JPH07123088B2 - 通電表示装置 - Google Patents

通電表示装置

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JPH07123088B2
JPH07123088B2 JP61280382A JP28038286A JPH07123088B2 JP H07123088 B2 JPH07123088 B2 JP H07123088B2 JP 61280382 A JP61280382 A JP 61280382A JP 28038286 A JP28038286 A JP 28038286A JP H07123088 B2 JPH07123088 B2 JP H07123088B2
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F38/00Adaptations of transformers or inductances for specific applications or functions
    • H01F38/20Instruments transformers
    • H01F38/22Instruments transformers for single phase ac
    • H01F38/28Current transformers
    • H01F38/30Constructions
    • H01F2038/305Constructions with toroidal magnetic core

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  • Soft Magnetic Materials (AREA)
  • Transformers For Measuring Instruments (AREA)
  • Switch Cases, Indication, And Locking (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 この発明は、負荷への通電路にカレントトランスの1次
巻線を挿入し、カレントトランスの2次巻線に発光ダイ
オードを接続し、負荷への通電を検出して発光ダイオー
ドを点灯させる通電表示装置に関するものである。
〔背景技術〕
家庭内配線設備等の中で、商用電源から白熱ランプ,蛍
光ランプ等の負荷への通電をスイッチ本体で断続すると
ともに負荷への通電を発光ダイオードの点灯でもって表
示するパイロットランプ内蔵型のスイッチ装置がある。
このようなスイッチ装置は、負荷電流が0.05Aから15Aま
での負荷に対して使用され、特に門柱灯,玄関灯への通
電を屋内でモニタするような用途に使用される。
第12図は上記のスイッチ装置の商用電源および負荷に対
する接続関係を示す回路図であり、一点鎖線で囲まれた
部分がスイッチ装置の回路構成で、スイッチ本体1とカ
レントトランス2の1次巻線と負荷(白熱ランプ,蛍光
ランプ,電気器具等)3とが商用電源4に対し直列に接
続され、カレントトランス2の2次巻線に発光ダイオー
ド5を接続している。
この回路においては、スイッチ本体1をオンにすると、
商用電源4から負荷3を通してカレントトランス2の1
次巻線に1次電流I1が流れ、カレントトランス2の2次
巻線に接続された発光ダイオード5が2次電流I2でもっ
て点灯することになる。
発光ダイオード5の光出力は、発光ダイオード5への通
電電流に比例するが、この特性は負荷電流量,カレント
トランス2の特性,発光ダイオード5の特性に依存す
る。
使用に供されることの多い門柱灯や玄関灯は、負荷が10
W以下と小さいため、負荷電流が小さく、発光ダイオー
ド電流,光出力が小さくなる。ところが、使用者側から
見れば、通電を確認するためのものであるから、負荷が
どのような値であろうとも、一定レベル以上の光出力が
得られることが必要である。
カレントトランス2は、上記の点を考慮に入れて設計さ
れるが、特に磁芯材質・特性により、その寸法,電気特
性が制限される。
第13図は負荷電流が0.1Aから4Aまでの定格のスイッチ装
置(松下電工(株)製のWN5241)の外観斜視図を示し、
第14図は下ハウジングの断面図を示し、第15図は下ハウ
ジングの平面図を示している。このスイッチ装置は、下
ハウジング11に上ハウジング12を被せた構造であり、下
ハウジング11の内部空間の片側にカレントトランス13を
