JPH07124161A - 超音波診断装置 - Google Patents
超音波診断装置Info
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- JPH07124161A JPH07124161A JP27580893A JP27580893A JPH07124161A JP H07124161 A JPH07124161 A JP H07124161A JP 27580893 A JP27580893 A JP 27580893A JP 27580893 A JP27580893 A JP 27580893A JP H07124161 A JPH07124161 A JP H07124161A
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Abstract
に、受信信号の最適なダイナミックレンジを確保し、安
価且つ小規模な受信回路を形成する。 【構成】電気−音響変換可能な複数の振動子を備える。
振動子を介して超音波パルス信号を被検体内に送信する
パルス発生回路11と、被検体からの超音波パルス信号
に対応した受信信号を振動子を介して入力し且つその受
信信号をデジタル量に変換して遅延加算する第1の受信
整相加算回路15とを備える。また振動子を介して超音
波連続信号を被検体内に送信する送信回路12と、被検
体からの超音波連続信号に対応した受信信号を振動子を
介して入力し且つその受信信号をアナログ量の状態で遅
延加算する第2の受信整相加算回路18とを備える。加
算回路18は、信号切換用のマルチプレクサ部21と、
不等間隔のタップを有するアナログ遅延線22とを有す
る。
Description
D)法とパルスドプラ(PWD)法とによる診断が可能
な超音波診断装置に係り、とくに、その受信遅延加算回
路の改善に関する。
電子走査法が使われている。この電子走査法により走査
するときは、通常、各振動子に対する駆動と受信のタイ
ミングを遅延線により電子的に制御し、送受波した超音
波信号を収束する電子フォーカスの手法が採用されてお
り、これにより走査方向の分解能を改善している。
路の具体例として、例えば特開平2−26548号公報
(発明の名称は「超音波診断装置」)に開示された構成
が知られている。この公報記載の構成の一態様によれ
ば、複数のエレメント(圧電変換用の振動子)から成る
超音波振動子(配列型の振動子群)を使って被検体との
間で超音波を送受波するようにし、その受信遅延加算回
路は、図18記載のデジタル遅延方式を採用している。
これを、任意の1チャンネルについて説明すると、超音
波信号の送受波により得られたエコー信号がプリアンプ
100で増幅された後、A/D変換器101でデジタル
信号に変換され、メモリ102に一時的に格納される。
このエコー信号はその後、デジタル遅延線103a,1
03bに分岐して供給され、遅延を受ける。そして、乗
算器104a,104bでは、例えば50nsec遅延され
た各エコー信号と位相制御信号が乗算され、位相が整合
される。この乗算信号は、夫々、加算器105a,10
5bで他チャンネルのものと合成された後、LPF10
6a,106bを通過して画像信号となる。これによ
り、高精度な受信遅延を掛けることができるようになっ
ている。
た従来の受信遅延加算回路ではデジタル方式の回路が単
独で搭載されているのみであるから、超音波ドプラ法の
連続波ドプラ(CWD)とパルスドプラ(PWD)を実
施する超音波診断装置に適用する場合、上記受信遅延加
算回路が連続波ドプラ法とパルスドプラ法に共用される
ことになり、これにより、以下のような未解決の問題が
残されていた。
ミックレンジ(D/R)は、パルスドプラ法のそれより
も広いので、両方のドプラ法を併用する受信遅延加算回
路のダイナミックレンジは連続波ドプラ法のそれに合わ
せることが理論的には望ましい。前述したデジタル方式
の受信遅延加算回路のダイナミックレンジはA/D変換
器のビット数で決まり、コストパーフォーマンスを考慮
