JPH07123900A - 製麺装置および製麺方法 - Google Patents

製麺装置および製麺方法

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JPH07123900A
JPH07123900A JP5273887A JP27388793A JPH07123900A JP H07123900 A JPH07123900 A JP H07123900A JP 5273887 A JP5273887 A JP 5273887A JP 27388793 A JP27388793 A JP 27388793A JP H07123900 A JPH07123900 A JP H07123900A
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hydration
kneading
flour
dough
noodle
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JP5273887A
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Inventor
Masayoshi Ito
正嘉 伊藤
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KYODO KUMIAI TEKUWAATO GROUP
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KYODO KUMIAI TEKUWAATO GROUP
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Abstract

(57)【要約】 【目的】処理時間を著しく短縮し、品質がよく、加水率
の多様な食味のよい麺類を製造する。 【構成】穀粉に水分を混ぜ、麺生地を連続的に生産する
ことができるようにしたもので、そぼろ状の生地原料に
する水和装置20と、生地原料を混練して麺生地にする
混練装置50とを備え、水和装置20は、水和外筒30
と、水和軸体40と、水和軸体40に設けられた螺旋送
り部43と、続く水和室32で水和軸体40の外周に植
設されたピン体45,45…と、水分の噴出孔33とを
備えて成り、混練装置50は、水和装置20の吐出端3
6に接続される混練外筒60と、圧縮比が35%〜85
%になるよう構成された混練スクリュー70と、障害物
がないように形成された余空間61から開口する円滑な
形状の吐出口65とを備えて成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、穀粉に水分を混ぜ、麺
生地を連続的に生産することができるようにした製麺装
置および製麺方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、小麦穀粉を製麺する場合、容器中
に何らかの形状の回転翼を有する構造のミキサーを使用
し、容器中に小麦穀粉と水分を入れ、回転する翼でこれ
を攪拌あるいは加圧することにより、部分的な含水分小
麦穀粉をこまかくくだき、均質化し、また水分を他の穀
粉末部分に浸透させ加水分熟成てゆくのが一般的であ
る。そして、同時にねばり成分に転化した蛋白質(グル
テン)の結合を促し、その編目構造を作りあげてゆく。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の技術では、小麦穀粉中に含有される空気泡が
水分の拡散と蛋白質との結合を妨げるためかなりの長時
間を要し、加水分量の比較的少ない製麺等においては、
ミキシング工程中においては蛋白質の加水分によるねば
り成分=グルテンへの転化を完了することはできなかっ
た。もっといえば、その後のグルテンへの転化が可能な
水分を含有する諸過程中においてもこの転化=グルテン
の活用を完了することができず、小麦穀粉中のねばり成
分を活かしきれなかった。
【0004】これを改良するため、ミキサー中を減圧
し、あるいは麺体を加圧して空気泡を取除いて水分を蛋
白質の結合を促す方法等も提案されているが、逆に製品
中の微小空気泡がほとんどなくなるために製品のゆであ
げ時間を長びかせたり、また、食味を著しく損ねるた
め、この方法も一長一短である。
【0005】従来のミキサーによる加圧熟成工程は、ま
た前記のように水分と結合し、ねばり成分=グルテンに
転化した蛋白質の結合(SS結合)の工程でもあるが、
この結合は一旦出来上った結合がその後の攪拌,加圧等
により破壊されることになり、しかも、一旦破壊された
場合は、引き続く攪拌,加圧によっては再結合しない性
質のもので、折角のグルテンが工程を追うに従って破壊
されることになる。
【0006】従来のミキサーによるミックス工程は、
1)水分の浸透による蛋白質のグルテンへの転化、2)
グルテンのSS結合によるグルテンの網目構造化、3)
早期にグルテン化し、SS結合が完了した結合構造の破
壊、そして4)多少の細胞粒子の微粒子化と、澱粉の損
傷と損傷澱粉の含水が時間の経過と共にその比率は変化
するが、同時に進行する工程である。
【0007】1)の転化が従来の方法では部分から全体
に及ぶ漸進的な時間を要するものであるために、3)の
破壊や4)の現象が生じ、2)のSS結合化量が3)の
破壊量に比べて大きい間は、いわゆる粘弾性が増加する
過程であり、3)が2)を越えた時点からが、いわゆる
オーバーミキシングの過程であり、この3)の結合破壊
が同時に進行する従来の技術は、グルテン活用の観点か
らみて大きな問題があるといえる。また、4)の変化は
多少とはいえ、蛋白質の含水分化=グルテンへの転化を
妨げる。
【0008】また、これまでの連続システムは、混合の
みで練り不足であり、グルテンの網目構造化が不完全で
あった。また、大型ミキサでは筒の長さが長く、高速回
転による生地の痛み,温度上昇がグルテンの破壊につな
がった。
【0009】本発明は、このような従来の技術が有する
問題点に着目してなされたもので、従来の有翼ミキサー
等を使用して攪拌,加圧する加水分熟成方法が、a)長
時間を要し、しかもb)蛋白質の粘り成分化が不十分で
あり、c)粘り成分の網目構造化による活用にたいへん
な無駄がある点に着目してなされたものである。
【0010】また、従来の方法が、A)加水分浸透によ
る蛋白質のグルテン化の工程と、B)グルテンのSS結
合による網目構造化の工程が同時に進行する方法であ
り、この同時進行が先きに述べたように悪い効果をもた
らしているばかりでなく、その要求される機能の観点か
らみても、例えば製パン,製麺においては(A),
(B)両工程が要求されるが、ソフト系の製菓において
は(B)工程は必要としないという点等に着目してなさ
れたものである。
【0011】本発明は、両工程を分離し、ねり作用等を
行う回転翼等は用いずに、小麦穀粉粒子に直接微粒子状
の水分を添付させることにより当初から水分が均等に小
麦穀粉の各粒子にゆきわたるようにして純粋に加水分を
完了し、その後において必要とする場合には必要に応じ
ねり工程あるいは加圧工程を加えてグルテンのSS結合
化=網目構造化を行う加水分熟成ができる技術を提供す
るものである。
【0012】このような技術とすることにより、次のよ
うな目的が同時にまたは別々に達成される。
【0013】(I) 時間の著しい短縮。
【0014】(II) 蛋白質の粘り成分への完全な転化。
空気を抜去る方法を採らないことによる製品の風貌への
悪影響の防止。
【0015】(III)ねり工程は純粋にねり工程としてス
タートさせ、SS結合=網目構造の破壊をほとんど無く
し、はるかに緻密,多量,良質のグルテンの網目構造を
える。
【0016】(IV) ねり工程を必要とする場合、しない
場合に応じ、用途に適した工程を選択しうるようにす
る。
【0017】(V) 加水分熟成工程の連続化を容易にす
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、 1 穀粉に水分を混ぜ、麺生地を連続的に生産すること
ができるようにした製麺装置において、製麺装置は、穀
粉を水分と和合させてそぼろ状の生地原料にする水和装
置(20)と、生地原料を混練して麺生地にする混練装
置(50)とを備えて成り、前記水和装置(20)は、
穀粉の受入口(31)を有する水和外筒(30)と、該
水和外筒(30)の中央に軸支された水和軸体(40)
と、前記水和外筒(30)の受入口(31)に対応して
該水和軸体(40)に設けられた螺旋送り部(43)
と、該螺旋送り部(43)に続く水和室(32)で前記
水和軸体(40)の外周に植設されたピン体(45,4
5…)と、前記水和外筒(30)の内部に向けて水分を
噴出するよう内壁に形成された噴出孔(33)とを備え
て成り、前記混練装置(50)は、前記水和装置(2
0)の水和外筒(30)の吐出端(36)に接続される
混練外筒(60)と、該混練外筒(60)内に圧縮比が
35%〜85%になるよう構成された混練スクリュー
(70)と、前記混練外筒(60)の末端に障害物がな
いように形成された余空間(61)から開口する円滑な
形状の吐出口(65)とを備えて成ることを特徴とする
製麺装置。
【0019】2 穀粉に水分を混ぜ、麺生地を連続的に
生産することができるようにした製麺装置において、製
麺装置は、穀粉を水分と和合させてそぼろ状の生地原料
にする水和装置(20)と、生地原料を攪拌して麺生地
にする混練装置(50)とを備えて成り、前記水和装置
(20)は、穀粉の受入口(31)を有する水和外筒
(30)と、該水和外筒(30)の中央に軸支された水
和軸体(40)と、前記水和筒体の受入口(31)に対
応して該水和軸体(40)に設けられた螺旋送り部(4
3)と、該螺旋送り部(43)に続く水和室(32)で
前記軸体の外周に植設されたピン体(45,45…)
と、前記水和外筒(30)の内部に向けて水分を噴出す
るよう内壁に形成された噴出孔(33)とを備えて成
り、前記混練装置(50)は、前記水和装置(20)の
水和外筒(30)の吐出端(36)に接続される混練外
筒(60)と、該混練外筒(60)内に圧縮比が35%
〜85%になるよう受入側を片持ちに軸支された混練ス
クリュー(70)と、前記混練外筒(60)の末端に障
害物がないように形成された吐出口(65)とを備えて
成ることを特徴とする製麺装置。
【0020】3 穀粉の受入口(31)を有する水和外
筒(30)と、該水和外筒(30)の中央に軸支された
水和軸体(40)と、前記水和筒体の受入口(31)に
対応して該水和軸体(40)に設けられた螺旋送り部
(43)と、該螺旋送り部(43)に続く水和室(3
2)で前記軸体の外周に植設されたピン体(45,45
…)と、前記水和外筒(30)の内部に向けて水分を噴
出するよう内壁に形成された噴出孔(33)とを備えて
成る水和装置(20)を備えたことを特徴とする製麺装
置。
【0021】4 水和された生地原料を受け入れる混練
外筒(60)と、該混練外筒(60)内に圧縮比が35
%〜85%になるよう受入側を片持ちに軸支された混練
スクリュー(70)と、前記混練外筒(60)の末端に
障害物がないように形成された吐出口(65)とを備え
て成る混練装置(50)を備えたことを特徴とする製麺
装置。
【0022】5 穀粉と水分とを瞬間的に和合させて攪
拌することによりそぼろ状の生地原料にする水和工程
と、該生地原料を圧縮比が35%〜85%で、生地を分
断しないよう連続的に送りながら攪拌して麺生地にする
混練工程とを備えて成る製麺方法。
【0023】6 水分の噴出は水和外筒(30)の噴出
孔(33)からピン体(45,45…)の先端部に向け
て噴出するよう配設したことを特徴とする項1,2,3
記載の製麺装置。
【0024】7 水和外筒(30)の噴出孔(33)下
を通過するよう2〜6本のピン体(45,45…)を同
一円周上に配設したことを特徴とする項1,2,3記載
の製麺装置。
【0025】8 水和装置(20)の水和軸体(40)
の回転数を穀粉と水分とが瞬間的に和合させて攪拌して
そぼろ状になる程度の高速回転させる駆動部を設けたこ
とを特徴とする項1,2,3記載の製麺装置。
【0026】9 水和軸体(40)を、金属材料を芯と
して外周を軽量材料である合成樹脂で覆った構造とした
ことを特徴とする項1,2,3記載の製麺装置。
【0027】10 水和装置(20)において混合開始
と終了時の水分と穀粉のタイミングを合わせるため、穀
粉を先に出し、次に水分を出すよう0.2秒程度のタイ
ム差をつける制御部を設けたことを特徴とする項1,
2,3記載の製麺装置。
【0028】11 水和工程において混合開始と終了時
の水分と穀粉のタイミングを合わせるため、穀粉を先に
出し、次に水分を出すよう0.2秒程度のタイム差をつ
けるようにしたことを特徴とする項4記載の製麺方法。
【0029】12 水和装置(20)において、水供給
ポンプにエアーが入り、水分のタイミングが遅くなるの
を防ぐために、エアー抜き回路を作り、一定時間エアー
抜きした後混合開始する制御部を設けたことを特徴とす
る項1,2,3記載の製麺装置。
【0030】13 水和装置(20)において、ダイア
ル設定可能なよう穀粉量に合った加水分量を表示する表
示部を有する制御部を設けたことを特徴とする項1,
2,3記載の製麺装置。
【0031】14 水和装置(20)において、穀粉の
種類に応じた加水率を記憶する記憶部と、該記憶部に記
憶された穀粉の種類に応じ、穀粉量に合った加水分量を
表示してダイアル設定可能にする表示部を有する制御部
を設けたことを特徴とする項1,2,3記載の製麺装
置。
【0032】15 混練装置(50)において、混練ス
クリュー(70)の芯軸を先太に形成したことを特徴と
する請求項1,2,4記載の製麺装置。
【0033】16 混練装置(50)において、混練ス
クリュー(70)のスクリューピッチを先端に行くに従
い小さくしたことを特徴とする請求項1,2,4記載の
製麺装置。
【0034】17 穀粉と水分を項1,2記載の水和装
置(20)に投入して水和し、この水和された生地原料
を、圧縮比が35%〜85%で混練スクリュー(70)
が片持ちに軸支され、吐出口(65)に障害物が形成さ
れていない混練装置(50)に供給して混練することを
特徴とする製麺方法。
【0035】18 うどん生地製造の場合は、混練装置
(50)の圧縮比を60%〜85%とすることを特徴と
する項1,2,4記載の製麺装置。
【0036】19 ラーメン生地製造の場合は、混練装
置(50)の圧縮比を35%〜65%とすることを特徴
とする項1,2,4記載の製麺装置。
