JPH07121043A - 加熱定着装置 - Google Patents

加熱定着装置

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JPH07121043A
JPH07121043A JP28555293A JP28555293A JPH07121043A JP H07121043 A JPH07121043 A JP H07121043A JP 28555293 A JP28555293 A JP 28555293A JP 28555293 A JP28555293 A JP 28555293A JP H07121043 A JPH07121043 A JP H07121043A
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rotator
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正弘 後藤
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辰一 月田
Satoru Izawa
悟 伊澤
Koichi Tanigawa
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    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G2215/00Apparatus for electrophotographic processes
    • G03G2215/20Details of the fixing device or porcess
    • G03G2215/2003Structural features of the fixing device
    • G03G2215/2058Shape of roller along rotational axis
    • G03G2215/2061Shape of roller along rotational axis concave

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  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Delivering By Means Of Belts And Rollers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、記録材端部の波打ちを防止するこ
とのできる加熱定着装置を提供することを目的としてい
る。 【構成】 定着ローラ9は、記録材Pにシワが生じるこ
とを防止するために、記録材通過領域内では、長手方向
中央部の外径D1を30mmとし、最大外径部aの外径
D2、D3を30.1mmとした逆クラウン形状とする
と共に、その最大外径部aを記録材通過領域内の長手方
向両端部bよりも内側に位置させ、さらに両端部bの外
径D4、D5を29.6mmとして両端部に向かうにつ
れて外径が順次小さくなる形状とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真方式、静電記
録方式等を採用する画像形成装置に具備される定着装
置、詳しくは、互いに圧接して配設される加熱用回転体
と加圧用回転体とで構成される加熱定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式、静電記録方式等を
採用する画像形成装置に具備される定着装置において
は、未定着トナー像を担持した記録材を、互いに圧接し
て回転する加熱用回転体である定着ローラと加圧用回転
体である加圧ローラとで形成されるニップ部を通過させ
ることにより記録材上に永久画像として定着させる、い
わゆる加熱ローラ定着装置が広く用いられている。そし
て、このような加熱ローラ定着装置においては、定着ロ
ーラ、加圧ローラの少なくとも一方の外径形状を、その
長手方向両端部の外径が最大、中央部の外径が最小とな
るような、いわゆる逆クラウン形状に構成し上記ニップ
部を通過する時に記録材の両端を引っ張ることによりシ
ワを防止している。このような構成においては、記録材
を定着ローラ等の長手方向に強制的に引き伸ばすことと
なり、その歪みがコシの弱い記録材の両端部に及び、そ
の結果、記録材の両端部がうねってしまう、いわゆる
「波打ち」が生じてしまい、両面印字の時等に画像品位
を損ねる場合がある。そこで、特開平2−262684
号公報においては、逆クラウン形状に構成された加圧ロ
ーラの最大外径部を、その両端部よりも内側に位置さ
せ、ここに相当する記録材にわずかなスジを形成するこ
とにより、記録材の両端部にコシを持たせることによ
り、シワ防止を行いながら上記波打ちを防止する技術が
開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、本
発明者等の鋭意研究によれば、上記改良提案における実
施形態では、出力された記録材である紙全体の波打ちに
対しては効果が得られるが、端部波打ちに対してはあま
り効果の無いことが判かった。この端部波打ちが生じる
と、出力された紙を重ねて製本等をした場合、紙端が揃
わず見苦しいものが有った。特に、この現象は定着ロー
ラの外径が小さいもの程顕著であることが判かってお
り、近年電子写真プリンタ、複写機等のパーソナルユー
ス化が進み加熱定着装置が小型化されたことにより定着
ローラ、加圧ローラが小径化されることにより上記現象
が生じ易くなっている。
【0004】この記録材端部の波打ちは定着ローラまた
は加圧ローラに形成された逆クラウン形状に加え、両端
加圧による定着ローラ及び加圧ローラの撓みによりニッ
プ幅が中央部に比べ端部が大きくなり、記録材端部に強
いストレスが加わると同時に、記録材端部の搬送速度が
他の部分に比べて速いためにニップ領域内で記録材端部
がスリップし、その時記録材である紙の端部が部分的に
引き伸ばされることで生じると考えられる。特に、定着
ローラの外径が小さい場合には、撓みが大きくなると共
にスリップの周期が短くなるためにこの端部波打ちの数
が増え、小径ローラでこの現象が顕著となる。これに対
し従来例である特開平2−262684号公報に記載さ
れている実施形態では単に加圧ローラ側に外径差で0.