して、通常、8ビット程度のものが採用されている。
とっては十分とは言えない。連続波ドプラ法では、超音
波プローブにおける送受間クロストークがあるために、
遅延加算回路への入力振幅はパルスドプラ法に比べて2
〜3ビット(10〜20dB)程度大きい。このため、連
続波ドプラ法に合わせてもっと多ビットのA/D変換器
が欲しいところであるが、このA/D変換器は受信チャ
ンネル毎に必要で、しかも1台当たりの値段も多ビット
のものでは非常に高いから、ビット数を8ビット程度以
上に増やすことは装置全体の製造コストを著しく押し上
げてしまい、現実的な措置とはならない。
A/D変換器のビット数をパルスドプラ法のダイナミッ
クレンジに合わせた場合、連続波ドプラ法ではビット数
が足りず、これによりA/D変換器の入力段において振
幅歪みが生じることがある。この振幅歪みが生じると、
飽和に伴う感度劣化に因り、画質が低下するとともに、
混変調に因り、画像にミラー像などのアーチファクトが
発生するという問題もある。
みてなされたもので、連続波ドプラ法及びパルスドプラ
法の両モードでエコー信号に対する最適なダイナミック
レンジを得ることができ、且つ、そのエコー信号を処理
する受信遅延加算回路の回路規模の増大及び部品コスト
増を排除できる超音波診断装置を提供することを、目的
とする。
め、この発明に係る超音波診断装置は、電気−音響変換
可能な複数の振動子と、この複数の振動子を介して超音
波パルス信号を被検体内に送信する第1の送信手段と、
上記被検体からの上記超音波パルス信号に対応した受信
信号を上記複数の振動子を介して入力し且つその受信信
号をデジタル量に変換して遅延加算する第1の受信信号
処理手段とを備えるとともに、上記複数の振動子を介し
て超音波連続信号を被検体内に送信する第2の送信手段
と、上記被検体からの上記超音波連続信号に対応した受
信信号を上記複数の振動子を介して入力し且つその受信
信号をアナログ量の状態で遅延加算する第2の受信信号
処理手段とを備えた。
複数のタップが引き出され且つその各タップに供給され
たアナログ量の電流を加算する遅延線と、前記複数の振
動子の内の連続波ドプラモードに関与する複数チャンネ
ルの受信信号を切換えて上記複数のタップに供給する信
号切換回路とを備えている。
ば、連続波ドプラモードで使用する複数のキャリア周波
数の各1周期分の遅延時間を選択可能なタップを含むこ
ともできるし、連続波ドプラモードで使用する複数のキ
ャリア周波数の各1周期分の遅延時間及びその遅延時間
の夫々に対する所定の量子化間隔の遅延時間を選択可能
なタップのみから形成することもできる。
延時間が不等間隔に引き出されている。
は、非連続波ドプラモードが指令されたときにのみ電源
が起動する機構を有するとともに、前記第2の受信信号
処理手段は、連続波ドプラモードが指令されたときにの
み電源が起動する機構を有する。
ドのときは、第1の送信手段によりパルス信号で振動子
群が駆動され、そのエコー信号(受信信号)が第1の受
信信号処理手段にてデジタル方式で遅延加算される。こ
のデジタル遅延加算に必要なA/D変換器は、非連続波
ドプラモードのときのエコー信号のダイナミックレンジ
が狭いことから、例えば8ビット程度の、コスト的にも
見合う通常ビット数のものを使うことができる。
は、第2の送信手段により連続波信号で振動子群が駆動
され、そのエコー信号(受信信号)が第2の受信信号処
理手段にてアナログ量のまま遅延加算される。この遅延
加算は、例えば不等間隔に複数のタップが引き出された
アナログ遅延線で行われる。これにより、A/D変換器
を使うことなく遅延加算できるから、多ビット数のA/
D変換器を強要するときのような部品コスト上昇を排除
できる。さらに、連続波ドプラモードで必要な広いダイ
ナミックレンジも同時に確保されるから、受信感度の低
下及びミラー像などのアーチファクトの発生も防止され
る。
複数のキャリア周波数の各1周期分の遅延時間を選択可
能なタップ及びその遅延時間の夫々に対する所定の量子
化間隔の遅延時間を選択可能なタップのみから成るの
