JPH0711465A - 海洋エンジンの電蝕防止装置 - Google Patents
海洋エンジンの電蝕防止装置Info
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- JPH0711465A JPH0711465A JP4322440A JP32244092A JPH0711465A JP H0711465 A JPH0711465 A JP H0711465A JP 4322440 A JP4322440 A JP 4322440A JP 32244092 A JP32244092 A JP 32244092A JP H0711465 A JPH0711465 A JP H0711465A
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- JP
- Japan
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- seawater
- cooling water
- potential
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 海洋エンジンの電蝕防止装置において、陽極
金属を取付ける容器と陽極金属間に電流回路ができて短
絡することを防止し海洋エンジンの冷却水タンク地に防
食電流を有効に流して防食効果を高め、また、陽極の形
状を冷却水の流れを阻害しない形状として陽極の接水抵
抗を小さくして十分な防食電流を流し、防食電流を適時
確認可能にして消耗した陽極の取代え時期を誤ることが
ないようにし、かつ、陽極と外部電線の接続部の絶縁性
を向上させる。 【構成】 海水を冷却水とする海洋エンジンのラジエー
ターに冷却用海水を送る冷却水管路の途中に合成樹脂製
の不導体からなる容器を接続し、この容器内に板状のア
ルミニウム合金製の低電位金属体の陽極２を補充可能
に、かつ、冷却水が流通可能に収納するとともに、この
容器の陽極配置部の上に遮蔽板８で隔離した防食電位測
定用の直流電圧計１２を配置した電圧計取付部を設け、
該容器とエンジンのラジエーターを電気的に接続したこ
とからなる電蝕防止装置１。
金属を取付ける容器と陽極金属間に電流回路ができて短
絡することを防止し海洋エンジンの冷却水タンク地に防
食電流を有効に流して防食効果を高め、また、陽極の形
状を冷却水の流れを阻害しない形状として陽極の接水抵
抗を小さくして十分な防食電流を流し、防食電流を適時
確認可能にして消耗した陽極の取代え時期を誤ることが
ないようにし、かつ、陽極と外部電線の接続部の絶縁性
を向上させる。 【構成】 海水を冷却水とする海洋エンジンのラジエー
ターに冷却用海水を送る冷却水管路の途中に合成樹脂製
の不導体からなる容器を接続し、この容器内に板状のア
ルミニウム合金製の低電位金属体の陽極２を補充可能
に、かつ、冷却水が流通可能に収納するとともに、この
容器の陽極配置部の上に遮蔽板８で隔離した防食電位測
定用の直流電圧計１２を配置した電圧計取付部を設け、
該容器とエンジンのラジエーターを電気的に接続したこ
とからなる電蝕防止装置１。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、船舶などのエンジン各
部の海水による電蝕を防止するための海洋エンジンにお
ける電蝕防止装置に関するものである。
部の海水による電蝕を防止するための海洋エンジンにお
ける電蝕防止装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】海洋航行船舶に搭載される舶用エンジン
その他の海洋エンジンにおいて、エンジン本体は真水で
水冷されるが、エンジンのラジエーターすなわち冷却水
タンクは海水を冷却水として用いる。そこで、これらの
海洋エンジンは海水によって電蝕を起こし、エンジン自
体は故障していないにもかかわらず電蝕による腐食で使
