JPH07115866B2 - H▲上+▼型ゼオライトの製造法 - Google Patents

H▲上+▼型ゼオライトの製造法

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JPH07115866B2
JPH07115866B2 JP30010586A JP30010586A JPH07115866B2 JP H07115866 B2 JPH07115866 B2 JP H07115866B2 JP 30010586 A JP30010586 A JP 30010586A JP 30010586 A JP30010586 A JP 30010586A JP H07115866 B2 JPH07115866 B2 JP H07115866B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、化学、石油精製などの産業分野において触媒
等として有用なH+型ゼオライト、特に高シリカのH+型ゼ
オライトの製造方法に関するものである。
(従来の技術) 公知の有機化合物をテンプレートとする合成ゼオライト
として、ZSM−5(特公昭46−10064号)、ZSM−11(特
公昭53−23280号)、ZSM−12(特公昭52−16079号)、Z
SM−35(特開昭53−144500号)等が知られており、その
合成法としては、テトラアルキルアンモニウム塩等の有
機カチオン共存下で水熱合成される。さらには、低級ア
ルコール(特開昭52−43800号)、低級アルキル尿素、
低級アルキルチオ尿素(特開昭61−68319号)等の有機
化合物の共存下で実施する方法も開示されている。
これらの合成法による水熱合成後のゼオライト中には、
当該有機化合物を含有すると共に、原料中のNa等のアル
カリ金属を含有する型となつている。したがって、酸型
触媒として使用する場合には、一部または全ての有機化
合物を除去すると共に、一部または全ての酸点をH+型等
に変える必要がある。従来は水熱合成した段階のゼオラ
イトを水洗後、400〜650℃、特に550℃以上で焼成して
有機化合物を除去し、さらに、塩化アンモニア等でNa等
のアルカリ金属をイオン交換してNH4 +型とした後、再び
焼成によりNH3を除去することによりH+型としているの
が通常である。
これに対し、特開昭57−135718号には有機陽イオン含有
ゼオライトから有機種を除く方法として、少なくとも0.
25ボルトの標準酸化電位をもつ化合物の溶液と38℃以下
の温度で接触させる方法が開示されている。この特開昭
57−135718号の明細書中には、少なくとも0.25ボルトの
標準酸化電位をもつ化合物の例として、塩素酸塩(ClO3
-)、次亜塩素酸塩(OCl-)、過マンガン酸塩(Mn
O4 -)、重クロム酸塩(Cr2O7 -)、過酸化水素、ペルオ
キシ硫酸塩およびオゾンが記載されているが、実施例は
全てNaOClの例のみであり、得られるゼオライトはNa型
である。これらの処理を受けたNa型ゼオライトは、塩化
アンモニア等でイオン交換されNH4 +型とし、さらに焼成
操作によりH+型ゼオライトを得ている。
(発明が解決しようとする問題点) 有機化合物を用いて公知の方法によりH+型ゼオライトに
する場合は、前述の如く水熱合成後、焼成→イオン交換
→再焼成の操作が必要で、製造プロセスが繁雑であり、
かつ、余計な費用を必要とする問題点がある。また、焼
成の操作により、ゼオライト中の結晶構造が一部崩壊
し、酸点が減少する問題がある。また、有機陽イオンを
除く方法として、0.25ボルトの標準電位をもつ化合物で
処理する方法は、得られるゼオライトがアルカリ金属型
であるため、さらにイオン交換→焼成の操作が必要であ
り、上記の問題点は解決されていない。また、特開昭57
−135718号の実施例の記載によれば、この処理により得
られたゼオライト中には、まだかなりの有機化合物が残