2mmに満たないテーパーをつけただけのため、ニップ
幅の端部と中央部での差が十分小さくならず上記現象に
対する効果が不十分であることが本発明者等の検討によ
り判かった。
【0005】本発明は、上記問題点を解決し、記録材端
部の波打ちを防止することのできる加熱定着装置を提供
することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願第一発明によれば、
上記目的は、未定着画像が形成された記録材を、所定の
温度に維持された加熱用回転体と、これに圧接された加
圧用回転体との間に形成されたニップ領域を通過させる
ことにより、上記未定着画像を記録材上に永久画像とし
て定着させる加熱定着装置において、上記加熱用回転体
または加圧用回転体の少なくとも一方が記録材通過領域
内で記録材端部近傍位置から両端部に向かうにつれ外径
が順次小さくなる形状を有しており、当該部分の外径形
状の傾きが0.02〜0.2の間にあることにより達成
される。
【0007】また、本願第二発明によれば、上記目的
は、未定着画像が形成された記録材を、所定の温度に維
持された加熱用回転体と、これに圧接された加圧用回転
体との間に形成されたニップ領域を通過させることによ
り、上記未定着画像を記録材上に永久画像して定着させ
る加熱定着装置において、上記加熱用回転体または加圧
用回転体の少なくとも一方が記録材通過領域内で記録材
端部近傍位置から両端部に向かうにつれ外径が順次小さ
くなる形状を有しており、当該部分の外径形状の傾きが
記録材通過領域内で一定または端部にいくに従って順次
大きくなることにより達成される。
【0008】さらに、本願第三発明によれば、上記目的
は、未定着画像が形成された記録材を、所定の温度に維
持された加熱用回転体と、これに圧接された加圧用回転
体との間に形成されたニップ領域を通過させることによ
り、上記未定着画像を記録材上に永久画像して定着させ
る加熱定着装置において、上記加熱用回転体または加圧
用回転体の少なくとも一方が記録材通過領域内で複数の
記録材サイズに対応して各記録材端部近傍の外径形状が
記録材端部内側から外側に向かうにつれて外径が細くな
っていくことにより達成される。
【0009】また、本願第四発明によれば、上記目的
は、未定着画像が形成された記録材を、所定の温度に維
持された加熱用回転体と、これに圧接された加圧用回転
体との間に形成されたニップ領域を通過させることによ
り、上記未定着画像を記録材上に永久画像して定着させ
る加熱定着装置において、上記ニップ領域幅が記録材通
過領域内で記録材端部近傍位置の内側から両端部に向か
うにつれ順次小さくなることにより達成される。
【0010】
【作用】本願第一発明によれば、加熱用回転体または加
圧用回転体の少なくとも一方が記録材通過領域内で記録
材端部近傍位置から両端部に向かうにつれ外径が順次小
さくなる形状となっているため、記録材端部のストレス
を弱めるばかりでなくニップ領域内でスリップが発生す
る場所が記録材端部の内側に寄るので、記録材端部は常
に定着ローラに密着して搬送することが可能になり、ス
リップ時の衝撃で記録材の一部分が伸びることによって
発生する波打ちが発生しにくくなる。また、外径形状の
傾きを0.02〜0.2の間にすることにより、最大外
径部に相当する位置における画像立てスジの発生を抑え
る。
【0011】また、本願第二発明によれば、定着用回転
体または加圧用回転体の少なくとも一方が記録材通過領
域内で記録材端部近傍位置から両端部に向かうにつれ外
径が順次小さくなる形状を有しており、当該部分の外径
形状の傾きが記録材通過領域内で一定または端部にいく
に従って順次大きくなっているため、一方の回転体及び
記録材が端部テーパー形状に倣い易く、他方の回転体に
対する密着性が向上し、記録材の端部波打ちの原因であ
るスリップが生じない。
【0012】さらに、本願第三発明によれば、上記第一
発明または第二発明のように回転体の外径が端部側へ順
次小さくなる部分が、複数の記録材サイズに対応するよ
うに、複数箇所に設けられているので、各記録材におい
て端部波打ちが防止される。
【0013】また、本願第四発明によれば、ニップ領域
幅が記録材通過領域内で記録材端部近傍位置の内側から
両端部に向かうにつれ順次小さくなっているので、記録
材端部に対し強いストレスが加わることがなく、同時に
記録材端部の搬送速度が他の部分に比べ速くることがな
いため、ニップ領域内における記録材端部のスリップを
発生させず、記録材の端部波打ちを防ぐ。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0015】〈実施例1〉先ず、本発明の実施例1を図
1ないし図5に基づいて説明する。図1は本発明の実施
例1における画像形成装置の構成図である。
【0016】図1において、1は感光ドラムであり、O
PC、アモルファスSe、アモルファスSi等の感光材
料がアルミニウムやニッケル等のシリンダ状の基盤上に
形成されている。感光ドラム1は矢印の方向に回転駆動
され、先ず、その表面は帯電装置としての帯電ローラ2
によって一様帯電される。次に、画像情報に応じてON
/OFF制御されたレーザビーム3による走査露光が施
され、静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装
置4で現像、可視化される。現像方法としては、ジャン
ピング現像法、二成分現像法、FEED現像法等が用い
られ、イメージ露光と反転現像とを組み合わせて用いら
れることが多い。
【0017】可視化されたトナー像は、転写装置として
の転写ローラ5により、所定のタイミングで搬送された
記録材P上に転写される。このトナー像が転写された記
録材Pは定着装置6へと搬送され、永久画像として定着
された後、排紙トレイ7上に、いわゆるフェイスダウン
排紙される。一方、感光ドラム1上に残存する転写残り
の残留トナーは、クリーニング装置8により感光ドラム
1表面より除去される。
【0018】図2に、以上のような画像形成装置におけ
る加熱定着装置6の構成を示す。図2おいて、9は定着
ローラ、10は加圧ローラであり、各々矢印の方向に回
転する本実施例では通紙可能最大記録材サイズはLTR
サイズ(幅216mm、長さ279mm)としており、
