JPH07130333A - メタルハライドランプ、照明光学装置および画像表示装置 - Google Patents

メタルハライドランプ、照明光学装置および画像表示装置

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JPH07130333A
JPH07130333A JP6155037A JP15503794A JPH07130333A JP H07130333 A JPH07130333 A JP H07130333A JP 6155037 A JP6155037 A JP 6155037A JP 15503794 A JP15503794 A JP 15503794A JP H07130333 A JPH07130333 A JP H07130333A
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秀明 大村
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宗弘 田端
Nobuyoshi Takeuchi
延吉 竹内
Masayuki Wakamiya
正行 若宮
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 色ムラが少なく、可視域全体に発光スペクト
ルを有し、演色性に優れた長寿命の光源を実現できるメ
タルハライドランプ、照明光学装置、画像表示装置を提
供すること。 【構成】 水銀、希ガスが封入されたメタルハライドラ
ンプ容器1に、ハロゲンをヨウ素または臭素あるいはそ
の混合物とする、GdX3、LuX3、CsXを総重量で
1mg/cc以上、CsXの重量が全ハロゲン化物の1
5%以上50%以下となるよう封入し、且つGdX3
LuX3 の重量比を0.1≦GdX3/LuX3≦10と
する。または GdX3、LuX3、CsXに加えさらに
ハロゲン化タリウムまたはハロゲン化ディスプロシウム
の少なくとも一種を添加する。あるいは、ハロゲンをヨ
ウ素または臭素またはその混合物とするDyX3、Lu
3、NdX3、CsXを総重量、CsXの重量割合を上
記範囲内となるよう封入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一般照明や光学機器等に
用いられるメタルハライドランプおよびメタルハライド
ランプと凹面反射鏡とを組み合わせた照明光学装置およ
び投写型液晶ディスプレイのような画像表示装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、メタルハライドランプは店舗照
明、道路照明等の一般照明用として広く用いられ、また
自動車用照明、あるいは光学機器用光源としてその需要
が広がりつつある。以下図面を参照しながら上述したメ
タルハライドランプの一例について説明する。
【0003】図1は一重管型メタルハライドランプの構
成を示すものである。図1において、1は石英ガラス製
発光管発光部、2はモリブデン箔10を介して設置され
たタングステン電極、3は前記モリブデン箔10を気密
に封着した封止部、4は外部リード線である。
【0004】以上の構成要素により図示のように構成さ
れたメタルハライドランプについて、以下その動作につ
いて説明する。
【0005】メタルハライドランプにおいて水銀、希ガ
スとともに発光管内に添加された金属ハロゲン化物は、
ランプ点灯中は溶融し発光管内面の管壁付近に液体とし
て存在する一方、一部は気体となって蒸発し、蒸発した
金属ハロゲン化物蒸気はアーク中心の高温部で金属原子
とハロゲン原子に解離し、前記金属蒸気がアークで励起
されその金属特有のスペクトルを放射する。そのため高
圧水銀灯に比べメタルハライドランプは発光効率、演色
性に優れるという長所を有している。そして金属ヨウ化
物としてTl−Na−In、Sc−Na、Dy−Tl、
Dy−Nd−Csなどを含んだメタルハライドランプが
多く実用化されてきている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般にこの種のメタル
