JPH07114169B2 - 負荷時タップ切換装置の蓄勢機構 - Google Patents

負荷時タップ切換装置の蓄勢機構

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JPH07114169B2
JPH07114169B2 JP28972489A JP28972489A JPH07114169B2 JP H07114169 B2 JPH07114169 B2 JP H07114169B2 JP 28972489 A JP28972489 A JP 28972489A JP 28972489 A JP28972489 A JP 28972489A JP H07114169 B2 JPH07114169 B2 JP H07114169B2
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史郎 横橋
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は変圧器やリアクトル等のタップ切換を無停電の
まま敏速に行う負荷時タップ切換装置に係り、特に、負
荷時タップ切換装置における切換開閉器の蓄勢機構が、
円滑・良好に駆動できるようにその駆動部の摩擦損失の
低減をはかるようにした蓄勢機構の改良に関する。
〔従来の技術〕
抵抗式の負荷時タップ切換装置における切換開閉器は、
その蓄勢機構の蓄勢ばねに蓄勢されたエネルギーを瞬時
に開放することによって、切換開閉器の各接触子、ある
いは、前記各接触子に相当する各真空スイッチを所定の
切換シーケンスを維持しながら開閉するように構成され
ている。
特に、近年、防災性を考慮して変圧器自体は、油入変圧
器から、例えば、SF6ガスを封入した即ち、ガス絶縁変
圧器が使用されるようになってきた。このため、これら
の変圧器に使用される負荷時タップ切換装置において、
例えば、SF6ガス中に露出する接触子により電流を遮断
する場合、切換時に生ずるアークの問題や接触子の摩耗
粉が飛散すること等によってSF6ガスの絶縁性を損うこ
とがあり、最近では前記接触子に代えて真空スイッチを
使用することが多くなってきた。この場合、駆動源は電
動機であるから、その回転運動を真空スイッチの開閉操
作に必要な直線往復運動に変換する必要があった。そし
て、前記切換開閉器の各接点を所定の切換シーケンスを
維持しながら開閉させる蓄勢機構として、例えば、特公
昭52−47131号公報に示されている蓄勢機構が公知であ
り、第12図,第13図においてその概略構造を説明する。
蓄勢機構Xの案内枠1と駆動枠2は、それぞれ案内棒3,
3′にてケーシング4内を第12図において左右方向に進
退できるように取付けられている。即ち、前記各枠1,2
のそれぞれの両端にはフランジ5が一体に形成され、こ
れらフランジ5に設けたガイド部6に前記案内軸3,3′
が貫挿されている。又、前記各枠1,2における両端のフ
ランジ5,5間には、案内棒3,3′に遊嵌した蓄勢ばね7が
介挿されている。そして、前記各枠1,2はその進退方向
と直交する方向から駆動軸8がケーシング4の軸受に回
動自在に貫挿されており、この駆動軸8の上部には、案
内枠1の上面に形成した平行なガイド9,9間に回転自在
に嵌合する偏心円板10が前記駆動軸8と共動可能に取付
けられ、下部は図示しないタップ選択器と連結されてい
る。又、駆動枠2の中心部下方には、駆動軸8に回動自
在に取付けた切換クランク11と、この切換クランク11の
上面に設けたカム板12とを備え、前記カム板12は係合ピ
ン13を介して駆動枠2に駆動連結されている。更に、案
内枠1の進退方向と直交する側方には、ケーシング4に
枢支した一対の係止片14,14′を解除するための解除片1
5が一体に突設されている。又、前記係止片14,14′間に
は常に一方の係止片がカム板12の係合段部16に係合保持
できるよう端部相互間に引張ばね17が介挿されている。
そして、駆動軸8により偏心円板10を回動すると、案内
枠1が案内軸3,3′に沿って第12図の左方向に移動し、
案内枠1が駆動枠2に対して偏在するに従い、蓄勢ばね
7を案内枠1と駆動枠2とのフランジ5,5間で蓄勢す
る。この状態で案内枠1の解除片15が係止片14を、引張