収容するとともに、もう片側に接点部,ばね等(図示せ
ず)を収容してあり、上ハウジング12にシーソ形のつま
み14を取付け、このつまみ14の回動によって接点を開閉
するようになっている。つまみ14には、窓が設けられ、
発光ダイオード15の発光部分が窓から露出した状態に発
光ダイオード15が一体固定されている。
カレントトランス13は、第16図に示すように、円柱状中
央脚と両側脚をもつフェライトコア21および略I形のフ
ェライトコア22と1次巻線23および2次巻線24とからな
り、コア21の巻線収容凹部21aに1次巻線23および2次
巻線24を同心に嵌込み、コア22をコア21の円柱状中央脚
および両側脚に接着剤で接合し、コア21,22で閉磁路を
構成している。このカレントトランス13の外形寸法a,b,
c1,c2はそれぞれ16.5mm,15mm,3.75mm,3.75mmである。
このようなスイッチ装置は、小型,軽量化の要求が強い
が、カレントトランス13は、現状では、光出力の点から
上記の寸法以下にすることができない。
また、第16図に示したコア21,22の形状では製法上、金
型構造が複雑であり、フェライト焼結時の収縮により形
状寸法のばらつきが大きく、また、コア21,22の結合を
高めるために突き合せ面の研磨が必要である等の理由か
らコスト高になるという欠点があった。スイッチ装置の
小型化のためには、カレントトランスの小型化が大きな
課題であった。
カレントトランスの磁芯として使用される材料として、
アモルファス磁性材料がある。このアモルファス磁性材
料は、物理的機械的特性や磁気特性がフェライトや他の
磁性材料と著しく異なる。超急冷法で作られるアモルフ
ァス薄帯は、厚みが50μm以下、ビッカース硬度が約10
00で、結晶構造をもたず、磁気異方性が小さい等の特徴
がある。その組成は、大別して、磁性を示すFe,Co,Ni,
を主要素とし、Si,B,P,C,Ge等を非晶質形成元素として
含んでおり、例えばFe78Si12B10,Fe40Ni38Mo4B18,Fe81B
13.5Si3.5C2,Fe67Co18B14Si1等がある。上記組成の合金
を溶融して約300℃/sec以上の冷却速度で急激に冷却す
ると、合金は結晶質とならず、非晶質状態で凝固する。
すなわち、きわめて短時間に薄帯状のアモルファス磁性
材料が得られる。
従来のけい素鋼帯の製法によれば、100μm程度の厚み
の鋼板を得ることができるが、何回も圧延工程が必要で
あり、長時間を要しランニングコストが高いため、素材
が高価なものとなっていた。フェライトコアについて
も、焼結工程が長いため、同様の欠点があった。
これに対し、アモルファス磁性材料は、製造工程が短
く、安価に作成可能である。しかし、硬く薄い帯状の材
料であって、加工困難であるという理由からトランスと
しての実用化は遅れている。
スイッチ装置用のカレントトランスのように、限られた
スペースに収容する必要があって小形化が要求され、ま
た発光ダイオードを点灯させるカレントトランスについ
て磁芯としてアモルファス磁性材料を使用するという例
は過去になく、その挙動,特徴等については全く明らか
になっていない。
〔発明の目的〕
この発明の目的は、カレントトランスの2次巻線に接続
される発光ダイオードの光出力を増加させることがで
き、しかも小形,軽量,低コスト化を達成することがで
きる通電表示装置を提供することである。
〔発明の開示〕
この発明の通電表示装置は、磁芯に巻装した1次巻線を
通電検出用電路に介挿したカレントトランスと、前記磁
芯に巻装した2次巻線に接続した発光ダイオードとを備
えた通電表示装置において、 前記磁芯を、残留磁束密度と飽和磁束密度の比(角形
比)が0.7以上の磁気特性を有するアモルファス磁性材
料で磁路に空隙のない形状に形成したことを特徴とす
る。
前記角形比が0.7以上のアモルファス磁性材料は、以下
の組成式(原子%)を有する。
X100-P YP 式中、P:5<P≦40 X:Fe,Co,Ni,Cr,Mn,Zr,Ti,V,Nb,Hf,Ta,Mo,Wの1種または
2種以上の混合組成でFeおよびCoの少なくともいずれか
一方を含む Y:Si,B,C,Al,Ge,P,Snの1種または2種以上の混合組成
でBおよびPの少なくともいずれか一方を含む そして、上記組成のアモルファス磁性材料は、結晶化温
度以下の温度で単純に焼鈍され、または結晶化温度以下
の温度でかつ磁場中で焼鈍され、または結晶化温度以下
