JPH0712721A - 遠隔測定可能な分光分析装置 - Google Patents

遠隔測定可能な分光分析装置

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JPH0712721A
JPH0712721A JP17466193A JP17466193A JPH0712721A JP H0712721 A JPH0712721 A JP H0712721A JP 17466193 A JP17466193 A JP 17466193A JP 17466193 A JP17466193 A JP 17466193A JP H0712721 A JPH0712721 A JP H0712721A
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JP
Japan
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light
optical fiber
cell
sample
gas
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JP17466193A
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English (en)
Inventor
Osamu Niihori
理 新堀
Hidenori Mimura
榮紀 三村
Yukio Noda
行雄 野田
Tetsuya Nakai
哲哉 中井
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KDDI Corp
Original Assignee
Kokusai Denshin Denwa KK
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  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】分析用光源に高輝度で発光スペクトル幅の広い
インコヒーレント光光源を使用し、複数の低濃度の物質
も同時に分析が可能でインラインモニタ等にも応用可能
な信頼性・保守性・経済性に優れた遠隔測定可能な分光
分析装置を提供する。 【構成】導波構造を有しインコヒーレントな試料光を放
出する分光分析用光源と、該試料光と内部に導入された
分析対象物質とを相互作用させ相互作用した信号光を送
出する導波機能を有する分光分析用セルと、該信号光を
分析し計測する計測部と、該分光分析用光源から放出さ
れた試料光を該分光分析用セルに伝送する第1の光ファ
イバと、該分光分析用セルから送出する信号光を該計測
部に伝送する第2の光ファイバとを備えた構成を有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、物質の成分・濃度を光
の吸収を利用して分析する分光分析装置に関し、特に、
流体の遠隔分光分析に適する分光分析装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】この種の分光分析装置としては、インコ
ヒーレント光を発生する熱放射体を光源とするものと、
コヒーレント光であるレーザを光源とするものがある。
前者の特徴は、広いスペクトル領域にわたった連続光源
であるため分析波長範囲が広く一つの光源でも多くの物
質の分析が可能である。一方後者の特徴は、コヒーレン
ト光源のため輝度が高くすることができしかも集光性が
よいため分析に要する光路長を長くして極めて低濃度の
物質の分析も可能で有り、更に光ファイバへの入射効率
も良くリモートセンシングに応用可能であることであ
る。
【0003】コヒーレント光光源を使用した分光分析装
置には次に示す欠点があるので、インコヒーレント光光
源を使用した分光分析装置が求められていると言える。 (1)気体レーザのように固定波長で発光するレーザを
光源に使用した場合、分析可能な対象物質はその吸収波
長がレーザの発光波長と一致した一つの物質に限られ
る。 (2)半導体レーザ、固体レーザを光源に使用した場合
には発光波長を対象物質の吸収波長に調節(同調)し複
数の物質を分析することが可能であるが、半導体レーザ
の場合には素子の温度変化があるため、固体レーザの場
