JPH07118037A - ソーラーコントロールガラス - Google Patents

ソーラーコントロールガラス

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JPH07118037A
JPH07118037A JP26237193A JP26237193A JPH07118037A JP H07118037 A JPH07118037 A JP H07118037A JP 26237193 A JP26237193 A JP 26237193A JP 26237193 A JP26237193 A JP 26237193A JP H07118037 A JPH07118037 A JP H07118037A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
glass
solar control
blue
main component
Prior art date
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Pending
Application number
JP26237193A
Other languages
English (en)
Inventor
Susumu Suzuki
すすむ 鈴木
Koichi Seki
宏一 関
Hidekazu Ando
英一 安藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
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Publication of JPH07118037A publication Critical patent/JPH07118037A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ブルー色熱線吸収ガラス基板1にジルコニウム
(Zr)を主成分とする金属の窒化物薄膜2を少なくと
も1層形成したことを特徴とするソーラーコントロール
ガラス。 【効果】本発明のソーラーコントロールガラスは低透過
率で質のよいブルー色を実現することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はソーラーコントロールガ
ラスに関するものであり、特に可視光透過率が低く、透
過色、反射色がブルー色のソーラーコントロールガラス
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から建築物、自動車の窓に熱線吸収
ガラス、熱線反射ガラスが用いられている。これらのガ
ラスは省エネルギー効果、意匠性に優れているため、近
年その普及が著しい。
【0003】熱線吸収ガラスはガラスを溶融、成形する
際に原料に金属を不純物として添加することにより製造
されている。不純物は求める熱線吸収ガラスの色調によ
り選択される。熱線反射ガラスはガラス表面に金属、金
属酸化物、あるいは金属窒化物の薄膜を形成することに
より製造されている。
【0004】膜形成の方法は、フロートバスから出た直
後のまだ熱いガラスに有機金属化合物溶液を吹き付け、
金属酸化物を形成する方法と、適当な大きさに切断した
ガラスに真空中でスパッタリング法により形成する方法
がある。後者の方法は大面積に均一で正確な膜厚制御が
可能であり、様々な材料を適当な膜厚で多層に積むこと
により、光学干渉を利用して、様々な反射、透過色調を
もつ熱線反射ガラスを製造することができる。
【0005】自動車用のこれらのガラスは、高い耐久性
(耐薬品性、耐擦傷性)が要求されるという点、取付部
位によりさらに様々な条件が課せられるという点で建築
用とは異なっている。
【0006】フロントウィンドウや前部サイドガラスに
使われるガラスは可視光透過率が70%以上であること
が法令によりさだめられている。反射および透過色調は
薄膜コーティングをしても基板の色とほとんど変わらな
いこと、つまりコーティング自体はクリアーであること
が好まれる。一方、リアウィンドウや後部サイドガラス
に使われるガラスには可視光透過率についての制限は特
になく、最近ではプライバシーガラスと称される透過率
の低い濃色の熱線反射ガラスが好まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】プライバシーガラスに
ついては様々な反射、透過色調に対する市場の要求があ
るが、既存の品種はきわめて限られており、反射、透過
ともにブロンズ色が一般的である。これに対し、ブルー
色は現在、可視光透過率が70%以上の熱線吸収ガラス
しかなく、可視光透過率30%程度のブルー色のプライ
バシーガラスが求められていた。本発明は前述の問題点
を解決すべくなされたものであり、低透過率で反射、透
過色がブルーであるプライバシーガラスを提供するもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ブルー色熱線
吸収ガラス基板にジルコニウム(Zr)を主成分とする
金属の窒化物薄膜を少なくとも1層形成したことを特徴
とするソーラーコントロールガラスを提供するものであ
る。すなわち、本発明はブルー色熱線吸収ガラスに、可
視光透過率を低下させるとともに、ブルーの色をよりき
わだたせるために、Zrを主成分とする金属の窒化物膜
を形成することを主眼としている。
【0009】図1、2は本発明のソーラーコントロール
ガラスの例の断面図である。1はブルー色熱線吸収ガラ
ス、2はZrを主成分とする金属の窒化物膜、3は反射
率や色調を調整し、さらに耐久性を向上させるための透
明酸化物膜である。
【0010】窒化物膜2はZrを主成分とすればよく、
