JPH07117196A - 制振特性に優れたオレフィン系樹脂成形体 - Google Patents

制振特性に優れたオレフィン系樹脂成形体

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JPH07117196A
JPH07117196A JP5288743A JP28874393A JPH07117196A JP H07117196 A JPH07117196 A JP H07117196A JP 5288743 A JP5288743 A JP 5288743A JP 28874393 A JP28874393 A JP 28874393A JP H07117196 A JPH07117196 A JP H07117196A
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olefin resin
resin
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olefin
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JP5288743A
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Hirofumi Murakami
博典 村上
Takashi Nakayama
隆 中山
Akikimi Katagiri
章公 片桐
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Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性、剛性、表面層と芯材の接着性、リサ
イクル性に優れ、安価であり、かつ制振性に優れたサン
ドイッチ構造を有するオレフィン系樹脂成形体。 【構成】 曲げ弾性率20,000Kg/cm2 以上の
オレフィン系樹脂組成物の表面層(A)及び該表面層
(A)によって全面が実質的に被覆されている芯材
(B)からなる制振特性に優れたオレフィン系樹脂成形
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面層(A)と該表面
層によって全面を実質的に被覆されている芯材層とから
なる樹脂成形体に関する。更に詳しくは、芯材とその全
面を実質的に被覆している表面層とからなり、制振性に
優れ、更に耐熱性および剛性にも優れており、しかも芯
材と表面層との接着性が良好であるサンドイッチ構造を
有する樹脂成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】オレフィン系樹脂は安価であって、成形
性に優れるのみならず、機械的特性、制振性、耐溶剤
性、耐油性などの特性が良好なため、工業的に多量に生
産され、自動車、家電機器等の部品および日用品として
多方面に利用されている。
【0003】オレフィン系樹脂成形体は前記特性を持っ
ているが、特に高い耐熱性、剛性等が要求される部品に
使用する場合はオレフィン系樹脂に無機充填材を添加す
ることによりこれらの特性を向上させているのが一般的
である。
【0004】しかし、無機充填材を添加したオレフィン
系樹脂組成物は制振特性が低下し、製品の重量の増加を
招くなどの問題がある。
【0005】このような無機充填材を添加した一種の材
料からの成形体で必要とされる諸特性を満たすことが困
難な場合には、多層成形体の適用が考えられている。
【0006】その一つの解決策として成形体にフェルト
やカーペット、ウレタンフォームなどのクッション性の
材料を貼りあわせ、振動、騒音を低下させる方法が用い
られている。しかしこれらの方法は成形体を成形後、ク
ッション性材料を貼りあわすため、結果的にコストアッ
プとなり易く、また製品形状(厚さ)の大型化、剥離、
重量の増加などの問題を有している。
【0007】また他の手段としては芯材を表面層により
全面的に被覆した、いわゆるサンドイッチ構造の成形体
がある。この成形体は一つの装置で成形が可能であり、
芯材は端部でも露出しないため、端部から剥離がないな
どの利点を有する成形体である。
【0008】従来、サンドイッチ構造を有する成形体と
しては、芯部に剛性および弾性率の高い樹脂組成物、表
面層に剛性の低い樹脂を用いた例が多い。
【0009】制振を目的とした成形体として表面層に剛
性及び弾性率を高い樹脂を、芯部に剛性の低い樹脂を用
いた例として特開平3−81124号の提案がある。
【0010】前者においては、表面層の樹脂層の剛性が
低いため傷つき易く、問題があり、また後者においては
表面層と芯材の樹脂の種類を異にしており、表面層と芯
材の接着性の低下、表面層に高価な6−ナイロン、6−