定着ローラ9は、肉厚3mm、内径が24mmの耐熱性
に優れたアルミニウムから成る中空芯金11の表層部
に、PFA12が30μmの厚さで被覆されており、ま
た中空芯金11内部には、定着ローラ9を加熱するため
のハロゲンヒータ13が配設されている。一方、加圧ロ
ーラ10は、外径10mmの鉄から成る芯金14の外周
部に、肉厚10mmの離型性に優れたシリコーンゴム1
5が形成されている。なお、この加圧ローラ10の硬度
は、50°(ASKER−C500g荷重時)である。
【0019】そして、これら定着ローラ9と加圧ローラ
10とは、各々の長手方向両端部において、バネ(図示
せず)により、互いに圧接されている。また、定着ロー
ラ9に対しては、定着ローラ9の表面温度を検知するた
めのサーミスタ16が当接されており、これにより検知
された定着ローラ9の表面温度情報は、A/D変換器
(図示せず)を介してCPU(図示せず)へと送られ、
これに基づきCPU(図示せず)は、ACドライバ(図
示せず)を介してハロゲンヒータ13のON/OFFを
制御することにより、定着ローラ9の表面温度を所定値
に制御する。
【0020】さらに、本発明に係る加熱定着装置に具備
される定着ローラの形状について、図3を参照しつつ詳
述する。この定着ローラ9は、記録材Pにシワが生じる
ことを防止するために、記録材通過領域内では長手方向
中央部の外径が、最大外径部よりも小さくなるような逆
クラウン形状であると共に、その最大外径部が記録材通
過領域内の長手方向両端部よりも内側に位置し、さらに
両端部に向かうにつれて外径が順次小さくなる形状を有
している。本実施例では、記録材通過領域内の中央部の
外径D1=30mm、最大外径部aの外径D2、D3=
30.1mmとし、その外側の両端部bの外径D4、D
5=29.6mmとして記録材端部に生じる波打ちを評
価した。ここで、最大外径部aは、記録材Pの両端部が
通過する位置cよりも内側で、aとcとの距離Lは4m
mとし、記録材Pの両端部が通過する位置cは、定着ロ
ーラ9の両端部bよりも内側で、bとcとの距離L’は
6mmとした。
【0021】ここで記録材端部波打ちに関しては、図4
に示すように出力された記録材を50枚重ね平板状に置
き、その時に見える数を評価した。この結果、本実施例
の加熱定着装置を用いた場合波の数は二個以下であり、
高さも1mm以下で出力紙を重ねて横から見たとき殆ど
真っ直ぐの状態に近かった。また、記録材のシワの発生
や、画像上の弊害も特に無かった。
【0022】一方、従来例のように端に逆クラウン形状
のみの定着ローラを用いた場合、また、特開平2−26
2684号公報に記載されている程度の端部外径の細ら
せ方では上記効果に対しては不十分であった。
【0023】そこで、両端部bの外径D4、D5を変化
させ記録材端部に生じる波打ちを評価した実験結果を表
1に示す。ここで波打ちに関しては、図4に示すよう
に、出力された記録材を50枚重ね平板状に置き、その
時に見える波の数を評価した。
【0024】
【表1】
【0025】ここで、複数の被験者によるパネルテスト
の結果では出力紙を重ねた時に見苦しく感じないのが波
の数が三個以下、より好ましくは二個以下であることか
らD4、D5部の外径は29.90以下であることが必
要で、より好ましくは29.80以下であることが望ま
れる。この結果から記録材端部の波打ちを防止するため
には定着ローラ9の最大外径部aから両端部にいくに従
って順次テーパー状に細くなっていく外径形状の傾きが
重要なファクターと考えられるため、テーパー状の外径
形状の傾きで表現すると(30.10−29.90)m
m/10mm=0.02以上、より好ましくは(30.
10−29.80)mm/10mm=0.03以上の傾
きを有している必要が有る。
【0026】上記傾きの上限については記録材がニップ
部で定着ローラ形状に沿って強く折り曲げられるために
画像上に縦スジが発生することによって決定される。本
発明者等は坪量75g/m2にベタ黒画像を出力し最大
外径部a部に相当する位置に現れる画像縦スジについて
検討し、表2に示すような実験結果を得ることができ
た。
【0027】
【表2】
【0028】上記表で○は縦スジが無い状態、△は縦ス
ジを認めることができるが実用上は問題無いと判断でき
る状態、×ははっきりと縦スジを認めることができる状
態である。この結果から、テーパー部の傾きは0.2以
下、より好ましくは、0.15以下である必要が有るこ
とが判かる。
【0029】以上のように、記録材端部の波打ちを防止
するためには、記録材通過領域内で記録材端部位置の内
側から外側に向かうにつれ順次外径が小さくなるテーパ
ー形状を有し、さらにその部分の外径形状の傾きが0.
02〜0.2の間にあること、より好ましくは0.03
〜0.15の間にあることが必要であることがわかる。
【0030】このような作用効果が生じる理由について
は以下のように考えられる。紙端部の波状のうねりが生
じる理由については従来例で述べたように、記録材端部
のニップ幅が他の部分に比して大きいため、そこで記録
材端部に対して強いストレスが加わると同時に記録材端
部の搬送速度が他の部分に比べて速いためにニップ領域
内で記録材端部がスリップすることにより発生すると考
えられる。一方、本実施例の加熱定着装置では、定着ロ
ーラ、加圧ローラで形成されるニップは図5に示すよう
な形状となっており、ニップ幅も最大外径部a部の外側
領域では徐々に小さくなってきている。この結果、記録
材端部のストレスを弱めるばかりでなくニップ領域内で
スリップが発生する場所が記録材端部の内側に寄るため
に記録材端部は常に定着ローラに密着して搬送すること
が可能になり、スリップ時の衝撃で記録材の一部分が伸
びることによって発生する波打ちが発生しにくくなる。
従って、本実施例で示した定着ローラ端部の外径形状の
傾きの数値範囲は上記ニップ形状を形成するために必要
な数値範囲と言い替えられる。
【0031】〈実施例2〉次に、本発明の実施例2を図
6に基づいて説明する。なお、実施例1との共通箇所に
は同一符号を付して説明を省略する。
【0032】図6は本実施例に用いた加熱定着装置6を
示す。本実施例においては、本発明に係る定着ローラ9
を、シリコーンゴム15の表層部に、PFAチューブ2
