JPH07120964A - 電子写真法 - Google Patents

電子写真法

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JPH07120964A
JPH07120964A JP5289791A JP28979193A JPH07120964A JP H07120964 A JPH07120964 A JP H07120964A JP 5289791 A JP5289791 A JP 5289791A JP 28979193 A JP28979193 A JP 28979193A JP H07120964 A JPH07120964 A JP H07120964A
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JP
Japan
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amorphous silicon
layer
electrophotographic method
photoconductor
image
Prior art date
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JP5289791A
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English (en)
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Shigeru Yagi
茂 八木
Taketoshi Azuma
武敏 東
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温高湿下や休止後の複写開始時においても
画像ぼけが発生することなく、長期にわたって良好な画
像を得ることができる電子写真法を提供する。 【構成】 本発明の電子写真法は、純水との接触角が5
0゜以上の表面を有するアモルファスシリコン感光体を
用い、帯電、露光により静電潜像を形成した後、ポリジ
メチルシロキサンを主体とした粘度が20〜3000c
Stのシリコーンオイルを内部に含むカプセル型トナー
で現像する。アモルファスシリコン感光体は、好ましく
は、少なくとも導電性基体11、電荷注入阻止層12、
光導電層13および表面層16から構成され、これらは
水素および/またはハロゲンを含有するアモルファスシ
リコンを主体とした層からなり、また、感光体を加熱す
る手段を設けないことが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アモルファスシリコン
感光体とカプセル型トナーとを組合わせた電子写真法に
関する。
【0002】
【従来の技術】現在最も一般的に行われている電子写真
法では帯電にコロトロン、スコロトロン等のコロナ放電
を利用している。しかしながら、これらの帯電器をアモ
ルファスシリコン感光体に適用した場合、セレン系感光
体や有機感光体と異なり、放電生成物による画像ぼけ、
画像喪失等が少数枚の複写操作においても発生する。こ
の現象は特に高湿環境において激しく、アモルファスシ
リコン感光体特有の大きな問題である。この問題に対し
多くの研究や提案がなされている(特開昭54−863
41号、同60−15644号、同60−17750
号)が、効果は十分でなく、現在市販の複写機プリンタ
ーにおいて実用化されている方法としては、感光体を4
0〜45℃程度に常時加熱することにより、この問題の
対策がなされているのが実情である。しかしながら、感
光体を常時加熱する方法では、インスタントスタート、
省エネルギー化の点で問題があるだけでなく、特に夏環
境において現像器内の温度が感光体以上に上昇し、トナ
ーのブロッキング等による濃度低下、スジの発生、カブ
リの発生等、画質への影響が問題であった。また、プリ
ンターの小型化に伴い感光体の小径化に対しても感光体
内部にヒータを挿入する技術的困難さ、コストアップ等
の問題があった。
【0003】一方、圧力定着時に加圧ローラにトナーが
付着するのを防止するため、カプセルトナー中に離型剤
としてフッ素樹脂を用いることが提案されている(特開
昭55−142360号、同55−142362号)。
また、オフセット防止と共に定着性を改善するため、ト
ナー中にシリコーンオイルを含有することが提案されて
いる(特開昭62−150260号、同62−1502
61号)。しかしながら、これらの離型剤やシリコーン
オイルは、トナーが転写した後の用紙上の現像像の定着
に関して、圧力ロールへの付着あるいは定着後の滑り性
を上げるために用いられるものであり、感光体の種類に
依存しない。我々は特開平5−66617号において、
アモルファスシリコン感光体を用いてカプセルトナーに
よる現像を行い、転写、定着を行うことを提案した。こ
の電子写真法では、感光体へのトナー付着は発生しない
が、長期にわたって複写を行った場合には、徐々に画像
がぼけるという問題を生じている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の問題
点に鑑みてなされたものであり、アモルファスシリコン
感光体を用い、高温高湿下や休止後の複写開始時におい
ても画像ぼけが発生することなく、長期にわたって良好
な画像を得ることができる電子写真法を提供することを
目的とする。本発明は、また、低コストで、高信頼でか
つ高速適性があり、感光体の長寿命化が図られる電子写
真法を提供することを目的とする。本発明は、さらに、
従来の電子写真法の要素を簡略化して感光体を小型化
し、かつ省エネルギー化を実現することができる電子写