6ナイロン等を使用しているため、コストアップ、制振
効果もさほど高くないなどの問題のほか、表面層の樹脂
と芯材の樹脂を異にすることが多いため、リサイクルに
難点があり、廃棄処理には環境汚染させないためには焼
却処理を必要とするなどいくつかの問題点を有してい
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐熱性、剛
性、表面層と芯材の接着性、リサイクル性に優れ、安価
であり、かつ制振性に優れたサンドイッチ構造を有する
オレフィン系樹脂成形体の開発を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、曲げ弾性率2
0,000Kg/cm2 以上のオレフィン系樹脂組成物
の表面層(A)および該表面層(A)によって全面が実
質的に被覆されている曲げ弾性率が15,000Kg/
cm2 以下の芯材(B)からなることを特徴とする制振
特性に優れたオレフィン系樹脂成形体を開発することに
より上記の目的を達成した。
【0013】本発明の表面層(A)に使用されるオレフ
ィン系樹脂としては、ポリプロピレン、高密度ポリエチ
レン、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレ
ン、エチレン−プロピレンブロックコポリマー、エチレ
ン−プロピレンランダムコポリマー、エチレン−α−オ
レフィン共重合体ゴムまたはこれらの混合物が挙げられ
る。このうち耐熱性および剛性の点から、プロピレンホ
モポリマー、エチレン−プロピレンブロックコポリマ
ー、エチレン−プロピレンランダムコポリマーなどの結
晶性ポリプロピレン系樹脂またはこれらの混合物が好ま
しい。
【0014】なお、エチレン−プロピレングロックコポ
リマーおよびエチレン−プロピレンランダムコポリマー
においては、エチレン含量は25重量%以下が好まし
く、エチレン含量が20重量%を越えると耐熱性が低下
する傾向がある。耐熱性と制振性のバランスという点で
は、該エチレン−プロピレンブロックコポリマーおよび
エチレン−プロピレンランダムコポリマーのエチレン含
量は20重量%以下が特に好適である。
【0015】表面層(A)としては、剛性が高い曲げ弾
性率が少なくとも20,000kg/cm2 、好ましく
は少なくとも30,000kg/cm2 のオレフィン系
樹脂が必要であるが、30,000kg/cm2 以上で
あるオレフィン系樹脂はそれ自体では難しいので無機充
填材を入れることにより曲げ弾性率を向上させて用いる
ことが必要である。
【0016】この場合成形体の表面層のオレフィン系樹
脂に使われる無機充填材は、一般の合成樹脂およびゴム
の分野において広く用いられているもので良い。該無機
充填材としては、酸素および水と反応しない無機化合物
であり、混練時および成形時において分解しないものが
好んで用いられる。このような無機充填材としては、ア
ルミニウム、銅、鉄、鉛、ニッケル、マグネシウム、カ
ルシウム、バリウム、亜鉛、ジルコニウム、モリブデ
ン、ケイ素、アンチモン、チタンなどの金属の酸化物、
その水和物(水酸化物)、硫酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩の
ごとき化合物、これらの複塩並びにこれらの混合物を挙
げることができる。
【0017】これらの無機充填材のうち、粉末状のもの
はその径が約30μm以下(好適には10μm以下)の
ものが好ましい。また針状粉末にあっては径が1〜20
μmくらい(好適には1〜15μm)であり、長さが1
0〜150μmくらい(好適には15〜150μmくら
い)のものが望ましい。更に、平板状のものは径が約3
0μm以下(好適には10μm以下)のものが好まし
い。これらの無機充填材の内、タルク、マイカ、クレ
ー、ワラストナイト、チタン酸カリ、炭酸カルシウムな
どが好適である。更に繊維状充填材ならば径が5〜20
μmくらい(好適には5〜15μm)、長さが1,00
0〜12,000μmくらい(好適には2,000〜1
0,000μm)のガラス繊維が好ましい。
【0018】オレフィン系樹脂に前記無機充填材を配合
する場合、樹脂と無機充填材の界面における接着性を改
良し、その結果耐熱性が向上する充填効果を高める目的
で、前記プロピレン単独重合体やエチレン−プロピレン
ランダムコポリマー等のプロピレン系重合体にα,β−
不飽和ジカルボン酸(例えばマレイン酸)またはその無
水物(例えば無水マレイン酸)をグラフト重合させるこ
とによって得られる不飽和カルボン酸変性オレフィン樹
脂(以下変性PPという。)を前記オレフィン系樹脂に
加えることは効果的である。
【0019】表面層に用いるオレフィン系樹脂と無機充
填材あるいはこれらと変性PPの混合物のMFR(JI
S K7210 表1,試験条件14;230℃、2.
