JPH07119479B2 - 凍結防止機能付き自動洗浄装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本発明は、人体を検知することにより洗浄用バルブを開
閉制御する自動洗浄装置に凍結防止機能を付加させる改
良に関する。この種の自動洗浄装置の代表的なものとし
ては、小便器設備に設けられるものと、手洗器設備に設
けられるものとがある。

【従来の技術】

小便器設備に設けられる自動洗浄装置１は、第５図に示
す如く、使用者を検知する人体検知センサー２と、小便
器５の洗浄水供給配管６の途中に設けた洗浄用バルブ３
と、人体検知センサー２の検知信号を入力して洗浄用バ
ルブ３に開閉信号を出力する制御回路４とを備えてい
る。また、手洗器設備に設けられる自動洗浄装置は、図
示は省略したが、手洗器に差出した使用者の手を検知す
る人体検知センサーと、蛇口に接続した給水配管の途中
に設けた洗浄用バルブと、人体検知センサーの検知信号
を入力して洗浄用バルブに開閉信号を出力する制御回路
とを備えている。

【発明が解決しようとする課題】

従来、自動洗浄装置は、凍結防止機能を備えたものが無
かつた。そのため、寒冷地では凍結防止対策が必要であ
る。凍結防止対策としては、給水管から小便器又は手洗
器を介して排水路に至る洗浄水給排水路に残留した残留
水を地中等の不凍結地帯へ排出するか、又はこの洗浄水
給排水路に少量の水を常時流して行なう方法がある。 しかし、残留水の水抜き作業には多くの手間を必要と
し、また水を常時流すことは無駄な洗浄水量が多くなる
問題点がある。殊に、多数の小便器や手洗器を備えた公
共設備では、上記問題点が著しい。 本発明は、上記問題点解決のために、設備の雰囲気温度
に応じて周期的に凍結防止用洗浄水を供給する凍結防止
機能を備えた自動洗浄装置の提供を目的とする。

【課題を解決するための手段】

本発明に係る凍結防止機能付き自動洗浄装置（以下、
「本発明装置」という）が採用した手段は、設備に設け
た洗浄用バルブを人体検知に基づいて開閉する制御回路
を備えた自動洗浄装置において、前記設備の雰囲気温度
を検出する温度検出器と、前記洗浄用バルブを周期毎に
開閉制御するタイマー回路と、上記周期を上記温度検出
器の検出温度に応じた凍結防止時間に設定するものであ
って、検出温度が低い程、短い凍結防止時間とする洗浄
周期設定回路とを備えたことである。

【作 用】

洗浄周期設定回路は、凍結防止のための洗浄周期を設備
の雰囲気温度に応じた凍結防止時間に設定する。この凍
結防止時間は、設備の雰囲気温度が低い程、短く設定さ
れる。タイマー回路は、この設定された凍結防止時間毎
に洗浄用バルブを開閉制御する。設備は、洗浄バルブの
開閉により凍結防止用洗浄水が周期的に流れ凍結が防止
される。

