JPH07130408A - 光化学2次電池 - Google Patents

光化学2次電池

Info

Publication number
JPH07130408A
JPH07130408A JP27388193A JP27388193A JPH07130408A JP H07130408 A JPH07130408 A JP H07130408A JP 27388193 A JP27388193 A JP 27388193A JP 27388193 A JP27388193 A JP 27388193A JP H07130408 A JPH07130408 A JP H07130408A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
negative electrode
secondary battery
positive electrode
type semiconductor
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP27388193A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3304006B2 (ja
Inventor
Masaya Takahashi
雅也 高橋
Takaharu Akuto
敬治 阿久戸
Naoki Kato
直樹 加藤
Tsutomu Ogata
努 尾形
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP27388193A priority Critical patent/JP3304006B2/ja
Publication of JPH07130408A publication Critical patent/JPH07130408A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3304006B2 publication Critical patent/JP3304006B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/20Light-sensitive devices
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/542Dye sensitized solar cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/549Organic PV cells

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)
  • Hybrid Cells (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 光エネルギーによる充電が可能であり、充電
器を必要とせず省エネルギー性に優れ、負極と正極との
2電極よりなる単純な電池構成とすることができ、充電
時に負極のn型半導体で酸化され、放電時には正極で還
元されるレドックスイオン対の、正極と負極のn型半導
体部との間での移動を容易にすることで高電流での充放
電を可能とし、さらに、半導体から金属への電子の伝達
性を向上させた光化学2次電池の提供。 【構成】 光透過用窓15aが設けられた電池ケース1
5内に正極10、負極11および電解質12を有し、光
で充電できる2次電池において、負極11はn型半導体
11cと金属製負極部材11aとを一体化した構造を有
し、かつ、電解質12には酸化剤が含有されており、さ
らに、正極10は光を透過させるための孔10aが少な
くとも一つ以上形成された構造を有する光化学2次電
池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、充電と放電の双方が可
能な2次電池に係わり、酸化反応により放電し、光エネ
ルギーにより充電する光化学2次電池に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】太陽光等の光エネルギーで2次電池を充
電する試みは以前からなされており、この種の光2次電
池として、アモルファスシリコン太陽電池と、ニッケル
−カドミウム蓄電池や鉛蓄電池等の2次電池を組み合わ
せた太陽光蓄電池が知られている。この太陽光蓄電池を
図5を参照して説明する。図5は太陽光蓄電池の等価回
路図を示しており、この太陽光蓄電池は、太陽電池1
と、この太陽電池1で得られた電力を貯蔵する蓄電池2
と、太陽電池1において生じた電圧を蓄電池の充電に適
した電圧に調整する電圧調整回路3と、蓄電池2から太
