JPH09120800A - 無電極高圧放電ランプ - Google Patents

無電極高圧放電ランプ

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JPH09120800A
JPH09120800A JP19991496A JP19991496A JPH09120800A JP H09120800 A JPH09120800 A JP H09120800A JP 19991496 A JP19991496 A JP 19991496A JP 19991496 A JP19991496 A JP 19991496A JP H09120800 A JPH09120800 A JP H09120800A
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堀井  滋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インジウム及びガリウムのハロゲン化物など
の、分子発光による連続スペクトルを放射する金属ハロ
ゲン化物の、高圧での分子発光の連続スペクトルを積極
的に利用することで、水銀を充填物として含まず、且つ
高効率と高演色性を兼ね備えた発光材料を充填物とした
無電極高圧放電ランプを提供することを目的とする。 【解決手段】 内側に露出した電極を持たない光透過性
バルブの内部に、インジウムのハロゲン化物、及びガリ
ウムのハロゲン化物、及びそれらの混合物からなる群か
ら選択されるような、分子発光による連続スペクトルを
放射する金属化合物及び希ガスを充填物として含み、且
つ前記充填物に電気エネルギーを印加しアーク放電を始
動し持続させる放電励起手段からなる構成を有してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は分子発光による連続
発光を持つ金属のハロゲン化物を、光透過性のバルブ内
部に充填し、アーク放電発光させることにより、極めて
優れた演色性と、高効率を実現した、無電極高圧放電ラ
ンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、高圧放電ランプ、特にメタルハラ
イドランプは、高効率、高演色性という特性から、ハロ
ゲンランプに変わる高出力点光源として、舞台・テレビ
ジョン用の照明装置や液晶ビデオプロジェクター用光源
等への応用が進められている。また、その高演色性とい
う特性から、ハイビジョン中継に対応したスポーツ照明
や博物館・美術館の施設照明などへの展開も進められて
いる。しかしながら、メタルハライドランプは、水銀を
充填物として内容積当り数十mg/ccと大量に含むた
め、環境保全の観点から無水銀化が強く望まれている。
【0003】無電極放電ランプ装置は、有電極アーク放
電ランプ装置に比して、電磁エネルギーを充填物に結合
しやすく、放電発光のための充填物から水銀を省くこと
が容易であるという利点を持つ。また、放電空間内部に
に電極を持たないため、電極蒸発によるバルブ内壁の黒
化が発生しない。これによりランプ寿命が大幅に向上で
きる。
【0004】以下に従来の高圧放電ランプの、無水銀充
填物についていくつか例を挙げて説明する。特開平3−
152852号公報に開示された無電極放電ランプで
は、放電ガスとしてキセノンを用い、発光物質としてL
iI、NaI、TlI、InI等を封入し、これらの発
光物質より放射される単色の輝線スペクトルを組み合わ
せることにより、白色光を得ている。ここでは、放電励
起手段としてRFエネルギーを誘導結合する手段が例示
されている。
【0005】また、特開平6−132018号公報に開
示された高パワーランプでは、発光物質としてS2、S
2等を封入し、分子発光による連続スペクトルによ
り、緑味の白色光を得ている。ここでは、マイクロ波エ
ネルギーを用いた放電励起手段が例示されている。
【0006】本発明では、ヨウ化インジウムなどの、金
属ハロゲン化物の分子発光を利用している。これに類し
