JPH07129794A - 画像の深み感制御機能を有するコンピュータグラフィック装置 - Google Patents

画像の深み感制御機能を有するコンピュータグラフィック装置

Info

Publication number
JPH07129794A
JPH07129794A JP27523993A JP27523993A JPH07129794A JP H07129794 A JPH07129794 A JP H07129794A JP 27523993 A JP27523993 A JP 27523993A JP 27523993 A JP27523993 A JP 27523993A JP H07129794 A JPH07129794 A JP H07129794A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
data
angle
saturation
lightness
hue
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP27523993A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyoshi Tsuji
紘良 辻
Toshikazu Ishihara
利員 石原
Yuji Uchiyama
祐司 内山
Mikiko Kawasumi
未来子 川澄
Hiroshi Hattori
寛 服部
Masato Ishiguro
政人 石黒
Kenichi Sata
謙一 狭田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Paint Co Ltd
Kanto Jidosha Kogyo KK
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Toyota Motor East Japan Inc
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
Kanto Jidosha Kogyo KK
Toyota Motor Corp
Kanto Auto Works Ltd
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Paint Co Ltd, Kanto Jidosha Kogyo KK, Toyota Motor Corp, Kanto Auto Works Ltd, Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Kansai Paint Co Ltd
Priority to JP27523993A priority Critical patent/JPH07129794A/ja
Publication of JPH07129794A publication Critical patent/JPH07129794A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 画像の深み感を人間の視覚特性に適合させて
任意に制御する。 【構成】 手段10よりデータが入力されると、手段3
0で、表示対象の反射特性及び光源の輝度に関するデー
タから表示対象の明度、色相及び彩度についての光の入
射方向及び反射方向に関する角度特性を計算し、手段4
0で、明度、色相及び彩度についての角度特性を変更す
る条件が設定されると、手段50は、手段40で設定さ
れた条件に基づいて、表示対象の明度、色相及び彩度に
ついての角度特性を各々独立に変更する。手段60は変
更された明度、色相及び彩度についての角度特性を各色
成分に関する角度特性に変換する。手段80は、各色成
分に関する角度特性、表示対象の表面形状、及び光源と
表示対象と視点の位置関係に関するデータに基づいて表
示対象の画像データを作成し、CRT90に色相、明度
及び彩度がそれぞれ独立に変更された画像を表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカラー画像を生成、表示
するコンピュータグラフィック装置に係り、特に、塗装
物や樹脂材、あるいはファブリック等の画像の色及びそ
の分布を変化させることにより、画像の深み感を制御し
て表示するコンピュータグラフィック装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等のペイント塗装における塗膜の
分光反射特性(光の波長と反射率との関係)は、塗膜に
対する光の入射角や反射角によって変化する。このた
め、塗装物の色は、塗装物に対する光源の位置や視点の
位置によって変化して見えると共に、同じ視点から見て
も塗膜面上の位置が異なれば、異なった反射角の光を見
ることになるため、塗装が均一に行われていても、塗膜
の色は位置によって異なって見える。この塗膜面上の位