用できなくなることが多い。この様な電蝕を防止するに
は、流動陽極による電気防蝕があり、これは亜鉛などの
低電位金属体を保護を必要とするエンジンヘッドや冷却
水タンクなどの高電位金属体に連結し、両金属体間の電
位差を利用した電池作用により防蝕電流を発生させるこ
とを利用するものであり、海洋エンジンの外面にボルト
状にした亜鉛を取り付けて電蝕を防止するものである。
その他の海洋エンジンにおいて、エンジン本体は真水で
水冷されるが、エンジンのラジエーターすなわち冷却水
タンクは海水を冷却水として用いる。そこで、これらの
海洋エンジンは海水によって電蝕を起こし、エンジン自
体は故障していないにもかかわらず電蝕による腐食で使
用できなくなることが多い。この様な電蝕を防止するに
は、流動陽極による電気防蝕があり、これは亜鉛などの
低電位金属体を保護を必要とするエンジンヘッドや冷却
水タンクなどの高電位金属体に連結し、両金属体間の電
位差を利用した電池作用により防蝕電流を発生させるこ
とを利用するものであり、海洋エンジンの外面にボルト
状にした亜鉛を取り付けて電蝕を防止するものである。
【０００３】しかし、この海洋エンジンの外面にボルト
状にした亜鉛を部分的に取り付けるものは、亜鉛の量が
少量であるので５〜８か月程度で亜鉛が無くなり、効果
が短く、頻繁に補充する必要があるにもかかわらず補充
を忘れやすく、また、部分的であるので局部的な電蝕防
止に止まっており、エンジン外面にボルト状の亜鉛を取
り付ける構造では、電蝕の防止に十分な量の亜鉛を取り
付けることはできなかった。
状にした亜鉛を部分的に取り付けるものは、亜鉛の量が
少量であるので５〜８か月程度で亜鉛が無くなり、効果
が短く、頻繁に補充する必要があるにもかかわらず補充
を忘れやすく、また、部分的であるので局部的な電蝕防
止に止まっており、エンジン外面にボルト状の亜鉛を取
り付ける構造では、電蝕の防止に十分な量の亜鉛を取り
付けることはできなかった。
【０００４】これらの欠点を改良し、さらに、錆の発生
を防止するのみでなく既にある錆を取り、かつ、鍍金作
用を果たすことのできる電蝕防止装置の発明が特公平３
−３８３４７号公報に開示されており、その市販の装置
は図３に示すとおり、海水を冷却水とする海洋エンジン
の冷却水管路の途中に接続管３４、３５で中空金属製の
容器からなる電蝕防止装置３１を接続し、この容器内に
冷却水を通す孔３４を有する円筒型の亜鉛などの低電位
金属体を収納して亜鉛陽極３３となし、この容器とエン
ジンの各部とを容器の端子３６から電気的に接続したも
のである。
を防止するのみでなく既にある錆を取り、かつ、鍍金作
用を果たすことのできる電蝕防止装置の発明が特公平３
−３８３４７号公報に開示されており、その市販の装置
は図３に示すとおり、海水を冷却水とする海洋エンジン
の冷却水管路の途中に接続管３４、３５で中空金属製の
容器からなる電蝕防止装置３１を接続し、この容器内に
冷却水を通す孔３４を有する円筒型の亜鉛などの低電位
金属体を収納して亜鉛陽極３３となし、この容器とエン
ジンの各部とを容器の端子３６から電気的に接続したも
のである。
【０００５】しかし、この装置は、電蝕防止装置３１
の容器が金属で製作されているので亜鉛陽極３３と容器
金属間で電流回路が構成され、防食対象である海洋エン
ジンの各所と電線を接続して防食電流を流そうとしてい
るが、防食電流は十分に流れず、特に冷却水タンク地に
流れる電流は殆ど無く防食効果がない。容器内にセッ
トされている亜鉛陽極３３は円筒型陽極であるため海水
に接する隙間が非常に小さく海水の流れを阻害するの
で、陽極の接水抵抗を小さくすることができず、この結
果、防食対象としている冷却水タンク地に防食電流が流
れにくくなる、防食用亜鉛合金陽極としての性能に問
題がある、防食状態の効果確認が出来ない、海洋エ
ンジンの各所と接続するための外部電線と陽極との接続
は金属容器にボルト締めした端子３６に取り付ける構造