た充填物を持つ、有電極のメタルハライドランプに関す
る発明が、米国特許第3,259,777号に開示され
ている。ここではヨウ化インジウムなどの金属ハロゲン
化物を、高圧で放電させるために、電極が融点近傍にな
るほどの高入力電気エネルギーにおいて、ランプが動作
することを特徴としている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら特開平3
−152852号公報の無電極放電ランプでは、視感度
効率の高い部分で発光するNa、Tlの成分を多くして
高効率化すると演色性の点が低くなり、逆に演色性を高
めようとすると効率が低くなるという問題点を有してい
た。また、インジウムやタリウムのヨウ化物は高圧にな
ると連続スペクトルが生じ、輝線スペクトルが減少する
ため色シフトの原因となるという点も、従来より問題と
して指摘されてきた。また特開平3−152852号公
報のような輝線スペクトルの組み合せからなる光特性は
色再現性に乏しく、十分な高演色性を得ることは困難で
ある。
【0008】特開平6−132018号公報の高パワー
ランプでは、ガスの種類や充填物の条件を変えても、色
度は常に黒体軌跡よりもかなり緑色にずれた部分に位置
し、十分な白色光を得ることはできない。特開平6−1
32018号公報の高パワーランプの色特性を改善する
方法としては、発光物質としてなんらかの金属化合物を
添加することにより、輝線スペクトルなどを加えて色度
を変化させる方法が考えられる。
【0009】しかしながら、金属硫化物は比較的安定で
蒸気圧の低い物が多く、添加発光し得る金属の種類が限
られる。そのため、光色設計の自由度が低く高演色化が
困難であるという問題点を有していた。また封入物を添
加したり、色温度変換フィルターなどにより発光スペク
トルの分光特性を変化させると、緑色以外の視感度の低
い部分の分光放射強度が増加するため、効率の低下は免
れられない。
【0010】米国特許第3,259,777号では、有
電極において無水銀にて動作させるため、電極の融点近
傍でランプを動作させるという、かなりの負荷を電極に
強いている。そのためこのような設計のランプでは電極
蒸発による急激なバルブ内壁の黒化が起こり、著しい寿
命特性の低下を招くことは免れない。
【0011】本発明は上記従来の、放電発光物質として
の充填物と、放電励起手段に関する問題点を解決するも
ので、インジウム及びガリウムのハロゲン化物などの、
分子発光による連続スペクトルを放射する金属ハロゲン
化物の、高圧での分子発光の連続スペクトルを利用する
ことで、水銀を充填物として含まず、且つ高効率と高演
色性を兼ね備えた発光材料を充填物とした無電極高圧放
電ランプを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の無電極高圧放電ランプは、内側に露出した電
極を持たない光透過性バルブの内部に、インジウムのハ
ロゲン化物、及びガリウムのハロゲン化物、及びそれら
の混合物からなる群から選択されるような、分子発光に
よる連続スペクトルを放射する金属化合物、及び希ガス
を充填物として含み、且つ前記充填物に電気エネルギー
を印加しアーク放電を始動し持続させる放電励起手段か
らなる構成を有している。
【0013】希ガスで放電を開始し、希ガスの蒸気圧の
上昇と共に、金属化合物が放電を開始する。その後強力
な電気エネルギーを金属化合物に集中的に注入すること
で、分子発光による強い連続発光のスペクトルを持っ
た、極めて優れた演色性と、高効率な光特性を持ち、且
つ充填物として水銀を含まないために環境にも安全な無
電極高圧放電ランプを得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)以下本発明の一実施の形態について、
図面を参照しながら説明する。
【0015】図1は、内直径3.8cmの球形の石英ガ
ラスからなる無電極放電バルブの内部に、ヨウ化インジ
ウム(InI)2.88×10-6mol/ccと、アル