存しており問題である。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、有機化合物をテンプレートに用いて合成
したゼオライトから有機化合物を除き、同時にH+型に転
換する簡便な方法を鋭意研究した結果、本発明を完成す
るに到つた。
すなわち、本発明は、有機化合物をテンプレートに用い
て合成したゼオライトからH+型ゼオライトを製造する方
法において、前記合成されたゼオライトを鉱酸水溶液で
H+型に変換させる条件下に酸化剤と接触させることによ
り、前記有機化合物の除去およびH+型への変換を同時に
行わせることを特徴とするH+型ゼオライトの製造法であ
る。
本発明の方法によれば、水熱合成されたゼオライト中に
含有する有機化合物は、鉱酸水溶液でH+型に変換させる
条件下に酸化剤と接触させることにより、酸化を受け、
鉱酸水溶液中に溶出し、ゼオライト中から除去すること
ができる。また、それと同時に、水熱合成された該ゼオ
ライト中のアルカリ金属は、鉱酸の水素イオンとイオン
交換されH+型ゼオライトとなる。
本発明の方法は、上記のごとく、水熱合成後、一つの操
作でH+型ゼオライトを製造することができる。特に焼成
の操作が必要ない点は便利である。この操作のための炉
がいらなくなるだけでなく、焼成するための前操作であ
る乾燥された固形物として、ゼオライトを取り出す必要
がなくなる。このため、本発明の方法では、ゼオライト
は液相スラリーのままあつかうことができ、過等もス
ラリーのまま取り出すことでき便利である。
一方、本発明の方法により得られるH+型ゼオライト中の
有機化合物の含有量は極めて小さい。このことは製造さ
れたH+型ゼオライト中の炭素もしくは窒素成分の元素分
析結果より分る。この有機化合物の含有量が小さいこと
は、製造されたH+型ゼオライトの酸性度が大きい原因の
一つである。このように本発明の方法により得られるH+
型ゼオライト中の有機化合物の含量が小さい原因は、本
発明の方法である鉱酸水溶液でH+型に変換させる条件下
に酸化剤を接触させることにある。水熱合成されたNa等
のアルカリ金属を含有するゼオライトを鉱酸の水素イオ
ンにてイオン交換する条件、すなわち、酸性の条件下で
は、使用する酸化剤のテンプレートに用いた有機化合物
に対する酸化能力が増大し、酸化除去が容易となると同
時に、鉱酸水溶液自身がその除去を容易にしている。ま
た、これら使用する酸化剤は、この条件下において、そ
れ自身による分解が著しく抑制され、したがつて、上記
の効果と合せ、使用する酸化剤の酸化除去効率が著しく
向上する。
本発明の方法により得られるH+型ゼオライトは、その単
位重量当りの酸点の数、すなわち、酸性度が他の方法で
得られるものと比べ著しく大きい。その原因は定かでは
ないが、次のごとく考えられる。本発明の方法ではゼオ
ライトが焼成のため、高温下におかれることがなく、し
たがつて、ゼオライトの結晶、崩壊等による酸点の減少
が見られないことや、得られたゼオライト中の有機化合
物が少なく、この有機化合物による酸点の減少が見られ
ないことである。また、このような酸性の条件下、ゼオ
ライトが酸化剤との接触により、新たな酸点がゼオライ
ト上に形成されることも考えられる。
このような本発明の効果は、本発明の方法、すなわち、
水熱合成されたゼオライトを鉱酸水溶液でH+型に変換さ
せる条件下に酸化剤と接触させることにより、始めて見
いだされるものである。水熱合成されたゼオライトをア
ルカリ性もしくは中性で酸化剤と接触させた時は、酸化
剤の酸化能力は弱く、しかも、自己分解性が大きいた
め、結果としてゼオライト中の有機化合物の除去効率が
低い。このようにして得られたゼオライトを鉱酸水溶液
でイオン交換してH+型に転換したH+型ゼオライトは、低
い酸性度しか有しない。また、水熱合成された有機化合
物およびアルカリ金属を含有するゼオライトを、鉱酸水
溶液で酸化剤の不存在下イオン交換する時は、そのゼオ