合には回折格子や複屈折フィルタ等を機械的に回転させ
て発光波長を同調することが必要であるため、発光波長
の長期安定性・再現性に問題があり、これらの特性を維
持するために装置が複雑でかつ大がかりになり、装置の
維持管理・経済性に問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】低濃度の物質を分析す
る場合、試料照射光と分析対象物質とが相互作用する光
路長を十分長くする必要がある。このため、集光性が良
く極めて平行度の高い光束が得られるコヒーレント光光
源と、光の多重反射を利用した光路長の長いホワイトセ
ルと呼ばれる分析用セルとを使用した分析装置が、低濃
度の物質の分析用に利用されている。しかし、インコヒ
ーレント光を光源として用いた場合、光源の集光性が劣
るため平行度の高い平行光束が得られず、ホワイトセル
と呼ばれる光路長の長い分析用セルを使用することがで
きず、低濃度の物質の分析が困難であった。更に、従来
のインコヒーレント光を光源とした分析装置では光源の
輝度が低いため、光束の幅を広くし分析対象物質の量を
多くし分析感度を高める必要があったため、微量の物質
の分析は困難であった。
【0005】また、インコヒーレント光を放出する熱放
射体光源を用いた分光分析装置は次のような欠点があ
る。 (1)熱放射体の発光は面発光でありしかも完全拡散面
光源に近い特性をもつため集中指向性がなく、また輝度
(単位面積当たりの放射エネルギー)が低いため光ファ
イバに入射される光エネルギーが小さい。 (2)電気/ 光エネルギー変換効率が低い。 (3)熱放射体の光源は寿命が短くしかも光源が高温の
ため、光源支持台,電極等の電気接点の腐食が早く、信
頼性に問題がある。このため、光ファイバを用いた遠隔
分光分析装置には不向きであり、装置の維持管理・経済
性にも問題があった。
【0006】本発明の目的は、従来の分光分析装置の欠
点に鑑みなされたもので、分析用光源に高輝度で発光ス
ペクトル幅の広いインコヒーレント光光源を使用し、複
数の低濃度の物質も同時に分析が可能でインラインモニ
タ等にも応用可能な信頼性・保守性・経済性に優れた遠
隔測定可能な分光分析装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明による遠隔分光分析装置は、導波構造を有し
インコヒーレントな試料光を放出する分光分析用光源
と、該試料光と内部に導入された分析対象物質とを相互
作用させ相互作用した信号光を送出する導波機能を有す
る分光分析用セルと、該信号光を分析し計測する計測部
と、該分光分析用光源から放出された試料光を該分光分
析用セルに伝送する第1の光ファイバと、該分光分析用
セルから送出する信号光を該計測部に伝送する第2の光
ファイバとを備えた構成を有する。
【0008】
【作用】本発明の遠隔測定可能な分光分析装置は、導波
構造を有するガラス発光素子ないしは半導体発光ダイオ
ード等の導波構造を有しインコヒーレントな試料光を放
出する分光分析用光源を使用するため、被測定物質の吸
収波長を含む適宜の波長域で連続スペクトルが得られ、
発光波長の同調が不要であり、構造も簡単で動作も安定
で信頼性に優れ、インコヒーレント光にもかかわらず輝
度が高く指向性が鋭く光ファイバへの結合効率が良い。
さらに、分析用セルに導波機能があるため試料照射光は
平行光束である必要はなく、分析用セルのNA以下の光
束であればインコヒーレント光であっても分析用セル内
を伝搬するため分析に要する光路長を長くすることがで
き、しかも、分析用セル断面積が極めて小さく、従っ
て、セルの内容積が小さいため被測定物質の容量が少な
くてよく、微量な試料でも感度良く測定できかつ長期安
定性・経済性に優れた遠隔測定可能な分光分析装置が実
現可能である。
【0009】
【実施例1】光源に導波型ガラス発光素子を用いた本発
明による遠隔測定可能な分光分析装置の実施例を図1に
もとずいて説明する。試料光を放出する導波型ガラス発
光素子4は、フッ化物ガラスを用いた直径20μmのコ
ア1と直径150μmのクラッド2からなる長さ5cm
の母材のコア1に発光媒質としてErを添加し、励起光
源としてストライプ幅が15μmであり、発光波長が7
90nmの半導体レーザ3をコア1に突合せ結合により
結合し構成する。該発光素子の発光波長は2.65μm
から2.77μm連続スペクトルが得られた。導波型ガ