真法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前述の問
題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、純水との接触
角が所定値以上の表面を有するアモルファスシリコン感
光体と、粘度が特定の範囲にあるポリジメチルシロキサ
ンを主体としたシリコーンオイルを含んだカプセル型ト
ナーとを組合わせることによって、セレン系感光体や有
機感光体とは異なるアモルファスシリコン感光体特有の
画像ぼけ現象が高湿時でも発生しない、高品質のプリン
トが得られることを見出し、発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の電子写真法は、純水との接触角が5
0゜以上の表面を有するアモルファスシリコン感光体を
用い、帯電、露光により静電潜像を形成した後、ポリジ
メチルシロキサンを主体とした粘度が20〜3000c
Stのシリコーンオイルを内部に含むカプセル型トナー
で現像することを特徴とする。アモルファスシリコン感
光体は、好ましくは、少なくとも導電性基体、電荷注入
阻止層、光導電層および表面層から構成され、これらは
水素および/またはハロゲンを含有するアモルファスシ
リコンを主体とした層からなり、また、感光体を加熱す
る手段を設けないことが好ましい。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
電子写真法は次のように行われる。例えば、図1に示す
複写装置において、アモルファスシリコン感光層を有す
る感光体1の表面を帯電器2により帯電させた後、原稿
像を照射する光学系や、レーザー、LED等の画像入力
装置3からの光により露光して、静電潜像を形成させ
る。形成された静電潜像は、現像器4によってカプセル
型トナーで可視化され、トナー像に変換させる。トナー
像は、転写コロトロン5によって用紙6に転写され、熱
定着器7によって定着される。感光体に残ったトナーは
クリーナー機構8により除去され、感光体表面に残った
電荷は除電光9により消去される。より好ましい電子写
真法としては、図2に示すにように、圧力転写ロール
5′によって上記トナー像を用紙6に転写、定着させる
転写と定着を圧力で同時に行う方法が挙げられる。ま
た、図1、2に示す複写装置において、アモルファスシ
リコン感光体を加熱する手段を組み込むことなく、上記
の電子写真法を実施することが望ましい。このような本
発明の電子写真法において、カプセル型トナーには内部
にジメチルシロキサンを主体とするシリコーンオイルが
封入されており、転写時またはクリーナー機構部でカプ
セルが壊れ、シリコーンオイルが内部から滲み出て感光
体表面に均一に付着する。
【0007】次に、本発明において使用するアモルファ
スシリコン感光体について説明する。感光体は、表面層
を有するものが好ましく、その一例を図3〜図5に示
す。図3において、アモルファスシリコン感光体は、導
電性基体11上に、電荷注入阻止層12、光導電層1
3、電荷捕獲層14、中間層15および表面層16が積
層した層構造からなる。また、図4においては、中間層
15が複数層(15a、b、c)からなり、図5におい
ては、電荷捕獲層14および中間層15を不要とした構
造からなる。
【0008】本発明において、導電性基体としては、ア
ルミニウム、鉄、ステンレス鋼およびそれらの合金を用
いることができる他、導電処理したガラス、ポリカーボ
ネート、アクリル樹脂等を用いることができる。導電性
基体は、転写圧力に対して、一般にその硬度に応じた適
宜の厚さとすることできるが、厚さ1〜30mmの範囲
のものが好ましく使用できる。導電性基体は、その表面
が研磨されているものを用いてもよい。すなわち、バフ
研磨、砥石研磨等により、研磨剤の粗さを粗粒から微粒
に変えながら、繰り返し実施することにより平滑にした
ものを用いることができる。表面の粗さは、Rs で2S
〜0.02Sの範囲であり、好ましくは0.5S〜0.
03Sの範囲のものを用いることができる。表面は、完
全に鏡面であっても、またホーニング加工により曇り状
になっていてもよいが、全体としては平滑であって、旋
盤切削においては、切削ピッチの境界面に凸状部が残留
してないことが肝要である。
【0009】電荷注入阻止層から表面層までの各層は、
アモルファスシリコンを主体として、場合によってはア
モルファスカーボンを主体として形成され、プラズマC
VD法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、
真空蒸着法等の手段によって形成することができる。プ
ラズマCVD法を例にとってその形成法を示すと次のよ
うになる。まず、原料ガスとしては、ケイ素原子を含む
主原料ガスと、必要な添加物元素を含む原料ガスの混合
物を用いる。この場合、必要に応じて、この混合物に、
更に水素ガスまたは不活性ガス等のキャリアガスを混合
してもよい。成膜条件は、周波数5GHz以下、反応器
内圧0.001〜1330Pa(10-5〜10Tor
r)、放電電力10〜3000W、また基体温度は30
〜300℃である。各層の膜厚は、放電時間の調整によ
り適宜設定することができる。
【0010】アモルファスシリコンを主体とする層を形
成する場合、ケイ素原子を含む主原料ガスとしては、シ
ラン類、特にSiH4 、Si2 6 が好ましく使用さ
れ、その他、SiCl4 、SiHCl3 、SiH2 Cl
2 、Si(CH3 4 、Si38 、Si4 10、Si
4 、SiHF3 、SiH2 2 、SiH3 F等が使用
できる。炭素、窒素または酸素を添加物元素として含有