であり絶縁性に問題がある、などの問題があった。
の容器が金属で製作されているので亜鉛陽極３３と容器
金属間で電流回路が構成され、防食対象である海洋エン
ジンの各所と電線を接続して防食電流を流そうとしてい
るが、防食電流は十分に流れず、特に冷却水タンク地に
流れる電流は殆ど無く防食効果がない。容器内にセッ
トされている亜鉛陽極３３は円筒型陽極であるため海水
に接する隙間が非常に小さく海水の流れを阻害するの
で、陽極の接水抵抗を小さくすることができず、この結
果、防食対象としている冷却水タンク地に防食電流が流
れにくくなる、防食用亜鉛合金陽極としての性能に問
題がある、防食状態の効果確認が出来ない、海洋エ
ンジンの各所と接続するための外部電線と陽極との接続
は金属容器にボルト締めした端子３６に取り付ける構造
であり絶縁性に問題がある、などの問題があった。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術の問題
を解消することを課題とする。すなわち、陽極金属を取
り付ける容器と陽極金属間に電流回路が構成され短絡す
ることを防止して海洋エンジンの冷却水タンク地に防食
電流を有効に流して防食効果を高め、また、陽極の形状
を容器内の海水の流れを阻害することのない形状にして
陽極の接水抵抗を小さくすることにより十分な防食電流
を流すことを可能にし、さらに、防食電位確認により防
食状態の効果確認を可能にし、かつ、陽極と外部電線の
接続部の絶縁性を向上することを課題とする。
を解消することを課題とする。すなわち、陽極金属を取
り付ける容器と陽極金属間に電流回路が構成され短絡す
ることを防止して海洋エンジンの冷却水タンク地に防食
電流を有効に流して防食効果を高め、また、陽極の形状
を容器内の海水の流れを阻害することのない形状にして
陽極の接水抵抗を小さくすることにより十分な防食電流
を流すことを可能にし、さらに、防食電位確認により防
食状態の効果確認を可能にし、かつ、陽極と外部電線の
接続部の絶縁性を向上することを課題とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために、海水を冷却水とする海洋エンジンのラ
ジエーターすなわち冷却用タンクに冷却用海水を送る冷
却水管路の途中に、合成樹脂製、特に繊維強化プラスチ
ック（ＦＲＰ）製、の不導体からなる容器を接続し、こ
の合成樹脂製容器内に板状の陽極を配置し、この陽極か
ら容器外壁部を通して冷却タンクに導通する電線を接続
する。上記の陽極は防食用のアルミニウム合金陽極ある
いは防食用亜鉛合金陽極等の低電位金属体、特に防食用
のアルミニウム合金陽極を用いる。さらに、防食状態の
効果を確認できるようにするために、容器は海水が流入
される陽極配置部と防食電位測定用の直流電圧計を配設
した電圧計取付部の２室から構成し、これらの２室は遮
蔽板で水密に隔離する。この直流電圧計のプラス端子に
陽極、マイナス端子に基準電極を接続して冷却水管路の
海水中に吊り下げて防食電位を測定可能とする。
解決するために、海水を冷却水とする海洋エンジンのラ
ジエーターすなわち冷却用タンクに冷却用海水を送る冷
却水管路の途中に、合成樹脂製、特に繊維強化プラスチ
ック（ＦＲＰ）製、の不導体からなる容器を接続し、こ
の合成樹脂製容器内に板状の陽極を配置し、この陽極か
ら容器外壁部を通して冷却タンクに導通する電線を接続
する。上記の陽極は防食用のアルミニウム合金陽極ある
いは防食用亜鉛合金陽極等の低電位金属体、特に防食用
のアルミニウム合金陽極を用いる。さらに、防食状態の
効果を確認できるようにするために、容器は海水が流入
される陽極配置部と防食電位測定用の直流電圧計を配設
した電圧計取付部の２室から構成し、これらの２室は遮
蔽板で水密に隔離する。この直流電圧計のプラス端子に
陽極、マイナス端子に基準電極を接続して冷却水管路の
海水中に吊り下げて防食電位を測定可能とする。
【０００８】
【作用】本発明は、低電位金属体である防食用の陽極金
