JPH07117404B2 - 表面プロフィール測定方法 - Google Patents

表面プロフィール測定方法

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JPH07117404B2
JPH07117404B2 JP62327312A JP32731287A JPH07117404B2 JP H07117404 B2 JPH07117404 B2 JP H07117404B2 JP 62327312 A JP62327312 A JP 62327312A JP 32731287 A JP32731287 A JP 32731287A JP H07117404 B2 JPH07117404 B2 JP H07117404B2
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文彦 市川
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川崎製鉄株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、圧延ロール等の表面プロフィールあるいは長
尺物の表面プロフィール(真直度)を高精度かつ容易に
測定する表面プロフィール測定方法に関する。
[従来の技術] 圧延ロールの表面プロフィールは、圧延の進行とともに
熱膨張あるいは摩耗によって変化し、これが被圧延材の
品質に大きく影響する。また近年、工作機械に対する高
精度化の要求が高まりつつある中で、案内面(摺動面)
の真直度管理は重要な課題の1つとなっており、その測
定の容易化が望まれている。こうした中で従来から圧延
ロール等の表面プロフィールあるいは長尺物の表面プロ
フィール(真直度)などを測定する方法として、特開昭
59−57112号公報や特開昭61−100606号公報などに所謂
逐次三点法と呼ばれる方法あるいはその改良方法が提案
されている。以下これらの原理を第2図に基づいて説明
する。
この逐次三点法は、被測定物表面1に沿って移動可能と
したセンサ取付台3上に3つの距離センサ2を等間隔L
で配置する。取付台をセンサ配置間隔Lずつ移動せし
め、移動前後における案内軌道4の同一位置での距離測
定値の比較により、取付台の被測定物表面に対する変位
量を求め、該変位量等に基づいて距離センサと被測定物
表面との距離測定値を補正して被測定物の表面プロフィ
ールのデータとする方法である。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、この逐次三点法では、距離L毎のとびと
びの点での値(離散点情報)しか得られず、被測定物の
表面のプロフィールあるいは真直度管理のための詳細な
情報が得られないという問題があった。センサの配置間
隔Lを十分小さくできればこの問題は解決されるが、距
離センサの寸法による物理的制約からLを十分小さくす
ることは困難であり、またLを小さくすればするほど被
測定物表面の全長を移動するのに時間がかかるという別
の問題も生じてくる。さらに逐次三点法では各距離セン
サの偶発測定誤差が累積的に補正結果に含まれるため、
精度の良い測定が困難である。
一方、特開昭61−162710号公報には、複数の距離センサ
を被測定物の表面全長にわたって適当な間隔で固定配置
して被測定物表面とセンサとの距離を測定し、表面プロ
フィールを求める方法が提案されている。しかしなが
ら、この方法も距離センサの間隔に対応したとびとびの
点での離散的情報しか得られず、詳細な表面プロフィー
ルを求めることは困難である。
さらに、特開昭60−107511号公報には、逐次三点法の応
用として、距離センサ取付台を、(センサ設置間隔Lで
はなく)距離L/nずつ移動させその都度距離測定値を
得、得られた全測定値を距離間隔L毎のn個の測定値列
に分類し、各測定値列に対して逐次三点法を適用し、最
終的にn個の測定値列を各測定値列の始点・終点を適当
に内挿することにより合成して、詳細な表面プロフィー
ルを求める方法が提案されている。しかしながら、この
方法も逐次三点法に固有の測定誤差累積により、精度の
良い測定が困難であり、またn個の測定値列を合成する
際、各測定値列の始点あるいは終点における測定誤差が
直ちに測定値列間のドリフトとなり、表面プロフィール
全体に多大な歪みを生ぜしめるという問題がある。
また、本出願人は、先に特開昭62−93608号公報に記載
される如く、複数個の距離センサをセンサ取付台上に等
