JPH07120452B2 - 硬貨処理機における硬貨識別装置 - Google Patents

硬貨処理機における硬貨識別装置

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JPH07120452B2
JPH07120452B2 JP61189211A JP18921186A JPH07120452B2 JP H07120452 B2 JPH07120452 B2 JP H07120452B2 JP 61189211 A JP61189211 A JP 61189211A JP 18921186 A JP18921186 A JP 18921186A JP H07120452 B2 JPH07120452 B2 JP H07120452B2
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正史 内藤
逸子 西川
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グローリー工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (発明の技術分野) この発明は、搬送ベルトにより硬貨を強制的に通路面上
を搬送させ、硬貨識別装置により搬送硬貨の金種、真偽
を識別する硬貨処理機に関し、特にソフトウエアの変更
のみで、各国硬貨に直ちに適用できる硬貨分類機,硬貨
入金機等に適し、硬貨の金種,真偽を確実に識別できる
ようにした硬貨識別装置に関する。
(発明の技術的背景とその問題点) 従来、硬貨分類機(硬貨入金機,硬貨入出金機等)には
種々のタイプのものがある。例えば本出願人により出願
されている硬貨分類機(特願昭59−271962号)は、水平
通路面上を搬送ベルトにより移動されている硬貨を、通
路の途中を上下方向より挟込む形で設けられた材質セン
サの出力により識別するようになっている。この材質セ
ンサは、下方に設けられた1次コアに巻回されている1
次コイルに交流信号を入力し、1次コアに対向してその
中央部分が切断されて設けられた2つの2次コアにそれ
ぞれ巻回された2つの2次コイルの誘導出力値を、予め
記憶されている各硬貨の基準値と比較することにより、
硬貨の金種,真偽を判別するようにしている。
中央で分割された2次コアの間には搬送ベルトが通り、
硬貨を高速で搬送されている。流通硬貨の中の最大径の
硬貨と最小形の硬貨との差が小さい国、例えば日本等で
は各金種の混在した硬貨が通路の一側面に沿わず左右に
ずれても、確実に判別できるようになっている。これ
は、最小径の硬貨が左右にずれても必らず2次コイルの
相方の部分を通過するので検知できるのである。
しかし、最大径の硬貨と最小径の硬貨との差が大きい
国、例えば西ドイツ,米国等では小径硬貨の径が、分割
された2次コアの間隔よりも小さくなるので中央部分を
小径硬貨が通過するときには2つの2次コイルのどちら
の部分をも通過しないので正しい検知出力が得られず、
小径硬貨を識別することは不可能であった。
(発明の目的) この発明は上述のような事情からなされたものであり、
この発明の目的は、硬貨の識別を、硬貨の材質,形状を
検出する低周波信号と、硬貨の直径を検出する高周波信
号とを重畳した信号を用いて行なうことにより、硬貨径
差の大きな硬貨が流通している国においても、確実に硬
貨の真偽,種類を識別できる硬貨識別装置を提供するこ
とにある。
(発明の概要) この発明は、搬送ベルトにより硬貨を強制的に通路面上
を搬送させ、硬貨識別装置により搬送硬貨の金種、真偽
を識別する硬貨処理機に関し、前記硬貨識別装置を、硬
貨の材質,形状に影響をおよぼす程度に低い周波数の第
1の励磁信号を発生する第1の発振手段と、前記硬貨の
直径を検出するために前記第1の励磁信号よりも高い周
波数の第2の励磁信号を発生する第2の発振手段と、前
記第1及び第2の励磁信号を畳重して第3の励磁信号と
する信号畳重手段と、前記第3の励磁信号が供給される
1次コイルが巻回された1次部材及び2次コイルが巻回
された2次部材を結合して成り、硬貨が移動する硬貨通
路部が前記1次部材及び2次部材の結合部を貫通した構
造の磁気センサと、前記2次コイルよりの出力信号を前
記第1の励磁信号の成分及び前記第2の励磁信号の成分
にそれぞれ分離する信号分離手段と、前記磁気センサを
前記硬貨が通過した時に、前記信号分離手段により分離
された信号からピーク値を検出するピーク検出手段と、
硬貨の種類により予め設定された硬貨検出基準ピークデ
ータを記憶する記憶手段と、前記ピーク検出手段で検出
されたピーク値を前記記憶手段のピークデータと比較し
て前記硬貨の真偽,種類を識別する比較手段とで構成
し、前記1次部材と前記2次部材とを着脱自在とし前記
1次部材と前記2次部材との間の空隙部に前記搬送ベル
トを通して成るようにしたものである。
(発明の実施例) まず、この発明に使用する硬貨検出用センサの原理につ
いて説明する。
第1図はこの発明の硬貨識別装置に用いる硬貨検出用セ
ンサの原理系を示しており、硬貨検出用センサは1次コ
ア100に巻回された1次コイル102と、2次コア101に巻
回された2次コイル103とで構成されている。1次コイ
ル102に周波数ωの交流電流Iを印加すると、次式
(1)のような磁界(破線矢印)Hが発生する。