で、等間隔に複数タップを引き出す場合に比べて、引出
しタップ数を必要最小限に止めることができ、受信遅延
加算回路のコンパクト化が図られる。
手段は、自分が担うモードのときにのみ電源オンとなっ
て動作するので、自分に無関係なモードのときは電源オ
フの状態を維持し、省電力化が図られる。
基づいて説明する。
置の1チャンネル分の送受信部を示す。この送受信部
は、電気−音響変換用の複数チャンネル(例えば128
チャンネル)の振動子10…10から成る振動子群TG
を備えている。
内、全チャンネルはパルスドプラ法による高圧駆動パル
ス発生回路11に接続されている。また本実施例では第
1〜第64チャンネルまでの64チャンネルの振動子1
0…10が、連続波ドプラ法によるCW用駆動送信回路
12にも接続されている。パルス発生回路11は、図示
しない制御回路から供給される「POWER ON P
W」信号がオンのとき駆動し、CW用駆動送信回路12
は「POWER ON CW」信号がオンのとき駆動す
るようになっている。
ード(以下、パルスドプラモードという)のときは、高
圧駆動パルス発生回路11からの駆動パルス信号により
全チャンネルの振動子10…10が励振される。励振さ
れた振動子10…10は超音波信号を被検体内に向けて
送出するとともに、その反射エコー信号を受信する。連
続波ドプラ法による診断モード(以下、連続波ドプラモ
ードという)のときは、高圧駆動パルス発生回路11の
代わりにCW用駆動送信回路12からの連続波駆動信号
により、第1〜第64チャンネルの振動子10…10が
励振される。この励振に伴う反射エコー信号は全チャン
ネルの振動子10…10に到達する。なお、高圧駆動パ
ルス発生回路11とCW用駆動送信回路12を兼ねた駆
動回路を設けることもできる。
チャンネルは電子スイッチ13を介して振幅増幅用のプ
リアンプ14aにも接続されるとともに、第65〜第1
28チャンネルは別のプリアンプ14bにも接続されて
いる。電子スイッチ13は「POWER ON PW」
信号のオン・オフに付勢されて導通、非導通となり、パ
ルスドプラモードのときに振動子10…10で電気信号
に変換されたエコー信号をプリアンプ14aに伝達する
ようになっている。この結果、パルスドプラモールドの
ときは全てのチャンネルの振動子10…10が受信に関
与し、連続波ドプラモードのときは第65〜第128チ
ャンネルのみの振動子10…10が受信に関与する。
ルスドプラモード用の第1の受信整相加算回路15が接
続されている。この受信整相加算回路15は、その入力
側に設けられたミキサ16と、そのミキサ16の出力を
受ける受信遅延回路17を有する。受信遅延回路17
は、その入力側に設けられたA/D変換器18と、この
A/D変換器18の変換信号を受けてデジタル方式の整
相加算を行うデジタルビームフォーマ(DBF)19と
を備えている。このデジタルビームフォーマ19は例え
ば前述した従来の特開平2−26548号公報記載のも
のと同様に構成されており、高精度に遅延加算できる。
このデジタルビームフォーマ19の出力(加算信号)
は、図示しないデジタルスキャンコンバータ(DS
C)、スペクトラムドプラ信号処理回路などに送出され
る。これらの回路により所望の信号処理が施され、図示
しない表示装置に血流のスペクトラムドプラ情報や2次
元カラー情報などが表示される。
方のプリアンプ14bの出力側には、第1の受信整相加
算回路15と並列に、連続波ドプラモード専用の第2の
受信整相加算回路18が設けられている。
及び図2に示すように(図1には要部のみを示す)、そ
の入力側に第65〜第128チャンネルに対するバッフ
ァ2065〜20128 を備えている。このバッファ2065
〜20128 の出力側は8入力・16出力の8台のマルチ
プレクサ21a〜21i(マルチプレクサ部21を形
成)に8チャンネルずつ接続されている。このマルチプ
レクサ21a〜21iの各16個の出力端は、同一番号
の出力端同士が相互に接続され、16個の不等間隔のタ
ップTAP1〜16を有する電流加算用のアナログ遅延
線22(コイル)の各タップに接続されている。マルチ