させるための原料ガスとしては、例えば次のものが使用
できる。炭素を含ませる場合には、メタン、エタン、プ
ロパン、アセチレン等の炭化水素、CF4 、C2 6
のハロゲン化炭化水素を用いることができる。窒素を含
ませる場合には、N2 単体ガス、NH3 、H2 NN
2 、HN3 等の水素化窒素化合物のガスを用いること
ができる。さらに酸素を含ませる場合には、O2 、N2
O、CO、CO2 等を用いることができる。また、周期
律表第III 族元素を含む原料ガスとしては、典型的には
ジボラン(B2 6 )が用いられ、その他、B4 10
BF3 、BCl3 等が挙げられる。周期律表第V族元素
を含む原料ガスとしては、典型的にはホスフィン(PH
3 )が用いられ、その他、P2 4 、PF3 、PCl3
が挙げられる。アモルファスシリコン・ゲルマニウムを
主体とする層を増感層、光導電層として、あるいはその
一部に形成する場合には、さらにゲルマニウムを添加す
るための原料ガスが使用される。例えば、GeH4 、G
2 6 、Ge3 8 、Ge410、Ge5 12、Ge
4 、GeCl4 等が使用できる。
【0011】アモルファスカーボンを主体とする層を形
成する場合は、主原料として、次のものが使用できる。
主体となる炭素の原料としては、メタン、エタン、プロ
パン、ブタン、ペンタン等の一般式Cn 2n+2で示され
るパラフィン系炭化水素、エチレン、プロピレン、ブチ
レン、ペンテン等の一般式Cn 2nで示されるオレフィ
ン系炭化水素、アセチレン、アリレン、ブチン等の一般
式Cn 2n-2で示されるアセチレン系炭化水素の脂肪族
炭化水素;シクロプロパン、シクロブタン、シクロペン
タン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロブテ
ン、シクロペンテン、シクロヘキセン等の脂環式炭化水
素;ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン、アン
トラセン等の芳香族炭化水素、あるいはそれらの置換体
が挙げられる。これらの炭化水素化合物は、枝分かれ構
造であってもよく、またハロゲン置換体であってもよ
い。例えば、四塩化炭素、クロロホルム、四フッ化炭
素、トリフルオロメタン、クロロトリフルオロメタン、
ジクロロジフルオロメタン、ブロモトリフルオロメタ
ン、パーフルオロエタン、パーフルオロプロパン等のハ
ロゲン化炭化水素を用いることができる。以上例示した
炭素を含む原料は、常温でガス状であっても、液状また
は固体状であってもよく、液状または固体状である場合
には、気化して用いられる。
【0012】電荷注入阻止層は、第III 族元素または第
V族元素が添加されたアモルファスシリコンよりなる。
添加物として、第III 族元素を用いるかまたは第V族元
素を用いるかは、感光体の帯電符号によって決められ
る。層形成に際して、第III 族元素を含む原料ガスとし
ては、典型的にはジボランが、また第V族元素を含む原
料ガスとしては、典型的にホスフィンが用いられる。ア
モルファスシリコンを主体とするこの電荷注入阻止層に
は、第III 族または第V族元素を1〜10000ppm
の範囲で加え、接着性向上等の目的で、更に炭素、窒
素、酸素、ハロゲン等の元素を添加することも可能であ
る。感光体が負帯電用の場合は、水素および/またはハ
ロゲンを含有し、かつ導電型を制御する不純物元素とし
て、ケイ素原子に対して原子比が0.01〜0.7の窒
素を含有するアモルファスシリコンから構成される。窒
素のケイ素原子に対する原子比が0.01未満の場合に
は、正孔の阻止性が不十分であり、帯電能が低下する。
また、原子比が0.7より高くなると、絶縁膜化するた
め界面に電荷がとどまり、そのため残留電位が発生する
ようになり、繰り返し安定性が不良になる。電荷注入阻
止層の膜厚は、0.1〜10μmの範囲に設定すること
ができる。なお、電荷注入阻止層と導電性基体との間に
は、接着層として作用する補助層を設けてもよい。補助
層は、例えば炭素、窒素および酸素の少なくとも一種を
含有するアモルスファスシリコンよりなることができ、
その膜厚は0.01〜5μm、好ましくは0.1〜1μ
mの範囲である。
【0013】光導電層は、第III 族元素が添加されたア
モルファスシリコンより構成される。その膜厚は1〜1
00μmの範囲が望ましい。第III 族元素を含む原料ガ
スとしては、典型的にはジボランが用いられ、添加量は
感光体の帯電符号、必要な分光感度によって決定され、
0.01〜100ppmの範囲で用いられる。アモルフ
ァスシリコンを主体とするこの光導電層には、帯電性の
向上、暗減衰の低減、感度の向上等の目的で第III 族元
素に加えて、更に炭素、窒素、酸素、ハロゲン等の元素
を添加することが可能である。この光導電層は、電荷発
生層と電荷輸送層との二層から構成されていてもよい。
また、光導電層にはGeおよびSnの少なくとも一種を
含有させてもよい。例えばGeを含有させて、前記アモ
ルファスシリコン・ゲルマニウムを主体とする層を形成
することができる。
【0014】電荷捕獲層は、第III 族元素または第V族
元素が添加されたアモルファスシリコンよりなる。その
膜厚は0.01〜10μmの範囲が望ましい。添加物元
素として第III 族元素を用いるかまたは第V族元素を用
いるかは、感光体の帯電符号によって決められる。第II
I 族元素を含む原料ガスとしては、典型的にはジボラン
が、また第V族元素を含む原料ガスとしては、典型的に
はホスフィンが用いられる。アモルファスシリコンを主
体とするこの電荷捕獲層には、第III 族または第V族元
素に加え、様々な目的で、更に他の元素を添加すること
も可能である。
【0015】本発明におけるアモルファスシリコン感光
