JPH07120580A - 核燃料サイクル - Google Patents

核燃料サイクル

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JPH07120580A
JPH07120580A JP26526893A JP26526893A JPH07120580A JP H07120580 A JPH07120580 A JP H07120580A JP 26526893 A JP26526893 A JP 26526893A JP 26526893 A JP26526893 A JP 26526893A JP H07120580 A JPH07120580 A JP H07120580A
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plutonium
metal
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Muneo Handa
宗男 半田
Noriaki Kobayashi
紀昭 小林
Hiroshi Katsuta
博司 勝田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 原子炉の固有安全性、短い燃料倍増時間及び
高いウラン資源の利用率等の技術性、並びに経済性に優
れた核燃料サイクルを提供する。 【構成】 高速炉及びマイナーアクチノイド消滅炉用の
核燃料をサイクルする方法であって、ウラン・プルトニ
ウム混合窒化物燃料及びマイナーアクチノイド窒化物燃
料から成る核燃料と、ナトリウム熱ボンド材とから成る
スヘアパック型燃料ピンを用意し;前記燃料ピンを炉心
に装荷して、前記燃料を燃焼させ;使用済み燃料を溶融
塩電解し;陰極に析出したウラン、プルトニウム及びマ
イナーアクチノイドを高次窒化物に転換し;前記高次窒
化物を回収し;回収した前記高次窒化物をモノ窒化物に
転換し;そして前記モノ窒化物から、ウラン・プルトニ
ウム混合窒化物燃料及びマイナーアクチノイド窒化物燃
料から成る核燃料を製造する;ことから成る、前記方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、核燃料サイクルに関
し、更に詳しくは、窒化物燃料と溶融塩高温化学再処理
・群分離方を用いた高速炉及びマイナーアクチノイド元
素消滅炉用核燃料サイクルに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、原子力発電で実用化されている唯
一の核燃料サイクルは、軽水炉と湿式ピュレックス再処
理法による核燃料サイクルである。この核燃料サイクル
においては、燃料中に蓄積されるマイナーアクチノイド
(以下、MAともいう)元素は、再処理工程で、核分裂
生成物(以下、FPともいう)と共に分離され、ガラス
固化体として貯蔵することが計画されている。しかしな
がら、代表的なMAであるネプツニウム−237の半減
期は約200万年と非常に長いため、地層処分場の確
保、PA(パブリック・アクセプタンス)対策、ダウン
ストリウム技術の確立等多くの問題の解決が待たれてい
る。また、軽水炉の転換比は、0.6〜0.5程度であ
る。そして、この核燃料サイクルは、ウラン資源の有効
利用に関して本質的に限界があり、利用率は高々約1%
とされている。
【0003】一方、現在開発が進められている核燃料サ
イクルとして、ウラン・プルトニウム混合酸化物燃料高
速炉とピュレックス再処理法による核燃料サイクルがあ
る。この核燃料サイクルは、原子炉の建設費を軽水炉の
1.5倍以内に抑え、燃料の高燃焼度化(10〜15
%)により、核燃料サイクル費の低減化を目指してい
る。しかしながら、α放射性物質であるプルトニウムを
含有したウラン・プルトニウム混合酸化物(以下、MO
Xともいう)燃料の製造は、グローブボックス内で複雑
な製造工程をすべて自動装置を用いて高精度で行うこと
が必要であり、軽水炉に相当する核燃料サイクル費を実
現することは難しいとされている。また、この核燃料サ
イクルの燃料倍増時間は50〜90年とされており、M
OX燃料高速炉は、増殖炉ではあるが、実用上は増殖炉
としての性能を期待できない。
【0004】また、米国のアルゴンヌ国立研究所では、
金属燃料高速炉と高温化学再処理・群分離法による核燃
料サイクルの研究開発が進められている。金属燃料(ウ
ラン・プルトニウム・ジルコニウム合金)は、照射によ
るスエリングが大きいために(体積で約10%/1%燃
焼度)、高燃焼度を達成することは難しいとされてい
た。しかしながら、1960年代から20年に及ぶ研究
開発でナトリウムボンド燃料ピンで、約70%T.D.
