JPH07122411A - 酸化物磁性材料およびその製造方法 - Google Patents

酸化物磁性材料およびその製造方法

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JPH07122411A JP5262224A JP26222493A JPH07122411A JP H07122411 A JPH07122411 A JP H07122411A JP 5262224 A JP5262224 A JP 5262224A JP 26222493 A JP26222493 A JP 26222493A JP H07122411 A JPH07122411 A JP H07122411A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、所定の値の飽和磁化を持つ酸化物
磁性材料およびその製造方法に関し、ヘマタイト、ヘマ
タイト+マグネタイト、マグネタイトにSi化合物を適
量混ぜた混合物に炭素原子同士の単結合あるいは二重結
合を有する物質を混合し、焼成して所望の飽和磁化を持
つ酸化物磁性材料を簡易、安価、かつ多量に製造するこ
とを目的とする。 【構成】 ヘマタイト、ヘマタイト+マグネタイト、マ
グネタイトを35〜99.5wt%、Si化合物をSi
換算で0.5〜65wt%、および−C−C−あるいは
−C=C−を分子中に有する液体状物質あるいは固体状
物質を0.1〜4.0wt%の3者を混合し、不活性ガ
ス中で1200〜1450°Cあるいは550〜145
0°Cの焼成したマグネタイト+非磁性相からなる酸化
物磁性材料およびその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヘマタイト、ヘマタイ
ト+マグネタイト、マグネタイトにSi化合物を適量混
ぜて混合物を焼成して所定の値の飽和磁化を持つ酸化物
磁性材料およびその製造方法に関するものである。
【0002】酸化物磁性材料である単相マグネタイト粉
は、磁性流体、電気抵抗素子、電子写真用のトナーやキ
ャリアなどに幅広く使用されるものであり、これを多量
に安価かつ任意の飽和磁化を持つものを製造することが
望まれている。
【0003】
【従来の技術】従来、酸化物磁性材料であるマグネタイ
ト粉を製造するのに以下の3つの方法が知られている。
【0004】(1) 湿式法(共沈法):Fe2++2F
3+の水溶液をアルカリ性にし、マグネタイト粉Fe3
4を共沈させて製造する。 (2) 乾式法:ヘマタイトα−Fe23を水素・一酸
化炭素あるいは水蒸気中で加熱・還元してマグネタイト
粉Fe34を製造する。
【0005】(3) 粉砕法:天然に産する磁鉄鉱を粉
砕してマグネタイト粉を製造する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の製造方
法によって製造したマグネタイト粉は、飽和磁化が一般
的なスピネルフェライトの値と比べて高く、組成による
飽和磁化の調整ができないため、マグネタイト粉の固有
の飽和磁化の値では使用し難い用途には適用できないと
いう問題があった。このマグネタイト粉の固有の飽和磁
化の値(例えば92emu/g)では、従来のフェライ
トなどが用いられていた用途に対して、そのまま置き換
えられなかった。
【0007】本発明は、これらの問題を解決するため、
ヘマタイト、ヘマタイト+マグネタイト、マグネタイト
にSi化合物を適量混ぜた混合物に炭素原子同士の単結
合あるいは二重結合を有する物質を混合し、焼成して所
望の飽和磁化を持つ酸化物磁性材料を簡易、安価、かつ
多量に製造することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】図1を参照して課題を解
決するための手段を説明する。図1において、混合工程
2は、ヘマタイト、ヘマタイト+マグネタイト、マグネ
タイトにSi化合物をSi換算で0.5〜65wt%を
混ぜた混合物に−C−C−あるいは−C=C−を分子中
に有する液体状物質あるいは固体状物質を0.1〜4.