プレクサ21a〜21iには、第65〜第128チャン
ネルの64個の入力信号を遅延線22のタップTAP1
〜16のいずれに供給するかを決める切換制御信号AY
Xが、図示しない制御回路から供給される。
うになっている。すなわち、遅延線22は最大遅延時間
が200[nsec]の3本のサブ遅延線22a〜22cで
構成され、これらのサブ遅延線22a〜22cの全体か
ら16本の不等間隔のタップTAP1〜16が引き出さ
れている。このタップTAP1〜16は、その引き出し
間隔の密度が濃いほど、その遅延時間間隔は小さく、反
対に密度が粗いほど、遅延時間間隔が大きい。
の決め方について説明する。
する。遅延線22の遅延量(遅延時間)は図4に示すよ
うに、焦点Fから受信振動子1065…10128 に至る音
路長差の夫々に相当した時間差を与えるのが通常であ
る。例えば図4の如く、振動子1065…10n 間の音路
長を夫々L65…Ln とすると、音路長差ΔLn は、
006.1mm、C=1530m/sec であるとすると、遅
延時間τn =4μsec となる。
示すように受信超音波の波形毎に同じ位相情報が繰り返
される(波形の周期性がある)から、必ずしも音路長差
ΔLn に相当する分の時間差を与える必要はない。つま
り、音路長差の最大値分の時間差は不要であり、キャリ
ア周波数の1波長分τnCW あれば足りることになる。こ
れに対して、パルスドプラモードではエコー信号はパル
ス波であるから、音路長差ΔLn に相当する分の時間差
τnPW が必要となる。
5〜10MHz )に対する、その1波長λ分の時間及びλ
/8分の時間を示す。これから、キャリア周波数fの下
限を2MHzとしても、500nsec程度の遅延量があれ
ば十分であることが分かる。したがって、最大遅延時間
は非CWモードに比べて相当に少なくて済み、非CWモ
ードの受信回路用のアナログ遅延線(ただし、本実施例
ではデジタル信号で処理している)に比べて、線数は少
なくて済む。
精度について考察する。連続波ドプラモードにおいて
も、被検体からの反射エコー信号に、所望の関心領域
(ROI)からのエコー信号が最も強くなるように電子
遅延がかけられる。このとき、焦点に音場(エコー信号
の強度分布)は通常、図6のようになる。とくに、連続
波ドプラモードでは、サイドロブ成分の寄与は小さく、
メインビームの広がり程度が受信感度を決めることが分
かっている。
8」以下の粗さであれば、遅延の量子化のない場合(連
続遅延)と比べて、メインビームの広がりは10%以下
となり、ビームの広がりに拠る感度劣化を「−1dB」
以内に抑えることができることが分かっている。このた
め、前述した表1から分かるように(「λ/8」の項参
照)、例えば2MHz〜6MHzのキャリア周波数につ
いては60nsec〜20nsecの量子化精度があればよいこ
とになる。
めることにする。各キャリア周波数に対する遅延精度を
「1/8」周期以下にする必要があるから、キャリア周
波数f=7.5MHz(波長λ=133nsec)を上限と
すると、この場合には16.7nsec間隔の量子化及び最
大遅延量=7λ/8=116.7nsecが必要になる。こ
れに対して、下限のキャリア周波数f=1.8MHz
(波長λ=556nsec)にすると、69.4nsec間隔の
量子化及び最大遅延量=7λ/8=486nsecを必要と
する。このキャリア周波数f=7.5MHz及び1.8
MHzについて量子化精度及び最大遅延量を満足させる
タップ配分は、表2に示すようになる。同表から分かる
ように、「1/8」周期若しくはそれに近い量子化精度
を得るには、遅延時間τ=0〜133nsecの範囲でタッ
プの引き出しを細かくし、133〜500nsecの範囲で
粗くすればよいことが分かる。
続波ドプラモードに対して少なくとも29個(=486
÷16.7)のタップを引き出していた。連続波ドプラ
モードでは、その検出ドプラエコー帯域は大きくても±
50kHzあれば十分であり、各キャリア周波数に対し
ての広がりは考慮しなくてもよいから、29個のタップ