【0037】20 そば生地製造の場合は、混練装置
(50)の圧縮比を40%〜60%とすることを特徴と
する項1,2,4記載の製麺装置。
【0038】21 混練装置(50)には混練外筒(6
0)の側壁に受入口(62)が開設されていて、該受入
口(62)に該混練外筒(60)の中心軸に直交するよ
うにの送入管が接続しており、該送入管と該混練外筒
(60)との接続部における該送入管の出口方向側に送
入を助ける傾斜部を形成したことを特徴とする項1,
2,4記載の製麺装置。
【0039】22 混練装置(50)の混練スクリュー
(70)の芯軸の材質は軽い合成樹脂とし、外筒は摩擦
係数の異なるステンレス製としたことを特徴とする項
1,2,4記載の製麺装置。
【0040】23 混練装置(50)の混練スクリュー
(70)の回転数を50rpm 以下としたことを特徴とす
る項1,2,4記載の製麺装置。
【0041】24 混練装置(50)の混練スクリュー
(70)の溝深さを25mm以下としたことを特徴とする
項1,2,4記載の製麺装置。
【0042】25 混練装置(50)の麺生地の吐出口
(65)を凹凸の少ない単純な形状に設定したことを特
徴とする項1,2,4記載の製麺装置。
【0043】26 水和装置(20)の吐出端(36)
と混練装置(50)の受入口(31)との間に接続管を
設け、該接続管にロータリーバルブを配設し、該ロータ
リーバルブと混練装置(50)の受入口(62)との間
に吸引管を接続したことを特徴とする項1,2記載の製
麺装置。
【0044】27 加水率にあった最適な麺生地の温度
にするとともに、生地の過度な発熱を防止するために、
穀粉温、水分温、環境温、製麺機械温度の少なくとも一
つを管理する温度管理部を設けたことを特徴とする項
1,2,3,4記載の製麺装置。
【0045】28 項1,2,3,4記載の製麺装置を
温度管理、湿度管理可能な雰囲気中に置くことを特徴と
する製麺方法。
【0046】29 項1,2,3,4記載の製麺装置
に、最適温度の穀粉、水分を外部から導入することを特
徴とする製麺方法。
【0047】30 穀粉と水分との少なくとも一方の温
度を管理する温度管理部を水和装置(20)に設けたこ
とを特徴とする項1,2,3記載の製麺装置。
【0048】31 装置の構成部材の温度を調節する温
度管理部を設けたことを特徴とする項1,2,3,4記
載の製麺装置。
【0049】32 外筒の壁内に熱管理媒体を流す流路
を形成したことを特徴とする項1,2,3,4記載の製
麺装置。
【0050】33 穀粉を常温とし、環境温、製麺装置
温、水分温の少なくとも一つを15℃以下の適温にして
製麺することを特徴とする項5,17記載の製麺方法。
【0051】34 穀粉、環境、装置を常温とし、水分
を15℃以下の適温として、常温で製麺することを特徴
とする項5,17記載の製麺方法。
【0052】35 穀粉を冷却するため、穀粉を製麺装
置に入れる際、冷気と一緒に中に送り込むことを特徴と
する項5,17記載の製麺方法。
【0053】36 麺の吐出口(65)を断熱材で覆
い、冷気が外部に逃げないようにすることを特徴とする
項35記載の製麺方法。
【0054】37 雑菌数の発生をおさえ、日持ちをよ
くするため、生成生地温度の発熱温度を10℃以下にお
さえることを特徴とする項5,17記載の製麺方法。
【0055】38 機械装置の老化を防ぐため、外気と
作業環境の温湿度差が大きい場合、作業終了後乾燥熱風
を通して結露を防ぐようにすることを特徴とする項5,
17記載の製麺方法。に存する。
【0056】
【作用】製麺装置は、穀粉に水分を混ぜ、麺生地を連続
的に生産する。先ず、水和装置(20)は水和工程を受
け持っており、穀粉が受入口(31)から水和外筒(3
0)の始端に連続的に投入される。水和外筒(30)内
では駆動部により水和軸体(40)が穀粉と水分とが瞬
間的に和合させて攪拌してそぼろ状になる程度の高速回
転しており、穀粉は水和軸体(40)に設けられた螺旋
送り部(43)により水和室(32)に送られ、そこで
軸体の外周に植設されたピン体(45,45…)により
弾かれる。水和室(32)では、水和外筒(30)の内
壁から内部に向けて水分が噴出しており、穀粉と水分と
が激しく攪拌され瞬間的に和合してそぼろ状の生地原料
になる。
【0057】この生地原料は別の場所に運んで圧延して
麺生地に加工してもよく、連続して混練装置(50)に
送って麺生地に加工してもよい。混練工程を受け持つ混
練装置(50)は、水和装置(20)に連続して処理す
る場合は水和装置(20)の水和外筒(30)の吐出端
(36)に接続された混練外筒(60)から生地原料を
連続的に受け入れる。また、別に製造してある生地原料
を受け入れるようにしてもよい。
【0058】混練装置(50)の混練外筒(60)内で
は混練スクリュー(70)が適切な速度で回転してお
り、混練外筒(60)を通過すると生地原料は穀粉の種
類にもよるが、圧縮比が35%〜85%の圧縮比で圧縮
される。混練外筒(60)の末端では、障害物がないよ
うに形成された余空間(61)から開口する円滑な形状
の吐出口(65)に麺生地が押し出され、生地が分断さ
れずグルテンの断裂のない麺生地が吐出口(65)から
安定した状態で吐出される。
【0059】水和装置(20)で、水和外筒(30)の
噴出孔(33)からピン体(45,45…)の先端部に
向けて水分を噴出するようにすると、水分が激しく攪拌
され、穀粉との瞬間的和合がされやすくなる。また、水
和外筒(30)の噴出孔(33)下を通過するよう2〜
6本のピン体(45,45…)を同一円周上に配設して
あると、適量の多量の水分が一層激しく攪拌されて適切
に穀粉と水分との和合ができる。
【0060】水和軸体(40)を、金属材料を芯として
外周を軽量材料である合成樹脂で覆った構造としてある
と、金属材料により強度剛性が保たれ、合成樹脂で軽量
化がなされ、ぶれなく高速で水和軸体(40)が回転で
きる。
【0061】水和装置(20)の水和工程において穀粉
の投入と水分の噴出とのタイミングが合わないと、混合
開始と終了時に水分と穀粉との混合比が違ってしまい、
不良材料として廃棄しなければならないなどの無駄が出
るので、制御部ではタイミングを合わせるため、穀粉を
先に出し、次に水分を出すよう0.2秒程度のタイム差
をつけるようにするとよい。
【0062】水和装置(20)において、水供給ポンプ
にエアーが入り、水分のタイミングが遅くなるのを防ぐ
ために、エアー抜き回路が作られていると、制御部では
一定時間エアー抜きした後混合開始するので、エアーに
よる障害がなく円滑に処理を進めることができる。ま
た、穀粉量に合った加水分量が表示部に表示されている
と、それに合わせてダイヤルを設定することができ、間
違いのない工程設定をすることができる。さらに、記憶
部で穀粉の種類に応じた加水率を記憶しておき、穀粉の
種類に応じ、穀粉量に合った加水分量を表示すれば一層
精度が上がり、迅速な設定をすることができる。
【0063】混練スクリュー(70)が片持ちに軸支さ
れた混練外筒(60)の末端では、軸体もなくて障害物
がなく、生地が分断されずグルテンの断裂のない麺生地
が吐出口(65)から安定した状態で吐出される。ま
た、混練スクリュー(70)の芯軸を先太に形成したも
のでは、混練外筒(60)との間の空間が先に行くに従
い小さくなるので、小さい距離で適切な圧縮比を得るこ
とができる。同様に、混練スクリュー(70)のスクリ
ューピッチを先端に行くに従い小さくしたものでも、先
端に行くに従い空間が小さくなり、圧縮比が上がる。こ
れらを適切に設定することにより所望の圧縮比を得るこ
とができる。
【0064】なお、混練装置(50)での圧縮比は、う
どん生地製造の場合は60%〜85%、ラーメン生地製
造の場合は35%〜65%、そば生地製造の場合は40
%〜60%とすると具合がよい。
【0065】水和装値に混練装置(50)を接続するな
どして連続的に生地原料を混練装置(50)に送り込む
場合、混練外筒(60)の側壁の受入口(62)に混練
外筒(60)の中心軸に直交するように接続された送入
管から送り込まれる。この部位において、送入管と混練
外筒(60)との接続部における送入管の出口方向側に
送入を助ける傾斜部を形成してあると、麺生地の吸入が
円滑に行き、混練が効率的に行なわれる。
【0066】混練装置(50)の混練スクリュー(7
0)の芯軸の材質は軽い合成樹脂としてあると、混練ス
クリュー(70)が軽量化して片持ち支持しやすく、ま
た、生地が付着しにくい樹脂を採用することができ、混
練外筒(60)を摩擦係数の異なるステンレス製として
あると、混練スクリュー(70)との摩擦係数の近いか
ら練り効果が高まる。
【0067】混練装置(50)の混練スクリュー(7
0)の回転数は対象に応じた速度が望ましいが、低速の
50rpm 以下とすると具合がよい。また、混練スクリュ
ー(70)の溝深さも深過ぎると生地が分断されるの
で、25mm以下が具合がよい。
【0068】混練装置(50)の麺生地の吐出口(6
5)は、円形,だ円,4角形等の凹凸の少ない単純な形
状に設定してあれば、麺生地がねじれたり切られること
がなく、グルテンの連続した食味のよい麺生地が吐出さ
れる。
【0069】水和装置(20)の吐出端(36)と混練
装置(50)の受入口(62)との間の接続管に設けら
れたロータリーバルブは水和装置(20)の水和外筒
(30)と混練装置(50)の混練外筒(60)とを分
断するようにシールし、この状態でロータリーバルブと
混練装置(50)の受入口(62)との間の空気を吸引
管で吸うと、減圧されて麺生地の空気が効果的に抜か
れ、余分な空気の入らない、品質のよい麺生地となる。
【0070】麺生地は、15℃以下の低温で処理する
と、加水率が高く食味のよい麺生地となる。このため、
温度管理部を設けて、穀粉温、水分温、環境温、製麺機
械温度の少なくとも一つを管理し、加水率にあった最適
な麺生地の温度にするとともに、生地の過度な発熱を防
止するとよい。低温にする趣旨で、製麺装置を温度管
理、湿度管理可能な雰囲気中に置くことも有効である。
また、最適温度の穀粉、水分を外部から導入することに
より同じ目的を達成できる。
【0071】水和装置(20)に温度管理部を設け、温
度管理部で穀粉と水分との少なくとも一方の温度を管理
することにより生地原料を適切な温度に管理することが
できる。原料ではなく、装置の構成部材の温度を調節す
る温度管理部を設けて、構成部材に接する材料を適切な
温度にすることもできる。外筒の壁内に熱管理媒体を流
す流路を形成すれば、壁の温度を適切に管理して麺生地
を適切な低温に管理して処理することができる。
【0072】穀粉を常温とし、環境温、製麺装置温、水
分温の少なくとも一つを15℃以下の適温にして製麺し
てもよい。また、穀粉、環境、装置を常温とし、水分を
15℃以下の適温として、常温で製麺することもでき
る。穀粉を冷却するため、穀粉を製麺装置に入れる際、
冷気と一緒に装置の中に送り込むと、この励起により材
料が適切な低温になる。麺生地の吐出口(65)を断熱
材で覆い、冷気が外部に逃げないようにすると効率がよ
くなる。
【0073】雑菌数の発生をおさえ、日持ちをよくする
ため、生成生地温度の発熱温度を10℃以下におさえる
ことがよい。また、外気と作業環境の温湿度差が大きい
場合、作業終了後乾燥熱風を通して結露を防ぐようにす
ると機械装置の老化を防ぐことができる。
【0074】
【実施例】以下、図面に基づき本発明の一実施例を説明
する。図1〜図3は本発明に係る製麺装置の一実施例を
示している。製麺装置10は、穀粉に水分を混ぜ、麺生
地を連続的に生産することができるようにしたものであ
り、穀粉を水分と和合させてそぼろ状の生地原料にする
水和装置20と、生地原料を混練して麺生地にする混練
装置50とを備えて成る。製麺装置10の各構成部材
は、図2でわかるように、基台11に支持してあり、制
御部80も基台11に支持されている。
【0075】図1,図3および図4でわかるように、水
和装置20は、穀粉の受入口31を有する水和外筒30
と、水和外筒30の中央に軸支された水和軸体40と、
水和外筒30の受入口31に対応して水和軸体40に設
けられた螺旋送り部43と、螺旋送り部43に続く水和
外筒30の水和室32で軸体40の外周に植設されたピ
ン体45,45…と、水和外筒30の内部に向けて水分
を噴出するよう内壁に形成された噴出孔33とを備えて
成る。
【0076】なお、図3はピン体が4本であるが、図4
は6本のものを示している。また、図2でわかるよう
に、受入口31には設定流量で穀粉を流すホッパ12が
設けられている。
【0077】水和外筒30は横設されており、制御部8
0により制御される駆動部として電動モータM1が水和
外筒30の端部34に固設されている。水和外筒30の
受入口31のすぐ下流の内壁に前記噴出孔33が開設さ
れ、噴出孔33には水分導管35が接続されている。水
和外筒30の吐出端36は90度曲げて混練装置50へ
の接続管37が形成されている。駆動部たる電動モータ
M1は、水和装置20の水和軸体40の回転数を穀粉と
水分とが瞬間的に和合させて攪拌してそぼろ状になる程
度に高速回転させるものである。
【0078】水和軸体40は、芯体41が片持ちにして
電動モータM1に枢支され、芯体41は金属材料41a
を芯として外周を軽量材料であるポリプロピレン等の合
成樹脂41bで覆った構造としてある(図4参照)。ピ
ン体45,45…は、始端部位では、水和外筒30の噴
出孔33から噴出する水分がピン体45,45…の先端
部に向けて噴出するよう、つまり、水和外筒30の噴出
孔33下を通過するよう2〜6本のピン体45,45…
が同一円周上に配設されている。
【0079】図1でわかるように、混練装置50は、水
和装置20の水和外筒30の吐出端36に接続される混
練外筒60と、混練外筒60内に圧縮比が35%〜85
%になるように受入側を片持ちに軸支された混練スクリ
ュー70と、混練外筒60の末端に障害物がないように
形成された余空間61から開口する円滑な形状の吐出口
65とを備えて成る。
【0080】混練装置50の混練外筒60の側壁に受入
口62が開設されていて、受入口62に混練外筒60の
中心軸に直交するように送入管63が接続しており、送
入管63と混練外筒60との接続部における送入管63
の出口方向側に送入を助ける傾斜部64が形成されてい
る。外筒60は摩擦係数の異なるステンレス製としてあ
るのに対し、混練スクリュー70の芯軸71の材質は軽
い合成樹脂としてある。
【0081】送入管63が接続している混練外筒60の
基端65に電動モータM2が固設され、電動モータM2
に回転駆動されるよう混練スクリュー70の芯軸71が