陽電池1に電流が逆流することを防止する逆流防止ダイ
オード4とから構成されている。この太陽光蓄電池は、
太陽電池1で発電し、この太陽電池1で得られた電力を
蓄電池2に貯蔵させる二段階(間接)方式で構成された
光2次電池である。
【0003】しかしながら、従来の太陽光蓄電池におい
ては、電圧調整回路3や逆流防止ダイオード4等の構成
部品が必須であるため、電池の構造が複雑で大きなもの
になるという欠点を有している。また、従来の太陽光蓄
電池を適正に機能させるためには、太陽電池1で発電し
た電力を、蓄電池2へ充電するのに適した電圧に調整す
る必要があり、この調整のために消費されるエネルギー
損失が大きいという問題があった。さらに、上記太陽光
蓄電池は、光→電気→電気化学の3段階のエネルギー変
換ステップを経て光エネルギーを電気化学エネルギーと
して蓄積するため、このエネルギー変換ステップを行わ
せるために必要な構成部品数の増加や、このエネルギー
変換ステップに起因するエネルギーロスの増大といった
問題もあった。さらに、太陽電池1を製造するために
は、p−n接合作製等の比較的高度な製造技術が必要と
なるなど、太陽電池1の製造上の困難性もあった。
【0004】一方、上述した太陽光蓄電池とは異なり、
p−n接合作製等の比較的高度な製造技術を必要としな
い光2次電池として、光化学2次電池が知られている。
図6は従来の光化学2次電池の概略構成図を示したもの
であり、図5中符号5は電池容器、5aは電池容器を密
閉するための蓋、6はセパレーター、7はn型半導体よ
りなる光電極、8aは充電用の電極、8bは放電用の電
極、9は電解質である。このような光化学2次電池は半
導体−電解質界面の電気化学的な特性を利用した電池で
あり、即ち、半導体電極を電解質と接触させた際に生じ
るエネルギーバンドの曲がりを利用して光エネルギーに
より励起された電子を半導体光電極の外部に取り出し、
該電子の電気エネルギーを充電用電極において電気化学
的に貯蔵するものである。図6に示す光化学2次電池の
光電変換部は、半導体よりなる光電極7を電解質9に浸
漬させるだけで構成されており、p−n型接合作製技術
等の比較的高度な製造技術を必要としない点において、
アモルファスシリコン太陽電池等が必要な図5に示した
ような等価回路を有する従来の太陽光蓄電池に比べて優
れている。しかし、従来の光化学2次電池では、通常の
2次電池における正極と負極の他に光充電を行うための
電極がさらに1〜2極必要であり、電池の構造が複雑に
なるという欠点があった。
【0005】これに対して、金属製の負極部材とn型半
導体とを一体に形成し、n型半導体上で光エネルギーに
より励起された電子を、電極外部に取り出すことなく金
属製負極部材における還元反応に用いることができれ
ば、n型半導体と金属製負極部材とを複合形成した負極
と、正極との二極のみにより光化学2次電池を構成する
ことが可能となり、電池構造の単純化を図ることができ
ると考えられている。しかしながら、通常、金属と半導
体との接触界面には、電子の通路であるエネルギーバン
ドに障壁が形成されることが多く、単純に金属とn型半
導体とを接触させただけでは、半導体上で光エネルギー
により励起された電子を効率よく金属製負極部材に伝達
することができないという問題があった。この様な問題
に対して、本願発明者らは金属−半導体界面におけるエ
ネルギー障壁を低減する作用を有する金属層を介して、
n型半導体と金属製負極部材とを一体に形成することに
より、n型半導体上で光エネルギーにより生成した電子
を、電極外部に取り出すことなく、効率よく金属製負極
部材における還元反応に用いることができる、n型半導
体と金属製負極部材とを複合形成した負極を開発し、こ
の負極と正極との単純な2極構成で効率的な光充電が可
能な光空気2次電池をすでに報告している。この光空気
2次電池では高エネルギー密度化を図るために、電池の
正極活物質として空気中の酸素を用いたが、レドックス
イオン対を電解質中に存在させ、該レドックスイオン対
を正極活物質として用いれば空気中の酸素を活物質とし
た場合に比べて正極の構造を単純にしうることや、レド
ックスイオン対の種類を変えることにより、使用目的に
あった端子間電圧を有する電池を作製することが可能と
なる。
【0006】
【発明が解決しようとする】ところで、このような電解
質中のレドックスイオン対を正極活物質として用いる光
化学2次電池においては、電池の充電の際に負極のn型
半導体部に光照射を行うことにより該n型半導体の価電
子帯に正孔を生じさせ、放電時に正極上で還元されたレ
ドックスイオン対を上記正孔により負極のn型半導体部
において酸化する必要がある。このため、正極と、負極