間隔配置し、センサ取付台をその間隔と等距離分移動さ
せながら距離センサで被測定物表面までの距離を測定
し、移動前後における移動方向の同一位置での距離測定
値の比較によりセンサ取付台の変位・傾きの変化を求
め、距離測定値を補正することにより、被測定物表面の
連続的な表面プロフィールを求める方法を提案した。こ
の方法は、通常の圧延工程のロール表面プロフィール測
定時など被測定物表面の測定方向両端部のプロフィール
変化が滑らかである場合には非常に有効な方法である
が、例えば圧延工程において被圧延材の板幅が特に大き
く、両端部付近まで熱膨張や摩耗が生じる場合、あるい
は両端部に急峻なプロフィール変化が生じ得るような被
測定物の表面プロフィール測定に適用する場合には、大
きな誤差を生じることがある。
本発明はこれらの問題点を解決すべく、測定上不可避的
な各距離センサの偶発測定誤差による表面プロフィール
の測定精度劣化を極力排し、センサ取付台の変位・傾き
の変化を補正した、被測定物表面の連続的な表面プロフ
ィールを高精度で測定することを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、N個(N≧3)の距離センサを等間隔Lを介
してセンサ取付台上の一直線上に配置し、センサ取付台
を上記一直線方向に、被測定物の表面に沿わせてセンサ
間隔Lと等距離だけ移動させ、その移動前後、及びその
移動中に距離L/n(n≧2)ずつ移動する毎に該距離セ
ンサによって被測定物の表面までの距離測定値を得、こ
れに基づき被測定物の表面プロフィールを測定する表面
プロフィール測定方法であって、まず、センサ取付台
が距離Lだけ移動する前後における移動方向の同一位置
で各距離センサが測定した距離測定値の比較により、セ
ンサ取付台の移動前後における被測定物の表面に対する
センサ取付台の変位・傾きの変化を求め、前記距離測定
値を補正することにより、移動前後におけるセンサ取付
台の変位・傾きの変化に依存しない、センサ取付台移動
方向の相離隔する(N+1)点の等間隔位置における表
面プロフィールの情報X1,X2,…,XN+1を得、続いてセ
ンサ取付台が移動している間に各距離センサが測定した
距離測定値 (i=1,2,…,N:距離センサ番号)を用いて、前記で
得られた相離隔する(N+1)点の表面プロフィールの
情報の各間隙を漸化的に補間し、上記、の手順によ
り、被測定物の表面プロフィールをそのセンサ取付台の
変位・傾きの変化を補正しつつセンサ移動方向に連続的
に測定するようにしたものである。
[作用] 本発明によれば、センサ取付台の変位・傾きの変化に依
存しない、相離隔する(N+1)個の等間隔位置におけ
る表面プロフィールの情報を得るとともに、上記表面プ
ロフィールの情報の各間隙を、測定誤差が最小になるよ
うに漸化的に補間することにより連続的な表面プロフィ
ールを求める。したがって、測定上不可避的な各距離セ
ンサの偶発測定誤差による表面プロフィールの測定精度
劣化を極力排し、センサ取付台の変位・傾きの変化を補
正した、被測定物表面の連続的な表面プロフィールを高
精度で測定することができる。
[実施例] 以下、本発明の一実施例を第1図、第3図を参照して説
明する。
第1図に示すように被測定物の表面1に沿って、これに
平行な方向にN個(N≧3、本実施例ではN=10)の距
離センサ2を等間隔Lでセンサ取付台3を一直線上に配
置する。取付台3は案内軌道4に沿って少なくともセン
サ配置間隔Lだけ移動可能であり、取付台を距離L移動
させることにより距離センサが被測定表面をくまなく測
定できる。
測定方法としてはまず取付台を片端に予め移動してお
き、該位置で各センサから被測定物の表面までの距離X1
(0),X2(0),…,XN(0)を測定する。ここで添字
1,…,Nはそれぞれ端から1番目、2番目、…、N番目の
センサで測定した測定値であることを示す。また( )
内は、測定時の取付台移動距離を示しており、Xi(0)
は移動前の測定値を意味する。次に取付台を被測定物の
表面に沿って距離Lだけ移動する。この時距離L/n(n
は2以上の整数)移動する毎に各距離センサで被測定物
表面までの距離測定値を得る。すなわち距離測定値 が各距離センサi=1,…,Nについて得られる。最後に、
移動後の距離測定値{Xi(L)}(i=1,…,N)を測定
する。
以下、上記の如くして得られた(n+1)/N個の距離測
定値を用いて表面プロフィールを高精度に求める方法を
第3図に基づいて説明する。なお、nの値は、n=30な