0wt%混合する工程である。
【0009】造粒工程4は、混合物(混合粉)を球状顆
粒にする工程である。焼成工程5は、混合物(混合粉)
について不活性ガス中で1200〜1450°Cあるい
は550〜1450°C(マグネタイトのみの場合)の
焼成処理して所望の飽和磁化を持つ酸化物磁性材料粉を
製造する工程である。
【0010】
【作用】本発明は、図1に示すように、混合工程2でヘ
マタイト、ヘマタイト+マグネタイト、マグネタイトの
35〜99.5wt%、Si化合物のSi換算で0.5
〜65wt%、および−C−C−あるいは−C=C−を
分子中に有する液体状物質あるいは固体状物質の0.1
〜4.0wt%の3者を混合し、焼成工程5によって不
活性ガス中で1200〜1450°Cあるいは550〜
1450°C(マグネタイトのみの場合)の焼成を行っ
て所望の飽和磁化の値を持つマグネタイト+非磁性相の
酸化物磁性材料を製造するようにしている。
【0011】この際、混合工程2によって混合した混合
物(混合粉)を造粒工程4によって球状顆粒とした後、
焼成工程5によって焼成して酸化物磁性材料を球状とす
るようにしている。
【0012】従って、ヘマタイト、ヘマタイト+マグネ
タイト、マグネタイトにSi化合物を混ぜた混合物(混
合粉)に炭素原子同士の単結合あるいは二重結合を有す
る物質を混合、造粒、焼成してマグネタイト+非磁性相
の酸化物磁性材料を製造することにより、所望の飽和磁
化を持つ酸化物磁性材料を簡易、安価、かつ多量に製造
することが可能となる。
【0013】
【実施例】次に、図1から図9を用いて本発明の実施例
の構成および動作を順次詳細に説明する。
【0014】図1は、本発明の1実施例構成図を示す。
図1において、配合工程1は、ヘマタイト、ヘマタイト
+マグネタイト、マグネタイトのいずれかの粉末にSi
化合物の粉末をSi換算で0.5〜65wt%を秤量し
て配合する工程である。
【0015】混合工程2は、配合工程1で配合した粉末
を混合した混合粉に、−C−C−あるいは−C=C−を
分子中に持つ化合物(液体状物質あるいは固体状物質)
を0.1〜4.0wt%混合する工程である。例えば混
合粉にポリビニールアルコール2wt%、分散剤として
ポリカルボン酸塩1wt%を加え、更に球状顆粒にする
造粒のための水を加える。ここで、水は、30%〜70
%の範囲で加える。30%よりも少ないと、混練したと
きのスラリー粘度が高過ぎて球状化できなかった。70
%よりも多いと、スラリー濃度が薄過ぎて緻密な球状顆
粒が得られなかった。
【0016】粉砕工程3は、混合工程2によって混合し
たものを、アトリションミルで湿式粉砕して混合粉の濃
度約50wt%のスラリーを作成する工程である。造粒
工程4は、混合物(混合粉)を球状顆粒化する工程であ
る。ここでは、スラリーをアトライターで1時間撹拌
後、スプレードライヤーで熱風乾燥して球状顆粒化す
る。
【0017】焼成工程5は、造粒工程4で得られた顆粒
を不活性ガス中(例えば窒素ガス中)で1200〜14
50°C、あるいは550〜1450°Cの範囲の温度
で2時間加熱処理し、単相のマグネタイト+非磁性相の
粉末を形成する工程である。このときの飽和磁化の値
は、Si化合物のSi配合量によりコントロールできる
ため、当該Si化合物のSi配合率を変えて所望の飽和
磁化を持つ酸化物磁性材料粉の製造が可能となる(図3
から図7参照)。尚、ヘマタイトあるいマグネタイト粉
の一部にヘマタイトが存在していた場合、ヘマタイトは
不活性ガス中(弱い還元性雰囲気中)で当該ヘマタイト
からマグネタイトへの熱転移に加えて、混合した有機物
を不活性ガス中で加熱して不完全燃焼状態にし、当該有
機物の熱分解時にヘマタイトから酸素を奪って還元して
マグネタイト化を大幅に促進する。
【0018】解砕工程6は、焼成したマグネタイト+非
磁性相の粉体を解砕して所望の粒径の製品に仕上げる工
程である。以上の工程に従い、ヘマタイト、ヘマタイト