の温度でかつ応力化で焼鈍される。
この発明の構成によれば、カレントトランスの磁芯を、
残留磁束密度と飽和磁束密度の比(角形比)が0.7以上
の磁気特性を有するアモルファス磁性材料で磁路に空隙
のない形状に形成したため、同じ1次巻線電流に対して
2次巻線電流を他の磁性材料を用いたカレントトランス
に比べて増加させることができ、カレントトランスの2
次巻線に接続される発光ダイオードの光出力を増加させ
ることができる。また、磁芯として、アモルファス磁性
材料を用いているため、磁芯を小形,軽量化するととも
に低コスト化することができ、全体として小形,軽量,
低コスト化を実現できる。
実施例 この発明の実施例を詳しく説明する。組成Fe78B13Si
9(アライド社製2605 S2)、厚み約25μm、幅d1=4mm
のアモルファス薄帯から内径d2=7mm、外径d3=14mmの
トロイダル形状の巻磁芯を作成した。メーカーの公表し
た材料特性は第1表のとおりである。
第1図(a)に巻磁芯31の形状を示す。この状態で特性
改善のために、巻磁芯31を400℃の焼鈍炉で2時間焼鈍
後、10Oeの磁場を磁路方向に印加しながら5℃/minの冷
却速度で巻磁芯31を冷却した。
その後、巻磁芯31の固定維持のために、アロンパウダー
(東亜合成(株)製 EL−3000)を使用し、樹脂による
粉体塗装を行った。第1図(b)は粉体塗装後の巻磁芯
31を示し、コアエッジコーナは樹脂で覆われているた
め、後処理で巻線を行う際の断線の危険はない。
第1図(c)はトロイダル巻線機を使用して巻磁芯31に
2次巻線32を略全周にわたって巻装した後の状態を示
し、第1図(d)はさらにその上に1次巻線33を巻装し
た状態、すなわち完成品のカレントトランスを示してい
る。
このように、アモルファス薄帯を使用して作成したカレ
ントトランスの形状は、従来のフェライトコアを用いた
カンレントトランスとはかなり異なった形状となる。
フェライトコアが2分割で突き合せ部を有するのに対
し、この巻磁芯31では、磁路が連続してギャップを有し
ておらず、しかもアモルファス薄帯の長手方向が磁路方
向と一致するため、磁束が通りやすいという特徴があ
る。
第2表に従来のフェライトを用いたカレントトランスと
アモルファス薄帯を用いたカレントトランスの構造の差
を示す。
第2表から明らかなように、アモルファス薄帯を用いた
カレントトランスとフェライトを用いたカレントトラン
スとを比較すると、アモルファス薄帯を用いたものはフ
ェライトを用いたものに比べ、コア重量で約50%、外形
体積で約60%になっていて、カレントトランスの小形,
軽量化が図れる。
カレントトランス作成後、実際に使用する電気回路を形
成し、上記両カレントトランスの電気特性の比較を行っ
た。第2図は測定回路を示すもので、41は60Hzの商用電
源、42は負荷、43は略全周にわたって2次巻線を巻装し
たカレントトランス、44は両方向性の発光ダイオードで
ある。発光ダイオード44としては、GaP系発光ダイオー
ド(鹿児島松下電子(株)製 LN−020RCP)を使用し、
カレントトランス43の2次側に接続した。また、負荷42
としては、60Wの白熱ランプを使用し、カレントトラン
ス43の1次巻線に直列に接続した。そして、負荷電流
(1次電流I1)を変化させながら、発光ダイオード電流
ID(2次電流)および発光ダイオード電圧VDを測定し
た。
1次電流(実効値)I1を0.1Aから1Aまで変化させながら
発光ダイオード電流(実効値)IDを測定すると、アモル
ファス薄帯を用いたカレントトランスは第3図の実線A1
のようになり、フェライトを用いたカレントトランスは
第3図の実線A2のようになり、アモルファス薄帯を用い
たものはフェライトを用いたものより、同一の1次電流
I1に対して発光ダイオード電流IDが増加した。
一方、発光ダイオード電流IDと発光ダイオードの光出力
との関係は、発光ダイオードの組成,反射板形状により
異なるが、この発光ダイオードの場合、点灯,消灯を目
視確認できるためには、発光ダイオード電流IDが1.5mA
以上必要である。
従来のフェライトを用いたカレントトランス43において
発光ダイオード電流IDが1.5mA以上となるためには、1
次電流I1が0.1A以上あることが必要で、これによって1
次電流I1の最小値が決定される。
これに対し、アモルファス薄帯を用いたカレントトラン
ス43では、発光ダイオード電流IDが1.5mA以上となる1
次電流I1の最小値は、0.08Aでフェライトを用いたもの