体は、中間層15が、図3に示すように単層構造でも、
図4に示すように複数層より構成されていてもよく、ま
た、図5に示すように電荷捕獲層14および中間層15
が存在しなくてもよい。図3に示す単層構造の中間層1
5、および図4に示す第一ないし第三中間層15a、1
5b、15cは、炭素、窒素および酸素原子の少なくと
も一種が添加されたアモルファスシリコンを主体として
形成される。層形成に際し、各原子を含む原料ガスとし
ては、前述したものが使用できる。また、複数層よりな
る各中間層の形成に使用される原料ガスは、同一であっ
てもあるいは異なっていてもよく、各中間層には、様々
な目的で、更に他の元素を添加することも可能である。
単層構造の中間層における炭素、窒素および酸素原子濃
度は、ケイ素原子に対する原子比が0.1〜1.5の範
囲にあるのが好ましい。その膜厚は0.01〜1.0μ
mの範囲にあることが望ましい。一方、第一中間層にお
ける炭素、窒素および酸素原子濃度は、ケイ素原子に対
する原子比が0.1〜1.0の範囲にあるのが好まし
い。その膜厚は0.01〜0.1μmの範囲にあること
が望ましい。第二中間層における炭素、窒素および酸素
原子濃度は、第一中間層における濃度より高く、ケイ素
原子に対する原子比が0.2〜1.2の範囲にあるのが
好ましい。その膜厚は0.05〜1μmの範囲にあるこ
とが望ましい。第三中間層における炭素、窒素および酸
素原子濃度は、第二中間層における濃度より高く、ケイ
素原子に対する原子比が0.5〜1.3の範囲にあるの
が好ましい。その膜厚は0.01〜0.1μmの範囲に
あることが望ましい。
【0016】光導電層上あるいは電荷捕獲層または中間
層上に形成される表面層は、水素および/またはハロゲ
ンを含有し、かつ炭素、窒素および酸素の少なくとも一
種の元素を含有するアモルファスシリコン、または水素
および/またはハロゲンを含有し、かつ窒素および酸素
の少なくとも一種の元素を含有するアモルファスカーボ
ンから構成される。表面層がアモルファスシリコンを主
体とする場合には、水素および/またはハロゲンは、3
〜40原子%の範囲で含有させるのが好ましく、アモル
ファスカーボンを主体とする場合には、5〜50原子%
の範囲で含有させることができる。なお、アモルファス
カーボンを主体とする場合、膜中に含まれる多量の水素
またはハロゲンは、膜中に鎖状の−CH2 −結合、C
(ハロゲン)2 −結合または側鎖状のCH3 −結合−を
増加させ、結果として膜の硬度を損なうことになるた
め、膜中の水素およびハロゲンの量は50原子%以下に
する。表面層には、トラップ密度の制御のために、上述
のように、炭素、窒素および酸素の少なくとも一種の元
素を含有させるのが好ましい。これらの元素の含有量
は、炭素の場合1ppm〜99.9原子%、窒素の場合
1ppm〜57原子%、酸素の場合1ppm〜60原子
%の範囲である。表面層には、第III 族元素または第V
族元素を含有させてもよい。第III 族元素の量は5〜1
0000ppmの範囲で、また第V族元素の量は0.0
1〜10000ppmの範囲で、膜厚に応じて適宜設定
される。
【0017】本発明において、例えば図3〜図5に示す
表面層16を第一表面層とし、その上に更に第二表面層
を形成して、表面層を積層構造にしてもよい。第二表面
層は、炭素、窒素および酸素の少なくとも一種の元素を
含み、かつ水素および/またはハロゲンを含むアモルフ
ァスシリコンまたはアモルファスカーボンから構成され
る。第二表面層における水素および/またはハロゲン
は、第一表面層におけると同様に、アモルファスシリコ
ンを主体とする場合には、3〜40原子%の範囲で含有
されているのが好ましく、アモルファスカーボンを主体
とする場合には、5〜50原子%の範囲で含有させるこ
とができる。また、第一表面層に第III 族元素を含有さ
せる場合、第V族元素を含有させてもよく、その含有量
は、第一表面層における場合と同様の量でよい。なお、
第III 族元素と第V族元素の関係は、上記第一表面層と
第二表面層とが逆の関係にあってもよい。第二表面層に
は、電荷注入性の制御、表面硬度の向上の目的で、炭
素、窒素および酸素の少なくとも一種の元素を含ませ
る。これらの元素の含有量は、炭素の場合1ppm〜9
9.9原子%、窒素の場合1ppm〜57原子%、酸素
の場合1ppm〜60原子%の範囲である。第二表面層
の膜厚は、0.01〜10μm、好ましくは0.1〜5
μmであり、また表面層全体としての膜厚は0.02〜
15μmの範囲が適当である。本発明における表面層に
おいては、光吸収の増加、残留電位の減少、帯電性の向
上、暗減衰の低減を目的として含有させる元素に、厚さ
方向に濃度勾配をもたせてもよい。
【0018】本発明のアモルファスシリコン感光体にお
いて、表面層の構成材料としては、前述したプラズマC
VD法、蒸着法、イオンプレーティング法による成膜材
料として、SiCx 、SiNx 、SiOx 、アモルファ
スカーボン、AlOx 等を用いることができる他、ソル
ベントキャスト法による塗布膜として、シリコンハード
コート剤、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹
脂を用いることができる。また、シロキサン結合を主体
としたシリコンハードコート剤の中で、特に末端にアル
キル基を多く含む化合物を用いることができる。表面層
は、圧力定着時のアモルファスシリコン感光体表面に発
生する傷を防ぎ、また、転写効率を改善するのに有効で
ある。
【0019】表面層は、また、結着樹脂中に導電性金属
酸化物微粉末を分散した層であってもよい。導電性金属
酸化物微粉末は、平均粒径が0.8μm以下、特に0.