16Kg荷重で測定)は0.5〜85g/10分の範囲
であり、1.0〜70g/10分が好適である、混合物
のMFRが0.5未満では混練性および成形性が低下す
る。一方85g/分を越えると、成形物の機械的特性、
取り分け耐衝撃性が低下する。
【0020】本発明の表面層に無機充填材が使用される
場合、その量はオレフィン系樹脂あるいはこれと変性P
Pの合計量中に占める無機充填材の組成割合は60重量
%以下であり、10〜55重量%が好ましい。無機充填
材の組成割合が10重量%以下では配合した効果が顕わ
れず、一方60重量%を越えると得られる成形物の外観
が悪いばかりでなく、耐衝撃性の低下が大きく低下する
ので好ましくない。
【0021】前記変性PPに使用する場合の配合割合
は、オレフィン系樹脂と無機充填材の合計量100重量
部に対して、一般には3.0〜15重量部である。
【0022】本発明のオレフィン系樹脂成形体の芯材
は、前記表面層に用いたと同じ系統のオレフィン系樹脂
が用いられるが、曲げ弾性率が制振性を高めるために1
5,000Kg/cm2 以下のものに限られ、特に1
0,000Kg/cm2 以下が好ましい。従って、オレ
フィン系樹脂そのもの自体の曲げ弾性率が15,000
Kg/cm2 以下であればそのままでも良いが、この範
囲を超えているときは、ほかのオレフィン樹脂またはエ
チレン−αオレフィン共重合体ゴム等、曲げ弾性率が1
5,000Kg/cm2 より小さい樹脂をブレンドする
および/または化学発泡剤を混合し、処理等をすること
により曲げ弾性率を調整することが必要である。この場
合表面層を芯材との接着性を良好にするためには、芯材
の樹脂は表面層と同種の樹脂であることが好ましい。
【0023】芯材において、オレフィン系樹脂に配合す
るエチレン−α−オレフィン共重合体ゴムとしては、エ
チレン−プロピレン共重合体ゴム(以下EPMと略)、
エチレン−ブテン共重合体ゴム(以下EBMと略)、エ
チレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(以下EPD
Mと略)およびこれらの混合物を使用することができ
る。
【0024】芯材に用いられるオレフィン系樹脂組成物
のMFRは0.1〜80g/10分であり、0.5〜6
0g/10分が好ましい。MFRが0.1g/10分未
満では成形性が悪く、一方80g/10分を越えると成
形体の機械的特性が低下する。
【0025】発泡処理に使用される化学発泡剤は、通常
芯材に使用するオレフィン系樹脂にドライブレンドして
使用するが、その代表的なものとしてはジニトロソペン
タメチレンテトラミン(以下、DPTという。)、アゾ
ジカルボンアミド(以下、ADCという。)、P−トル
エンスルホニルヒドラジド、アゾビスイソブチロニトリ
ル、重炭酸ソーダ、炭酸アンモニウム等が挙げられる。
これらのうちオレフィン樹脂がプロピレン系樹脂のとき
は、DPTとADCは分解温度の点から好ましい。
【0026】該化学発泡剤を使用する場合の配合割合
は、オレフィン系樹脂の合計量100重量部に対して
0.03〜2重量部が好ましく、0.05〜0.15重
量部が好適である、化学発泡剤の配合量が0.03重量
部未満では、制振特性の改良効果が不十分である。一方
2重量部以上を配合しても配合量に応じた効果が現れな
い。
【0027】発泡倍率は該オレフィン系樹脂の曲げ弾性
率にもよるが通常は1.05〜3.0倍位の範囲が好ま
しい。
【0028】本発明の成形物において、表面層並びに芯
材の樹脂組成物を製造するには、それぞれの各組成成分
を均一に混合すれば良い。この場合、ポリオレフィン系
樹脂(とりわけ、ポリプロピレン系樹脂)の分野におい
て一般に添加されている紫外線吸収剤、抗酸化剤、耐候
性安定剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、着色剤(顔料)
などの添加剤をそれぞれの組成物や合成樹脂が有する性
質を実質的に損なわない範囲で添加しても良い。
【0029】各組成成分の混合には、合成樹脂の分野に