0が50μm被覆された加圧ローラ10と組み合わせこ
とを特徴とする。
【0033】このように、加圧ローラの表面にPFAチ
ューブのような離型層を設けることは、加圧ローラ表面
にトナー、紙粉等が付着し、汚れとして堆積することを
防止し、清掃部材無しで加圧ローラの延命化を図る意味
で極めて重要である。ところが、加圧ローラの表面にP
FAのような離型層を設けた場合、紙は定着ローラ及び
加圧ローラに対してスリップし易くなり、定着ローラの
外径形状によって生じる周速差により記録材の搬送方向
と垂直の方向の動きが生じ易くなり、記録材端部の波打
ちがより生じ易くなるだけでなく上記実施例1で説明し
た画像縦スジも発生し易くなる。
【0034】これに対し本発明者等が検討した結果、実
施例1で示したような記録材端部相当位置での定着ロー
ラの外径形状の傾きを最適化するのに加え、端部の外径
形状の傾きと逆クラウンを形成している部分の外径形状
の傾きの関係も重要なパラメータであることが判かっ
た。
【0035】図6に示した加熱定着装置6は鉄から成る
外径10mmの芯金14の上に肉厚10mmのシリコー
ンゴム層15を有する加圧ローラの表層に上述のような
PFAチューブ20を50μm設けた以外は上記実施例
1と同等なので説明を省略する。
【0036】本実施例では、図3に示した定着ローラ9
を用い、逆クラウン量(D2−D1またはD3−D1)
と端部テーパー部の外径形状の傾き((D2−D4)/
(L+L’)または(D3−D5)/(L+L’))を
パラメータにとって記録材端部の波打ち、画像縦黒スジ
について実験を行った。
【0037】上記実験結果のうち記録材端部の波打ちに
ついは表3に示し、画像縦黒スジについては表4に示
す。
【0038】
【表3】
【0039】上記表から記録材端部の波打ちを防止する
ためには、上記実施例1で述べたように定着ローラ端部
テーパー部傾きが0.02以上であることに加え、定着
ローラ逆クラウン量に対し一定の値以上大きい必要のあ
ることが判かる。ここで、定着ローラの逆クラウン量を
端部テーパー部傾きと同じく傾きで表現すると、逆クラ
ウン量0.05mmは0.0005(0.05mm/1
04mm)であり、逆クラウン量0.1mmは0.00
1、逆クラウン量0.2mmは0.002となる。従っ
て、端部テーパー部傾きと逆クラウン量傾きの比率をと
ると、記録材端部の波打ちを防止するためには端部傾き
が逆クラウン量傾きに対して20倍以上必要なことが上
記表3の結果から判かる。これは定着ローラの逆クラウ
ンの影響で記録材を端部方向へ引っ張る力が強く働き、
一方記録材端では記録材を中央部に引き込もうとする力
が働くためである。このとき逆クラウンの影響で記録材
を端部に引っ張る力が強い場合には最大外径部aでスリ
ップが生じようとし、このとき加圧ローラの表面が滑り
性が良いためこのスリップ力が記録材端部まで及んでし
まう。また、端部テーパー部傾きが大きい場合には、こ
のスリップ力を相殺しようとする力が働くが、端部テー
パー部傾きが小さい場合には、そのスリップ力を弱めら
れず、記録材端部でもスリップが生じて波打ちが発生す
る。さらに、逆クラウン量が小さいときは端部テーパー
部傾きが大きすぎると逆に記録材を中央部へ引き込む力
が強すぎ上記と同様にスリップ力が働き波打ちが発生す
る。これを上記と同様に端部テーパー部傾きと逆クラウ
ン量傾きの比率で表現すると比率が300以下であれば
良いことが判かる。
【0040】次に、端部テーパー部傾きと逆クラウン量
の比率の上限を決定するもう一つの要因である画像縦ス
ジの実験結果について表4に示す。
【0041】
【表4】
【0042】上記表からは画像縦スジは実施例1と同様
に逆クラウン量との相対関係は無く、端部テーパー部傾
きの大きさによって決まることが判かる。これは、本現
象が単に定着ローラの外径形状による記録材を折り曲げ
る力に支配されているためと考えられる。従って、本実
施例のように、加圧ローラにPFAのような滑り性の良
い離型層を設けた場合には、上記実施例1の条件である
定着ローラ端部傾きが0.02〜0.2の間にあること
に加え、定着ローラ中央部から端部にかけて形成された
逆クラウン形状の傾きに対し、20〜300倍の範囲に
あることが必要とされることが判かる。
【0043】なお、本実施例では、PFA等の離型層を
設けた加圧ローラを有する加熱定着装置について述べた
が、当然のことながら上記離型層を有さずとも本実施例
の数値範囲は有効であることは言うまでもない。
【0044】〈実施例3〉次に、本発明の実施例3を図
7及び図8に基づいて説明する。なお、実施例1との共
通箇所には同一符号を付して説明を省略する。
【0045】本実施例は、実施例1の更なる改良に関し
ており、定着ローラ端部のテーパー部傾きの適用可能な
数値範囲をより広げることを可能とする。具体的には端
部テーパー部の傾きに加えて、端部テーパー部の傾きの
変化に着目して上記目的を達成する。
【0046】図7に、本実施例に用いた加熱定着装置6
を示す。本実施例においては、定着ローラ71の芯金肉
厚を2mm以下の薄肉としたことを特徴としている。こ
のように定着ローラ71の芯金肉厚を薄くすることによ
り定着ローラ71の表面温度立ち上がりが速くなり、ウ
ェイトタイムが短くなるためにスタンバイ中に定着ヒー
タ13への通電を止めた節電モードを採用してもリスタ
ート時にすぐ定着ローラの表面温度が立ち上がるため
に、上記節電モードを多用し易くなり、省エネルギーに
とって有効である。ところで、このような薄肉の定着ロ
ーラ71を用いた場合、記録材端部相当位置からの定着
ローラテーパー量が、芯金の強度上限られる。そこで、
本発明者等が検討した結果、端部の外径形状の傾きを最
適化することに加え、傾きの変化率を最適化することで
端部傾きを十分大きくすることのできない薄肉の定着ロ
ーラに対しても優れた端部波打ちに対する防止効果が得
られることが判かった。
【0047】図8は本実施例を説明するための定着ロー
ラ端部テーパー形状の部分拡大図である。本実施例で
は、定着ローラに芯金肉厚を1.5mmとしている。図
8のaは最大外径部から端部に向かって直線状に外径が
細くなっている定着ローラを示し、図8のbはテーパー
開始から徐々に傾きが大きくなっていく凸型円弧状の外