ライト中にある有機化合物により阻害されて、ゼオライ
トの細孔内のアルカリ金属の水素イオンによる交換が困
難となり、したがつて、アルカリ金属の水素イオンへの
交換率が低下する。
本発明に用いられるゼオライトは、ZSM−5、ZSM−11、
ZSM−12、ZSM−35、モルデナイト等のペンタシル型の高
シリカゼオライトが有効である。高シリカゼオライトは
耐熱性、耐水熱性、耐酸性にすぐれており、本発明の処
理法に耐え得るものである。
本発明に用いるゼオライト合成時の有機化合物は、本発
明に使用する酸化剤により酸化を受けるものであればよ
い。具体的に例示すれば、テトラアルキルアンモニウム
塩や、アルコール類、アミン類、エーテル類、アルキル
尿素類、アルキルチオ尿素類、アルキルシアノ化合物類
等である。その他、高シリカゼオライトを合成する時に
添加する酸化剤と反応する官能基を有する有機化合物を
含む。これらの有機化合物中、低級アルキル尿素類、低
級アルキルチオ尿素類、アルキルシアノ化合物類、低級
アルコール類の有機化合物が好ましく用いられる。ここ
でいう低級とは、そのアルキル基が炭素数4ケ以下であ
るものをさす。
これらの有機化合物をテンプレートするゼオライトの合
成条件は、公知の方法により行われるが、以下、上記尿
素系の有機化合物を例にとつて説明する。その主なとこ
ろは特願昭59−188165号明細書に記載されているが、当
該物質およびその調製法を説明するために、その要点を
以下に示す。
本発明で使用されるゼオライトは、シリカ源、アルミナ
源、アルカリ金属源を含む水性混合物を、低級アルキル
尿素および低級アルキルチオ尿素から選ばれた少なくと
も1種の化合物の共存下で加熱することにより得られ
る。
本発明に用いられるゼオライトの合成に使用されるシリ
カ源、アルミナ源、アルカリ金属源としては、通常、ゼ
オライトの合成に用いられているものが使用できる。シ
リカ源としては、ケイ酸ソーダ、水ガラス、シリカゲ
ル、無水ケイ酸等が使用できる。アルミナ源としては、
アルミン酸ソーダ、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウ
ム、水酸化アルミニウム、アルミナ等が使用できる。ア
ルカリ金属源としては、水酸化ナトリウム、ケイ酸ソー
ダ、水ガラス、アルミン酸ソーダ、水酸化カリウム等が
用いられ、ナトリウム化合物が好ましい。
本発明において、結晶性アルミノシリケートの合成に使
用される低級アルキル尿素とは、 で表わされ、R1,R2,R3の1ないし2が炭素数4以下のア
ルキル基であり、残余が水素原子よりなる化合物であ
る。好ましい低級アルキル尿素を例示すると、メチル尿
素、1,3−ジメチル尿素、1,1−ジメチル尿素、エチル尿
素、1,1−ジエチル尿素、1,3−ジエチル尿素、n−プロ
ピル尿素、i−プロピル尿素、1−メチル・1−エチル
尿素、1−メチル・3−エチル尿素等が挙げられる。
本発明において、ゼオライトの合成に使用される低級ア
ルキルチオ尿素とは、 で表わされ、R1,R2,R3の1ないし2が炭素数4以下のア
ルキル基であり、残余が水素よりなる化合物である。好
ましい低級アルキルチオ尿素を例示すると、メチルチオ
尿素、1,3−ジメチルチオ尿素、1,1−ジメチルチオ尿
素、エチルチオ尿素、1,1−ジエチルチオ尿素、1,3−ジ
エチルチオ尿素、n−プロピオチオ尿素、i−プロピル
チオ尿素、1−メチル・1−エチルチオ尿素、1−メチ
ル・3−エチルチオ尿素等が挙げられる。
ゼオライトの合成に使用される水性混合物におけるシリ
カ源、アルミナ源、アルカリ金属源、水ならびに低級ア
ルキル尿素および低級アルキルチオ尿素から選ばれた少
なくとも1種の化合物の組成は、モル比で表わして下記
の範囲が適当である。
〔たゞし、シリカ源はシリカ(SiO2)グラムモル換算、
アルミナ源はアルミナ(Al2O3)グラムモル換算、アル
カリ金属源はアルカリ金属グラムアトム換算で表わ