の低スミア密度(燃料ピンの単位長さについて、燃料の
重量を燃料及び熱ボンド剤の体積で除した値を、燃料の
理論密度T.D.に対して%で示した値)を採用すれ
ば、10〜15%の高燃焼度を実現し得ることが分かっ
た(Proc.Intern.on Conf.Rel
iableFuels for Liq.Metal
Reactors,Tucson,Arizona,S
ept.7−11,p.4−76(1986))。この
金属燃料高速炉は、非常に硬い中性子スペクトルを持っ
ており、MA消滅を効率的に行うことが可能であり、M
A消滅炉としても注目されている。また、金属燃料高速
炉は、固有の安定性を有していることが実証されてい
る。これに関しては、Nucl.Eng.Desig
n,991,287(1986)を参照されたい。19
60年代に開発された溶融塩抽出を基本技術とした高温
冶金再処理法に溶融塩電解法の新プロセスを導入し、経
済性に優れた金属燃料用高温化学再処理法が1980年
代に開発された(Proc.Fuel Reproce
ssingand Waste Managemen
t,Jackson,Wyoming,Aug,26−
29,Vol.2,p.257,Am.Nucl.So
c.(1984))。更に、最近の研究で、溶融塩電解
プロセスの制御、ゼオライト吸着剤によるアルカリ及び
アルカリ土類金属の溶融塩電解質からの分離技術の開発
等により、実験室規模で群分離技術も確立されている。
この核燃料サイクルは、燃料製造及び再処理施設を非常
に小型化でき、資本費はMOXサイクルの約20%、資
本費と運転保守費の合計では、MOX燃料サイクルの約
1/3、原料費(燃料及び被覆管等の材料費)及び廃棄
物処理費は、ほぼ同等と推定されている。核燃料サイク
ル費全体については、MOX核燃料サイクルの約60%
と計算されており、軽水炉の核燃料サイクルに経済性で
対抗し得ると見込まれている。また、この核燃料サイク
ルの燃料倍増期間は、10〜20年と推定されており、
増殖炉として優れた性能を備えており、従って、ウラン
資源の利用率も軽水炉の核燃料サイクルの約60倍と計
算されている。しかし、金属燃料、特にプルトニウム金
属粉末はウラン金属よりも自燃性であり、室温において
も大気と接触すると発火する。プルトニウム加工工場で
の事故例の多くは、このプルトニウム金属の自燃性が原
因とされており、従って、燃料加工、再処理・群分離施
設等の固有安全性に問題が残されている。
【0005】その他に提案されている核燃料サイクルと
して、高温ガス炉燃料サイクルがある。被覆粒子燃料を
用いる高温ガス炉では、ヘリウムガス冷却剤の原子炉出
口温度を約1000℃と高温にでき、50%程度の高熱
効率が期待され、且つ発電以外の化学工学分野での熱利
用が可能である。被覆粒子燃料は、二酸化ウラン粒子
(直径約0.6mm)を熱分解黒鉛、炭化ケイ素被覆相
で4重に被覆し、FPの閉じ込めを図っている。この閉
じ込め機構は、非常に堅固でワンススルー使用済み燃料
の保管・貯蔵形態として極めて優れている。しかし、使
用済み燃料の再処理技術の開発は、現在まで成功してい
ない。従って、高温ガス炉用核燃料サイクルは、まだ確
立されていない現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記問題点に鑑み、本
発明は原子炉の固有安全性、短い燃料倍増時間及び高い
ウラン資源の利用率等の技術性、並びに経済性に優れた
核燃料サイクルを提供することを目的とする。
【0007】また、本発明の他の目的は、燃料加工施
設、原子炉及び再処理・群分離施設を含めた核燃料サイ
クル全体について高度の固有安全性を確保することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく、
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、金属燃料に代え
て、金属よりもはるかに化学的に安定なウラン・プルト
ニウム混合窒化物及びマイナーアクチノイド窒化物燃料
を採用することで、上記課題を解決し得ることを見いだ
した。
【0009】また、本発明者らは、窒化物燃料の優れた
特性(大きい燃料密度、高融点及び高熱伝導度)を十分
に発揮できる炉設計を採用することにより、MOX及び
金属燃料よりも優れた核燃料サイクル費及び核燃料サイ
クル全体について固有安全性を確立し得ることを見いだ
した。
【0010】更に、本発明者らは、金属燃料用に開発さ
れた塩化物溶融塩を用いた高温化学再処理・群分離法を
窒化物燃料に適用し得ることを熱力学的に解析し、ウラ
ン窒化物の溶融塩電解を行い得ることを見いだした。
【0011】従って、本発明によれば、ウラン・プルト
ニウム混合窒化物燃料及びマイナーアクチノイド窒化物
燃料から成る核燃料が提供される。
【0012】また、本発明によれば、ウラン・プルトニ
ウム混合窒化物燃料及びマイナーアクチノイド窒化物燃