径形状を示し、図8のcはテーパー開始から徐々に傾き
が小さくなっていく凹型円弧状に外径形状を示す。これ
らの定着ローラを用い、テーパー量を替えて端部波打ち
を評価した結果を表5に示す。
【0048】
【表5】
【0049】上記表で×は波の数が四個以上、△は波の
数が三個、○は波の数が二個、◎は波の数が一個以下で
有ることを示す。この結果から、端部テーパー部形状に
限らず、端部テーパー部の傾きが0.02以上であれば
実用上は問題無いレベルとなるが、さらに端部波打ちを
減らそうとしたときには、aまたはbの形状が優れてお
り、テーパー部の形状が重要な要素にることが判かる。
特に薄肉の定着ローラを用いたとき等は、芯金の強度上
テーパー量をできるだけ少なくしたいため、aまたはb
の形状が有効であることが判かる。このようにaまたは
bの形状がcに比べて優れている理由としては加圧ロー
ラ及び記録材が端部テーパー形状に倣い易く定着ローラ
に対する密着性が向上し端部波打ちの原因であるスリッ
プが生じないためと考えられる。従って、定着ローラ端
部形状としてはテーパー開始から終了時にかけてその傾
きが一定か、またはテーパー開始時には小さくその後徐
々に大きくなっていく形状が望ましいと言える。
【0050】さらに、本実施例の発明を適用し端部テー
パー部の形状をaまたはbのようにすることで端部テー
パー部で発生し易かった厚紙やOHP用紙でのスジも殆
ど生じないという別の効果も得ることができた。
【0051】〈実施例4〉次に、本発明の実施例4を図
9に基づいて説明する。なお、実施例1との共通箇所に
は同一符号を付して説明を省略する。
【0052】図9は本発明の実施例4の加熱定着装置に
用いる定着ローラの外径形状を示す概略図である。本定
着ローラ91は図2に示したものと同じ断面形状の加熱
定着装置に適用するために加熱定着装置の説明は省略す
る。
【0053】本発明は、複数の記録材サイズに対応して
紙端部の波打ちを防止する技術に関しており、図9に示
すように定着ローラは中央部から端部にいくに従って徐
々に外径が大きくなる逆クラウン形状を有しており、各
記録材サイズの端部に対応した部分では外径が外側に向
かうにつれてテーパー状に細くなる形状を有している。
本実施例ではB5サイズ(177mm×248mm)、
EXEサイズ(184mm×267mm)に対応した部
分aと、A4サイズ(210mm×297mm)、LT
Rサイズ(216mm×279mm)に対応した部分b
に部分的なテーパー形状部を有している。具体的には中
央部の外径D1=30.0mmで端部に向かうにつれ徐
々に外径が太くなり、B5サイズ、EXEサイズ対応部
では中央部から85mmの位置がB5、EXEサイズ通
紙領域内の最大外径部であり、D2(D3)=30.0
7mmであり、そこから部分的なテーパー形状が始まり
95mmの位置で外径がD4(D5)=29.87mm
となるようなテーパー形状を有しており、さらに端部に
向かうにつれ外径は再び徐々に太くなり中央部から10
2mmの位置では外径がD6(D7)=30.15mm
で記録材端部通過領域内での最大外径部となり、そこか
らテーパー状に外径が細くなり112mmの1で外径が
D8(D9)=29.75mmとなる。
【0054】このような定着ローラを用いたところ、B
5サイズからLTRサイズに至る各サイズにおいてシ
ワ、画像縦スジ等の弊害を伴うことなく、端部波打ちを
有効に防止することが可能となった。なお、本実施例に
おいて山型形状に必要とされる数値範囲は本発明者等の
検討によると上記実施例1ないし実施例3に記載した数
値範囲をそのまま適用することができる。また、本実施
例では定着ローラに中央部から端部にいくに従って外径
が太くなる逆クラウン形状のものを用いたが、定着ロー
ラ外径形状が中央部から端部にかけて等しいストレート
形状のものを用い、上記部分テーパー形状を各記録材サ
イズに対応させて形成し、加圧ローラ側に逆クラウン形
状を形成しても上記と同様な作用効果を得られる。
【0055】〈実施例5〉次に、本発明の実施例5を図
10に基づいて説明する。なお、実施例1との共通箇所
には同一符号を付して説明を省略する。
【0056】図10は本発明の実施例5の加熱定着装置
に適用する定着ローラ101の外径形状を示す図であ
る。本定着ローラ101を適用する加熱定着装置はその
断面は図4に記載したもの同じである。本発明は、複数
の記録材サイズに対応して紙端部の波打ちを防止する技
術に関し、特にA3サイズ(297mm×420mm)
のような幅広の記録材に対応し、同時に加圧ローラにP
FA等の離型層を設けた場合に特に有効に作用する。具
体的には定着ローラの部分テーパー形状が対応する記録
材サイズ幅が大きくなるに従ってテーパーの傾きが大き
くなっていくことを特徴としている。
【0057】A3サイズのように幅が広い記録材の場
合、記録材の幅方向に不均一な力が加わると、幅方向の
記録材のコシが弱いため紙がぼこつき易く、特にベタ黒
等を通紙するとそのぼこつきの影響でベタ黒に光沢ムラ
が発生し易くなる傾向がある。この傾向は特に加圧ロー
ラにPFA等の離型層を設けた場合に記録材がニップ領
域内でスリップするため顕著となり易い。これに対し上
記実施例4に示した各記録材サイズに対応して部分テー
パー形状を設けた場合には、各テーパー形状の傾きが定
着ローラの端部にいくに従って順次大きくなるように構
成することで、上記問題点を回避することが可能なこと
が、本発明者等の検討により判かった。以下、具体的な
実施例及び比較例を基に本実施例の作用効果について説
明する。
【0058】図10の定着ローラ101は、中央部の外
径がD1=30.0mm、B5、EXEサイズに対応す
る部分では中央部から85mmの位置がB5、EXEサ
イズ通紙領域内の最大外径部となり、D2(D3)=3
0.05mmである。次に、そこから外径がテーパー形
状に小さくなり中央部から95mmの位置で外径がD4
(D5)=30.03mmとなる。次にA4、LTRサ
イズ(縦送り)に対応する部分では中央部から102m
mの位置でA4、LTRサイズ(縦送り)通紙領域内の
最大外径部となりD6(D7)=30.08mmであ
る。次にそこから外径がテーパー形状に小さくなり中央
部から112mmの位置で外径がD8(D9)=30.