す。〕 シリカ源/アルミナ源=10〜1000 水/シリカ源=10〜100 アルカリ金属源/シリカ源=0.001〜10A/シリカ源=0.0
1〜10 (Aは低級アルキル尿素および低級アルキルチオ尿素か
ら選ばれた少なくとも1種の化合物のグラムモルの和を
表わす。) さらに好ましい組成範囲は、下記の範囲である。
シリカ源/アルミナ源=15〜200 水/シリカ源=15〜50 アルカリ金属源/シリカ源=0.05〜1 A/シリカ源=0.1〜5 ゼオライトの合成における低級アルキル尿素および低級
アルキルチオ尿素から選ばれた少なくとも1種の化合物
(以下、低級アルキル尿素類と略称する)が共存するシ
リカ源、アルミナ源、アルカリ金属源を含む水性混合物
(以下、水性混合物と略称する)の調合を次に例示す
る。シリカ源を含む水にアルミナ源および低級アルキル
尿素類を含む水を、撹拌しながら混合する。必要に応
じ、水素イオン濃度を酸あるいはアルカリを加えて調整
する。水素イオン濃度pHの好ましい範囲は10ないし13で
ある。アルカリ金属源はシリカ源および/またはアルミ
ナ源と共に加え、あるいは水素イオン濃度調整の際に加
える。水性混合物を耐圧容器中で90ないし250℃、好ま
しくは100ないし180℃に加熱する。好ましくは撹拌下に
加熱する。加熱時間は加熱温度に依存し、加熱温度が高
いと短かく、低いと長く、通常10ないし200時間が好ま
しいが、200時間を超えて加熱してもさしつかえない。
上記の方法により、微細かつ高結晶化度のゼオライトの
合成が容易にできる。微細なゼオライトは、例えば、走
査型電子顕微鏡を用いて観察すると、主として柱状また
は六角板状結晶で、柱状の場合はその横断面の最大径の
平均、また、六角板状の場合はその短径の平均が1ミク
ロン以下のゼオライトである。ただし、ゼオライト調整
条件によりその形状は変化することがある。微細なゼオ
ライトを合成するには、強い撹拌下に加熱することが望
ましい。微細なゼオライトを合成するには、第1段階10
0ないし140℃、第2段階155ないし180℃の2段階加熱が
さらに好ましい。2段階加熱の場合の第1段階加熱時間
は30ないし140時間が好ましい。
尿素系の有機化合物を用いて合成したゼオライトのX線
回折パターンを第1表に示した。
本発明の方法に用いる鉱酸は、硫酸、硝酸、塩酸、燐酸
等であるが、硫酸、硝酸が好ましく、特に硝酸が好まし
い。塩酸を使用する時は、残留塩素に注意することが好
ましい。
本発明で用いる酸化剤は、分子内にパーオキシ結合(−
O−O−)を有する化合物が好ましい。具体的には過酸
化水素、オゾン、ターシヤリーブチルハイドロパーオキ
シド等のハイドロパーオキシド、過酢酸等の有機過酸、
さらには過硫酸等である。これらのうち、過酸化水素、
オゾンは特に好ましい。過酸化水素やオゾンは有機化合
物を除去する効果も大きく、また、処理終了後はそれ自
身水もしくはガス成分に分解し、液中には何ら残らない
というメリツトがある。
本発明でいうH+型に変換させる条件とは、鉱酸水溶液中
で鉱酸中の水素イオンによりイオン交換されH+型に変換
させる条件であり、一般には鉱酸の濃度としては、イオ
ン交換するに十分な濃度であればよい。通常0.1〜10規
定であり、好ましくは0.5〜3規定である。酸濃度が低
すぎると、H+型への変換が不十分となつたり、多量の酸
溶液が必要となる。また、変換させるに長時間を要す
る。一方、余りに高濃度の酸の使用は、接触させる温度
にもよるが、ゼオライトの結晶性を破壊することもある
ので注意を要する。
本発明に使用する酸化剤の使用量は、その処理を行なう
ゼオライトまたはその処理を行なう条件により異なる。
例えば、テンプレートに用いる有機化合物の種類によつ
ても異なる。また、その有機化合物の水熱合成時の使用
量やゼオライト合成条件によつても、ゼオライト中の有
機化合物の含有量が異なり、したがつて、処理を行なう
酸化剤の使用量も異なつてくる。しかし、あえてその酸
化剤の使用量を示せば、処理するゼオライトに対して0.