属を配設する容器を不導体であるＦＲＰなどの合成樹脂
製としたので、該容器と陽極金属間に電流回路が構成さ
れて短絡することがなく、したがって防食すべき海洋エ
ンジンの冷却水タンク地に陽極金属からの防食電流を無
駄なく十分な電位差でもって有効に流すことができ、し
かも、各所に電線を張りめぐらす必要もなく冷却タンク
と陽極を電線で接続するのみで優れた電蝕防止効果が発
揮できる。さらに、本発明は、陽極構造を板状とするこ
とにより容器中の海水の流れに抵抗となる陽極の接水抵
抗を減少せしめて十分な防食電流の流れを可能にする。
またさらに、本発明は、防食電位を適時測定できるので
陽極金属の消耗度がすぐ判り、消耗した陽極金属の更新
を忘れることがない。
属を配設する容器を不導体であるＦＲＰなどの合成樹脂
製としたので、該容器と陽極金属間に電流回路が構成さ
れて短絡することがなく、したがって防食すべき海洋エ
ンジンの冷却水タンク地に陽極金属からの防食電流を無
駄なく十分な電位差でもって有効に流すことができ、し
かも、各所に電線を張りめぐらす必要もなく冷却タンク
と陽極を電線で接続するのみで優れた電蝕防止効果が発
揮できる。さらに、本発明は、陽極構造を板状とするこ
とにより容器中の海水の流れに抵抗となる陽極の接水抵
抗を減少せしめて十分な防食電流の流れを可能にする。
またさらに、本発明は、防食電位を適時測定できるので
陽極金属の消耗度がすぐ判り、消耗した陽極金属の更新
を忘れることがない。
【０００９】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照しつつ説明す
る。先ず、図１は一部破断して内部を示した電蝕防止装
置１の一例である。
る。先ず、図１は一部破断して内部を示した電蝕防止装
置１の一例である。
【００１０】電蝕防止装置１の箱状の容器は水密の遮蔽
板８で中仕切りして下部の冷却用の海水が流通され低電
位金属体の陽極２を配置した陽極配置部と上部の防食電
位測定用の直流電圧計１２を配設した電圧計取付部の２
室から構成する。
板８で中仕切りして下部の冷却用の海水が流通され低電
位金属体の陽極２を配置した陽極配置部と上部の防食電
位測定用の直流電圧計１２を配設した電圧計取付部の２
室から構成する。
【００１１】下部の陽極配置部は、その両側壁に海洋エ
ンジンのラジエーターに海水の冷却水を流通する管路の
配管に接続する接続管３および４を有し、その底部は水
蜜の底仕切り板７とその下に離間した装置底６からから
なり、底仕切り板７と装置底６との空隙に配線接続用の
外部端子５に接続する銅ブスバーを収納し、銅ブスバー
は底仕切り板７内を下から底仕切り板７の表面まで貫通
させ、銅ブスバーには陽極２を固定し電気的に接続する
ためのボルト１０が植込まれており、これらは成型時に
合成樹脂で一体化されている。陽極２はボルト１０に通
して銅ブスバー上に載置し、さらにナット１１で締めつ
け固定されている。
ンジンのラジエーターに海水の冷却水を流通する管路の
配管に接続する接続管３および４を有し、その底部は水
蜜の底仕切り板７とその下に離間した装置底６からから
なり、底仕切り板７と装置底６との空隙に配線接続用の
外部端子５に接続する銅ブスバーを収納し、銅ブスバー
は底仕切り板７内を下から底仕切り板７の表面まで貫通
させ、銅ブスバーには陽極２を固定し電気的に接続する
ためのボルト１０が植込まれており、これらは成型時に
合成樹脂で一体化されている。陽極２はボルト１０に通
して銅ブスバー上に載置し、さらにナット１１で締めつ
け固定されている。
【００１２】遮蔽板８上の電圧計取付部には陽極２に電
気的に接続するためのプラス端子１３と電蝕防止装置１
の下部の陽極配置部内の冷却水通路内の海水中に浸漬さ
れている基準電極に接続するマイナス端子１４を有する
直流電圧計１２を配設する。遮蔽板８は電蝕防止装置１
の４面の側壁に設けられたフランジ１５上にネジ１６で
水密に取り付けられている。電圧計取付部は通常は密閉