置による色の変化は、塗装物の表面形状と塗膜の分光反
射率の角度依存性、すなわち、変角分光反射特性によっ
て決まる。この変角分光反射特性は、塗膜中に含まれる
アルミニウムやマイカなどの光輝材の種類や量によって
異なり、視覚的な材質感と密接に関係する。
【0003】このように、塗装物の視覚的印象には、塗
装物の表面形状、塗膜の色、質感が複合的に関与するた
め、塗装設計では設計対象の表面形状等に適合した、塗
装の色、質感を選択していくことになる。
【0004】このような塗装設計をコンピュータによっ
て支援する装置として、コンピュータとカラーディスプ
レイ装置とを用い、設計対象の表面形状や光学特性、光
源の輝度や位置、視点位置などのデータに基づいて、設
計対象の画像を生成して、表示するコンピュータグラフ
ィック装置が知られている。
【0005】このコンピュータグラフィック装置は、塗
膜の光学特性として、試作した塗装片等の実測値に基づ
いた画像を生成するため、塗装の色と質感を高精度に表
示することができ、また、光源のデータを適切に設定す
ることにより任意の照明環境下での画像を表示すること
ができる。しかし、この装置では塗装片を試作しかつ光
学特性を実測した塗膜の特性の画像しか表示することが
できないため、各種の色と質感の組み合わせを評価する
ためには多数の塗装片の試作や光学特性の測定、データ
入力が必要になり費用と手間がかかる、という問題があ
る。そのため、実測データによる画像のみでなく、人間
の視覚特性や塗膜の光学特性に基づいたパラメータを用
いて、色や質感を自由に変更した画像の表示を行なえる
コンピュータグラフィック装置が要望されている。特に
質感の一つである深み感は、色や材質などと密接に関係
しているため、それら各因子を独立かつ任意に制御可能
であることが必要である。
【0006】上記の制御を行う従来の技術として、画像
の明度を保持したまま色相と彩度を変えて質感を保った
まま色の変更を行う方法(特開平3−127284号公
報)、カラー画像を対象物体の物体色成分、照明光成
分、及び2次反射光成分の和で表現し、かつ、これらの
各成分を波長依存性を示す項と角度依存性を示す項との
積で表す物体反射モデルを用い、これらの各成分を変化
させることにより色や質感を変更する方法(特開平5−
189552号公報)、及び、予め変更前の基となる画
像とは異なる質感の画像データを別途入力しそれらを合
成することで質感の変更を行う方法(特開平4−322
559号公報)が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの方法
はいずれも正確な塗膜の反射特性や、塗装物−光源−視
点の位置関係を考慮していないため、塗膜の各種材料や
塗膜構成による微妙な質感を維持しつつ、自由な色、質
感の変更ができない、という問題があった。
【0008】すなわち、特開平3−127284号公報
による色相や彩度を変更する方法では、質感の変更が十
分にできず、特開平5−189552号公報による反射
モデルを用いて色や質感を変更する方法では、入力され
た画像データと単純化された仮定の下に角度依存性に関
するパラメータが計算されるため、これらの実測データ
が得られない場合でも自然さをある程度保存しつつ各種
因子の変更が可能であるが、実際の表示対象表面の光学
特性や形状データを用いていないため、微妙な質感を表
現できないという問題があった。また、特開平4−32
2559号公報の2つの画像の特徴合成による方法で
は、試料作成や、光学特性計測、データ入力等に手間が
かかり、更に入力した塗装の特性にしか変更できず、自
由な変更ができないという問題があった。
【0009】更にこれらの方法はいずれも各画素毎に色
や質感変更の計算を行うため、画素数が増すと計算に長
時間を要するという問題があった。
【0010】本発明は上記従来の課題に鑑みなされたも
ので、その目的はより高精度で、しかも人間の視覚特性
に適合した因子を変更して画像の深み感を制御すること
ができるコンピュータグラフィック装置を提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の装置は、表示対象の表面形状、表示対象表
面の変角反射特性、光源と表示対象表面と視点との位置
関係、及び光源の輝度に関するデータに基づいてカラー
画像を作成、表示するコンピュータグラフィック装置で
あって、前記表示対象表面の変角反射特性及び光源の輝
度に関するデータに基づいて表示対象表面の明度、色相
及び彩度についての光の入射方向及び反射方向に関する
角度特性を計算する第1のデータ変換手段と、前記明
度、色相及び彩度の少なくとも1つについての角度特性
を変更する条件を設定する変更条件設定手段と、前記変
更条件設定手段で設定された条件に基づいて、表示対象
表面の明度、色相及び彩度についての角度特性を各々独
立に変更する色調節手段と、前記変更された明度、色相
及び彩度についての角度特性を各色成分に関する角度特
性に変換する第2のデータ変換手段と、前記各色成分に