ゴンガス5トルを充填封入したランプを、図2に示すマ
イクロ波無電極放電ランプ装置において、800Wのマ
イクロ波エネルギー入力で放電発光させたときの発光ス
ペクトルである。ただし、本発明で用いている容積cc
とはランプの放電に有効なバルブの内容積のことであ
る。また、図1に示す発光スペクトルは5nmごとの放
射強度を積算したものである。
【0016】図1に示すような本発明に関する放射光を
得るための、マイクロ波無電極放電装置の従来よりある
構成を、図2を参照しながら説明する。このマイクロ波
無電極放電装置の構成は、特開平6−132018号公
報の高パワーランプと同様のものである。
【0017】図2において、バルブ21はヨウ化インジ
ウムやアルゴンガスといった充填物22を有しており、
石英ガラスから構成されている。バルブ21は、誘電性
材料からなる支持棒23により、マイクロ波空洞24内
に支持されている。支持棒23は、モーターの回転軸に
支持棒の軸が一致するように接続されている場合もあ
る。その時バルブ21は、モーターにより約1000〜
3600rpmの回転数で回転する。図1に発光スペク
トルを示した実施の形態においては、バルブは3600
rpmにて回転させながら、発光させた。
【0018】これにより、バルブ21の温度の均熱化
と、放電プラズマの安定化を得ることが出来る。マグネ
トロン27より発生したマイクロ波エネルギーは、導波
管26を通じて、マイクロ波空洞24の給電口25へ供
給される。供給されたマイクロ波エネルギーは、バルブ
21内部の充填物22を励起して、プラズマ状態として
光を発生させる。マイクロ波空洞24を、マイクロ波エ
ネルギーを実質的に透過せず、且つバルブ21より発生
した光を実質的に透過するように構成された導電性のメ
ッシュなどにすることにより、発生した光はマイクロ波
空洞24の外側へ取り出される。
【0019】図1に示すように本実施の形態によれば、
ヨウ化インジウムによる可視域全体にわたる連続スペク
トルの発光を得ることができる。本実施の形態では平均
演色評価数Raは96、ランプ効率は約100lm/W
であった。また、一般に高い値を示すことが難しい、鮮
やかな赤色の見えを表す特殊演色評価指数R9は77で
あった。以上のように、本実施の形態によるランプは極
めて優れた演色性を呈すると共に、極めて優れた発光効
率を呈す。ヨウ化インジウムの高圧放電での発光スペク
トルとして広く知られているのは、インジウム元素の4
10nmと451nmの青色部分の輝線スペクトルであ
る。
【0020】この輝線スペクトルは一般に、メタルハラ
イドランプの青色の発光強度を増加するために、用いら
れている。しかしながら、本発明の実施の形態では、イ
ンジウム元素の輝線スペクトルは非常に弱まり、分子発
光の連続スペクトルが可視域全体にわたって現れてい
る。これにより、非常に演色性に優れた、高効率の白色
光源を得ることが出来る。
【0021】また、本発明の無電極高圧放電ランプの利
点としてもう一つ上げられるのは、主要な放電発生源と
しての充填物を単体とすることが可能なことである。一
般的なメタルハライドランプにおいては、白色光を得る
ために幾つかの金属と金属ハロゲン化物を充填物として
含んでいる。その添加金属の分圧は、ランプ内部の充填
物の量、及びバルブの最冷点部の温度によって決定され
る。しかしながら充填物の量も最冷点部の温度も共に、
製造公差や経時変化などの原因によりパラメータを変化
させる。それにより放射光の全光束や色度といった、光
特性に変化を及ぼす。
【0022】例えばHg+InI+TlI+NaIなど
の充填物からなるメタルハライドランプではInの青
色、Tl元素の緑色、Na元素の黄色を組み合わせるこ
とによって白色を得ているため、充填量の違いは色バラ
ンスや出力特性に大きな影響を及ぼす。しかしながら、
Na、Sc、Dyなどのメタルハライドランプで広く使
われている金属は、動作中にランプの被包体である石英
ガラスと反応し、その絶対量を減らしていくことが指摘