001〜100重量倍であり、好ましくは0.01〜10重量倍であ
り、さらに好ましくは0.1〜3重量倍である。
本発明の方法における有機化合物を用いて合成したゼオ
ライトを鉱酸水溶液中、酸性下に酸化剤と接触させる方
法は、特に制限するものではないが、次に例示する。
有機化合物を用いて合成したゼオライトは、水熱合成
後、スラリー状態で得られる。このスラリー中には、結
晶化したゼオライトの他に、結晶化しなかつた余分のシ
リカやアルミナのゲル状物質や、また、余分の有機化合
物を含むことがある。したがつて、これらの物質を含む
場合に、直接本発明の方法である酸化剤と鉱酸を入れて
接触させると、例えば、過剰の有機化合物がある場合に
は、これを分解するために、より多くの酸化剤を消費
し、費用がかかりすぎることになる。また、ゲル状物質
を含有する場合、スラリーからゼオライト固体を分離す
る際に、ゼオライト中にゲル状物質をそのまゝ包含した
形で得ることにもなる。したがつて、酸化剤および鉱酸
と接触させる前に過等により分離して処理に供するの
も有効である。さらに、水もしくは酸性水溶液で洗浄す
ることも有効である。
このようにして得られたゼオライトを鉱酸水溶液中に分
散して、酸化剤と接触させる。この場合、酸化剤はあら
かじめ鉱酸水溶液中に存在させておいてもよいが、別途
導入して処理を行なうことも有効である。これらの処理
操作を撹拌下に行なうことも有効である。また、これら
の処理操作は、回分式もしくは連続式で行なつてもよ
い。また、処理温度は特に限定はないが、室温〜100℃
程度が好ましい。処理時間も特に制限はないが、0.1〜1
00時間、好ましくは0.5〜10時間程度である。
接触後のゼオライトから酸化除去された有機物残留物
や、場合によつては過剰の酸化剤は、ゼオライトを沈降
させて上澄みを除去するとか、遠心脱水あるいは過等
により分離される。これら分離されたゼオライトは、さ
らに鉱酸水溶液もしくは水で洗浄することも有効であ
る。このようにして得られたゼオライトを触媒等の目的
に供する場合は、そのまま含水したスラリー状として供
することも有効であるし、また、乾燥して供してもよ
い。
(発明の効果) 本発明の方法は、有機化合物をテンプレートに用いて合
成したゼオライトからH+型ゼオライトを製造する方法に
おいて、前記合成されたゼオライトを鉱酸水溶液でH+
に変換させる条件下に酸化剤と接触させることにより、
前記有機化合物の除去およびH+型への転換を同時に行な
わせる方法であり、従来の方法に比し非常に簡便に製造
する方法を提供するものである。
(実施例) 次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
酸性度の測定 実施例に示す酸性度の測定は、以下の方法により行なつ
た。
資料のゼオライト0.2gを3.4モル濃度の塩化ナトリウム
水溶液10cc中に懸濁し、室温で3時間撹拌する。このス
ラリー液に0.1Nの苛性ソーダ水溶液を滴下し、pH7に至
る滴下量を測定し、酸性度を求めた。
実施例1 ケイ酸ソーダ(水ガラス3号)290gを水140gに溶解した
(A液)。硫酸アルミニウム20.8gと硫酸7.0gを水80gに
溶解した(B液)。1,3−ジメチル尿素34gを水160gに溶
解した(C液)。A液をホモジナイザーを用いて撹拌し
ながら、B,C液と混合した。得られたゲル状の水性混合
物を1のオートクレーブに仕込み、160℃で24時間撹
拌しながら加熱した。生成したゼオライトを遠心分離機
で分離し、水洗後、一部をサンプリング(A)し、残り
を水400g中にスラリー化した。このスラリーに1規定と
なるようHNO3を入れ、撹拌しながら80℃まで昇温した。
撹拌しながら31%H2O2水を80g徐々に加えて行き、4時
間80℃に保つた。スラリーを遠心分離機にかけて分離