に比べ、小さくなっている。すなわち、アモルファス薄
帯を用いたものでは、小さい1次電流I1で発光ダイオー
ド44の点灯を目視確認させることができ、その分だけ1
次電流I1の帯域が広がったことになる。この4A用カレン
トトランスでは、フェライトを用いたものが0.1A〜4Aで
あるのに対し、アモルファス薄帯を用いたものは0.08A
〜4Aとなる。
上記のことから、アモルファス薄帯を用いたカレントト
ランス43は、形状が小さいにもかかわらず、特性的に従
来のフェライトを用いたものよりも優れていることがわ
かる。
つぎに、1次電流I1が0.2Aのときの発光ダイオード電圧
VDおよび発光ダイオード電流IDの波形を、アモルファス
薄帯を用いたものについて第4図(a),(b)に示
し、フェライトを用いたものについて第5図(a),
(b)に示す。これらの図から明らかなように、フェラ
イトを用いたものでは、発光ダイオード電圧VDの立上が
りが遅く、通電時間が短いのに対し、アモルファス薄帯
を用いたものでは、発光ダイオード電圧VDの立上がりが
早く、実効電流が大きい。このため、発光ダイオード44
の光出力が大きくなる。このように、アモルファス薄帯
を用いたカレントトランス43は、フェライトを用いたも
のにない特徴を示す。
つぎに、磁芯材料特性を60Hzにおける交流B−H特性で
調べてみると、アモルファス薄帯を用いたカレントトラ
ンス43では第6図(a)のようになり、フェライトを用
いたものでは第6図(b)のようになった。この図か
ら、アモルファス薄帯を用いたカレントトランス43で
は、磁束密度および残留磁束密度が高く、保磁力が小さ
く、かつ透磁率が大きいことがわかった。この事実と、
カレントトランス43と発光ダイオード44との複合回路に
より、前述の発光ダイオード電流特性となったとみられ
るが、第6図(a)のような交流B−H特性は、フェラ
イトの他、けい素鋼板等の従来磁性材料では実現でき
ず、アモルファス磁性材料のみの効果であることを発見
した。
再び第3図にもどって、1次電流I1が0.1Aのときの発光
ダイオード電流IDは、フェライトが1.5mAに対し、アモ
ルファスが2.2mAと増加しているが、これは発光ダイオ
ード44の光出力の増加と考えることもできる。
この実施例におけるアモルファス薄帯を用いたカレント
トランス43は、従来のフェライトを用いたものに比べ、
コア重量比50%、外形寸法比60%でかつ光出力比150%
の高性能のものとなった。
つぎに、種々の磁気特性のうち、どの特性が電気特性に
影響を与えているのかを、種々の組成をもつアモルファ
ス材料を用いてカレントトランスを試作し、それについ
て実験調査した。
この結果、飽和磁束密度Bsと残留磁束密度Brの比である
角形比(直流磁気特性)Br/Bsと発光ダイオード電流特
性との間に相関があることを発見した。
第7図は、1次電流I1が0.08Aのときの角形比Br/Bsと発
光ダイオード電流IDの関係を示したもので、角形比Br/B
sの増加に伴って発光ダイオード電流IDが増加する。人
が目視確認できるための条件、すなわち ID≧1.5mA となるためには、角形比Br/Bsが Br/Bs≧0.7 であることが必要である。
アモルファス磁性材料の角形比Br/Bsは、組成,焼鈍条
件等に依存し、一様ではないが、本実施例の組成Fe78B
13S9のアモルファス磁性材料を用いて角形比Br/Bsが0.7
以上となる焼鈍条件を実験的に導出した。
焼鈍条件としては、焼鈍温度,焼鈍時間,焼鈍炉の雰囲
気,印加磁場の大きさ,冷却速度等がある。このうち、
焼鈍温度,焼鈍時間,磁場の大きさについて実験調査を
行った。焼鈍炉雰囲気は窒素雰囲気中、冷却速度は5℃
/minで、炉内温度は均一である。
まず、磁場を印加しない状態で焼鈍時間を2時間とし、
焼鈍温度を変化させて焼鈍した。この結果、焼鈍温度と
角形比Br/Bsとの関係が第8図の実線B1のようになり、
焼鈍温度が390℃から450℃の範囲で角形比Br/Bsが0.7よ
り大きくなった。
つぎに、焼鈍温度を410℃として、焼鈍時間を変化させ
ると、焼鈍時間と角形比Br/Bsとの関係が第9図の実線C
1のようになり、焼鈍時間が40分から3時間の範囲で角
形比Br/Bsが0.7より大きくなった。
すなわち、無磁場の焼鈍で角形比Br/Bsが Br/Bs>0.7 を満足するためには、390℃から450℃までの焼鈍温度で
30分から3時間の焼鈍時間で焼鈍行うことが条件とな
る。