料から成る核燃料と、ナトリウム熱ボンド材とから成る
スヘアパック型燃料ピンが提供される。
【0013】更に、本発明によれば、高速炉及びマイナ
ーアクチノイド消滅炉用の核燃料をサイクルする方法で
あって、ウラン・プルトニウム混合窒化物燃料及びマイ
ナーアクチノイド窒化物燃料から成る核燃料と、ナトリ
ウム熱ボンド材とから成るスヘアパック型燃料ピンを用
意し;前記燃料ピンを炉心に装荷して、前記燃料を燃焼
させ;使用済み燃料を溶融塩電解し;陰極に析出したウ
ラン、プルトニウム及びマイナーアクチノイドを高次窒
化物に転換し;前記高次窒化物を回収し;回収した前記
高次窒化物をモノ窒化物に転換し;そして前記モノ窒化
物から、ウラン・プルトニウム混合窒化物燃料及びマイ
ナーアクチノイド窒化物燃料から成る核燃料を製造す
る;ことから成る、前記方法が提供される。
【0014】本発明にいう、「マイナーアクチノイド
(MAともいう)」元素とは、ウラン−235及びプル
トニウム−239の核分裂で発生する中性子とU−23
8とが核反応を起こした生成物であって、その生成量は
少量(マイナー)ではあるが非常に長い半減期を有する
超ウラン元素があり、例えば、ネプツニウム−237、
アメリシウム−243、キュリウム−247等である。
なお、ウラン及びプルトニウムは燃料であり、メジャー
アクチノイド元素と呼ばれており、MA元素には含まれ
ない。
【0015】ウラン・プルトニウム混合窒化物及びマイ
ナーアクチノイド(MA)窒化物燃料は、アルゴンガス
等の不活性雰囲気下のみならず、通常の空気雰囲気グロ
ーブボックス内で取り扱うことが可能であり、安全性の
みならず、経済性の観点からも有利である。また、窒化
物燃料の優れた特性、例えば、大きな燃料密度、高融
点、及び高熱伝導度を十分に発揮し得る炉設計を採用す
ることにより、MOX及び金属燃料よりも優れた核燃料
サイクル費及び核燃料サイクル全体について固有安全性
を確立することができる。
【0016】以下に、混合窒化物燃料の加工及び達成燃
焼度、高速炉及びMA消滅炉、再処理・群分離法につい
て技術的可能性、固有安全性、経済性等の観点から説明
する。
【0017】(1)窒化物燃料ピンの形態・製造プロセ
ス及び達成燃焼度 発電費の約1/3を占める核燃料サイクル費は、燃料の
燃焼度増大にほぼ比例して減少するので、ウラン・プル
トニウム混合窒化物燃料についてどの程度の燃焼度が期
待できるかは、照射挙動を含めて重要である。米国及び
欧州において、混合窒化物燃料ペレットをステンレス鋼
被覆管に充填し、熱ボンド材にヘリウム又はナトリウム
を用いた燃料ピンについて、約15%の燃焼度が達成さ
れている(Nucl.Technol.,63,9(1
983))。日本においては、混合窒化物燃料ペレット
内に大きな気孔(直径約100ミクロン)を含有した熱
安定型ペレットが採用されている。燃料ペレットの密度
は理論密度の約85%T.D.、ペレット母材の密度は
約95%T.D.、スミア密度は約75%T.D.のヘ
リウムボンド燃料ピンについて、約5%燃焼度を達成し
ている。しかし、この種の通常のペレット型の燃料ピン
形態では、高速炉用MOX燃料ピンで経験されているよ
うに、強いα放射性物質であるプルトニウム燃料の加工
をすべてグローブボックスの中で行い、更に、燃料ペレ
ットの直径を熱伝達の点から高精度で加工することが要
求される。従って、センタレスグラインダーによる仕上
げ加工が通常必要とされるほか、燃料ペレットの成形工
程が複雑となるので、燃料加工費が高く、その費用は軽
水炉用二酸化ウラン燃料の約4倍と見積られている。従
って、金属燃料ピンの製造に使用されている射出成形法
に経済的に対抗することは難しいとされている。
【0018】これらの問題点を解決するために、本発明
では、燃料のスミア密度75〜80%T.D.を確保す
るために、図1に示すように、直径0.05〜0.1m
m及び0.5〜1.0mm程度の2種類の粒子状窒化物
をステンレス鋼被覆管に充填したスフェアパック燃料ピ
ンであって、熱ボンドにナトリウムを用いた新しい燃料
ピンを使用する(以下、これを、窒化物粒子燃料−ナト
リウムボンド燃料ピンともいう)。図1には、参考とし
て、標準的な高速炉用MOX燃料ピンの断面図も示す。
【0019】粒子状窒化物は、均質な燃料の球であり、
被覆等は施されていない。燃料の組成は、使用する原子
炉や目的によって異なるが、以下の2種類に大きく区分
される。一つ目は、MAを燃料全体に均質に混入させる
場合であるが、この場合にはMA含有量は2〜4%程度
である。この方式ではすべての燃料を遠隔・全自動操作
で製造することが必要なのであまり経済的ではないが、
原子炉の運転は容易であるといわれている。二つ目は不
均質炉心燃料の場合であるが、この場合はMAを20〜
30%含有した燃料を炉心の数分の一装荷し、残りは
(U,Pu)N燃料となる。Pu/Pu+U比は大型炉
では、約0.2程度であるが、出力が小さい炉では20