電動モータM2に片持ちで支持されている。図5
(a),(b)に示すように、混練スクリュー70の芯
軸71は基部から先端にかけて先太に形成され、スクリ
ューフィン72のスクリューピッチは、等ピッチにした
り、先端に行くに従い小さくしてある。
【0082】芯軸71の先太の割合や、スクリューフィ
ン72のピッチを適切に設定することにより、うどん生
地製造の場合は、混練装置50の圧縮比を60%〜85
%に、ラーメン生地製造の場合は、圧縮比を35%〜6
5%に、そば生地製造の場合は、圧縮比を40%〜60
%とする。
【0083】混練装置50の混練スクリュー70の回転
数は高速は好ましくなく、50rpm以下とするのがよ
い。また、練り効果を適切にするには、混練スクリュー
70の溝深さを25mm以下とするのがよい。そして、麺
生地を痛めてグルテンを破壊しないよう、麺生地の吐出
口65は凹凸の少ない円形や4角形の単純な形状に設定
されている。
【0084】本実施例は、水和装置20と混練装置50
とを接続して連続的に処理するよう構成したものである
ので、水和装置20の吐出端36と混練装置50の受入
口62との間に接続管37が設けられ、同じく接続管で
ある送入管63との間にロータリーバルブ15が介装し
て配設されている。ロータリーバルブ15は接続管37
と送入管63との流路を密閉して開閉するものであり、
ロータリーバルブ15と受入口62との間の送入管63
に空気の吸引管13が接続されている。
【0085】図6は制御部80を示しており、シーケン
サ内部に粉量設定データメモリー部81,加水率設定デ
ータメモリー部82,加水量データ演算処理部83,加
水量設定データメモリ部84が設けられ、それらに、粉
量設定スイッチSW1,加水率を変えるためのUPスイ
ッチSW2およびDOWNスイッチSW3,セットスイ
ッチSW4が接続するとともに、加水表示部85が設け
られ、また、出力側は、D/A変換ユニットおよびイン
バータユニットを介して粉定量モータM3および加水量
モータM4が接続されている。
【0086】粉量設定データメモリー部81は粉量設定
スイッチSW1による設定粉量を記憶するものであり、
加水率設定データメモリー部82は、種類により穀粉の
密度が異なるものであるのに対し、穀粉の種類に応じた
加水率を記憶するものであり、加水量データ演算処理部
83は加水率設定データメモリー部82による加水率デ
ータに基づき過水量を算出するものであり、加水量設定
データメモリ部84は算出された加水量を記憶するもの
である。
【0087】セットスイッチSW4は設定完了を制御部
80に告知するものであり、DOWNスイッチSW3,
セットスイッチSW4は設定値を増減するものである。
そして、加水表示部85は、上記設定や演算に基づく加
水量や加水率を表示するもので、この表示により状況に
応じたサイアル設定が可能となる。また、制御部80
は、水和装置20において混合開始と終了時の水分と穀
粉のタイミングを合わせるため、穀粉を先に出し、次に
水分を出すよう0.2秒程度のタイム差をつけるように
設定されている。
【0088】図7は、水和装置20において水供給ポン
プにエアーが入り、水分のタイミングが遅くなるのを防
ぐためのエアー抜き回路を示しており、水タンクT,ポ
ンプPから水供給電磁弁V1を介して噴出孔33に至る
水供給路に循環路R1を設け、循環路R1に電磁開閉弁
V2,V3を設けてある。そして、制御部80では、水
供給電磁弁V1,V2,V3を開閉して、例えば5秒程
度の一定時間エアー抜きした後に混合開始するようにし
てある。
【0089】また、制御部80には、加水率にあった最
適な麺生地の温度にするとともに、生地の過度な発熱を
防止するために、穀粉温、水分温、環境温、製麺機械温
度の少なくとも一つを管理する温度管理部86が設けら
れている。温度管理部86は図示省略した冷却手段や音
熱手段を用いてこれら温度を適切に保つものである。ま
た、温度管理部86には、穀粉と水分との少なくとも一
方の温度を管理するようにさせることもできるし、装置
の構成部材の温度を調節するようにさせることもでき
る。
【0090】温度管理部86による温度管理を行なうた
め、図8に示すように、水和外筒30の壁内に熱管理媒
体を流す流路39を形成することができる。同様に混練
外筒60に流路を設けることもできる。
【0091】上記構成により、穀粉と水分とを瞬間的に
和合させて攪拌することによりそぼろ状の生地原料にす
る水和工程と、生地原料を圧縮比が35%〜85%で、
生地を分断しないよう連続的に送りながら攪拌して麺生
地にする混練工程とを備えて成る製麺方法が実現でき
る。より具体的には、穀粉と水分を水和装置20に投入
して水和し、この水和された生地原料を、圧縮比が35
%〜85%で混練スクリュー70が片持ちに軸支され、
吐出口65に障害物が形成されていない混練装置50に
供給して混練する製麺方法である。
【0092】温度管理は、製麺装置10を温度管理、湿
度管理可能な雰囲気中に置くことによって行なうことが
でき、製麺装置10に、最適温度の穀粉、水分を外部か
ら導入することによっても行なうことができ、穀粉を常
温とし、環境温、製麺装置温、水分温の少なくとも一つ
を15℃以下の適温にして製麺することにより品質のよ
い麺を作ることができる。穀粉、環境、装置を常温とし
ても、水分を15℃以下の適温として、常温で製麺する
ことで良好な条件にすることができる。また、穀粉を冷
却するため、穀粉を製麺装置に入れる際、冷気と一緒に
中に送り込むこともよく,その際、麺生地の吐出口65
を断熱材で覆い、冷気が外部に逃げないようにすること
も有効である。
【0093】また、雑菌数の発生をおさえ、日持ちをよ
くするため、生成生地温度の発熱温度を10℃以下にお
さえたり、機械装置の老化を防ぐため、外気と作業環境
の温湿度差が大きい場合、作業終了後乾燥熱風を通して
結露を防ぐようにすることも行なわれる。
【0094】次に図10〜図12の流れ図を参照して作
用を説明する。図10および図11は起動モードを示し
ている。ステップ1〜4で起動時の設定がなされる。な
お、次のステップ5は非常停止のとき働くものである。
ステップ1では自動運転が可能かどうかが判断され、穀
粉の種類等により自動運転不能な場合などは手動にな
る。制御部80において、粉量設定スイッチSW1によ
り設定粉量を設定すると、粉量設定データメモリー部8
1にその設定値が記憶される。また、UPスイッチSW
2およびDOWNスイッチSW3で加水率を変えるとそ
の設定値は加水率設定データメモリー部82に記憶され
る。そして、加水量データ演算処理部83は加水率設定
データメモリー部82による加水率データに基づき粉量
設定データメモリー部81から過水量を算出し、加水量
設定データメモリ部84は算出された加水量を記憶する
ものである。設定の完了はセットスイッチSW4を押し
て制御部80に告知することによりなされる。
【0095】加水量および加水率は加水表示部85に表
示され、出力は、D/A変換ユニットおよびインバータ
ユニットを介して粉定量モータM3および加水量モータ
M4が送って制御がなされる。穀粉量に合った加水分量
および加水率が表示部に表示されていると、それに合わ
せてダイヤルを設定することができ、間違いのない工程
設定をすることができる。さらに、各メモリ部で穀粉の
種類に応じた加水率を記憶しておき、穀粉の種類に応
じ、穀粉量に合った加水分量を表示して一層精度が上
げ、迅速な設定をすることができるようになっている。
【0096】水和装置20において、水供給ポンプにエ
アーが入り、水分のタイミングが遅くなるのを防ぐため
に、エアー抜き回路が作られており、図10のステップ
6でエアー抜きがなされる。
【0097】制御部80で起動時に一定時間エアー抜き
した後混合開始するので、エアーによる障害がなく円滑
に処理を進めることができる。エアー抜き回路によるエ
アー抜きは、図7において、水供給電磁弁V1は閉じた
ままで、電磁開閉弁V2,V3を5秒程度開くと、水供
給路から循環路R1に水が流れて内部のエアーが排出さ
れる。その後、電磁開閉弁V2,V3を閉じておき、電
磁弁V1をONにすると、水分はすぐに噴出孔33から
噴出する。電磁弁V2,V3の2つを設けているのは、
同時に開閉をおこない循環路R1にエアーがたまるのを
防ぐためである。電磁弁V3がないと循環路R1にエア
ーがたまり、水供給路にエアーが入る可能性がある。
【0098】これが、通常の連続ミキサだと、水供給ポ
ンプからミキサ注入口へ直接水分を注入するシステムを
とっているので、水頭落差部分にエアーがたまり、水供
給ポンプのONと同時に水分がでず、穀粉が先ばしりし
て水分がおくれることになる。
【0099】図10のステップ7〜9では、水和装置2
0の電動モータM1に電源が入れられ、定常運転になる
までのタイムアップがなされる。水和装置20の水和工
程において穀粉の投入と水分の噴出とのタイミングが合
わないと、混合開始と終了時に水分と穀粉との混合比が
違ってしまい、不良材料として廃棄しなければならない
などの無駄が出るので、タイミングを合わせるため、穀
粉を先に出し、次に水分を出すよう0.2秒程度のタイ
ム差をつけるようにしている。図10のステップ10〜
ステップ13(図11)において、粉定量モータのオン
と加水電磁弁のオン動作とを時間的間隔を付けて行なっ
ているのがこれである。このようにしないと、穀粉と水
分のタイミング取りが難しいため、混合開始と終了時
に、水分か穀粉のどちらかが先ばしり、連続作業にむか
ず、混じりの悪い生地原料を捨てることになる。
【0100】従来は、水供給ポンプのダイヤルによって
加水分を感ではかって動かしているので、タイミングが
合うまではできの悪い生地を捨てることになり、無駄が
出るばかりでなく作業性が悪い。ここでは、穀粉量に合
った加水分量が、ダイアル設定表示されるように制御を
組んだので、作業性が良くなり、生地の無駄がなく、日
々、一定加水分条件で仕事が出来る。
【0101】以上で起動処理が終り、製麺装置10は、
穀粉に水分を混ぜ、麺生地を連続的に生産する。水和装
置20は水和工程を受け持っており、ホッパ12から設
定流量で穀粉穀粉が受入口31に投入され、受入口31
から水和外筒30の始端に連続的に投入される。水和外
筒30内では駆動部たる電動モータM1により水和軸体
40が、穀粉と水分とを瞬間的に和合させ攪拌してそぼ
ろ状になる程度の高速回転しており、穀粉は水和軸体4
0に設けられた螺旋送り部43により水和室32に送ら
れ、そこで水和軸体40の外周に植設されたピン体4
5,45…により弾かれる。水和室32では、水和外筒
30の内壁から内部に向けて水分が噴出しており、穀粉
と水分とが激しく攪拌され瞬間的に和合してそぼろ状の
生地原料になる。
【0102】水和軸体40を、金属材料41aを芯とし
て外周を軽量材料である合成樹脂41bで覆った構造と
してあるので、金属材料41aにより強度剛性が保た
れ、合成樹脂41bで軽量化がなされ、ぶれなく高速で
水和軸体40が回転している。
【0103】水和外筒30の噴出孔33からピン体4
5,45…の先端部に向けて水分を噴出するようにする
と、水分が激しく攪拌され、穀粉との瞬間的和合がされ
やすくなる。また、水和外筒30の噴出孔33下を通過
するよう2〜6本のピン体45,45…を同一円周上に
配設してあると、適量の多量の水分が一層激しく攪拌さ
れて適切に穀粉と水分との和合ができる。
【0104】すなわち、水分導管35から噴出孔33に
噴出する水分は、同一円周に2〜6本のピン体45,4
5…が設置された高速回転(1450R/M程度)する
水和軸体40により、極めて微細な霧状に分散し、粉塵
状に分散された穀粉と瞬間的に水和されグルテンを生成
した生地原料となり、その後、そのグルテンを壊すこと
なく瞬時に排出される。
【0105】この生地原料は別の場所に運んでそのまま
圧延して麺生地に加工してもよく、また、菓子地等に利
用することもでき、連続して混練装置50に送って麺生
地に加工してもよい。
【0106】水和装置20の水和軸体40は、通常のミ
キサより直径長さが小さく生地の発熱が防がれている。
例えば、直径は通常、200〜300φのところを10
0φとし、長さは、通常L=600のところをL=40
0とし、200Kg/Hの穀粉量を処理している。また、生
地原料が進行方向に排出することで、壁面への付着、つ
まりが少なくなっている。
【0107】混練工程を受け持つ混練装置50は、水和
装置20に連続して処理する場合は水和装置20の水和
外筒30の吐出端36に接続された混練外筒60から生
地原料を連続的に受け入れる。また、別に製造してある
生地原料を受け入れるようにしてもよい。
【0108】混練装置50の混練外筒60内では混練ス
クリュー70が適切な速度で回転しており、混練外筒6
0を通過すると生地原料は穀粉の種類にもよるが、圧縮
比が35%〜85%の圧縮比で圧縮される。混練外筒6
0の末端では、障害物がないように形成された余空間6
1から開口する円滑な形状の吐出口65に麺生地が押し
出され、生地が分断されずグルテンの断裂のない麺生地
が吐出口65から安定した状態で吐出される。
【0109】混練スクリュー70が片持ちに軸支された
混練外筒60の末端では、軸体もなくて全く障害物がな
く、生地が分断されずグルテンの断裂のない麺生地が吐
出口65から安定した状態で吐出される。また、混練ス
クリュー70の芯軸71を先太に形成したものでは、混
練外筒60との間の空間が先に行くに従い小さくなるの
で、小さい距離で適切な圧縮比を得ることができる。同
様に、混練スクリュー70のスクリューピッチを先端に
行くに従い小さくしたものでも、先端に行くに従い空間
が小さくなり、圧縮比が上がる。これらを適切に設定す
ることにより所望の圧縮比を得ることができる。
【0110】混練外筒60および混練スクリュー70は
短くてよく、例えば、300〜500mmでよい(従来
は、800〜1400mm)。このため作業性がよく、掃
除等保守もしやすい。
【0111】なお、混練装置50での圧縮比は、うどん
生地製造の場合は60%〜85%、ラーメン生地製造の
場合は35%〜65%、そば生地製造の場合は40%〜
60%とすると具合がよい。
【0112】水和装置に混練装置50を接続するなどし
て連続的に生地原料を混練装置50に送り込む場合、混
練外筒60の側壁の受入口62に混練外筒60の中心軸
に直交するように接続された送入管63から送り込まれ
る。この部位において、送入管63と混練外筒60との
接続部における送入管63の出口方向側に送入を助ける
傾斜部64を形成してあると、麺生地の吸入が円滑に行
き、混練が効率的に行なわれる。