のn型半導体部とができる限り接近していることが充放
電時の反応効率を高め、高電流での充放電を行う上で望
ましく、このためには負極の光照射面であるn型半導体
部と正極とを電解質をはさんで対向させる必要がある。
しかしながら、従来の光化学2次電池の構造では、正極
が透明な部材で構成されていない限り、負極のn型半導
体部への照射光を正極が遮断してしまうため、n型半導
体部への光照射が困難になるという問題があった。
【0007】本発明は上記実状に鑑みてなされたもの
で、光エネルギーによる充電が可能であり、充電器を必
要とせず省エネルギー性に優れ、負極をn型半導体と金
属製負極部材とで複合形成することにより負極と正極と
の2電極よりなる単純な電池構成とすることができ、な
おかつ正極と負極のn型半導体部とを接近させることに
より、充電時に負極のn型半導体で酸化され、放電時に
は正極で還元されるレドックスイオン対の、正極と負極
のn型半導体部との間での移動を容易にすることで高電
流での充放電を可能とし、さらに、半導体から金属への
電子の伝達性を向上させた光化学2次電池を提供するこ
とを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の光化学2
次電池は、光透過用窓が設けられた電池ケース内に正
極、負極および電解質を有し、光で充電できる2次電池
において、上記負極はn型半導体と金属製負極部材とを
一体化した構造を有し、かつ、上記電解質には酸化剤が
含有されており、さらに、上記正極は光を透過させるた
めの孔が少なくとも一つ以上形成された構造を有するこ
とを特徴とするものである。
【0009】また、請求項2記載光化学2次電池は、上
記請求項1記載の光化学2次電池において、負極は、n
型半導体上の一部に金属−半導体界面におけるエネルギ
ー障壁を低減する障壁低減用金属層が設けられ、かつ該
障壁低減用金属層の少なくとも一部に金属製負極部材が
設けられてなる構造を有することを特徴とするものであ
る。
【0010】
【作用】本発明の光化学2次電池においては、金属製負
極部材の酸化反応により放電され、一方、電解質中にn
型半導体を浸漬することで形成されるエネルギーバンド
の曲がりを利用して光エネルギー→電気化学エネルギー
の変換を行い、光エネルギーにより充電される。そし
て、放電時に還元された金属製負極部材が電解質中の水
酸イオンや水分子等の酸化剤により酸化されるととも
に、充電時に負極のn型半導体上で酸化されたレドック
スイオン対が、正極上で還元されるが、正極に光を透過
させるための孔を設けることにより、はじめて正極と負
極のn型半導体部とを接近させた上で、なおかつ該n型
半導体部への光照射を光を透過させるための孔を通して
行うことが可能となり、これにより光充放電時の反応効
率が高められ、大電流での充放電が可能となる。さら
に、n型半導体上に、金属−半導体界面におけるエネル
ギーバンド上の障壁を低減させる働きを有する障壁低減
用金属層を形成し、該金属層上に金属製負極部材を張り
合わせるとともに、n型半導体、障壁低減用金属層、金
属製負極部材がそれぞれ電気的に接続されている構造を
有しているため、充電時に、負極のn型半導体部に光エ
ネルギーを作用させることにより電力を生じさせ、この
電力を金属−半導体界面の障壁の影響を受けずにn型半
導体部から金属製負極部材に、電極外部へ取り出すこと
なく伝達させることができるため、この金属製負極部材
における還元反応に用いられる光エネルギーの利用効率
を向上させつつ、従来の光化学2次電池における負極と
光電極との機能を一つの電極に併せ持たせることが可能
となる。従って、充電時のエネルギー効率を低下させる
ことなく、正極と負極のみの単純な2極構成の電池であ
りながら高電流での充放電が可能となる。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。なお、本発明は以下の実施例のみに限定さ
れるものではない。図1は、本発明に係る光化学2次電
池の実施例の概略構成を示す断面図である。図1中符号
10は正極、10aは正極に設けた光を透過させるため
の孔、11は負極、12は正極10と負極11とに接触
する電解質、13は正極10に電気的に接続された正極
端子、14は負極11に電気的に接続された負極端子、
15は電池ケースである。この実施例の光化学2次電池
の外観を示した斜視図を図2に示す。
【0012】正極10と負極11とは、ともに方形状に
形成され、例えば、一辺が1cmで他辺が3cmに形成
されている。ここで正極10と負極11との形状を方形
状に限定するものではなく、電池ケース15の形状や大
きさ等を考慮して、方形以外の多角形状、円盤状あるい
は円筒形状等の形状に形成されていてもよい。