関する角度特性、表示対象の表面形状、及び光源と表示
対象表面と視点との位置関係に関するデータに基づいて
表示対象の画像データを作成する表示データ作成手段
と、を含んで構成したことを特徴とする。
【0012】本発明においては、変更条件設定手段によ
って、明度についての角度特性を観測方向と正反射方向
との成す角が大きい領域を強調して変化させる条件を設
定してもよく、観測方向と正反射方向との成す角が5°
から40°の領域における彩度についての角度特性を変
化させる条件を設定してもよい。
【0013】さらに、変更条件設定手段によって、明
度、色相及び彩度の少なくとも1つについてのすべての
入射方向及び反射方向において一定量変化させる条件を
設定してもよい。
【0014】
【作用】上記のように構成した塗装深み感表示装置によ
れば、表示対象の表面形状、表示対象表面の変角反射特
性、光源と表示対象表面と視点との位置関係、及び光源
の輝度に関するデータが入力されると、第1のデータ変
換手段により、表示対象表面の変角反射特性及び光源の
輝度に関するデータに基づいて表示対象表面の明度、色
相及び彩度についての光の入射方向及び反射方向に関す
る角度特性が計算される。次に、変更条件設定手段によ
り、明度、色相及び彩度の少なくとも1つについての角
度特性を変更する変更条件が設定されると、色調節手段
は、変更条件設定手段で設定された条件に基づいて、表
示対象表面の明度、色相及び彩度についての角度特性を
各々独立に変更する。第2のデータ変換手段は変更され
た明度、色相及び彩度についての角度特性を各色成分に
関する角度特性に変換する。そして、表示データ作成手
段は、各色成分に関する角度特性、表示対象の表面形
状、及び光源と表示対象表面と視点との位置関係に関す
るデータに基づいて表示対象の画像データを作成し、表
示装置に色相、明度及び彩度がそれぞれ独立に変更され
た画像を表示する。
【0015】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。
【0016】図1に本発明を自動車のボディー(以下、
単に自動車という)の塗装画像に適用し、光源として太
陽を想定した実施例の基本的な構成を示す。図に示すよ
うに、本実施例の塗装の深み感表示装置は、CRTディ
スプレイ90、パーソナルコンピュータ100及び入力
装置110から構成されている。この塗装の深み感表示
装置を図に示した機能ブロックを用いて説明すると、図
中、10はデータ入力手段で、塗装の深み感を表示する
自動車の外観形状、光源となる太陽と自動車表面と視点
との位置関係、太陽の分光放射輝度、及び自動車の基準
となる塗膜表面の変角分光反射率に関するデータを入力
する。なお、データ入力手段10としては、ディスク装
置に前記各データをデータベースとして保持するのが好
適である。20はデータ記憶手段で、データ入力手段1
0から入力されたデータを保持すると共に、そのデータ
は後述する第1のデータ変換手段30または表示データ
作成手段80からの要求により読み出される。30は第
1のデータ変換手段で、データ記憶手段20に記憶され
た、太陽の分光放射輝度データ(光源データ)及び塗膜
の変角分光反射率データ(変角反射特性データ)から、
まず、各入射角及び反射角毎の塗膜表面の分光放射輝度
を計算し、ついで、計算した分光放射輝度データから国
際照明委員会の定めたXYZ表色系における等エネルギ
ー白色光のスペクトル3刺激値x、y、zを用いて塗膜
からの反射光の3刺激値X,Y,Zを計算し、さらにそ
の3刺激値X,Y,Zからマンセル表色系における色
相、明度、彩度の値H,V,Cを入射角及び反射角毎に
計算する。40は変更条件設定手段で、第1のデータ変
換手段30で計算された入射角及び反射角毎のH,V,
Cをどのように変更するかを定める条件を設定する。こ
の変更条件設定手段40は、H、V、Cの角度特性の分
布状態を変化させるように、入射角及び反射角毎に異な
る値を設定することもでき、また、分布状態を変えずに
全体のレベルを変化させるように、角度に依存せず一定
値を設定することもできる。50は色調節手段で、第1
のデータ変換手段30で計算された入射角及び反射角毎
のH,V,Cデータを変更条件設定手段40で設定され
た変更条件に基づいて各々独立に変更する。60は第2
のデータ変換手段で、まず、色調節手段50で求められ
た、入射角及び反射角毎の変更されたH,V,Cデータ
を前記XYZ表色系における3刺激値X,Y,Zデータ
に逆変換し、ついでCRTディスプレイ90での表示に
適合した各成分色に関する角度特性であるR(赤),G
(緑),B(青)データに変換し、その結果を変角色成
分テーブルメモリ70に出力する。変角色成分テーブル
メモリ70は前記の入射角及び反射角毎のR,G,Bデ
ータを記憶保持する。80は表示テータ作成手段で、前
記変角色成分テーブルメモリ70に記憶された入射角及
び反射角毎のR,G,Bデータと、データ記憶手段20