されている。これにより、経時変化として、ランプの色
シフトや光出力の低下が引き起こされる。
【0023】一方、本発明のランプは、単一の金属ハロ
ゲン化物により構成することが可能であるので、製造公
差や経時変化による色特性への影響を、非常に少なくす
ることが出来る。
【0024】(表1)にヨウ化インジウムの封入量を変
えたバルブを加えて、幾つかの発光特性の例を示す。こ
こに示す全てのバルブは、図2に示すマイクロ波無電極
放電装置にて、3600rpmで回転させながら、80
0Wの入力電気エネルギーで点灯させたときのものであ
る。
【0025】
【表1】
【0026】ヨウ化インジウムの封入量を増やすにつれ
て、相関色温度は下がっていく傾向にある。これは、ヨ
ウ化インジウムの分子発光の連続スペクトルのピーク波
長が、封入量の多いものほど長波長にシフトしていくた
めである。これは、動作時のヨウ化インジウムの分子量
が増えるほど、ヨウ化インジウム分子の核間距離が近ま
り、遷移のエネルギー差が小さくなるためと考えられ
る。しかしながら、この色シフトの量は、先に述べた製
造公差に対して問題になるほど、微量な変化に敏感に反
応するものではない。
【0027】逆に、この特性は、相関色温度の設計に自
由度を与える。そのため、様々な応用分野に対して、適
した相関色温度のランプを提供することが可能である。
例えば液晶ビデオプロジェクター用の光源としては、青
色の発色を強くするために、相関色温度7000K以上
の、高めの相関色温度のランプが必要とされる。本発明
の無電極高圧放電ランプは、こういった要求にもヨウ化
インジウムの封入量を変えることで対応できる。
【0028】図3と図4のグラフに、ランプの光特性に
対する、入力エネルギーの影響を示す。図3と図4は、
内直径3.8cmの球形の石英ガラスからなる無電極放
電バルブの内部に、アルゴンガス50トルと、ヨウ化イ
ンジウム1.44×10-6mol/cc及び2.88×
10-6mol/ccとを充填封入した2種類のランプ
を、図2に示すマイクロ波無電極放電ランプ装置におい
て入力エネルギーを変化させた時の、効率と平均演色評
価指数の変化を示したものである。
【0029】バルブは前記実施の形態と同様にモーター
により3600rpmの回転数で回転しながら発光させ
た。ランプの発光効率は、入力電気エネルギーが増加す
るにつれて上昇する。この発光効率の上昇には飽和点が
存在する。この飽和点は充填物の量が増えるにつれて、
より高い入力電気エネルギーのところになっている。
【0030】また、図4に示す平均演色評価指数Raの
変化より、入力電気エネルギー密度が約7W/cc以上
の所で、Raは一般照明での使用として十分な80以上
の値を取る。また入力電気エネルギー密度が約15W/
cc、さらに好適には約20W/cc以上で、より高い
演色性と高発光効率の両立が可能となる。
【0031】入力電気エネルギー密度の低いところで
は、まだ十分な量のヨウ化インジウムがバルブ内に蒸発
していないことが、効率と演色性を低くしている一つの
要因である。その低いエネルギー領域では、まだプラズ
マの圧力が低いため、インジウム元素単体の輝線スペク
トルが支配的に発光している。そのため、十分な効率と
演色性が得られない。
【0032】図5に、ヨウ化インジウムの充填封入量の
変化に対する、効率と平均演色評価数Raの変化を示
す。バルブの形状や、点灯条件は図3及び図4と同様で
あり、入力エネルギー密度は27.9W/ccの時のも
のである。実線が、充填量の変化に対する効率の変化を
示し、点線が平気演色評価指数の変化を示す。充填量が
1ccあたり約0.5×10-6モル以上の時、平均演色
評価指数は一般照明の使用に対して十分な値、80を上
回っている。また充填量が約3.0×10-6モル以上で
は、効率は90lm/W以上、平均演色評価指数が95
以上の高い値を両立できる。そのため、一般照明の分野
で用いるためには、この領域でヨウ化インジウムの充填
を行うことが望ましい。しかしながら、充填量が約6.