ばね17の力に抗して押圧し、この係止片14とカム板12と
の係合状態を解くと、駆動枠2は蓄勢ばね7の蓄勢力に
よって第12図の左側に急速移動するとともに、係合ピン
13を介して駆動連結している前記カム板12を、第12図の
反時計方向に急速回動させ、切換クランク11を介して図
示しない負荷時タップ切換装置の切換開閉器を急速切換
するように構成されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
然るに、従来の負荷時タップ切換装置の蓄勢機構におい
ては、その周囲媒体が絶縁油の場合、各接点の開放時に
生ずるアークにより絶縁油を汚損して絶縁油に浮遊する
スラッジが、案内軸3,3′や案内,駆動両枠1,2のガイド
部6等の駆動部分に付着した際、あるいは、周囲媒体が
SF6ガスのような絶縁ガスの場合、蓄勢機構の駆動部に
塗付した潤滑剤が経年使用により枯渇したようなとき、
案内,駆動両枠1,2には、その駆動時案内軸3,3′との間
において、大きな摩擦力が発生して円滑な作動ができな
くなるおそれがあった。
即ち、切換開閉器の切換時、蓄勢機構Xは蓄勢ばね7の
蓄勢力によって駆動枠2を急速移動させるとともに、カ
ム板12を回動し、その回動後も前記カム板12を係止片1
4,又は14′と係合させて次の切換動作に備えるよう構成
されている。しかし、前記のように、蓄勢機構Xの駆動
部が何らかの理由で摩擦力が大きくなっていると、蓄勢
ばね7の蓄勢力を有効に作用させることができず、この
結果、駆動枠2の移動が、カム板12の係合段部16に係合
する直前等において緩慢となりやすく、最悪の場合を想
定すると、前記カム板12の回動後、その係合段部16に、
例えば、係止片14′が係合されないままの状態で切換開
閉器の切換えを終えてしまうおそれがあった。前記の状
態で次の切換操作を行うと、カム板12は係止片14′が係
止されていないので、案内枠1の移動と同時に駆動枠2
自体も移動してしまい、蓄勢ばね7を有効に蓄勢するこ
とができず、かつ、カム板12も駆動枠2の移動に伴い係
合ピン13を介して回動することとなる。この結果、切換
開閉器とタップ選択器はほぼ同時に駆動して接点切換が
行われることとなり、タップ切換作業は、切換開閉器と
タップ選択器とによる切換のタイミングがずれて瞬間的
に停電事故を起こした状態で行われる。しかも、この時
点での切換開閉器は、蓄勢ばね7の蓄勢力を全く利用す
ることができず、電動機の駆動速度でしか作動させるこ
とができないため、瞬間的な切換が行えない。従って、
タップ切換に時間がかかるとともに、切換時に図示しな
い限流抵抗器に一定時間以上の電流が流れて焼損事故を
誘発するおそれがあった。その上、前記切換時間が長く
かかることにより、アークの持続時間も必然的に長くな
るので、接点の消耗を早めるという問題があった。
前記の問題は蓄勢ばねの蓄勢力を大きくすればある程度
解決することができると考えられるが、この場合、大型
の蓄勢ばねを必要とするため、蓄勢機構自体が大型化す
るという問題があった。
本発明は前記の問題点に鑑み、負荷時タップ切換装置の
切換開閉器を駆動する蓄勢機構の駆動部に摩擦損失を軽
減するローラ部材を配設し、前記蓄勢機構に内蔵した蓄
勢ばねの蓄勢力を有効に利用して蓄勢機構を円滑・良好
に駆動させて、負荷時タップ切換装置における切換開閉
器の切換後における蓄勢機構の係止片と、切換クランク
のカム板とを確実に係止させ、次のタップ切換操作を円
滑に行うことができるようにした負荷時タップ切換装置
の蓄勢機構を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、機枠の支持壁間に併設した案内軸に、軸受部
材を長さ方向の端部に設けた駆動枠を摺動移動可能に取
付けるとともに、この駆動枠上には、案内軸に遊合され
て前記駆動枠とは個別に摺動移動する滑動体を備え、前
記駆動枠と滑動体との間には、滑動体の滑動により蓄勢
される蓄勢ばねを介挿し、又、機枠側には前記駆動枠が
所定の位置に前記蓄勢ばねの蓄勢力によって移動した
際、駆動枠の移動に伴って回動する切換クランクのカム
板と係止されて前記駆動枠を移動した位置に保持させる
係止片を設け、一方、前記滑動体側には、該滑動体の滑