【0013】正極10は厚さ1mmの炭素板で、後述す
る負極11のn型半導体11cと向き合うように、電池
ケース15の受光部15aと負極11のn型半導体11
cとの間に設置されている。また、電池ケース15の受
光部15aから入射した光が正極10を透過して負極1
1のn型半導体11cに照射されるよう、多数の六角形
状の孔を開けた構造となっている。図3に本実施例の光
化学2次電池に用いた正極の外観を示した斜視図を示
す。
【0014】負極11は、光エネルギーを電気エネルギ
ーに変換するためのn型半導体11cと、このn型半導
体11cの一方の表面に電気的に接続されるように一体
に形成され、金属−半導体界面におけるエネルギー障壁
を低減する障壁低減用金属層11bと、この障壁低減用
金属層11bの表面に電気的に接続されるように張り合
わされ、負極端子14に接続された厚さ1mmのコバル
ト板を用いた金属製負極部材11aとから構成される。
障壁低減用金属層11bは、厚さ0.3μmの合金層で
あり、ここでの合金は、重量比で、金が84%、ゲルマ
ニウムが12%、ニッケルが4%で構成されている。n
型半導体11cは、厚さ0.2mmのn型ガリウムリン
単結晶半導体からなる。ここで、これら金属製負極部材
11a、障壁低減用金属層11b、n型半導体11c
は、電池ケース15の形状、大きさ、要求される電池の
容量等を考慮し、適切な厚み、形状に形成される。
【0015】電解質12は、濃度1mol/1の水酸化
カリウム水溶液中に[Fe(CN)63-[Fe(C
N)64-のレドックスイオン対が含まれているもので
あり、後述する電池ケース15内に充満されている。
【0016】電池ケース15はアクリル樹脂製で直方体
状に形成され、表面を兼ねる透明アクリル板の光透過素
材からなる受光部15aを有している。この電池ケース
15の大きさは、例えば、幅3.5cm、奥行き1.5
cm、高さ0.7cmに作製されている。このような電
池ケース15内には上述した正極10と、この正極10
と電池ケース15の受光部15aに対向する面との間に
配置された負極11と、電池ケース15内に充満された
液状の電解質12とが収納されており、さらに負極11
のn型半導体11cが正極10および受光部15aに面
する向きで収納されている。
【0017】つぎに、上述した実施例の光化学2次電池
の充放電時の動作を簡単に説明する。放電時は、負極1
1上で、負極11を構成する金属製負極部材11aと電
解質12中の水酸イオンや水分子などの酸化剤が反応
し、最終的に金属製負極部材11aの酸化物が生成する
とともに、負極端子14を通じて電子を外部負荷に供給
する。一方、正極10上では、負極11から外部負荷を
通して供給(放出)された電子と電解質12中の[Fe
(CN)63-イオンとが反応して[Fe(CN)64-
イオンが生成する。
【0018】充電時には、負極11のn型半導体11c
と電解質12との接触界面において、エネルギーバンド
が電解質12側へ向かって上方曲がりとなっているn型
半導体11cの表面に太陽や蛍光灯等の光エネルギーを
照射し、n型半導体11cの伝導帯に電子を励起して価
電子帯に正孔を生成させる。この正孔は、上記バンドの
曲がりに沿って電解質12側へ運ばれ、n型半導体11
cの表面で、放電時に正極10上において生成した[F
e(CN)64-イオンと反応して[Fe(CN)63-
イオンを再び生成する。
【0019】一方、n型半導体11cの伝導帯に励起さ
れた電子は、エネルギーバンドの曲がりに沿って、負極
11の金属製負極部材11a側へ移動し、やがて、電解
質12と接触する金属製負極部材11aの表面に達す
る。ここで、上記電子が、電解質12中の水と反応して
水酸イオンを生成するとともに、金属製負極部材11a
の放電生成物である金属酸化物を還元する。このような
経過を経て、光充電反応が進行する。ここで金属製負極
部材11aとn型半導体11cとの間に形成された障壁
低減用金属層11bは、金属−半導体界面近傍における
半導体中のドナー濃度を高める。その結果、金属−半導
体界面のエネルギーバンドにおける障壁の幅が非常に薄
くなり、この障壁の影響を受けずに、n型半導体11c
において光エネルギーにより励起された電子が金属製負
極部材11aに効率よく伝達される。
【0020】図1に示した光化学2次電池と同様の光化
学2次電池を作製し、この光化学2次電池について、充
放電時の正極端子13と負極端子14との間の電圧変化
を調べた。その結果を図4に実線Aで示した。光放電を
行なうための光源には、キセノンランプを使用し、照射
した光の強度を50mWとした。また、放電時には3m
Aの定電流放電を行なった。
【0021】上記正極10をなす材料としては、電解質