0×10-6モルを上回ると、平均演色評価指数は90以
下となる。したがって、あまり大量にヨウ化インジウム
を充填することは望ましくない。
【0033】本実施の形態では、ヨウ化インジウムを充
填物とした場合について述べたが、臭化インジウムを充
填物とした場合も同様の特性を示す。
【0034】なお、本実施の形態においては、図2に示
すバルブ21の光透過性材料として石英ガラスを用いた
が、無論、バルブの構成材料はこれに限るものではな
い。例えば、アルミナの透光性セラミック材料をバルブ
の構成材料にすれば、バルブの耐熱性を高めることが出
来る。それにより、バルブがより優れた耐高熱性と耐高
圧性を有し、より高入力電気エネルギー下での動作が可
能になる。また、先に述べたバルブの回転といった機構
を、省略することが容易になり、無電極高圧放電ランプ
装置の、システム効率や製造コストの向上を図ることが
出来る。
【0035】(実施の形態2)以下本発明の第2の実施
の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0036】図4は、内直径2.8cmの球形の石英ガ
ラスからなる無電極放電バルブの内部に、ヨウ化ガリウ
ム(GaI3)2.22×10-6mol/ccと、アルゴ
ンガス2トルを充填封入したランプを、第1の実施の形
態と同様に、図2に示すマイクロ波無電極放電ランプ装
置において、550Wのマイクロ波エネルギー入力で放
電発光させたときの発光スペクトルである。ただし、本
実施の形態においてはバルブを回転させる機構は用いて
いない。また、図5に示す発光スペクトルは、図1と同
様に、5nmごとの放射強度を積算したものである。
【0037】ここでは、ガリウム元素の403nmと4
17nmの輝線スペクトル以外に、不純物として含まれ
るナトリウム、リチウムおよびカリウムの輝線スペクト
ルとが加わった分子発光による連続スペクトルを得た。
本実施の形態のランプの特性は、ランプの発光効率は4
3lm/W、平均演色評価指数Raは96、相関色温度
は6920Kであった。
【0038】ガリウムのハロゲン化物による連続スペク
トルは、インジウムのハロゲン化物による連続スペクト
ルよりも短波長にピークを持つため、相関色温度が高く
なる。この特性は、液晶ビデオプロジェクション用光源
などの高い相関色温度のランプを必要とする分野に適し
ている。またインジウムのハロゲン化物と充填すること
により、相関色温度などの特性を変化させるために用い
ることも可能である。
【0039】ヨウ化ガリウム及び臭化ガリウムを封入し
た無電極ランプに関して、充填量を変化させた場合、入
力電気エネルギーを変化させた場合の光特性の変化は、
実施の形態1のインジウムのハロゲン化物の場合と同様
である。
【0040】以上の実施の形態においては、分子発光に
よる連続スペクトルを放射する金属化合物として、イン
ジウム及びガリウムのハロゲン化物を示したが、アルミ
ニウム及びタリウムのハロゲン化物もまた、同様に分子
発光による連続スペクトルを放射するため、これらを充
填金属化合物として用いることも可能である。
【0041】(実施の形態3)以下本発明の第3の実施
の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0042】図7は、内径2.8cmの球形の石英ガラ
スからなる無電極放電バルブの内部に、亜鉛40mg、
TlI8mg、アルゴンガス2トルを充填封入したもの
を、図2に記載のマイクロ波無電極放電ランプ装置にお
いて、300Wのマイクロ波エネルギー入力で放電発光
させたときの発光スペクトルである。
【0043】図7に示すように本実施の形態によれば、
Tlの535nmの輝線スペクトルに可視域全体にわた
る連続スペクトルを加えられた発光を得ることができ
る。TlIとアルゴンガスのみを充填封入して、主に5
35nmの輝線スペクトルのみを発光させた場合、演色
評価数Raは15以下であり一般照明には適さない。し
かしながら、本実施の形態では演色評価数Raは84と
なり、大幅に改善されている。
【0044】また(表2)に示すように、亜鉛を含まず
に、高圧放電により連続発光を得た場合と比較しても、
発光効率は2倍以上となっている。535nmの輝線ス
ペクトルの強度に関しては大きな変化はないが、連続ス
ペクトル部の発光が大幅に増しているためである。これ
は、亜鉛によりバルブ内部の圧力が上がっているためと