動によって係止片による駆動枠の係止を外す解除片を取
付け、更に、前記係止片には、カム板の周縁と摺接する
部位にローラ部材を回転自在に取付け、又、案内軸に沿
って摺動移動する駆動枠の軸受部材には、係止片と同様
に案内軸の周方向に沿って複数個のローラ部材を配設し
て蓄勢機構を構成したものであって、その作用は次に示
すとおりである。
〔作用〕
本発明は、蓄勢機構の駆動部に、その駆動を円滑に行わ
せるローラ部材が、前記蓄勢機構を特別に大型化するこ
となく具備させてあるので、タップ切換時において、滑
動体の移動により蓄勢ばねの蓄勢力を蓄勢したあと、駆
動枠とカム板との係止を解くと、前記駆動枠は、係止片
とカム板及び駆動枠の軸受部材と案内軸との間に、それ
ぞれ回転自在に介挿されたローラ部材により、摩擦損失
を低減した状態で蓄勢力を有効利用して急速移動させて
定位置で確実に係止するように構成されているので、タ
ップ切換時における駆動枠の係止外れによって生ずる限
流抵抗器の焼損や切換開閉器とタップ選択器との切換時
のタイミングずれによって生ずる瞬間的な停電事故等を
確実に防ぎ、しかも、駆動部の摩擦損失の減少化による
切換速度の均一化及び摩耗粉の発生を抑制し、負荷時タ
ップ切換装置の蓄勢機構を長年月にわたり、円滑・良好
に動作させるようにしたことを特徴とする。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を第1図にないし第11図により説
明する。なお、本発明は切換開閉器の接触子として真空
スイッチを使用した例について説明する。
第1図において、20は負荷時タップ切換装置の切換開閉
器を示し、この切換開閉器20は、枠体21と、この枠体21
に取付けた蓄勢機構25と、真空スイッチ駆動機構65と、
複数の真空スイッチ70と、限流抵抗器80とによって構成
されており、以下、各機構及び部材毎にその構成を説明
する。
枠体21は中心位置に軸受筒82を取付けた基板22と、その
上方に配設した上枠23と、下方に配置した下枠24とを連
結ロッド81により連結して構成されている。
蓄勢機構25は、蓄勢部26と、これを操作する操作部27
と、蓄勢部26にて駆動する駆動部28とからなり、前記蓄
勢部26は機枠26aを備え、この機枠26aは基板22に支持柱
を介して固定した支持板29と、この支持板29の両端部に
直立させた支持壁30,30とからなる。そして、前記支持
壁30,30間には案内軸31,31が第4図のように、前後方向
(図の左右方向)に平行に並設されており、この案内軸
31,31には、横断面が横長の矩形枠上に成形されて中心
位置に軸受筒82を貫通する駆動軸83挿通用の長孔32を横
長に穿孔した偏平な駆動枠33が、その長さ方向の端部に
後述する軸受部材34を介在させて支持壁30,30間に左右
動(第4図の左右方向)可能に嵌合保持されている。そ
して、前記軸受部材34は第4図,第10図,第11図で示す
ように、中央に案内軸31,31が遊嵌される貫通孔87を穿
孔し、この貫通孔87の前部(第11図の左方)側には、前
記案内軸31,31のガイド部材87aを該案内軸31,31と微少
な間隙を保って嵌着し、貫通孔87の後部(第11図の右
方)側は、第10図で示すように、複数個の取付片(本例
では4個)88を周方向に等間隔で突出させて、縦断面を
ほぼT字型となした状態で筒体状に形成されており、し
かも、前記各取付片88には、貫通孔87の中心に向って長
孔状のローラ取付孔89を前記の貫通孔87と連通させて設
け、このローラ取付孔89に案内軸31と摺接して回転する
軸受ローラ90が回転自在に取付られている。前記軸受部
材34を駆動枠33に取付ける場合は、該駆動枠33の長さ方
向の端部に穿孔した取付孔91に、前記軸受部材34の筒体
部を、案内軸31,31が貫通する貫通孔87のガイド部材87a
を駆動軸83側に位置させて挿入し、貫通孔87の後端側に
設けた取付片88を、駆動枠33の端部外側において取付孔
91の周縁に、例えば、ネジ等を用いて止着することによ
り、軸受部材34は第4図に示すように、軸受ローラ90間
に案内軸31を摺接させた状態で駆動枠33の長さ方向の両
端部に取付けられる。次に前記駆動枠33上には、第1
図,第2図で示すように、滑動体35が乗載されており、
