JPH0712990Y2 - 写真処理機中のプリンターにおけるロールペーパー巻戻し装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、写真処理機中のプリンターにおけるプリント
用ロールペーパーのマガジン内への巻戻し装置に関す
る。プリント用ロールペーパー（帯状印画紙）はその取
扱い上の簡便さを求めて、マガジン内にロール巻きされ
たプリント用ペーパーを収容し、プリント時には遮光状
態にあるケーシング内に収容された本マガジンよりロー
ルペーパーを引き出して使用している。プリント用ロー
ルペーパーは、ペーパー幅、あるいはペーパーの材質、
例えば光沢用、非光沢用などの選択時にはマガジンの取
換えにより行っている。このマガジンの交換時、マガジ
ンより大きく延出したロールペーパーを可能な限り、マ
ガジン内に進入せしめ、即ちロールペーパーの未露光部
を可能な限りマガジン内に巻戻し、ペーパーの端部がマ
ガジンの遮光口より、ごく僅か突出状態を保ってマガジ
ンの交換を実行することが、該マガジンを次回使用する
折、ペーパーの端部のマガジンよりの引き出しのための
手数が除け、さらにペーパーの無駄の少ない有効利用面
より望まれるところである。本考案は、マガジンの取換
作業に先立って、マガジンより大きく延出した未使用の
ロールペーパー端部のマガジン内への完全没入の回避と
共に、ロールペーパーの円滑かつ、簡易なマガジン内へ
の巻戻しを意図して提案されたものである。

（従来の技術） 遮光されたケーシング内に収容されたマガジンより引き
出されたプリント用ロールペーパーは、ガイドローラー
群を経て露光位置まで未露光の状態にて引き出されてお
り、プリント作業が終了し、種類の異なるプリント用ロ
ールペーパーを収容した他のマガジンとの取換え作業を
必要とするとき、既設のマガジン内には、未露光のまま
引き出された長尺のロールペーパーをマガジン内に巻き
戻す作業が行われ、この折の作業は、マガジン中心部に
挿入された、ロールペーパーをその周囲にロール巻きと
し、かつその一端部を、遮光用ケーシングの一部に付設
された遮光と共に、マガジンの出入口を兼ねた開閉可能
なドア部より突出せしめた状態にセットされた巻芯を、
直接手をもって回転せしめ、ロールペーパーのマガジン
内への進入を行っていた。

（考案が解決しようとする問題点） マガジンより引き出された未露光のプリント用ロールペ
ーパーは、その経済面を考えてマガジン内に進入された
後、他のマガジンとの取換えが行われるも、マガジン内
へのロールペーパーの進入、爾後の作業性を考えて極く
僅かながらロールペーパーの先端部はマガジンの遮光口
より突出状態にあることが望ましい。

しかし、従来のプリント用ロールペーパーのマガジン内
への進入作業は、全く勘に頼って行われていたため巻き
込みすぎて、ロールペーパーの先端部をマガジン内に完
全に没入させて、次回のロールペーパーのマガジンより
の引出し作業を困難なものとしたり、あるいは巻き込み
不足により、予想以上に未露光のロールペーパー部をマ
ガジンの遮光口より延出せしめた状態にて遮光用ケーシ
ングのドアの開放がなされ、ロールペーパーの損失量を
増大せしめる結果となるなど、このロールペーパーの巻
き込み作業はかなりの熟練を要していた。またさらにこ
の巻き込み作業は、遮光用ケーシングのドア部より突出
した巻芯の端部を直接手にて回転せしめているため、そ
の作業性も悪く、かつプリンター部の外観を局部的なが
らデザイン面にて損なうものがあった。

本考案は、従来の装置がもつ、以上のような問題点を解
消させ、マガジン内への、ロールペーパーの端部を僅か
に残しての巻戻し、およびその巻戻し作業の簡易化を目
的として提案されたものである。

（問題点を解決するための手段） この目的を達成させるために、本考案はつぎのような構
成としている。すなわち本考案に係る写真処理機中のプ
リンターにおけるロールペーパーのマガジン内への巻戻
し装置は、遮光用ケーシング内に収容されたマガジン内
より引き出されたプリント用ロールペーパーの延出ルー
ト上にて、前記マガジンと比較的近接位置にペーパー端
部検出用リミットスイッチを、又該リミットスイッチと
マガジンとの間に、前記リミットスイッチと連動するロ
ールペーパーに圧接するブレーキ装置をそれぞれ配設
し、一方前記マガジンの出入口となる遮光用ケーシング
の一部に設けたドアには、ドア閉鎖時、マガジン取付用
巻芯軸の端部と係合可能な係合子を内端部に設けたノブ
が取付けられている構成からなる。