し、水洗を行なつた。一部をサンプリング(B)し、以
下の測定を行なつた。サンプル(A)および(B)を40
℃で一夜乾燥後、Na含量および元素分析を行なつた結果
を第1表に示す。
本発明の方法により、有機物が除去されているばかりで
なく、Naもなく、H+型ゼオライトが合成されていること
が分る。また、酸性度を測定したところ、1.10ミリモル
/gであつた。
比較例1 実施例1と同様に合成し、水洗したゼオライトを水400g
中にスラリー化し、80℃まで昇温した。実施例1と同じ
ようにH2O2水を添加し、スラリーを処理した。乾燥後の
ゼオライトの分析値は、Na:0.10重量%、C:1.82重量
%、N:2.04重量%であつた。また、酸性度を測定したと
ころ、0.35ミリモル/gであつた。
実施例2 実施例1と同様に合成し水洗したゼオライトを水400g中
にスラリー化した。このスラリーに0.2規定となるよう
に硫酸を入れ、撹拌しながら80℃まで昇温した。実施例
1と同じようにH2O2水を添加し、スラリーを処理した。
乾燥後のゼオライトの分析値は、Na:0.002重量%、C:0.
02重量%、N:0.07重量%であつた。また、酸性度を測定
したところ、1.05ミリモル/gであつた。
比較例2 実施例1で水熱合成して得たゼオライトを水洗後、110
℃で4時間乾燥した。次いで、空気気流中、550℃で5
時間焼成した。このゼオライトを塩化アンモニウム水溶
液に懸濁し、NH4 +型ゼオライトを得、さらに、400℃で
5時間焼成し、H+型ゼオライトを得た。このゼオライト
の分析値はNa:0.001重量%、C:0.02重量%、N:0.02重量
%であつた。また、酸点を測定したところ、0.51ミリモ
ル/gであつた。
実施例3 ジメチル尿素34gの代りにジメチルチオ尿素40gを用いた
他は、実施例1と同様の条件でH+型ゼオライトを調製し
た。得られたゼオライトを分析したところ、Na:0.004重
量%、C:0.02重量%、N:0.02重量%であつた。また、酸
性度を測定したところ、1.08ミリモル/gであつた。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機化合物をテンプレートに用いて合成し
    たゼオライトからH+型ゼオライトを製造する方法におい
    て、前記合成されたゼオライトを鉱酸水溶液でH+型に変
    換させる条件下に酸化剤と接触させることにより、前記
    有機化合物の除去およびH+型への変換を同時に行わせる
    ことを特徴とするH+型ゼオライトの製造法。
  2. 【請求項2】鉱酸が硫酸、硝酸、塩酸または燐酸である
    特許請求の範囲第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】酸化剤が分子内にパーオキシ結合(−O−
    O−)を有する過酸化物である特許請求の範囲第1項ま
    たは第2項記載の方法。
  4. 【請求項4】ゼオライトがペンタシル型ゼオライトであ
    る特許請求の範囲第1項ないし第3項のいずれかに記載
    の方法。
  5. 【請求項5】有機化合物が低級アルキル尿素、低級アル
    キルチオ尿素または低級アルコールである特許請求の範
    囲第1項ないし第4項のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】H+型に変換させる条件が、鉱酸の酸濃度と
    して0.1〜10規定である特許請求の範囲第1項ないし第
    5項のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】酸化剤が過酸化水素である特許請求の範囲
    第3項記載の方法。
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