つぎに、磁芯の磁路方向に10Oeの直流磁場を印加した状
態で、上記の焼鈍温度範囲および焼鈍時間で実験した、
第8図の破線B2は、焼鈍時間を2時間としたときの焼鈍
温度と角形比Br/Bsの関係を示し、第9図の破線C2は、
焼鈍温度を390℃としたときの焼鈍時間と角形比Br/Bsの
関係を示している。これらの図から、磁場中で焼鈍を行
うと、無磁場での焼鈍に比べて角形比Br/Bsが全体的に
大きくなっていることがわかる。
また、磁場の大きさを2Oeとして上記と同様の実験を行
ったが、この場合にも同様の傾向を示し、磁場の印加は
角形比Br/Bsの改善にきわめて効果があることがわかっ
た。
この実験から、組成Fe78B13Si9においては、焼鈍温度39
0℃〜450℃、焼鈍時間30分〜3時間の条件で焼鈍するこ
とが有効であり、かつ焼鈍中に磁場を印加することによ
り、さらに角形比Br/Bsが向上することがわかった。
上記実施例では、組成Fe78B13Si9について示したが、他
の組成についても実験検討を行い、アモルファスとなり
得る組成で、かつ電気的特性の良好となる範囲を見出し
た。すなわち、原子%で組成式 X100-P YP で、 5<P≦40 で表される条件である。
ただし X:Fe,Co,Ni,Cr,Mn,Zr,Ti,V,Nb,Hf,Ta,Mo,Wの1種または
2種以上の混合組成で、FおよびCoのうち少なくともい
ずれか一方を必ず含む Y:Si,B,C,Al,Ge,P,Snの1種または2種以上の混合組成
で、BおよびPの少なくともいずれか一方を必ず含む そして、この組成範囲で作成されたアモルファスを結晶
化温度以下で焼鈍することによりその性能が向上するこ
とを見出した。さらに、焼鈍中に磁場を印加する磁場中
焼鈍が非常に有効であることを発見した。
また、磁気ひずみが正の非晶質(例えばFeBSi系)の場
合は引張応力下で、磁気ひずみが負の非晶質(例えばCo
BSi系)の場合は圧縮応力下で、それぞれ焼鈍すること
が有効であるも合わせて見出した。
なお、本実施例では、アモルファス磁性材料からなる磁
芯として、薄帯を巻いてトロイダル形状の磁路にギャッ
プのない巻磁芯を作成したが、アモルファス磁性材料か
らはけい素鋼板や電気鉄板と同様に、積層コアやカット
コア形状のものも作成できる。
積層コアは、例えば板厚方向にE形状に磁性板を打ち抜
き、これを多層に積み重ねたものである。また、カット
コアは、巻磁芯を作成後、磁路の一部を切断したもので
ある。積層コア,カットコアの特徴は、いずれも磁路が
分割されているから、閉磁路を形成するために、突き合
せ部(ギャップ面)を有することである。
ところが、本発明の通電表示装置のカレントトランスの
磁芯形状としては、試作,実験の結果、積層コア,カッ
トコア等よりもトロイダル形状の巻磁芯が優れているこ
とを発見した。
試作は、同一のコア磁路断面積と磁路長にして、形状の
種々異なるもの(トロイダル,E形コア,カットコア)を
作った。
第10図(a)は積層コア(E形コア)の外観斜視図を示
し、第10図(b)はカットコアの外観斜視図を示し、第
11図はコア形状に対応する発光ダイオード電流特性を示
している。この図から、発光ダイオード電流値は、トロ
イダルコアがきわめて優れた特性を示すことがわかる。
この理由については明らかではないが、E形コア,カッ
トコアではギャップを有するため、突き合せ部で渡り磁
束,漏れ磁束,うず電流が発生し、トロイダルコアで
は、このような問題がないためと考えられる。この実験
により、ギャップを有するコアは本発明のカレントトラ
ンスの磁芯としては不適当であることがわかった。
ギャップのない磁芯としては、トロイダル形状の巻磁芯
の他、楕円状のカットを有しない巻磁芯、またはリング
状に打ち抜きそれを積層したリングコア等で形成でき、
上記実施例と同様の効果が得られる。
ここで、本実施例の効果をまとめて記す。発光ダイオー
ドを2次負荷とするカレントトランスにおいて、磁芯
を、角形比0.7以上の直流磁気特性を有するアモルファ
ス磁性材料で磁路に空隙のない形状に形成したため、発
光ダイオードの光出力を大幅に増加させることができ、
パイロットランプ内蔵型のスイッチ装置の電流帯域が広
がり、また小形軽量化を実現でき、さらにこれを用いた
スイッチ装置の小形化も図れ、さらにアモルファスの材
料コストが低いことから大幅なコストダウンを実現でき
る。
なお、本発明は、発光ダイオードとアモルファス磁性材
料という特殊な組み合せでの発見に基づくものであるか