【0113】混練装置50の混練スクリュー70の芯軸
71の材質は軽い合成樹脂41bとしてあると、混練ス
クリュー70が軽量化して片持ち支持しやすく、また、
生地が付着しにくい樹脂を採用することができ、混練外
筒60を摩擦係数の異なるステンレス製としてあると、
混練スクリュー70との摩擦係数の近いから練り効果が
高まる。
【0114】混練装置50の混練スクリュー70の回転
数は対象に応じた速度が望ましいが、低速の50rpm 以
下とすると具合がよい。また、混練スクリュー70の溝
深さも深過ぎると生地が分断されるので、25mm以下が
具合がよい。
【0115】混練装置50の麺生地の吐出口65は、円
形,だ円,4角形等の凹凸の少ない単純な形状に設定し
てあれば、麺生地がねじれたり切られることがなく、グ
ルテンの連続した食味のよい麺生地が吐出される。
【0116】水和装置20の吐出端36と混練装置50
の受入口62との間の接続管37に設けられたロータリ
ーバルブ15は水和装置20の水和外筒30と混練装置
50の混練外筒60とを分断するようにシールし、この
状態でロータリーバルブ15と混練装置50の受入口6
2との間の空気を吸引管で吸うと、減圧されて麺生地の
空気が効果的に抜かれ、余分な空気の入らない、品質の
よい麺生地となる。水和装置20側で抜くことも可能で
ある。
【0117】麺生地は、15℃以下の低温で処理する
と、加水率が高く食味のよい麺生地となる。このため、
温度管理部86を設けて、穀粉温、水分温、環境温、製
麺機械温度の少なくとも一つを管理し、加水率にあった
最適な麺生地の温度にするとともに、生地の過度な発熱
を防止するとよい。低温にする趣旨で、製麺装置10を
温度管理、湿度管理可能な雰囲気中に置くことも有効で
ある。また、最適温度の穀粉、水分を外部から導入する
ことにより同じ目的を達成できる。
【0118】水和装置20に温度管理部86を設け、温
度管理部86で穀粉と水分との少なくとも一方の温度を
管理することにより生地原料を適切な温度に管理するこ
とができる。原料ではなく、装置の構成部材の温度を調
節する温度管理部86を設けて、構成部材に接する材料
を適切な温度にすることもできる。外筒の壁内に熱管理
媒体を流す流路を形成すれば、壁の温度を適切に管理し
て麺生地を適切な低温に管理して処理することができ
る。
【0119】穀粉を常温とし、環境温、製麺装置10
温、水分温の少なくとも一つを15℃以下の適温にして
製麺してもよい。また、穀粉、環境、装置を常温とし、
水分を15℃以下の適温として、常温で製麺することも
できる。穀粉を冷却するため、穀粉を製麺装置10に入
れる際、冷気と一緒に装置の中に送り込むと、この励起
により材料が適切な低温になる。麺生地の吐出口65を
断熱材で覆い、冷気が外部に逃げないようにすると効率
がよくなる。
【0120】雑菌数の発生をおさえ、日持ちをよくする
ため、生成生地温度の発熱温度を10℃以下におさえる
ことがよい。また、外気と作業環境の温湿度差が大きい
場合、作業終了後乾燥熱風を通して結露を防ぐようにす
ると機械装置の老化を防ぐことができる。
【0121】表1は、連続瞬間の水和装置20(φ10
0、L=400)で、約1450R/M回転で水和させ
た生地を連続混練装置50で混練させた生地状態の試験
データである。また、表2は同じ条件での下限データで
ある。
【0122】
【表1】
【0123】
【表2】
【0124】連続式でないバッジミキサだと、ミキシン
グ中に生地のかたまりが大きくなり、生地どうしが連続
して付着または、空回りするなどして、低温でないと多
加水分処理が不能であったが連続方式だと高速回転によ
り、生地かたまりが小さいため、多加水分処理が可能と
なる。さらに、多少生地かたまりが大きくても、混練装
置50で麺帯生地にしてしまうので、処理可能となる。
【0125】又、食塩精度が高い程、生成生地温度が高
くても処理可能であることがわかる。
【0126】次に、麺の種類をかえ、本装置を使用した
場合と従来の混練種類の方法を用いた場合とを比較して
みた。水和装置20の仕様は表3に示すとおりである。
【0127】
【表3】
【0128】うどんの場合の原料穀粉たる小麦粉と水分
との比率は表4に示すとおりである。
【0129】
【表4】
【0130】上記条件の下で動作する連続混練装置50
の仕様は表5に示されている。
【0131】
【表5】
【0132】試料は、表5における水和装置20と混練
装置50の組合せによる麺生地を切歯#10番角で厚さ
2.5mmの麺線とし、100℃の熱湯で7分茹でた後2
4時間経過させたものである。
【0133】そして、表5の仕様の1,2,3,4,
5,6に対応する試料をA,B,C,D,E,Fとし、
食感テストを行なったものが表6である。なお、表中の
評点の判断基準は次のとおりである。
【0134】1)食感 5点 非常に滑らかで粘弾性に富む 4〃 滑らかで粘弾性に富む 3〃 滑らかだがやや粘弾性に欠ける 2〃 やや滑らかさ、粘弾性に欠ける 1〃 滑らかさ、粘弾性に欠ける 2)色調 5点 非常に透明感に優れ、明るく冴えがある 4〃 透明感に優れ、冴えがある 3〃 冴えがあるがやや透明感に欠ける 2〃 やや冴え、透明感に欠ける 1〃 冴えがなく、透明感にも欠ける 3)煮くずれ 5点 煮くずれ非常に少なく、角がしっかりしている 4〃 煮くずれ少なく、やや角がしっかりしている 3〃 煮くずれやや少ない 2〃 煮くずれやや多い 1〃 煮くずれ非常に多い。
【0135】
【表6】
【0136】以上の結果から明らかであるように、本実
施例の装置を用いて製造されたうどんは、その品質,食
感において、従来法による製品よりも有意な優秀性を示
した。
【0137】また、最も理想とする混練装置50の圧縮
比はうどんにおいては60%〜85%の範囲であること
が判明した。さらに同じ圧縮比である場合には長さに関
係なく、長過ぎると肌あれにつながる傾向があることが
わかった。
【0138】同様に、ラーメンの場合は最適圧縮比が3
5〜65%であることがわかった。圧縮比が35%以下
であると硬くスパゲティ食の食感となり、55%以上だ
と麺が脆弱となり、透明感のない麺になる。
【0139】また、表7は混練装置50(エキストリュ
ーダ)の試験結果である。
【0140】
【表7】
【0141】表8は麺の種類と製麺条件および装置概要
を示す表である。
【0142】
【表8】
【0143】なお、温度管理に関しては、 1 低温の方が作業性と味はいい。
【0144】2 ミキサ(水和装置)1分〜2分とエク
ストリューダ(混練装置)の方が、ミキサ5〜6分とエ
クストリューダよりはるかに食感がいいことが分かっ
た。
【0145】そして、多加水処理においては、温度上昇
が生地のだるみにつながり、既存の連続システムでは、
温度上昇がミキサで5〜7℃、エクストリューダで7〜
10℃上昇するため多加水処理にむかなかったが、当シ
ステムでは、コンパクト設計することにより、ミキサで
3℃、エクストリューダで2℃、計5℃におさえ、多加
水対策が可能となり、冷却する場合も温度上昇が少ない
分だけ高めの温度処理が可能となる。
【0146】図12は装置を停止する処理を示す流れ図
である。ステップ14で停止の処理が始まる。ステップ
15,16は以上に対処する処理である。停止時にも、
ステップ15〜19において、水和装置20の水和工程
における穀粉の投入停止と水分の噴出停止とのタイミン
グが合わせられている。
【0147】ステップ20,21では加水量モータの停
止タイムアップがなされ、以上がないとステップ22〜
24で装置が停止する。以上があるとステップ25,2
6で一旦停止を取り止め、図10の非常停止の処理に移
行する。
【0148】なお、前記実施例では、水和装置の水和軸
体と混練装置の混練スクリューのいずれにも片持ち支持
した軸体を採用したものを示したが、水和軸体は両持ち
にしてもよく、混練スクリューは、吐出口に障害物が少
ない構成とするため、図9に示すように、混練外筒60
の末端に余空間66を設けてそこに吐出口67を設け、
余空間66内には螺旋を設けず軸のみを通すようにした
構成としても有効である。
【0149】
【発明の効果】本発明にかかる製麺装置によれば、水和
工程とねり工程を分離し、ねり作用等を行う回転翼等は
用いずに、小麦穀粉粒子に直接微粒子状の水分を添付さ
せることにより当初から水分が均等に小麦穀粉の各粒子
にゆきわたるようにして純粋に加水分を完了し、その後
において必要とする場合には必要に応じねり工程あるい
は加圧工程を加えてグルテンのSS結合化=網目構造化
を行う加水分熟成ができるようにしたから、処理時間を
著しく短縮し、品質がよく、加水率の多様な食味のよい
麺類を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る製麺装置を示す縦断面
図である。
【図2】本発明の一実施例に係る製麺装置を示す斜視図
である。
【図3】本発明の一実施例に係る製麺装置の水和装置を
示す縦断面図である。
【図4】本発明の一実施例に係る製麺装置の水和装置の
ピン体の配置の一例を示す横断面図である。
【図5】本発明の一実施例に係る製麺装置の混練装置の
混練スクリューの各種の例を示す正面図である。
【図6】本発明の一実施例に係る製麺装置の制御部を示
すブロック図である。
【図7】本発明の一実施例に係る製麺装置の水和装置の
エアー抜き回路を示す説明図である。
【図8】本発明の一実施例に係る製麺装置の水和装置に
おける水和外筒の他の例を示す縦断面図である。
【図9】本発明の一実施例に係る製麺装置の混練装置の
他の例を示す説明図である。
【図10】本発明の一実施例に係る製麺装置の動作を説
明する流れ図である。
【図11】本発明の一実施例に係る製麺装置の動作を説
明する流れ図である。
【図12】本発明の一実施例に係る製麺装置の動作を説
明する流れ図である。
【符号の説明】
10…製麺装置 15…ロータリーバルブ 20…水和装置 30…水和外筒 31…受入口 32…水和室 33…噴出孔 36…吐出端 40…水和軸体 41…芯体 43…螺旋送り部 45…ピン体 50…混練装置 60…混練外筒 61…余空間 62…受入口 63…送入管 64…傾斜部 65…吐出口 70…混練スクリュー 71…芯軸 72…スクリューフィン 80…制御部 81…粉量設定データメモリー部 82…加水率設定データメモリー部 83…加水量データ演算処理部 84…加水量設定データメモリ部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年11月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】明細書
【発明の名称】製麺装置および製麺方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、穀粉に水分を混ぜ、麺
生地を連続的に生産することができるようにした製麺装
置および製麺方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、小麦穀粉を製麺する場合、容器中
に何らかの形状の回転翼を有する構造のミキサーを使用
し、容器中に小麦穀粉と水分を入れ、回転する翼でこれ
を攪拌あるいは加圧することにより、部分的な含水分小
麦穀粉をこまかくくだき、均質化し、また水分を他の穀
粉末部分に浸透させ加水分熟成てゆくのが一般的であ
る。そして、同時にねばり成分に転化した蛋白質(グル
テン)の結合を促し、その編目構造を作りあげてゆく。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の技術では、小麦穀粉中に含有される空気泡が
水分の拡散と蛋白質との結合を妨げるためかなりの長時
間を要し、加水分量の比較的少ない製麺等においては、
ミキシング工程中においては蛋白質の加水分によるねば
り成分=グルテンへの転化を完了することはできなかっ
た。もっといえば、その後のグルテンへの転化が可能な
水分を含有する諸過程中においてもこの転化=グルテン
の活用を完了することができず、小麦穀粉中のねばり成
分を活かしきれなかった。
【0004】これを改良するため、ミキサー中を減圧
し、あるいは麺体を加圧して空気泡を取除いて水分を蛋
白質の結合を促す方法等も提案されているが、逆に製品
中の微小空気泡がほとんどなくなるために製品のゆであ
げ時間を長びかせたり、また、食味を著しく損ねるた
め、この方法も一長一短である。
【0005】従来のミキサーによる加圧熟成工程は、ま
た前記のように水分と結合し、ねばり成分=グルテンに
転化した蛋白質の結合(SS結合)の工程でもあるが、
この結合は一旦出来上った結合がその後の攪拌,加圧等
により破壊されることになり、しかも、一旦破壊された
場合は、引き続く攪拌,加圧によっては再結合しない性
質のもので、折角のグルテンが工程を追うに従って破壊
されることになる。
【0006】従来のミキサーによるミックス工程は、
1)水分の浸透による蛋白質のグルテンへの転化、2)
グルテンのSS結合によるグルテンの網目構造化、3)
早期にグルテン化し、SS結合が完了した結合構造の破
壊、そして4)多少の細胞粒子の微粒子化と、澱粉の損
傷と損傷澱粉の含水が時間の経過と共にその比率は変化
するが、同時に進行する工程である。
【0007】1)の転化が従来の方法では部分から全体
に及ぶ漸進的な時間を要するものであるために、3)の
破壊や4)の現象が生じ、2)のSS結合化量が3)の
破壊量に比べて大きい間は、いわゆる粘弾性が増加する
過程であり、3)が2)を越えた時点からが、いわゆる
オーバーミキシングの過程であり、この3)の結合破壊
が同時に進行する従来の技術は、グルテン活用の観点か
らみて大きな問題があるといえる。また、4)の変化は
多少とはいえ、蛋白質の含水分化=グルテンへの転化を
妨げる。
【0008】また、これまでの連続システムは、混合の
みで練り不足であり、グルテンの網目構造化が不完全で
あった。また、大型ミキサでは筒の長さが長く、高速回
転による生地の痛み,温度上昇がグルテンの破壊につな
がった。
【0009】本発明は、このような従来の技術が有する
問題点に着目してなされたもので、従来の有翼ミキサー
等を使用して攪拌,加圧する加水分熟成方法が、a)長
時間を要し、しかもb)蛋白質の粘り成分化が不十分で
あり、c)粘り成分の網目構造化による活用にたいへん
な無駄がある点に着目してなされたものである。
【0010】また、従来の方法が、A)加水分浸透によ
る蛋白質のグルテン化の工程と、B)グルテンのSS結
合による網目構造化の工程が同時に進行する方法であ
り、この同時進行が先きに述べたように悪い効果をもた
らしているばかりでなく、その要求される機能の観点か
