成した裏返し電極構造であることを特徴とするエ
    レクトロルミネッセンス素子。
  3. 【請求項3】 前記裏返し電極構造が、基板端面の表面
    に設けた配線を介して、エレクトロルミネッセンス素子
    形成面と反対面の前記基板裏面上に形成した構造である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のエレクトロ
    ルミネッセンス素子。
  4. 【請求項4】 前記基板端面の1部に切り欠きを設け
    て、各々の電極取り出し部を分離した構造を有すること
    を特徴とする請求項3に記載のエレクトロルミネッセン
    ス素子。
  5. 【請求項5】 前記裏返し電極構造が、基板の端部にス
    ルーホールを設けて、エレクトロルミネッセンス素子形
    成面と反対面の前記基板裏面上に形成した構造であるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載のエレクトロル
    ミネッセンス素子。
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