ら、発光ダイオード,アモルファス磁性材料の組成等に
ついては限定されない。
〔発明の効果〕
この発明の通電表示装置によれば、カレントトランスの
磁芯を、残留磁束密度と飽和磁束密度の比(角形比)が
0.7以上の磁気特性を有するアモルファス磁性材料で磁
路に空隙のない形状に形成したため、同じ1次巻線電流
に対して2次巻線電流を他の磁性材料を用いたカレント
トランスに比べて増加させることができ、2次巻線に接
続される発光ダイオードの光出力を増加させることがで
きる。また、カレントトランスの磁芯として、アモルフ
ァス磁性材料を用いているため、磁芯を小形,軽量化す
るとともに低コスト化することができ、全体として小
形,軽量,低コスト化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)はこの発明の一実施例の通電表示装置にお
けるカレントトランスの巻磁芯の斜視図、第1図(b)
は巻磁芯の粉体塗装後の斜視図、第1図(c)はカレン
トトランスの2次巻線の巻装後の斜視図、第1図(d)
は同じく1次巻線の巻装後の斜視図、第2図はカレント
トランスの1次電流と発光ダイオード電流の関係の測定
のための回路を示す回路図、第3図はカレントトランス
の1次電流と発光ダイオード電流の関係を示す特性図、
第4図は磁芯がアモルファス磁性材料のカレントトラン
スを用いた場合の発光ダイオード電圧および発光ダイオ
ード電流の波形図、第5図は磁芯がフェライトのカレン
トトランスを用いた場合の発光ダイオード電圧および発
光ダイオード電流の波形図、第6図はアモルファス磁性
材料およびフェライトの交流B−H特性図、第7図は角
形比と発光ダイオード電流の特性図、第8図は焼鈍温度
と角形比の関係を示す特性図、第9図は焼鈍時間と角形
比の関係を示す特性図、第10図はE形コアおよびカット
コアの斜視図、第11図はコアの種類と発光ダイオード電
流との関係を示すグラフ、第12図は従来のパイロットラ
ンプ内蔵型のスイッチ装置の回路図、第13図はスイッチ
装置の斜視図、第14図はその要部断面図、第15図は同じ
く要部平面図、第16図は従来のカレントトランスの分解
斜視図である。 31……巻磁芯、32……2次巻線、33……1次巻線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // H01H 9/16 A H01F 1/14 C (56)参考文献 特開 昭59−39183(JP,A) 特開 昭60−103160(JP,A) 特開 昭60−216511(JP,A) 特開 昭58−75822(JP,A) 特開 昭59−213116(JP,A) 特開 昭60−30103(JP,A) 実開 昭60−174136(JP,U)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁芯に巻装した1次巻線を通電検出用電路
    に介挿したカレントトランスと、前記磁芯に巻装した2
    次巻線に接続した発光ダイオードとを備えた通電表示装
    置において、 前記磁芯を、残留磁束密度と飽和磁束密度の比が0.7以
    上の磁気特性を有するアモルファス磁性材料で磁路に空
    隙のない形状に形成したことを特徴とする通電表示装
    置。
  2. 【請求項2】前記アモルファス磁性材料は、以下の組成
    式(原子%)を有する特許請求の範囲第(1)項記載の
    通電表示装置。 X100-P YP 式中、P:5<P≦40 X:Fe,Co,Ni,Cr,Mn,Zr,Ti,V,Nb,Hf,Ta,Mo,Wの1種または
    2種以上の混合組成でFeおよびCoの少なくともいずれか
    一方を含む Y:Si,B,C,Al,Ge,P,Snの1種または2種以上の混合組成
    でBおよびPの少なくともいずれか一方を含む
  3. 【請求項3】前記アモルファス磁性材料は結晶化温度以
    下の温度で焼鈍を行っている特許請求の範囲第(2)項
    記載の通電表示装置。
  4. 【請求項4】前記アモルファス磁性材料は結晶化温度以
    下の温度でかつ磁場中で焼鈍を行っている特許請求の範
    囲第(2)項記載の通電表示装置。
  5. 【請求項5】前記アモルファス磁性材料は結晶化温度以
    下の温度でかつ応力下で焼鈍を行っている特許請求の範
    囲第(2)項記載の通電表示装置。
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