されている蓋９を有する。陽極２を電蝕防止装置１の下
部の陽極配置部内に設置する場合は、蓋９を開け、ネジ
１６をはずして遮蔽板８をフランジ１５から取り外して
行う。
気的に接続するためのプラス端子１３と電蝕防止装置１
の下部の陽極配置部内の冷却水通路内の海水中に浸漬さ
れている基準電極に接続するマイナス端子１４を有する
直流電圧計１２を配設する。遮蔽板８は電蝕防止装置１
の４面の側壁に設けられたフランジ１５上にネジ１６で
水密に取り付けられている。電圧計取付部は通常は密閉
されている蓋９を有する。陽極２を電蝕防止装置１の下
部の陽極配置部内に設置する場合は、蓋９を開け、ネジ
１６をはずして遮蔽板８をフランジ１５から取り外して
行う。
【００１３】この電蝕防止装置１は図２に示したよう
に、海洋エンジン２２のラジエーターとキングストンバ
ルブからなる冷却水取入口２７の間の冷却水管路２５の
途中、特に冷却水ポンプに出来るだけ近い側に介在させ
て設置することが、好適な防食電位を得る上で重要であ
る。また、本発明では冷却水管路２５は電蝕防止装置１
と同様に不導体材料、すなわち合成樹脂製とすること
も、同様の理由で重要である。電蝕防止装置１の外部端
子５と冷却水タンク２３と冷却水ポンプ２４からなるラ
ジエーター２７間に結線２９で電気的に配線する。
に、海洋エンジン２２のラジエーターとキングストンバ
ルブからなる冷却水取入口２７の間の冷却水管路２５の
途中、特に冷却水ポンプに出来るだけ近い側に介在させ
て設置することが、好適な防食電位を得る上で重要であ
る。また、本発明では冷却水管路２５は電蝕防止装置１
と同様に不導体材料、すなわち合成樹脂製とすること
も、同様の理由で重要である。電蝕防止装置１の外部端
子５と冷却水タンク２３と冷却水ポンプ２４からなるラ
ジエーター２７間に結線２９で電気的に配線する。
【００１４】海洋エンジン２２を始動して冷却水ポンプ
２４を駆動すると、キングストンバルブからなる冷却水
取入口２７から取り入れられた海水は冷却水管路２５か
ら電蝕防止装置１内を流通して低電位金属体である陽極
２と接触しながら冷却水管路２５からラジエーターの冷
却水ポンプ２４から冷却水タンク２３に至り、排気管２
６内に入り、そこでエンジンの熱を奪って煙は上部に、
冷却水は冷却水排出口２８から海中に排出される。この
とき、陽極２とラジエーターの電位差により防食電流が
発生し、この防食電流により電蝕が防止される。
２４を駆動すると、キングストンバルブからなる冷却水
取入口２７から取り入れられた海水は冷却水管路２５か
ら電蝕防止装置１内を流通して低電位金属体である陽極
２と接触しながら冷却水管路２５からラジエーターの冷
却水ポンプ２４から冷却水タンク２３に至り、排気管２
６内に入り、そこでエンジンの熱を奪って煙は上部に、
冷却水は冷却水排出口２８から海中に排出される。この
とき、陽極２とラジエーターの電位差により防食電流が
発生し、この防食電流により電蝕が防止される。
【００１５】本発明における陽極２は低電位金属体とし
てアルミニウム合金陽極製品（ＡＬＡＰ、株式会社ナカ
ボーテックの商標名）を使用する。このアルミニウム合
金の化学成分は、Zn：1.0 〜 3.5％、In：0.015 〜0.03
0 ％、Mg：1.0 〜3.0 ％、残部Alと不純物である。性能
試験条件として、電流密度：１mA／cm2 、試験液：天然
海水、温度：室温開放、試験期間：７日間、試験法：定
電流試験で、このアルミニウム合金陽極の性能は最終陽
極電位：−1050（mV.SCE）以下、陽極効率：90（％）以
上、発生電気量：2600（ A・hr／kg）以上である。
てアルミニウム合金陽極製品（ＡＬＡＰ、株式会社ナカ
ボーテックの商標名）を使用する。このアルミニウム合
金の化学成分は、Zn：1.0 〜 3.5％、In：0.015 〜0.03
0 ％、Mg：1.0 〜3.0 ％、残部Alと不純物である。性能
試験条件として、電流密度：１mA／cm2 、試験液：天然