〜70%になる。遠隔操作で製造するMA入り燃料ピン
の数が少ないので、それだけ経済的であるが、炉心構造
にはその分だけ配慮が必要である。
【0020】窒化物の製造は、後述する(7)に詳細に
説明されているが、ここではその他の方法としてゲル化
プロセスを説明する。この方法では、U、Pu及びMA
の硝酸塩水溶液、エチレンテトラミン並びに炭素粉末を
分散含有させたゲル溶液を毛細管から滴下させて液球を
つくる。この液球を落下中に高周波又はマイクロウエー
ブで500℃程度に加熱するとエチレンテトラミンが分
解してアンモニアが発生する。発生したアンモニアと燃
料硝酸塩が反応して固体の重ウラン酸アンモニウム塩、
水酸化物等の混合物になり、固体球が得られる。この固
体球を1700℃に窒素気流中で加熱すると、U、Pu
及びMAの均質混合窒化物スヘアが得られる。
【0021】本発明に使用する窒化物粒子燃料−ナトリ
ウムボンド燃料ピンの製造プロセスは、以下の通りであ
る。即ち、ヘリウムガス雰囲気グローブボックス内で、
初めに、下部端栓を溶接したステンレス被覆管の底部に
所定量のナトリウムを詰め、続いて、被覆管入口にアル
ファ汚染防止用治具(図示せず)を取り付けた後、漏斗
等を用いてブランケット用窒化物粒子燃料−アルミナ盤
−ドライバー用窒化物粒子燃料−アルミナ盤−ブランケ
ット用窒化物粒子燃料を順次充填する。上部端栓を溶接
した後、最後に燃料ピンを立てた状態で、燃料ピン全体
をナトリウムの融点(90℃)以上に加熱する。アルミ
ナ盤は、ブランケット用窒化物粒子燃料とドライバー用
窒化物粒子燃料の混合を防止する役目をもっている。廃
棄物の観点から、アルミナ盤に代えてモリブデン盤を用
いてもよい。
【0022】この製造プロセスは、非常に簡単で、且つ
遠隔操作にも適しているほか、金属燃料の射出成形法で
大量に発生する石英ガラスのような鋳型等のプロセス廃
棄物が発生しないことも特徴である。従って、燃料製造
の経済性は、金属燃料に採用されている射出成形法と同
等又はそれ以上を期待できる。
【0023】次に、本燃料ピンの達成可能燃焼度につい
て述べる。本燃料ピンは燃料及び熱ボンド材共に高い熱
伝導度を有する材料を使用しているので、照射中の燃料
中心温度を1300℃以下に保持することができる。従
って、燃料形態としてはコールド燃料(燃料の最高温度
を融点の約1/3以下に抑え、FPガス放出率、FP燃
料中の移行等を低く保った燃料)に分類されるので、安
定した照射挙動を期待できる。また、日本の熱安定型燃
料ピンで得られた核分裂ガスの放出量、照射下の燃料の
スエリング、クリープ挙動等の照射データから、窒化物
粒子燃料の密度として約90%T.D.、燃料ピンのス
ミア密度として約75%T.D.を採用すれば、15%
程度の燃焼度は容易に達成できる。燃料ピンのスミア密
度として約75%T.D.を採用することは、幾何学的
計算及びスフェアパック型燃料ピンで既に多くの充填経
験があり、製造上の問題はない。なお、高速炉では、約
15%の高燃焼度を達成し得るが、熱中性子を利用する
軽水炉では、燃焼に伴って燃料中に蓄積されるサマリウ
ム等の希土類元素のFPが非常に大きな熱中性子吸収面
積を有しているので、経済的に達成可能な燃焼度は、5
〜6%に限定される。従って、高速炉燃料の加工費は、
軽水炉の約4倍であるが、達成燃焼度が約3倍であるの
で、燃焼度を考慮すると、実際の高速炉燃料の加工費
は、軽水炉燃料の4/3と見積ることができる。
【0024】窒化物燃料粒子を如何に安価に製造し得る
かということが燃料費を大きく左右するが、これは、再
処理・群分離プロセスで回収される燃料及びMAの化学
形、形状等に依存するので、これらのプロセスについて
述べた後に説明する。
【0025】ここでは、ウラン、プルトニウム混合窒化
物燃料について説明したが、MA窒化物燃料について
は、照射データの報告はなく、現段階で定量的な議論は
できないが、両者の化学的性質及び物理的性質は類似し
ているので、混合窒化物燃料で得られた結論がほぼ定性
的にはMA窒化物燃料についてもいえると判断される。
【0026】(2)窒化物燃料高速炉の燃料費 核燃料サイクル費の一部を占める燃料費は、原料費、加
工費及び検査費に区分される。MOX、金属及び窒化物
ピンの最適設計評価によると、MOX燃料は高融点を有
しているが、熱伝導度が悪く、また、金属燃料は高い熱
伝導度を有しているが融点が低いために、最適燃料ピン
外径は、両者共に5〜6mmとされている。フランスの
高速実証炉であるスーパーフェニックスのMOX燃料ピ
ン外径は、例外的に8.5mmと非常に太径となってい
る。しかし、これは中空ペレットを採用しているので、
上記の場合と直接比較することはできない。これに対し
て、窒化物燃料は、高融点であると同時に大きな熱伝導
度を有しているので、9〜10mmの太径の燃料ピンを
採用することができる。最適線出力は、MOX及び金属
燃料ピンでは400〜500W/cmであり、窒化物燃