おいて一般に行われている方法を適用すれば良く、混合
方法としてはヘンシェルミキサーのごとき混合機を使っ
てドライブレンドする方法並びにロールミル、スクリュ
ー式押出機、ニーダーおよびバンバリーミキサーのごと
き混合機を用いて溶融混練する方法が挙げられる。この
際、あらかじめ組成成分をドライブレンドし、得られる
混合物を更に溶融混練させることによって一層均一な組
成物を得ることができる。また混合した樹脂組成物は、
ペレット状物が成形体を製造するとき取り扱いの点にお
いて好ましい。
【0030】本発明の制振特性に優れたオレフィン系樹
脂成形体は、例えば合成樹脂の分野において一般に実施
されている、いわゆるサンドイッチ成形方法によって得
ることができる。
【0031】サンドイッチ成形方法は前記のごとく、表
面層の材料を射出し、続いて芯剤の材料を射出し、最後
にゲート部へ少量の表面層の材料を射出することによっ
て行われる。
【0032】該サンドイッチ成形方法については、廣恵
章利編“モルダーシリーズ、最新の射出成形技術−その
実際と応用−”(昭和63年、三光出版社発行)第13
7頁乃至第144頁に詳細に記載されている。
【0033】前記の溶融混練する場合でも、サンドイッ
チ成形する場合でもオレフィン系樹脂が溶融する温度で
実施する必要があるが、必要以上高い温度で実施すると
オレフィン系樹脂が熱分解することがある。溶融混練温
度および射出成形温度は表面層および芯材に使われるそ
れぞれの樹脂の種類、組成割合によって一概に規定する
ことができないが、一般には180〜300℃、好まし
くは190〜280℃である。
【0034】以上のようにして得られる本発明の成形物
は芯材の表面の全面にわたって、表面層が実質的に被覆
されている。表面層の厚さは、制限されることはないが
一般的には0.2〜1.0mm、芯材は表面層の厚さを
100として、その125〜1000くらいの範囲とす
ることが好ましい。表面層の厚さが0.2mmより小の
場合には、弾性率、剛性、耐熱性が不十分となり易い。
一方、その厚さが1.0mmを越えるときは成形体の厚
さを一定とするときは芯材の厚さが薄くなるので制振性
が低下することになる。
【0035】本発明の成形体の特徴は、表面層に剛性、
耐熱性が高いオレフィン系樹脂組成物を用い、芯材と表
面層の接着性が良好であり、しかも制振特性が優れた表
面層および芯材を前記のごとき成形方法で製造すること
により、いわゆるサンドイッチ構造を有しており、一般
に用いられているオレフィン系ブレンド材料では得るこ
とができなかった耐熱特性と制振特性のバランスが取れ
た成形体を得ることができたことである。
【0036】
【作用】一般に、剛性、曲げ弾性率等の機械的性質を向
上させると、遮音性、吸音性は向上するのに反し制振性
は低下する。また密度の向上もほぼ同じ効果を有してい
る。従って曲げ弾性率を低下させると制振性は向上す
る。本発明の成形体は同一系統であるオレフィン系樹脂
組成物を用いて剛性、曲げ弾性率等の機械的性質が優れ
ているにもかかわらず、制振性も優れた、相反する性能
の成形体を目的とするものであり、これを表面材として
曲げ弾性率の高い樹脂と芯材として曲げ弾性率の小さい
樹脂を組み合わせたサンドイッチ構造のオレフィン系樹
脂成形体とすることにより解決した。
【0037】特に共に同一系統のオレフィン系樹脂であ
っても、必要に応じ無機充填材を配合することにより曲
げ弾性率を向上させた樹脂組成物およびエチレン−α−
オレフィン系ゴム等の配合および/または化学発泡剤処
理による発泡樹脂化などの手段による曲げ弾性率を低下
させた樹脂組成物を組み合わせることによる表面層と芯
材の接着性が良い高機能の成形体となる。
【0038】
【実施例】以下、実施例、比較例によって本発明を更に
詳しく説明する。実施例および比較例において、曲げ弾
性率はASTM D790に従い、曲げ速度が2.5m
m/分の条件で測定し、また熱変形温度はASTM D
648に従い、荷重が18.5Kg/cm2 の条件で測
定した。更に、制振性能(損失係数η)は機械インピー
ダンス測定装置(エヌエフ回路設計ブロック社製)を用