【実施例】

本発明装置を図面に示す実施例に基づいて説明する。 （第１図実施例） 第１図は小便器設備に設けられた本発明装置の第１実施
例を示すブロツク図、第２図は同実施例の制御動作を示
すフローチヤートである。 本発明装置10は、使用者を検知する人体検知センサー２
と、小便器に接続した洗浄水供給配管６の途中に設けた
洗浄用バルブ３と、人体検知センサー２の検知信号を入
力して洗浄用バルブ３に開閉信号を出力する制御回路14
と、設備の雰囲気温度である便所室内等の温度を検出す
る温度検出器11を備えている。この制御回路14は、人体
検知センサー２の人体検知に基づいて洗浄バルブ３を開
閉制御する人体検知回路19と、洗浄用バルブ３を周期毎
に開閉制御するタイマー回路15と、この周期を温度検出
器11の検出温度に応じた凍結防止時間に設定する洗浄周
期設定回路12とを組込んである。制御回路14及び洗浄用
バルブ３には、電源回路18を夫々接続してある。 制御回路14は、第２図のフローチヤートに示す如く作動
する。先ず、制御回路14は、押しボタンスイツチ等でス
タートの指令を受けると、タイマー回路15のタイマーフ
ラグ及び人体検知回路19の人体フラグの夫々を０の状態
にリセツトする。 洗浄周期設定回路12は、温度検出器11の検出温度Ｒが入
力されると、検出温度Ｒと条件温度Ｃ（C₁,C₂,C₃）とを
比較して、凍結防止時間Ｄ（D₁,D₂,D₃）又は設備維持時
間Ｅを決定する。条件温度ＣはC₁＜C₂＜C₃の関係となつ
ており、また時間D,EはD₁＜D₂＜D₃＜Ｅの関係となつて
いる。凍結防止時間Ｄは、条件温度Ｃにおいて小便器設
備機器の凍結を防止するに必要な間隔であり、実験等で
予め求められる。設備維持時間Ｅとは、小便器に設けた
排水トラツプの水封機能を喪失しないように蒸発した水
を補充するに必要な間隔をいう。なお、周期Ｓを決定す
るにあたり、本実施例では条件温度ＣをC₁,C₂,C₃と段階
的に規定して行なつているが、何らこれに限定するもの
ではなく、時間D,Eを条件温度Ｃの関数で求めておき、
この関数の条件温度Ｃに検出温度Ｒを代入して時間D,E
を求めることも可能である。更に、排水トラツプへの水
の補充を必要としない場合には、前記設備維持時間Ｅを
無限大とすればよい。 タイマー回路15は、洗浄周期設定回路12からの信号を受
けると、最初にタイマーフラグが０の状態なので、この
タイマー回路15に設けたタイマー本体をスタートさせる
と共にタイマーフラグを１の状態にした後、信号を人体
検知回路19に出力する。再び洗浄周期設定回路12から信
号を受けると、タイマー回路15は、タイマーフラグが１
の状態なので、前記タイマースタートからの経過時間値
Ｔと前記洗浄周期設定回路12で決定された周期Ｓとを比
較する。経過時間値Ｔが周期Ｓを越えてないとき（Ｔ＜
Ｓ）には、そのまま人体検知回路19に信号を出力し、逆
に経過時間値Ｔが周期Ｓ以上のとき（Ｔ≧Ｓ）には、洗
浄を指示し、タイマー本体をリセツトし、タイマーフラ
グを０の状態にした後、信号を人体検知回路19に出力す
る。更に、タイマー回路15は、洗浄周期設定回路12から
のリターン信号を受けて上記ルーチンを繰返す。タイマ
ー回路15から洗浄が指令されると、洗浄用バルブ３（第
１図参照）は設定時間だけ開弁し、洗浄水供給配管６を
介して小便器に洗浄水を供給する。供給された洗浄水
は、流水作用で凍結を防止するか、又は小便器の排水ト
ラツプに補充する。 前記スタート指令後にタイマー回路15の出力信号が最初
に入力された人体検知回路19は、人体検知センサー２か
らの検知信号に基づいて人体検知をNO（即ち、小便器前
に使用者がいない状態）と確認すると、リセツトされた
人体フラグが０の状態なので信号を洗浄周期設定回路12
にリターンする。人体検知回路19は、再びタイマー回路
15から信号が入力され、人体検知をYES（即ち、小便器
前に使用者がいる状態）と確認すると、人体フラグが０
の状態なので人体フラグを１の状態にし、予備洗浄を指
令した後、信号を洗浄周期設定回路12にリターンする。
予備洗浄の指令を受けた洗浄用バルブ３（第１図参照）
は設定時間だけ開弁し、洗浄水供給配管６を介して小便
器に予備洗浄水を供給し、小用前に小便器の予備洗浄を
行なう。小用中の人体検知回路19は、人体検知をYESと
確認し、人体フラグが１の状態なので信号を洗浄周期設
定回路12にリターンするルーチンを繰返す。小用が終了
して使用者がいなくなると、人体検知回路19は、人体検
知をNOと確認し、人体フラグが１の状態であるので、人
体フラグを０の状態にし、本洗浄を指令し、タイマー回
路15のタイマー本体をタイマーリセツトし、タイマーフ
ラグを０の状態とした後、信号を洗浄周期設定回路12に
リターンする。ここで、タイマーリセツト及びタイマー
フラグを０とするのは、本洗浄を実質的に凍結防止洗浄
とみなすことができるからである。上記本洗浄の指令を
受けた洗浄用バルブ３（第１図参照）は設定時間だけ開
弁し、洗浄水供給配管６を介して小便器に本洗浄水を供
給する。 上述の如く、本発明装置10は、洗浄バルブ３を開閉制御
する周期Ｓを小便器設備の雰囲気温度に応じた時間に決
定し、周期毎に洗浄用バルブ３を所定時間だけ開弁して
凍結防止洗浄又は設備維持洗浄を行ない、小便器設備の
凍結を防止する。 なお、予備洗浄は必須のものでないため、予備洗浄の指
令を省略することもある。 （第２実施例） 第３図は手洗器設備又は洗面器設備（以下、単に「手洗
器設備」という）に設けられた本発明装置の第２実施例
を示すブロツク図、第４図は同実施例の制御動作を示す
フローチヤートである。 本発明装置20は、手洗器25の蛇口27の下方に差出された
使用者の手を検知する人体（手）検知センサー22と、蛇
口27に接続した洗浄水供給配管26の途中に設けた洗浄用
バルブ23と、人体（手）検知センサー22の検知信号を入
力して洗浄用バルブ23に開閉信号を出力する制御回路34
と、設備の雰囲気温度である手洗室内等の温度を検出す
る温度検出器31を備えている。この制御回路34は、人体
検知センサー22の人体検知に基づいて洗浄バルブ23を開
閉制御する人体検知回路39と、洗浄用バルブ23を周期毎
に開閉制御するタイマー回路35と、この周期を温度検出
器31の検出温度に応じた凍結防止時間に設定する洗浄周
期設定回路32とを組込んである。制御回路34及び洗浄用
バルブ23には、電源回路38を夫々接続してある。なお、
洗浄周期設定回路32とタイマー回路35の内容について
は、前記第１実施例における洗浄周期設定回路12とタイ
マー回路15と実質的に同一であるので説明を省略する。 上記制御回路34は、第４図に示す如く作動するが、前記
第１実施例と異なる所は人体検知回路39である。人体検
知回路39は、タイマー回路35の出力信号が入力される
と、人体検知センサー22からの検知信号に基づいて人体
（手）検知をNO（即ち、吐水を必要としない状態）と確
認すると、洗浄停止を指令した後、信号を洗浄周期設定
回路32にリターンする。人体検知回路39は、再びタイマ
ー回路15から信号が入力され、人体（手）検知をYES
（即ち、吐水を必要とする状態）と確認すると、洗浄維
持（蛇口吐水）を指令し、タイマー回路35のタイマー本
体をタイマーリセツトし、タイマーフラグを０の状態と
した後、信号を洗浄周期設定回路32にリターンする。洗
浄維持の指令を受けた洗浄用バルブ23（第３図参照）
は、開弁し、前記洗浄停止の指令があるまで開弁状態を
維持する。 本発明装置20は、洗浄バルブ23を開閉制御する周期Ｓを
手洗器設備の雰囲気温度に応じた時間に決定し、周期毎
に洗浄用バルブ23を所定時間だけ開弁して凍結防止洗浄
又は設備維持洗浄を行ない、手洗器設備の凍結を防止す
る。