ラス発光素子4は、直径50μmのフッ化物ガラスのコ
ア5とクラッド6よりなる試料照射光伝送用光ファイバ
7に突合せ接合により結合する。分析用セル8は、図2
に示すように内径1mmのNiパイプ9の内面にAgコ
ート10とZnSコート11を被着させ長さ50cmの
中空導波路12を用い、中空導波路12の両端に気体導
入のための気体溜13を接続し、一方の気体溜13に小
型のダイヤフラムポンプ14を接続し被測定気体を吸引
し分析用セル8内に導入した。本実施例における気体の
流量は、10cc/minに設定した。試料光と分析用
セル8との結合は、気体溜13の機密保持を兼ねたレン
ズ15を介して行う。分析用セル18を透過した試料光
を信号光と呼ぶが、この信号光は、他方の気体溜13の
レンズ16により集光しフッ化物ガラス信号光伝送用フ
ァイバ17に結合する。信号光の出力は計測部18に送
り、図3に示すように計測部内でコリメータレンズ19
により平行光にした後、ビームスプリッタ20により分
割し、一方は中心波長2690nm、半値幅20nmの
帯域透過フィルタ21を通して検出器22に入力し、他
方は中心波長2710nm、半値幅20nmの帯域透過
フィルタ23通して検出器24に入力した。ここで中心
波長2690nmはCO2 ガスの吸収波長で、2710
nmはCO2 ガスの吸収の無い領域の波長である。両者
のレベルを比較計測することにより、CO2 ガスの濃度
を計測する。本実施例におけるCO2 ガスの検出限界は
10ppm以下となる。
【0010】
【実施例2】図4に、実施例1とは異なる第二の実施例
を示す。実施例1との差異は、導波型ガラス発光素子4
と試料照射光伝送用光ファイバ7を融着接続したことで
ある。導波型ガラス発光素子4と試料照射光伝送用光フ
ァイバ7の材質がともにフッ化物ガラスであるため融着
接続できた。これにより、導波型ガラス発光素子4から
出射する試料光を効率よく試料照射光伝送用光ファイバ
7に結合することができる。
【0011】
【実施例3】図5は、第三の実施例を示したもので、試
料光伝送用光ファイバと信号光伝送用光ファイバを同一
光ファイバで併用するものである。導波型ガラス発光素
子4と光ファイバの結合は、発光素子4の出力をコリメ
ータレンズ26により平行にした後、試料光と信号光を
分離するためのビームスプリッタ27を通した後、レン
ズ28により集光し試料光・信号光伝送用光ファイバ2
9に結合する。一方、試料光・信号光伝送用光ファイバ
29から出射され分析用セル8を経て反射され再び試料
光・信号光伝送用光ファイバ29を逆方向に通過した信
号光はレンズ28により平行光にした後、ビームスプリ
ッタ27により反射され計測部18に入射される。計測
方法は実施例1と同じである。この実施例の分析用セル
8においては、光ファイバ29と分析用セル8との接続
は実施例1と同様にレンズ15を用いて結合し、試料光
は分析用セル18の一方の端面に設けた反射鏡30によ
り反射し再び分析用セル8内を通過し信号光となり試料
光・信号光伝送用光ファイバ29に結合される。
【0012】
【実施例4】図6に、分光分析用光源として導波構造を
有する半導体発光ダイオードを利用し、流体の分析を目
的とした遠隔分光分析装置の第四の実施例を示す。本実
施例は、分光分析用光源以外は実施例1と同じ構成を用
いている。InAs1-x-y x Sby (0≦x≦1,0
≦y≦1)系の化合物半導体多層膜よりなり、InAs
1-x-y x Sby (x=0.1,y=0.045)層を
発光層としかつ導波路層(発光導波路層)とする二重ヘ
テロ構造のスーパールミネッセントダイオードよりなる
光源を導波構造を有する半導体発光ダイオード31とし
て用いることで、2.55〜2.7μmの連続スペクト
ルが得られる。本実施例は、光源に導波構造を持つ発光
ダイオード(スーパールミネッセントダイオード)31
を使用するため、光源の電気光変換効率が高く構造が簡
単でファイバとの結合効率が高く信頼性も高い。従っ
て、高感度で信頼性・安定性・経済性の優れた遠隔分光
分析装置となる。
【0013】
【実施例5】図7に、分光分析用光源として導波構造を
有する半導体発光ダイオードを利用し、流体の分析を目
的とした遠隔分光分析装置の第五の実施例を示す。本実
施例は、分光分析用光源以外は図5に示す実施例3と同
じ試料光伝送用光ファイバと信号光伝送用光ファイバを