+マグネタイト、マグネタイトの35〜99.5wt%
にSi化合物をSi換算で0.5〜65wt%を混ぜた
混合粉に−C−C−あるいは−C=C−を分子中に持つ
化合物を0.1〜4.0wt%混合、更に水を混ぜて良
く混練して熱風乾燥し、球状に造粒した後、不活性ガス
中で1200〜1450°Cあるいは550〜1450
°C(マグネタイトのみの場合)の範囲で焼成してマグ
ネタイト+非磁性相の酸化物磁性粉を製造することがで
きる。これにより、所望の飽和磁化を持つ酸化物磁性粉
を安価、多量、かつ安全に製造することが可能となっ
た。以下順次説明する。
【0019】図2は、本発明の焼成実験結果例(SiO
2:0wt%)を示す。これは、ヘマタイト粉にPVA
(ポリビニールアルコール)を図示の量だけ添加および
分散材としてポリカルボル酸塩1wt%に水を加えて混
合して顆粒化したものを、図示の加熱温度Tで焼成した
後の粉末X線回折による定性分析結果である。比較例は
比較のための実験例である。実施例は本発明の実施例で
ある。この実験結果から以下のことが判明した。
【0020】(1) PVAを添加せずにヘマタイト粉
のみの場合(試料番号1〜8)、加熱温度を変えても単
相のマグネタイトは得られなかった。X線解析の結果に
よれば、α−Fe23あるいはFeOの相が存在する。
【0021】(2) PVAの添加量を2wt%とし、
加熱温度を変えると、1200〜1450°Cの範囲で
単相のマグネタイト(Fe34のみ)が得られた(試料
番号13〜15)。1150°C以下ではα−Fe23
が共存(試料番号9〜12)し、1500°C以上では
FeOが共存(試料番号16)した。従って、加熱温度
は、1200〜1450°Cの範囲とする必要がある
(試料番号13〜15)。
【0022】(3) 加熱温度を1300°Cと固定
し、PVA添加量を0.1〜3.0wt%まで変えた場
合、全て単相のマグネタイトが得られた(試料番号17
〜22)。
【0023】以上の実験結果からヘマタイト粉にPVA
の添加量が0.1〜3wt%(4wt%)で加熱温度が
1200〜1450°Cの範囲で焼成すると、全て単相
のマグネタイトを生成できると判明した。
【0024】図3は、本発明の実験例(ヘマタイト)を
示す。これは、ヘマタイト粉に酸化珪素粉をSi換算で
0.0〜79.5wt%混合した後、水と混合して粉体
濃度50wt%のスラリーとし、アトライターで1時間
撹拌後、110°Cで乾燥した。この粉体にポリビニー
ルアルコール1.0wt%を添加して乳鉢で混練した
後、目開き425ミクロンの標準篩を通して顆粒化し
た。得られた顆粒を直径12.5mmの円筒の金型に
0.5gr投入し、成形圧力1t/cm2で成形した
後、窒素ガス中で1100〜1500°Cで2時間加熱
処理した。窒素ガス中の酸素濃度はジルコニア式酸素濃
度計により測定した。加熱処理後の各試料の飽和磁化
は、振動型磁力計によって測定した(図9参照)。その
結果を図3に記載する。
【0025】(1) 加熱温度範囲:図3から1100
°Cで加熱した場合(試料番号1から10の場合)には
ヘマタイト(α−Fe23)が残留し、一方、1500
°Cで加熱した場合(試料番号41から50の場合)に
はウスタイト(FeO)が生成され、単相のマグネタイ
ト(Fe34のみ)が得られないことが判明した。
【0026】従って、加熱温度は、1200〜1450
°Cが適切であることが判明した。 (2) Si配合率(wt%):(1)で判明した加熱
温度1200〜1450°C範囲における酸化珪素粉の
Si換算のSi配合率を見ると(試料番号11から40
の場合の配合率を見ると)、0.5〜65.00wt%
と添加量を増やすに従い、飽和磁化が91〜20emu
/gと連続的に減少することが判明した(後述する図4
参照)。Si配合率65wt%よりも更に増すと飽和磁
化20emu/g以下となってしまい、小さすぎて実用
的ではなくなる。