05〜0.3μmの範囲の平均粒径にあるものが好まし
い。導電性金属酸化物微粉末としては、酸化亜鉛、酸化
チタン、酸化錫、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸
化ビスマス、錫をドープした酸化インジウム、アンチモ
ンをドープした酸化錫、酸化ジルコニウムなどの微粉末
を挙げることができる。これらの金属酸化物微粉末は、
一種または二種以上混合して用いられる。二種以上混合
した場合は、固溶体または融着体の形で使用すればよ
い。結着樹脂としては、ポリビニルカルバゾールのよう
な電気的に活性な高分子化合物でも、電気的に不活性な
高分子化合物でもよい。具体的には、ポリビニルカルバ
ゾール、アクリル樹脂、カーボネート樹脂、ポリエステ
ル樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、
エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アミド樹脂、
イミド樹脂等が挙げられる。中でも、機械的強度、接着
性の点から、熱硬化性樹脂が好ましい。また、シリコー
ン樹脂を使用することができ、その場合、シリコーン樹
脂中に上記導電性金属酸化物微粉末を分散させてもよ
い。
【0020】結着樹脂の一形態として、有機金属化合物
から形成される高分子化合物も使用できる。この高分子
化合物は、ゾル−ゲル法によって形成することができ
る。すなわち、Si(OCH3 4 、Si(OC
2 5 4 、Si(OC3 7 4 、Si(OC
4 9 4 、Al(OCH3 3 、Al(OC2 5
3 、Al(OC4 9 3 、Ti(OC3 7 4 、Z
r(OC3 7 4 、Y(OC37 3 、Y(OC4
9 3 、Fe(OC2 5 3 、Fe(OC3 7
3、Fe(OC4 9 3 、Nb(OCH3 5 、Nb
(OC2 5 5 、Nb(OC3 7 5 、Ta(OC
3 7 5 、Ta(OC4 9 5 、V(OC2 5
3 、V(OC4 9 3 等のアルコキシドや、鉄・トリ
ス(アセチルアセトネート)、コバルト・ビス(アセチ
ルアセトネート)、ニッケル・ビス(アセチルアセトネ
ート)、銅・ビス(アセチルアセトネート)等の有機金
属錯体を、アルコール中に溶解し、攪拌しながら加水分
解する。加水分解反応によって生成したゾル液に上記導
電性金属酸化物微粉末を分散させ、得られた分散液をス
プレー法、浸漬法等によって塗布した後、50〜300
℃で1〜24時間加熱乾燥すればよい。以上のような表
面層は、純水の水滴による接触角が50°以上であり、
好適には60°以上である。感光体表面と純水との接触
角が50°より低いと、十分な耐湿性が得られず、画像
ながれによる不良画像が生じやすいので、本発明では上
記接触角を50°以上としたものである。また、表面層
の膜厚は20μm以下、特に0.1〜10μmであるこ
とが好ましい。
【0021】本発明において使用するカプセル型トナー
は、コア材と外殼材とからなる。コア材としては、バイ
ンダー樹脂、それを溶解する高沸点溶剤、着色材および
シリコーンオイル、または主に軟質の固体物質、着色材
およびシリコーンオイルからなる。また、バインダー樹
脂を溶解しない高沸点溶剤をバインダー樹脂を溶解する
高沸点溶剤と共に加えることもできる。バインダー樹脂
としては公知の定着用樹脂を用いることができる。具体
的には、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチ
ル、ポリアクリル酸ブチル、ポリアクリル酸2−エチル
ヘキシル、ポリアクリル酸ラウリル等のアクリル酸エス
テル重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル
酸ブチル、ポリメタクリル酸ヘキシル、ポリメタクリル
酸2−エチルヘキシル、ポリメタクリル酸ラウリル等の
メタクリル酸エステル重合体、スチレン系モノマーとア
クリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルとの共重
合体、ポリ酢酸ビニル、ポリプロピオン酸ビニル、ポリ
酪酸ビニル等のビニルエステル重合体、ポリエチレン、
ポリプロピレン等のエチレン系重合体およびその共重合
体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−マレイ
ン酸共重合体等のスチレン系共重合体、ポリビニルエー
テル、ポリビニルケトン、ポリエステル、ポリアミド、
ポリウレタン、ゴム類、エポキシ樹脂、ポリビニルブチ
ラール、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノー
ル樹脂等を単独または混合して用いることができる。ま
た、モノマーの状態で仕込み、カプセル化終了後に重合
して、バインダー樹脂とすることもできる。
【0022】バインダー樹脂を溶解する高沸点溶剤とし
ては、沸点が140℃以上、好ましくは160℃以上の
油性溶剤を用いることができる。具体的には、フタル酸
エステル類、(例、ジエチルフタレート、ジブチルフタ
レート);脂肪族ジカルボン酸エステル類(例、マロン
酸ジエチル、しゅう酸ジメチル、アジピン酸ジオクチ
ル);リン酸エステル類(例、トリクレジルホスフェー
ト、トリキシリルホスフェート);クエン酸エステル類
(例、O−アセチルトリエチルシトレート);安息香酸
エステル類(例、ブチルベンゾエート、ヘキシルベンゾ
エート);脂肪酸エステル類(例、ヘキサデシルミリス