04mmとなる。次にB4サイズに対応する部分では中
央部から125mmの位置でB4サイズ通紙領域内の最
大外径部となりD10(D11)=30.12mmであ
る。次に、そこから外径がテーパー状に小さくなり中央
部から132mmの位置で外径がD12(D13)=3
0.06mmとなる。次に、A3サイズに対応する部分
では中央部から145mmの位置でA3サイズ通紙領域
内の最大外径部となりD14(D15)=30.15m
mである。次に、そこから外径がテーパー形状に小さく
なり中央部から152mmの位置で外径がD16(D1
7)=30.07mmとなる。上記のような定着ローラ
101を用い加圧ローラとして鉄からなる外径10mm
の芯金に上にシリコーンゴム層を肉厚10mmで形成
し、その上にPFA層を50μm厚で形成した外径3
0.1mmのストレート形状のものを用いた結果、シ
ワ、画像縦スジ、ベタ黒光沢ムラ等の弊害無しに、各記
録材サイズで端部波打ちを効果的に防止することができ
た。本実施例では各記録材サイズに対応した部分テーパ
ー部の傾きが定着ローラの中央部から端部にいくにした
がって、0.02(B5、EXE対応部)、0.04
(A4、LTR対応部)、0.085(B4対応部)、
0.115(A3対応部)と順次大きくなっている。こ
の結果、本構成のような加熱定着装置においては特にベ
タ黒光沢ムラが効果的に防止することが可能となる。比
較例として例えばB5、EXEサイズ対応部とA4、L
TRサイズ対応部のテーパー部傾きは各々0.03、
0.02とその傾きを逆転した場合には(テーパー部以
外の外径形状は上記実施例と同等とした)、特にA3サ
イズでベタ黒をとった場合に画像中央部に紙のぼこつき
による光沢ムラが発生した。この理由についは定着ロー
ラの逆クラウン形状により記録材を端部に引っ張る力が
定着ローラの端部にいくに従って大きくなっていくた
め、その引張り力により記録材がスリップしないために
はテーパー部の傾きも端部にいくに従って大きくし、テ
ーパー部で記録材のスリップを押さえる力と釣り合う必
要があると考えられる。
【0059】以上説明したように各記録材サイズに対応
して部分テーパー形状を設けた場合には各テーパー形状
の傾きが対応する記録材サイズ幅が大きくなるに従って
順次大きくなるように構成することで、シワ、画像縦ス
ジ、光沢ムラ等の弊害を伴うことなく効果的に記録材端
部の波打ちを防止できる。
【0060】〈実施例6〉次に、本発明の実施例6を図
11に基づいて説明する。なお、実施例1との共通箇所
には同一符号を付して説明を省略する。
【0061】図11は本発明の実施例6の加熱定着装置
に適用する定着ローラ111、加圧ローラ112の外径
形状を示す図である。本発明は、複数の記録材サイズに
対応して記録材端部の波打ちを防止する技術に関し、最
大記録材サイズに対しては定着ローラ111側にテーパ
ー部を形成し、その他の小サイズの記録材に対しては加
圧ローラ112側に部分テーパー形状を形成することを
特徴とする。小サイズの記録材に対応した場合に、最大
記録材サイズを通紙した場合は画像領域に上記テーパー
部が係るため、テーパー形状が画像に悪影響を与えない
ようにしなければならない。このため、例えば芯金の肉
厚が2mm以下の薄肉の定着ローラを用いた場合等は、
定着ローラの横方向の熱伝導が悪いため画像領域内で部
分的に肉厚の薄い部分が存在すると、その部分の定着ロ
ーラ表面温度が高くなりすぎ、ベタ黒を定着したとき等
過剰定着による光沢ムラが発生する場合がある。本実施
例ではこのような弊害を生じることなく小サイズの記録
材に対しても良好に端部波打ちを防止することを可能な
らしめるものである。以下、具体例を基に本実施例を説
明する。
【0062】本実施例では定着ローラ111は中央部か
ら端部にいくに従って外径が徐々に大きくなる逆クラウ
ン形状を採用し、中央部の外径がD1=30.0mm、
中央部から102mmの位置で最大外径部を形成し、こ
のときの外径がD2(D3)=30.15mmとし、こ
からテーパー形状が始まり中央部から112mmの位置
で外径がD4(D5)=29.75mmとする(A4、
LTRサイズに対応)。一方、加圧ローラ112は中央
部から端部に至るまで外径が等しいストレート形状とな
っており、中央部の外径は30.0mmとされる。加圧
ローラ112の中央部から85mmの位置でB5、EX
Eサイズに対応して95mmの位置まで部分テーパー部
が設けられ95mmの位置では外径がD6(D7)=2
9.6mmとなる。また本実施例の定着ローラ111の
芯金肉厚は1.5mmとする。
【0063】このような加熱定着装置を用いることによ
り各記録材サイズに対応して端部波打ちが防止できると
共に、最大記録材サイズの画像領域内にある小サイズの
記録材端部に位置するテーパー部が加圧ローラ側にある
ため、上述したように薄肉の定着ローラを用いたときで
も、画像に与える影響を無くすことができる。また各記
録材端部に相当する位置全てに加圧ローラ側にテーパー
部を設けても画像に対する影響は当然のことながら防止
可能であるが、加圧ローラは一般的に両端過重により加
圧されているために撓みの影響により両端のゴム層の変
形量が大きく最大記録材サイズに対応して加圧ローラ側
に上記テーパー部を設けても記録材端部波打ちに対する
効果が得られにくいことが本発明者等の検討により判か
った。このため本実施例のように加圧ローラ側には小サ
イズの記録材端部に対応するテーパー部を設け、定着ロ
ーラ側には大サイズの記録材端部に対応するテーパー部
を設けることが望ましいと言える。
【0064】〈実施例7〉次に、本発明の実施例7を図
12及び図13に基づいて説明する。なお、実施例1と
の共通箇所には同一符号を付して説明を省略する。
【0065】本発明は加熱用回転体として薄肉のフィル