この滑動体35は、その進退方向と直交する両側方向(第
2図の上下方向)に垂設した二つのフランジ36,36を、
軸受を介して案内棒31,31に嵌挿することにより、前記
案内棒31,31に沿って駆動枠33と同様に滑動する。更
に、前記駆動枠33と滑動体35との間には、4個の蓄勢ば
ね37が(第4図参照)それぞれ案内軸31,31に挿入され
た状態で介挿されており、その介挿状態は第1図,第4
図で示すように、駆動枠33の軸受部材34と滑動体35のフ
ランジ36,36との間において、一方端を軸受部材34の胴
部外周に設けた螺溝34aに、他方端をフランジ36,36の外
周に設けた図示しない螺溝にそれぞれ緊締る螺挿した状
態で介挿されている。次に第1図,第3図,第4図で示
すように、機枠26aの支持板29には、駆動枠33を所定の
移動位置において係止する一対の係止片38,38aが枢着さ
れており、これらの係止片38,38aはほぼL字型に形成さ
れてそれぞれの一方端には係止爪39,39を、又、他方の
端部には接衝部40,40をそれぞれ相対向させて設け、更
に、枢着部と反対側に位置する最上端には、端部間にま
たがって引張ばね41が張架されている。そして、前記係
止片38,38aの係止を解くための解除片42が滑動体35に取
付けてある。又、前記係止片38,38aの係止爪39,39底面
には、第8図で示すように、ローラ部材50が、係止爪3
9,39の長さ方向と直行して止着した支軸51に回転自在に
取付けられている。つづいて、前記駆動枠33の下側に
は、駆動枠33が所定位置に移動した際、これを緩衝的に
受止めるための緩衝装置43,43′が支持板29上に取付け
られている。この緩衝装置43,43′は第1図,第3図で
示すように、支持板29に装着したケース44と、駆動枠33
と平行に進退する緩衝ピン45と、ケース44と緩衝ピン45
との間に挿入した圧縮ばね46とによって設けられてお
り、駆動枠33の下部に取付けたストッパー47,47′を駆
動枠33が所定方向に移動した際、これを緩衝的に受止め
るものである。
次に、操作部27について説明する。第1図、第2図で示
すように、軸受筒82に支持されて上部が駆動枠33の長孔
32を経て滑動体35を貫通して図示しない電動機と駆動結
合した駆動軸83には、偏心円板48がその取付位置を大き
く偏心させて止着されており、又、この偏心円板48の周
縁には、約180゜の間隔を保って前記偏心円板48と摺接
するベアリング等の回転部材49,60が滑動体35上に回転
自在に取付けられている。
次に、駆動部28について説明する。この駆動部28は、第
1図及び第2図で示すように、上部に扇形のカム板53を
一体に形成した切換クランク54を軸受筒82に軸受を介し
て回動自在に取付け、一方、駆動枠33の下部には第1
図,第3図,第7図で示すように、縦孔55を穿孔した連
結具56を取付け、この連結具56の縦孔55に、揺動カム53
に止着した駆動ピン57を挿通させることにより、蓄勢部
26と駆動部28とを駆動連結する。なお、前記カム板53の
周縁には第3図のように、係止片38,38aの係止爪39,39
と係合する係合段部58,59が形成され、前記係止片38,38
aのうち、例えば、第3図のように、一方の係止片38の
係止爪39が係合段部58に係止しているときは、駆動枠33
を第2図に示す機枠26aの右側位置(第1作動位置)に
的確に保持させることができる。又、駆動枠33を第6図
のように、左側に移動させて係止片38aがカム板53の他
方の係合段部59に係止しているときは、駆動枠33を第6
図に示す機枠26a左側の第2作動位置に的確に保持させ
る。この場合、即ち、第3図あるいは第9図で示すよう
に、係止片38又は38aの係止爪39,39が、カム板53の係合
段部58又59に係止されていると、前記係止爪39,39はロ
ーラ部材50,50を介して前記扇形のカム板53周縁側に、
引張ばね41の力により強固に押圧付勢されているので、
係止片38,38aをカム板53に確実に係止させることができ
るとともに、前記カム板53は、その回動時係止爪39,39
の底面に設けたローラ部材50により、係止爪39,39の底
面と摺接することなく円滑に回動して、駆動枠33を所定