（作用） ノブを取付けた開閉可能な遮光用ケーシングの一部に設
けたドアの閉鎖により、ノブの内端部に設けた係合子
は、マガジンのプリント用ロールペーパー取付用巻芯軸
の端部と係合する。一方マガジンより引き出されたロー
ルペーパーは連続して露光位置まで延出し、プリント作
業が実行される。ロールペーパーの変更が必要となり、
他のマガジンとの取換え時には、マガジンの遮光口より
露光位置まで延出した未露光（未使用）のプリント用ロ
ールペーパーは、ノブの回転即ち巻芯軸の回転によりマ
ガジン内に次第に巻き込まれる。ロールペーパーのマガ
ジン内への進入が進行し、ロールペーパーの先端部が、
マガジン側に次第に接近し、ロールペーパーの延出ルー
ト上の比較的マガジンに近接した位置に配設されたペー
パー端部検出用リミットスイッチの設置位置をペーパー
先端部が通過すると共に、リミットスイッチは直ちに作
動し、ブレーキ装置を駆動せしめ、いままで円滑に走行
していたロールペーパーのマガジン内への進入作業が阻
止され、ロールペーパー先端部のマガジン内への完全没
入を阻止し、ロールペーパーの先端部はマガジン遮光口
部にてわずかながら突出状態を保持して、ロールペーパ
ーのマガジン内への巻戻し作業を終える。

（実施例） 遮光用ケーシング（１）内に装備された、回転可能な巻
芯軸（２）には、プリント用ロールペーパー（３）を内
蔵せしめた箱形のマガジン（４）が、ロールペーパー
（３）の芯体部を嵌挿せしめて着脱可能に取付けられ
る。遮光用ケーシング（１）にはマガジン（４）の出入
口となり、又その閉鎖時、ケーシング（１）内を遮光状
態に保つドア（５）が設置され、該ドア（５）の表面に
はノブ（６）が取付けられ、ケーシング（１）内に突出
するノブ取付け軸の内端部には所定の間隔をもって１対
のピン（８）（８）を植設した係合子（９）が固着され
ている。そして該係合子（９）は、ドア（５）の閉鎖
時、前記巻芯軸（２）の端部に、巻芯軸（２）に対し直
角方向に倒伏可能に枢着され、倒伏時、巻芯軸に嵌着さ
れたマガジン（４）の抜脱を阻止するロックレバー（1
0）に、少なくともいずれか一方のピン（８）が当接係
合するよう構成され、ノブ（６）の回転は、この係合子
（９）およびロックレバー（10）を介して巻芯軸（２）
の回転となるよう連繋されている。巻芯軸（２）に取付
けられたこのマガジン（４）の遮光口（７）からはプリ
ント用ロールペーパー（３）が引き出され、該ロールペ
ーパー（３）はガイドローラー（12）（12）群を介して
プリンターの露光装置（17）まで延出し、プリント作業
の進行に伴い、マガジン（４）内よりロールペーパー
（３）は連続して引き出される。なお、露光装置（17）
とリミットスイッチ（13）間には、ペーパーの走行を助
けるアドバンスローラー（18）およびカッター（19）が
それぞれ配置されている。

マガジン（４）より引き出されたロールペーパー（３）
の延出ルートのうち比較的マガジン（４）寄りに位置し
て、ペーパー端部検出用リミットスイッチ（13）が配設
され、さらに該リミットスイッチ（13）とマガジン
（４）間のペーパーの延出ルート上には、該リミットス
イッチ（13）と連動して作動するブレーキ装置（14）が
設置されている。

本ブレーキ装置（14）の一例としては、ガイドローラー
（12）と対向する位置に揺動可能にブレーキシュー（1
5）を配し、このブレーキシュー（15）は起立すること
により、ガイドローラー（12）間にロールペーパー
（３）を挟持する。ブレーキシュー（15）は、通常はス
プリング（図示省略）にて付勢されてガイドローラー
（12）から離反しているも、リミットスイッチ（13）に
よるペーパー端部の検出と同期して、ブレーキシュー
（15）はソレノイド（図示省略）にて励磁されて起立
し、ガイドローラー（12）とブレーキシュー（15）間に
てペーパー（３）の両面を挟み付け、今までの円滑なペ
ーパーの進入方向への走行を阻止する。さらに一段と確
実な阻止効果を期待する折には、ブレーキシュー（15）
の旋回路上に回動止め（16）を設置し、ブレーキシュー
（15）をしてガイドローラー（12）と回動止め（16）間
に嵌入せしめ、ブレーキシュー（15）のガイドローラー
（12）への圧着力を増大せしめることにより、ペーパー
に対する挟持力を高め、一層のブレーキ効果を達成する
ことができる。