ハライドランプにおいては、ランプの発光特性は封入金
属ハロゲン化物の蒸気圧によって決定される。つまり、
封入金属特有の発光スペクトルを得るには発光管最冷部
の温度を高温にし、金属ハロゲン化物の蒸気圧を高める
必要がある。そのためにメタルハライドランプにおいて
は所望の最冷点温度が得られるよう管壁負荷(消費電力
/全内壁面積)を適切に設計している。さらに通常は保
温膜を発光管の最冷点部付近の外表面に塗布する方法が
とられている。
【0007】しかしながらこれら従来のメタルハライド
ランプでは、添加金属ハロゲン化物の蒸気圧を高め演色
性を改善する目的で、最冷点温度を高くすると、添加金
属と発光管構成材料とが急速に反応し、光束の低下や発
光管の破裂が生じ、短寿命になってしまうという課題が
あった。
【0008】また、メタルハライドランプにおいてはア
ークの色分離という現象が知られている。これはアーク
温度がアーク全体にわたって均一ではなく、アークの部
位によってアーク温度が違うために原子の励起状態、発
光原子種が異なり、結果としてアークの場所によって発
光スペクトル、色が違ってくるという現象である。電極
間を結んだアーク中心軸上でアークの温度は最も高く、
アーク中心から発光管内壁方向へ向かってアーク周辺に
ゆくほどアーク温度は低くなる。そのためたとえば希土
類ヨウ化物DyI3 、NdI3 、CsIを封入物とした
メタルハライドランプでは、アーク中心の高温部では励
起エネルギーの大きな水銀、Dy、Ndの中性原子およ
びイオンの発光が支配的で、その周囲の温度領域の部分
ではDy、Nd中性原子が主に発光し、アーク最外部の
比較的低温部ではCsおよびDyI分子が発光してい
る。
【0009】このようなメタルハライドランプを図2の
ようにアーク軸が凹面反射鏡5の光軸上に位置するよう
に組み合わせ、照明光学装置を構成する場合、画像表示
装置の受光面6の各部の色はアークの色分布を反映した
ものとなる。すなわち受光面中心はメタルハライドラン
プ光源のアーク中心軸に対応し、受光面周辺はアークの
周辺に対応する。アーク中心軸からアーク周辺に向かっ
てのアークの色分布、スペクトル分布は受光面の中心か
ら周辺に向かう受光面の色分布に対応する。したがっ
て、メタルハライドランプ光源に上述したようなアーク
の色分離現象が生じていると、受光面は中心と周辺とで
分光分布、つまり色が大きく異なり、著しい色ムラが生
じてしまうことになる。前述したDyI3 、NdI3
CsIを封入物としたメタルハライドランプを光源とし
て照明光学系を構成した場合は、画像表示装置の受光面
中心では緑っぽく色温度が高い一方、受光面周辺は赤み
がかって色温度が低くなってしまう。
【0010】従来、この問題に対してメタルハライドラ
ンプ発光管の外表面をサンドブラスト法等によって半透
明状態(すりガラス状)に加工(以下、フロスト加工と
いう)し、アークの色の不均一性を改善する手法が知ら
れている。しかしながらランプからでた光を凹面反射鏡
によって集光するような光学系において、ランプの外表
面にフロスト加工を施すと、見かけの光源の大きさが大
きくなり、集光効率を低下させることになる。その結
果、受光面の色ムラは改善されても受光面の明るさが低
下してしまうことになる。
【0011】本発明は上記の問題点に鑑み、長寿命で色
特性に優れ、発光効率も高く、且つアークの色分離現象
を改善したメタルハライドランプを提供することを目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め本発明は、一対の電極を具備した透光性容器内に水
銀、始動用希ガスとともに、少なくともハロゲンをヨウ
素または臭素あるいはその混合物とするハロゲン化ガド
リニウム(GdX3)、ハロゲン化ルテチウム(Lu
3)およびハロゲン化セシウム(CsX)とを封入
し、さらには、透光性容器単位容 積当たりの前記ハロ
ゲン化ガドリニウム、前記ハロゲン化ルテチウム、前記
ハロゲン化セシウムの総重量を1mg/ccより多く
し、ハロゲン化物総重量中の前記ハロゲン化セシウムの
重量を15%以上50%以下とし且つ前記ハロゲン化ガ
ドリニウムと前記ハロゲン化ルテチウムの重量比を0.
