JPH07116557B2 - 高温特性に優れたフェライト系ステンレス鋼 - Google Patents

高温特性に優れたフェライト系ステンレス鋼

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JPH07116557B2
JPH07116557B2 JP63329452A JP32945288A JPH07116557B2 JP H07116557 B2 JPH07116557 B2 JP H07116557B2 JP 63329452 A JP63329452 A JP 63329452A JP 32945288 A JP32945288 A JP 32945288A JP H07116557 B2 JPH07116557 B2 JP H07116557B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、高温での耐酸化性、サグ抵抗に代表される
クリープ特性および耐粗粒化性(高温使用時に粒成長し
ないこと)等の高温特性に対する要求の強い石油燃焼機
器や自動車排気系装置などの用途に用いて好適なフェラ
イト系ステンレス鋼に関するものである。
(従来の技術) 従来、耐熱・耐酸化性材料としては、フェライト系ステ
ンレス鋼が使用される場合が多い。
というのはフェライト系ステンレス鋼は、オーステナイ
ト系ステンレス鋼に較べて、 (1)熱膨張率が低い、 (2)他の部品(鋼や鋳物)に対する接合が容易、 (3)繰返し加熱を受けるような環境下での耐酸化性に
優れている、 (4)安価である、 などの利点があるからである。
しかしながらフェライト系ステンレス鋼はオーステナイ
ト系ステンレスに較べてクリープ強さが低いためその使
用上限温度も低く、したがって現状では低熱膨張率で高
温での耐酸化性に優れているという利点を十分に活用す
るには至っていない。
例えば日本工業規格(JIS)G4305に規定のSUS430LXは耐
酸化性の良好な温度域においても、クリープ強さを評価
するサグ抵抗が劣化する傾向にあり、又粗粒化の傾向も
著しい。
(発明が解決しようとする課題) そこでこの発明は、優れた耐酸化性を維持しつつ、クリ
ープ特性および耐粗粒化性の高温特性を大幅に向上させ
ることによって、より高温域での使用に耐えるフェライ
ト系ステンレス鋼を提供しようとするものである。
(課題を解決するための手段) さて一般にクリープ特性を向上させるには、炭窒化物の
析出に関係するTi,Zr,Nb,CおよびN量を増加させればよ
いと言われている。しかしながら一般にJIS G4305の如
く、TiとNbを対等のものとして扱っているように、Ti,N
b,Zr等の差違について述べてはいない。さらにクリープ
強さの向上にCが寄与することが、特開昭49−99023号
公報に記載されている。しかしながら、発明者らは950
℃程度の高温においては、Ti,Zr等は効果がなく、Nbで
しかクリープ特性を改善できないことを新規に見出し、
さらに、むしろC量の低い方がクリープ特性すなわちサ
グ抵抗が向上するという、従来の知見とは異なる現象を
見出した。かような新規な知見を元に、広範な成分の見
直しを行った結果、従来にない高温特性に優れたフェラ
イト系ステンレス鋼を完成するに至った。
すなわちこの発明は、 C:0.02wt%以下、 Si:0.7wt%以下、 Mn:0.8wt%以下、 Cr:15〜20wt%および N:0.005〜0.015wt% を含み、さらにNb:0.6超〜1.0wt%でかつNb/C50を満
足する範囲にて含有し、残部はFeおよび不可避的不純物
からなることを特徴とする高温特性に優れたフェライト
系ステンレス鋼である。
(作 用) 次に各成分組成範囲を限定した理由を説明する。
C:0.02wt%(以下単に%と示す)以下 Cは溶接性を悪化させるために極力抑制する必要があ
り、その上限を0.02とした。
Si:0.7%以下 Siは耐酸化性の向上に有効であるが、0.7%を超える
と、じん性および加工性を低下させるため上限を0.7%
とした。
Mn:0.8%以下 Mnは高温強度を高める上で有効であるが、0.8%を越え
ると、耐酸化性を劣化させるため上限を0.8%とした。
Cr:15〜20% Crは耐酸化性を付与する主要元素であるが、15%未満で
は900℃〜1000℃において特性が十分に発揮されないの
で下限を15%とした。一方20%を超えるとじん性および
加工性の劣化が激しくなるため20%を上限とした。
N:0.005〜0.015% NはNbと窒化物を形成し、サグ抵抗を向上させる元素
で、表1に示すように、ほぼ0.005%を境にN量の増加
とともにサグ抵抗性が向上しかつ結晶粒の粗大化も抑制
されるため0.005%を下限とした。一方Nの含有が0.015
%をこえるとNb窒化物が多量に生成して清浄度の低下を
来たし加工性が低下するため、上限は0.015%とした。
なお表1に示した実験の共試材は を満足した成分に対し、N含量を種々に変化させたもの
である。
またサグ抵抗の測定はいわゆる自重によるクリープ試験
の1種で、第3図(a)に示すジグ1に同図(b)に示
す試験片2をかけわたし、100時間後の垂れ下がり量
(同図(c)参照)を測定して、この測定値が50mm以内
の場合は良好(○)と判定した。
このサグ試験後の粒度測定は、JIS G0552切断法を用い
た。
さらに加工性の指標として行った破断伸びは、JIS 13号
引張試験片に加工した後引張試験(JIS Z2241)に供し
て、伸びが25%以上の場合は良好(○)と判定した。
Nb:0.6超〜1.0%かつNb/C50 Nbはサグ抵抗を向上するのに第1図に示すように、50×
C以上必要であり、かつ第2図に示すように、高温長時
間の加熱後の結晶粗大化を防ぐには、Nb絶対量として0.
60%を超えることが必要である。一方多量の含有は加工
性を劣化させることから上限を1%とした。なお第1図
はC,Nb量を種々に変化させた供試材に、950℃で100時間
のサグ抵抗試験を行った結果を、第2図は同様の供試材
を980℃で100時間加熱後に粒度測定を行った結果をそれ
ぞれ示す。なお図中の符号は後述の表2に対応する。
(実施例) 以下実施例によりこの発明を詳細に説明する。
表2中に示した化学成分を有するフェライト系ステンレ
ス鋼を熱間圧延、焼鈍、そして冷間圧延し、1.5mm厚と
し、950℃の仕上げ焼鈍を行った後、サグ抵抗試験、繰
り返し酸化試験、サグ試験後の粒度(No)および980℃1
00時間加熱後の粒度(No)をそれぞれ調べた。その結果
を表3に示す。なお繰り返し酸化試験は30分間加熱して
15分間冷却するサイクルを500回行って、酸化増量を測
定して評価した。
比較鋼として(No.12、13)Ti入り、Zr入りでかつCを
低めた鋼を示すが、表3からわかるようにTi,Zrを高
め、Cを低めてもサグ抵抗及び耐粗粒化性を向上させる
ことができないことがわかる。
表3から明らかなように、この発明に従う鋼はすべて第
1図のC,Nbの関係を満たし、950℃でのサグ抵抗および
サグ試験後の粒径の増大もほとんどなかった。
これに対して比較材No.4〜6はNbが0.5%以上であるた
め、980℃100時間加熱後の粒径の増大は少ないが、 であるため、サグ抵抗は劣っていた。このようにNbのみ
で高温特性を改善することはできず、通常の概念とは逆
に、Nbによって決まるある臨界値よりCを下げることに
よってはじめてサグ抵抗を改善され、高温での使用が可
能となる。
又、No.11はC0.02%、 およびNb0.5を満たしているが、N<0.005%であるた
め、第1図および表3に示した如く、サグ抵抗が劣化、
又結晶粒も粗大化する。
さらに表3に示したように、No.7.9は を満たすため、950℃でのサグ抵抗は良好であり、又980
℃100時間加熱後の粒成長も少なく良好であるが、Nが
0.015%を越えるため、又はNbが1.0%を越えるため、室
温での加工性(破断伸び)が低く、実用に耐えない。
(発明の効果) この発明に従いC,N,Nbおよび の成分バランスを調整することによって、サグ抵抗の大
幅改良、じん性劣化の原因となる高温長時間加熱後の粗
粒化を防ぐことができ、例えば900〜1000℃において使
用される自動車排気系装置等に好適に用いることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は を満たす鋼におけるN量と、破断伸び、サグ抵抗、サグ
試験後の粒度No.の関係を示すグラフ、 第2図はNb量と980℃高温長時間加熱後の粒度No.の関係
を示すグラフ、 第3図はサグ試験の説明図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.02wt%以下、 Si:0.7wt%以下、 Mn:0.8wt%以下、 Cr:15〜20wt%および N:0.005〜0.015wt% を含み、さらにNb:0.6超〜1.0wt%でかつNb/C50を満
    足する範囲にて含有し、残部はFeおよび不可避的不純物
    からなることを特徴とする高温特性に優れたフェライト
    系ステンレス鋼。
JP63329452A 1988-12-28 1988-12-28 高温特性に優れたフェライト系ステンレス鋼 Expired - Fee Related JPH07116557B2 (ja)

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JPS5344420A (en) * 1976-10-05 1978-04-21 Nippon Steel Corp Production of ferritic stainless steel sheet with excellent workability
JPS53118218A (en) * 1977-03-25 1978-10-16 Nippon Steel Corp Stainless steel use in apparatus for purifying automotive exhaust gas
JP2514367B2 (ja) * 1987-06-27 1996-07-10 日新製鋼株式会社 自動車エンジンのマニホ−ルド用鋼

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