ム121を用いた加熱定着装置の場合のヒータ122、
ヒータホルダー123の形状に関し、ヒータ122、ヒ
ータホルダー123が紙端部にいくにつれ徐々に加圧ロ
ーラ126から離間する構成について説明する。
【0066】加熱用フィルム121は内径40mmで3
0μm厚のポリイミドフィルムチューブの上にPFA、
PFTE等のフッ素樹脂層を20μm厚でコーティング
したものを用い、内部にはフェノール、液晶ポリマー、
PPS等の耐熱樹脂で形成されたヒータホルダー123
上にアルミナ等の高熱伝導性のセラミック上にAg/P
d等の発熱抵抗体をスクリーン印刷等により発熱パター
ンを形成したヒータ122を設ける。加熱用フィルム1
21は駆動ローラ124とテンションローラ125によ
り回転駆動される。加圧ローラ126はバネ(図示せ
ず)により加圧当接する。このような構成により加熱部
材の熱容量が極めて小さいため温度の立ち上がりが非常
に速く、所謂オンデマンド定着装置として非使用時には
常にヒータへの通電を断ち切り、プリント時のみ通電を
行うことが可能な省エネルギー型の加熱定着装置が提供
できる。この加熱定着装置において端部波打ちを防止す
るために本実施例では図13に示すようにヒータ12
2、ヒータホルダー123を加圧ローラ126から記録
材端部位置近傍から離間していく構成とする。この時離
間していくヒータ122の傾きは実施例1で述べた傾き
の数値範囲がそのまま適用できる。本実施例では具体的
にはLTRサイズ対応を行いヒータ132の画像中央部
相当位置から105mmの位置から1mm当たり0.0
4mmの傾きで離間していくような構成とした。この結
果、加熱用フィルム121を介してヒータ122、加圧
ローラ126で形成されるニップ形状は実施例1で述べ
たのと同様な形状となっており中央部からヒータ122
の加圧ローラ126からの離間開始位置まではヒータ1
22及び加圧ローラ126の撓みにより端部に向かい徐
々に大きくなる形状となり、上記離間開始位置からニッ
プ幅が徐々に小さくなる形状となり記録材端部では中央
部とほぼ同じニップ幅となる。端部波打ちに関しては記
録材端部のニップ幅が他の部分に比して大きいため、そ
こで記録材端部に対し強いストレスが加わると同時に記
録材端部の搬送速度が他の部分に比べ速いためにニップ
領域内で記録材端部がスリップすることにより発生する
と考えられている。本実施例の検討結果からこの現象は
外径形状が逆クラウン形状でなくとも、実際に圧接回転
している状態で周速差があれば発生し、この状態はニッ
プ形状で表現されていると考えられる。この結果、本実
施例では上のようなニップ形状を得ることができるため
実施例1で述べた作用効果を同じく得ることができる。
【0067】〈実施例8〉次に、本発明の実施例8を図
14に基づいて説明する。なお、実施例1との共通箇所
には同一符号を付して説明を省略する。
【0068】図14は本発明の実施例8である加熱定着
装置に適用するヒータ形状を示す図である。本発明は上
記実施例7と同じく加熱用回転体として薄肉のフィルム
を用いた加熱定着装置に関し、加圧ローラと加熱用フィ
ルムを介してヒータ141との間で形成していくため
に、ヒータが紙端部にいくにつれ徐々に幅が狭くなって
いく構成について説明する。
【0069】本実施例の加熱定着装置は断面形状は上記
実施例と同じなので説明は省略する。本実施例の特徴で
あるヒータ形状はヒータ基盤であるアルミナの板材を図
14に示すように、記録材端部位置の内側から徐々に細
くしていくことにより、上記所望のニップ形状を得るこ
とができる。本ヒータ構成においてはヒータ基盤142
であるアルミナが高熱伝導性のため発熱体143からの
発生した熱はヒータ基盤142全体をすぐに暖めること
ができ、そのために加圧ローラと加熱用フィルムを介し
てヒータとの間で形成されるニップ形状は加圧ローラの
圧接領域がヒータ全体に及んでいる場合にはヒータ基盤
の形状で決定されるためである。
【0070】本実施例を具体的に説明するとヒータ基盤
142は記録材中央部から記録材端部内側4mmの位置
(LTR対応で中心から104mm)まで5mm幅で構
成され、そこからは1mm当たり0.5mmの傾きで細
くなっていく。このような構成により記録材端部で徐々
にニップ幅が小さくなっていく形状を得ることができ
る。この結果、上記実施例で述べたような作用効果を同
様に得ることが可能となる。なお、本発明者等の検討に
よると上記ヒータ幅端部での細くなっていく傾きは1m
m当たり0.2mm以上で上記作用効果が得られ、上限
は端部の定着性が悪くなることにより決定され、検討結
果では1mm当たり1.2mm以下の傾きならば実用上
問題のない定着性が得られた。このように本実施例では
単にヒータの幅のみでニップ形状を変えることで上記作
用効果を得るため、記録材を折り曲げる方向に作用する
力は働かないため画像上に悪影響を与える心配は全くな
く、小サイズの記録材に対する対応も容易であるという
利点を有している。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、本願第一発明によ
れば、加熱用回転体または加圧用回転体を通過する記録
材端部の相当位置において、その外径形状をテーパー状
に細くし、かつ当該部分の外径形状の傾きを0.02〜
0.2の間に設定することにより、また本願第二発明に
よれば、上記テーパーの傾きを記録材通過領域内で一定
もしくは端部にいくに従って順次大きくすることによ
り、さらに本願第三発明によれば、上記テーパー形状部
分を複数の記録材サイズに対応させて設けることによ
り、また本願第四発明によれば、ニップ形成作用を有す
るヒータ形状を記録材端部に相当する位置で加圧用回転
体から離間し、もしくはニップ形成作用を有するヒータ
形状を記録材端部に相当する位置で細くすることによ