に記憶されている表示する自動車の外観形状、光源とな
る太陽と自動車表面と視点との位置関係を示すデータ
(形状位置データ)から表示画像の各画素毎の入射角及
び反射角毎のR,G,B値を計算し、それに基づいて自
動車の画像をCRTディスプレイ90に表示するように
構成されている。
【0017】次に、前記のように構成した本実施例のコ
ンピュータグラフィック装置の作用を第2図を参照して
説明する。
【0018】最初に、表示する自動車の外観形状、光源
となる太陽と自動車表面と視点との位置関係、太陽の分
光放射輝度、及び基準となる塗膜の変角分光反射率に関
するデータがデータ入力手段10から入力されると、ス
テップS1において、それらはデータ記憶手段20に記
憶、保持される。なお、本実施例の装置の使用に先立っ
て、上記の自動車の外観形状及び光源と自動車表面と視
点との位置関係は予め定められており、また、基準とな
る塗膜の変角分光反射率データ及び光源の分光放射輝度
データは実測などに基づいて予め得られているものとす
る。
【0019】次に、ステップS2において、第1のデー
タ変換手段30により、データ記憶手段20に記憶され
た太陽の分光放射輝度データ及び塗膜の変角分光反射率
データから、まず、各入射角及び反射角毎の塗膜表面の
分光放射輝度が計算され、ついで、ステップS3でその
分光放射輝度データから国際照明委員会の定めたXYZ
表色系における等エネルギー白色光のスペクトル3刺激
値x、y、zを用いて塗膜からの反射光の3刺激値X、
Y、Zが計算される。
【0020】さらに、ステップS4で、前記3刺激値
X、Y、Zから、マンセル表色系における色相、明度、
彩度の値H、V、Cが入射角及び反射角毎に計算され
る。
【0021】ステップS5では、変更条件設定手段40
を用いて設定された変更条件、すなわち、データ変換手
段30で計算された入射角及び反射角毎の色相、明度、
彩度の値H、V、Cをどのように変更するかを定める条
件が取り込まれる。
【0022】ここで、塗膜の変角反射特性の変更を、色
相、明度及び彩度について、マンセル表色系を用いて行
っているのは、色相、明度、彩度が人間の視覚に適合し
た色の3属性であり、マンセル表色系ではそれらが目で
みて等間隔に感じるように分類、配列されているため、
各種因子の組み合わせの感覚による評価(官能評価)を
系統的に効率よく行うことができるからである。従っ
て、必要に応じて他の表色系を用いることもできる。
【0023】また、上記の変更条件の設定においては、
発明者らの実施した、塗装の深み感と色要素とその分布
状態の関係に関する心理物理実験(入力として物理量、
出力として心理量を用い、その入出力関係から内部の構
造を明らかにする実験法)の下記の結果に基づいて行う
のが有効である。
【0024】すなわち、図3〜図5に示すように、入射
角及び反射角毎の色相、明度及び彩度の全体レベルの変
更に関しては、深み感は、明度を低下させると増し(図
3)、彩度を上昇させると増す(図4(A))。ただ
し、彩度に関しては、個人差が見られ、図4(B)に示
すように、彩度が上昇すると深み感も明確に増加すると
評価するグループと、図4(C)に示すように、彩度が
変化しても深み感には明確な変化が生じないグループが
みられた。
【0025】また、図5に示すように、色相について
は、B(青)、P(紫)、R(赤)で低値を、Y(黄)
近傍で高値を示す。
【0026】なお、図3〜図5において、横軸は実在の
塗板の測定により得られた各条件の変更の基準となる塗
膜のデータを0として、マンセル表色系における明度、
彩度、色相の変化を示した。また、縦軸はこの基準とな
る塗膜と深み感が同じ場合を0とし、それより明らかに
大きいと評価された場合を2、幾分大きい場合を1、幾
分小さい場合を−1、明らかに小さい場合を−2の評価
値で示した。
【0027】以上のことから、明度、色相及び彩度の変
化が深み感に影響し、これらのうち、特に明度の変化が
深み感に対し最も強く影響することが理解できる。な
お、上記の場合は、塗膜面上での色相、明度及び彩度の
変化傾向は保存され、これは、光源の特性または塗膜の
顔料あるいは染料の成分を変化させた場合に相当し、表
示画像に現れる対象材質(例えば、塗膜では光輝材の有
無あるいは光輝材の種類)の質感、すなわち、画像の材
質感は変化しない。従って、変更条件設定手段40で
は、色相、明度及び彩度の少なくとも1つについてすべ
ての入射角方向及び反射方向において一定量変化させる
条件を設定することにより、材質感を保持したま、深み
感を制御することができる。
【0028】一方、入射角及び反射角に関する色相、明
度及び彩度の角度特性を変化させ、それらの画面上での
分布状態を変化させた場合は、画像の材質感も変化す
る。例えば、塗膜の材料に光輝材を含まないソリッド塗
装と比較し、光輝材としてアルミ粉を含むメタリック塗
装では、観測方向と正反射方向とが成す角(以下偏角と
記す)が大きくなるにしたがって明度の低下が大きい。