【発明の効果】

以上詳述した如く、本発明装置は、洗浄バルブを開閉制
御する周期を設備の雰囲気温度に応じた時間に決定し、
周期毎に洗浄用バルブを所定時間だけ開弁して凍結防止
洗浄を自動的に行ない設備の凍結を防止する。その結
果、本発明装置は、残留水の水抜き作業が不要となるた
め省力化が図れると共に、凍結防止のための洗浄水を最
少限とすることができるため省水化が図れる等の優れた
効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置の第１実施例を示すブロツク図、第
２図は同実施例の制御動作を示すフローチヤート、第３
図は本発明装置の第２実施例を示すブロツク図、第４図
は同実施例の制御動作を示すフローチヤート、第５図は
従来の自動洗浄装置を示す図である。 ３（23）……洗浄用バルブ 11（31）……温度検出器 12（32）……洗浄周期設定回路 14（34）……制御回路 15（35）……タイマー回路 19（39）……人体検知回路

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】設備に設けた洗浄用バルブを人体検知に基
   づいて開閉する制御回路を備えた自動洗浄装置におい
   て、前記設備の雰囲気温度を検出する温度検出器と、前
   記洗浄用バルブを周期毎に開閉制御するタイマー回路
   と、上記周期を上記温度検出器の検出温度に応じた凍結
   防止時間に設定するものであって、検出温度が低い程、
   短い凍結防止時間とする洗浄周期設定回路とを備えたこ
   とを特徴とする凍結防止機能付き自動洗浄装置。