H=H0・ejωt ………(1) 上記(1)により磁束密度Bは、 B=B0・ej(ωt−σ) ………(2) のように表わすことができ、この場合にはエネルギー損
失により位相遅れθが生じている。次に、1次コア100
の端面から発生した一様磁界は、磁束連続の法則により
1次コア100の他端に収束する。ここで、2次コイル103
の断面積をSとして、この位置での磁束密度をBSとする
と、到達磁束Φは Φ=∫SBSds ………(3) となる。従って、2次コイル103に発生する起電圧V
は、電磁誘導の法則により下式となる。
ただし、Nは2次コイル103の巻数である。
次に、硬貨を1次コイル102及び2次コイル103の間に挿
入すると、磁束の損失が生じる。なぜならば硬貨は金属
であり、交流磁化周波数1MHz以下を考慮した場合、渦電
流損失が考えられるからである。又、一様な媒質中での
電流密度,電界,磁束密度,磁界の関係は =μ ………(6) =rot ………(7) ただし、ρは抵抗率、μは透磁率である。
であり、Maxwellの電磁方程式から が与えられる。この媒質を伝播する平面電磁波を考え、
進行方向をZ軸にとると磁束BはZの関数となり、上式
(5)〜(8)から磁束密度B(Z)は ただし、μは導体の初透磁率,H0はZ=0での磁界で
ある。
第2図は磁束密度Bの減衰の様子を示しており、ここで
はZ軸を境界面Z=0として左(−)方向は空気層、右
(+)方向は導体層を示している。図示のように、磁束
Bは境界面Z=0からの深さ(右方向)に従って指数関
数的に減少し、位相は深さに従って遅れる。ここで、磁
束Bの減衰が1/eになる距離を表皮厚さδといい、実効
的に磁束が通過する値として下式のように評価される。
また、2次コイル103に発生する起電圧Vは(4)式で
示すように磁束Bに比例するが、硬貨挿入時にはこの磁
束Bは減衰する。そこで、その変化量をΔΦとして
(9)式を変形し、振幅で考えると、 が与えられる。但し、S1は硬貨によって磁束Bが遮断さ
れる面積で、S1=K・D・l(硬貨直径D×コア幅方向
の長さl,Kは比例定数)と表わすことができ、透磁率μ
は硬貨が非鉄金属であるため、μ=μ=4π×10
-7[H/m]であり、A=μ・H0・K・l=一定とおく
と、上記(11)式は、 ただしTは硬貨厚さである。
と書換えることができる。
ここで、硬貨に相当する材質と、周波数に対応する表皮
厚さδ(振幅が1/eになる場合の厚さ)を示す。
次に、上記(12)式を基に硬貨が挿入されたために生じ
る磁束Bの変化量に比例する値ΔΦを、周波数F,抵抗
率P,硬貨厚さTについて のように算出して、コンピュータによるシミュレーショ
ンを行なった例について説明する。
第3図は、周波数Fを一定にした場合に、材質及び硬貨
厚さTによる変化を示すシミュレーション結果であり、
周波数F=4KHz,抵抗率P(銅:1.7×10-8,アルミニウ
ム:2.6×10-8,白銅:4.0×10-7),硬貨厚さT=0〜4m
m,硬貨径D=33mmの条件で、縦軸は2次コイル101の起
電圧(V),横軸は硬貨厚さTmmを示している。ここで
は、図中の201は銅,202はアルミニウム,203は白銅の特
性をそれぞれ示している。第4図は第3図と同様な材質
及び硬貨厚さTの条件で周波数をF=340KHzにした場合
の変化を示すシミュレーション結果である。これに対
し、第5図は周波数Fを可変にした場合の硬貨厚さTを
変化させたシミュレーション結果であり、周波数F=
(1KHz,4KHz,10KHz,100KHz,340KHz,1MHz),抵抗率P=
(白銅:4.0×10-7),硬貨厚さT=0〜4mm,硬貨径
(D)=33mmの条件で、縦軸は2次コイル103の起電圧
(V)、横軸は硬貨厚さTmmを示している。ここでは、
図中の204は1KHz,205は4KHz,206は10KHz,207は100KHz,2
08は340KHz,209は1MHzをそれぞれ示している。さらに
又、第6図は周波数Fを可変にした場合の硬貨径Dを変
化させたシミュレーション結果であり、周波数F=(4K
Hz,340KHz),抵抗率P(銅については1.7×10-6),硬
貨厚さT=2.6mm,硬貨径D=33mmの条件で、縦軸は2次
コイル103の起電圧(V),横軸は硬貨径D(mm)を示
している。ここでは、図中の210は4KHz,211は340KHzを
それぞれ示している。
このように表1,第3図〜第6図のシミュレーション結果
により硬貨が厚くなるに従って磁束減衰量は増加し、抵
抗率ρが小さい程変化は大きくなる。又、角周波数ω及
び硬貨厚さTが大きくなれば抵抗率、すなわち硬貨材質
の影響は小さくなり、起電圧の出力は硬貨径Dに比例す
ることがわかる。従って、硬貨による磁束の変化は次の
関数で表わすことができる。
ΔΦ=f(ω,ρ,μi,T,D) ………(14) 第7図はシミュレーションで求めた計算値と実測値との
関係を示しており、同図は周波数F=4KHzの場合で、硬
貨材質が銅(特性○印),真鍮(特性×印),白銅(特
性△印),硬貨サイズ(点300は直径D=33mm,厚さt=
2.6mm,点301は直径D=26.5mm,厚さt=1.8mm,点302は
直径D=20mm,厚さt=1.5mm,点303は直径D=15mm,厚
さt=1mm)の各条件で、縦軸は2次コイル103の実測起
電圧(V),横軸は2次コイル103の計算値起電圧
(V)を示している。また、第8図は周波数F=340KHz
の場合で、第7図と同様な硬貨材質,硬貨サイズで、縦