位置に係止保持させることができる。次に真空スイッチ
駆動機構65について説明する。この機構65は第1図で示
すように、駆動カム体66と真空スイッチ70の開閉操作部
67とからなり、駆動カム体66はその周縁に、所要数の真
空スイッチ70の可動電極71を所定の切換シーケンスに従
ってタイミングよく昇降させることができるよう水平部
と傾斜部とを組合せてカム溝68が形成されている。そし
て、前記カム溝68を備えた駆動カム体66は、第1図のよ
うに、軸受を介して軸受筒82に回動自在に取付けるとと
もに、前記切換クランク54と一体に駆動連結されてい
る。一方、真空スイッチ70の開閉操作部67は、真空スイ
ッチ70と同数が駆動カム体66の軸芯を中心として基板22
上に等間隔で円形に配設されており、そのケース67a内
には、真空スイッチ70の可動電極71と駆動結合した図示
しない昇降手段が収容され、この昇降手段と連結する従
動ピン69を前記駆動カム体66のカム溝68に係合させるこ
とにより、駆動カム体66と開閉操作部67とを駆動可能に
連結する。
又、真空スイッチ70(これに限らず、他の公知の開閉接
触子を用いてもよい。)は内部を高真空となした容器73
に固定電極72と、この容器73に対して上下動可能に設け
た前記可動電極71とからなり、基板22に連結部材を介し
て取付けた絶縁板74に、リード線75を接続した取付片76
を介して前記開閉操作部67と同芯位置に配設されてい
る。
なお、基板22には導電性の中性点リング84が取付けら
れ、各真空スイッチ70の可動電極71とは、偏組リード85
によって接続されておる。更に、前記中性点リング84に
は接続導体86を接続し、この接続導体86の他端は図示し
ない変圧器の中性点ブッシングと接続される。
次に、動作について説明する。
駆動軸83を第2図の矢印方向に回動すると、駆動軸83に
共動可能に設けた偏心円板48も同一方向に回動する。偏
心円板48の回動により、これと摺接している回転部材49
が偏心円板48の回動に伴なって押動され、滑動体35を第
2図において左方向に移動させ、第5図のように、フラ
ンジ36により蓄勢ばね37の一方を圧縮し、他方は引伸し
て、駆動枠33に対し偏在させる。即ち、前記のようにし
て滑動対35を移動すると、第5図で示すように、滑動体
35の進行方向側に位置する蓄勢ばね37(第5図の左側)
は圧縮され、逆に、反対側に位置する蓄勢ばね37(第5
図の右側)は引伸されて、それぞれの蓄勢ばね37に蓄勢
力が蓄えらえる。この時点では、第5図で示すように、
係止片38の係止爪39がカム板53の係合段部58に係合保持
されているため、駆動枠33は第2図,第4図で示すよう
に、移動することなく機枠26aの原位置(第1作動位
置)に係止されたまま保持されている。前記の状態から
更に、駆動軸83にて偏心円板48を回転させて、滑動体35
を第2図の左方向に押動し、係止片38を解除片42により
第5図の反時計方向に引張ばね41の力に抗して回動する
と、係止爪39がカム板53の係合段部58から外れる。前記
係止片38が外れると、駆動枠33はその係止が解かれるた
め、4個の蓄勢ばね37に蓄えられた蓄勢力により、第4
図に示す機枠26aの原位置(図の右側)から第6図で示
す機枠26aの左側方向(第2作動位置)まで急速に移動
する。前記駆動枠33の急速移動に伴い、この駆動枠33と
切換クランク54のカム板53とを駆動連結している駆動ピ
ン57は、連結具56の縦孔55内において強制移動し、前記
カム板53を、第5図の状態から反時計方向に第6図で示
す位置まで回動させる。このカム板53の回動は切換クラ
ンク54の駆動力として真空スイッチ駆動機構65に伝達さ
れ、真空スイッチ70の開閉を行って切換開閉器20を急速
切換する。
前記駆動枠33の急速移動に伴い駆動ピン57を介して回動
するカム板53は、その外周縁が係止板38,38aの係止爪3
9,39に設けたローラ部材50,50にて前記係止板38,38aと
摺接保持されているので、前記カム板53は、その回動時
第9図に示すように、外周縁が係止爪39,39の底面と摺
接することなく、ローラ部材50,50と線接触の状態で摺
接し、かつ、ローラ部材50,50自体の滑動力を利用する
ことにより、引張ばね41の力にて係止片38,38aがカム板