らみても、例えば製パン,製麺においては(A),
(B)両工程が要求されるが、ソフト系の製菓において
は(B)工程は必要としないという点等に着目してなさ
れたものである。
【0011】本発明は、両工程を分離し、ねり作用等を
行う回転翼等は用いずに、小麦穀粉粒子に直接微粒子状
の水分を添付させることにより当初から水分が均等に小
麦穀粉の各粒子にゆきわたるようにして純粋に加水分を
完了し、その後において必要とする場合には必要に応じ
ねり工程あるいは加圧工程を加えてグルテンのSS結合
化=網目構造化を行う加水分熟成ができる技術を提供す
るものである。
【0012】このような技術とすることにより、次のよ
うな目的が同時にまたは別々に達成される。
【0013】(I) 時間の著しい短縮。
【0014】(II) 蛋白質の粘り成分への完全な転化。
空気を抜去る方法を採らないことによる製品の風貌への
悪影響の防止。
【0015】(III)ねり工程は純粋にねり工程としてス
タートさせ、SS結合=網目構造の破壊をほとんど無く
し、はるかに緻密,多量,良質のグルテンの網目構造を
える。
【0016】(IV) ねり工程を必要とする場合、しない
場合に応じ、用途に適した工程を選択しうるようにす
る。
【0017】(V) 加水分熟成工程の連続化を容易にす
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、 1 穀粉に水分を混ぜ、麺生地を連続的に生産すること
ができるようにした製麺装置において、製麺装置は、穀
粉を水分と和合させてそぼろ状の生地原料にする水和装
置(20)と、生地原料を混練して麺生地にする混練装
置(50)とを備えて成り、前記水和装置(20)は、
穀粉の受入口(31)を有する水和外筒(30)と、該
水和外筒(30)の中央に軸支された水和軸体(40)
と、前記水和外筒(30)の受入口(31)に対応して
該水和軸体(40)に設けられた螺旋送り部(43)
と、該螺旋送り部(43)に続く水和室(32)で前記
水和軸体(40)の外周に植設されたピン体(45,4
5…)と、前記水和外筒(30)の内部に向けて水分を
噴出するよう内壁に形成された噴出孔(33)とを備え
て成り、前記混練装置(50)は、前記水和装置(2
0)の水和外筒(30)の吐出端(36)に接続される
混練外筒(60)と、該混練外筒(60)内に圧縮比が
35%〜85%になるよう構成された混練スクリュー
(70)と、前記混練外筒(60)の末端に障害物がな
いように形成された余空間(61)から開口する円滑な
形状の吐出口(65)とを備えて成ることを特徴とする
製麺装置。
【0019】2 穀粉に水分を混ぜ、麺生地を連続的に
生産することができるようにした製麺装置において、製
麺装置は、穀粉を水分と和合させてそぼろ状の生地原料
にする水和装置(20)と、生地原料を攪拌して麺生地
にする混練装置(50)とを備えて成り、前記水和装置
(20)は、穀粉の受入口(31)を有する水和外筒
(30)と、該水和外筒(30)の中央に軸支された水
和軸体(40)と、前記水和筒体の受入口(31)に対
応して該水和軸体(40)に設けられた螺旋送り部(4
3)と、該螺旋送り部(43)に続く水和室(32)で
前記軸体の外周に植設されたピン体(45,45…)
と、前記水和外筒(30)の内部に向けて水分を噴出す
るよう内壁に形成された噴出孔(33)とを備えて成
り、前記混練装置(50)は、前記水和装置(20)の
水和外筒(30)の吐出端(36)に接続される混練外
筒(60)と、該混練外筒(60)内に圧縮比が35%
〜85%になるよう受入側を片持ちに軸支された混練ス
クリュー(70)と、前記混練外筒(60)の末端に障
害物がないように形成された吐出口(65)とを備えて
成ることを特徴とする製麺装置。
【0020】3 穀粉の受入口(31)を有する水和外
筒(30)と、該水和外筒(30)の中央に軸支された
水和軸体(40)と、前記水和筒体の受入口(31)に
対応して該水和軸体(40)に設けられた螺旋送り部
(43)と、該螺旋送り部(43)に続く水和室(3
2)で前記軸体の外周に植設されたピン体(45,45
…)と、前記水和外筒(30)の内部に向けて水分を噴
出するよう内壁に形成された噴出孔(33)とを備えて
成る水和装置(20)を備えたことを特徴とする製麺装
置。
【0021】4 水和された生地原料を受け入れる混練
外筒(60)と、該混練外筒(60)内に圧縮比が35
%〜85%になるよう受入側を片持ちに軸支された混練
スクリュー(70)と、前記混練外筒(60)の末端に
障害物がないように形成された吐出口(65)とを備え
て成る混練装置(50)を備えたことを特徴とする製麺
装置。
【0022】5 穀粉と水分とを瞬間的に和合させて攪
拌することによりそぼろ状の生地原料にする水和工程
と、該生地原料を圧縮比が35%〜85%で、生地を分
断しないよう連続的に送りながら攪拌して麺生地にする
混練工程とを備えて成る製麺方法。
【0023】6 水分の噴出は水和外筒(30)の噴出
孔(33)からピン体(45,45…)の先端部に向け
て噴出するよう配設したことを特徴とする項1,2,3
記載の製麺装置。
【0024】7 水和外筒(30)の噴出孔(33)下
を通過するよう2〜6本のピン体(45,45…)を同
一円周上に配設したことを特徴とする項1,2,3記載
の製麺装置。
【0025】8 水和装置(20)の水和軸体(40)
の回転数を穀粉と水分とが瞬間的に和合させて攪拌して
そぼろ状になる程度の高速回転させる駆動部を設けたこ
とを特徴とする項1,2,3記載の製麺装置。
【0026】9 水和軸体(40)を、金属材料を芯と
して外周を軽量材料である合成樹脂で覆った構造とした
ことを特徴とする項1,2,3記載の製麺装置。
【0027】10 水和装置(20)において混合開始
と終了時の水分と穀粉のタイミングを合わせるため、穀
粉を先に出し、次に水分を出すよう0.2秒程度のタイ
ム差をつける制御部を設けたことを特徴とする項1,
2,3記載の製麺装置。
【0028】11 水和工程において混合開始と終了時
の水分と穀粉のタイミングを合わせるため、穀粉を先に
出し、次に水分を出すよう0.2秒程度のタイム差をつ
けるようにしたことを特徴とする項4記載の製麺方法。
【0029】12 水和装置(20)において、水供給
ポンプにエアーが入り、水分のタイミングが遅くなるの
を防ぐために、エアー抜き回路を作り、一定時間エアー
抜きした後混合開始する制御部を設けたことを特徴とす
る項1,2,3記載の製麺装置。
【0030】13 水和装置(20)において、ダイア
ル設定可能なよう穀粉量に合った加水分量を表示する表
示部を有する制御部を設けたことを特徴とする項1,
2,3記載の製麺装置。
【0031】14 水和装置(20)において、穀粉の
種類に応じた加水率を記憶する記憶部と、該記憶部に記
憶された穀粉の種類に応じ、穀粉量に合った加水分量を
表示してダイアル設定可能にする表示部を有する制御部
を設けたことを特徴とする項1,2,3記載の製麺装
置。
【0032】15 混練装置(50)において、混練ス
クリュー(70)の芯軸を先太に形成したことを特徴と
する請求項1,2,4記載の製麺装置。
【0033】16 混練装置(50)において、混練ス
クリュー(70)のスクリューピッチを先端に行くに従
い小さくしたことを特徴とする請求項1,2,4記載の
製麺装置。
【0034】17 穀粉と水分を項1,2記載の水和装
置(20)に投入して水和し、この水和された生地原料
を、圧縮比が35%〜85%で混練スクリュー(70)
が片持ちに軸支され、吐出口(65)に障害物が形成さ
れていない混練装置(50)に供給して混練することを
特徴とする製麺方法。
【0035】18 うどん生地製造の場合は、混練装置
(50)の圧縮比を60%〜85%とすることを特徴と
する項1,2,4記載の製麺装置。
【0036】19 ラーメン生地製造の場合は、混練装
置(50)の圧縮比を35%〜65%とすることを特徴
とする項1,2,4記載の製麺装置。
【0037】20 そば生地製造の場合は、混練装置
(50)の圧縮比を40%〜60%とすることを特徴と
する項1,2,4記載の製麺装置。
【0038】21 混練装置(50)には混練外筒(6
0)の側壁に受入口(62)が開設されていて、該受入
口(62)に該混練外筒(60)の中心軸に直交するよ
うにの送入管が接続しており、該送入管と該混練外筒
(60)との接続部における該送入管の出口方向側に送
入を助ける傾斜部を形成したことを特徴とする項1,
2,4記載の製麺装置。
【0039】22 混練装置(50)の混練スクリュー
(70)の芯軸の材質は軽い合成樹脂とし、外筒は摩擦
係数の異なるステンレス製としたことを特徴とする項
1,2,4記載の製麺装置。
【0040】23 混練装置(50)の混練スクリュー
(70)の回転数を50rpm 以下としたことを特徴とす
る項1,2,4記載の製麺装置。
【0041】24 混練装置(50)の混練スクリュー
(70)の溝深さを25mm以下としたことを特徴とする
項1,2,4記載の製麺装置。
【0042】25 混練装置(50)の麺生地の吐出口
(65)を凹凸の少ない単純な形状に設定したことを特
徴とする項1,2,4記載の製麺装置。
【0043】26 水和装置(20)の吐出端(36)
と混練装置(50)の受入口(31)との間に接続管を
設け、該接続管にロータリーバルブを配設し、該ロータ
リーバルブと混練装置(50)の受入口(62)との間
に吸引管を接続したことを特徴とする項1,2記載の製
麺装置。
【0044】27 加水率にあった最適な麺生地の温度
にするとともに、生地の過度な発熱を防止するために、
穀粉温、水分温、環境温、製麺機械温度の少なくとも一
つを管理する温度管理部を設けたことを特徴とする項
1,2,3,4記載の製麺装置。
【0045】28 項1,2,3,4記載の製麺装置を
温度管理、湿度管理可能な雰囲気中に置くことを特徴と
する製麺方法。
【0046】29 項1,2,3,4記載の製麺装置
に、最適温度の穀粉、水分を外部から導入することを特
徴とする製麺方法。
【0047】30 穀粉と水分との少なくとも一方の温
度を管理する温度管理部を水和装置(20)に設けたこ
とを特徴とする項1,2,3記載の製麺装置。
【0048】31 装置の構成部材の温度を調節する温
度管理部を設けたことを特徴とする項1,2,3,4記
載の製麺装置。
【0049】32 外筒の壁内に熱管理媒体を流す流路
を形成したことを特徴とする項1,2,3,4記載の製
麺装置。
【0050】33 穀粉を常温とし、環境温、製麺装置
温、水分温の少なくとも一つを15℃以下の適温にして
製麺することを特徴とする項5,17記載の製麺方法。
【0051】34 穀粉、環境、装置を常温とし、水分
を15℃以下の適温として、常温で製麺することを特徴
とする項5,17記載の製麺方法。
【0052】35 穀粉を冷却するため、穀粉を製麺装
置に入れる際、冷気と一緒に中に送り込むことを特徴と
する項5,17記載の製麺方法。
【0053】36 麺の吐出口(65)を断熱材で覆
い、冷気が外部に逃げないようにすることを特徴とする
項35記載の製麺方法。
【0054】37 雑菌数の発生をおさえ、日持ちをよ
くするため、生成生地温度の発熱温度を10℃以下にお
さえることを特徴とする項5,17記載の製麺方法。
【0055】38 機械装置の老化を防ぐため、外気と
作業環境の温湿度差が大きい場合、作業終了後乾燥熱風
を通して結露を防ぐようにすることを特徴とする項5,
17記載の製麺方法。に存する。
【0056】
【作用】製麺装置は、穀粉に水分を混ぜ、麺生地を連続
的に生産する。先ず、水和装置(20)は水和工程を受
け持っており、穀粉が受入口(31)から水和外筒(3
0)の始端に連続的に投入される。水和外筒(30)内
では駆動部により水和軸体(40)が穀粉と水分とが瞬
間的に和合させて攪拌してそぼろ状になる程度の高速回
転しており、穀粉は水和軸体(40)に設けられた螺旋
送り部(43)により水和室(32)に送られ、そこで
軸体の外周に植設されたピン体(45,45…)により
弾かれる。水和室(32)では、水和外筒(30)の内
壁から内部に向けて水分が噴出しており、穀粉と水分と
が激しく攪拌され瞬間的に和合してそぼろ状の生地原料
になる。
【0057】この生地原料は別の場所に運んで圧延して
麺生地に加工してもよく、連続して混練装置(50)に
送って麺生地に加工してもよい。混練工程を受け持つ混
練装置(50)は、水和装置(20)に連続して処理す
る場合は水和装置(20)の水和外筒(30)の吐出端
(36)に接続された混練外筒(60)から生地原料を
連続的に受け入れる。また、別に製造してある生地原料
を受け入れるようにしてもよい。
【0058】混練装置(50)の混練外筒(60)内で
は混練スクリュー(70)が適切な速度で回転してお
り、混練外筒(60)を通過すると生地原料は穀粉の種
類にもよるが、圧縮比が35%〜85%の圧縮比で圧縮
される。混練外筒(60)の末端では、障害物がないよ
うに形成された余空間(61)から開口する円滑な形状
の吐出口(65)に麺生地が押し出され、生地が分断さ
れずグルテンの断裂のない麺生地が吐出口(65)から
安定した状態で吐出される。
【0059】水和装置(20)で、水和外筒(30)の
噴出孔(33)からピン体(45,45…)の先端部に
向けて水分を噴出するようにすると、水分が激しく攪拌
され、穀粉との瞬間的和合がされやすくなる。また、水
和外筒(30)の噴出孔(33)下を通過するよう2〜
6本のピン体(45,45…)を同一円周上に配設して
あると、適量の多量の水分が一層激しく攪拌されて適切
に穀粉と水分との和合ができる。
【0060】水和軸体(40)を、金属材料を芯として
外周を軽量材料である合成樹脂で覆った構造としてある
と、金属材料により強度剛性が保たれ、合成樹脂で軽量
化がなされ、ぶれなく高速で水和軸体(40)が回転で
きる。
【0061】水和装置(20)の水和工程において穀粉
の投入と水分の噴出とのタイミングが合わないと、混合
開始と終了時に水分と穀粉との混合比が違ってしまい、
不良材料として廃棄しなければならないなどの無駄が出
るので、制御部ではタイミングを合わせるため、穀粉を
先に出し、次に水分を出すよう0.2秒程度のタイム差
をつけるようにするとよい。
【0062】水和装置(20)において、水供給ポンプ
にエアーが入り、水分のタイミングが遅くなるのを防ぐ
ために、エアー抜き回路が作られていると、制御部では
一定時間エアー抜きした後混合開始するので、エアーに
よる障害がなく円滑に処理を進めることができる。ま