い、サンプルの大きさ100×100mm、同厚さ6m
mおよび測定温度が23℃の条件で共振点における機械
インピーダンスを測定し、損失係数を求め表示した。
【0039】なお、実施例および比較例において表面層
および芯材として使ったオレフィン系樹脂および無機充
填材および変性PP、化学発泡剤について物性などを下
記に示す。
【0040】[オレフィン系樹脂] PP1:MFR(以下、ポリエチレンを除き、すべてJ
IS K7210 表1、試験条件14;試験温度23
0℃、試験荷重2.16kgf)が15g/10分であ
るプロピレンホモポリマー
【0041】PP2:エチレンの共重合割合が10重量
%であり、かつMFRが20g/10分であるエチレン
−プロピレンブロックコポリマー
【0042】PP3:エチレンの共重合割合が5重量%
であり、かつMFRが10g/10分であるエチレン−
プロピレンランダムコポリマー
【0043】PE:MFR(JIS K7210 表
1、試験条件4;試験温度190℃、試験荷重2.16
kgf)が1.5g/10分であり密度が0.95g/
cm3である高密度ポリエチレン
【0044】EPM:MFRが1.0g/10分であ
り、エチレン含量62重量%であるエチレン−プロピレ
ン共重合ゴム
【0045】EPDM:MFRが0.5g/10分であ
り、エチレン含量38重量%、プロピレン含量30重量
%、1,4−ペンタジエン含量32重量%であるエチレ
ン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム
【0046】変性PP:MFRが0.38g/10分で
あるプロピレンホモポリマー100重量部、0.05重
量部の2,5−ジメチル−2,5−ジ(第三級−ブチル
パーオキシ)ヘキサンおよび0.38重量部の無水マレ
イン酸をヘンシェルミキサーに添加し、5分間ドライブ
レンドを行った。得られた混合物をフルフライト型スク
リューを装備したノンベント式押出機(径40mm)に
供給し、220〜240℃の温度範囲で溶融させながら
混練反応を行い、ペレットを製造し用いた。
【0047】TPO:MFRが0.9g/10分であ
り、エチレン含量68重量%であるエチレン−プロピレ
ン共重合体ゴム50重量部にMFRが0.7g/10分
のプロピレンホモポリマー50重量部及び架橋助剤とし
てTAIC(トリアリルイソシアヌレート)0.5重量
部、軟化剤としてサンバー150(サンオイル社製、パ
ラフィンオイル)30重量部をバンバリーミキサーによ
り185℃で5分間混練し、均一に分散した後に、有機
過酸化物としてパーカドックス14(化薬ヌーリー製、
1,3−ビス−(t−ブチルペルオキシ−イソプロピ
ル)ベンゼン)を1.0部加えて、更に10分間溶融混
練を続けた後にサンプルを取り出し、ロールを通し、シ
ートカッターによりペレットを製造し用いた。得られた
ペレットのMFRは2.0g/10分、引張破断強度は
150Kg/cm2 であった。
【0048】[無機充填材] タルク:平均粒径が2.0μmであり、かつアスペクト
比が5.0 マイカ:平均粒径が10μmであり、かつアスペクト比
が30 ワラストナイト:平均繊維径が1.5μmであり、かつ
平均長さが90μm ガラス繊維:直径が13μmであり、長さが3mm
【0049】[化学発泡剤] DPT(セルラーD、永和化成工業(株)製) ADC(ビニフォールAC、永和化成工業(株)製)
【0050】表1にそれぞれの種類および配合量が示さ
れているオレフィン系樹脂および無機充填材を、あらか
じめヘンシェルミキサーを使って5分間ドライブレンド
を行った。得られた各混合物を樹脂温度が200℃にお
いてベント付二軸押出機(径30mm)を用いて溶融混
練を行い、ペレット状の各組成物を製造した。得られた
各組成物のMFR、曲げ弾性率、熱変形温度(18.5
Kg/cm2 )並びに略称を表1に示す。各組成物の後
記の組成物の表面層として使用した。
【0051】また表2にそれぞれの種類および配合量が
示されているオレフィン系樹脂を前記と同様にドライブ
レンドを行い、各混合物を製造した。各混合物を前記と