1≦GdX3/LuX3≦10としたことを特徴とするメ
タルハライドランプを構成するものである。
【0013】あるいは、一対の電極を具備した透光性容
器内に、水銀、始動用希ガスとともに、少なくともハロ
ゲンをヨウ素または臭素あるいはその混合物とするハロ
ゲン化ガドリニウム(GdX3)、ハロゲン化ルテチウ
ム(LuX3)およびハロゲン化セシウム(CsX)が
封入され、前記透光性容器内には、前記ハロゲン化物に
加えてハロゲンをヨウ素または臭素あるいはその混合物
とするハロゲン化ディスプロシウム、ハロゲン化タリウ
ムの少なくとも一種が封入され、さらには、前記透光性
容器単位容積当たりの前記ハロゲン化物の総重量が1m
g/ccより多く、また、ハロゲン化物総重量中の前記
ハロゲン化セシウムの重量が15%以上50%以下であ
るメタルハライドランプを構成するものである。
【0014】あるいは、一対の電極を具備した透光性容
器内に水銀、始動用希ガスとともに、少なくともハロゲ
ンをヨウ素または臭素あるいはその混合物とするハロゲ
ン化ディスプロシウム(DyX3 )、ハロゲン化ルテチ
ウム(LuX3 )、ハロゲン化ネオジム(NdX3 )お
よびハロゲン化セシウム(CsX)とを封入し、さらに
は、前記透光性容器単位容積当たりの前記ハロゲン化デ
ィスプロシウム、前記ハロゲン化ルテチウム、前記ハロ
ゲン化ネオジム、前記ハロゲン化セシウムの総重量を1
mg/ccより多くし、ハロゲン化物総重量中の前記ハ
ロゲン化セシウムの重量を15%以上50%以下である
メタルハライドランプを構成するものである。
【0015】また本発明の照明光学装置は上記メタルハ
ライドランプを光源とし、このメタルハライドランプ
と、凹面反射鏡とを前記メタルハライドランプのアーク
軸が凹面反射鏡の光軸上に位置するように配置した構成
とする。
【0016】また本発明の画像表示装置は上記照明光学
装置を光源部とし、この照明光学装置と、画像形成部と
からなる構成とする。
【0017】
【作用】本発明によってメタルハライドランプにおい
て、ハロゲンをヨウ素または臭素あるいはその混合物、
金属をガドリニウムまたはルテチウムまたはディスプロ
シウムまたはネオジムまたはタリウムまたはセシウムと
した金属ハロゲン化物の種類、組成、封入量を適切に設
定することによって発光効率、発光色特性、演色性に優
れた光源を得ることができる。また、発光管構成材料と
添加金属との反応も進行しにくくなり、長寿命化が実現
できる。さらにアークの色分離を従来よりも大幅に改善
することができ、本発明のメタルハライドランプを照明
光学装置の光源として用いた場合、受光面の色ムラを著
しく低減することができる。
【0018】以下に本発明によってアークの色分離が改
善される理由を説明する。
【0019】上述したようにメタルハライドランプにお
いてアークの色分離が生じるのは、アークの各部でアー
ク温度が異なり、主として発光している原子種が違うた
めである。また一つの発光原子種についても温度が異な
れば励起される準位が異なるため、発光波長は温度とと
もに変化する。一般にはアーク温度が高ければ励起エネ
ルギーの大きい青領域の波長の光、アーク温度が低けれ
ば励起エネルギーの比較的低い赤領域の波長の光の発光
強度が大きくなる。またヨウ化ディスプロシウムを封入
物とした場合は、特にDyI分子がアーク周辺の低温部
で発光するので、さらにアーク色分離の程度が大きくな
る。したがってメタルハライドランプのアーク色分離を
改善するには、アーク温度を均一にすること、異なった
アーク温度でも同じ波長の光を発光する物質を選択する
ことが必要となる。しかし、アーク温度をランプ発光管
内全体にわたって均一にすることは実際上は極めて困難
である。
【0020】一方、本発明による封入物であるルテチウ
ムは種々のアーク温度においてもほぼ一定の発光スペク
トルを有し、アーク中心軸上の高温部でもアーク周辺の
低温部でもほぼ同様の発光を放射するため、アークの色
分離が極めて小さいという特徴がある。ルテチウムのこ
のような特徴は発光に関与する励起準位のエネルギーが
発光波長によってあまり変わらないことが要因と考えら
れる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0022】なお、封入物を除いては前述従来例で説明
した図1と同じ構成であり、その説明は省略する。 (実施例1)発光管発光部1は略回転楕円体形状で、中
央部最大内径は8.0mm、内容積は0.5ccであ
る。また電極間距離すなわちアーク長は6.0mmであ
る。発光管内にはGdI3が0.5mg、LuI3が0.