た、穀粉量に合った加水分量が表示部に表示されている
と、それに合わせてダイヤルを設定することができ、間
違いのない工程設定をすることができる。さらに、記憶
部で穀粉の種類に応じた加水率を記憶しておき、穀粉の
種類に応じ、穀粉量に合った加水分量を表示すれば一層
精度が上がり、迅速な設定をすることができる。
【0063】混練スクリュー(70)が片持ちに軸支さ
れた混練外筒(60)の末端では、軸体もなくて障害物
がなく、生地が分断されずグルテンの断裂のない麺生地
が吐出口(65)から安定した状態で吐出される。ま
た、混練スクリュー(70)の芯軸を先太に形成したも
のでは、混練外筒(60)との間の空間が先に行くに従
い小さくなるので、小さい距離で適切な圧縮比を得るこ
とができる。同様に、混練スクリュー(70)のスクリ
ューピッチを先端に行くに従い小さくしたものでも、先
端に行くに従い空間が小さくなり、圧縮比が上がる。こ
れらを適切に設定することにより所望の圧縮比を得るこ
とができる。
【0064】なお、混練装置(50)での圧縮比は、う
どん生地製造の場合は60%〜85%、ラーメン生地製
造の場合は35%〜65%、そば生地製造の場合は40
%〜60%とすると具合がよい。
【0065】水和装値に混練装置(50)を接続するな
どして連続的に生地原料を混練装置(50)に送り込む
場合、混練外筒(60)の側壁の受入口(62)に混練
外筒(60)の中心軸に直交するように接続された送入
管から送り込まれる。この部位において、送入管と混練
外筒(60)との接続部における送入管の出口方向側に
送入を助ける傾斜部を形成してあると、麺生地の吸入が
円滑に行き、混練が効率的に行なわれる。
【0066】混練装置(50)の混練スクリュー(7
0)の芯軸の材質は軽い合成樹脂としてあると、混練ス
クリュー(70)が軽量化して片持ち支持しやすく、ま
た、生地が付着しにくい樹脂を採用することができ、混
練外筒(60)を摩擦係数の異なるステンレス製として
あると、混練スクリュー(70)との摩擦係数の近いか
ら練り効果が高まる。
【0067】混練装置(50)の混練スクリュー(7
0)の回転数は対象に応じた速度が望ましいが、低速の
50rpm 以下とすると具合がよい。また、混練スクリュ
ー(70)の溝深さも深過ぎると生地が分断されるの
で、25mm以下が具合がよい。
【0068】混練装置(50)の麺生地の吐出口(6
5)は、円形,だ円,4角形等の凹凸の少ない単純な形
状に設定してあれば、麺生地がねじれたり切られること
がなく、グルテンの連続した食味のよい麺生地が吐出さ
れる。
【0069】水和装置(20)の吐出端(36)と混練
装置(50)の受入口(62)との間の接続管に設けら
れたロータリーバルブは水和装置(20)の水和外筒
(30)と混練装置(50)の混練外筒(60)とを分
断するようにシールし、この状態でロータリーバルブと
混練装置(50)の受入口(62)との間の空気を吸引
管で吸うと、減圧されて麺生地の空気が効果的に抜か
れ、余分な空気の入らない、品質のよい麺生地となる。
【0070】麺生地は、15℃以下の低温で処理する
と、加水率が高く食味のよい麺生地となる。このため、
温度管理部を設けて、穀粉温、水分温、環境温、製麺機
械温度の少なくとも一つを管理し、加水率にあった最適
な麺生地の温度にするとともに、生地の過度な発熱を防
止するとよい。低温にする趣旨で、製麺装置を温度管
理、湿度管理可能な雰囲気中に置くことも有効である。
また、最適温度の穀粉、水分を外部から導入することに
より同じ目的を達成できる。
【0071】水和装置(20)に温度管理部を設け、温
度管理部で穀粉と水分との少なくとも一方の温度を管理
することにより生地原料を適切な温度に管理することが
できる。原料ではなく、装置の構成部材の温度を調節す
る温度管理部を設けて、構成部材に接する材料を適切な
温度にすることもできる。外筒の壁内に熱管理媒体を流
す流路を形成すれば、壁の温度を適切に管理して麺生地
を適切な低温に管理して処理することができる。
【0072】穀粉を常温とし、環境温、製麺装置温、水
分温の少なくとも一つを15℃以下の適温にして製麺し
てもよい。また、穀粉、環境、装置を常温とし、水分を
15℃以下の適温として、常温で製麺することもでき
る。穀粉を冷却するため、穀粉を製麺装置に入れる際、
冷気と一緒に装置の中に送り込むと、この励起により材
料が適切な低温になる。麺生地の吐出口(65)を断熱
材で覆い、冷気が外部に逃げないようにすると効率がよ
くなる。
【0073】雑菌数の発生をおさえ、日持ちをよくする
ため、生成生地温度の発熱温度を10℃以下におさえる
ことがよい。また、外気と作業環境の温湿度差が大きい
場合、作業終了後乾燥熱風を通して結露を防ぐようにす
ると機械装置の老化を防ぐことができる。
【0074】
【実施例】以下、図面に基づき本発明の一実施例を説明
する。図1〜図3は本発明に係る製麺装置の一実施例を
示している。製麺装置10は、穀粉に水分を混ぜ、麺生
地を連続的に生産することができるようにしたものであ
り、穀粉を水分と和合させてそぼろ状の生地原料にする
水和装置20と、生地原料を混練して麺生地にする混練
装置50とを備えて成る。製麺装置10の各構成部材
は、図2でわかるように、基台11に支持してあり、制
御部80も基台11に支持されている。
【0075】図1,図3および図4でわかるように、水
和装置20は、穀粉の受入口31を有する水和外筒30
と、水和外筒30の中央に軸支された水和軸体40と、
水和外筒30の受入口31に対応して水和軸体40に設
けられた螺旋送り部43と、螺旋送り部43に続く水和
外筒30の水和室32で軸体40の外周に植設されたピ
ン体45,45…と、水和外筒30の内部に向けて水分
を噴出するよう内壁に形成された噴出孔33とを備えて
成る。
【0076】なお、図3はピン体が4本であるが、図4
は6本のものを示している。また、図2でわかるよう
に、受入口31には設定流量で穀粉を流すホッパ12が
設けられている。
【0077】水和外筒30は横設されており、制御部8
0により制御される駆動部として電動モータM1が水和
外筒30の端部34に固設されている。水和外筒30の
受入口31のすぐ下流の内壁に前記噴出孔33が開設さ
れ、噴出孔33には水分導管35が接続されている。水
和外筒30の吐出端36は90度曲げて混練装置50へ
の接続管37が形成されている。駆動部たる電動モータ
M1は、水和装置20の水和軸体40の回転数を穀粉と
水分とが瞬間的に和合させて攪拌してそぼろ状になる程
度に高速回転させるものである。
【0078】水和軸体40は、芯体41が片持ちにして
電動モータM1に枢支され、芯体41は金属材料41a
を芯として外周を軽量材料であるポリプロピレン等の合
成樹脂41bで覆った構造としてある(図4参照)。ピ
ン体45,45…は、始端部位では、水和外筒30の噴
出孔33から噴出する水分がピン体45,45…の先端
部に向けて噴出するよう、つまり、水和外筒30の噴出
孔33下を通過するよう2〜6本のピン体45,45…
が同一円周上に配設されている。
【0079】図1でわかるように、混練装置50は、水
和装置20の水和外筒30の吐出端36に接続される混
練外筒60と、混練外筒60内に圧縮比が35%〜85
%になるように受入側を片持ちに軸支された混練スクリ
ュー70と、混練外筒60の末端に障害物がないように
形成された余空間61から開口する円滑な形状の吐出口
65とを備えて成る。
【0080】混練装置50の混練外筒60の側壁に受入
口62が開設されていて、受入口62に混練外筒60の
中心軸に直交するように送入管63が接続しており、送
入管63と混練外筒60との接続部における送入管63
の出口方向側に送入を助ける傾斜部64が形成されてい
る。外筒60は摩擦係数の異なるステンレス製としてあ
るのに対し、混練スクリュー70の芯軸71の材質は軽
い合成樹脂としてある。
【0081】送入管63が接続している混練外筒60の
基端65に電動モータM2が固設され、電動モータM2
に回転駆動されるよう混練スクリュー70の芯軸71が
電動モータM2に片持ちで支持されている。図5
(a),(b)に示すように、混練スクリュー70の芯
軸71は基部から先端にかけて先太に形成され、スクリ
ューフィン72のスクリューピッチは、等ピッチにした
り、先端に行くに従い小さくしてある。
【0082】芯軸71の先太の割合や、スクリューフィ
ン72のピッチを適切に設定することにより、うどん生
地製造の場合は、混練装置50の圧縮比を60%〜85
%に、ラーメン生地製造の場合は、圧縮比を35%〜6
5%に、そば生地製造の場合は、圧縮比を40%〜60
%とする。
【0083】混練装置50の混練スクリュー70の回転
数は高速は好ましくなく、50rpm以下とするのがよ
い。また、練り効果を適切にするには、混練スクリュー
70の溝深さを25mm以下とするのがよい。そして、麺
生地を痛めてグルテンを破壊しないよう、麺生地の吐出
口65は凹凸の少ない円形や4角形の単純な形状に設定
されている。
【0084】本実施例は、水和装置20と混練装置50
とを接続して連続的に処理するよう構成したものである
ので、水和装置20の吐出端36と混練装置50の受入
口62との間に接続管37が設けられ、同じく接続管で
ある送入管63との間にロータリーバルブ15が介装し
て配設されている。ロータリーバルブ15は接続管37
と送入管63との流路を密閉して開閉するものであり、
ロータリーバルブ15と受入口62との間の送入管63
に空気の吸引管13が接続されている。
【0085】図6は制御部80を示しており、シーケン
サ内部に粉量設定データメモリー部81,加水率設定デ
ータメモリー部82,加水量データ演算処理部83,加
水量設定データメモリ部84が設けられ、それらに、粉
量設定スイッチSW1,加水率を変えるためのUPスイ
ッチSW2およびDOWNスイッチSW3,セットスイ
ッチSW4が接続するとともに、加水表示部85が設け
られ、また、出力側は、D/A変換ユニットおよびイン
バータユニットを介して粉定量モータM3および加水量
モータM4が接続されている。
【0086】粉量設定データメモリー部81は粉量設定
スイッチSW1による設定粉量を記憶するものであり、
加水率設定データメモリー部82は、種類により穀粉の
密度が異なるものであるのに対し、穀粉の種類に応じた
加水率を記憶するものであり、加水量データ演算処理部
83は加水率設定データメモリー部82による加水率デ
ータに基づき過水量を算出するものであり、加水量設定
データメモリ部84は算出された加水量を記憶するもの
である。
【0087】セットスイッチSW4は設定完了を制御部
80に告知するものであり、DOWNスイッチSW3,
セットスイッチSW4は設定値を増減するものである。
そして、加水表示部85は、上記設定や演算に基づく加
水量や加水率を表示するもので、この表示により状況に
応じたサイアル設定が可能となる。また、制御部80
は、水和装置20において混合開始と終了時の水分と穀
粉のタイミングを合わせるため、穀粉を先に出し、次に
水分を出すよう0.2秒程度のタイム差をつけるように
設定されている。
【0088】図7は、水和装置20において水供給ポン
プにエアーが入り、水分のタイミングが遅くなるのを防
ぐためのエアー抜き回路を示しており、水タンクT,ポ
ンプPから水供給電磁弁V1を介して噴出孔33に至る
水供給路に循環路R1を設け、循環路R1に電磁開閉弁
V2,V3を設けてある。そして、制御部80では、水
供給電磁弁V1,V2,V3を開閉して、例えば5秒程
度の一定時間エアー抜きした後に混合開始するようにし
てある。
【0089】また、制御部80には、加水率にあった最
適な麺生地の温度にするとともに、生地の過度な発熱を
防止するために、穀粉温、水分温、環境温、製麺機械温
度の少なくとも一つを管理する温度管理部86が設けら
れている。温度管理部86は図示省略した冷却手段や音
熱手段を用いてこれら温度を適切に保つものである。ま
た、温度管理部86には、穀粉と水分との少なくとも一
方の温度を管理するようにさせることもできるし、装置
の構成部材の温度を調節するようにさせることもでき
る。
【0090】温度管理部86による温度管理を行なうた
め、図8に示すように、水和外筒30の壁内に熱管理媒
体を流す流路39を形成することができる。同様に混練
外筒60に流路を設けることもできる。
【0091】上記構成により、穀粉と水分とを瞬間的に
和合させて攪拌することによりそぼろ状の生地原料にす
る水和工程と、生地原料を圧縮比が35%〜85%で、
生地を分断しないよう連続的に送りながら攪拌して麺生
地にする混練工程とを備えて成る製麺方法が実現でき
る。より具体的には、穀粉と水分を水和装置20に投入
して水和し、この水和された生地原料を、圧縮比が35
%〜85%で混練スクリュー70が片持ちに軸支され、
吐出口65に障害物が形成されていない混練装置50に
供給して混練する製麺方法である。
【0092】温度管理は、製麺装置10を温度管理、湿
度管理可能な雰囲気中に置くことによって行なうことが
でき、製麺装置10に、最適温度の穀粉、水分を外部か
ら導入することによっても行なうことができ、穀粉を常
温とし、環境温、製麺装置温、水分温の少なくとも一つ
を15℃以下の適温にして製麺することにより品質のよ
い麺を作ることができる。穀粉、環境、装置を常温とし
ても、水分を15℃以下の適温として、常温で製麺する
ことで良好な条件にすることができる。また、穀粉を冷
却するため、穀粉を製麺装置に入れる際、冷気と一緒に
中に送り込むこともよく,その際、麺生地の吐出口65
を断熱材で覆い、冷気が外部に逃げないようにすること
も有効である。
【0093】また、雑菌数の発生をおさえ、日持ちをよ
くするため、生成生地温度の発熱温度を10℃以下にお
さえたり、機械装置の老化を防ぐため、外気と作業環境
の温湿度差が大きい場合、作業終了後乾燥熱風を通して
結露を防ぐようにすることも行なわれる。
【0094】次に図10〜図12の流れ図を参照して作
用を説明する。図10および図11は起動モードを示し
ている。ステップ1〜4で起動時の設定がなされる。な
お、次のステップ5は非常停止のとき働くものである。
ステップ1では自動運転が可能かどうかが判断され、穀
粉の種類等により自動運転不能な場合などは手動にな
る。制御部80において、粉量設定スイッチSW1によ
り設定粉量を設定すると、粉量設定データメモリー部8
1にその設定値が記憶される。また、UPスイッチSW
2およびDOWNスイッチSW3で加水率を変えるとそ
の設定値は加水率設定データメモリー部82に記憶され
る。そして、加水量データ演算処理部83は加水率設定