また、図7に示すように、ソリッド塗装では観測方向が
正反射方向に近づくにつれて彩度がほぼ単調に低下する
のに対し、メタリック塗装の彩度は観測方向が正反射方
向から15°付近をピークに5°から40°の範囲で上
昇する。このため、これらの特徴を強調(付与)あるい
は減弱(除去)することにより画像の材質感が変化し、
深み感は、上記メタリック塗装の特徴を強調すると増加
する。図6はその関係を明度分布の変化について示した
ものである。図6(A)は偏角が大きい部分(40°以
上)を強調して変化させた場合を示し、図6(B)は偏
角が小さい部分(40°未満)を強調して変化させた場
合を示し、何れの場合も明度全体を一定量変化させた場
合(図3)と同様に、明度が上昇すると深み感は低下
し、明度が低下すると深み感は上昇する。しかし、その
変化量は偏角の大きい部分を強調して変化させた場合の
方が大きく、従って平均値を一定とした場合、偏角が大
きい部分の明度を低下させると、すなわち、上記メタリ
ック塗装の特徴を強調すると深み感が増すことを示して
いる。
【0029】従って、変更条件設定手段40において
は、偏角が大きい領域を強調して明度についての角度特
性を変化させる条件を設定したり、偏角が5°から40
°の領域における彩度についての角度特性を変化させる
条件を設定することにより、材質感と関連する深み感の
制御を行うことができる。
【0030】続くステップS6では、色調節手段50に
より第1のデータ変換手段30で計算された入射角及び
反射角毎のH、V、Cデータが変更条件設定手段40で
設定された変更条件に基づいて変更される。
【0031】つづいて、ステップS7で、第2のデータ
変換手段により、変更された入射角及び反射角毎のH、
V、Cデータは3刺激値X’,Y’,Z’データに逆変
換され、さらに、ステップS8でCRTディスプレイの
表示に適合したR,G,Bデータに変換され、変角色成
分テーブルメモリ70に記憶される。
【0032】次に、ステツプ9で、表示データ作成手段
80により、入射角及び反射角毎のR,G,Bデータ
と、データ記憶手段20に記憶された表示する自動車の
外観形状、光源となる太陽と自動車表面と視点との位置
関係を示すデータから表示画像の各画素毎のR,G,B
値が計算され、つづいて、ステップS10で、それに基
づいた自動車の画像がCRTディスプレイ90に表示さ
れる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
画像の色相、明度、彩度とその分布をそれぞれ独立に変
化させることにより任意に深み感の制御を行うことがで
きる。従って、実際に塗装片を製作しなくても、形状等
に適した好ましい深み感をもつ塗装を評価、選択するす
ることができ、さらに塗装表面上の色相、明度、彩度の
分布は、塗膜に含まれる顔料や光輝材などの材料や塗膜
構成と密接に関連しており、好ましい深み感をもつ塗装
の開発を支援することができる、という効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の基本構造を示すブロック図で
ある。
【図2】本発明の実施例の基本構造を示すブロック図の
作用を説明する流れ図である。
【図3】明度の変化量と深み感との関係を示す線図であ
る。
【図4】(A)は彩度の変化量と深み感との関係を全被
験者の平均値に関して示す線図である。(B)は彩度大
で深み感大と判断するグループの彩度の変化量と深み感
との関係を示す線図である。(C)は彩度が深み感に明
確な影響を生じないグループの彩度の変化量と深み感と
の関係を示す線図である。
【図5】色相の変化量と深み感との関係を示す線図であ
る。
【図6】(A)は偏角が大きい部分の明度の変化量と深
み感との関係を示す線図である。(B)は偏角が小さい
部分の明度の変化量と深み感との関係を示す線図であ
る。
【図7】偏角と彩度との関係を示す線図である。
【符号の説明】
10 データ入力手段 20 データ記憶手段 30 第1のデータ変換手段 40 変更条件設定手段 50 色調節手段 60 第2のデータ変換手段 70 変各色成分テーブルメモリ 80 表示データ作成手段 90 CRTディスプレイ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 000001409 関西ペイント株式会社 兵庫県尼崎市神崎町33番1号 (72)発明者 辻 紘良 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 石原 利員 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 内山 祐司 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 川澄 未来子 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 服部 寛 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 石黒 政人 神奈川県横須賀市田浦港町無番地 関東自 動車工業株式会社内 (72)発明者 狭田 謙一 兵庫県尼崎市神崎町33番1号 関西ペイン ト株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表示対象の表面形状、表示対象表面の変