海水、温度：室温開放、試験期間：７日間、試験法：定
電流試験で、このアルミニウム合金陽極の性能は最終陽
極電位：−1050（mV.SCE）以下、陽極効率：90（％）以
上、発生電気量：2600（ A・hr／kg）以上である。
【００１６】本発明におけるアルミニウム合金陽極製品
と従来技術の特公平３−３８３４７号公報における装置
の亜鉛合金の陽極製品との比較試験の結果を次に示す
と、防食対象が0.15m2の大きさのもので、飽和カロメル
電極基準の測定電位（mV）と通電電流（mA）は、本発明
では−703mV で21.0mAであったが、従来技術のものは−
638mV で16.5mAであり、本発明のものは防食電位で優れ
ている。
と従来技術の特公平３−３８３４７号公報における装置
の亜鉛合金の陽極製品との比較試験の結果を次に示す
と、防食対象が0.15m2の大きさのもので、飽和カロメル
電極基準の測定電位（mV）と通電電流（mA）は、本発明
では−703mV で21.0mAであったが、従来技術のものは−
638mV で16.5mAであり、本発明のものは防食電位で優れ
ている。
【００１７】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電蝕防止装置を合成樹脂製の不導体とし、その低電位金
属体の陽極としてアルミニウム合金陽極の板状体を使用
し、装置の陽極配置部の上部に遮蔽板で分離して防食電
位測定用計測器を配設し、海洋エンジンの冷却水管路の
途中にこの電蝕防止装置を介在させて、その陽極とエン
ジンのラジエーター間を樹脂ケース製作時に一体構造と
して埋込んだ接続部を介して電気的に接続して、陽極と
ラジエーターの両金属間の電位差により防食電流を発生
させたので、防食電流が短絡することなくタンク等に有
効に流れ、容器内に板上の陽極を配置したので海水と接
する空間が多くなり陽極の接水抵抗が小さくなり、十分
な防食電流を流すことができ、防食電位測定用電圧計で
防食電位を適時測定でき防食効果を確認することができ
るので消耗した陽極の交換を忘れることがなく、外部配
線を接続する外部端子と陽極との接続部は一体構造とし
て合成樹脂に埋込んであるので接続部の絶縁性に優れて
いる等の従来技術にない効果を有する。
電蝕防止装置を合成樹脂製の不導体とし、その低電位金
属体の陽極としてアルミニウム合金陽極の板状体を使用
し、装置の陽極配置部の上部に遮蔽板で分離して防食電
位測定用計測器を配設し、海洋エンジンの冷却水管路の
途中にこの電蝕防止装置を介在させて、その陽極とエン
ジンのラジエーター間を樹脂ケース製作時に一体構造と
して埋込んだ接続部を介して電気的に接続して、陽極と
ラジエーターの両金属間の電位差により防食電流を発生
させたので、防食電流が短絡することなくタンク等に有
効に流れ、容器内に板上の陽極を配置したので海水と接
する空間が多くなり陽極の接水抵抗が小さくなり、十分
な防食電流を流すことができ、防食電位測定用電圧計で
防食電位を適時測定でき防食効果を確認することができ
るので消耗した陽極の交換を忘れることがなく、外部配
線を接続する外部端子と陽極との接続部は一体構造とし
て合成樹脂に埋込んであるので接続部の絶縁性に優れて
いる等の従来技術にない効果を有する。
【図１】一部破断して内部を示した本発明の電蝕防止装
置の斜視図である。
置の斜視図である。
【図２】本発明の電蝕防止装置を海洋エンジンに装着し
た説明図である。
た説明図である。
【図３】従来技術の電蝕防止装置の斜視図である。
１ 電蝕防止装置 ２ 陽極 ３ 接続管 ４ 接続管 ５ 外部端子 ６ 装置底 ７ 底仕切り板 ８ 遮蔽板 ９ 蓋 １０ ボルト １１ ナット １２ 直流電圧計 １３ プラス端子 １４ マイナス端子 １５ フランジ １６ ネジ ２２ 海洋エンジン ２３ 冷却水タンク ２４ 冷却水ポンプ ２５ 冷却水管路 ２６ 排気管 ２７ 冷却水取入口 ２８ 冷却水排出口 ２９ 結線 ３１ 電蝕防止装置 ３２ 孔 ３３ 亜鉛陽極 ３４ 接続管 ３５ 接続管 ３６ 端子