軸は2次コイル103の実測起電圧(V),横軸は硬貨直
径公称値D(mm)を示している。
第7図及び第8図は、計算値が実測値に近似して比例関
係になるので、未実測の硬貨でもその材質,直径,厚み
等の諸量がわかっていれば理論的にその値が予想可能と
なる。
第9図はこの発明に用いる硬貨検出用センサ33の概略構
造を示しており、硬貨検出用センサ33は上述の硬貨検出
用センサの原理に基づいて作成されている。硬貨検出用
センサ33はコの字形状の1次部材331とプレート状の2
次部材332とで構成されセンサケースとして温度による
形状変化の少ないセラミック,ポリフェニレンスルフィ
ド(PPS)樹脂等が用いられる。1次部材331及び2次部
材332は、周囲の磁性体による磁界の影響を受けないよ
うにパーマロイシートを硬貨通路用に設けられている空
隙部334の部分を除く周囲全てに貼着するようにしても
よい。1次部材331の突起部に設けられた装着用の突起
部材333A,333Bにより、2次部材332は1次部材331に結
合することができ、突起部材333A,333Bより脱出して分
離することにより製造組立て保守作業等を容易に行ない
得るようになっている。なお、1次部材331及び2次部
材332の一端がヒンジ等で固定された開閉機構であって
もよい。1次部材331の中央には矩形の空隙部334が設け
られ、この空隙部334内を図示A方向に2本の移送ベル
ト32が搬送路と共に、装架されており、移送ベルト32で
搬送路との間で挟持されて硬貨400が搬送され、空隙部3
34内を通過する時に硬貨400の材質,形状,硬貨径が検
出される。
第10図は上記硬貨検出用センサ33の内部構成を示してお
り、1次部材331内には1次コア60が埋設され、1次コ
ア60には励磁用の1次コイル61及びキャンセルコイル62
が巻回されており、1次コイル61に後述する定電流の交
流励磁信号OS4が供給されることによって、1次コア60
に交流磁界KGが発生し、これに基づきキャンセルコイル
62に交流信号KS1が誘導出力される。また、2次部材332
には2次コア63が埋設され、2次コア63には2次コイル
64が巻回されており、2次コア63は1次コア60に発生さ
れた交流磁界KGによって励磁され、2次コイル64には交
流信号NS1が誘導される。
第11図は硬貨識別装置の回路系のブロック構成を示して
おり、低周波信号(たとえば4KHz)と高周波信号(たと
えば340KHz)を重畳した合成信号を1次コイル61に供給
して、交流磁界KGを発生させ、硬貨が空隙部334内の交
流磁界KGを通過した時の磁束の変化を読取り、読取った
交流信号をフィルタリングして低周波信号及び高周波信
号の各成分の変化量を検出し、低周波信号で硬貨の材
質,形状を、高周波信号で硬貨径をそれぞれ検出して、
予め記憶されている各種硬貨のデータと比較することに
よって硬貨の識別を行なうようになっている。すなわ
ち、低周波信号OS1は低周波発振回路70より出力され、
高周波信号OS2は高周波発振回路71より出力され、低周
波信号OS1及び高周波信号OS2はそれぞれ増幅回路72に入
力され、増幅回路72で増幅され重畳された合成信号OS3
が定電流ドライバ回路73に入力される。合成信号OS3は
定電流ドライバ回路73で定電流化され、定電流の交流励
磁信号OS4は、1次部材331内の1次コイル61に供給さ
れ、1次コア60より交流磁界KGが発生される。交流磁界
KGは2次部材332内の2次コア64及び1次部材331内のキ
ャンセルコイル62を励起し、2次コイル64に誘導され交
流信号NS1は増幅回路74に入力され、増幅回路74で増幅
された交流信号NS2がバンドパスフィルタ75及びローパ
スフィルタ79に入力される。バンドパスフィルタ75は入
力された交流信号NS2から特定範囲の周波数(たとえば3
30KHz〜350KHz)を抽出し、抽出された濾過信号NS3は増
幅回路76に入力されて増幅され、増幅された濾過信号NS
4が半波整流回路77に入力され、半波整流された整流信
号NS5は平滑回路78で平滑されて出力される。又増幅回
路74から出力される交流信号NS2はローパスフィルタ79
に入力され、交流信号NS2の低周波域(たとえば5KHz以
下)のパスされた濾過信号NS7が半波整流回路80で半波
整流された後に平滑され、平滑信号NS9として出力され
る。一方、キャンセルコイル62に誘導された交流信号KS
1は増幅回路62に入力され、増幅回路82で増幅された信
号KS2がバンドパスフィルタ83及びローパスフィルタ86
に入力され、2次コイル64の出力の場合と同様な半波整
流回路84,平滑回路85を経て平滑信号KS5が出力され、半
波整流回路87,平滑回路88を経て平滑信号KS8が出力され
る。
上述のようにして出力された平滑信号NS6及びKS5はそれ
ぞれ増幅回路89に入力され、増幅回路89で差動増幅され
て硬貨径識別用の識別信号SB1が出力される。又平滑信
号SN9及びKS8はそれぞれ増幅回路90に入力され、増幅回
路90で差動増幅されて硬貨の材質,形状識別用の識別信
号SB2が出力される。識別信号SB1及びSB2はA/Dコンバー
タ91に入力されて、CPU92で制御される所定のタイミン
グクロックTCでディジタル信号D1及びD2に変換される。
ディジタル信号D1はCPU92によりサンプリングされて順
次RAM94に記憶され、ディジタル信号D1のピーク値がCPU