同様に溶融混練を行い、ペレット状の各組成成分を製造
した。なお、化学発泡剤はペレット状の各組成成分を製
造後に前記の方法でドライブレンドを行い使用したもの
である。得られた各組成成分の略称を表2に示す。各組
成成分を後記の成形物の芯材として用いた。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】(実施例1〜8、比較例1〜6)以上のよ
うにして得られた各組成物を各組成物をサンドイッチ射
出成形機[西ドイツバッテンフェルド(Battenf
eld)社製、型式BM850S−C]を使用し、まず
表面層の材料を射出成形し、次いで芯材の材料を射出成
形した後、表面層の材料(表面層の約2%)を射出成形
し、平板状の成形物(400×400mm、厚さ6m
m)を成形した。得られた成形物よりサンプルを切り取
り、曲げ弾性率(厚さ6mm使用)、熱変形温度(厚さ
6mm使用)、損失係数(厚さ6mm使用)を測定し
た。それらの結果を表3に示す。更に、各成形物の表面
層の厚さを表3に示す。
【0055】
【表3】
【0056】
【発明の効果】本発明のオレフィン系樹脂成形体は、 (1)表面層は無機充填材を使用する場合には、芯材の
樹脂組成物に比して耐熱性が優れている。 (2)剛性、曲げ弾性率等の機械的特性に優れているに
もかかわらず、制振特性も優れている。 (3)表面層の樹脂は剛性(曲げ弾性率)が優れている
ため傷がつきにくい。 (4)表面層、芯材共にオレフィン系樹脂を使用してい
るため、表面層と芯材との接着性が良く、また同系統の
樹脂であるためリサイクル性がある。 (5)特に、一般に行われている射出成形法によって得
られる成形物に比べ、同種の材料を用いて成形した場
合、耐熱性と制振性のバランスが優れている。 (6)安価なオレフィン系樹脂を使用しているため、加
工性が良く、安価に生産性高く、制振性能の優れた成形
体が得られる。
【0057】本発明の成形体は以上のごとき効果を発揮
するために多方面にわたって利用することができる。代
表的な用途を下記に示す。 (1)エアークリーナボックス、ダクト類、インパネ、
エンジンカバー、ドアトリムなどの自動車部品 (2)掃除機、洗濯機、テレビ等、家電機器のカバー類 (3)スピーカーボックス、CDラジカセのハウジング
などの音響部品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16F 15/02 Q 9138−3J

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 曲げ弾性率20,000Kg/cm2
    上のオレフィン系樹脂組成物の表面層(A)および該表
    面層(A)によって全面が実質的に被覆されている曲げ
    弾性率が15,000Kg/cm2 以下の芯材(B)か
    らなることを特徴とする制振特性に優れたオレフィン系
    樹脂成形体。
  2. 【請求項2】 表面層(A)が、充填材を60重量%以
    下含有するオレフィン系樹脂組成物である請求項1記載
    のオレフィン系樹脂成形体。
JP5288743A 1993-10-25 1993-10-25 制振特性に優れたオレフィン系樹脂成形体 Pending JPH07117196A (ja)

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JP5288743A Pending JPH07117196A (ja) 1993-10-25 1993-10-25 制振特性に優れたオレフィン系樹脂成形体

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000238167A (ja) * 1999-02-23 2000-09-05 Toppan Printing Co Ltd 積層体およびそれを用いた腰強度と耐衝撃性に優れた包装袋

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