同一光ファイバで併用した構成を用いている。
【0014】実施例4と同様にInAs1-x-y x Sb
y (0≦x≦1,0≦y≦1)系の化合物半導体多層膜
よりなり、InAs1-x-y x Sby (x=0.1,y
=0.045)層を発光層かつ導波路層(発光導波路
層)とする二重ヘテロ構造のスーパールミネッセントダ
イオードよりなる光源を導波構造を有する半導体発光ダ
イオード31として用いることで、2.55〜2.7μ
mの連続スペクトルが得られる。
【0015】実施例1,2,3の導波型ガラス発光素子
4は、発光素子4のコア径が励起用の半導体レーザ3の
ストライプ幅より広いため突合せ結合により効率よい励
起が可能であったが、ストライプ幅の広い高出力の半導
体レーザを使用する場合には、レンズ等の光学素子によ
り集光して結合することにより効率よく励起することが
可能になる。
【0016】実施例1の導波型ガラス発光素子と光ファ
イバとの結合は発光素子のコア径が光ファイバのコア径
より細いため突合せ結合により効率よく結合することが
できたが、コア径の太い高出力の導波型ガラス発光素子
を使用する場合には、レンズ等の光学素子により集光し
結合することにより効率よく結合することが可能にな
る。実施例1,2,3,4,5では、2.5μmから
3.0μm帯に吸収特性がある気体の遠隔分光分析につ
いて説明したが、発光光源と分析用セル・分析用セルと
計測部の光の伝送路に使用したフッ化物ガラスファイバ
は可視光領域から近赤外領域の波長の光伝送が可能であ
り、分析用光源としてフッ化物ガラスファイバの伝送可
能な波長領域で発光可能な発光素子、例えば導波型ガラ
ス発光素子では発光媒質としてTm,Hoを添加すれば
それぞれ2.3μm帯、2.0μm帯に発光波長を調整
することができ、さらに、複数の希土類元素を同時に添
加すれば添加した希土類元素の発光波長に対応した複数
の波長帯域の発光が得られるため、CO2 ガス以外のガ
スあるいは複数のガスを分析対象とした遠隔分光分析装
置とすることができる。
【0017】また、半導体ダイオードを光源とした場合
には化合物半導体多層膜の組成を適宜に例えばInAs
1-x-y x Sby /InAs1-s-t s Sbt ,In
1-x Gax As1-y Sby /Al1-s Gas As1-t
t ,Pb1-x Eux Se1-yTey /Pb1-s Eus
Se1-t Tet ,InAs1-x Sbx /Al1-y Gay
Sb(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦s≦1,0≦t≦
1)系というように選択することにより半導体ダイオー
ドの発光波長を2〜4μmまで調整することができるた
め、導波型ガラス発光素子の場合と同様にCO2 ガス以
外のガスを分析対象とした遠隔分光分析装置とすること
ができる。
【0018】また、この実施例5では、光ファイバが1
本の例を示したが、これらを複数本束ねて使用してもよ
い。複数本束ねることにより、集光結合の効率がよくな
る。導波構造を持つ半導体発光ダイオードとしては、発
光層と導波路層を共通にしたスーパールミネッセントダ
イオードの他に発光層と導波路層を分離したスーパール
ミネッセントダイオードを用いることもできる。
【0019】図8に示すように、導波型ガラス発光素子
4の端面に化学的に安定な光学膜を付着させれば、導波
型ガラス発光素子の保護が可能となる。すなわち、励起
光源となる半導体レーザ3と対向する終端面34には励
起光波長に対して透過特性の優れた光学膜35を、終端
面36には蛍光波長に対して透過特性の優れた光学膜3
7を、あるいはそれぞれの終端面34,36にそれぞれ
の光学膜35,37をともに付着させることにより導波
型ガラス発光素子の発光効率を向上することができる。
さらに、膜の材質を適当に選択することにより、表面保
護膜と光学膜の両機能を満足させることができる。
【0020】分析用セル8に用いた中空導波路12の材
質は、上記実施例1から5に記載したAgコートとZn
Sコートを付着させたNiパイプの他に、高反射膜例え
ばZnS,Ge等の無機材料あるいはテフロン等の有機
材料を付着させた金属パイプ、あるいは高反射膜を施さ
ない金属パイプ、あるいはまた導波特性を持つ誘電体パ
イプ例えば光源の波長域において屈折率条件を満足する
Al2 3 ,AlN,SiC,GeO2 −ZnO−K2