53側に付勢されていても、大きな摩擦抵抗を受けること
なく、円滑・良好に急速回動させ、係止片38aの係止爪3
9を第6図に示すように、カム板53の係合段部59に迅速
確実に係止させる。
又、駆動枠33の案内軸31,31を遊嵌する軸受部材34に
は、第10図,第11図で示すように、案内軸31,31と摺接
する部位に軸受ローラ90が案内軸31,31の周方向に沿っ
て複数個配設されているので、係止片38によるカム板53
の係止が解かれると、駆動枠33は蓄勢ばね37の蓄勢力に
よって、案内軸31,31上を軸受ローラ90を介して第2作
動位置(第6図の左方)に急速移動する。この場合も、
軸受ローラ90が案内軸31,31に沿って滑動するように構
成されているので、駆動枠33は揺動することなく、しか
も、小さな摩擦抵抗にて円滑・良好に移動させることが
できる。
前記のようにして、駆動枠33が第6図で示すように、機
枠26a左側の第2作動位置まで急速移動すると、駆動枠3
3はストッパー47が緩衝装置43の緩衝ピン45に当接し、
緩衝的に受止められて停止する。これにより、駆動枠3
3,連結具56,駆動ピン57等駆動部28を構成する部材の破
損が防止される。そして、前記のように、駆動枠33が第
6図で示す機枠26a左側の第2作動位置に移動すると、
この時点においては、係止片38aの係止爪39が第6図の
ように、切換クランク54のカム板53の係合段部59と係合
し、駆動枠33を前記第2作動位置に確実に係止保持す
る。
次に、前記駆動軸83を逆方向に回動させると、偏心円板
48は前記とは逆に回動部材60を押動する方向に回動し、
これに伴い滑動体35を前記とは逆方向、即ち、第6図の
右方向に移動させる。この移動の場合、駆動枠33は係止
片38aの係止爪39がカム板53の係合段部59に係合してい
て移動が阻止されているため、蓄勢ばね37の蓄勢力を蓄
えることができる。このあと、滑動体35の移動により、
解除片42によって係止片38aの係止が解かれると、前記
同様、駆動枠33は蓄勢ばね37の蓄勢力によって第6図に
示す機枠26a左側の位置から第4図に示す機枠26aの右側
位置、即ち、第2作動位置から第1作動位置に急速移動
する。この動作により切換クランク54を前記と反対方向
に急速回動し、その回動力を真空スイッチ駆動機構65に
伝達し、切換開閉器20の急速切換を行う。
そして、前記蓄勢機構25の稼働中、本発明においては、
滑動体35の移動により、係止片38又は38aとカム板53と
の係止を解除片42にて解くと、前記カム板53は蓄勢ばね
37の蓄勢力によって急速移動する駆動枠33により回動さ
れるが、このとき、係止片38,38aの各係止爪39,39は第
9図のように、ローラ部材50,50を介してカム板53の周
縁に当接されているので、カム板53はローラ部材50,50
の滑動力を利用して摩擦損失を小さくして急速回動する
ことが可能となり、これにより、カム板53は回動時、そ
の慣性力を有効に利用して係止片38又は38aの係止爪39
により確実に係止保持させることができる。
又、駆動枠33には、案内軸31,31を軸支する軸受部材34
に前記駆動枠33と案内軸31,31との摺接を円滑に行う軸
受ローラ90が付設させてあるので、駆動枠33自体も、蓄
勢ばね37の蓄勢力を利用して水平移動する際、前記軸受
ローラ90の滑動力を利用して円滑・良好に駆動させるこ
とができる。
前記のように、本発明においては蓄勢機構25の駆動部分
にカム板53や駆動枠33を円滑に駆動させるローラ部材等
の滑動部材が付設されているので、係止片38又は38a
は、駆動枠33の移動により駆動ピン57を介して回動する
前記カム板53の係合段部58又は59と確実に係合して駆動
枠33を所定の移動位置に保持することができる。これに
より、切換開閉器20の次の切換操作を円滑に、しかも、
確実に行うことができる。
〔発明の効果〕
本発明は以上説明したように、機枠の支持壁間に併設し
た案内軸に、軸受部材を長さ方向の端部に設けた駆動枠
を摺動移動可能に取付けるとともに、この駆動枠上に
は、案内軸に遊合されて前記駆動枠とは個別に摺動移動
する滑動体を備え、前記駆動枠と滑動体との間には、滑
動体の滑動により蓄勢される蓄勢ばねを介挿し、又、機