全てを使用しなくてもよい。この例示の2つのキャリア
周波数f=7.5MHz及び1.8MHzについてみれ
ば、タップ数はほぼ14個で済み、29個に比べて格段
に少なくできる。
では、上述の考えをキャリア周波数f=1.875MH
z〜6MHzの広範囲にわたり拡張し、表3に示すよう
に、量子化精度及び最大遅延量を共に満足させる16個
のタップが決められている。つまり、必要な最大遅延時
間の短い範囲(f=5MHzに対応する最大遅延時間=
180nsecまでの範囲)では20nsec間隔でタップTA
P1〜10が引き出されている。そして、必要な最大遅
延時間がこれより大きくなるにしたがって、40nsec及
び60nsec間隔でタップTAP11〜16が引き出さ
れ、総タップ数が16個と非常に少ない数であるにも関
わらず、広範囲のキャリア周波数f=1.875MHz
〜6MHzに対する高精度の遅延を可能にしている。
端はアンプ23を介して、2入力の電子スイッチ24の
一方の入力端に接続されている。この電子スイッチ24
の他方の入力端には、ペンシル型連続波用探触子からの
受信信号(ペンシル・エコー信号)が入力するようにな
っている。電子スイッチ24の出力端は、sin側、c
os側の2チャンネルの処理回路に接続されている。こ
の処理回路は、2チャンネルのミキサ25a,25b
と、バンドパスフィルタを含む2チャンネルの検波信号
処理(フィルタ等)回路26a,26bと、16ビット
で2チャンネルのA/D変換器27a,27bと、デジ
タル出力バッファ28a,28bとを備えている。この
結果、デジタル出力バッファ28a,28bから16ビ
ットのデジタル加算信号がデジタル信号処理系(DS
P)に出力される。
に示す如く、「POWER ONPW」信号=オン、且
つ、「POWER ON CW」信号=オフに設定され
る。これにより、パルスドプラ側の第1の受信整相加算
回路15は作動するが、連続波ドプラ側の第2の受信整
相加算回路18は非作動の状態となる。これにより、前
述した如く、両方のプリアンプ14a,14bで振幅増
幅された128チャンネル分のエコー信号が、デジタル
方式の第1の受信整相加算回路15に入力して信号処理
され、デジタル量の所望の画像データが表示器側に送出
される。
ドのときは、図8に示す如く、「POWER ON P
W」信号=オフ、且つ、「POWER ON CW」信
号=オンに設定される。このため、上記とは反対に、連
続波ドプラ側の第2の受信整相加算回路18のみが作動
状態となり、一方のプリアンプ14b(実際は64チャ
ンネル分の数だけ設けられている)により必要な振幅ま
で増幅された受信エコー信号が、第2の受信整相加算回
路18に入力する。
65〜第128チャンネルのエコー信号は、バッファ2
065〜20128 を介してマルチプレクサ部21に入力す
る。マルチプレクサ部21には、現在使われているキャ
リア周波数fに対応した切換制御信号AYXが与えられ
る。これにより、64チャンネル分のエコー信号が、量
子化精度及び最大遅延時間を満足する形で数チャンネル
分ずつ16個のタップTAP1〜TAP16に切り換え
られる。
Hzとすると、λ=400nsec、λ/8=50nsecであ
る。この結果、許容される量子化精度=λ/8=50ns
ecであり、必要な最大遅延時間=7λ/8=350nsec
であるから、マルチプレクサ部21により選択されるタ
ップは、表3のデータから、
60nsecの遅延タップ(TAP4)を選択することにな
り、誤差は生じるものの全体としてλ/8以下の量子化
精度が確保されているので、その誤差の影響は無視でき
る。他のキャリア周波数fに対しても同様に、量子化精
度及び必要最大遅延時間を両立させた状態でタップが選
択される。
各々は、選択された適宜な遅延量のタップTAP1〜T
AP16のいずれかに入力し、遅延線22でアナログ量
のまま電流遅延加算が行われる。この加算出力はその
後、ミキサ25a,25b、検波信号処理(フィルタ
等)回路26a,26b、A/D変換器27a,27b
などを経て、デジタル量の画像データに変換され、表示