料ピンでは800〜1000W/cmである。最近のペ
レット型燃料ピンの照射実績によると、三燃料共に達成
可能燃焼度は10〜15%である。射出成形法を採用し
た金属燃料の加工費は、MOX燃料の約60%と試算さ
れている(原子力工業、第33巻、第7号、66(19
87))。これらのデータから以下の重要な結果が得ら
れる。即ち、1)窒化物燃料の線出力がMOX及び金属
燃料ピンの約2倍であるので、炉心に装荷する窒化物燃
料ピンの数は約半分に減ずることができ、従って、窒化
物燃料ピンの加工費及び検査費を金属燃料の半分に低減
できる。2)三燃料ともに、ほぼ同一燃焼度を達成で
き、窒化物燃料ピンは、MOX及び金属燃料ピンに比し
て約2〜2.5倍の燃料物質が充填されているので(燃
料ピンの断面積の比である。また、燃焼度の単位はMW
D/Tである)、燃料ピン当たり約2〜2.5倍のエネ
ルギーを取り出すことができる。3)窒化物燃料ピンの
線出力は、その他の燃料ピンの約2倍であるので、炉心
に滞在する時間は三燃料共にほぼ同一である。4)原料
の必要量は、三燃料共にほぼ同一である。5)結論とし
て、本発明の窒化物粒子燃料−ナトリウムボンド燃料ピ
ンの加工費及び検査費は金属燃料の約半分に低減でき
る。これらの結果から、本燃料ピンの加工費及び検査費
は、次式に示すように、軽水炉燃料の約1/3まで減じ
ることが可能である。
【0027】窒化物粒子燃料ピンの加工費及び検査費= 軽水炉燃料の加工費及び検査比(=1) ×プルトニウムの加工の補正係数(4) ×燃焼度の補正係数(軽水炉/高速炉=5%/15%=
1/3) ×加工法の補正係数(射出成形法=スヘアパック型粒子
燃料/ペレット型MOX燃料=1/2) ×燃料ピン数の補正係数(MOX燃料=金属燃料/窒化
物=1/2) =軽水炉燃料の加工費及び検査比×1/3
【0028】(3)ウラン・プルトニウム混合窒化物燃
料高速炉の固有安全性及び燃料倍増時間 金属燃料高速炉の固有安定性は、既に多くの炉物理解析
報告及び実験結果があり、ほぼ実証済みであるといえ
る。例えば、Proc.LMR:A Decade o
f LMR Progress and Promis
e,p236,Washington D.C.,No
v.,11−15(1990)では、金属燃料高速炉と
窒化物燃料高速炉の固有安全性について比較検討してい
る。その結論は、定常運転時における燃料の最高温度、
燃料と被覆管の化学的及び機械的相互作用と燃料の融点
及び許容運転限界の安全性裕度は、窒化物燃料高速炉の
方がはるかに大きく、また、事故時の解析として、冷却
材流量低下スクラム失敗事象(ULOFWS)及び出力
異常上昇下スクラム失敗事象(UTOPWS)時の冷却
材ピーク温度は、前者では、窒化物、金属及びMOX燃
料炉心、後者ではMOX、窒化物及び金属燃料炉心の順
で安全性裕度が大きく、総合的には窒化物燃料炉心が最
も優れているとされている。
【0029】窒化物の燃料倍増時間は、天然の窒素を用
いた場合には金属燃料よりも少し長くなるが(MOX燃
料の倍増時間からすると、はるかに金属燃料に近い)、
15Nを濃縮した燃料では、ほぼ金属燃料に相当する短い
燃料倍増時間を有している。これについてはJAERI
−M7374(1977)を参照されたい。従って、ウ
ラン資源の利用率についても金属燃料と同等の約60%
が可能である。それ故、倍増性能上は、15Nの窒化物を
使用することが好ましい。しかし、濃縮費が必要なこ
と、14Nから生成した14Cは高温化学再処理では容易に
炭素元素として回収できることから実用上は天然窒素を
使用すれば良い。
【0030】(4)窒化物燃料の高温化学最処理・群分
離 米国アルゴンヌ国立研究所が開発を進めている金属燃料
の高温化学再処理・群分離法については上述したが、窒
化物燃料で溶融塩を用いた高温化学再処理法について
は、これまで全く研究報告はない。ウラン・プルトニウ
ム混合窒化物燃料の電気抵抗値は、D.L.Kelle
r,US Report,BMI−1809(196
7)によれば、室温から900℃まではほぼ一定で29
0〜340×10-6Ωcmである。この値は、銅の2×
10-6Ωcm(室温)、鉄の10×10-6Ωcm(室
温)の数10倍であるので、ほぼ金属に近い電気伝導性
を有している。このため、使用済み燃料ピンをチョッピ
ングしたものを金属製のバスケットに入れてそのまま陽
極として利用することができる。
【0031】窒化物の溶融塩電解については、固体状の
アルファ・プロセス廃棄物を発生しないプルトニウム等
のアクチノイド金属の製造法について既に特許出願がさ
れている(特開平5−59463)。この溶融塩電解法
を用いた窒化物燃料の高温化学再処理・群分離法につい
て金属燃料と対比させて熱力学的解析を行った結果を以
下に示すが、初めに、使用済み窒化物燃料中に生成した
種々のFPの化学形について、熱力学解析及び照射後試
験データに基づいた結果を述べる。
【0032】(4−1)窒化物燃料中に生成した種々の