【0027】従って、配合率は、Si化合物のSi換算
で0.5〜65wt%が適切であることが判明した。以
上のことから、ヘマタイトにSi化合物をSi換算で
0.5〜65wt%を混合し、加熱温度1200〜14
50°Cのときに良好な単相のマグネタイト+非磁性相
が生成されることが判明した(尚、炭素原子同士の単結
合あるいは二重結合を有する物質も0.1〜4.0wt
%混合する)。
【0028】図4は、本発明のSi配合率と飽和磁化曲
線例を示す。これは、Si化合物のSi換算の配合率w
t%を横軸とし、そのときの飽和磁化を縦軸とした飽和
磁化曲線であって、図3の実験結果の飽和磁化曲線であ
る。この飽和磁化曲線は、図3の加熱温度1200〜1
450°Cの範囲における、Si配合率wt%を横軸と
し、そのときの飽和磁化emu/gを縦軸としてプロッ
トし、これらを結んだ線分である。
【0029】従って、この図4の飽和磁化曲線を一度測
定しておけば、所望の飽和磁化emu/gを得るときの
Si配合率wt%を求めたり、逆に、Si配合率wt%
のときの飽和磁化emu/gを求め、所望の飽和磁化の
酸化物磁性粉を作成できる。
【0030】図5は、本発明の実験例(ヘマタイト+マ
グネタイト)を示す。これは、ヘマタイト粉とマグネタ
イト粉が50wt%で混ざり合った混合粉(ヘマタイト
+マグネタイト)に酸化珪素粉をSi換算で0.0〜7
9.5wt%混合した後、図3と同様にして、水と混
合、混練、顆粒化、成形、加熱処理して試料を作成し
た。この作成した試料の測定結果を図5に記載する。
【0031】(1) 加熱温度範囲:図5から1100
°Cで加熱した場合(試料番号1から10の場合)には
ヘマタイト(α−Fe23)が残留し、一方、1500
°Cで加熱した場合(試料番号41から50の場合)に
はウスタイト(FeO)が生成され、単相のマグネタイ
ト(Fe34のみ)が得られないことが判明した。
【0032】従って、加熱温度は、1200〜1450
°Cが適切であることが判明した。 (2) Si配合率(wt%):(1)で判明した加熱
温度1200〜1450°C範囲における酸化珪素粉の
Si換算のSi配合率を見ると(試料番号11から40
の場合の配合率を見ると)、0.5〜65.00wt%
と添加量を増やすに従い、飽和磁化が91〜20emu
/gと連続的に減少することが判明した。Si配合率6
5wt%よりも更に増すと飽和磁化20emu/g以下
となってしまい、小さすぎて実用的ではなくなる。
【0033】従って、配合率は、Si化合物のSi換算
で0.5〜65wt%が適切であることが判明した。以
上のことから、ヘマタイト+マグネタイトにSi化合物
をSi換算で0.5〜65wt%を混合し、加熱温度1
200〜1450°Cのときに良好な単相のマグネタイ
ト+非磁性相が生成されることが判明した(尚、炭素原
子同士の単結合あるいは二重結合を有する物質も0.1
〜4.0wt%混合する)。
【0034】図6および図7は、本発明の実験例(マグ
ネタイト)を示す。これは、マグネタイト粉に酸化珪素
粉をSi換算で0.0〜79.5wt%混合した後、図
3と同様に、水と混合して粉体濃度50wt%noスラ
リーとし、アトライターで1時間撹拌後、110°Cで
乾燥した。この粉体にポリビニールアルコール1.0w
t%を添加して乳鉢で混練した後、目開き425ミクロ
ンの標準篩を通して顆粒化した。得られた顆粒を直径1
2.5mmの円筒の金型に0.5gr投入し、成形圧力
1t/cm2で成形した後、窒素ガス中で500〜15
00°Cで2時間加熱処理した。窒素ガス中の酸素濃度
はジルコニア式酸素濃度計により測定した。加熱処理後
の各試料の飽和磁化は、振動型磁力計によって測定した
(図9参照)。その結果を図6および図7に記載する。
【0035】(1) 加熱温度範囲:図6および図7か
ら500°Cで加熱した場合(試料番号1から10の場
合)には窒素ガス中に含まれる微量O2により酸化して