器側に送られる。
ジタル方式の受信遅延加算回路のみを有し、その回路を
パルスドプラモード及び連続波ドプラモードに共用する
従来の超音波診断装置に比べて以下のような利点があ
る。この利点を、従来装置の不都合を再度、詳述しなが
ら説明する。
ンネル数分だけ設ける必要があるため、その部品コスト
は装置全体の製造コストに大きく効いてくる。そこで、
図18の従来装置の如く、受信遅延回路にA/D変換器
101をチャンネル毎に設けた場合の部品コストについ
て考える。
アンプ100の出力信号のダイナミックレンジをカバー
すれば十分であり、現状では、そのダイナミックレンジ
はパルス波(PW)の送受信時にA/D変換器のビット
換算で6〜7ビット程度である。したがって、A/D変
換器のビット数は8ビットあれば十分である。この様子
を図9の点線の折れ線Lpwで示す。
場合、プリアンプ100の出力信号のダイナミックレン
ジは、図9の実線の折れ線Lcwで示す如く、10〜1
1ビットにもなってしまう。この理由は以下のようであ
る。
号の送受信の様子を模式的に示す。同図は2分割ステア
リング方式であり、128個(チャンネル)の振動子を
有するセクタプローブの内、1〜64チャンネルを送信
チャンネル、65〜128チャンネルを受信チャンネル
として使っている。この場合、送信チャンネルの振動子
には約10Vppの連続波が所定時間パターンの遅延状態
で印加され、これにより焦点Fに向けて超音波の連続波
信号が送出される(平面波であってもよい)。この送出
超音波に伴う反射エコー信号は受信チャンネルの各振動
子で受信され、受信遅延加算回路に入る。
ため、送信回路内及びプローブ内(振動子群内)で、図
10に模式的に示すクロストークが生じ、送信系から受
信系に信号が漏れてしまう。クロストークの無いときの
反射エコー信号の振幅は、通常、1〜10mVpp以下で
あるが、例えば、送信駆動振幅が10Vppのとき、送信
回路からのクロストークが−60dBであると、受信チャ
ンネル側への漏れは10mVppにも達し、受信遅延加算
回路への入力信号のトータルの振幅が相当に大きくな
る。なお、パルスドプラモードの場合、送信時と受信時
で時間差があるので、上述した送受間のクロストークは
あまり問題にならない。
コー信号の中に血流情報の検出に無関係な「クラッタ」
と称される生体内臓器からの成分が含まれるので、この
成分によっても反射エコー信号の振幅は大きくなる。つ
まり、クラッタに因っても、連続波ドプラモードでのダ
イナミックレンジがパルスドプラモードでのそれに比べ
て大きい。
ードにおけるプリアンプ100の出力信号のダイナミッ
クレンジは、クロストーク及びクラッタを主原因とし
て、A/D変換器のビット数換算で10〜11ビットに
もなってしまうのである。そこで、このダイナミックレ
ンジを維持するために、多ビット(例えば12ビット)
のA/D変換器を搭載すると、このA/D変換器は受信
信号帯域幅(例えば10MHz)に合わせた高速な変換
器(例えばサンプルレート20MHz)が必要であり、
1台当たりの部品コストが著しく高くなってしまう。し
かも、この多ビットのA/D変換器を受信チャンネル数
分設けるとなると、装置全体が高価なものになる。この
ため、多ビットのA/D変換器を備え、パルスドプラモ
ード及び連続波ドプラモードで兼用するデジタル方式の
受信遅延加算回路は、殆ど実用困難であるという現実に
直面していた。
ストを抑えようとして8ビット程度のA/D変換器を使
用することもできる。その場合、前述したように連続波
ドプラモードの受信エコー信号にとってダイナミックレ
ンジが小さいため、受信回路の飽和が生じるという問題
があった。
図15に基づいて説明する。図11に示すように、入力
信号の振幅の一部が飽和系により矩形状にクリップされ
る計算モデルが導入する(図12はクリップされた出力
信号を示す)。図13のように、生体のクラッタエコー
成分をf0 、ドプラエコー成分をf1 とし、f0 =30
dB×f1 と仮定し、混変調ミラー成分f2 (=2f0 −
f1 :図14参照)の発生割合を計算したところ、図1