FPの化学形 ウラン、プルトニウム及び種々のFP窒化物の生成自由
エネルギー並びに照射燃料のホットラボラトリーでの試
験データに基づいて、10%燃焼度の窒化物燃料中のF
P化学形が、生成量0.09%以上の主要なFPについ
て同定されている。その結果を表1に示す。
【0033】
【表1】 希ガス、アルカリ金属、テクネチウム及びテルルのFP
は、金属状、ヨウ化物又はテルライドで存在する。以下
の解析では、これらはすべて金属状として行った。パラ
ジウム、ルテニウム及びロジウムは、ウラン及びプルト
ニウムと合金を形成する。アルカリ土類元素、希土類、
ジルコニウム及びニオブは、安定な窒化物で存在する。
【0034】溶融塩としてはU、Pu及びMAの塩への
溶解度が大きいことから、塩化物が好適である。塩化物
を構成する金属元素としては、Li、Na、K等のアル
カリ金属、Ca、Mg、Ba等のアルカリ土類金属の塩
化物の種々の比率の混合物がある。好適比率は、必要と
する融点、容器との両立性等から決定する。例えば、K
Cl(41%)−LiCl(69%)の混合物を使用す
ることができる。
【0035】(4−2)窒化物燃料の高温化学再処理・
群分離 初めに、金属燃料の溶融塩化物を用いた高温化学再処理
・群分離について述べる。この基礎となるデータは、化
学式(1)について、熱力学で定義される金属Mからの
塩化物MClXの生成自由エネルギー、ΔGfである。こ
の生成自由エネルギーと電解に必要な電圧Eは、(2)
式の関係で示されるので、特定の電圧で電解を行えば、
その電圧で電解が進行する元素群のみを陰極に金属とし
て回収することができる。 1/xM + Cl = 1/xMClx (1) ΔGf = −nFE (2) ここで、nは電極反応で授受される電子の当量数、Fは
ファラディー定数である。(1)式は、1グラム当量の
塩素の反応についての生成自由エネルギーで示してある
ので(熱力学的には塩素ポテンシャルと等しい)、種々
のFP、ウラン、プルトニウム等の燃料、MA及び高温
化学処理に関連ある元素について、電解の進行の有無を
直接比較することができる。1000Kにおける生成自
由エネルギーΔGf(kcal/g−原子当量Cl)の
値を表2に示す。金属燃料の溶融塩化物を用いた高温化
学再処理では、陽極にカドミウム金属を用いているの
で、塩化キュリウムの電解が進む電圧をかけた場合、塩
化カドミウムの生成自由エネルギーよりも大きい値を有
したFPは陽極に折出し、塩化キュリウムから塩化ジル
コニウムまでは陰極に折出する。そして、塩化イットリ
ウムよりも小さい生成自由エネルギーを有するFPは、
溶融塩電解質中に残存するので、それぞれの分離が可能
となる。
【0036】
【表2】 これらの予備データに基づいて、窒化物燃料の溶融塩高
温化学再処理・群分離法について以下に説明する。分離
の基礎となる反応は、化学式(3)である。表1に示し
た照射済み窒化物燃料中のウラン及びプルトニウムの燃
料、MA及びFPの化学形について、化学式(3)につ
いて1000Kの反応自由エネルギーを計算した。ま
た、ウラン・ロジウム、ウラン・パラジウム及びウラン
・ルテニウム合金について化学式(4)を用いて生成自
由エネルギーを計算した。これらの計算には化学式
(1)、(5)及び(6)に示した塩化物、窒化物及び
合金の生成自由エネルギー値が必要であるが、これらの
データは以下の文献値を用いた◎。
【0037】 1/xMNy + Cl= 1/xMClx + y/xN (3) 1/3UA3 + Cl = 1/3UCl3 + A (4) ここで、Aは、Rh、Ru又はPdである。 M + xN = MNx (5) U + 3A = UA3 (6) Science of advanced LMFBR
s,North−Holland,p.690(198
6);Metallugical Thermo−Ch
emistry,Pergamon Press,5t
h Ed.(1983);Thermochemica
l Data for Reactor Materi
als and Fission Products,
North−Holland(1990);The C
hemical Thermodynamics of
Actinide Elements and Co
mponds,Part5,TheActinide
Binary Alloys,IAEA,Vienna
(1981);The Chemical Therm
odynamics of Actinide Ele
ments and Componds,Part8,
TheActinide Halides,IAEA,
Vienna(1983);その結果を表3に示す。表
3における単位は、kcal/g原子当量Clである。
【0038】
【表3】 窒化物燃料の高温化学再処理・群分離では、陽極にカド
ミウム金属を用いていないので、プルトニウム金属が折
出する電圧で電解を行った場合、プルトニウム塩化物よ