92により検出された時にディジタル信号D2の値もRAM94
に記憶される。ROM93には、後述するような硬貨の金種
基準値(材質,形状,硬貨径)のディジタル信号値が記
憶されており、CPU92によりRAM94に記憶された値がその
金種基準データと比較されて金種判別される。
第12図及び第13図はそれぞれアメリカ及び西ドイツにお
ける各種硬貨の金種判別をするための金種基準データを
示しており、図中の矩形領域のデータがディシタル値で
ROM93に予め記憶されている。又図において、縦軸は2
次コイル64に誘導される低周波信号に対応した識別信号
SB2の出力電圧(V)、横軸は2次コイル64に誘導され
る高周波信号に対応した識別信号SB1の出力電圧(V)
を示している。第12図はアメリカ硬貨のデータ例を示し
ており、図中の領域210は1ドル硬貨(材質:3層,白銅
/銅/白銅,硬貨径:26.5mm,厚さ2mm)、領域211は50セ
ント硬貨(材質3層,白銅/銅/白銅,硬貨径30,61mm,
厚さ2.18mm),領域212は25セント硬貨(材質:3,白銅/
銅/白銅,硬貨径24.26mm,厚さ1.7mm),領域213は10セ
ント硬貨(材質:3層,白銅/銅/銅,硬貨径:17.91mm,
厚さ1.35mm),領域214は5セント硬貨(材質:白銅,
硬貨径21.21mm,厚さ1.98mm),領域215は1セント硬貨
(材質:真鍮,硬貨径:19.05mm,厚さ:1.57mm)をそれぞ
れ示している。また、第13図は西ヂツ硬貨の例を示して
おり、領域220は5マルク硬貨(材質:3層,白銅/ニッ
ケル/白銅,硬貨径:29mm,厚さ:2.07mm),領域221は2
マルク硬貨(材質:白銅,硬貨径26.75mm,厚さ:1.79m
m)、領域222は1マルク硬貨(材質:白銅,硬貨径23.5
mm,厚さ1.75mm)、領域223は50ペニヒ(材質:白銅,硬
貨径:20mm,厚さ1.58mm)、領域224は10ペニヒ(材質:3
層,真鍮/鉄/真鍮,硬貨径21.5mm,厚さ1.7mm)、領域
225は5ペニヒ(材質:3層,真鍮/鉄/真鍮,硬貨径18.
5mm,厚さ1.7mm)、領域226は2ペニヒ(材質:3層,銅/
鉄/銅,硬貨径19.25mm,厚さ1.52mm)、領域227は1ペ
ニヒ(材質:3層,銅/鉄/銅,硬貨径16.5mm,厚さ1.38m
m)をそれぞれ示している。
次に、このような構成の硬貨識別装置の動作について、
第14図のフローチャート及び第15図(A)〜(K)の波
形図を参照して説明する。硬貨識別装置では、低周波発
振回路70から第15図(A)に示すような低周波信号(f
=4KHz)OS1が発振され、高週波発振回路71からは同図
(B)に示すような低周波信号(f=340KHZ)OS2が発
振され、それぞれ増幅回路72に入力されて合成され、同
図(C)に示すように重畳された合成信号OS3として定
電ドライバ回路73に入力され、定電流の交流励磁信号OS
4は1次コイル61に入力されて、1次コア60から2次コ
ア63の方向に交流磁界KGが発生される。ここで、移送ベ
ルト32で硬貨400が硬貨通路上を搬送されて、1次部材3
31の空隙部334を通過すると、硬貨400の材質,形状,硬
貨径に基づいて2次コア63に入力されている交流磁界KG
が変化する。
なお、第16図は2次コア63に入力される交流磁界(磁束
B)のあるy軸における断面の強度変化を示しており
(y軸方向によっても強度的に変化するが一様となる範
囲は一定である)、横軸は2次コア63の位置を示し、範
囲MKは1次部材331の空隙部334の長さを示している。図
示のように空隙部334内ではどの部分も一様に交流磁界K
Gが分布されているので、硬貨400が空隙部334内のどの
部分を通過しても交流磁界KGは一様に変化する。
この交流磁界KGの変化で、2次コイル64に誘導される交
流信号NS1は振幅変調され、振幅変調された交流信号NS1
は増幅回路74,バンドパスフィルタ75を介して分離され
た高周波信号の濾過信号NS3として増幅回路76に入力さ
れ、増幅回路76より第15図(D)に示す濾過信号NS4と
なって半波整流回路77に入力され、半波整流回路77で同
図(E)に示すような整流信号NS5となって平滑回路78
に入力されて平滑され、同図(F)に示す平滑信号NS6
として出力される。又、振幅変調された交流信号NS2は
ローパスフィルタ79に入力されて、第15図(H)に示す
低周波の濾過信号NS7となって半波整流回路80に入力さ
れ、同図(I)に示す如く半波整流されて後、平滑回路
81に入力されて同図(J)に示す如く平滑されて出力さ
れる。ところで、キャンセルコイル62は1次コア60に巻
回されており、硬貨通過による交流磁界KGの変化は影響
しない。このため、キャンセルコイル62には第15図
(C)に示すような交流信号OS4に対応した信号KS1がそ
のまま誘導される。ここにおいて、キャンセルコイル62
を使用する理由は、直流バイアス成分をキャンセルする
と共に、2次コイル出力とキャンセル出力との同相ノイ
ズ成分の軽減を行なうためである。ここでの直流バイア
ス成分のキャンセルとは、キャンセルコイル62の出力を
2次コイル64の出力と同程度のものとしておき、硬貨が
通過していない待機磁のレベルを0Vに近づけることで、
出力のダイナミックレンジを大きくとることである。こ
こでは、振幅情報のみを取出して使用しているが、もし
2次コイル64とキャンセルコイル62とを結線して直流バ