5に示す結果が得られた。つまり、横軸にエコー信号の
飽和に対応するクリップ率を、縦軸に入力信号成分
f0 、f1 の減衰及び相互変調によりミラー像f2 が生
じる割合を示す。同図から、10%の飽和クリップが生
じただけでも、ドプラ信号成分に対して約−10dB(電
圧振幅で1/3)の混変調ミラー成分が発生することが
判明した。このミラー成分は、図16図に示すように、
超音波ドプラ表示においてはドプラ血流像とともに、ミ
ラー像IMとして表示されることになり、誤診に繋がる
恐れがあった。なお、図17にはミラー像が無い場合の
通常のドプラ血流像を示す。
プラ信号の感度が劣化するという問題があった。上述し
たシミュレーション例では、10%の飽和クリップの場
合、ドプラ信号そのものも約2〜3dBの感度劣化を生じ
ることが分かった。
ダイナミックレンジを確保することが必須であって、ダ
イナミックレンジが狭い装置は十分な診断能を発揮でき
ない。また、このダイナミックレンジを広くとろうとす
ると、従来装置では前述した製造コストの問題があっ
た。
のように、パルスドプラモードと連続波ドプラモードの
受信遅延加算回路を分けた。そして、パルスドプラモー
ドのときは、ダイナミックレンジが狭いことに鑑みて、
8ビット程度の比較的低コストのA/D変換器を用いた
第1の受信整相加算回路15を専用し、連続波ドプラモ
ードのときは、アナログ方式による第2の受信整相加算
回路18を専用するようにした。
ナログ方式の受信整相加算回路を併設することで、連続
波受信のための多ビットのA/D変換器の使用を排除で
き、受信回路の回路規模及び部品コストを最小限に止め
ながらも、パルス、連続波の両ドプラモード共に十分な
ダイナミックレンジを確保することができる。したがっ
て、装置全体の製造コストを抑えるとともに、連続波ド
プラモードにおけるミラー像(アーチファクト)を殆ど
排除し且つ受信感度の劣化を防止でき、この結果、S/
N比が向上するなど、十分な診断能を発揮させることが
できる。また、受信遅延加算回路の構成も簡素化され
て、より小形になる。一方、パルスドプラモードについ
ては、デジタル方式による遅延加算の信号処理の優位性
を維持できる。
に応じ、第1、第2の受信整相加算回路15、18が相
補的に切り換えられ、選択した診断モードに関与しない
回路の電源はオフ状態に維持される。これにより、連続
波ドプラモード専用の第2の受信整相加算回路18を併
設したことに伴う消費電力が増加が抑えられ、省エネル
ギ化が図られている。しかも、連続波ドプラモードのと
きは、「POWERON PW」信号及び「POWER
ON CW」信号のオン、オフに付勢されて、高圧駆
動パルス発生回路11及びCW用駆動送信回路12並び
に電子スイッチ13もオン、オフするため、上記省電力
化の効果は一層顕著になる。
用の第2の受信遅延加算回路18は、各受信チャンネル
と遅延タップとの切換えをマルチプレクサICを用いて
行い、所定範囲のキャリア周波数の各々に対して、高い
量子化精度及び必要な最大遅延時間を確保できる不等間
隔のタップ構成にしている。このため、等間隔のタップ
を引き出す必要は無く、アナログ遅延線22の周辺回路
構成を小形化でき、装置の簡素化、小形化に繋がる。こ
の利点は、第2の受信遅延加算回路18にチャンネル毎
にA/D変換器を設けないことにより派生する小形化の
利点と相乗的に作用する。
プによるエコー信号の飽和については触れていないが、
プリアンプはA/D変換器とは異なり、電源電圧や出力
電流を上げることにより、比較的容易に出力振幅を大き
くとることができ、飽和を回避することは容易である。
専用のアナログ遅延線のタップ間隔は、上述したように
必ずしも各キャリア信号の1/8周期以下である必要は
無く、量子化を粗くすることに拠るメインビームの広が
りが許容範囲内に収まるものであれば、「1/8周期以
下」以外のものでも差支え無い。
波診断装置は、非連続波ドプラモード(パルスドプラモ
ード)に対するデジタル方式の受信遅延加算の構成と、
連続波ドプラモードに対するアナログ遅延線に拠るアナ