データメモリー部82による加水率データに基づき粉量
設定データメモリー部81から過水量を算出し、加水量
設定データメモリ部84は算出された加水量を記憶する
ものである。設定の完了はセットスイッチSW4を押し
て制御部80に告知することによりなされる。
【0095】加水量および加水率は加水表示部85に表
示され、出力は、D/A変換ユニットおよびインバータ
ユニットを介して粉定量モータM3および加水量モータ
M4が送って制御がなされる。穀粉量に合った加水分量
および加水率が表示部に表示されていると、それに合わ
せてダイヤルを設定することができ、間違いのない工程
設定をすることができる。さらに、各メモリ部で穀粉の
種類に応じた加水率を記憶しておき、穀粉の種類に応
じ、穀粉量に合った加水分量を表示して一層精度が上
げ、迅速な設定をすることができるようになっている。
【0096】水和装置20において、水供給ポンプにエ
アーが入り、水分のタイミングが遅くなるのを防ぐため
に、エアー抜き回路が作られており、図10のステップ
6でエアー抜きがなされる。
【0097】制御部80で起動時に一定時間エアー抜き
した後混合開始するので、エアーによる障害がなく円滑
に処理を進めることができる。エアー抜き回路によるエ
アー抜きは、図7において、水供給電磁弁V1は閉じた
ままで、電磁開閉弁V2,V3を5秒程度開くと、水供
給路から循環路R1に水が流れて内部のエアーが排出さ
れる。その後、電磁開閉弁V2,V3を閉じておき、電
磁弁V1をONにすると、水分はすぐに噴出孔33から
噴出する。電磁弁V2,V3の2つを設けているのは、
同時に開閉をおこない循環路R1にエアーがたまるのを
防ぐためである。電磁弁V3がないと循環路R1にエア
ーがたまり、水供給路にエアーが入る可能性がある。
【0098】これが、通常の連続ミキサだと、水供給ポ
ンプからミキサ注入口へ直接水分を注入するシステムを
とっているので、水頭落差部分にエアーがたまり、水供
給ポンプのONと同時に水分がでず、穀粉が先ばしりし
て水分がおくれることになる。
【0099】図10のステップ7〜9では、水和装置2
0の電動モータM1に電源が入れられ、定常運転になる
までのタイムアップがなされる。水和装置20の水和工
程において穀粉の投入と水分の噴出とのタイミングが合
わないと、混合開始と終了時に水分と穀粉との混合比が
違ってしまい、不良材料として廃棄しなければならない
などの無駄が出るので、タイミングを合わせるため、穀
粉を先に出し、次に水分を出すよう0.2秒程度のタイ
ム差をつけるようにしている。図10のステップ10〜
ステップ13(図11)において、粉定量モータのオン
と加水電磁弁のオン動作とを時間的間隔を付けて行なっ
ているのがこれである。このようにしないと、穀粉と水
分のタイミング取りが難しいため、混合開始と終了時
に、水分か穀粉のどちらかが先ばしり、連続作業にむか
ず、混じりの悪い生地原料を捨てることになる。
【0100】従来は、水供給ポンプのダイヤルによって
加水分を感ではかって動かしているので、タイミングが
合うまではできの悪い生地を捨てることになり、無駄が
出るばかりでなく作業性が悪い。ここでは、穀粉量に合
った加水分量が、ダイアル設定表示されるように制御を
組んだので、作業性が良くなり、生地の無駄がなく、日
々、一定加水分条件で仕事が出来る。
【0101】以上で起動処理が終り、製麺装置10は、
穀粉に水分を混ぜ、麺生地を連続的に生産する。水和装
置20は水和工程を受け持っており、ホッパ12から設
定流量で穀粉穀粉が受入口31に投入され、受入口31
から水和外筒30の始端に連続的に投入される。水和外
筒30内では駆動部たる電動モータM1により水和軸体
40が、穀粉と水分とを瞬間的に和合させ攪拌してそぼ
ろ状になる程度の高速回転しており、穀粉は水和軸体4
0に設けられた螺旋送り部43により水和室32に送ら
れ、そこで水和軸体40の外周に植設されたピン体4
5,45…により弾かれる。水和室32では、水和外筒
30の内壁から内部に向けて水分が噴出しており、穀粉
と水分とが激しく攪拌され瞬間的に和合してそぼろ状の
生地原料になる。
【0102】水和軸体40を、金属材料41aを芯とし
て外周を軽量材料である合成樹脂41bで覆った構造と
してあるので、金属材料41aにより強度剛性が保た
れ、合成樹脂41bで軽量化がなされ、ぶれなく高速で
水和軸体40が回転している。
【0103】水和外筒30の噴出孔33からピン体4
5,45…の先端部に向けて水分を噴出するようにする
と、水分が激しく攪拌され、穀粉との瞬間的和合がされ
やすくなる。また、水和外筒30の噴出孔33下を通過
するよう2〜6本のピン体45,45…を同一円周上に
配設してあると、適量の多量の水分が一層激しく攪拌さ
れて適切に穀粉と水分との和合ができる。
【0104】すなわち、水分導管35から噴出孔33に
噴出する水分は、同一円周に2〜6本のピン体45,4
5…が設置された高速回転(1450R/M程度)する
水和軸体40により、極めて微細な霧状に分散し、粉塵
状に分散された穀粉と瞬間的に水和されグルテンを生成
した生地原料となり、その後、そのグルテンを壊すこと
なく瞬時に排出される。
【0105】この生地原料は別の場所に運んでそのまま
圧延して麺生地に加工してもよく、また、菓子地等に利
用することもでき、連続して混練装置50に送って麺生
地に加工してもよい。
【0106】水和装置20の水和軸体40は、通常のミ
キサより直径長さが小さく生地の発熱が防がれている。
例えば、直径は通常、200〜300φのところを10
0φとし、長さは、通常L=600のところをL=40
0とし、200Kg/Hの穀粉量を処理している。また、生
地原料が進行方向に排出することで、壁面への付着、つ
まりが少なくなっている。
【0107】混練工程を受け持つ混練装置50は、水和
装置20に連続して処理する場合は水和装置20の水和
外筒30の吐出端36に接続された混練外筒60から生
地原料を連続的に受け入れる。また、別に製造してある
生地原料を受け入れるようにしてもよい。
【0108】混練装置50の混練外筒60内では混練ス
クリュー70が適切な速度で回転しており、混練外筒6
0を通過すると生地原料は穀粉の種類にもよるが、圧縮
比が35%〜85%の圧縮比で圧縮される。混練外筒6
0の末端では、障害物がないように形成された余空間6
1から開口する円滑な形状の吐出口65に麺生地が押し
出され、生地が分断されずグルテンの断裂のない麺生地
が吐出口65から安定した状態で吐出される。
【0109】混練スクリュー70が片持ちに軸支された
混練外筒60の末端では、軸体もなくて全く障害物がな
く、生地が分断されずグルテンの断裂のない麺生地が吐
出口65から安定した状態で吐出される。また、混練ス
クリュー70の芯軸71を先太に形成したものでは、混
練外筒60との間の空間が先に行くに従い小さくなるの
で、小さい距離で適切な圧縮比を得ることができる。同
様に、混練スクリュー70のスクリューピッチを先端に
行くに従い小さくしたものでも、先端に行くに従い空間
が小さくなり、圧縮比が上がる。これらを適切に設定す
ることにより所望の圧縮比を得ることができる。
【0110】混練外筒60および混練スクリュー70は
短くてよく、例えば、300〜500mmでよい(従来
は、800〜1400mm)。このため作業性がよく、掃
除等保守もしやすい。
【0111】なお、混練装置50での圧縮比は、うどん
生地製造の場合は60%〜85%、ラーメン生地製造の
場合は35%〜65%、そば生地製造の場合は40%〜
60%とすると具合がよい。
【0112】水和装置に混練装置50を接続するなどし
て連続的に生地原料を混練装置50に送り込む場合、混
練外筒60の側壁の受入口62に混練外筒60の中心軸
に直交するように接続された送入管63から送り込まれ
る。この部位において、送入管63と混練外筒60との
接続部における送入管63の出口方向側に送入を助ける
傾斜部64を形成してあると、麺生地の吸入が円滑に行
き、混練が効率的に行なわれる。
【0113】混練装置50の混練スクリュー70の芯軸
71の材質は軽い合成樹脂41bとしてあると、混練ス
クリュー70が軽量化して片持ち支持しやすく、また、
生地が付着しにくい樹脂を採用することができ、混練外
筒60を摩擦係数の異なるステンレス製としてあると、
混練スクリュー70との摩擦係数の近いから練り効果が
高まる。
【0114】混練装置50の混練スクリュー70の回転
数は対象に応じた速度が望ましいが、低速の50rpm 以
下とすると具合がよい。また、混練スクリュー70の溝
深さも深過ぎると生地が分断されるので、25mm以下が
具合がよい。
【0115】混練装置50の麺生地の吐出口65は、円
形,だ円,4角形等の凹凸の少ない単純な形状に設定し
てあれば、麺生地がねじれたり切られることがなく、グ
ルテンの連続した食味のよい麺生地が吐出される。
【0116】水和装置20の吐出端36と混練装置50
の受入口62との間の接続管37に設けられたロータリ
ーバルブ15は水和装置20の水和外筒30と混練装置
50の混練外筒60とを分断するようにシールし、この
状態でロータリーバルブ15と混練装置50の受入口6
2との間の空気を吸引管で吸うと、減圧されて麺生地の
空気が効果的に抜かれ、余分な空気の入らない、品質の
よい麺生地となる。水和装置20側で抜くことも可能で
ある。
【0117】麺生地は、15℃以下の低温で処理する
と、加水率が高く食味のよい麺生地となる。このため、
温度管理部86を設けて、穀粉温、水分温、環境温、製
麺機械温度の少なくとも一つを管理し、加水率にあった
最適な麺生地の温度にするとともに、生地の過度な発熱
を防止するとよい。低温にする趣旨で、製麺装置10を
温度管理、湿度管理可能な雰囲気中に置くことも有効で
ある。また、最適温度の穀粉、水分を外部から導入する
ことにより同じ目的を達成できる。
【0118】水和装置20に温度管理部86を設け、温
度管理部86で穀粉と水分との少なくとも一方の温度を
管理することにより生地原料を適切な温度に管理するこ
とができる。原料ではなく、装置の構成部材の温度を調
節する温度管理部86を設けて、構成部材に接する材料
を適切な温度にすることもできる。外筒の壁内に熱管理
媒体を流す流路を形成すれば、壁の温度を適切に管理し
て麺生地を適切な低温に管理して処理することができ
る。
【0119】穀粉を常温とし、環境温、製麺装置10
温、水分温の少なくとも一つを15℃以下の適温にして
製麺してもよい。また、穀粉、環境、装置を常温とし、
水分を15℃以下の適温として、常温で製麺することも
できる。穀粉を冷却するため、穀粉を製麺装置10に入
れる際、冷気と一緒に装置の中に送り込むと、この励起
により材料が適切な低温になる。麺生地の吐出口65を
断熱材で覆い、冷気が外部に逃げないようにすると効率
がよくなる。
【0120】雑菌数の発生をおさえ、日持ちをよくする
ため、生成生地温度の発熱温度を10℃以下におさえる
ことがよい。また、外気と作業環境の温湿度差が大きい
場合、作業終了後乾燥熱風を通して結露を防ぐようにす
ると機械装置の老化を防ぐことができる。
【0121】表1は、連続瞬間の水和装置20(φ10
0、L=400)で、約1450R/M回転で水和させ
た生地を連続混練装置50で混練させた生地状態の試験
データである。また、表2は同じ条件での下限データで
ある。
【0122】
【表1】
【0123】
【表2】
【0124】連続式でないバッジミキサだと、ミキシン
グ中に生地のかたまりが大きくなり、生地どうしが連続
して付着または、空回りするなどして、低温でないと多
加水分処理が不能であったが連続方式だと高速回転によ
り、生地かたまりが小さいため、多加水分処理が可能と
なる。さらに、多少生地かたまりが大きくても、混練装
置50で麺帯生地にしてしまうので、処理可能となる。
【0125】又、食塩精度が高い程、生成生地温度が高
くても処理可能であることがわかる。
【0126】次に、麺の種類をかえ、本装置を使用した
場合と従来の混練種類の方法を用いた場合とを比較して
みた。水和装置20の仕様は表3に示すとおりである。
【0127】
【表3】
【0128】うどんの場合の原料穀粉たる小麦粉と水分
との比率は表4に示すとおりである。
【0129】
【表4】
【0130】上記条件の下で動作する連続混練装置50
の仕様は表5に示されている。
【0131】
【表5】
【0132】試料は、表5における水和装置20と混練
装置50の組合せによる麺生地を切歯#10番角で厚さ
2.5mmの麺線とし、100℃の熱湯で7分茹でた後2
4時間経過させたものである。
【0133】そして、表5の仕様の1,2,3,4,
5,6に対応する試料をA,B,C,D,E,Fとし、
食感テストを行なったものが表6である。なお、表中の
評点の判断基準は次のとおりである。
【0134】1)食感 5点 非常に滑らかで粘弾性に富む 4〃 滑らかで粘弾性に富む 3〃 滑らかだがやや粘弾性に欠ける 2〃 やや滑らかさ、粘弾性に欠ける 1〃 滑らかさ、粘弾性に欠ける 2)色調 5点 非常に透明感に優れ、明るく冴えがある 4〃 透明感に優れ、冴えがある 3〃 冴えがあるがやや透明感に欠ける 2〃 やや冴え、透明感に欠ける 1〃 冴えがなく、透明感にも欠ける 3)煮くずれ 5点 煮くずれ非常に少なく、角がしっかりしている 4〃 煮くずれ少なく、やや角がしっかりしている 3〃 煮くずれやや少ない 2〃 煮くずれやや多い 1〃 煮くずれ非常に多い。
【0135】
【表6】
【0136】以上の結果から明らかであるように、本実
施例の装置を用いて製造されたうどんは、その品質,食
感において、従来法による製品よりも有意な優秀性を示
した。
【0137】また、最も理想とする混練装置50の圧縮
比はうどんにおいては60%〜85%の範囲であること
が判明した。さらに同じ圧縮比である場合には長さに関
係なく、長過ぎると肌あれにつながる傾向があることが
わかった。
【0138】同様に、ラーメンの場合は最適圧縮比が3
5〜65%であることがわかった。圧縮比が35%以下
であると硬くスパゲティ食の食感となり、55%以上だ
と麺が脆弱となり、透明感のない麺になる。
【0139】また、表7は混練装置50(エキストリュ
ーダ)の試験結果である。
【0140】
【表7】
【0141】表8は麺の種類と製麺条件および装置概要
を示す表である。
【0142】
【表8】
【0143】なお、温度管理に関しては、 1 低温の方が作業性と味はいい。
【0144】2 ミキサ(水和装置)1分〜2分とエク
ストリューダ(混練装置)の方が、ミキサ5〜6分とエ
クストリューダよりはるかに食感がいいことが分かっ