り、記録材にシワを生じせしめることなく、画像上に縦
スジ等の問題を発生させることなく効果的に記録材端部
の波打ちを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における画像形成装置の概略
構成を示す図である。
【図2】図1装置に用いられる加熱定着装置の概略構成
を示す図である。
【図3】図2装置の定着ローラの形状を示す図である。
【図4】記録材端部波打ちの状態を示す図である。
【図5】図2装置により形成されるニップ形状を示す図
である。
【図6】本発明の実施例2における加熱定着装置の概略
構成を示す図である。
【図7】本発明の実施例3における加熱定着装置の概略
構成を示す図である。
【図8】本発明の実施例3を説明するための定着ローラ
の形状の部分拡大図である。
【図9】本発明の実施例4における定着ローラの形状を
示す図である。
【図10】本発明の実施例5における定着ローラの形状
を示す図である。
【図11】本発明の実施例6における加熱定着装置の長
手方向から見た構成図である。
【図12】本発明の実施例7における加熱定着装置の概
略構成を示す図である。
【図13】図12の加熱定着装置の長手方向から見た構
成図である。
【図14】本発明の実施例8におけるヒータ形状を示す
図である。
【符号の説明】
9,91,101,111 定着ローラ(加熱用回転
体) 10,112,126 加圧ローラ(加圧用回転体) 121 加熱用フィルム(加熱用回転体) P 記録材
フロントページの続き (72)発明者 谷川 耕一 東京都大田区下丸子三丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 未定着画像が形成された記録材を、所定
    の温度に維持された加熱用回転体と、これに圧接された
    加圧用回転体との間に形成されたニップ領域を通過させ
    ることにより、上記未定着画像を記録材上に永久画像と
    して定着させる加熱定着装置において、上記加熱用回転
    体または加圧用回転体の少なくとも一方が記録材通過領
    域内で記録材端部近傍位置から両端部に向かうにつれ外
    径が順次小さくなる形状を有しており、当該部分の外径
    形状の傾きが0.02〜0.2の間にあることを特徴と
    する加熱定着装置。
  2. 【請求項2】 加熱用回転体または加圧用回転体の少な
    くとも一方が中央部の外径が端部に比べて小さい逆クラ
    ウン形状を有しており、同時に記録材通過領域内で最大
    外径部を記録材端部近傍位置に有し、その外側では両端
    部に向かうにつれ外径が順次小さくなる形状を有してお
    り、当該部分の外径形状の傾きが上記逆クラウン形状部
    の傾きに対し20〜300倍の大きさを有することとす
    る請求項1に記載の加熱定着装置。
  3. 【請求項3】 未定着画像が形成された記録材を、所定
    の温度に維持された加熱用回転体と、これに圧接された
    加圧用回転体との間に形成されたニップ領域を通過させ
    ることにより、上記未定着画像を記録材上に永久画像し
    て定着させる加熱定着装置において、上記加熱用回転体
    または加圧用回転体の少なくとも一方が記録材通過領域
    内で記録材端部近傍位置から両端部に向かうにつれ外径
    が順次小さくなる形状を有しており、当該部分の外径形
    状の傾きが記録材通過領域内で一定または端部にいくに
    従って順次大きくなることを特徴とする加熱定着装置。
  4. 【請求項4】 未定着画像が形成された記録材を、所定
    の温度に維持された加熱用回転体と、これに圧接された
    加圧用回転体との間に形成されたニップ領域を通過させ
    ることにより、上記未定着画像を記録材上に永久画像し
    て定着させる加熱定着装置において、上記加熱用回転体
    または加圧用回転体の少なくとも一方が記録材通過領域
    内で複数の記録材サイズに対応して各記録材端部近傍の
    外径形状が記録材端部内側から外側に向かうにつれて外
    径が細くなっていくことを特徴とする加熱定着装置。
  5. 【請求項5】 加熱用回転体または加圧用回転体の少な
    くとも一方が記録材通過領域内で複数の記録材サイズに
    対応して各記録材端部近傍の外径形状が記録材端部内側
    から外側に向かうにつれて外径が細くなっており、上記
    各記録材サイズに対応した外径形状部の傾きが上記回転
    体の端部にいくに従って大きくなることとする請求項4
    に記載の加熱定着装置。
  6. 【請求項6】 加熱用回転体及び加圧用回転体は各々異
    なる記録材サイズに対応して記録材端部近傍の外径形状
    が記録材端部内側から外側に向かうにつれて外径が細く
    なっていることとする請求項4に記載の加熱定着装置。
  7. 【請求項7】 未定着画像が形成された記録材を、所定
    の温度に維持された加熱用回転体と、これに圧接された
    加圧用回転体との間に形成されたニップ領域を通過させ
    ることにより、上記未定着画像を記録材上に永久画像し
    て定着させる加熱定着装置において、上記ニップ領域幅
    が記録材通過領域内で記録材端部近傍位置の内側から両
    端部に向かうにつれ順次小さくなることを特徴とする加
    熱定着装置。
  8. 【請求項8】 ニップ幅領域が記録材通過領域中央部か
    ら端部に行くにつれ、徐々に太くなり、次いで記録材端
    部近傍内側から両端部に向かうにつれニップ領域幅が順
    次小さくなることとする請求項7に記載の加熱定着装
    置。
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