2mg、CsIが0.3mg、さらに緩衝ガスとして水
銀が10.0mg、始動用希ガスとしてArが200ト
ール封入されている。
【0023】以上のような構成のメタルハライドランプ
を図2に示す画像表示装置内に組み込んで発光スペクト
ルを評価した。なお、映像信号で駆動される液晶シャッ
ター11は、点線で示されている。ランプ電力150
W、ランプ電圧90V、ランプ電流1.7Aで点灯し
た。
【0024】ここに、5は反射面が放物面または楕円面
等よりなる凹面反射鏡、6は受光面、7は投写レンズ系
である。受光面6の中心の分光分布を図3の曲線1(実
線)に示す。なお、曲線2(破線)は、対比のため封入
物をDyI3−TlI−C sIとした場合の分光分布を
示した。
【0025】すなわち、図3において、曲線1は本実施
例によるランプ、曲線2は対比のために作製したDyI
3−TlI−CsI系ランプの発光スペクトルである。
これら 二つのランプは金属ハロゲン化物封入物以外は
すべて同一とした。曲線1と曲線2を比較するとGdI
3、LuI3、CsIを所定量封入した本発明のランプに
おいては、可視域全体にわたって豊富な封入金属特有の
発光が得られ、演色性が大幅に改善されていることが分
かる。本発明によるメタルハライドランプは可視域全体
に発光スペクトルが分布しているため、OHPや投写型
液晶ディスプレイ用光源として用いた場合、従来のメタ
ルハライドランプに比べ、スクリーンは明るさ、色とも
優れた特性となる。また本発明によるランプでは主成分
としてDyI3を含んでいないのでアーク周辺部でDy
Iの分子発光と思われる赤みがかった発光領域がない。
そのためスクリーンの色の均一性も大幅に改善されてい
る。
【0026】ところで上記構成のメタルハライドランプ
においてヨウ化ガドリニウム、ヨウ化ルテチウム、ヨウ
化セシウムの封入総重量を発光管内容積当たり1mg/
ccより大きくなっているが、そのようにする理由は以
下の通りである。前記ヨウ化物はランプ動作中は大部分
が液体で最冷点付近に存在しており、一部が蒸発し気体
として放電空間に存在している。ここでヨウ化物の総重
量を増加させた場合を考えると、液体のヨウ化物が過剰
に存在することになって一部はランプ内面の最冷点より
も高温の内壁と接触することになる。するとその場所で
も液体が蒸発し、ヨウ化物を増加させる前の状態よりも
ヨウ化物の蒸気圧が上昇する。その結果金属の発光強度
が増大し演色性が向上する。封入量を種々変化させて実
験を行った結果、GdI3,LuI3、CsIの封入総重
量が1mg/ccより大きければ、演色性について実用
上問題の無いことが分かった。ただし、定格ランプ電力
150Wに対し、ランプ内容積は0.4cc以上2.0
cc以下である必要がある。内容積が0.4cc未満の
場合にはランプ点灯時、液体のヨウ化物がランプ内面全
体に付着し輝度が著しく低下してしまう。内容積が2.
0ccより大きいときには最冷点の面積が大きくなるの
でヨウ化物をさらに増量しなければならない。
【0027】また、GdI3/LuI3の重量比が0.1
未満であると発光アークの輝度が低下し、効率が低下す
るので好ましくないことが分かった。またGdI3/Lu
3の重量比が10を越えると、発光スペクトル分布に
おいて連続発光強度が低下し、逆に水銀の発光強度が増
加して演色性が低下する。
【0028】一方、封入ヨウ化物のうちヨウ化セシウム
は、アークを安定させる働きとGdI3とLuI3の蒸気
圧を大きくする効果がある。つまりヨウ化セシウムを封
入することによってアークを安定させると同時にGdC
sI4などの蒸気圧の大きい複合ヨウ化物を形成し所望
の発光スペクトルが得られるようになる。しかしCsI
を大量に封入するとヨウ化物が発光管内面に付着し輝度
の低下を招く。実験結果から実用的にはヨウ化セシウム
は全ヨウ化物の重量に対して15%以上50%以下とす
ることが望ましい。
【0029】本発明によるメタルハライドランプは寿命
評価結果から3000時間経過後も破損やリークはなく
失透の程度も少ないことが確認された。 (実施例2)次に第2の実施例のメタルハライドランプ
について説明する。なお、封入物を除いては前述従来例
で説明した図1と同じ構成であり、その説明は省略す
る。
【0030】発光管発光部1は略回転楕円体形状で中央
部最大内径は8.0mm、内容積は0.5ccである。