12中において金属製負極部材11aよりも貴な電位を
示す導電性材料であり、さらに電池ケース15の受光部
15aからn型半導体11cに照射される光が透過でき
るような孔を少なくとも一つ以上形成できる材料であれ
ば特定されず、炭素板の他に、ニッケルや、カーボンや
ニッケルにPtやPdを触媒として担持したもの(Pd
−C、Pt−Ni、Pd−Ni)、さらにPt、Pd、
Ir、Rh、Os、Ru、Pt−Co、Pt−Au、P
t−Sn、Pd−Au、Ru−Ta、Pt−Pd−A
u、Pt−酸化物、Au、Ag、Ag−C、Ni−P、
Ag−Ni−P、ラネーニッケル、Ni−Mn、Ni−
酸化コバルト、Cu−Ag、Cu−Au、ラネー銀等の
金属及び合金、ホウ化ニッケル、ホウ化コバルト、炭化
タングステン、水酸化チタン、リン化タングステン、リ
ン化ニオブ、遷移金属の炭化物、スピネル化合物、酸化
銀、酸化タングステン、遷移金属のペロブスカイト型イ
オン結晶等の無機化合物、およびフタロシアニン、金属
フタシロニアン、活性炭、キノン類等の有機化合物など
が挙げられる。また、この実施例の光化学2次電池にお
いては正極10に設けた光を透過させるための孔10a
の形状を六角形状としたが、これ以外の多角形状、円形
状あるいは楕円形状等の形状としても良い。また、板状
の正極10に孔10aを設ける代わりに正極10全体を
メッシュ状としても良い。
【0022】一方、負極11の金属製負極部材11aを
なす材料としては、Ti、Zn、Fe、Pb、Al、C
o、Hf、V、Nb、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、
Cd、In、Ge、Sn、Bi、Th、Ta、Cr、M
o、W、Pr、U等の金属、または該金属の少なくとも
一部が該金属の酸化物、および、これらの複合成分系金
属、合金等が挙げられる。
【0023】負極11のn型半導体11cをなす材料と
しては、ガリウムリン(GaP)の他に、GaAs、A
lAs、ZnS、AlSb、InP、CdS、GaS
b、InAs等の化合物半導体、Si、Ge、Se等の
無機半導体、アントラセン、ピレン、ペリレン、フタロ
シアニン、銅フタロシアニン等の縮合多環芳香族化合
物、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリパラフェニン
レン、ポリピロール等の高分子などから構成されるのが
好ましい。
【0024】負極11の金属製負極部材11aとn型半
導体11cとの組合せは、該n型半導体11cと電解質
12との接触界面におけるn型半導体11cの伝導帯下
端の電位レベルが、金属製負極部材11aの電解質12
中での酸化還元電位よりも卑な電位となる組合せであれ
ばよく、特に部材の種類には限定されない。
【0025】障壁低減用金属層11bは、重量比で、金
が84%、ゲルマニウムが12%、ニッケルが4%に設
定することが、金属−半導体界面における障壁を低減さ
せる効果が高い点で望ましいが、これ以外の組成比でも
障壁低減の効果が得られる。かかる障壁低減用金属層1
1bをなす材料としては、金−ゲルマニウム−ニッケル
(Au−Ge−Ni)の他に、Au、In等の金属、A
u−Ge、Au−Si、Au−Zn、Au−Ge−P
t、Au−Ge−In、Au−Pt−Ti、Ag−Ge
−Ni、Ag−Ge−Pt、Ag−Ge−Inなどの合
金が望ましい。
【0026】また、電解質12としては、水酸化カリウ
ムの他に、水酸化ナトリウム、塩化アンモニアウム等の
塩基や、その他弱酸等の溶液が用いられる。また、充電
性能は低下するが、硫酸、塩酸等の強酸やそれら強酸の
塩の溶液を使うこともできる。これらの溶液中に含まれ
るレドックスイオン対としては、[Fe(CN)63 -
/[Fe(CN)64-の他に、Fe3+/Fe2+、Mn
3+/Mn2+、Ce4+/Ce3+、Eu3+/Eu2+、V3+
2+、Co3+/Co2+、Cu2+/Cu+、Mn3+/Mn
2+、Cr3+/Cr2+、[Cr(CN)63-/[Cr
(CN)64-、Ti3+/Ti2+、Ag2+/Ag3+
[Coedta]-/[Coedta]2-、[Co(N
363+/[Co(NH362+、[Co(dpy)
33+/[Co(dyp)32+等が挙げられる。
【0027】負極11のn型半導体11cと電解質12
中のレドックスイオン対との組合せは、レドックスイオ
ン対の酸化還元電位が、電解質12中に浸漬された負極
11を構成する金属製負極部材11aの酸化還元電位よ
り貴であり、なおかつn型半導体11cと電解質12と
の接触界面における、n型半導体11cの価電子帯上端
の電位レベルより卑である組合せであればよく、特に部
材の種類に限定されない。