ヘマタイト(α−Fe23)が生成されてしまい、一
方、1500°Cで加熱した場合(試料番号81から9
0の場合)にはウスタイト(FeO)が生成され、単相
のマグネタイト(Fe34のみ)が得られないことが判
明した。ここで、マグネタイトを原料としてSi化合物
を混合し、マグネタイト+非磁性相の生成によって飽和
磁化を任意調整する場合、当該マグネタイトを新たに還
元してマグネタイト化する必要がないため、接合あるい
は軽い焼結を起こしてハンドリングなどの実際的な取り
扱いに必要な強度が得られればよく、550°Cという
低い温度であっても良好な飽和磁化の調整ができること
が判明した。
【0036】従って、加熱温度は、550〜1450°
Cが適切であることが判明した。 (2) Si配合率(wt%):(1)で判明した加熱
温度550〜1450°C範囲における酸化珪素粉のS
i換算のSi配合率を見ると(試料番号11から80の
場合の配合率を見ると)、0.5〜65.00wt%と
添加量を増やすに従い、飽和磁化が91〜16emu/
gと連続的に減少することが判明した。Si配合率65
wt%よりも更に増すと飽和磁化16emu/g以下と
なってしまい、小さすぎて実用的ではなくなる。
【0037】従って、配合率は、Si化合物のSi換算
で0.5〜65wt%が適切であることが判明した。以
上のことから、マグネタイトにSi化合物をSi換算で
0.5〜65wt%を混合し、加熱温度550〜145
0°Cのときに良好な単相のマグネタイト+非磁性相が
生成されることが判明した(尚、炭素原子同士の単結合
あるいは二重結合を有する物質も0.1〜4.0wt%
混合する)。
【0038】図8は、本発明の加熱曲線例を示す。これ
は、加熱温度T°C、2Hr(加熱温度T°Cで2時間
加熱)のときの加熱曲線例である。室温から200°C
/Hrの速度でT°Cまで上昇し、T°Cで2時間保持
した後、200°C/Hrの速度で室温に戻す。ここ
で、T°Cは、図2、図3、図5から図7の加熱温度で
ある。
【0039】図9は、本発明の飽和磁化の説明図を示
す。これは、図3ないし図7の飽和磁化を測定するとき
の説明図である。横軸は印加する磁界の強さH Oeを
表し、縦軸はそのときの磁化の強さM emuを表す。
振動型磁力計は、図示のように、例えば15kOeの磁
界を印加した状態で、そのときのマグネタイト+非磁性
相の粉体の磁化の強さMs emuを測定する。そし
て、飽和磁化は、図示の下記の式 δs=Ms/(マグネタイト+非磁性相の粉の重量g)[emu/g](1) によって求める。この式(1)によって求めたものが図
3ないし図7の飽和磁化δsである。
【0040】尚、本発明に加えて、更に焼結条件を調整
することで、粉体表面などに酸化相(ヘマタイト、カル
シウム過酸化物など)を形成し、飽和磁化を更に細かく
調整することも可能であると判明しているので、手間が
増えるが必要に応じて適用すればよい。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ヘマタイト、ヘマタイト+マグネタイト、あるいはマグ
ネタイトにSi化合物および炭素原子同士の単結合ある
いは二重結合を有する物質を混合し、焼成して任意の値
の飽和磁化を持つマグネタイト+非磁性相の酸化物磁性
材料を製造する構成を採用しているため、所望の飽和磁
化を持つ酸化物磁性材料を簡易、安価、かつ多量に製造
することができる。特に、多量のヘマタイト、ヘマタイ
ト+マグネタイト、あるいはマグネタイトにSi化合物
および炭素原子同士の単結合あるいは二重結合を有する
物質を混ぜた混合粉を一度に焼成工程5によって所望の
飽和磁化のマグネタイト+非磁性相の粉体(酸化物磁性
材料)を簡単な工程、容易、かつ安価に製造できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例構成図である。
【図2】本発明の焼成実験結果例(SiO2:0wt