また電極間距離すなわちアーク長は5.5mmである。
発光管内にはGdI3が0.3mg、LuI3が0.2m
g、TlIが0.1mg、CsIが0.3mg、さらに
緩衝ガスとして水銀が10.0mg、始動用希ガスとし
てArが200トール封入されている。
【0031】以上のような構成のメタルハライドランプ
を図2に示す光学系内に組み込んで発光スペクトル、照
度を評価した。ランプ電力150W、ランプ電圧90
V、ランプ電流1.7Aで点灯した。
【0032】ここに、5は凹面反射鏡、6は受光面、7
は投写レンズ系である。発光スペクトル、照度の測定は
受光面の対角線上を走査して行った。発光スペクトルは
色温度で評価し、測定した色温度分布、照度分布を図4
に実線で示した。また、同時に、対比のため、DyI3
を0.5mg、NdI3を0.2 mg、CsIを0.3
mg封入した従来封入物のランプの測定結果も併せて図
4に破線で示した。
【0033】すなわち、図4において、実線は本発明の
実施例によるランプ、破線は対比のために作製したDy
3−NdI3−CsI系ランプの色温度分布、照度分布
である。ここに円で囲まれた各線はその矢印の方向の縦
軸を基準とするものである。これらふたつのランプは金
属ハロゲン化物封入物以外はすべて同一とした。図4か
ら明らかなように、本実施例による封入物のランプは受
光面の明るさつまり、照度および照度分布に関しては従
来のDyI3−NdI3−CsI系ランプとほぼ同等であ
る。一方、受光面の色温度については本実施例によるラ
ンプの方がやや色温度が高い。従来の封入物と本実施例
によるランプが大きく異なるのは受光面の色温度分布で
あり、本実施例により受光面中心と受光面周辺との色温
度の差が従来の1400Kから300Kへと小さくなり
受光面の色の均一性が大幅に改善されている。これは本
実施例の封入物とすることでアーク周辺の分子発光と思
われる赤みがかった発光領域がほとんどなくなったため
である。従来、アークの色分布はOHP、液晶プロジェ
クター用光源として使用する際、受光面の色ムラとして
反映されてしまうので重大な問題点であったが、本発明
によってこの問題を改善することができた。
【0034】上記構成のメタルハライドランプにおい
て、ヨウ化ガドリニウム、ヨウ化ルテチウム、ヨウ化タ
リウム、ヨウ化セシウムの封入総重量は実施例1と同様
の理由によって発光管単位容積あたり1mg/ccより
大きくする必要がある。
【0035】ヨウ化セシウムの重量についても実施例1
と同様に発光管内に封入される全ヨウ化物の重量に対し
て15%以上50%以下とする必要のあることが分かっ
た。
【0036】次に、図4で評価した本実施例によるメタ
ルハライドランプと従来の封入物ランプの2種のランプ
の寿命試験を行った。図2の光学系で評価した場合の両
者の中心照度維持率の経時変化を図5に示す。
【0037】図中実線で示した本実施例によるランプの
方が照度維持率が良好で照度が初期の50%となる時間
は従来の封入物(破線で示した)に比べ2倍の3000
時間となった。ランプ観察結果から本実施例によるラン
プでは従来の封入物ランプと比べ著しく失透の程度が少
なく、5000時間経過後も破損やリークはなかった。 (実施例3)次に第3の実施例のメタルハライドランプ
について説明する。なお、封入物を除いては前述従来例
で説明した図1と同じ構成であり、その説明は省略す
る。
【0038】発光管発光部1は略回転楕円体形状で中央
部最大内径は8.0mm、内容積は0.5ccである。
また電極間距離すなわちアーク長は5.0mmである。
発光管内にはDyI3 が0.5mg、LuI3 が0.5
mg、NdI3 が0.5mg、CsIが0.4mg、さ
らに緩衝ガスとして水銀が10.0mg、始動用希ガス
としてArが200トール封入されている。
【0039】以上のような構成のメタルハライドランプ
を図2のように凹面反射鏡5とを組み合わせ照明光学装
置を構成し、この照明光学装置を光源部とする画像表示
装置を形成し、ランプの発光スペクトルを評価した。受
光面中心から周辺に向かって受光面の対角線上を発光ス
ペクトル測定センサを走査し、受光面各部の分光分布を
求め、色温度を算出した。ランプ電力150W、ランプ
電圧90V、ランプ電流1.7Aで点灯した。
【0040】受光面の色温度分布測定結果を、金属ハロ
ゲン化物封入物をDyI3 0.8mg、NdI3 0.