Zr以外の金属、例えば,Ti、Hf、Ta、Al、C
rなどを含んでいてもよい。Zrを主成分とする窒化物
膜はZrを主成分とする金属を用い、アルゴン(Ar)
と窒素(N2 )の混合ガス雰囲気中で反応性スパッタリ
ングにより形成されるが、膜の屈折率、吸収係数はスパ
ッタリング時の成膜条件で著しく変化する。したがっ
て、同じ膜厚をつけても成膜条件により反射率や色調は
大きく変化する。
【0011】図3に膜厚100nmのZrの窒化物膜の
屈折率(n)と吸収係数(k)の、アルゴン(Ar)と
窒素(N2 )に対する流量比依存性を示す。このときの
真空度は2×10-3Torr、Zrターゲットへの印加
電力密度は3.0W/cm2である。図のN2 のガス組
成の範囲ではN2 が増加するにつれて、屈折率nは増加
し、吸収係数kは減少する。
【0012】質の高い低透過率ブルー色ソーラーコント
ロールガラスはZrの窒化物膜の屈折率1.7〜2.
3、吸収係数1.6〜1.2の範囲の膜をブルー色熱線
吸収ガラスの上に形成することによって得られる。これ
よりも屈折率が高く、吸収係数の小さい膜は、膜自身は
黄色っぽい透明膜であり、これをブルー色熱線吸収ガラ
ス上につけてもガラスは緑がかった透過率の高いものと
なる。またこれよりも屈折率が低く、吸収係数の大きな
膜は、膜自身は金属色の膜で、これをブルー色熱線吸収
ガラス上につけてもガラスは透過率の低いグレーがかっ
た沈んだ色のものとなる。また、膜厚は、1〜100n
m、好ましくは15〜30nmの範囲とすることによ
り、可視光透過率が50〜15%の範囲で調整が可能で
ある。
【0013】保護膜3としては例えば、Zrとシリコン
(Si)を原子比1:2で固めたターゲットから反応性
直流スパッタリング法によって得られる金属酸化物膜を
使用することができる。特開平2−289339号公報
において知られるこの膜(ZrSi2X )は耐薬品
性、耐擦傷性に優れるので、この膜を保護コートとして
つけることにより、ソーラーコントロールガラスの耐久
性は向上する。また、この膜は屈折率が1.7と低く、
保護コートとしての膜厚を適当に選択することにより、
Zrを主成分とする金属の窒化物膜の膜面反射率を低減
させる低反射コートとしての役割も兼ね備えている。
【0014】
【作用】本発明においてZrを主成分とする金属の窒化
物膜はブルー色熱線吸収ガラスの透過率を低下させ、落
ちついた質の高いブルー色を実現する。これはZrを主
成分とする金属の窒化物膜に固有の屈折率、吸収係数が
影響している。本発明者らはZrを主成分とする窒化物
の他にも熱線反射ガラスで通常用いられる様々な材料の
膜を試みた。例えば、ステンレス、クロム(Cr)など
の金属膜の場合には金属膜固有の金属色、高い反射率の
ために透過色はグレーの沈んだ色となり、反射は金属的
になる。
【0015】また、窒化物膜では窒化チタン(TiNま
たはTiNX )や窒化クロム(CrNまたはCrNX
などがあるが、この膜を使用した場合も透過色は同じく
ややグレーがかった沈んだ色となる。酸化物膜は透過率
が高いため、ブルー色熱線吸収ガラスの透過率を下げる
ことができない。本発明者らは、Zrを主成分とする金
属の窒化物膜が、前述のように成膜条件(Ar:N2
流量比)によって膜質を大きく変化させることができ、
最適なブルー色を実現することができることを見いだし
た。また、光学特性以外の性質、例えば、耐薬品性や耐
擦傷性は条件によってあまり変わらず、膜面を露出させ
ても十分な耐久性をもつという知見も得た。
【0016】
【実施例】
[実施例1]洗浄した厚さ3.5mmのブルー色熱線吸
収ガラスをスパッタリングチャンバー内にセットし、1
-6Torr台まで排気した。次にArとN2 ガスを流
量比2:8でチャンバー中に導入し、圧力を2×10-3
Torrにした。次に、チャンバー内に設置してあるZ
rターゲットで電力密度3.5W/cm2 で直流スパッ
タリングをし、ブルー色熱線吸収ガラス上にZrの窒化
物膜を厚さ23nmで形成した。このようにして作成し
たソーラーコントロールガラスの分光特性(測定装置は
日立製340分光計で測定)、耐久性を表1に示す。表
1より、このソーラーコントロールガラスは十分な耐久
性を示すことがわかる。なお、x,yはCIE色度座標
上における色度座標を表す。
【0017】[実施例2]実施例1と同様にして、厚さ
3.5mmのブルー色熱線吸収ガラスの上にZrの窒化
膜を厚さ23nm成膜した。次にチャンバー内のガスを
Arと酸素(O2)を流量比1:1の混合ガスに変え、
圧力を2×10-3Torrにした。そして同じチャンバ
ー内に設置したZrとSiを原子比1:2で固めたター
ゲットから電力密度4W/cm2 で直流反応性スパッタ
リングを行い、Zrの窒化膜の上からZrSi2X
を10nm成膜した。このようにして作成したソーラー
コントロールガラスの分光特性(測定装置は実施例1と
同じ)、耐久性を表1に示す。表1より、このソーラー
コントロールガラスは実施例1のソーラーコントロール
ガラスよりもさらに高い耐久性を示すことがわかる。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】本発明のソーラーコントロールガラスは
低透過率で質のよいブルー色を実現することができる。
また、スパッタリングの成膜条件によって、最適なブル
ー色を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のソーラーコントロールガラスの単層構
成の断面図
【図2】本発明の他の例の断面図
【図3】Zrの金属窒化膜の屈折率n、吸収係数kのA
r、N2 流量比依存性を示す図
【符号の説明】
1:ブルー色熱線吸収ガラス 2:Zrを主成分とする金属の窒化物膜 3:反射率や色調を調整し、耐久性をさらに向上させる
ための透明酸化物膜