%)である。
【図3】本発明の実験例(ヘマタイト)である。
【図4】本発明のSi配合率と飽和磁化曲線例である。
【図5】本発明の実験例(ヘマタイト+マグネタイト)
である。
【図6】本発明の実験例(続く、マグネタイト)であ
る。
【図7】本発明の実験例(続き、マグネタイト)であ
る。
【図8】本発明の加熱曲線例である。
【図9】本発明の飽和磁化の説明図である。
【符号の説明】
1:配合工程 2:混合工程 3:粉砕工程 4:造粒工程 5:焼成工程 6:解砕工程
【手続補正書】
【提出日】平成6年7月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】(1) PVAを添加せずにヘマタイト粉
のみの場合(試料番号1〜8)、加熱温度を変えても単
相のマグネタイトは得られなかった。X線回折の結果に
よれば、α−Fe23あるいはFeOの相が存在する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下川 明 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヘマタイトを35〜99.5wt%、Si
    化合物をSi換算で0.5〜65wt%、および−C−
    C−あるいは−C=C−を分子中に有する液体状物質あ
    るいは固体状物質を0.1〜4.0wt%の3者を混合
    し、不活性ガス中で1200〜1450°Cの焼成した
    マグネタイト+非磁性相からなる酸化物磁性材料。
  2. 【請求項2】ヘマタイト+マグネタイトを35〜99.
    5wt%、Si化合物をSi換算で0.5〜65wt
    %、および−C−C−あるいは−C=C−を分子中に有
    する液体状物質あるいは固体状物質を0.1〜4.0w
    t%の3者を混合し、不活性ガス中で1200〜145
    0°Cの焼成したマグネタイト+非磁性相からなる酸化
    物磁性材料。
  3. 【請求項3】マグネタイトを35〜99.5wt%、S
    i化合物をSi換算で0.5〜65wt%、および−C
    −C−あるいは−C=C−を分子中に有する液体状物質
    あるいは固体状物質を0.1〜4.0wt%の3者を混
    合し、不活性ガス中で550〜1450°Cの焼成した
    マグネタイト+非磁性相からなる酸化物磁性材料。
  4. 【請求項4】ヘマタイトあるいはヘマタイト+マグネタ
    イトの35〜99.5wt%と、Si化合物をSi換算
    で0.5〜65wt%と、−C−C−あるいは−C=C
    −を分子中に有する液体状物質あるいは固体状物質の
    0.1〜4.0wt%とを混合する混合工程(2)と、 混合した混合物を不活性ガス中で1200〜1450°
    Cの焼成する焼成工程(5)とを備えた酸化物磁性材料
    の製造方法。
  5. 【請求項5】マグネタイトの35〜99.5wt%と、
    Si化合物をSi換算で0.5〜65wt%と、−C−
    C−あるいは−C=C−を分子中に有する液体状物質あ
    るいは固体状物質の0.1〜4.0wt%とを混合する
    混合工程(2)と、 混合した混合物を不活性ガス中で550〜1450°C
    の焼成する焼成工程(5)とを備えた酸化物磁性材料の
    製造方法。
  6. 【請求項6】上記混合した混合物を造粒によって球状顆
    粒とした後に上記焼成して上記酸化物磁性材料を球状と
    した請求項1ないし請求項3記載の酸化物磁性材料。
  7. 【請求項7】上記混合した混合物を球状顆粒にする造粒
    工程(4)を備え、 この球状顆粒を焼成して酸化物磁性材料を球状とする請
    求項4および請求項5記載の酸化物磁性材料の製造方
    法。
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