テート);アルキルナフタレン類(例、メチルナフタレ
ン、ジメチルナフタレン、イソプロピルナフタレン、ジ
イソプロピルナフタレン);アルキルジフェニルエーテ
ル類(例、o−、m−、p−メチルジフェニルエーテ
ル);高級脂肪酸または芳香族スルホン酸のアミド化合
物類(例、N,N−ジメチルラウロアミド、N−ブチル
ベンゼンスルホンアミド);トリメリット酸エステル類
(例、トリオクチルトリメリテート);ジアリールアル
カン類(例、キシリルフェニルメタン等のジアリールメ
タン、1-トリル-1- フェニルエタン、1-キシリル-1- フ
ェニルエタン、1-エチルフェニル-1- フェニルエタン等
のジアリールエタン);塩素化パラフイン類などを挙げ
ることができる。
【0023】着色材としては、カーボンブラック、ベン
ガラ、紺青、酸化チタン等の無機顔料、ファストイエロ
ー、ジスアゾイエロー、ピラゾロンレッド、キレートレ
ッド、ブリリアントカーミン、パラブラウン等のアゾ顔
料、銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタ
ロシアニン顔料、フラバントロンイエロー、ジブロモア
ントロンオレンジ、ペリレンレッド、キナクリドンレッ
ド、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環系顔料が挙
げられる。また、分散染料、油溶性染料等を用いること
もできる。本発明において、カプセル型トナーが導電性
磁性一成分トナーである場合は、黒色着色材の全部また
は一部を磁性粉で置き換えればよい。磁性粉としては、
マグネタイト、フェライト、更に鉄、コバルト、ニッケ
ル等の金属単体およびその合金を用いることができる。
また、シランカップリング剤、チタネートカップリング
剤等のカップリング剤または油溶性界面活性剤で表面処
理を施したり、あるいはアクリル系樹脂、スチレン系樹
脂、エポキシ樹脂で表面を被覆した磁性粉であってもよ
い。
【0024】シリコーンオイルとしては、ポリジメチル
シロキサンを用いることができ、その一部をポリジエチ
ルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジ
フェニルシロキサン等のポリシロキサンと置き換えても
よい。シリコーンオイルの全ケイ素原子数は20以上が
好適であリ、粘度範囲が20〜3000cStにあるも
のが使用される。粘度が20cSt未満では揮発分が多
くなり、複写操作中に帯電器でシリコーンが分解し、放
電異常を起こす恐れがあるばかりでなく、感光体表面で
の残留が少なくなる。一方、3000cSt以上では、
カプセル型トナー中にシリコーンオイルを含有させるこ
とが困難となる。さらに、好ましくは30〜2000c
Stの粘度範囲にあるものが用いられる。軟質の固体物
質としては、室温で柔軟性を有していて定着性のあるも
のならば特に種類を問わないが、ガラス転移温度Tgが
−60〜+5℃の範囲の重合体が好ましい。
【0025】外殻材は、ウレア樹脂、ウレタン樹脂、ア
ミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ
ウレア樹脂、エポキシウレタン樹脂等の樹脂によって形
成することが好ましい。これらの樹脂を外殻材形成成分
とするカプセル化方法には特に制限はないが、被覆の完
全さおよび外殻の機械的強度を考慮に入れると、界面重
合によるカプセル化方法が優れている。界面重合による
カプセル型トナーは公知の方法により製造することがで
きる(例えば特開昭57−179860号、同58−6
6948号、同59−148066号および同59−1
62562号)。一方、前記軟質の固体物質として用い
る重合体をコア材中に含有させる方法としては、予め重
合体の状態にし、他のコア形成成分および低沸点溶剤、
そして外殻材形成成分と共に仕込み、界面重合で外殻を
形成すると同時または外殻形成後に、低沸点溶剤を系外
に追い出してコア材を形成することができる。
【0026】また、カプセル型トナーには流動性や帯電
性を付与するために、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、
酸化チタン、カーボンブラック等の外添剤を加えてもよ
い。外添剤の添加方法としては、カプセル型トナーの乾
燥後、Vブレンダー、ヘンシェルミキサー等の混合機を
用いて乾式でトナー表面に付着させてもよいし、外添剤
を水または水/アルコール等の水系溶剤に分散させた
後、スラリー状態のカプセル型トナーに添加し、乾燥さ
せてトナー表面に外添剤を付着させてもよい。本発明の
カプセル型トナーの粒径は、体積平均粒径で5〜25μ
mの範囲にあるのが好ましい。本発明によれば、カプセ
ル型トナーの内部にシリコーンオイルを含むため、該オ
イルを含まない従来のトナーと異なって、アモルファス
シリコン感光体を使用する電子写真法において、画像ぼ
けが徐々に進行するということがない。また、定着性に
優れた材料をコア材として使用することができるため、
通常の定着圧力の約1/2〜4/5の低い圧力で定着が
可能になる。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。 実施例1 カプセル型トナーを次のようにして製造した。 (コア材) ラウリルメタクリレート重合体 40重量部 (Mw=10×104 、三洋化成社製) 磁性粉(EPT−1000:戸田工業社製) 60重量部 ポリジメチルシロキサン コア材に対して5重量% (粘度500cSt、信越シリコン社製) (外殻材) ウレア樹脂(ポリメチレンポリフェニルイソシアネート