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブルー色熱線吸収ガラス基板にジルコニウ
    ム(Zr)を主成分とする金属の窒化物薄膜を少なくと
    も1層形成したことを特徴とするソーラーコントロール
    ガラス。
  2. 【請求項2】ブルー色熱線吸収ガラス基板にZrを主成
    分とする金属の窒化物薄膜を形成し、さらにその上に透
    明酸化物膜を1層形成したことを特徴とするソーラーコ
    ントロールガラス。
  3. 【請求項3】Zrを主成分とする金属の窒化物膜の屈折
    率が1.7〜2.3、吸収係数が1.6〜1.2である
    ことを特徴とする請求項1または2のソーラーコントロ
    ールガラス。
  4. 【請求項4】Zrを主成分とする金属の窒化物膜の膜厚
    の合計が1〜100nmであることを特徴とする請求項
    1〜3いずれか1項のソーラーコントロールガラス。
  5. 【請求項5】Zrを主成分とする金属の窒化物膜がスパ
    ッタリング法により形成されたことを特徴とする請求項
    1〜4いずれか1項のソーラーコントロールガラス。
JP26237193A 1993-10-20 1993-10-20 ソーラーコントロールガラス Pending JPH07118037A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7943246B2 (en) 2003-07-11 2011-05-17 Pilkington Group Limited Solar control glazing

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7943246B2 (en) 2003-07-11 2011-05-17 Pilkington Group Limited Solar control glazing
US8632886B2 (en) 2003-07-11 2014-01-21 Pilkington Plc Solar control glazing

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