【0028】なお、上記実施例の光化学2次電池におい
ては、上述したように液状の電解質12を用いている
が、電解質は液体に限定されるものではなく、この電解
質12を介する正極10と負極11との間での電荷移動
が妨げられないものであれば、固体状やペースト状等ど
のような形態の電解質でも用いることができる。
【0029】電池ケース15をなす材料としては、AB
S樹脂やフッ素樹脂等の、電解質12に侵されない材質
であれば特に限定されない。ただし、電池ケース15の
正極10側に位置する受光部15a部分は、少なくとも
可視光の一部や紫外光の一部を透過する(無色あるいは
有色の)部材、例えば、ガラス、石英ガラス、アクリ
ル、スチロール等からなる透明板や透明フィルム等から
構成される。もちろん電池ケース15全体をこれら透明
板や透明フィルム等の部材から構成してもよい。なお、
この実施例では電池ケース15を箱状に形成したたが、
多面体状、円盤状、円筒状等の形状に形成してもよい。
上記受光部15a部分を光が透過する構成としたのは、
光充電反応を進行させるために負極11を構成するn型
半導体11cの表面に照射光を到達させる際、この照射
光が電池ケース15によって吸収あるいは反射されるこ
とにより、n型半導体11cの表面に到達する光エネル
ギーが極端に低下するのを防止するためである。
【0030】(比較例1)正極が、負極の金属製負極部
材側の面と電池ケースとは挟まれた位置に設置されるこ
と以外は、上記実施例と同様な光化学2次電池を作製
し、これを比較例1の光化学2次電池とした。この比較
例1の光化学2次電池の充放電時の正極端子と負極端子
との間の電圧変化を上記実施例と同様にして調べた。そ
の結果を図4中に破線B1で示した。図4中の破線B1
示したように、同一時間の光照射を行なったにも関わら
ず、比較例1の光化学2次電池では放電時の過電圧が大
きく、放電容量の少ないことがわかる。
【0031】(比較例2)正極が、光の透過が可能な孔
を有していない板状の形状であること以外は、上記実施
例と同様な光化学2次電池を作製し、これを比較例2の
光化学2次電池とした。この比較例2の光化学2次電池
の充放電時の正極端子と負極端子との間の電圧変化を上
記実施例と同様にして調べた。その結果を図4に一点鎖
線B2で示した。図4中の一点鎖線B2に示したように、
同一時間の光照射を行なったにも関わらず、比較例2の
光化学2次電池では端子間電圧がト゛殆ど増加せず、放電
も殆ど行なわれないことがわかる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
記載の光化学2次電池によれば、上記負極はn型半導体
と金属製負極部材とを一体化した構造を有し、かつ、上
記電解質には酸化剤が含有されており、さらに、上記正
極は光を透過させるための孔が少なくとも一つ以上形成
された構成としたことにより、光エネルギー→電気化学
エネルギーへの変換を行って充電することが可能とな
り、充電器を必要としない省エネルギー性に優れた光化
学2次電池を提供することができる。
【0033】また、特に正極を光を透過させるための孔
を有する構造としたことにより、負極のn型半導体への
光照射を可能しつつ、n型半導体と正極とを接近させる
ことができ、この結果、n型半導体に光照射を行うこと
で電力を発生するという機能を保ちつつ、充電時に負極
のn型半導体で酸化され、放電時には正極で還元される
レドックスイオン対の正極と負極のn型半導体との間で
の移動が容易となり、従ってレドックスイオン対の反応
効率を高めることが可能となり、電池の充放電特性を向
上させることができる。
【0034】さらに、負極をn型半導体と金属製負極部
材とを一体に張り合わせた構成としたことにより、従来
の光化学2次電池における負極と光電極とを一体化させ
ることができ、正極と負極との単純な2極構成で、光放
電を可能にさせ、その上、電圧調整回路や逆流防止ダイ
オード等の機器を不要にできる。またp−n接合技術等
の高度の製造技術が不要であることから、光化学2次電
池の製造作業性を向上させることができる。
【0035】また、請求項2記載の光化学2次電池によ
れば、負極は、n型半導体上の一部に金属−半導体界面
におけるエネルギー障壁を低減する障壁低減用金属層が
設けられ、かつ該障壁低減用金属層の少なくとも一部に
金属製負極部材が設けられてなる構造としたことによ
り、請求項1記載の光化学2次電池と同様の効果を奏す
ることができるとともに、光照射時における負極のn型
半導体から金属製負極部材への電気エネルギーの伝達効
率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光化学2次電池の実施例の概略構
成を示した断面図である。