ど測定対象物等によって適当な値に決定する。被測定物
表面の、距離センサ移動方向の座標pを第3図のように
とる。
まず、以下の〜の手順に従って取付台が距離Lだけ
移動する前後の距離測定値{Xi(0)},{Xi(L)}
(i=1,…N)だけを用いて、位置p=0,L,2L,…,N・
Lにおける、取付台の移動前後における被測定物表面に
対する変位・傾きの変化を補正したとびとびの(N+
1)個の点に対する表面プロフィールの情報を得る。
移動後の距離測定値{Xi(L)}(i=1,…,N)にお
いて、 の変換を行なう。ただし、係数A、Bは次式のQを最小
にするように定めるものとする。
すなわち移動前後におけるセンサ取付台の傾きの変化を
補正するために、移動前後における移動方向の同一位置
での測定値の差の2乗和が最小になるように測定後の測
定値{Xi(L)}を変換する。
係数A、Bは具体的には として容易に求められる。
次に、次式により、移動前後の測定値を用いた移動方
向のとびとびの(N+1)個の位置における距離測定値
X1,…,XN+1を求める。
上記で求めた(4)式で得られる(N+1)個の測
定値は、移動前後における取付台の傾きの差は補正され
ているが、移動前の取付台の傾きによる影響は除去され
ていない。また、表面プロフィールの測定結果に不要
な、距離センサと被測定物表面までの絶対距離が含まれ
ている。そこでこれらを除去するために、例えば次式の
演算によってp=0、p=N×Lの点を基準にした値に
変換する。
(5)式によってX′=0、X′N+1=0となるよう
に変換される。(5)式はp=0、p=N×Lを基準に
した変換であるが、この方法以外にも例えば最小2乗法
を用いて(N+1)個の点(0,X1)、(L,X2)、(2L,X
3)、…、(N×L,XN+1)を通る近似直線を求め、その
直線の傾き分だけXiを変換してX′iを求める方法など
がある。
さて、次に、以上〜によって求めたp=0,L,2L,…,
N×Lにおける(N+1)個のとびとびの位置における
表面プロフィール情報の各間隔を、次の〜の手順に
よって補間していく。
センサ取付台が距離L/nだけ移動した時に測定した測
定値 において の変換を行なう。ただし、係数a1、b1は次式のQ1を最小
にするように定めるものとする。
この変換の意味するところは、センサ移動方向の位置 における表面プロフィールの情報を得るために、測定値 に対して、その測定時における取付台の変位および傾き
の変化を補正することである。その手段として、前記
で求めたとびとびの(N+1)個の点のしかるべき内分
点を として の偏差の2乗和が最小になるように を決めたのである。
なお、係数a1、b1は次式によって容易に計算することが
できる。
前記と同様にして、取付台が距離 だけ移動した時に測定した距離測定値 において、 の変換を行なう。係数an-1、bn-1は次式のQn-1を最小に
するように定めるものとし、その計算方法は(7)式と
同様である。
次に、取付台が距離 だけ移動した時に測定した測定値 において、 の変換を行なう。係数a2、b2は次式のQ2を最小にするよ
うに定める。
この変換の意味するところは、センサ移動方向の位置 における表面プロフィールの情報を得るために、測定値 (i=1,…,N)に対して、その測定時における取付台の
変位および傾きの変化を補正することである。注意すべ
き点は、(9)式の を定める式である。この を前記と同様に、点X′iと点X′i+1を内分する点
として、 のように定めるのが通常に考えられる方法であるが、こ
のように を定めると、2点X′、X′i+1の間に急峻な表面プ
ロフィール変化があり、例えばp=0における表面プロ
フィールとp=L/nにおける表面プロフィールが大きく
異なる場合 をX′を用いて計算するため急峻なプロフィール変化
に対する応答が悪くなり誤差が非常に大きくなる。
を、 を用いて(9)式のように漸化的に求めれば、このよう
な表面プロフィールの変化に対してもX′ではなく を用いて計算する分、誤差の小さい測定値が得られる。
前記と同様にして測定値 に対して の変換を行なう。係数an-2、bn-2は、次式Qn-2を最小に
するように定める。
以下、前記、と同様にして をこの順に漸化的に求めていく。各変換式 の係数aj、bjを決定する式 における は次のようになる。
なお、nが奇数の時は当然ながら、j=2,3,…,n−1/2
に対して(11)式の上式を、j=n−2,n−3,…,n+1/2
に対して(11)式の下式を適用する。また、j=n/2に
ついては、 としてもよい。