    角反射特性、光源と表示対象表面と視点との位置関係、
    及び光源の輝度に関するデータに基づいてカラー画像を
    作成、表示するコンピュータグラフィック装置であっ
    て、 前記表示対象表面の変角反射特性及び光源の輝度に関す
    るデータに基づいて表示対象表面の明度、色相及び彩度
    についての光の入射方向及び反射方向に関する角度特性
    を計算する第1のデータ変換手段と、 前記明度、色相及び彩度の少なくとも1つについての角
    度特性を変更する条件を設定する変更条件設定手段と、 前記変更条件設定手段で設定された条件に基づいて、表
    示対象表面の明度、色相及び彩度についての角度特性を
    各々独立に変更する色調節手段と、 前記変更された明度、色相及び彩度についての角度特性
    を各色成分に関する角度特性に変換する第2のデータ変
    換手段と、 前記各色成分に関する角度特性、表示対象の表面形状、
    及び光源と表示対象表面と視点との位置関係に関するデ
    ータに基づいて表示対象の画像データを作成する表示デ
    ータ作成手段と、 を含む画像の深み感制御機能を有するコンピュータグラ
    フィック装置。
  2. 【請求項2】 前記変更条件設定手段によって、明度に
    ついての角度特性を観測方向と正反射方向との成す角が
    大きい領域を強調して変化させる条件を設定することを
    特徴とする請求項1に記載の画像の深み感制御機能を有
    するコンピュータグラフィック装置。
  3. 【請求項3】 前記変更条件設定手段によって、観測方
    向と正反射方向との成す角が5°から40°の領域にお
    ける彩度についての角度特性を変化させる条件を設定す
    ることを特徴とする請求項1に記載の画像の深み感制御
    機能を有するコンピュータグラフィック装置。
  4. 【請求項4】 前記変更条件設定手段によって、明度、
    色相及び彩度の少なくとも1つについてすべての入射方
    向及び反射方向において一定量変化させる条件を設定す
    ることを特徴とする請求項1に記載の画像の深み感制御
    機能を有するコンピュータグラフィック装置。
JP27523993A 1993-11-04 1993-11-04 画像の深み感制御機能を有するコンピュータグラフィック装置 Pending JPH07129794A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27523993A JPH07129794A (ja) 1993-11-04 1993-11-04 画像の深み感制御機能を有するコンピュータグラフィック装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27523993A JPH07129794A (ja) 1993-11-04 1993-11-04 画像の深み感制御機能を有するコンピュータグラフィック装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07129794A true JPH07129794A (ja) 1995-05-19

Family

ID=17552641

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27523993A Pending JPH07129794A (ja) 1993-11-04 1993-11-04 画像の深み感制御機能を有するコンピュータグラフィック装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07129794A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004110519A (ja) * 2002-09-19 2004-04-08 Dainippon Ink & Chem Inc 質感表現装置及び質感表現方法並びに合成方法
JP2005071326A (ja) * 2003-08-05 2005-03-17 Toyota Motor Corp 塗装面の変角分光反射率を基にしたカラー開発過程支援装置と支援方法
US7609265B2 (en) 2002-03-21 2009-10-27 Microsoft Corporation Graphics image rendering with radiance self-transfer for low-frequency lighting environments