4mg、CsI 0.7mgとした場合の測定結果と併
せて図6に示した。
【0041】図6において、曲線1は本発明の実施例に
よるランプ、曲線2は対比のために作製したDyI3
NdI3 −CsI系ランプをそれぞれ用いた場合の受光
面の色温度分布である。なお、ここに相対的距離とは、
受光面中心から受光面の端までの距離を1とした場合
の、受光面中心からの距離を意味する。これら二つのラ
ンプは金属ハロゲン化物封入物以外はすべて同一とし
た。曲線1と曲線2を比較すると、DyI3 、Nd
3 、CsIを封入した従来例によるランプでは受光面
中心、周辺の色温度がそれぞれ7100K、5600K
であり、その差が1500Kあるのに対し、DyI3
LuI3 、NdI3 、CsIを所定量封入した本発明の
実施例によるランプにおいては、受光面中心の色温度が
6500K、周辺の色温度が6200Kで、その差は3
00Kと大幅に色温度分布の均一性が改善されているこ
とが分かる。受光面の明るさは中心、周辺ともに両者と
も全く同一であった。
【0042】また本発明の実施例によって、従来アーク
周辺の低温部で発光していたDyIの分子発光と思われ
る赤みがかった発光領域がなくなり、変わってルテチウ
ムと思われる発光が観測された。ルテチウムはアーク中
心付近でもアーク周辺でもほぼ同色の発光をしていた。
【0043】本実施例の封入物においても実施例1、2
と同様に、DyI3 ,LuI3 、NdI3 、CsIの封
入総重量が1mg/ccより大きければ、実用上問題の
無いことが分かった。ただし、定格ランプ電力150W
に対し、ランプ内容積は0.4cc以上2.0cc以下
である必要がある。内容積が0.4cc未満の場合には
ランプ点灯時、液体のヨウ化物がランプ内面全体に付着
し輝度が著しく低下してしまう。内容積が2.0ccよ
り大きいときには最冷点の面積が大きくなるのでヨウ化
物をさらに増量しなければならない。
【0044】またヨウ化セシウムの重量についても実施
例1、2と同様に発光管内に封入される全ヨウ化物の重
量に対して15%以上50%以下とする必要のあること
が分かった。
【0045】寿命に関しては本発明の実施例のメタルハ
ライドランプは、寿命評価結果から3000時間経過後
も破損やリークはなく、失透の程度も従来の封入物より
も少ないことが確認された。
【0046】さらに上記実施例に基づき、ランプ電力に
ついて実験を行い次のような範囲にしたとき本発明の効
果が顕著に現われることが分かった。つまり、電極間距
離当たりのランプ電力を20W/mm以上とするのであ
る。電極間距離当たりのランプ電力を20W/mm未満
とするとランプ最冷点温度が低下し、十分な金属ハロゲ
ン化物の蒸気圧を得ることができなくなる。また逆に6
0W/mmよりも大きくするとランプ温度が過度に上昇
し、ランプ寿命が低下してしまった。
【0047】なお上記各実施例では封入するハロゲン化
物としてヨウ化物を使用したものを示したが臭化物ある
いはヨウ化物と臭化物を混合しても本発明の効果が得ら
れることが確認された。
【0048】また上記各実施例では外管を設けない一重
管構造のメタルハライドランプについて本発明の効果を
示したが、本発明の効果は一重管構造に限られるもので
なく外管を設けた構造のメタルハライドランプにおいて
も確認されている。
【0049】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
は、発光効率、発光色特性、演色性に優れた光源を得る
ことができる。また、発光管構成材料と添加金属との反
応も進行しにくくなり、長寿命化が実現できる。さらに
アークの色分離を従来よりも大幅に改善することがで
き、本発明のメタルハライドランプを照明光学装置の光
源として用いた場合、受光面の色ムラを著しく低減する
ことができる。
【0050】また本発明の照明光学装置、画像表示装置
は、長時間にわたって明るく、色特性に優れ、色の均一
性も高い受光面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1のメタルハライドランプ発光
管の断側面図
【図2】本発明の実施例1の照明光学装置を光源部とす
る画像表示装置の構成図
【図3】従来例および本発明の実施例1によるメタルハ