た。
【0145】そして、多加水処理においては、温度上昇
が生地のだるみにつながり、既存の連続システムでは、
温度上昇がミキサで5〜7℃、エクストリューダで7〜
10℃上昇するため多加水処理にむかなかったが、当シ
ステムでは、コンパクト設計することにより、ミキサで
3℃、エクストリューダで2℃、計5℃におさえ、多加
水対策が可能となり、冷却する場合も温度上昇が少ない
分だけ高めの温度処理が可能となる。
【0146】図12は装置を停止する処理を示す流れ図
である。ステップ14で停止の処理が始まる。停止時に
も、ステップ15〜19において、水和装置20の水和
工程における穀粉の投入停止と水分の噴出停止とのタイ
ミングが合わせられている。
【0147】ステップ20,21では加水量モータの停
止タイムアップがなされ、異常がないとステップ22〜
24で装置が停止する。異常があるとステップ25,2
6で一旦停止を取り止め、図10の非常停止の処理に移
行する。また、ステップ27,28は停止処理の初期の
異常に対処する処理である。
【0148】なお、前記実施例では、水和装置の水和軸
体と混練装置の混練スクリューのいずれにも片持ち支持
した軸体を採用したものを示したが、水和軸体は両持ち
にしてもよく、混練スクリューは、吐出口に障害物が少
ない構成とするため、図9に示すように、混練外筒60
の末端に余空間66を設けてそこに吐出口67を設け、
余空間66内には螺旋を設けず軸のみを通すようにした
構成としても有効である。
【0149】
【発明の効果】本発明にかかる製麺装置によれば、水和
工程とねり工程を分離し、ねり作用等を行う回転翼等は
用いずに、小麦穀粉粒子に直接微粒子状の水分を添付さ
せることにより当初から水分が均等に小麦穀粉の各粒子
にゆきわたるようにして純粋に加水分を完了し、その後
において必要とする場合には必要に応じねり工程あるい
は加圧工程を加えてグルテンのSS結合化=網目構造化
を行う加水分熟成ができるようにしたから、処理時間を
著しく短縮し、品質がよく、加水率の多様な食味のよい
麺類を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る製麺装置を示す縦断面
図である。
【図2】本発明の一実施例に係る製麺装置を示す斜視図
である。
【図3】本発明の一実施例に係る製麺装置の水和装置を
示す縦断面図である。
【図4】本発明の一実施例に係る製麺装置の水和装置の
ピン体の配置の一例を示す横断面図である。
【図5】本発明の一実施例に係る製麺装置の混練装置の
混練スクリューの各種の例を示す正面図である。
【図6】本発明の一実施例に係る製麺装置の制御部を示
すブロック図である。
【図7】本発明の一実施例に係る製麺装置の水和装置の
エアー抜き回路を示す説明図である。
【図8】本発明の一実施例に係る製麺装置の水和装置に
おける水和外筒の他の例を示す縦断面図である。
【図9】本発明の一実施例に係る製麺装置の混練装置の
他の例を示す説明図である。
【図10】本発明の一実施例に係る製麺装置の動作を説
明する流れ図である。
【図11】本発明の一実施例に係る製麺装置の動作を説
明する流れ図である。
【図12】本発明の一実施例に係る製麺装置の動作を説
明する流れ図である。
【符号の説明】 10…製麺装置 15…ロータリーバルブ 20…水和装置 30…水和外筒 31…受入口 32…水和室 33…噴出孔 36…吐出端 40…水和軸体 41…芯体 43…螺旋送り部 45…ピン体 50…混練装置 60…混練外筒 61…余空間 62…受入口 63…送入管 64…傾斜部 65…吐出口 70…混練スクリュー 71…芯軸 72…スクリューフィン 80…制御部 81…粉量設定データメモリー部 82…加水率設定データメモリー部 83…加水量データ演算処理部 84…加水量設定データメモリ部

Claims (38)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】穀粉に水分を混ぜ、麺生地を連続的に生産
    することができるようにした製麺装置において、 製麺装置は、穀粉を水分と和合させてそぼろ状の生地原
    料にする水和装置と、生地原料を混練して麺生地にする
    混練装置とを備えて成り、 前記水和装置は、穀粉の受入口を有する水和外筒と、該
    水和外筒の中央に軸支された水和軸体と、前記水和外筒
    の受入口に対応して該水和軸体に設けられた螺旋送り部
    と、該螺旋送り部に続く水和室で前記軸体の外周に植設
    されたピン体と、前記水和外筒の内部に向けて水分を噴
    出するよう内壁に形成された噴出孔とを備えて成り、 前記混練装置は、前記水和装置の水和外筒の吐出端に接
    続される混練外筒と、該混練外筒内に圧縮比が35%〜
    85%になるよう構成された混練スクリューと、前記混
    練外筒の末端に障害物がないように形成された余空間か
    ら開口する円滑な形状の吐出口とを備えて成ることを特
    徴とする製麺装置。
  2. 【請求項2】穀粉に水分を混ぜ、麺生地を連続的に生産
    することができるようにした製麺装置において、 製麺装置は、穀粉を水分と和合させてそぼろ状の生地原
    料にする水和装置と、生地原料を混練して麺生地にする
    混練装置とを備えて成り、 前記水和装置は、穀粉の受入口を有する水和外筒と、該
    水和外筒の中央に軸支された水和軸体と、前記水和筒体
    の受入口に対応して該水和軸体に設けられた螺旋送り部
    と、該螺旋送り部に続く水和室で前記軸体の外周に植設
    されたピン体と、前記水和外筒の内部に向けて水分を噴
    出するよう内壁に形成された噴出孔とを備えて成り、 前記混練装置は、前記水和装置の水和外筒の吐出端に接
    続される混練外筒と、該混練外筒内に圧縮比が35%〜
    85%になるよう受入側を片持ちに軸支された混練スク
    リューと、前記混練外筒の末端に障害物がないように形
    成された吐出口とを備えて成ることを特徴とする製麺装
    置。
  3. 【請求項3】穀粉の受入口を有する水和外筒と、該水和
    外筒の中央に軸支された水和軸体と、前記水和筒体の受
    入口に対応して該水和軸体に設けられた螺旋送り部と、
    該螺旋送り部に続く水和室で前記軸体の外周に植設され
    たピン体と、前記水和外筒の内部に向けて水分を噴出す
    るよう内壁に形成された噴出孔とを備えて成る水和装置
    を備えたことを特徴とする製麺装置。
  4. 【請求項4】水和された生地原料を受け入れる混練外筒
    と、該混練外筒内に圧縮比が35%〜85%になるよう
    受入側を片持ちに軸支された混練スクリューと、前記混
    練外筒の末端に障害物がないように形成された吐出口と
    を備えて成る混練装置を備えたことを特徴とする製麺装
    置。
  5. 【請求項5】穀粉と水分とを瞬間的に和合させて攪拌す
    ることによりそぼろ状の生地原料にする水和工程と、該
    生地原料を圧縮比が35%〜85%で、生地を分断しな
    いよう連続的に送りながら混練して麺生地にする混練工
    程とを備えて成る製麺方法。
  6. 【請求項6】水分の噴出は水和外筒の噴出孔からピン体
    の先端部に向けて噴出するよう配設したことを特徴とす
    る請求項1,2,3,4記載の製麺装置。
  7. 【請求項7】水和外筒の噴出孔下を通過するよう2〜6
    本のピン体を同一円周上に配設したことを特徴とする請
    求項1,2,3記載の製麺装置。
  8. 【請求項8】水和装置の水和軸体の回転数を穀粉と水分
    とが瞬間的に和合させて攪拌してそぼろ状になる程度の
    高速回転させる駆動部を設けたことを特徴とする請求項
    1,2,3記載の製麺装置。
  9. 【請求項9】水和軸体を、金属材料を芯として外周を軽
    量材料である合成樹脂で覆った構造としたことを特徴と
    する請求項1,2,3記載の製麺装置。
  10. 【請求項10】水和装置において混合開始と終了時の水
    分と穀粉のタイミングを合わせるため、穀粉を先に出
    し、次に水分を出すよう0.2秒程度のタイム差をつけ
    る制御部を設けたことを特徴とする請求項1,2,3記
    載の製麺装置。
  11. 【請求項11】水和工程において混合開始と終了時の水
    分と穀粉のタイミングを合わせるため、穀粉を先に出
    し、次に水分を出すよう0.2秒程度のタイム差をつけ
    るようにしたことを特徴とする請求項5記載の製麺方
    法。
  12. 【請求項12】水和装置において、水供給ポンプにエア
    ーが入り、水分のタイミングが遅くなるのを防ぐため
    に、エアー抜き回路を作り、一定時間エアー抜きした後
    混合開始する制御部を設けたことを特徴とする請求項
    1,2,3記載の製麺装置。
  13. 【請求項13】水和装置において、ダイアル設定可能な
    よう穀粉量に合った加水分量を表示する表示部を有する
    制御部を設けたことを特徴とする請求項1,2,3記載
    の製麺装置。
  14. 【請求項14】水和装置において、穀粉の種類に応じた
    加水率を記憶する記憶部と、該記憶部に記憶された穀粉
    の種類に応じ、穀粉量に合った加水分量を表示してダイ
    アル設定可能にする表示部を有する制御部を設けたこと
    を特徴とする請求項1,2,3記載の製麺装置。
  15. 【請求項15】混練装置において、混練スクリューの芯
    軸を先太に形成したことを特徴とする請求項1,2,4
    記載の製麺装置。
  16. 【請求項16】混練装置において、混練スクリューのス
    クリューピッチを先端に行くに従い小さくしたことを特
    徴とする請求項1,2,4記載の製麺装置。
  17. 【請求項17】穀粉と水分を請求項1,2,3記載の水
    和装置に投入して水和し、この水和された生地原料を、
    圧縮比が35%〜85%で混練スクリューが片持ちに軸
    支され、吐出口に障害物が形成されていない混練装置に
    供給して混練することを特徴とする製麺方法。
  18. 【請求項18】うどん生地製造の場合は、混練装置の圧
    縮比を60%〜85%とすることを特徴とする請求項
    1,2,4記載の製麺装置。
  19. 【請求項19】ラーメン生地製造の場合は、混練装置の
    圧縮比を35%〜65%とすることを特徴とする請求項
    1,2,4記載の製麺装置。
  20. 【請求項20】そば生地製造の場合は、混練装置の圧縮
    比を40%〜60%とすることを特徴とする請求項1,
    2,4記載の製麺装置。
  21. 【請求項21】混練装置には混練外筒の側壁に受入口が
    開設されていて、該受入口に該混練外筒の中心軸に直交
    するように送入管が接続しており、該送入管と該混練外
    筒との接続部における該送入管の出口方向側に送入を助
    ける傾斜部を形成したことを特徴とする請求項1,2,
    4記載の製麺装置。
  22. 【請求項22】混練装置の混練スクリューの芯軸の材質
    は軽い合成樹脂とし、外筒は摩擦係数の異なるステンレ
    ス製としたことを特徴とする請求項1,2,4記載の製
    麺装置。
  23. 【請求項23】混練装置の混練スクリューの回転数を5
    0rpm 以下としたことを特徴とする請求項1,2,4記
    載の製麺装置。
  24. 【請求項24】混練装置の混練スクリューの溝深さを2
    5mm以下としたことを特徴とする請求項1,2,4記載
    の製麺装置。
  25. 【請求項25】混練装置の麺生地の吐出口を凹凸の少な
    い単純な形状に設定したことを特徴とする請求項1,
    2,4記載の製麺装置。
  26. 【請求項26】水和装置の吐出端と混練装置の受入口と
    の間に接続管を設け、該接続管にロータリーバルブを配
    設し、該ロータリーバルブと混練装置の受入口との間に
    吸引管を接続したことを特徴とする請求項1,2記載の
    製麺装置。
  27. 【請求項27】加水率にあった最適な麺生地の温度にす
    るとともに、生地の過度な発熱を防止するために、穀粉
    温、水分温、環境温、製麺機械温度の少なくとも一つを
    管理する温度管理部を設けたことを特徴とする請求項
    1,2,3,4記載の製麺装置。
  28. 【請求項28】請求項1,2,3,4記載の製麺装置を
    温度管理、湿度管理可能な雰囲気中に置くことを特徴と
    する製麺方法。
  29. 【請求項29】請求項1,2,3,4記載の製麺装置
    に、最適温度の穀粉、水分を外部から導入することを特
    徴とする製麺方法。
  30. 【請求項30】穀粉と水分との少なくとも一方の温度を
    管理する温度管理部を水和装置に設けたことを特徴とす
    る請求項1,2,3記載の製麺装置。
  31. 【請求項31】装置の構成部材の温度を調節する温度管
    理部を設けたことを特徴とする請求項1,2,3,4記
    載の製麺装置。
  32. 【請求項32】外筒の壁内に熱管理媒体を流す流路を形
    成したことを特徴とする請求項1,2,3,4記載の製
    麺装置。
  33. 【請求項33】穀粉を常温とし、環境温、製麺装置温、
    水分温の少なくとも一つを15℃以下の適温にして製麺
    することを特徴とする請求項5,17記載の製麺方法。
  34. 【請求項34】穀粉、環境、装置を常温とし、水分を1
    5℃以下の適温として、常温で製麺することを特徴とす
    る請求項5,17記載の製麺方法。
  35. 【請求項35】穀粉を冷却するため、穀粉を製麺装置に
    入れる際、冷気と一緒に中に送り込むことを特徴とする
    請求項5,17記載の製麺方法。
  36. 【請求項36】麺の吐出口を断熱材で覆い、冷気が外部
    に逃げないようにすることを特徴とする請求項35記載
    の製麺方法。
  37. 【請求項37】雑菌数の発生をおさえ、日持ちをよくす
    るため、生成生地温度の発熱温度を10℃以下におさえ
    ることを特徴とする請求項5,17記載の製麺方法。
  38. 【請求項38】機械装置の老化を防ぐため、外気と作業
    環境の温湿度差が大きい場合、作業終了後乾燥熱風を通
    して結露を防ぐようにすることを特徴とする請求項5,
    17記載の製麺方法。
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