ログ方式の受信遅延加算の構成とを併設し、モードに応
じて両者を使い分けるようにしたため、デジタル方式、
アナログ方式の長所で互いの補完し合う構成となり、両
モードにおいて受信信号の最適なダイナミックレンジを
得ることができ、とくに、連続波ドプラモードにおける
受信感度の劣化やミラー像などの発生などを排除して、
高画質化及び高診断能化に寄与するとともに、安価で且
つ小規模に形成できる。
いる遅延線は、キャリア周波数に応じた最大遅延時間及
び量子化精度で複数タップを不等間隔に引き出すこと
で、必要な遅延時間範囲を特に細かく引き出せばよいか
ら、タップを単に等間隔に引き出す場合に比べて、遅延
線の周辺回路を著しく簡素化できる。
段の電源をモードに応じてオン、オフさせることで、省
電力化を図ることができる。この効果は多チャンネルに
なるほど一層顕著になる。
信遅延加算回路を要部とする部分ブロック図。
回路を示すブロック図。
す回路図。
図。
図。
作状況を説明する図。
作状況を説明する図。
A/D変換器のビット数換算で説明するグラフ。
図。
図。
明図。
説明図。
ラフ。
回路の部分ブロック図。
段) 18 第2の受信整相加算回路(第2の受信信号処理手
段) 21 マルチプレクサ部(信号切換回路) 22 アナログ遅延線 TG 振動子群 TAP1〜16 不等間隔のタップ
Claims (6)
- 【請求項1】 電気−音響変換可能な複数の振動子と、
この複数の振動子を介して超音波パルス信号を被検体内
に送信する第1の送信手段と、上記被検体からの上記超
音波パルス信号に対応した受信信号を上記複数の振動子
を介して入力し且つその受信信号をデジタル量に変換し
て遅延加算する第1の受信信号処理手段とを備えるとと
もに、上記複数の振動子を介して超音波連続信号を被検
体内に送信する第2の送信手段と、上記被検体からの上
記超音波連続信号に対応した受信信号を上記複数の振動
子を介して入力し且つその受信信号をアナログ量の状態
で遅延加算する第2の受信信号処理手段とを備えたこと
を特徴とする超音波診断装置。 - 【請求項2】 前記第2の受信信号処理手段は、複数の
タップが引き出され且つその各タップに供給されたアナ
ログ量の電流を加算する遅延線と、前記複数の振動子の
内の連続波ドプラモードに関与する複数チャンネルの受
信信号を切換えて上記複数のタップに供給する信号切換
回路とを備えたことを特徴とする請求項1記載の超音波
診断装置。 - 【請求項3】 前記遅延線の複数のタップは、連続波ド
プラモードで使用する複数のキャリア周波数の各1周期
分の遅延時間を選択可能なタップを含むことを特徴とし
た請求項2記載の超音波診断装置。 - 【請求項4】 前記遅延線の複数のタップは、連続波ド
プラモードで使用する複数のキャリア周波数の各1周期
分の遅延時間及びその遅延時間の夫々に対する所定の量
子化間隔の遅延時間を選択可能なタップのみから成るこ
とを特徴とした請求項2記載の超音波診断装置。 - 【請求項5】 前記遅延線の複数のタップは、遅延時間
が不等間隔に引き出されていることを特徴とした請求項
3又は4記載の超音波診断装置。 - 【請求項6】 前記第1の受信信号処理手段は、非連続
波ドプラモードが指令されたときにのみ電源が起動する
機構を有するとともに、前記第2の受信信号処理手段
は、連続波ドプラモードが指令されたときにのみ電源が
起動する機構を有することを特徴とした請求項1記載の
超音波診断装置。
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ID=17560706
Family Applications (1)
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1993
- 1993-11-04 JP JP27580893A patent/JP3396518B2/ja not_active Expired - Lifetime
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