（考案の効果） 本考案のノブの回転とこれに呼応するロールペーパーの
マガジン内へのペーパー端部を残しての巻戻し機構によ
って以下のとおりの効果が奏せられる。

（ａ）手にてノブを廻すことにより、マガジンの巻芯軸
を回転せしめ、マガジンより長く延出した未使用のロー
ルペーパーをマガジン内へ巻戻すためのペーパーの移動
の過程にて、ペーパーの端部を検出してペーパーに作用
するブレーキ装置の起動に伴い、直ちにノブの回転を中
止せしめることにより、ペーパー端部のマガジン内への
完全没入をきわめて容易に抑止することができ、マガジ
ンの再利用時、改めてのペーパー端部のベロ出し作業の
手数を取除くことができる。

（ｂ）ロールペーパーの走行移動時に、ペーパー面に作
用するブレーキ装置は、手動によるノブの緩やかな回転
に伴うペーパーの移動過程に実施されるので、ブレーキ
装置によりロールペーパー、特にペーパーの乳化面を大
きく損傷せしめる危惧が少ない。

（ｃ）常に一定長さのベロ出し状態を保ってのペーパー
端部の完全没入の阻止は、ペーパーの不要な露光による
無駄を確実に阻止することができる。

（ｄ）ペーパー端部の検出、およびこれにつづくブレー
キ操作作業の前提となるペーパーのマガジン内への巻戻
し作業は、遮光用ケーシングの一部に設けた、マガジン
の出し入れ作業に必須の部材たるドアに取付けたノブと
マガジンを支承する巻芯軸とのドア閉鎖時の係合手段を
介して実行されるので、ペーパーの巻戻し作業は簡易
で、かつ巻戻し機構自体一切複雑な装置を必要としない
ので、装置自身のコストダウンを実現することができ
る。

（ｅ）手動によるノブの回転は、これにつづくロールペ
ーパーの巻戻し方向への緩やかな移動走行、このペーパ
ーへのブレーキ効果に対してもペーパーに必要以上の張
力負荷を与えることなく、即座かつ自然な手加減にて、
直ちにペーパーの走行を所定位置にて停止でき、大規模
なブレーキ装置も不要で、この点でも装置全体のコスト
ダウンに大きく貢献することとなる。

（ｆ）ノブとマガジン取付用巻芯軸との係合止はノブを
取付けたドアの閉鎖とノブの所定方向への僅かな廻動に
より達成でき、さらにペーパー走行のための一必須部材
として働くこのノブはドアの開閉のためにも必須部材で
あり、この点ペーパー走行用のための余分な部品のケー
シング表面への付加も必要なく、ケーシングのドアを中
心とする外観を良好なものとすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るロールペーパー巻戻し装置におけ
るペーパーの延出ルートを中心とする概略正面図、第２
図は本考案に係るノブを中心とする分解斜視図、第３図
は巻芯軸とノブとの係合状態を示す平面図である。 図中、（２）は巻芯軸、（３）はプリント用ロールペー
パー、（４）はマガジン、（５）はドア、（６）はノ
ブ、（８）（８）はピン、（９）は係合子、（10）はロ
ックレバー、（13）はペーパー端部検出用リミットスイ
ッチ、（14）はブレーキ装置、（15）はブレーキシュー
を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】遮光用ケーシング内に収容されたマガジン
   内より引き出されたロールペーパーの延出ルート上に
   て、前記マガジンと比較的近接位置にペーパー端部検出
   用リミットスイッチを、又該スイッチとマガジンとの間
   に、前記スイッチと連動するロールペーパーに圧接する
   ブレーキ装置をそれぞれ配設し、一方前記マガジンの出
   入口となる遮光用ケーシングの一部に設けたドアには、
   ドア閉鎖時、マガジンの取付用巻芯軸の端部と係合可能
   な係合子を内端部に設けたノブを取付けている写真処理
   機中のプリンターにおけるロールペーパー巻戻し装置。