枠側には前記駆動枠が所定の位置に前記蓄勢ばねの蓄勢
力によって移動した際、駆動枠の移動に伴って回動する
切換クランクのカム板と係止されて前記駆動枠を移動し
た位置に保持させる係止片を設け、一方、前記滑動体側
には、該滑動体の滑動によって係止片による駆動枠の係
止を外す解除片を取付け、更に、前記係止片には、カム
板の周縁と摺接する部位にローラ部材を回転自在に取付
け、又、案内軸に沿って摺動移動する駆動枠の軸受部材
には、係止片と同様に案内軸の周方向に沿って複数個の
ローラ部材を配設して蓄勢機構を構成したので、前記蓄
勢機構はその駆動部分における摩擦損失が低減でき、こ
れにより、駆動枠をその移動後の位置で確実に係止保持
させることができるため、従来のように、摩擦抵抗の増
大に伴う駆動枠の係止不備により、切換開閉器の切換
時、蓄勢機構が正常に作動せず、これによって限流抵抗
器を焼損したり、瞬間的な停電事故が発生するのを確実
に阻止することができる。又、駆動機構はローラ部材の
組込みより摩擦損失が低減でき、これにより金属摩耗粉
の発生を抑制して絶縁媒体の劣化を防ぐことができる。
しかも前記ローラ部材は駆動機構内の狭隘なスペースを
有効利用して取付けられているので、蓄勢機構が大形化
することもない。
この結果、切換開閉器の信頼性が向上し、電気的及び機
械的寿命を長くした経済的な負荷時タップ切換装置の蓄
勢機構を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の蓄勢機構を備えた負荷時タップ切換装
置用切換開閉器の縦断面図、第2図は平面図、第3図は
第1図のA−A線における断面図、第4図は第1図のB
−B線における断面図、第5図及び第6図は蓄勢機構の
動作状態を示す要部横断平面図、第7図は第3図のC−
C線における断面図、第8図は第3図のD−D線におけ
る断面図、第9図は係止片とカム板との接触状態を部分
的に拡大して示す平面図、第10図は第5図のE−E線に
おける断面図、第11図は第10図のF−F線における断面
図、第12図は従来の蓄勢機構の要部を示す平面図、第13
図は同じく縦断面図である。 26a……機枠、31……案内軸、33……駆動枠、 34……軸受部材、38,38a……係止片、 50,90……滑動部材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タップ選択器と切換開閉器からなる負荷時
    タップ切換装置の前記切換開閉器を、蓄勢機構に内蔵し
    た蓄勢ばねの蓄勢力によって急速切換を行うようにした
    負荷時タップ切換装置の蓄勢機構において、前記切換開
    閉器を急速切換する蓄勢機構は、機枠の支持壁間に併設
    した案内軸と、この案内軸に軸受部材を介して移動可能
    に取付けた駆動枠と、前記案内軸に遊合されて駆動枠上
    で該駆動枠と個別に移動する滑動体と、この滑動体と前
    記駆動枠との間に介挿されて滑動体の移動によって蓄勢
    される蓄勢ばねと、前記機枠側に取付けられて蓄勢ばね
    の蓄勢力により駆動枠が移動ときその移動に伴い回動す
    るカム板と係止して前記駆動枠を定位置に保持させる係
    止片と、前記滑動体側に具備されてその滑動によって前
    記係止片による駆動枠の係止を解く解除片とによって構
    成し、更に、前記案内軸と軸受部材との間及び係止片と
    カム板との間、あるいは、案内軸と軸受部材との間又は
    係止片とカム板との間のいづれか一方に、ローラ部材を
    回転自在に介在させたことを特徴とする負荷時タップ切
    換装置の蓄勢機構。
JP28972489A 1989-11-07 1989-11-07 負荷時タップ切換装置の蓄勢機構 Expired - Lifetime JPH07114169B2 (ja)

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JP6013875B2 (ja) * 2012-10-29 2016-10-25 株式会社ダイヘン 負荷時タップ切替器の蓄勢装置
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