以上、手順〜で得られた を用いて手順〜で得られた(N+1)個の位置にお
ける測定値X1′,X2′…,X11′を補間することによって
高精度な表面プロフィールが得られる。この際、nを必
要に応じて十分大きくとれば、センサ移動方向の連続表
面プロフィールが得られる。
また、本方法によれば、センサ移動ストロークは逐次三
点法に比べて大幅に小さくすることが可能となり、移動
にともなうガタなどの外乱が小さいばかりでなく、測定
所要時間も大幅に短縮することができる。
さらに、漸化的な内挿方法をとることによって急峻な表
面プロフィールの変化も正確に測定することができる。
なお、本方法によれば、圧延ロール等の表面プロフィー
ルばかりでなく、長尺物の真直度管理に供される表面プ
ロフィールも、全く同様に求めることができる。
また、移動中に測定した距離測定値 の内挿法を示す手順〜におけるyiの値を、 のような漸化式で求めてもよい。
以下、本発明の具体的実施例について説明する。
同一の圧延用ロールの表面プロフィールを種々の方法で
測定した結果を第4図に示す。
はロールの真の表面プロフィールを示したもので、L=
190mmである。
は間隔Lで配置した3個の距離センサを用いて逐次三点
法で測定した結果である。逐次三点法では間隔L毎のと
びとびの情報しか得られず、詳細なプロフィール変化が
測定できていない。センサ間隔Lを小さくすると、累積
測定誤差が大きくなり、プロフィール全体に歪みが生じ
てくる。
は本発明による方法で測定した結果を示したもので、数
μmの誤差はあるが の真のプロフィールとよく一致している。
は本発明による方法において、「漸化的に内挿」するこ
との効果を示すため、故意に「漸化的に内挿」しなかっ
た場合の測定結果を示したものであり、11個の点X1,…,
X11の間隔を「ロール両端部は滑らか」との仮定の下に
内挿したものである。
[発明の効果] 以上のように、本発明によれば、測定上不可避的な各距
離センサの偶発測定誤差による表面プロフィールの測定
精度劣化を極力排し、センサ取付台の変位・傾きの変化
を補正した、被測定物表面の連続的な表面プロフィール
を高精度で測定することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による表面プロフィール測定方法の実施
態様を示す模式図、第2図は従来の逐次三点法による表
面プロフィール測定方法の実施状態を示す模式図、第3
図は本発明による表面プロフィールの算出手順を示す模
式図、第4図は本発明の方法により圧延ロールの表面プ
ロフィールを測定した結果を示す線図である。 1……被測定物の表面、 2……距離センサ、 3……距離センサ取付台、 4……案内軌道。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】N個(N≧3)の距離センサを等間隔Lを
    介してセンサ取付台上の一直線上に配置し、センサ取付
    台を上記一直線方向に、被測定物の表面に沿わせてセン
    サ間隔Lと等距離だけ移動させ、その移動前後、及びそ
    の移動中に距離L/n(n≧2)ずつ移動する毎に該距離
    センサによって被測定物の表面までの距離測定値を得、
    これに基づき被測定物の表面プロフィールを測定する表
    面プロフィール測定方法であって、まず、センサ取付
    台が距離Lだけ移動する前後における移動方向の同一位
    置で各距離センサが測定した距離測定値の比較により、
    センサ取付台の移動前後における被測定物の表面に対す
    るセンサ取付台の変位・傾きの変化を求め、前記距離測
    定値を補正することにより、移動前後におけるセンサ取
    付台の変位・傾きの変化に依存しない、センサ取付台移
    動方向の相離隔する(N+1)点の等間隔位置における
    表面プロフィールの情報X1,X2,…,XN+1を得、続いて
    センサ取付台が移動している間に各距離センサが測定し
    た距離測定値 (i=1,2,…,N:距離センサ番号)を用いて、前記で
    得られた相離隔する(N+1)点の表面プロフィールの
    情報の各間隙を漸化的に補間し、上記、の手順によ
    り、被測定物の表面プロフィールをそのセンサ取付台の
    変位・傾きの変化を補正しつつセンサ移動方向に連続的
    に測定することを特徴とする表面プロフィール測定方
    法。
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