イアス成分をキャンセルした場合、両者の位相差のため
に正常な振幅情報の出力が得られない。又、ここで説明
している同相ノイズの軽減とは、低周波信号帯域での誘
導ノイズ,バンドパスフィルタ75及びローパスフィルタ
79でフィルタリングしきれない搬送波と商用電源等によ
る誘導ノイズを軽減させることである。
キャンセルコイル62からの交流信号KS1は増幅回路82で
増幅され、交流信号KS2として上述と同様にバンドパス
フィルタ83及び半波整流回路84,平滑回路85で処理さ
れ、平滑信号KS5として出力される。この平滑信号KS5
は、対応する上述の平滑信号NS6が第15図(F)に示す
ような極小値PL1を有しているのに対して、この平滑信
号KS5は交流磁界KSの変化を検出していないために極小
値PL1を有しておらず、全体にわたって平坦な一定電圧
レベルとなっている。又、交流信号KS2は上述のように
ローパスフィルタ86,半波整流回路87及び平滑回路88で
処理され、平滑信号KS8として出力される。この平滑信
号KS8も、対応する上述の平滑信号NS9が第15図(J)に
示すような極小値PL3を有しているのに対して、平坦な
一定電圧レベルとなっている。平滑信号NS6及びKS5は増
幅回路89に入力されて差動増幅され、第15図(G)に示
すようなピーク値PL2を有した識別信号SB1として出力さ
れる。また、平滑信号NS9及びKS8は増幅回路90に入力さ
れて差動増幅され、第15図(K)に示すようなピーク値
PL4を有した識別信号SB2として出力される。識別信号SB
1及びSB2はA/Dコンバータ91によりディジタル信号D1及
びD2に変換され、CPU92で処理されてRAM94に記憶され
る。
CPU92による硬貨の金種判別は、第14図のフローチャー
トの如く実行される。
識別信号SB1及びSB2の特性値のピーク値PL2及びPL4は硬
貨の通過に同期しているので、識別信号SB1のピーク値
を検出した時のタイミングで識別信号SB2のピーク値を
読取ることができる。まず、識別信号SB1のディジタル
信号D1がCPU92で所定間隔毎にサンプリングされ(ステ
ップS1)、所定レベル値以上の変化があるか否かがチェ
ックされ(ステップS2)、前回サンプリングされた値よ
りも大きな値であれば(ステップS3)、このサンプリン
グ値がRAM94に順次記憶されて行く(ステップS4)。そ
して、サンプリング値の減少が検出されると、このサン
プリング値が識別信号SB1のピーク値PL2として決定され
(ステップS3,S5)、ディジタル信号D1がRAM94に記憶さ
れ、同時に識別信号SB2のピーク値PL4であるディジタル
信号D2もRAM94に記憶される(ステップS6)。そして、C
PU92はROM93より第12図又は第13図に示すような硬貨の
金種別データを読出し、RAM94に記憶されているディジ
タル信号D1及びD2のピーク値を比較し、金種判別を行な
って判別信号KHを出力する(ステップS8)。判別信号KH
は硬貨の選別手段に入力され、硬貨が金種別に選別され
て別途収納される。又、ROM93に記憶されているデータ
とマッチングしない場合は、硬貨が本物でないとして排
除する信号を判別信号KHとして出力する(ステップS
8)。
なお、上述の実施例では、硬貨の材質,形状に影響をお
よぼす程度に低い周波数の励磁信号を4KHz、硬貨の直径
を検出するための高い周波数の励磁信号を340KHzとして
いるが、使用国の硬貨の種類及び第5図の特性から両周
波数を適宜変えることが可能である。また,キャンセル
コイル62による検出系が無くても、原理的には硬貨の金
種や真偽を判別することができる。
第17図は、上述した硬貨識別装置を適用し得る硬貨送出
装置の一例の外観を、第18図は同要部を第19図は同平面
を、第20図は同縦断面を示しており、回転円盤1はその
上面中央部がゆるやかな円錐状をなし、機台2側に回転
自在に支持される中心軸3にその円盤1の中央部が固定
されている。この回転円盤1の周縁には機台2に支持さ
れた環状の固定壁4が配設されている。上記固定壁4
は、第18図に示すように、ほぼ1/3周の領域Xが最も薄
い被処理硬貨Cの厚みより高さが低く、2枚重ねの2枚
目の硬貨Cをオーバーフローさせて外方へ放出させる厚
み規制壁部6とされ、回転円盤1の接線方向に配設され
る硬貨通路7の入口部から回転円盤1の回転方向後流側
にかけての領域Y及びZは、切欠部8及び9とされる。
特に領域Yの切欠部8のうち切欠部位8Aが形成される固
定壁部分は、回転円盤1の上面より硬貨通路7の通路底
面を形成する通路底板7Aの厚み分だけ低く形成され、こ
の切欠部位8Aの上面に通路底板7Aの始端部分が位置され
た時、この通路底板7Aの上面が回転円盤1の上面とほぼ
同一面となる。また、切欠部位8Bが形成される固定壁部
分は、回転円盤1の上面及び通路底板7Aの上面と同一面
またはやや低い高さとされ、硬貨通路1の入口部へ送り
込まれなかった硬貨を外方へ放出せしめるようになって
いる。固定壁4における残る領域Zの切欠部9の形成部
材は、第18図に示すように外側から内側にかけて上り傾
斜する傾斜面とされている。
切欠部位8Aの始端となる厚み規制壁部6の終端6Bと、硬
貨通路7の回転円盤1による硬貨送り込み方向側の通路
側板7Bの始端との間には放出用切欠7Cが成形され、硬貨
通路7の入口部へ入りこもうとする硬貨がその入口部で
停滞する場合に、それらの硬貨のうちの数枚が硬貨通路