とジエチレントリアミンの界面重合体) 上記コア材にポリメチレンポリフェニルイソシアネート
(ダウケミカル社製)を加え、乳化造粒した後、ジエチ
レントリアミン水溶液を添加し、界面重合法によりカプ
セル粒子を調製した。その後、スプレードライヤで乾燥
した。得られたカプセル型トナーはウレア樹脂で被覆さ
れており、その粒径は15μmであった。このトナーに
更に下記の成分を添加し、混合して導電化処理を施し
た。 カーボンブラック(バルカンXC72:キャボット社製) 2重量% ステアリン酸亜鉛 0.5重量%
【0028】また、アモルファスシリコン感光体を次の
ようにして作製した。すなわち、反応器内を十分に排気
し、次いで、シランガス、水素ガスおよびジボランガス
の混合ガスを導入して、グロー放電分解することによ
り、厚さ約20μmのAl−Mg合金円筒基体上に膜厚
4μmの電荷注入阻止層を形成した。その際の製造条件
は次の通りであった。 100%シランガス流量:180cm3 /min 100%水素ガス流量:90cm3 /min 200ppm水素希釈ジボランガス流量:90cm3
min 反応器内圧:133.3Pa(1.0Torr) 放電電力:200W 放電時間:60min 放電周波数:13.56MHz 基体温度:250℃ (なお、以下の各層の製造条件における放電周波数およ
び基体温度は、上記の値に固定した。)
【0029】電荷注入阻止層の形成後、反応器内を十分
に排気し、次いで、シランガス、水素ガスおよびジボラ
ンガスの混合ガスを導入して、グロー放電分解すること
により、電荷注入阻止層上に膜厚15μmの光導電層を
形成した。その際の製造条件は次の通りであった。 100%シランガス流量:180cm3 /min 100%水素ガス流量:162cm3 /min 20ppm水素希釈ジボランガス流量:18cm3 /m
in 反応器内圧:133.3Pa(1.0Torr) 放電電力:200W 放電時間:210min
【0030】光導電層の形成後、反応器内を十分に排気
し、次いで、シランガス、水素ガスおよびジボランガス
の混合ガスを導入して、グロー放電分解することによ
り、光導電層上に膜厚0.9μmの電荷捕獲層を形成し
た。その際の製造条件は次の通りであった。 100%シランガス流量:180cm3 /min 100%水素ガス流量:90cm3 /min 20ppm水素希釈ジボランガス流量:90cm3 /m
in 反応器内圧:133.3Pa(1.0Torr) 放電電力:200W 放電時間:12min
【0031】電荷捕獲層の形成後、反応器内を十分に排
気し、次いで、シランガス、水素ガスおよびアンモニア
ガスの混合ガスを導入して、グロー放電分解することに
より、電荷捕獲層上に膜厚約0.15μmの第一中間層
を形成した。その際の製造条件は次の通りであった。 100%シランガス流量:26cm3 /min 100%水素ガス流量:180cm3 /min 100%アンモニアガス流量:30cm3 /min 反応器内圧:66.7Pa(0.5Torr) 放電電力:50W 放電時間:30min 第一中間層の形成後、反応器内を十分に排気し、次い
で、シランガス、水素ガスおよびアンモニアガスの混合
ガスを導入して、グロー放電分解することにより、第一
中間層上に膜厚約0.25μmの第二中間層を形成し
た。その際の製造条件は次の通りであった。 100%シランガス流量:24cm3 /min 100%水素ガス流量:180cm3 /min 100%アンモニアガス流量:36cm3 /min 反応器内圧:66.7Pa(0.5Torr) 放電電力:50W 放電時間:40min
【0032】第二中間層の形成後、反応器内を十分に排
気し、次いで、シランガス、水素ガスおよびアンモニア
ガスの混合ガスを導入して、グロー放電分解することに
より、第二中間層上に膜厚約0.1μmの表面層を形成
した。その際の製造条件は次の通りであった。 100%シランガス流量:15cm3 /min 100%水素ガス流量:180cm3 /min 100%アンモニアガス流量:43cm3 /min 反応器内圧:66.7Pa(0.5Torr) 放電電力:50W 放電時間:20min 形成された表面層と純水との接触角は61゜であった。
【0033】前記カプセル型トナーを用い、作製された
アモルファスシリコン感光体を装着した複写機(改造V
ivace500、富士ゼロックス社製)によって、画
像試験を行った。この複写機にはドラム加熱装置が設け
られていない。得られた画像は鮮明であり、しかもカブ
リは認められなかった。更に10万枚のコピー後に、3
0℃および80%の高温高湿環境下で画像試験を行っ
た。得られた画像は鮮明であり、画像の滲みは見られな
かった。一晩この環境下に放置し、翌朝画像を評価した
ところ、得られた画像も鮮明であった。
【0034】実施例2 図2に示した構成のプリンターを用い、実施例1におけ
るカプセル型トナーに導電化処理を施さなかった以外
は、実施例1と同様にしてプリント操作を行った。この
場合、現像に必要な電位は400Vであった。得られた
画像は圧力により十分な転写と定着がなされており、定
着品質は熱定着と同等であった。30℃および85%の
高温高湿環境下で10万枚のプリント後も、画像は鮮明
であった。
【0035】実施例3 アモルファスシリコン感光体を次のようにして作製し
た。すなわち、反応器内を十分に排気し、次いで、シラ
ンガス、水素ガスおよびアンモニアガスの混合ガスを導
入して、グロー放電分解することにより、表面粗さ0.