O,SiO2 −TiO2 −Na2 O,GeO2−Ta2
5 −Li2 O等からなる誘電体パイプを用いることが
できる。
【0021】また、上記説明は分析対象物質が気体であ
ることを前提に説明したが、分析対象物が液体であって
も分析対象物質の吸収波長がフッ化物ガラスファイバの
伝送帯域内にある物質であれば分析することが可能であ
る。これは、光ファイバと分析用セルとの光学的結合を
レンズを介して行うため、耐水性・耐薬品性に問題のあ
るフッ化物ガラスファイバを使用しても光ファイバと分
析対象物質が直接接触することがないため可能となって
いる。
【0022】計測部の分光器として帯域透過型のフィル
タを用いた非分散型分光器を使用した例を説明したが、
通常の分光器、例えば回折格子やプリズムといった分散
素子を利用した分散型分光器あるいはフーリエ変換式干
渉分光器で代表される干渉計を利用した干渉型分光器を
用いることができる。
【0023】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明は次
のような効果を有している。請求項1に記載した遠隔測
定可能な分光分析装置は、光源として導波構造を有し、
かつ、インコヒーレント光を発光する発光素子を使用す
るため被測定物質の吸収波長を含む適宜な波長域で連続
スペクトルが得られ発光波長の同調が不要であり構造も
簡単で動作も安定で信頼性に優れ、インコヒーレント光
にもかかわらず輝度が高く指向性が鋭く光ファイバへの
結合効率が良い。さらに、分析用セルに導波機能がある
ため試料照射光は平行光束である必要はなく、分析用セ
ルのNA以下の光束であればインコヒーレント光であっ
ても分析用セル内を伝搬するため分析に要する光路長を
長くすることができ、しかも、分析用セル断面積が極め
て小さく、従って、セルの内容積が小さいため被測定物
質の容量が少なくてよく、微量な試料でも感度良く測定
できかつ長期安定性・経済性に優れた遠隔分光分析装置
を実現することができる。従って、分析対象ガスが人間
にきわめて危険なガス例えば爆発性ガスや有毒ガスであ
る場合、また分析対象ガスが存在する地点が人間にきわ
めて危険な環境である場合に、そのような危険なガスの
環境から離れた地点で分析することができる。さらに、
分析対象ガスが存在する地点が分析装置に不適格な環境
例えば高温・高湿である場合にも、そこから離れた地点
で分析することができため、石油化学・食品・鉄鋼・農
業等のプラントにおけるインライン分析装置、各種産業
における装置・設備より排出される有害物質のモニター
用分析装置として利用され、しかも、これらの集中監視
が可能であり、産業界での利用価値はきわめて大きい。
【0024】請求項2に記載した遠隔測定可能な分光分
析装置は、ガラス発光素子の光源が、高輝度でかつ高集
光性で発光波長領域の広い光を発生する。更に、このガ
ラス発光素子は、光ファイバと同じ構造であるため光フ
ァイバとの整合性がよく放出された試料光の光ファイバ
への結合効率が高い。請求項3に記載した遠隔測定可能
な分光分析装置は、試料光と信号光のファイバと分光分
析用セルとの接続部が1カ所で済むので装置の製作がよ
り容易となる。また、ファイバの使用量が減るので製作
コストも軽減することができる。請求項4に記載した遠
隔測定可能な分光分析装置は、試料光や信号光の集光結
合効率がよい。請求項5に記載した遠隔測定可能な分光
分析装置は、ガラス発光素子が発光母材ガラスがフッ化
物ガラスであるため、近赤外領域の広い波長範囲の発光
が得られるため、分析対象物質の種類も多く、高感度で
信頼性・安定性・経済性の優れた遠隔分光分析装置とな
る。請求項6に記載した遠隔測定可能な分光分析装置
は、光ファイバの母材がフッ化物ガラスであるため、伝
送可能な波長範囲が広く、しかも、ガラス発光素子もフ
ッ化物ガラスと同じ母材であるため、光源と光ファイバ
との融着接続が可能であり、光源と光ファイバとの結合
効率がよく安定性・信頼性が高い。従って、高感度で信
頼性・安定性・経済性の優れた遠隔分光分析となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】導波型ガラス発光素子を光源とし試料照射光と
信号光を別々の光ファイバで伝送する本発明による遠隔
測定可能な分光分析装置の第一の実施例を示す系統図で
ある。