【図2】図1に示す実施例の光化学2次電池の外観図を
示した斜視図である。
【図3】図1に示す実施例の光化学2次電池に用いた正
極の外観図を示した斜視図である。
【図4】本発明の実施例の光化学2次電池、正極が負極
の金属製負極部材側の面と電池ケースとの間に設置され
た比較例1の光化学2次電池、及び正極が光の透過を可
能な孔を有していない板状の形状である比較例2の光化
学2次電池の充放電時における正極−負極端子間の電圧
の変化を示した図である。
【図5】従来の太陽光蓄電池の等価回路を示した図であ
る。
【図6】従来の光化学2次電池の概略構成を示した図で
ある。
【符号の説明】
10 正極 10a 孔 11 負極 11a 金属製負極部材 11b 障壁低減用金属層 11c n型半導体 12 電解質 13 正極端子 14 負極端子 15 電池ケース 15a 受光部(光透過用窓)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾形 努 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光透過用窓が設けられた電池ケース内に
    正極、負極および電解質を有し、光で充電できる2次電
    池において、 前記負極はn型半導体と金属製負極部材とを一体化した
    構造を有し、かつ、前記電解質には酸化剤が含有されて
    おり、さらに、前記正極は光を透過させるための孔が少
    なくとも一つ以上形成された構造を有することを特徴と
    する光化学2次電池。
  2. 【請求項2】 負極は、n型半導体上の一部に金属−半
    導体界面におけるエネルギー障壁を低減する障壁低減用
    金属層が設けられ、かつ該障壁低減用金属層の少なくと
    も一部に金属製負極部材が設けられてなる構造を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の光化学2次電池。
JP27388193A 1993-11-01 1993-11-01 光化学2次電池 Expired - Fee Related JP3304006B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27388193A JP3304006B2 (ja) 1993-11-01 1993-11-01 光化学2次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27388193A JP3304006B2 (ja) 1993-11-01 1993-11-01 光化学2次電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07130408A true JPH07130408A (ja) 1995-05-19
JP3304006B2 JP3304006B2 (ja) 2002-07-22

Family

ID=17533878

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27388193A Expired - Fee Related JP3304006B2 (ja) 1993-11-01 1993-11-01 光化学2次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3304006B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004006381A1 (ja) * 2002-07-09 2004-01-15 Fujikura Ltd. 太陽電池
JP2005294002A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Fujikura Ltd 光電変換素子
JP2007299545A (ja) * 2006-04-27 2007-11-15 Ngk Spark Plug Co Ltd 色素増感型太陽電池
US7825330B2 (en) 2002-07-09 2010-11-02 Fujikura Ltd. Solar cell
KR101036539B1 (ko) * 2003-03-24 2011-05-24 코나르카 테크놀로지, 인코포레이티드 메쉬 전극을 갖는 광전지
WO2014104327A2 (ja) * 2012-12-28 2014-07-03 国際先端技術総合研究所株式会社 色素増感タンデム2酸化ケイ素ソーラーセル
US9184317B2 (en) 2007-04-02 2015-11-10 Merck Patent Gmbh Electrode containing a polymer and an additive