3μm(Rmax)のステンレス基板上に電荷注入阻止
層を形成した。製造条件は次の通りであった。 100%シランガス流量:25cm3 /min 100%水素ガス流量:180cm3 /min 100%アンモニアガス流量:15cm3 /min 反応器内圧:66.7Pa(0.5Torr) 放電電力:50W 放電時間:30min 形成された電荷注入阻止層のケイ素原子と窒素原子の比
をX線光電子分光法で測定したところ、1:0.6であ
った。
【0036】電荷注入阻止層の形成後、反応器内を十分
に排気し、次いで、シランガス、水素ガスおよびジボラ
ンガスの混合ガスを導入して、グロー放電分解すること
により、電荷注入阻止層上に膜厚約20μmの光導電層
を形成した。その際の製造条件は次の通りであった。 100%シランガス流量:180cm3 /min 100%水素ガス流量:162cm3 /min 2ppm水素希釈ジボランガス流量:18cm3 /mi
n 反応器内圧:133.3Pa(1.0Torr) 放電電力:300W 放電時間:200min
【0037】光導電層の形成後、反応器内を十分に排気
し、次いで、シランガス、エチレンガスおよびジボラン
ガスの混合ガスを導入して、グロー放電分解することに
より、光導電層上に膜厚約1μmの表面層を形成した。
その際の製造条件は次の通りであった。 100%シランガス流量:180cm3 /min 100%エチレンガス流量:180cm3 /min 200ppm水素希釈ジボランガス流量:180cm3
/min 反応器内圧:133.3Pa(1.0Torr) 放電電力:200W 放電時間:10min 形成された表面層と純水との接触角は65゜であった。
以上のようにして作製された感光体を用い、実施例2と
同じ方法でプリント試験を行った。この時の帯電電位は
−400Vであった。試験結果は、30℃および85%
の高温高湿環境下で10万枚のプリントを行った後も、
画像は鮮明で滲みはなかった。
【0038】比較例 乳化時にシリコーンオイルを分散させずに製造したカプ
セル型トナーを使用した以外は、実施例1と同様にして
画像試験を行った。30℃および85%の高温高湿環境
下で連続コピーを行ったところ、1000枚から画像ぼ
けが発生し、3000枚では全く画像が判別できなくな
った。その後、一晩放置して画像評価したところ、全く
画像が現れなかった。
【0039】
【発明の効果】本発明の電子写真法は、純水との接触角
が50゜以上の表面を有するアモルファスシリコン感光
体と、ポリジメチルシロキサンを主体とし粘度が20〜
3000cStのシリコーンオイルを含むカプセル型ト
ナーを組み合わせたため、高温高湿環境下で複写操作を
繰り返した場合にも、また休止後の複写開始時にも、画
像ぼけのない良好な画像を長期にわたって得ることがで
きる。また、現像時に感光体を加熱する手段を設けてな
い場合は、高信頼でかつ高速適性があり、感光体の長寿
命化が図られ、さらに、感光体および複写装置を小型化
し、かつ省エネルギー化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施するための複写装置の概略構成
図である。
【図2】 本発明を実施するための複写装置の他の概略
構成図である。
【図3】 本発明において使用するアモルファスシリコ
ン感光体の一例を示す断面図である。
【図4】 本発明において使用するアモルファスシリコ
ン感光体の他の一例を示す断面図である。
【図5】 本発明において使用するアモルファスシリコ
ン感光体のさらに他の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…感光体、2…帯電器、3…画像入力装置、4…現像
器、5…転写コロトロン、5′…圧力転写ロール、6…
用紙、7…熱定着器、8…クリーナー機構、9…除電
光、11…導電性基体、12…電荷注入阻止層、13…
光導電層、14…電荷捕獲層、15…中間層、16…表
面層。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 15/20 111 15/24

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 純水との接触角が50゜以上の表面を有
    するアモルファスシリコン感光体を用い、帯電、露光に
    より静電潜像を形成した後、カプセル型トナーを用いて
    現像する電子写真法において、カプセル型トナーが、ポ
    リジメチルシロキサンを主体とし、粘度が20〜300
    0cSt(センチストクース)のシリコーンオイルを内
    部に含むことを特徴とする電子写真法。
  2. 【請求項2】 アモルファスシリコン感光体が、少なく
    とも導電性基体、電荷注入阻止層、光導電層および表面
    層から構成され、これらは水素および/またはハロゲン
    を含有するアモルファスシリコンを主体とした層からな
    り、感光体を加熱する手段を設けないことを特徴とする
    請求項1記載の電子写真法。
  3. 【請求項3】 アモルファスシリコン感光体が、水素お
    よび/またはハロゲンを含有し、かつ、炭素、窒素、酸
    素、第III 族元素および第V族元素から選ばれる一種以
    上を含有するアモルファスシリコン、または窒素、酸
    素、第III 族元素および第V族元素から選ばれる一種以
    上を含有するアモルファスカーボンよりなる表面層を形
    成したことを特徴とする請求項1記載の電子写真法。
  4. 【請求項4】 転写と定着を圧力で同時に行う請求項1
    〜3のいずれかに記載の電子写真法。
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