7の入口部手前で放出用切欠7Cから外方へ放出され、硬
貨通路7の入口部での硬貨の停滞による硬貨詰まりの発
生が防がれる。
上記固定壁4の外周部には、回転円盤1上へ硬貨Cを還
流させるための硬貨還流手段を構成する外輪盤10が設け
られている。この外輪盤10は、前記固定壁4の規制壁部
6の始端6A側が高く、同終端6B側が低くなるよう傾斜姿
勢におかれ、外輪盤10の低い部分(前記終端6Bの部分)
が硬貨通路7の下方に位置されるようになっており、さ
らにまた固定壁4のボス部4Bの外周に軸受11,11を介し
て支持された支持部材12の外周のピン13,13と、外輪盤1
0の胴部10Aに形成されたピン13の径よりやや大なる幅寸
法で下端開放の長孔14,14とを嵌合することにより、支
持部材12と外輪盤10が結合されている。
この外輪盤10の外周縁は、機台2側に立設された複数の
支持板15,15…に各々支持されて前記外周縁に環状に配
置されているガイドローラ16,16…(本実施例では90度
毎に4個所に設置)により受けられて回転可能とされて
いる。そこで支持部材12に対して外輪盤10の傾斜度合を
調整した後、各ガイドローラ16,16…で外輪盤10の周縁
を挟着保持することにより外輪盤10の傾斜度が定められ
る。
また、第18図及び第19図を参照して外輪盤10の周囲に
は、支持板15(図示せず)により支持された一定半径の
周壁17が設けられ、この周壁17に続き前記切欠部9の領
域Zの始端9A付近から同終端9B方向に外輪盤10上の半径
方向ほぼ中央付近まで弧状に張出して誘導壁18は形成さ
れ、この誘導壁18の先端には最薄硬貨Cの三層目以上は
のり越え得る高さの誘導部材19が連結されている。この
誘導部材19の他端は、固定壁4の切欠部9形成部分の終
端9B付近に固定され、この誘導壁18と誘導部材19により
誘導ガイド20を構成している。
この誘導ガイド20は、切欠部9の始端9A付近から同終端
9Bに向けて外輪盤10上の半径方向内側へ弧状に張出して
おり、そのため誘導壁18及び誘導部材19と固定壁4の切
欠部9形成部分の間隔は外輪盤10の回転方向に向かうに
したがって狭くなっている。その結果、外輪盤10上の外
周側硬貨とそれより内側の硬貨とが、誘導壁18または誘
導部材19と固定壁4の切欠部9形成部分との間に詰まり
を発生させることが想定される。そこで、固定壁4の切
欠部9形成部分を傾斜面とすることにより硬貨詰りをな
くし、硬貨のスムーズな回転円盤1への送り込みが行な
えるようにしている。上記回転円盤1、外輪盤10へに駆
動力の伝達系は、図示しないモータからプーリを通じて
回転が伝達される。
以上の機構を通じ、回転円盤1の外周縁の周速度が外輪
盤10の内周縁(固定壁4近傍)の周速度と等しいかそれ
より早い周速度で回転されるようにし、外輪盤10上の硬
貨がスムーズに回転円盤1上へのりうつりようになって
いる。
硬貨通路7は、第17図に概略を示すように、回転円盤1
の上面とほぼ同一に設けられている通路底板7Aと、この
通路底板7Aの入口部上(通路底板7Aと回転円盤1各上面
の境界部分上)に設けられる硬貨くわえ込みローラ31
と、このくわえ込みローラ31の後流側に配設される移送
ベルト32とで構成され、この硬貨通路7上の適所に上述
したような硬貨検出用センサ33が設けられている。
前記くわえ込みローラ31の軸34は、図示しない支軸を中
心に開放可能な支持構体36Aの側部に固定されるブラケ
ット36Bに支持され、前記移送ベルト32のプーリ35A,35A
…及び各プーリ35A,35A間の各押えローラ35B,35Bは、支
持構体36Aの通路7A側の側部に複数本の固着バー36C,36C
…によって固着される2個の枠体36D,36D間に軸支さ
れ、特に移送ベルト32の各プーリ35A,35A…及び各押え
ローラ35B,35B…の各軸の両端は各枠体36D,36Dに挿入さ
れるバネ37,37…により下方(通路底板7A側)へ付勢さ
れ、個別に上下可能とされている。そして、前記くわえ
込みローラ31の周面下端及び各プーリ35A,35A…、各押
えローラ35B,35B…でもって高さ位置が定まる移送ベル
ト32の下面は、回転円盤1の上面及び通路底板7Aの上面
に対し最薄硬貨の厚みより小なる高さに位置されてお
り、硬貨厚みに応じてその厚み高さ迄上昇するようにな
っている。上記くわえ込みローラ31は、硬貨Cの径の相
違にかかわらず移送ベルト32への受渡しに際し硬貨同士
の送り間隔を適正に保つため、くわえ込んだ硬貨Cの厚
みに応じ回転速度が自動的に変速される自動変速機構38
を備えている。すなわち硬貨Cが厚いときは大径の硬貨
とみなして回転数を高め、薄いときは回転数を落して送
り出すようになっている。支持構体36Aが固定された軸
支片36Eには、別の軸42がこれに挿通する駒43を該軸42
に直交する方向の水平な軸44により揺動可能に支持して
設けられ、この軸42には前記変速ローラ41の周面に一部
が接触するよう該変速ローラ41とは逆方向のテーパーを
有するテーパーローラ45が固着され、この軸42の他端に
は回転の伝達を受けるプーリ46が固着されている。
前記変速ローラ41とテーパーローラ45との一端部にはバ
ネ,ゴム等の弾性リング47が巻装され、両ローラ41,45
が常に当接状態におかれるようになされている。この弾
性リング47の弾性力と両ローラ41,45の当接状態保持と
によって、くわえ込みローラ31には軸40を中心に反時計