りも化学式(3)の反応の自由エネルギーが大きい元素
は、熱力学的にウラン及びプルトニウム燃料と共に折出
する。しかし、パラジウムについては、化学式(4)の
反応自由エネルギーが極めて小さく、従って、化学式
(3)の生成自由エネルギーが大きくなるために、この
反応は進行しないかもしれない。これは、換言すると、
電解質塩中へのこれらの元素の溶解が小さいことを示し
ており、パラジウム、ルテニウム等と同様に陽極から陰
極への移動が遅いと考えられる。更に、モリブデン等の
反応生成エネルギーの大きな元素についても同様の結果
が予測される。ジルコニウムは、化学式(5)の窒化物
の生成自由エネルギーが小さいので、化学式(3)の塩
化物の生成自由エネルギーがニオブと同等にまで大きく
なり、これら量元素はほぼ同一の挙動をとると推測され
る。結論として、窒化物燃料の高温化学再処理・群分離
では、一般に化学式(5)の反応生成自由エネルギー
が、金属から塩化物の生成自由エネルギーに比して大き
いので、既に述べたパラジウム系合金及びジルコニウム
の挙動を除いて、その他の元素はほぼ金属燃料の高温化
学再処理・群分離と同様な挙動を示すといえる。
【0039】電解を行う場合の条件は、例えばKCl
(41%)−LiCl(69%)電解質を用いる場合に
は、温度450℃、時間24hr、電流密度0.5A/
cm2、電圧2Vを用いることができる。本発明におけ
る高温化学再処理では、FPの折出等との関係で電圧を
制御することが重要である。
【0040】(5)陰極に折出・回収したウラン、プル
トニウム及びMA金属の高次窒化物への転換 本発明の特徴の一つは、燃料加工プロセスの固有安全性
を、金属燃料サイクルに比べて、金属状での取り扱いを
可能な限り少なくすることにより確保することである。
これは、溶融塩電解で先端に穴あきの球状陰極を使用
し、管状陰極棒の管内を通して窒素ガスを常時供給する
ことで、表面に回収した金属燃料及びMAを電極上で直
ちに高次窒化物(セスキ窒化ウラン、プルトニウム及び
MA)に転換する。生成した高次窒化物の粉末は、電解
槽の底に沈降するので、これをバッチ法で少量の電解質
塩と共に取り出す。
【0041】(6)粉末状ウラン、プルトニウム及びM
Aセスキ窒化物等と電解質塩との分離 700℃で電解槽より取り出した粉末状ウラン、プルト
ニウム及びMA高次窒化物と電解質塩混合物とをアルミ
ナ製ルツボに入れ、傾斜法で両者を大まかに分離する。
これに水を加えて撹拌し電解質塩を溶出させて、ウラ
ン、プルトニウム及びMA高次窒化物から分離する。塩
を分離した窒化物粉末にアルコールを加え、真空中で1
00℃程度に加熱して脱水を行う。
【0042】(7)セスキ窒化物粉末の粒子状窒化物燃
料への成形加工及びモノ窒化物粒子への転換 セスキ窒化物粉末に少量の有機化合物又は無機化合物の
液体を添加してゾル状とし、これを粒子状へ成型加工す
る。このプロセスの一例を以下に示すが、この種の粒子
状燃料の製造方法は、公知の如何なる方法をも使用する
ことができる。特に、高温ガス炉用二酸化ウラン粒子燃
料核の製造法や、高速炉用窒化物粒子−スヘアパック燃
料ピンの製造法を用いることができる。
【0043】例えば、まず、ゾル状燃料を毛細管の先端
から滴下させてゾル粒子とし、これを高周波加熱して添
加剤を分解蒸発除去させると同時に粒子のゲル化を行
う。得られた低密度のセスキ窒化物粒子を1300℃に
加熱して高次窒化物をモノ窒化物粒子燃料(窒化物燃料
としては、このモノ窒化物が用いられるので、特に明記
しない限りこれまでに述べた窒化物はモノ窒化物をい
う)に転換する。更に、窒素−水素混合ガス気流中で1
700℃程度の高温に加熱して焼結を行い、目的とする
密度の窒化物粒子を製造する。なお、原子炉に初めに装
荷する窒化物燃料は、経済性の観点から、原料物質とし
て酸化物を用いることになるが、酸化物から窒化物への
転換は、炭素熱還元反応により一段の反応で工業的に安
価に製造できる技術が既に確立されている。これに関し
ては、J.Nucl.Mater.,168,280
(1989)を参照されたい。例えば、酸化物粉末と黒
鉛粉末を混合、圧縮したグリーンペレットを窒素ガス気
流中で約1700℃で数時間加熱すればよい。
【0044】(8)窒化物粒子燃料−高温化学再処理・
群分離法の経済性 金属燃料高速炉−高温化学再処理法の核燃料サイクル費
は、上述したように、MOX燃料−ピュレックス再処理
法の約60%と計算されている(原子力工業、第33
巻、第7号、66(1987))。これらの結果は、燃
料製造及び再処理プロセスが類似している窒化物燃料−
高温化学再処理サイクルに適用しても大きな誤りはない
と考えられる。湿式及び溶融塩高温化学法による群分離
の経済性についての解析は、これまで報告がないので評
価できないが、使用する技術が両者においてほぼ同一で
あるので、再処理と同様の結果が得られると考えられ
る。
【0045】
【実施例】ウラン窒化物について、溶融塩を電解質に用