考えられ、亜鉛の添加により高効率化が得られることが
分かる。
【0045】(実施の形態4)以下本発明の第4の実施
の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0046】図8は内径2.8cmの球形の石英ガラス
製無電極放電バルブの内部に、亜鉛20mg、InI6
mg、アルゴンガス2トルを充填封入したものを、実施
の形態1と同じく、図2に記載のマイクロ波無電極放電
ランプ装置において、300Wのエネルギー入力で放電
発光させたときの発光スペクトルである。ここではIn
の411nm、及び450nmの輝線スペクトルに、可
視域全体にわたる連続スペクトルが加えられた発光スペ
クトルを得た。本実施の形態では第3の実施の形態に比
べて、輝線スペクトルの波長が視感度効率の高い部分か
らはずれるため発光効率はやや低くなるが、演色評価数
Raは87を得ることができる。
【0047】(実施の形態5)以下本発明の第5の実施
の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0048】図9は内径2.8cmの球形の石英ガラス
製無電極放電バルブの内部に、亜鉛20mg、InI1
0mg、TlI5mg、NaI1mg、アルゴンガス2
トルを充填封入したものを、実施の形態1と同じく、図
2に記載のマイクロ波無電極放電ランプ装置において、
250Wの入力で放電発光させたときの発光スペクトル
である。本実施の形態では、In、Tl、Naの輝線ス
ペクトルに加えて、連続スペクトルの加わった発光が得
られた。演色評価数Raは85で、色度(x,y)が
(0.321,0.336)の白色の発光を得ることが
できる。
【0049】上記の実施の形態及び本発明に係わるその
他の充填封入条件での、放電発光特性について(表2)
に比較して示す。
【0050】
【表2】
【0051】なお、充填物として亜鉛を利用することに
より、水銀を使用することなく、金属ハライドの発光に
適した、所望の動作圧力を得ることができるため、充填
される金属ハロゲン化物の種類については、上記の実施
の形態に限るものではない。例えばLiIなどを添加
し、670nmの輝線スペクトルを利用することによ
り、さらに演色性の改善を図ることなどが可能である。
【0052】全ての実施の形態において、有水銀の高圧
放電ランプにて問題とされる、350nm以下の有害な
UV放射も大幅に抑制されていることが明らかである。
従来のメタルハライドランプでのUV放射の多くは、水
銀の輝線スペクトルによるものであったので、水銀を封
入物として含まないために現れる効果である。
【0053】これは、一般照明での人体への安全性の向
上や、美術館や博物館での展示品の保護のために重要な
利点である。
【0054】なお、実施の形態1から実施の形態5に示
した本発明からなる無電極高圧放電ランプは、特開平3
−152852号公報などに例示されている、RF誘導
結合により充填物を放電励起させる無電極放電ランプ装
置においても、同様の効果が得られる。
【0055】
【発明の効果】以上のように本発明は、光透過性バルブ
の内部にインジウムのハロゲン化物、ガリウムのハロゲ
ン化物、もしくはタリウムのハロゲン化物もしくはそれ
らの混合物からなる群から選択されるような、分子発光
による連続スペクトルを放射する金属化合物及び希ガス
充填物として含み、且つ前記充填物に電気エネルギーを
印加しアーク放電を始動し持続させる放電励起手段から
なる構成を設けることにより、分子発光による強い連続
発光のスペクトルを持つ、極めて優れた演色性と高効率
な光特性を得ることができる、優れた無電極高圧放電ラ
ンプ及び無電極高圧放電ランプ装置を実現できるもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるヨウ化イン
ジウムとアルゴンを充填した無電極放電ランプの発光ス
ペクトル図
【図2】本発明に関わるマイクロ波無電極放電ランプ装
置の概略図
【図3】本発明の第1の実施の形態に関わるヨウ化イン
ジウムとアルゴンを封入した無電極放電ランプのエネル
ギー入力と効率の相関を示す図
【図4】本発明の第1の実施の形態に関わるヨウ化イン
ジウムとアルゴンを封入した無電極放電ランプのエネル
ギー入力と平均演色評価指数の相関を示す図
【図5】本発明の第1の実施の形態に関わるヨウ化イン
ジウムとアルゴンを封入した無電極放電ランプの、ヨウ