JP2014224718A (ja) * 2013-05-15 2014-12-04 キヤノン株式会社 画像処理装置および画像処理方法
WO2020188964A1 (ja) * 2019-03-18 2020-09-24 関西ペイント株式会社 塗色検索装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7609265B2 (en) 2002-03-21 2009-10-27 Microsoft Corporation Graphics image rendering with radiance self-transfer for low-frequency lighting environments
JP2004110519A (ja) * 2002-09-19 2004-04-08 Dainippon Ink & Chem Inc 質感表現装置及び質感表現方法並びに合成方法
JP2005071326A (ja) * 2003-08-05 2005-03-17 Toyota Motor Corp 塗装面の変角分光反射率を基にしたカラー開発過程支援装置と支援方法
JP2014224718A (ja) * 2013-05-15 2014-12-04 キヤノン株式会社 画像処理装置および画像処理方法
WO2020188964A1 (ja) * 2019-03-18 2020-09-24 関西ペイント株式会社 塗色検索装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2761517B1 (en) Method for matching color and appearance of coatings containing effect pigments
JP4912888B2 (ja) 塗料を適合させるためのコンピュータ実行方法
EP2833327B1 (en) Method and system for digitally generating appearance data
JP3141245B2 (ja) 画像の表示方法
RU2558622C2 (ru) Отображение декоративных покрытий на электронных устройствах отображения
JP2921365B2 (ja) 塗装色の再現方法及び塗装色の選択方法
DE60117905T2 (de) Verfahren zur Erzeugung eines Rechnerbildes eines dreidimensionalen Objektes mit Spezialeffekt-Oberflächen
JPH09178560A (ja) 化粧肌色の予測方法
JP2022526570A (ja) 双方向テクスチャ関数の生成
JPH07129794A (ja) 画像の深み感制御機能を有するコンピュータグラフィック装置
WO2020188964A1 (ja) 塗色検索装置
JP2004152000A (ja) 発色材料を含む塗装外観の画像シミュレーション方法
DE60211977T2 (de) Ein Verfahren zum Generieren einer Computerabbildung eines beschichteten dreidimensionalen Objektes
CN110462687A (zh) 涂色确定装置、涂色确定方法、涂色确定程序及包含涂色确定程序的计算机可读介质
US20230343051A1 (en) Visualizing the appearances of at least two materials
JP3054321B2 (ja) コンピュータグラフィクス装置
JPH08221560A (ja) メタリック粒子感を精度よく再現する方法
Shimizu et al. A computer aided color appearance design system for metallic car paint
JP6985522B2 (ja) 塗色評価画像の生成方法、生成プログラムおよび塗色評価画像生成装置
JPH0540833A (ja) カラ−画像制御方法
US20230260237A1 (en) Visualizing the appearance of at least two materials
JP2003034762A (ja) 光輝感を有する塗料の調色方法
EP4209998A1 (en) Method, computer and computer program for modifying texture images
US20230260193A1 (en) Generating a destination texture from a plurality of source textures
CN117396921A (zh) 用于生成效果涂层的显示图像的方法和系统