【図2】本発明における遠隔測定可能な分光分析装置の
分析用セルに用いられる中空導波路の1例を示す断面図
である。
【図3】本発明における遠隔測定可能な分光分析装置の
計測部の一例を示す配列図である。
【図4】導波型ガラス発光素子を光源とし導波型ガラス
発光素子と試料照射光伝送用光ファイバを融着接続し試
料照射光と信号光を別々の光ファイバで伝送する本発明
による遠隔測定可能な分光分析装置の第二の実施例を示
す系統図である。
【図5】導波型ガラス発光素子を光源とし試料照射光と
信号光を同一の光ファイバで伝送する本発明による遠隔
測定可能な分光分析装置の第三の実施例を示す系統図で
ある。
【図6】発光ダイオードを光源とし試料照射光と信号光
を別々の光ファイバで伝送する本発明による遠隔測定可
能な分光分析装置の第四の実施例を示す系統図である。
【図7】発光ダイオードを光源とし試料照射光と信号光
を同一の光ファイバで伝送する本発明による遠隔測定可
能な分光分析装置の第五の実施例を示す系統図である。
【図8】導波型ガラス発光素子の他の例を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1 希土類元素Erを発光媒質として添加したフッ化物
ガラスコア 2 フッ化物ガラスクラッド 3 励起用半導体レーザ 4 導波型ガラス発光素子 5 コア 6 クラッド 7 試料光伝送用光ファイバ 8 分析用セル 9 Niパイプ 10 Agコート 11 ZnSコート 12 中空導波路 13 気体溜 14 ダイヤフラムポンプ 15 レンズ 16 レンズ 17 信号光伝送用光ファイバ 18 計測部 19 コリメータレンズ 20 ビームスプリッタ 21 帯域透過フィルタ 22 検出器 23 帯域透過フィルタ 24 検出器 25 融着接続部 26 コリメータレンズ 27 ビームスプリッタ 28 レンズ 29 試料光・信号光伝送用光ファイバ 30 反射鏡 31 発光ダイオード 34,36 終端面 35,37 光学膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中井 哲哉 東京都新宿区西新宿二丁目3番2号 国際 電信電話株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導波構造を有しインコヒーレントな試料
    光を放出する分光分析用光源と、該試料光と内部に導入
    された分析対象物質とを相互作用させその相互作用した
    信号光を送出する導波機能を有する分光分析用セルと、
    該信号光を分析し計測する計測部と、該分光分析用光源
    から放出された試料光を該分光分析用セルに伝送する第
    1の光ファイバと、該分光分析用セルから送出する信号
    光を該計測部に伝送する第2の光ファイバとを備えた遠
    隔測定可能な分光分析装置。
  2. 【請求項2】 該分光分析用光源が、光による励起で試
    料光となるインコヒーレント光を放出する発光媒質を少
    なくとも一種類含むコアと該発光物質を含まないクラッ
    ドからなる光を導波する構造をもたせた発光母材ガラス
    と、該発光母材ガラスの光導波終端面の一つに光結合し
    該発光媒質を励起する光を発する励起光源とを備えたガ
    ラス発光素子からなることを特徴とする請求項第1項記
    載の遠隔測定可能な分光分析装置。
  3. 【請求項3】 該第1の光ファイバと該第2の光ファイ
    バが、同一の光ファイバで併用する構成としたことを特
    徴とする請求項第1項記載の遠隔測定可能な分光分析装
    置。
  4. 【請求項4】 該第1の光ファイバと該第2の光ファイ
    バが、複数の光ファイバで構成したことを特徴とする請
    求項第1項記載の遠隔測定可能な分光分析装置。
  5. 【請求項5】 該発光母材ガラスが、発光媒質として希
    土類元素が添加されたフッ化物ガラスから構成されてい
    ることを特徴とした請求項第2項記載の遠隔測定可能な
    分光分析装置。
  6. 【請求項6】 該第1の光ファイバと該第2の光ファイ
    バが、フッ化物ガラスファイバからなることを特徴とし
    た請求項第4項記載の遠隔測定可能な分光分析装置。
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