廻りの回転力が付与されるが、駒39固定されるストッパ
ー39a,39bとの当接によりくわえ込みローラ31は最薄硬
貨の厚みより低い高さ位置に位置される。
したがって、くわえ込みローラ31の下に入り込む硬貨C
が厚いと、くわえ込みローラ31が大きく押上げられるの
で、変速ローラ41とテーパーローラ45との接点は図にお
いて左方へ移行し、テーパーローラ45との大径側が変速
ローラ41の小径側に接触してくわえ込みローラ31へ増速
して回転が伝えられる。薄い硬貨の場合には、逆にくわ
え込みローラ31の押上量は小さく、テーパーローラ45の
小径側と変速ローラ41の大径側とが接触し、くわえ込み
ローラ31へ減速して回転が伝えられる。
なお、上記実施例において、回転円盤1の外周縁近傍で
の周速度をV1、くわえ込みローラ31の周速度をV2x(V2x
の値は硬貨厚みにより値が変わる)、移動ベルト32の周
速度をV3とすると、V3>V1>V2xの速度関係におかれ
る。その結果回転円盤1から送り出されようとする硬貨
は、このくわえ込みローラ31によりゲート作用されてく
わえ込みローラ31の周速度V2xで移送ベルト32側へ送ら
れる。このくわえ込みローラ31によりゲート作用によ
り、硬貨通路7の入口部に後続硬貨が停滞する場合は前
記放出用切欠7C及び切欠部位8Bからそれら硬貨の何枚か
が放出されて前記入口部での硬貨の停滞が解消される。
このくわえ込みローラ31と移送ベルト32の始端のプーリ
ー35Aの軸間距離は、本実施例では約20mmとなってお
り、硬貨径が20mm以上の硬貨については硬貨前縁が始端
のプーリー35Aの位置の移送ベルト32下にくわえ込まれ
る一方、硬貨の後縁がくわえ込みローラ31にくわえ込ま
れる状態が出てくる。この状態時にはくわえ込みローラ
31の周縁度V2xで硬貨が移送され、硬貨の後縁がくわえ
込みローラ31から外れて初めて移送ベルト32の周速度V3
の速度で硬貨が送られる。つまり、硬貨がくわえ込みロ
ーラ31によりくわえ込まれている間は、たとえその一部
分が回転円盤1とか移送ベルト32と接触していても、く
わえ込みローラ31の周速度V2x硬貨径寸法分送りように
しており、このくわえ込みローラ31の周速度V2xが硬貨
径に比例した硬貨厚みに応じて変速されるため、移送ベ
ルト32間へ送り込まれた硬貨同士の中心間距離は硬貨径
にかかわらず一定寸法以上が保証される。この中心間距
離寸法は、移送ベルト32と等速で連続回転する選別円盤
30に形成される硬貨受入用くぼみ部30a,30a…のピッチ
寸法がそれより大きい寸法となっており、硬貨受入用く
ぼみ部30aの1個に同時に2個の硬貨は入ることを防い
でいる。しかし、選別円盤30のくぼみ部30a,30a…へ必
ず硬貨を1個ずつ投入していく必要はなく、硬貨が投入
されないくぼみ部30aができても硬貨の分類動作に支障
はない。
つぎに、硬貨送出装置の動作を説明する。
補給円盤50を通じて外輪盤10上に補給される硬貨Cは、
外輪盤10の矢印方向への回転によって送られ、誘導壁18
にそって回転円盤1側へ寄せられる。この時最薄硬貨の
二層目以内の硬貨は誘導部材19にそって固定壁4の傾斜
面9から回転円盤1上へ送り込まれる。また、最薄硬貨
の三層目以上の硬貨は誘導部材19の上を越えて外輪盤10
上へ戻される。回転円盤1上に入った硬貨Cは、遠心力
により固定壁4の内周にそって移動し、規制壁部6の領
域Xにおいて二層目以上の硬貨は外輪盤10上へ再び送り
出され、一層目の硬貨のみが硬貨通路7の入口部に対応
する切欠部位8Aから硬貨通路7へ入る。この硬貨通路7
の入口部に数枚の硬貨が停滞する場合は、それらの硬貨
の枚数は放出切欠7Cから外輪盤10へ放出され、また硬貨
通路7の入口部へ入いらずに通過した硬貨は、切欠部位
8Bまたは切欠部9から外輪盤10へ送られ、硬貨通路7の
入口部に存在する硬貨の量を少なくし、硬貨通路7への
硬貨の送り込みをスムーズにさせる。
硬貨通路7へ入った硬貨は、くわえ込みローラ31により
上面が押えられ、前述のようにくわえ込みローラ31の回
転駆動により移送ベルト32側へ送られ、移送ベルト32の
下面に入った硬貨は該ベルト32との摩擦により下流側へ
送られる。一方、回転円盤1の規制壁部6から外輪盤10
上へオーバーフローした二層目以上の硬貨及び放出用切
欠7C,切欠部位8B,切欠部9から放出された硬貨は、外輪
盤10の回転で再び誘導壁18の個所に至り、誘導部材19に
より再び回転円盤1上に送り込まれる。これにより回転
円盤1上及び外輪盤10へはほぼ等量ずつの硬貨が常に分
散しておかれ、硬貨通路への送出をより確実にする。外
輪盤10上の硬貨量が増し、硬貨量検出スイッチ48が作動
すると、補給円盤50が停止して硬貨の補給が断たれ、一
定量の硬貨が回転円盤1及び外輪盤10上に存在するよう
になされる。硬貨通路7上の硬貨は硬貨検出用センサ33
の出力に基づき硬貨識別装置によって真偽及び金種が判
別される。そしてその判別信号KHがRAM94に順々に記憶
されていき、硬貨が硬貨検出用センサ33を通過して硬貨
受入用くぼみ部30aに入ったときからRAM94にあるその硬
貨の判別結果に基づいて、該当する収納部100A,100B,10
0C,…のいずれかへ収納するように制御される。第17図
には収納部100A,100Bの2個しか記していないが、この
収納部は複数個(各国の金種数に基づいて適宜定められ
る。各国共通にある定まった個数設けておく。また、1