化インジウムの充填量と平均演色評価指数の相関を示す
【図6】本発明の第2の実施の形態におけるヨウ化ガリ
ウムとアルゴンを充填した無電極放電ランプの発光スペ
クトル図
【図7】本発明の第3の実施の形態における亜鉛とTl
Iとアルゴンを充填した無電極放電ランプの発光スペク
トル図
【図8】本発明の第4の実施の形態における亜鉛とIn
Iとアルゴンを充填した無電極放電ランプの発光スペク
トル図
【図9】本発明の第5の実施の形態における亜鉛とIn
I、TlI、NaI、およびアルゴンを充填した無電極
放電ランプの発光スペクトル図
【符号の説明】
21 バルブ 22 充填物 24 マイクロ波空洞 27 マグネトロン

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放電を閉じこめる光透過性バルブと、前記
    光透過性バルブの内部にインジウムのハロゲン化物、も
    しくはガリウムのハロゲン化物、もしくはタリウムのハ
    ロゲン化物の内少なくとも一つの金属ハロゲン化物、も
    しくはこれらの混合物からなる群から選択される分子発
    光による連続スペクトルを放射する金属ハロゲン化物及
    び希ガスを含む充填物と、前記充填物に電気エネルギー
    を印加しアーク放電を始動し持続させる放電励起手段を
    有し、且つ前記光透過性バルブの放電空間に露出した電
    極を持たないことを特徴とする無電極高圧放電ランプ。
  2. 【請求項2】金属ハロゲン化物のハロゲンは、ヨウ素、
    臭素、塩素もしくはこれらの混合物からなることを特徴
    とする請求項1記載の無電極高圧放電ランプ。
  3. 【請求項3】前記インジウムのハロゲン化物をヨウ化イ
    ンジウムまたは臭化インジウムから選択し、且つ前記ヨ
    ウ化インジウムまたは前記臭化インジウムの充填量を、
    前記透過性バルブの放電空間の体積1ccあたり約0.
    5×10-6モル以上としたことを特徴とする請求項1記
    載の無電極高圧放電ランプ。
  4. 【請求項4】前記ガリウムのハロゲン化物をヨウ化ガリ
    ウムまたは臭化ガリウムから選択し、且つ前記ヨウ化ガ
    リウムまたは前記臭化ガリウムの充填量を、前記透過性
    バルブの放電空間の体積1ccあたり約0.5×10-6
    モル以上としたことを特徴とする請求項1記載の無電極
    高圧放電ランプ。
  5. 【請求項5】前記放電励起手段により印加される前記電
    気エネルギーを、前記透過性バルブの放電空間の体積1
    ccあたり少なくとも約7Wとすることを特徴とする請
    求項3または請求項4記載の無電極高圧放電ランプ。
  6. 【請求項6】前記放電励起手段により印加される前記電
    気エネルギーを、前記透過性バルブの放電空間の体積1
    ccあたり少なくとも約15Wとすることを特徴とする
    請求項3または請求項4記載の無電極高圧放電ランプ。
  7. 【請求項7】前記希ガスはAr、Kr、Xe及びこれら
    の混合物からなる群から選択されることを特徴とする請
    求項5または請求項6記載の無電極高圧放電ランプ。
  8. 【請求項8】前記充填物の動作中の圧力が、少なくとも
    1気圧であることを特徴とした請求項7記載の無電極高
    圧放電ランプ。
  9. 【請求項9】前記光透過性バルブが、石英ガラスで形成
    されているとを特徴とする、請求項1から請求項8のい
    ずれかに記載の無電極高圧放電ランプ。
  10. 【請求項10】前記光透過性バルブが、セラミックで形
    成されていることを特徴とする、請求項1から請求項8
    のいずれかに記載の無電極高圧放電ランプ。
  11. 【請求項11】前記放電励起手段として、前記充填物に
    マイクロ波エネルギーを結合することを特徴とする、請
    求項1から請求項10のいずれか一つに記載の無電極高
    圧放電ランプを用いた無電極高圧放電ランプ装置。
  12. 【請求項12】前記放電励起手段として、前記充填物に
    RFエネルギーを誘導結合することを特徴とする、請求
    項1から請求項10のいずれか一つに記載の無電極高圧
    放電ランプを用いた無電極高圧放電ランプ装置。
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