ライドランプの発光スペクトルを示すグラフである。
【図4】本発明の実施例2の受光面における色温度およ
び照度分布を示すグラフである。
【図5】本発明の実施例2のランプの寿命特性評価結果
を示すグラフである。
【図6】本発明の実施例3のランプの受光面色温度分布
特性図
【符号の説明】
1 石英ガラス製発光管発光部 2 タングステン電極 3 封止部 4 外部リード線 5 凹面反射鏡 6 受光面 7 投写レンズ系
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若宮 正行 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の電極を具備した透光性容器内に、
    水銀、始動用希ガスとともに、少なくともハロゲンをヨ
    ウ素または臭素あるいはその混合物とするハロゲン化ガ
    ドリニウム(GdX3)、ハロゲン化ルテチウム(Lu
    3)およびハロゲン化セシウム(CsX)が封入され
    ていることを特徴とするメタルハライドランプ。
  2. 【請求項2】 透光性容器単位容積当たりの前記ハロゲ
    ン化ガドリニウム、前記ハロゲン化ルテチウム、前記ハ
    ロゲン化セシウムの総重量は1mg/ccより多く、ま
    たハロゲン化物総重量中の前記ハロゲン化セシウムの重
    量が15%以上50%以下であり、前記ハロゲン化ガド
    リニウムと前記ハロゲン化ルテチウムの重量比が0.1
    ≦GdX3/LuX3≦10であることを特徴とする請求
    項1記載のメタルハライドランプ。
  3. 【請求項3】 一対の電極を具備した透光性容器内に、
    水銀、始動用希ガスとともに、ハロゲンをヨウ素または
    臭素あるいはその混合物とするハロゲン化ガドリニウム
    (GdX3)、ハロゲン化ルテチウム(LuX3)および
    ハロゲン化セシウム(CsX)が封入され、前記透光性
    容器内には、前記ハロゲン化物に加えて、ハロゲンをヨ
    ウ素または臭素あるいはその混合物とするハロゲン化デ
    ィスプロシウム、ハロゲン化タリウムの少なくとも一種
    が封入されていることを特徴とするメタルハライドラン
    プ。
  4. 【請求項4】 透光性容器単位容積当たりの前記ハロゲ
    ン化物の総重量が1mg/ccより多く、またそのハロ
    ゲン化物総重量中の前記ハロゲン化セシウムの重量が1
    5%以上50%以下であることを特徴とする請求項3記
    載のメタルハライドランプ。
  5. 【請求項5】 一対の電極を具備した透光性容器内に水
    銀、始動用希ガスとともに、少なくともハロゲンをヨウ
    素または臭素あるいはその混合物とするハロゲン化ディ
    スプロシウム(DyX3 )、ハロゲン化ルテチウム(L
    uX3 )、ハロゲン化ネオジム(NdX3 )およびハロ
    ゲン化セシウム(CsX)とが封入されていることを特
    徴とするメタルハライドランプ。
  6. 【請求項6】 電極間距離当たりのランプ電力が20W
    /mm以上であり、前記透光性容器単位容積当たりの前
    記ハロゲン化ディスプロシウム、前記ハロゲン化ルテチ
    ウム、前記ハロゲン化ネオジム、前記ハロゲン化セシウ
    ムの総重量が1mg/ccより多く、ハロゲン化物総重
    量中の前記ハロゲン化セシウムの重量が15%以上50
    %以下であることを特徴とする請求項5記載のメタルハ
    ライドランプ。
  7. 【請求項7】 光源としてのメタルハライドランプと、
    凹面反射鏡とを有し、前記メタルハライドランプのアー
    ク軸が前記凹面反射鏡の光軸上に位置された照明光学装
    置において、前記メタルハライドランプに請求項1〜6
    のいずれかのメタルハライドランプを用いたことを特徴
    とする照明光学装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の照明光学装置と、その照
    明光学装置を光源部として画像を形成する画像形成部と
    を備えたことを特徴とする画像表示装置。
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