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004006381A1 (ja) * 2002-07-09 2004-01-15 Fujikura Ltd. 太陽電池
CN1300894C (zh) * 2002-07-09 2007-02-14 株式会社藤仓 太阳电池
US7825330B2 (en) 2002-07-09 2010-11-02 Fujikura Ltd. Solar cell
KR101036539B1 (ko) * 2003-03-24 2011-05-24 코나르카 테크놀로지, 인코포레이티드 메쉬 전극을 갖는 광전지
JP2005294002A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Fujikura Ltd 光電変換素子
JP2007299545A (ja) * 2006-04-27 2007-11-15 Ngk Spark Plug Co Ltd 色素増感型太陽電池
US9184317B2 (en) 2007-04-02 2015-11-10 Merck Patent Gmbh Electrode containing a polymer and an additive
WO2014104327A2 (ja) * 2012-12-28 2014-07-03 国際先端技術総合研究所株式会社 色素増感タンデム2酸化ケイ素ソーラーセル
WO2014104327A3 (ja) * 2012-12-28 2014-08-28 国際先端技術総合研究所株式会社 色素増感タンデム2酸化ケイ素ソーラーセル

Also Published As

Publication number Publication date
JP3304006B2 (ja) 2002-07-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7122873B2 (en) Hybrid solid state/electrochemical photoelectrode for hyrodrogen production
US4643817A (en) Photocell device for evolving hydrogen and oxygen from water
US4916035A (en) Photoelectrochemical cells having functions as a solar cell and a secondary cell
EP0553023B1 (en) Photochargeable air battery
JP3304006B2 (ja) 光化学2次電池
JP3346449B2 (ja) 光水素化空気二次電池
JP2998765B2 (ja) 光空気2次電池
JP3301454B2 (ja) 光化学2次電池
US4242423A (en) Optical-charging type half-cell, and photochemical battery using the same
JP3025798B2 (ja) 光化学2次電池及び光化学2次電池の製造方法
JPH0785895A (ja) 光化学2次電池
JP3273477B2 (ja) 光空気2次電池
JPH06215807A (ja) 光2次電池
JP3194448B2 (ja) 光空気2次電池
US4196263A (en) Semiconductor devices with enhanced properties
JP3196151B2 (ja) 光空気2次電池
JP3306685B2 (ja) 密閉型光酸素2次電池
CN114744055B (zh) 一种太阳能电池及其接触结构、电池组件和光伏系统
JP3194449B2 (ja) 光空気2次電池
JPS626311B2 (ja)
JPH06223889A (ja) 光空気2次電池
JP2511905B2 (ja) 光二次電池
JPS62259359A (ja) 光二次電池
CA1103341A (en) Photovoltaic system having rectifying interface and isotype
Vijh Electrochemical reactions in power sources and sinks: Personal reflections on progress and future prospects

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees