JPH07116055B2 - 合成ワクチン - Google Patents

合成ワクチン

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JPH07116055B2
JPH07116055B2 JP58041619A JP4161983A JPH07116055B2 JP H07116055 B2 JPH07116055 B2 JP H07116055B2 JP 58041619 A JP58041619 A JP 58041619A JP 4161983 A JP4161983 A JP 4161983A JP H07116055 B2 JPH07116055 B2 JP H07116055B2
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fatty acid
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ト−マス・パトリツク・ホツプ
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ニユ−ヨ−ク・ブラツド・センタ−・インコ−ポレイテイド
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Description

【発明の詳細な説明】 (発明の分野) この発明は、合成ワクチン,宿主動物中での抗体形成に
有用な組成物、及び診断に有用な組成物に関する。さら
に詳しくは、この発明は合成ペプチドと担体とを含んで
成る合成抗原性組成物に関する。さらに詳しくは、この
発明は特に合成ペプチド用担体に関する。
(先行出願との関係) 1981年1月9日出願に係る米国特許出願第223,558号及
び1981年6月12日出願に係る米国特許出願第272,855号
において、蛋白質の抗原性及びアレルゲン性の原因とな
る天然抗原又はアレルゲンの蛋白質の部分を決定するた
めの新規な系が開示されている。さらに詳しくは、蛋白
質性アレルゲン又は抗原を含有する組成物を宿主動物に
注射した際に免疫反応の原因となる該蛋白質性アレルゲ
ン又は抗原の特異的なアミノ酸配列を決定する方法が開
示されている。
なお、前記の特許出願明細書の記載を引用によりこの明
細書に組み入れる。
しかして発明者は、特異的アミノ酸配列の決定方法のみ
ならず、抗原又はアレルゲンに存在すべきアミノ酸の正
確な数と配列を知って合成抗原又は合成アレルゲンを調
製する方法を開示する。発明者はさらに担体に担持され
た短いポリペプチドを含んで成る若干の合成ワクチンを
開示する。この担体は、合成ペプチドの活性部位に、合
成抗原又は合成アレルゲンが全体として免疫系に認識さ
れ、そして対応する抗体の形成惹起するのに十分な大き
さを与える点において臨界的な重要性を有すると考えら
れる。
さらに詳しくは、この発明のワクチンは、生理的に許容
される担体であって、該担体の中又は上に、蛋白質抗原
又はアレルゲン中の最も大きな局所平均親水性を有する
アミノ酸配列に対応する少なくとも6個のアミノ酸の配
列を含有する合成ペプチドを配置しているものを含んで
成る。前記の蛋白質抗原又はアレルゲンの局所親水性は
次のようにして決定され、そして測定される。
A.次の第1表に示すアミノ酸の相対的関係に従って、蛋
白質抗原又はアレルゲンのアミノ酸に相対的親水性値を
割り当てる。
B.アミノ酸配列にそって多数の部位で親水性値の局所平
均を反復して決定する。
C.この局所部位の反復平均から、局所平均親水性値が最
大となる部位を決定する。このワクチンは、蛋白質抗原
又はアレルゲンの完全なアミノ酸配列が欠けた状態であ
っても、宿主動物に導入した場合に防御免疫反応を惹起
すること、抗体形成を促進すること、又はアレルゲンに
対する感受性が低いことにより特色ずけられる。
この発明の核心は免疫反応を惹起するのに必須の6個の
アミノ酸の配列を決定することにある。先行する発明に
よれば、この決定は抗原又はアレルゲンのアミノ酸配列
についてあらかじめ得られた知識を用いて行われるが、
もしこのアミノ酸配列が未知であれば、まず蛋白質全体
のアミノ酸配列を決定しなければならない。この決定
は、すでに知られているがしかし非常に面倒な方法によ
り行わなければならない。
蛋白質抗原又はアレルゲン全体のアミノ酸配列が得られ
れば、次の課題はこの分子にそって局部平均親水性が最
大である部位を決定することである。このためにまず、
前記の表に従って蛋白質中の各アミノ酸に相対的親水性
値を割り当てる。次に、蛋白質の長さにそって前記の値
を反復しながら平均する。4個〜10個の連続して連結し
ているアミノ酸について平均をとれば上記の方法は部分
的に成功する(ある蛋白質については成功し他の蛋白質
については成功しない)が、局部平均を決定するに当
り、線状に連結している5個〜7個のアミノ酸、特に6
個のアミノ酸を用いるのが好ましい。蛋白質のアミノ酸
鎖の多数の部位において(1個ずつ移動しながら)局部
平均値を求める。
一旦、局所に特異的な親水性値の平均値を反復して決定
した後、最も親水性値の高い正確な部位を観察により決
定することができ、又はグラフ的にもしくは他の方法で
決定することができる。最も大きな平均親水性値を供す
る6個のアミノ酸が免疫反応の惹起に必須の6個のアミ
ノ酸配列であることが見出されている。言い替えれば、
この6個のアミノ酸が蛋白質のエピトープ(epitop
e)、すなわち免疫的特異性を伴って抗体に認識され又
は抗体と結合するアミノ酸配列中に存在することが見出
されている。このようなエピトープを、最も大きな局所
平均親水性値を有するエピトープであるため、この明細
書においてH−エピトープと称する。
ある蛋白質抗原又は蛋白質アレルゲンのH−エピトープ
に関与する正確なアミノ酸配列を認識することにより、
種々の方法で合成ワクチンを製造することができる。
合成ワクチンは、H−エピトープのアミノ酸配列に対応
するアミノ酸鎖を化学的に合成することにより、又は該
エピトープを含有する蛋白質を選択的に分解することに
より、例えば酵素を用いて蛋白質を切断することにより
調製することができる。化学的合成により、又は天然蛋
白質から得たH−エピトープ含有アミノ酸鎖は、このあ
と生理的に許容される担体上に配置し、そして生成した
組成物を生理的に許容される媒体により希釈する。この
組成物は、そのまま宿主動物に導入することができる。
重要な部位は蛋白質のH−エピトープを供する部分にあ
るから、この発明の方法は、既知の及び未知の、そして
同定されている又は未同定の蛋白質抗原又は蛋白質アレ
ルゲンの合成ワクチンを製造するのに有用であることが
認識されるであろう。こうして、この発明の合成ワクチ
ンには、単一の又は複数の、既知の又は未知の蛋白質抗
原又は蛋白質アレルゲンのH−エピトープを含有せしめ
ることができる。合成ワクチンには、単一の抗原の複数
のH−エピトープを含有せしめることができ、又第一の
抗原の1つのH−エピトープと第二の抗原又はアレルゲ
ンの1つのH−エピトープを含有せしめることができ
る。実際に、合成ワクチンには、所望により、最も大き
な局所平均親水性値を有する6個のアミノ酸の配列に対
応する多数のエピトープを含有せしめることができ、そ
してこれらのエピトープは、広範囲の種類の抗原又はア
レルゲンに由来する6個のアミノ酸の配列に対応するこ
とができる。ワクチンは少なくとも1個のH−エピトー
プを含有する。このH−エピトープは、同一又は異なる
抗原のH−エピトープでない他のエピトープ、すなわち
抗原又はアレルゲンの最大局所平均親水性値を有する部
位に対応しないエピトープと共存することができる。
この発明の方法は、まだアミノ酸配列が報告されていな
い抗原に由来する合成ワクチンの製造に有用である。当
業者は抗原蛋白質又はアレルゲン蛋白質のアミノ酸配列
の決定方法をよく知っている。従って、H−エピトープ
の決定がこの発明の簡単な課題として残る。
合成ワクチンは任意の蛋白質抗原又はアレルゲンのH−
エピトープを有することができる。次の蛋白質抗原又は
アレルゲンのワクチンが特に注目される。すなわち、B
型肝炎表面抗原,組織適合抗原,インフルエンザ赤血球
凝集素,ニワトリペストウイルス赤血球凝集素,ブタク
サアレルゲンRa3及びRa5、並びに次のウイルス、すなわ
ちワクシニアウイルス,エスプタインバールウイルス,
ポリオウイルス,風疹ウイルス,サイトメガロウイル
ス,痘瘡ウイルス,ヘルペスウイルス,シンプレックス
タイプI及びIIウイルス,黄熱ウイルス,及び他の多く
のものである。
さらに、ワクチンは上記のものに代えて、又はそれに加
えて、次のいずれかの寄生生物の蛋白質のH−エピトー
プを有することができる。すなわち、マラリアを媒介す
る生物〔P.ファルシポルム(Falciporum)、P.オバセ
(Ovace)等〕、シストソミアシス(Schistosomiasi
s)、オンコセルカ・ボルブルス(Onchocerca Volvulu
s)、及び他のフィリアリアル(filialial)寄生生物、
トリパノソームス(Trypanosomes)、ライシュマニア
(Leishmania)、シャガス病(Chagas disease)、アメ
ーバ症、鉤虫、並びにこれらに類するものである。
この発明の方法により次のウイルスのワクチンを調製す
ることができる。すなわち、伝染性エクトロメリアウイ
ルス,手痘ウイルス,単純疱疹ウイルス,伝染性牛鼻気
管炎ウイルス,ウマ鼻肺炎ウイルス(ウマ流産ウイル
ス)、ウシの悪性カタルウイルス,ネコ鼻気管炎ウイル
ス,エプスタインバールウイルス(伝染性単核症及びバ
ーキットリンパ腫),マレック病ウイルス,ヒツジ肺ア
デノーマウイルス〔ジャグチークテ(Jaagziekte)ウイ
ルス〕,サイトメガロウイルス,アデノウイルス群,ヒ
ト乳頭腫ウイルス,ミンク腸炎ウイルス,アフリカウマ
病ウイルス(9の血清型),青舌病ウイルス(12の血清
型),ニジマス類の伝染性膵臓ニーロシスウイルス,ニ
ワトリ肉腫ウイルス(種々の株),内臓性ニワトリ白血
症ウイルス,赤芽球性ニワトリ白血症ウイルス,骨髄芽
球性ニワトリ白血症ウイルス,骨化石症ウイルス,ニュ
ーカッスル病ウイルス,パラインフルエンザウイルス1,
パラインフルエンザウイルス2,パラインフルエンザウイ
ルス3,パラインフルエンザウイルス4,耳下腺炎ウイル
ス,ターキーウイルス,CANADA/58,イヌジステンバーウ
イルス,麻疹ウイルス,呼吸シンシチウムウイルス,ミ
クソウイルス,ヒトインフルエンザウイルスのごときA
型ウイルスであって例えばAo/PR8/34、Al/CAM/46及びA2
/Singapore/1/57、ニワトリペストウイルス,B/Lee/40の
ごときB型ウイルス,狂犬病ウイルス,東洋ウマ脳炎ウ
イルス,ベネズエラウマ脳炎ウイルス,西洋ウマ脳炎ウ
イルス,黄熱ウイルス,デング熱1型ウイルス(6型と
同じ),デング熱2型ウイルス(5型と同じ),デング
熱3型ウイルス,デング熱4型ウイルス,日本脳炎ウイ
ルス,キャサヌールフォレスト(Kysanur Forest)ウイ
ルス,跳躍病ウイルス,マリーバレー(Murray Valle
y)脳炎ウイルス,オムスク(Omsk)出血熱ウイルス
(I及びII型)、セントルイス脳炎ウイルス,ヒトライ
ノウイルス,口蹄疫ウイルス,ポリオウイルス1型,腸
内ウイルスポリオ2型,腸内ウイルスポリオ3型,ニワ
トリ伝染性気管支炎ウイルス,ヒト呼吸器ウイルス,ブ
タ透過性胃腸炎ウイルス,リンパ球脈絡髄膜炎ウイル
ス,ラサウイルス,マクポ(Machupo)ウイルス,ピヒ
ンデ(Pichinde)ウイルス,タカリベ(Tacaribe)ウイ
ルス,乳頭腫ウイルスである。
同様に、合成ワクチンは、植物アレルゲンのごとき任意
の蛋白質アレルゲンのH−エピトープを有することがで
きる。
この発明の核心は、確実にH−エピトープを決定するこ
とにあるから、前に列挙した対象は限定的なものではな
く単なる例示に過ぎない。
先行発明に従って合成ワクチンを製造する場合、エピト
ープが抗体に認識されるための立体配置を有すること、
すなわち前記の6個のアミノ酸の配列が、アミノ酸鎖の
一部分として、その両側に少なくとも3個ずつのアミノ
酸を結合しており、これら3個の隣接アミノ酸がエピト
ープを安定化するための補助アミノ酸として機能し、こ
れによってワクチンが抗体により容易に認識されそして
中和されることを保証することが好ましい。
最も簡単な形態においては、先行発明は選ばれたエピト
ープの合成ペプチド残基を上に配置した生理的に許容さ
れる担体を含んで成る。この合成ペプチド残基は少なく
とも6個のアミノ酸から成る鎖長を有し、(両側の3個
のアミノ酸を考慮して)12個のアミノ酸を有することが
好ましく、そして同一の又は異なる抗原又はアレルゲン
の他のエピトープを含有する無限に長いアミノ酸又はア
ミノ酸成分の鎖を有することができる。このような追加
のエピトープを伴う又は伴わない追加のアミノ酸鎖を含
まない場合、ペプチド残基は一般に50個を超えるアミノ
酸を有することはない。所望のエピトープを含有する短
鎖が好ましい場合には、アミノ酸鎖は40個より多くのア
ミノ酸を有さず、さらに特定的には30個より多くのアミ
ノ酸を有さず、さらに限定すれば20個より多くのアミノ
酸を有しない。ペプチド残基は12〜18アミノ酸のアミノ
酸鎖を有することが好ましく、12〜15個のアミノ酸を有
することがさらに好ましく、特に12個のアミノ酸を有す
るのが好ましい。
発明者の先行出願において、発明者はペプチド残基用の
生理的に許容される担体として、動物性担体,植物性担
体及び鉱物性担体を含む種々の担体を開示している。特
に開示された担体には、ポリアミノ酸片,多糖類,ポリ
アミド,ビニル重合体,エステル重合体,並びに、特に
ヘモグロビン,ヒト血清蛋白質,破傷風毒を含む蛋白質
類が含まれる。
ワクチンの分野において存在する問題の1つは担体に関
する。ワクチンは抗原又はアレルゲンに特異的な抗体の
みの形成を刺激するのが好ましいから、担体は、それ自
体に対する抗体の形成を惹起すべきでない。ワクチンの
担体部分に応答する抗体又は他のなんらかの物質の生成
は、免疫系の挙動を混乱させ、副作用を惹起し、そして
合成抗原又はアレルゲンに対する抗体の形成と競争する
ことがある。従って、分子の担体部分が免疫系に対して
事実上不活性であって、そして担体部分に特異的な抗体
の形成を惹起しないような合成ワクチン用担体を提供す
ることが望まれる。この発明の目的の1つは、ワクチン
が導入される生物に適合し、宿主動物により容易に代謝
され、そして注射部位又は身体の各種の器官に対して併
発症を惹起しない担体中又は担体上に配置された合成ペ
プチド残基を含んで成る合成ワクチンを提供することに
ある。
(発明の要約) この発明により、前記の特許に開示されたタイプのさら
に改良された合成抗原又は合成アレルゲンを提供する。
この合成抗原又は合成アレルゲンにおける担体は、直鎖
又は分枝鎖の、置換された又は置換されていない、そし
て飽和の又は不飽和の、少なくとも12個の炭素原子を有
する炭化水素残基を含んで成る。さらに詳しくは、この
発明の担体は、アルキル基又はアルケニル基の鎖中に少
なくとも12個の炭素原子を有する。このアルキル基又は
アルケニル基は36個以下の炭素原子を有することができ
るが、好ましくはC12〜C24の範囲にあることが好まし
い。これらの炭化水素残基は、脂肪酸成分と合成ペプチ
ドの末端官能機とを比較的一般に使用されている化学的
方法で単に結合することにより確保することができる。
しかしながら、発明者はさらに、脂肪酸のカルボキシル
官能基を使用しないで炭化水素残基上に合成残基を担持
し、これによってカルボニル基による結合を伴わないで
合成ペプチドを炭化水素残基に接触せしめることを考慮
している。
この発明は、次の式(I) (式中、mは0又は1であり;Rは少なくとも12個の炭素
原子を有する置換されている又は置換されていないアル
キル基又はアルケニル基であり;そして、ペプチドは、
蛋白質抗原又は蛋白質アレルゲン中の局所平均親水性値
が最大であると認められるアミノ酸配列に対応する6個
のアミノ酸の配列を含有し、そして該局所親水性値を有
する部位は次の方法、すなわち A.次の第1表に示されるアミノ酸の相対的親水性値の関
係に従って蛋白質抗原又は蛋白質アレルゲンのアミノ酸
に相対的親水性値を割り当て、 B.アミノ酸鎖にそって多数の部位における局所平均親水
性値を反復して決定し、 C.これらの反復して平均値を求めた部位から最大局所平
均親水性値を有する部位を決定する、方法により決定さ
れる、) で示され、宿主動物に導入された場合に、完全な蛋白質
抗原又は蛋白質アレルゲンに対応するアミノ酸配列を有
しなくても防御免疫反応を惹起し、又はアレルゲンに対
する感受性を低下せしめるための抗体形成を刺激する合
成抗原又は合成アレルゲンを含んで成る組成物として、
広く記載することができる。
上記の式(I)においては、合成ペプチドの末端アミノ
基のみを反応可能な状態におき、他のすべてのアミノ基
を保護してカルボン酸と反応しないようにすることによ
り、合成ペプチド成分を炭素原子数12個以上のアルキル
基又はアルケニル基と結合せしめることができる。そし
て、次の反応式に示すごとく、アミノ基の水素原子とカ
ルボキシル基のヒドロキシル基の縮合(脱水)により合
成ペプチドの末端アミノ基とカルボキシル基を有する成
分とを反応せしめる。
この反応によれば、mが1である式(I)の組成物が生
成する。しかしながらさらに、末端アミノ酸と結合する
ためにカルボキシル基又は類似の官能基を使用しない
で、C12〜C36のアルキル基又はアルケニル基に合成ペプ
チドを配置することも考慮される。例えば、次の反応を
考慮することができる。
この場合、式(I)においてmが0である合成ワクチン
が調製される。C12〜C36のアルキル基又はアルケニル基
に合成ペプチドを配置するための、前記の方法に代る種
々の方法が存在する。これらは常に、合成ペプチド成分
の末端アミノ酸を介して合成ペプチドをアルキル成分又
はアルケニル成分に結合せしめる方法である。
この発明のワクチンの製造においてはC12〜C24の脂肪酸
を使用するのが好ましい。特に好ましい脂肪酸にはパル
ミチン酸,ステアリン酸,ベヘン酸及びオレイン酸が含
まれる。
メリフィールド固相合成法は、この発明の担体の結合に
便利な手段を提供するので、この方法は脂肪酸に担持さ
れた合成ペプチドを調製するのに望ましい方法である。
もっとも液相法を使用することも可能である。メリフィ
ールド固相法においては、側鎖の反応性基、例えばアミ
ノ基,ヒドロキシ基,カルボキシ基,イミダゾール基を
保護した状態でアミノ酸を相互に連結する。最後のアミ
ノ酸を結合せしめた後、N−末端の保護を解除し、そし
て前に概略記載したアミノ酸の結合に使用する方法によ
り、脂肪酸もしくは他の適当な大きさの親脂性置換基又
はC12〜C36のアルキル基又はアルケニル基を供する成分
を反応せしめる。この方法は、カルボジイミドを介する
ペプチド(アミド)結合形成、ヒドロキシベンゾトリア
ゾールエステル付加、又は脂肪酸の対称又は非対称無水
物付加である。
これにより、脂肪酸又はこれに類する成分がN−末端に
共有結合したペプチドが生成する。次に、常用の弗化水
素酸処理により樹脂からペプチドを切り離し、そして必
要であれば精製する。
この脂肪酸ペプチド接合体はそれ自体で完全であり、免
疫強化のために追加の担体分子又は支持体を必要としな
い。このものは水性媒体に入れた場合に凝集し、この凝
集体は、血赤球又は大形蛋白質のごとき担体により達成
されるのと同様の強い免疫反応を惹起することができ
る。この発明の担体は血赤球及び大形蛋白質のごとき担
体より適当であると信じられる。後者は、それ自体に向
けられた不所望の免疫反応を惹起する傾向があるからで
ある。すなわち、この発明の担体により、不所望の免疫
反応を惹起することがほとんどなく効果的で、しかも容
易に製造することができるワクチンが提供される。
特に好ましい反応体には、次の式 (式中R1及びR2は独立に、アルキル基又は幾つかの炭素
原子の複数不飽和を包含するアルケニル基を含むアルケ
ニル基を示す)で示される脂肪酸無水物が含まれる。し
かしながら、R1及びR2が対称飽和アルキル基であること
が好ましい。このような脂肪酸無水物はペプチドと比較
的容易に反応する。一般的に、反応は20℃〜30℃の温度
において、2〜4時間で行われる。反応は溶剤の存在下
で行う。特に好ましい溶剤には、塩化メチレン,ジメチ
ルホルムアミド,又はジメチルスルホキシドが含まれ
る。この後、アミド部分を介してC12〜C36のアルキル基
又はアルケニル基と結合したペプチドをメリフィールド
樹脂から切り離し、そして、弗化水素酸,臭化水素酸又
はメタスルホン酸のごとき強酸と接触せしめることによ
り側鎖基から保護基を除去する。
炭素数12個以上のアルキル成分又はアルケニル成分多数
から成る炭素原子数12個以上のアルキル基又はアルケニ
ル基含有担体にペプチドを担持することができる。すな
わち、 次の式(II)、 (式中、R3,R4,R5及びR6は、それぞれ置換されている又
は置換されていない直鎖又は分枝鎖のC12〜C36アルキル
基又はアルケニル基であり;o,p,q及びrは0又は1であ
ってo,p,q及びrの合計がnに等しく;nは2〜4であり;
Xは3〜5個の官能基を有する多官能基であって、その
少なくとも1個が前記末端アミノ基に結合しており、そ
して前記官能基の少なくとも1個はR3,R4,R5又はR6と結
合している)で示される合成抗原又は合成アレルゲンを
挙げることができる。
Xの官能基はカルボニル基及びアミド基を含む。カルボ
ニル基は末端アミノ基との結合に効果的であってこれに
よってアミド基が構成され、他方アミド基は合成ペプチ
ドとC12〜C36アルキル基又はアルケニル基との間の効果
的な連結をなす。
官能基は、通常鎖長が2〜5炭素原子でありそれ自体が
アルキル基又はアルケニル基である主鎖によって分離さ
れていてもよい。すなわち、Xを次の式(III)、 (式中、Aは一端がMに結合しており他端が合成ペプチ
ドの末端アミノ基に結合している二官能基であり;Mは炭
素原子数2〜5個のアルキレン基又はアルケニレン基で
あり;B,C,D及びEはそれぞれ、一端がMに結合してお
り、そして他端がC12〜C36のアルキル基又はアルケニル
基に結合している二官能基であり;そしてb,c,d及びe
はそれぞれ1又は0であって、b,c,d及びeの合計は2
〜4である) で示すことができる。
特に、このような構造は多数のアミノ基を有するアミノ
酸により得られる。これらのアミノ基はC12〜C36アルキ
ル基又はアルケニル基の1つと反応することができる。
合成ペプチドの側鎖反応基を、例えば前記の保護剤によ
り保護する。合成ペプチドの末端アミノ基を多官能基又
はアミノ酸と反応せしめる。これによりペプチドは、C
12〜C36アルキル基又はアルケニル基と結合することが
できる2個以上の活性部位を有するブリッジと結合す
る。この後、ペプチド−ブリッジ中間体をC12〜C36のア
ルキル基又はアルケニル基と反応せしめる。
上記の具体例は、側鎖アミノ基と末端アミノ基を有する
アミノ酸によって記載することができる。
2個のアミノ基-NH2がC12〜C36アルキル基又はアルケニ
ル基と反応し得る状態で残る。通常、中間体の調製にお
いては、ペプチドの末端アミノ基を、アミノ基がペプチ
ドの側鎖の保護基よりも容易に脱離する官能基によって
保護されているアミノ酸と反応せしめる。このような保
護基であると同時に反応性基である基には、ter−ブト
キシカルボニル基,トリフルオロアセチル基及びフルオ
レニルメチルオキシカルボニル基が含まれる。このよう
な多数のアルキル基担体又はアルケニル基担体を含有す
る合成抗体又は合成アレルゲンの製造方法を、側鎖が保
護されている合成ペプチドに関して以下に示す。
もちろん、混合無水物は適当な反応体であるからRは同
一でもよく、又異なっていてもよい。
上記の反応式により、リジンがそれぞれの官能基を連結
したことが理解できる。本質上官能基間の任意の連結を
使用することができる。もっとも合成ペプチドに対する
抗体を形成するのが目的であるから、ワクチンに毒性を
与え、又は連結基に特異的な抗体の形成を刺激しもしく
は惹起するような連結基の存在を最少にするのが好まし
い。このような連結基としては、カルキレン基又はアル
ケニレン基、すなわちアルカン又はアルケンの二官能残
基又は基が好ましい。これらのアルキレン基又はアルケ
ニレン基は直鎖又は分枝鎖であってよく、そして2〜6
個の炭素原子を有することができる。
(具体的な態様の記載) H−エピトープを構成する6個のアミノ酸の配列を決定
するために、前に表に示した値よりもさらに特定された
値を蛋白質抗原又は蛋白質アレルゲン中のアミノ酸に割
り当てることが望ましい。このため次の第2表に最大局
所平均親水性値を供する6個のアミノ酸を決定するため
に割り当てるべき広い範囲、好ましい範囲、及び最も好
ましい範囲を示す。
これらの値は相対的なものである。これらの値に一定の
係数を乗ずることによって同様の結果をもたらす異なる
一組の値を得ることができる。重要な概念は、それぞれ
のアミノ酸が上表に示した相対的な関連を有するという
ことである。このような任意の値は、長鎖蛋白質分子中
の最大親水性を示す部分を決定するための便宜的手段を
得るために完成されたものである。この値が決定されれ
ば、親水性ピークに寄与する6個のアミノ酸は容易に決
定することができる。
この発明の方法は、なんら関連のない多くの抗原につい
て最大親水性部位を構成する6個のアミノ酸の配列を決
定するのに使用することができる。
特に、H−エピトープを決定する6個のアミノ酸の配列
を決定するためにB型肝炎表面抗原について研究を行っ
た。この抗原のアミノ酸配列は次の通りであった。
Lys−Pro−Thr−Asp−Gly−Asn(これらはB型肝炎表面
抗原の141〜146アミノ酸に対応する)。同様にヒト組織
適合抗原HLA−B7のH−エピトープを決定するアミノ酸
配合はPro−Arg−Glu−Glu−Pro−Arg(蛋白質の43〜48
アミノ酸に対応する)であった。
同様に、インフルエンザ赤血球凝集抗原(X31株)のH
−エピトープを決定するアミノ酸配列はVal−Glu−Arg
−Ser−Lys−Ala(蛋白質の105〜110アミノ酸に対応す
る)である。
インフルエンザ赤血球凝集抗原(A/memphis/102/72株)
のH−エピトープ:Lys−Arg−Gly−Pro−Asp−Ser:蛋白
質の140〜145アミノ酸に対応。
他の2株インフルエンザ赤血球凝集抗原(A/Eng/878/6
9、及びA/NT/60/68/29c)のH−エピトープはA/memphis
/102/72のH−エピトープと同じである。
インフルエンザA/PR/8/34株のノイラミニダーゼ蛋白質
のH−エピトープはArg−Gly−Arg−Pro−Lys−Glu−Ly
sであり、蛋白質の413〜419アミノ酸に対応する。この
エピトープは2つの隣接しそして重複した同じ親水性値
を有するH−エピトープから成るため7個のアミノ酸を
含有する。すでに記載されている日本株の赤血球凝集素
の場合と同様である。
ジフテリア毒フラグメントAのH−エピトープ:Glu−Th
r−Arg−Gly−Lys−Arg:蛋白質の168〜173アミノ酸に対
応。
トリ肉腫ウイルスgp37蛋白質のH−エピトープ:Leu−Ar
g−Glu−Ile−Glu−Arg−Leu:蛋白質の37〜43アミノ酸
に対応(この場合も2個の隣接し重複したH−エピトー
プのため7個のアミノ酸の配列となっている)。
トリ肉腫ウイルスsrc gene蛋白質のH−エピトープ:Lys
−Ser−Lys−Pro−Lys−Asp:蛋白質の5〜10アミノ酸に
対応。
アデノウイルス2型株のE3/16蛋白質(外部蛋白質)の
H−エピトープ:Lys−Asp−Lys−Ile−Gly−Lys:蛋白質
の40〜45アミノ酸に対応。
シミアン(Simian)ウイルス40VPI蛋白質のH−エピト
ープ:Asp−Asp−Ser−Pro−Asp−Lys−Glu:蛋白質の77
〜83アミノ酸に対応(2個の隣接し重複したH−エピト
ープ)。
アデノウイルス2型の繊維蛋白質の知られている配列
(N−末端の80%)のH−エピトープ:Asn−Lys−Asn−
Asp−Asp−Lys:蛋白質の393〜398アミノ酸に対応。
シンドビス(Sindbis)ウイルス膜糖蛋白質E1のH−エ
ピトープ:Ser−Asp−Arg−Glu−Gly−Gln:322〜327アミ
ノ酸に対応。
シンドビスウイルス膜糖蛋白質E2のH−エピトープ:Asp
−Glu−Ala−Asp−Asp−Asn:36〜41アミノ酸に対応。
シンドビスウイルス膜糖蛋白質E3のH−エピトープ:Thr
−Arg−Glu−Pro−Ser−Arg:27〜32アミノ酸に対応。
口蹄疫ウイルスキャプシド蛋白質VP1のH−エピトープ:
Arg−Met−Lys−Arg−Ala−Glu:179〜184アミノ酸に対
応。
インフルエンザ赤血球凝集抗原(日本株)には同一の親
水性値を有するH−エピトープを決定する2種のアミノ
酸配列が存在する。これらは、Glu−Lys−Glu−Asn−Pr
o−Arg(96〜101アミノ酸に対応)とLys−Glu−Asn−Pr
o−Arg−Asp(97〜102アミノ酸に対応)とである。同様
にインフルエンザ赤血球凝集抗原(ビクトリアA株)の
H−エピトープを決定するアミノ酸配列はAsn−Asp−As
n−Ser−Asp−Lys(188〜193アミノ酸に対応)である。
同様に、ニワトリペストウイルス赤血球凝集抗原の同じ
値の局所平均親水性値のH−エピトープを決定するアミ
ノ酸配列が2種類存在する。これらは、Glu−Arg−Arg
−Glu−Gly−Asn(97〜102アミノ酸に対応)とArg−Arg
−Glu−Gly−Asn−Asp(98〜103アミノ酸に対応)とで
ある。
ヒト絨毛性ゴナドトロピンBサブユニット抗原のH−エ
ピトープ決定アミノ酸配列:Arg−Arg−Ser−Thr−Thr−
Asp:94〜99アミノ酸。
ヒトβ−2ミクログロブリン抗原のH−エピトープ決定
アミノ酸配列:Pro−Thr−Glu−Lys−Asp−Glu:73〜78ア
ミノ酸に対応。
ヒトミエリン塩基性蛋白質抗原のH−エピトープ決定ア
ミノ酸配列:Gly−Arg−Asp−Ser−Arg−Ser:159〜164ア
ミノ酸に対応。
コレラ毒B−鎖抗原のH−エピトープ決定アミノ酸配
列:Glu−Ala−Lys−Val−Glu−Lys:79〜84アミノ酸配列
に対応。
他のB型肝炎表面抗原について、そのH−エピトープを
決定する6個のアミノ酸の配列を決定するための研究を
行った。この配列はLys−Pro−Ser−Asp−Gly−Asnであ
り141〜146アミノ酸に対応する。
E.コリ(Coli)熱感受性毒のH−エピトープ決定アミノ
酸配列:Glu−Arg−Met−Lys−Asp:66〜71アミノ酸に対
応。
E.コリの熱安定性素のH−エピトープ決定アミノ酸配列
は2種存在し、Asp−Ser−Ser−Lys−Glu−Lys及びSer
−Lys−Lys−Ser−Gluであり、それぞれ26〜31アミノ酸
及び46〜51アミノ酸に対応する。
ブタクサアレルゲンRa3のH−エピトープのアミノ酸配
列:Cys−Thr−Lys−Asp−Gln−Lys:88〜93アミノ酸に対
応。
ブタクサアレルゲンRa5のH−エピトープのアミノ酸配
列:Ser−Lys−Lys−Cys−Gly−Lys:40〜45アミノ酸配に
対応。
ストレプトコッカスM蛋白質(菌株24)は同じ値のH−
エピトープを2個有し、これらのアミノ酸配列はArg−L
ys−Ala−Asp−Leu−Glu及びLys−Ala−Asp−Leu−Glu
−Lysであり、それぞれ58〜63アミノ酸及び59〜64アミ
ノ酸に対応する。
トリパノソマ・ブルセイ(Trypanosoma brucei)変異株
表面糖蛋白質117のH−エピトープのアミノ酸配列:Lys
−Ala−Lys−Glu−Lys−Gly:50〜55アミノ酸。
この発明のワクチンを製造する場合には、H−エピトー
プを決定する6個のアミノ酸の配列の両側に少なくとも
3個ずつのアミノ酸を結合するのが好ましい。これら3
個ずつのアミノ酸は、天然蛋白質に存在するのと同じア
ミノ酸の同じ配列であってもよい。しかしながら他の酸
を使用することもできる。例えば、B型肝炎ウイルスワ
クチンにおいては、アミノ酸配列を、Aba−Aba−Thr−L
ys−Pro−Thr−Asp−Gly−Asn−Aba−Thr−Aba(Cys残
基をAbaに置き替えてある)とすることができる。
合成ワクチンは次のようにして製造する。
(1)化学合成 カルボキシ末端アミノ酸からアミノ末端アミノ酸に向け
てL−アミノ酸の適当な配列を形成し、そしてこのアミ
ノ酸配列のN末端に脂肪酸を加えるためにメリフィール
ド固相法を使用する。樹脂のクロロメチル基,ベンズヒ
ドリルアミン基又は他の反応性基への化学結合を介して
ポリスチレン樹脂(又は他の適当な樹脂)に結合してい
る適当なカルボキシ末端アミノ酸から出発して、次の方
法により1個ずつアミノ酸を結合していく。
(a)ペプチド化樹脂を塩化メチレンで洗浄する。
(b)塩化メチレン中ジイソプロピルエチルアミン(又
は他のヒンダード塩基)の5(V/V)%と共に室温にて1
0分間混合することにより中和する。
(c)塩化メチレンで洗浄する。
(d)合成中のペプチドのモル数の6倍量のアミノ酸又
は脂肪酸をその半分のモル量カルボジイミド(例えば、
ジシクロヘキシルカルボジイミド又はジイソプロピルカ
ルボジイミド)と、0℃にて10分間結合せしめることに
よりアミノ酸又は脂肪酸の対称無水物を生成せしめる。
使用するアミノ酸は、最初に、側鎖がベンジルエステル
(アスパラギン酸及びグルタミン酸)、ベンジルエーテ
ル(セリン,スレオニン,システイン,チロシン)、ベ
ンジルオキシカルボニル基(リジン)又はペプチド合成
において常用されている他の保護基により保護されてい
るN−α−ブチル−オキシカルボニル誘導体として使用
する。脂肪酸は保護基を必要としない。
(e)活性化されたアミノ酸又は脂肪酸を、室温にて2
時間にわたりペプチド化樹脂と反応せしめることにより
合成中のペプチド鎖に新たなアミノ酸又は脂肪酸を加え
る。
(f)樹脂を塩化メチレンで洗浄する。
(g)室温にて30分間、塩化メチレン中30(V/V)%ト
リフルオロ酢酸と反応せしめることにより最も新しく加
えたアミノ酸からN−α−ブチルオキシカルボニル基を
除去する。
(h)樹脂を塩化メチレンで洗浄する。
(i)所定のペプチド配列が構成されるまで(h)まで
の段階を繰り返えす。脂肪酸は最後に加える。次に、10
(V/V)%のアニソールを含有する無水弗化水素酸と反
応せしめることにより、樹脂からペプチドを切り離し、
これと同時に側鎖保護基を除去する。次に、ゲル過
法,イオン交換法もしくは高圧液体クロマトグラフィ
ー、又は他の適当な方法によりペプチドを精製する。
ある場合には、固相樹脂を使用しないで化学合成を行う
ことができ、この場合には反応はすべて溶液中で行う。
反応と最終生成物は本質上同じである。
この発明の合成ワクチンは親脂性を有するため、フロイ
ンドアジュバント(完全又は不完全)のごとき油性アジ
ュバントを含有する組成物中、又は脂質顆粒中に容易に
導入することができる。ワクチンは、その親脂性のため
にアジュバント中に長時間保留される。この長時間の保
留によって所望の免疫反応が促進される。
ペプチドの担体として2個の脂肪酸又はこれに類する成
分を使用しようとする場合には、合成ワクチンを次の方
法により製造するのが好ましい。他端がまだメリフィー
ルド樹脂上にあるペプチドのN−末端を、リジン成分、
又はジアミノアルキレン部分又はジアミノアルケニレン
部分を有する他の適当な連結ブリッジに結合せしめる。
2個のアミノ基を含有するリジンは、例えば、前記のよ
うに反応体としてビス−tert−ブチルオキシカルボニル
化リジンを使用することによりペプチドのN−末端に結
合せしめる。保護基を除去した後、α−及びε−アミノ
基の両者を脂肪酸と結合せしめることができる。このよ
うな処理により脂肪酸二置換リジルペプチドが得られ、
次にこのペプチドを弗化水素酸を用いて樹脂から切り離
す。この誘導体はフロインドアジュバント又は脂質顆粒
により長時間保持することができ、そしてさらに安定な
自己凝集体を得ることができる。
ペプチドのC−末端に1個(又はそれより多くの)脂肪
酸を結合せしめるため、上記の方法の簡単な変法を用い
ることができる。リジン残基を、合成の最初の段階でメ
リフィールド樹脂に結合せしめる。このリジンを異る方
法で、例えばα−tert−ブトキシカルボニル−ε−9−
フルオルエニルメチルオキシカルボニル誘導体として、
保護し、次に25℃にて30分間、ピペリジン/塩化メチレ
ン(1:1)で処理することによりε−アミノ保護基を除
去する。次に脂肪酸又は他の親脂性物質を、ペプチドの
N−末端に脂肪酸を結合せしめる場合に使用するのと同
じ方法によって結合せしめる。この後、常用の酸処理に
よりα−tert−ブチルオキシカルボニル基を除去し、そ
して常法に従ってペプチド合成を完結する。2個又はそ
れより多くのα−tert−ブチルオキシカルボニル−ε−
9−フルオルエニルメチルオキシカルボニルリジンを次
々と上記のようにして使用すれば、多数の脂肪酸により
置換された複数のリジンをC−末端に有する生成物が得
られる。
上記の方法により、ペプチドのN−末端、ペプチドのC
−末端、又はペプチドの両末端に同時に1個又は複数個
の脂肪酸を有する抗原性ペプチド−脂肪酸接合体を調製
することができる。上記の例においてはリジンを使用し
たが、オルニチン、又はα−,γ−ジアミノ酪酸のごと
きアミノ酸を含む任意のジアミノ酸を使用することがで
きる。
この発明及びその実施方法をさらに詳細に説明するため
に、次の例を記載する。
例1. B型肝炎抗原グリシルペプチド(H−ペプチド)へのパ
ルミチル成分の結合。
3部のトリフルオロ酢酸と7部の塩化メチレンから成る
最初の酸溶液を調製した。又、5部のジイソプロピルエ
チルアミンと95部の塩化メチレンから成る塩基溶液を調
製した。出発材料としてマリフィールド樹脂を使用し
た。具体的には、樹脂1g当り0.33mモルのグリシンを含
有する市販のtert−ブチルオキシカルボニル化グリシル
樹脂を使用した。
グリシルH−ペプチド樹脂。典型的なメリフィールド法
により1gのブチルオキシカルボニル化グリシル樹脂上に
H−ペプチドを結合せしめた。この構造は、Gly−Gly−
Gly−Aba−Aba−Thr−Lys−Pro−Thr−Asp−Gly−Asn−
Aba−Thr−Aba−Gly−樹脂であり、アミノ酸側鎖は、Th
r:ベンジルエーテル、Lys:カルボベンゾキシアミド、及
びAsp:ベンジルエステルで保護されている。
この合成において、Gly−Gly−Gly配列はパルミチル部
分とペプチドの残余部を分離するためのスペーサーとし
て機能するように加えた。パルミチン酸は次のようにし
てN−末端グリシル残基に結合せしめた。
(1)マリフィールド法におけるように、酸溶液で30分
間(25℃)処理することによりN−末端tert−ブチルオ
キシカルボニル基を除去した。
(2)マニフィールド法の場合のように塩基溶液で10分
間(25℃)処理することにより新しく露出したα−アミ
ノ基を、中和した。
(3)3当量(1mモル)の無水パルミチン酸を15mlの塩
化メチレンに溶解し、そしてペプチド化樹脂と反応せし
めた。2時間後(25℃)にカイゼルニンヒドリン試験陰
性となり反応が完結した。
(4)0℃にて15分間弗化水素酸/アニソール(9/1)
で処理することにより、パルミチルH−ペプチドを樹脂
から切り離し、そしてすべての保護基を除去した。氷酢
酸,酢酸/水(50:50)、及び水の順で次々と樹脂を洗
浄することにより樹脂粒からパルミチルH−ペプチドを
抽出した。この洗液を集め、そして凍結乾燥した。
(5)MeCl2により抽出して痕跡量のアニソール及び脂
質汚染物を除去することにより粗生成物を精製した。
(6)生成物を氷酢酸中に溶解し、次に9部の水で希釈
した。但し、前記の氷酢酸の代りにジメチルスルホキシ
ドを使用するのも好ましい。こうして、ペプチドの微粒
乳濁液が直接形成される。このことは溶液が乳光色を呈
することにより観察される。これを凍結乾燥し、そして
燐酸緩衝化した免疫用塩水に懸濁する。
例2. B型肝炎抗原性リジルペプチド(H−ペプチド)への2
個のパルミチル成分の結合。
リジルH−ペプチド樹脂。このペプチドをメリフィール
ド法により1gのtert−ブチルオキシカルボニル化グリシ
ル樹脂に結合せしめた。この構造は、Lys−Gly−Gly−A
ba−Aba−Thr−Lys−Pro−Thr−Asp−Gly−Asn−Aba−T
hr−Aba−Gly−樹脂であり、アミノ酸側鎖は、Thr:ベン
ジルエーテル、N−末端Lys α及びε位:tert−ブチル
オキシカルボニル、中央のLys ε位:カルボベンゾキシ
アミド、及びAsp:ベンジルエステルで保護されている。
次のようにしてN−末端リジル残基のα−及びε−アミ
ノ基にパルミチン酸を結合せしめた。
(1)メリフィールド法におけるごとく、酸溶液を用い
て30分間(25℃)処理することによりN−末端tert−ブ
チルオキシカルボニル基及びε tert−ブチルオキシカ
ルボニル基を除去した。
(2)塩基溶液により10分間(25℃)処理することによ
り新たに露出したα及びεアミノ基を中和した。
(3)3当量(1mモル)の無水パルミチン酸を15mlのMe
Cl2に溶解し、そしてペプチド化樹脂と反応せしめた。
カイゼルニンヒドリン試験による測定の結果反応が約80
%完結した2時間後に反応を停止した。そして同一条件
下での第2の結合を行った。この結合の後ニンヒドリン
試験は陰性となり、N−末端リジル残基のα及びεアミ
ノ基の両方にパルミチン酸が結合したことが示された。
(4)生成物を樹脂から切り離し、そして例における段
階4ないし6と同様にして精製した。
家兎を用いた予備免疫試験の結果を第3表に示す。これ
らの結果は、上記の接合体は、アジュバントが存在する
場合に最も高い力価を示すが、アジュバント使用の有無
にかかわらず、抗−HbsAg反応を惹起することを示して
いる。
第1日と第23日に免疫を行った。家兎No.657〜659には
燐酸緩衝化塩水0.5mlに0.5mlのフロインド完成アジュバ
ントを乳化したものを用い、No.661及び662にはアジュ
バントを含まない燐酸緩衝化塩水1mlを使用した。それ
ぞれの薬剤には第1日目には0.05mgのジパルミチルH−
ペプチドを含有せしめ、第23日目には0.2mgを含有せし
めた。力価はAusab試験(アボットラボラトリーズ)に
より測定した。10.0を越える力価はいずれもB型肝炎に
対する免疫を示すものと考えられる。
(発明の効果) 上記のデータは、アルキル基又はアルケニル基担体を含
有するこの発明の合成ワクチンを宿主動物に投与した場
合、試験動物の抗体価が劇的に上昇することを示してい
る。
この発明の方法により、完全な蛋白質抗原又は蛋白質ア
レルゲンのアミノ酸配列を欠くことを特徴とするワクチ
ンが実現する。例えば、B型肝炎ワクチンの場合、B型
肝炎表面抗原蛋白質の他のアミノ酸配列又はウイルス中
に存在する他の蛋白質のアミノ酸配列を含有しない。生
物的に生成した成分、活性又は不活性のウイルス成分,
抗体,デオキシリボ核酸(DNA)、脂質のいずれも含ま
ず、従って、他のワクチンに共通に見られるような不所
望の副作用(意図しないウイルスの感染,アレルギー反
応,発熱等)を実質上惹起しないであろうワクチンを合
成することができる。
合成ワクチンは宿主動物に導入した場合に非常に高い特
異性を有し、そして通常でない特別な反応を示す。天然
材料から調製され、そして宿主動物に導入されたワクチ
ンは通常、該ワクチン中に含まれる複数の抗原に存在す
る個々のエピトープに特異的な複数の抗体を形成するこ
とにより免疫反応を惹起するが、この発明のワクチンを
宿主に導入した場合単一特異性を有する、すなわちワク
チン上の1個の抗原部位に特異的な抗体が形成される。
すなわち、この発明のワクチンは、単一特異性抗体を含
有する免疫グロブリンを形成するのに使用することがで
きる。これらの単一特異性抗体は動物中で形成され、こ
れを、血清試験において、例えば患者から分離した病原
体の株型を同定するために使用される診断用免疫グロブ
リン源として使用することができる。
ワクチンの製造において、生理的に許容される媒体中の
ワクチンの濃度は、それに含まれるH−エピトープの数
とタイプに依存して変えることができる。一般に、この
発明のワクチンの活性成分は、既知のワクチン中の活性
物質の濃度より、低濃度で存在せしめることができる。
これは、既知のワクチンにおいては、所望の免疫反応を
惹起せしめるために必要な数の抗原決定基を存在せしめ
るために高い濃度が必要なためである。もちろん、ワク
チンの濃度はワクチンごとに異る。一般にこの濃度は、
適当な免疫を行うために1投与当り5〜100μg、好ま
しくは20〜50μgとする。特に、1投与当り0.01〜10
0、さらに0.01〜10μgで投与することも考えられる。
ワクチンは、受身赤血球凝集のごとき試験で測定する場
合、少なくとも1:100の抗体価を供する能力を有するで
あろう。例えば肝炎Bsのワクチンは、推奨される計画に
従って標準ワクチンを2回投与して免疫した4匹以上の
チンパンジーにおける受身赤血球凝集(凍結した抗血清
対照に基いて標準化したもの)により測定する場合、1:
100以上のHBs抗体価を有する。抗−HBsは、チンパンジ
ーに免疫した後1年以上にわたり1:10より大きな力価を
保持する。ワクチンの濃度は、所望の効果に依存して変
えることができる。
ワクチンは皮下注射又は筋肉内注射により投与すること
ができる。好ましい投与方法はワクチンの特性によって
異るが、一般に筋肉内注射が適当であると信じられてい
る。投与の頻度はワクチン,エピトープの性質及びタイ
プ、並びに活性成分の濃度に依存して異なる。一般に、
1箇月の間隔をおいて2回投与し、予備免疫の後6箇月
〜1年後に追加投与する。もちろん投与量は投与される
宿主動物の大きさに依存する。後の投与すなわち追加投
与は最初の免疫の結果としての血中の抗体レベルに依存
する。ワクチン製造に常用されているアジュバントを使
用することができる。
ここで特に検討している肝炎ワクチンの場合、このワク
チンはB型肝炎に感染する危険のあるすべての人、特に
血液透析機の取扱者及び患者、病院職員、熱帯地方に住
んでいる者又は熱帯地方旅行者のごとき感染の危険が高
い人に推奨される。熱帯地方に住む人、特にB型肝炎の
発生が多いと認められているアフリカ、アジア、地中海
地方,及び南アフリカに住む人の場合、これらの地方に
おいて5歳までに生ずる傾向がある慢性保菌状態感染の
獲得を防止するために人生の十分に早い時期にワクチン
を投与すべきである。事実、ワクチンは予備免疫の結果
としてB型肝炎感染に対してまだ保護されていないすべ
ての人に有用である。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ペプチド残基及び1又は複数のアルキル又
    はアルケニル脂肪酸基を有する合成抗原であって、 (a)前記ペプチド残基はN−末端アミノ基及びC−末
    端カルボキシル基を有し、該ペプチド残基は6個以上の
    アミノ酸から成る天然配列を含みそしてエピトープを含
    有しており; (b)前記1又は複数のアルキル又はアルケニル脂肪酸
    基は12ケ以上の炭素原子を有し、そして (i)該脂肪酸基が前記ペプチド残基のN−末端アミノ
    基に連結されており;あるいは、 (ii)該脂肪酸基の1又は複数が、前記ペプチド残基の
    N−末端アミノ基に結合した多官能基の1又は複数の官
    能基に連結されており;あるいは、 (iii)該脂肪酸基の1又は複数が、前記ペプチド残基
    のC−末端カルボキシル基に結合した多官能基の1又は
    複数の官能基に連結されており;あるいは (iv)前記脂肪酸基の1つが前記ペプチド残基のN−末
    端アミノ基に連結されており、そして前記脂肪酸基の1
    又は複数が、前記ペプチド残基のC−末端カルボキシル
    基に結合した多官能基の1又は複数の官能基に連結され
    ており;あるいは (v)前記脂肪酸基の1又は複数が、前記ペプチド残基
    のN−末端アミノ基に結合した多官能基の1又は複数の
    官能基に連結されており、そして前記脂肪酸基の1又は
    複数が、前記ペプチド残基のC−末端カルボキシル基に
    結合した多官能基の1又は複数の官能基に連結されてい
    る; ことを特徴とする合成抗原。
  2. 【請求項2】次の式(I): (式中、ペプチドはアミノ酸の配列を含んで成り末端ア
    ミノ基を含まない残基であり: は末端アミノ基であり、mは1であり、そしてRは炭素
    原子12個以上の置換された又は非置換のアルキル又はア
    ルケニル基である) で表わされる特許請求の範囲第1項に記載の合成抗原。
  3. 【請求項3】Rが炭素原子数36個以下のアルキル又はア
    ルケニル基である特許請求の範囲第2項に記載の合成抗
    原。
  4. 【請求項4】Rが炭素原子数18個以下のアルキル又はア
    ルケニル基である特許請求の範囲第3項に記載の合成抗
    原。
  5. 【請求項5】次の式: (式中、ペプチドはアミノ酸配列を含んで成り末端アミ
    ノ基を含まない残基であり、 は末端アミノ基であり、R3及びR4はそれぞれ直鎖又は分
    岐鎖の置換された又は非置換のC12〜C36アルキル又はア
    ルケニル脂肪酸であり、o及びpはそれぞれ0,1又は2
    であってoとpの合計が1又は2であり、Xはリジン、
    オルニチン、及びα,γ−ジアミノ酪酸から成る群から
    選択された多官能基である) で表わされる特許請求の範囲第1項に記載の合成抗原。
  6. 【請求項6】少なくとも1個の更なる脂肪酸基が前記残
    基の側鎖反応性アミノ基に結合している、特許請求の範
    囲第2項に記載の合成抗原。
  7. 【請求項7】更なる脂肪酸が、ペプチド部分のC−末端
    にあるジアミノ酸残基の側鎖アミノ基に共有結合してい
    る、特許請求の範囲第2項に記載の合成抗原。
  8. 【請求項8】1又は複数の更なる脂肪酸がペプチド部分
    のC−末端にある複数のジアミノ酸残基の側鎖アミノ基
    に共有結合している、特許請求の範囲第2項に記載の合
    成抗原。
  9. 【請求項9】少なくとも1個の更なる脂肪酸基が前記残
    基の側鎖反応性アミノ基に結合している、特許請求の範
    囲第5項に記載の合成抗原。
  10. 【請求項10】更なる脂肪酸が、ペプチド部分のC−末
    端にあるジアミノ酸残基の側鎖アミノ基に共有結合して
    いる、特許請求の範囲第5項に記載の合成抗原。
  11. 【請求項11】1又は複数の更なる脂肪酸がペプチド部
    分のC−末端にある複数のジアミノ酸残基の側鎖アミノ
    基に共有結合している、特許請求の範囲第5項に記載の
    合成抗原。
  12. 【請求項12】ペプチド残基及び1又は複数のアルキル
    又はアルケニル脂肪酸基を有する合成抗原であって、 (a)前記ペプチド残基はN−末端アミノ基及びC−末
    端カルボキシル基を有し、該ペプチド残基は6個以上の
    アミノ酸から成る天然配列を含みそしてエピトープを含
    有しており; (b)前記1又は複数のアルキル又はアルケニル脂肪酸
    基は12ケ以上の炭素原子を有し、そして (i)該脂肪酸基が前記ペプチド残基のN−末端アミノ
    基に連結されており;あるいは、 (ii)該脂肪酸基の1又は複数が、前記ペプチド残基の
    N−末端アミノ基に結合した多官能基の1又は複数の官
    能基に連結されており;あるいは、 (iii)該脂肪酸基の1又は複数が、前記ペプチド残基
    のC−末端カルボキシル基に結合した多官能基の1又は
    複数の官能基に連結されており;あるいは (iv)前記脂肪酸基の1つが前記ペプチド残基のN−末
    端アミノ基に連結されており、そして前記脂肪酸基の1
    又は複数が、前記ペプチド残基のC−末端カルボキシル
    基に結合した多官能基の1又は複数の官能基に連結され
    ており;あるいは (v)前記脂肪酸基の1又は複数が、前記ペプチド残基
    のN−末端アミノ基に結合した多官能基の1又は複数の
    官能基に連結されており、そして前記脂肪酸基の1又は
    複数が、前記ペプチド残基のC−末端カルボキシル基に
    結合した多官能基の1又は複数の官能基に連結されてい
    る; 合成抗原の製造方法であって、 (a)合成ペプチド残基上のキャリヤーへの結合のため
    に望ましいアミノ基以外のすべてのアミノ基をブロック
    して、これらのアミノ基が脂肪酸と反応しないように
    し;そして (b)このブロックされた合成ペプチド残基を、カルボ
    ン酸基を有する部分を含む前記キャリヤーと縮合せし
    め、前記ペプチドとカルボン酸との間の連結を行う;こ
    とを特徴とする方法。
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