【手続補正書】
【提出日】平成５年７月２０日
【手続補正１】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 海洋エンジンの電蝕防止装置
Claims (3)
- 【請求項１】 海水を冷却水とする海洋エンジンのラジ
エーターに冷却用海水を送る冷却水管路の途中に合成樹
脂製の不導体からなる容器を接続し、該合成樹脂製容器
内に低電位金属体を補充可能に、かつ、冷却水が流通可
能に収納するとともに、該容器とエンジンのラジエータ
ーを電気的に接続したことを特徴とする海洋エンジンに
おける電蝕防止装置。 - 【請求項２】 合成樹脂製のの容器は海水が流入され低
電位金属体が配設された陽極配置部と防食電位測定用の
直流電圧計が配設された電圧計取付部の２室から構成
し、該２室は遮蔽板で水密に隔離されていることを特徴
とする請求項１記載の海洋エンジンにおける電蝕防止装
置。 - 【請求項３】 低電位金属体が板状のアルミニウム合金
陽極であることを特徴とする請求項１あるいは請求項２
のいずれかに記載の海洋エンジンの電蝕防止装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4322440A JPH0711465A (ja) | 1992-11-06 | 1992-11-06 | 海洋エンジンの電蝕防止装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4322440A JPH0711465A (ja) | 1992-11-06 | 1992-11-06 | 海洋エンジンの電蝕防止装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0711465A true JPH0711465A (ja) | 1995-01-13 |
Family
ID=18143699
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4322440A Pending JPH0711465A (ja) | 1992-11-06 | 1992-11-06 | 海洋エンジンの電蝕防止装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0711465A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7803256B2 (en) | 2007-11-28 | 2010-09-28 | Caterpillar Inc | Corrosion protection system |
Citations (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS4842660U (ja) * | 1971-09-21 | 1973-05-31 | ||
| JPS5723072A (en) * | 1980-07-11 | 1982-02-06 | Mitsubishi Electric Corp | Submersible motor |
| JPS62228494A (ja) * | 1986-03-29 | 1987-10-07 | Becker Kk | 貯水タンクにおける防食電極の消耗検知装置 |
| JPH03253719A (ja) * | 1990-03-05 | 1991-11-12 | Tosa Plast Zosen Kk | 海洋エンジンにおける電蝕・錆防止方法及びその装置 |
-
1992
- 1992-11-06 JP JP4322440A patent/JPH0711465A/ja active Pending
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