いて電気分解を行った。使用した装置を図2に示す。電
気分解は石英ガラス容器2内に設置したアルミナ製の電
解セル容器3を用いて行った。セル3の加熱には電気炉
1を用いた。電気炉の制御には熱電対5を用いた。陽極
には金属棒8を接続した黒鉛棒6を用い、黒鉛棒6の溶
融塩に浸る部分をセラミックス管4で保護した。陰極に
はモリブデン棒7を用いた。また、石英ガラス容器2に
は、石英ガラス容器2の空間部分及び溶融塩中に不活性
ガスをバブリングするための不活性ガス入口10及び該
ガスを排出するための不活性ガス出口11が設けられて
いる。不活性ガスとして、アルゴンを用いた。陽極及び
陰極並びにバブリング用不活性ガス入口はゴム栓9で気
密にされている。15は、石英ガラス容器2の上部と下
部とを密閉するためのすり合わせである。
【0046】アルミナセル容器3中に5グラムの窒化ウ
ラン12と、KCl(41%)−LiCl(69%)−
10wt%UCl3系電解質とを入れ、不活性ガスを流
通させつつセル3を800℃まで昇温させた。電解電流
密度を2A/cm2として電解を行ったところ、陽極で
窒素ガスが発生すると共に、陰極にウラン金属が折出し
た。これによって、窒化物燃料の高温化学再処理・群分
離法が工学的に可能であることが分かった。
【0047】
【発明の効果】本発明では、空気雰囲気下で取り扱うこ
とが可能な窒化物燃料の採用、遠隔操作に適した簡単な
プロセスで製造できるナトリウムを熱ボンドに使用した
ウラン・プルトニウム混合窒化物及びMA粒子燃料ピン
の提供、軽水炉の二酸化ウラン燃料の約3倍の高燃焼度
燃料の実現、従来の高速炉用MOX燃料及び金属燃料と
同一炉設計条件下で必要な燃料ピン数の半減化、金属燃
料用に開発された超小型施設による高温化学再処理・群
分離法の窒化物燃料への適用が可能なことの実証、窒化
物燃料高速炉の固有安全性に関する最近の研究成果等に
基づいて、窒化物粒子燃料−高温化学再処理・群分離法
による新しい核燃料サイクルを提示した。本発明によ
り、原子炉のみならず、燃料サイクル全体について固有
安全性の確保が可能となった。また、燃料製造施設、原
子炉及び再処理施設を同一場所に設置することで、燃料
の輸送を大幅に減ずることができ、核拡散防止対策も大
きく改善される。また、本発明の核燃料サイクル費は、
従来のMOX燃料高速炉−ピュレックス再処理法の約6
0%に減ずることができる金属燃料高速炉−高温化学最
処理・群分離の核燃料サイクルに比して、原子炉に装荷
する燃料ピン数の半減化及び空気雰囲気下での燃料の加
工による経済性の改善が可能である。結論として、軽水
炉の核燃料サイクル費以下に保持できると推定されるの
で、本発明により、高速炉及びMA消滅炉の導入に際し
て懸案となっている多くの問題がほぼ解決されたと考え
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】窒化物粒子燃料−ナトリウムボンド燃料ピンの
断面図である。
【図2】窒化ウランの溶融塩電解装置を表す図である。
【符号の説明】
1 電気炉 2 石英ガラス容器 3 電解セル容器 4 セラミックス管 5 熱電対 6 黒鉛棒 7 モリブデン棒 8 金属棒 9 ゴム栓 10 不活性ガス入口 11 不活性ガス出口 12 窒化ウラン 13 溶融塩バス 14 ウラン金属 15 すり合わせ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウラン・プルトニウム混合窒化物燃料及
    びマイナーアクチノイド窒化物燃料から成る核燃料。
  2. 【請求項2】 ウラン・プルトニウム混合窒化物燃料及
    びマイナーアクチノイド窒化物燃料から成る核燃料と、
    ナトリウム熱ボンド材とから成るスヘアパック型燃料ピ
    ン。
  3. 【請求項3】 高速炉及びマイナーアクチノイド消滅炉
    用の核燃料をサイクルする方法であって、 ウラン・プルトニウム混合窒化物燃料及びマイナーアク
    チノイド窒化物燃料から成る核燃料と、ナトリウム熱ボ
    ンド材とから成るスヘアパック型燃料ピンを用意し;前
    記燃料ピンを炉心に装荷して、前記燃料を燃焼させ;使
    用済み燃料を溶融塩電解し;陰極に析出したウラン、プ
    ルトニウム及びマイナーアクチノイドを高次窒化物に転
    換し;前記高次窒化物を回収し;回収した前記高次窒化
    物をモノ窒化物に転換し;そして前記モノ窒化物から、
    ウラン・プルトニウム混合窒化物燃料及びマイナーアク
    チノイド窒化物燃料から成る核燃料を製造する;ことか
    ら成る、前記方法。
  4. 【請求項4】 管状陰極の管内に窒素ガスを供給して、
    陰極上に析出したウラン、プルトニウム及びマイナーア
    クチノイドを高次窒化物に転換する、請求項に記載の方
    法。
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