つは偽貨収納用とする。)設けておき例えば、その硬貨
が収納部100Bに収納されるべき硬貨であるとき、選別円
盤30の回動量を検知して、当該硬貨が穴101Bに達したと
きこの穴101Bの下からソレノイド等によって突出片(図
示せず)を突出させて硬貨を収納部100Bへ分類収納させ
る。わずかに突出させるだけで硬化は遠心力により外へ
飛び立て収納される。くぼみ部30aに次々と入ってくる
硬貨は、選別円盤30の回動量によって現在位置は把握さ
れ、選別収納すべき個所にきたとき確実に選別される。
ソフトウエアの変更のみで各収納部100A,100B,…に収納
される金種(偽貨)は自由に変更するとができる。
(発明の効果) 以上のようにこの発明の硬貨処理機における硬貨識別装
置によれば、磁気センサの1次部材と2次部材との間の
空隙部に搬送ベルトを通すことにより、硬貨を高速に搬
送しながら真偽、金種の識別が可能となる。また、硬貨
の金種判別のため1次コイルに印加する信号として低周
波信号と高周波信号とを重畳して1つの信号として使用
しているために、1つの2次コイルで高精度に信号検出
ができる。しかも、1次コイル2及び2次コイルの幅が
硬貨通路より広いために、硬貨が硬貨通路のどの位置を
通過しても確実に判別できる。また、記憶手段に記憶さ
れる硬貨の基準設定値をソフトウエアの変更で変えるだ
けで、容易に各国専用の硬貨識別装置とすることができ
るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例である硬貨識別装置に使用
される硬貨用センサの原理説明図、第2図はその磁束密
度減衰の様子を示す図、第3図〜第5図は硬貨用センサ
及び硬貨とのシミュレーション図、第6図〜第8図はそ
の実測値とシミュレーション値の関係を示す図、第9図
は硬貨検出用センサの概略図、第10図はその内部構造を
示す図、第11図は硬貨識別装置の回路系のブロック構成
図、第12図はアメリカ硬貨の金種基準データを示す図、
第13図は西ドイツ硬貨の金種基準データを示す図、第14
図は硬貨用識別装置の硬貨判別の動作を説明するフロー
チャート、第15図(A)〜(K)は硬貨識別装置内の各
回路の波形図、第16図は2次コアに入力される交流磁界
の強度を示す図、第17図は硬貨送出装置の外観図、第18
図はその要部を示す図、第19図はその平面を示す図、第
20図はその縦断面を示す図である。 1……回転円盤、4……固定壁、6……規制壁部、7…
…硬貨通路、8……切入部、9……切欠部、10……外輪
盤、16……ガイドローラ、17……周壁、20……誘導ガイ
ド、31……くわえ込みローラ、17……周壁、20……誘導
ガイド、31……くわえ込みローラ、32……移送ベルト、
33……硬貨検出用センサ、38……自動変速機構、41……
変速ローラ、45……コーンローラ、60……1次コア、61
……1次コイル、62……キャンセルコイル、63……2次
コア、64……2次コイル、70……低周波発振回路、71…
…高周波発振回路、72,74,76,82,89,90……増幅回路、7
3……定電流ドライバ回路、75,83……バンドパスフィル
タ、77、80、84、87……半波整流回路、78、81、85、88
……平滑回路、91……A/Dコンバータ、92……CPU、93…
…ROM、94……RAM。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】搬送ベルトにより硬貨を強制的に通路面上
    を搬送させ、硬貨識別装置により搬送硬貨の金種、真偽
    を識別する硬貨処理機において、前記硬貨識別装置を、
    硬貨の材質,形状に影響をおよぼす程度に低い周波数の
    第1の励磁信号を発生する第1の発振手段と、前記硬貨
    の直径を検出するために前記第1の励磁信号よりも高い
    周波数の第2の励磁信号を発生する第2の発振手段と、
    前記第1及び第2の励磁信号を畳重して第3の励磁信号
    とする信号畳重信号と、前記第3の励磁信号が供給され
    る1次コイルが巻回された1次部材及び2次コイルが巻
    回された2次部材を結合して成り、硬貨が移動する硬貨
    通路部が前記1次部材及び2次部材の結合部を貫通した
    構造の磁気センサと、前記2次コイルよりの出力信号を
    前記第1の励磁信号の成分及び前記第2の励磁信号の成
    分にそれぞれ分離する信号分離手段と、前記磁気センサ
    を前記硬貨が通過した時に、前記信号分離手段により分
    離された信号からピーク値を検出するピーク検出手段
    と、硬貨の種類により予め設定された硬貨検出基準ピー
    クデータを記憶する記憶手段と、前記ピーク検出手段で
    検出されたピーク値を前記記憶手段のピークデータと比
    較して前記硬貨の真偽,種類を識別する比較手段とで構
    成し、前記1次部材と前記2次部とを着脱自在とし前記
    1次部材と前記2次部材との間の空隙部に前記搬送ベル
    トを通して成ることを特徴とする硬貨処理機における硬
    貨識別装置。
JP61189211A 1986-08-12 1986-08-12 硬貨処理機における硬貨識別装置 Expired - Lifetime JPH07120452B2 (ja)

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