JPH07113633B2 - ウシ脱脂乳中のプロゲステロンの定量方法 - Google Patents

ウシ脱脂乳中のプロゲステロンの定量方法

Info

Publication number
JPH07113633B2
JPH07113633B2 JP10107786A JP10107786A JPH07113633B2 JP H07113633 B2 JPH07113633 B2 JP H07113633B2 JP 10107786 A JP10107786 A JP 10107786A JP 10107786 A JP10107786 A JP 10107786A JP H07113633 B2 JPH07113633 B2 JP H07113633B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
progesterone
antibody
enzyme
skim milk
milk
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP10107786A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS62272156A (ja
Inventor
一 奥村
均 伊丹
Original Assignee
帝国臓器製薬株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 帝国臓器製薬株式会社 filed Critical 帝国臓器製薬株式会社
Priority to JP10107786A priority Critical patent/JPH07113633B2/ja
Publication of JPS62272156A publication Critical patent/JPS62272156A/ja
Publication of JPH07113633B2 publication Critical patent/JPH07113633B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はウシ脱脂乳中のプロゲステロンの定量方法に関
し、さらに詳しくは、競合反応を利用した酵素免疫法に
よるウシ脱脂乳中のプロゲステロンの定量方法に関す
る。
プロゲステロンは黄体及び胎盤など分泌されるステロイ
ドであり、性周期の後半に作用し、授精卵の着床を容易
にしたり、胎児の生育維持を行なう。従って、血中のプ
ロゲステロン濃度の測定は、黄体機能を測定する上で有
力な手段の一つであり、家畜の繁殖領域においても、繁
殖生理に関する研究や発情鑑定、妊娠診断、分娩後の卵
巣機能回復状態の観察、卵巣疾患の診断などに応用され
ている。
近年、乳牛において乳汁中のプロゲステロン濃度が血中
濃度と同様に黄体機能の指標となることが明らかにされ
(Heap,R.B.,M.Gwyn,J.A.Laing及びR.D.Walters:J.Agr.
Sci.,81,151,1973)、血液よりも採取し易い乳汁がプロ
ゲステロン測定材料として多く用いられるようになって
きた。乳汁中のプロゲステロンは血中のプロゲステロン
が拡散により乳汁に移行したものと考えられており(He
ap,R.B.,A.Henville及びJ.L.Linzell:J.Endocr.,66,23
9,1975)、乳汁中のプロゲステロン濃度は血中の濃度と
高い相関を示すことが明らかにされている(Dobson,H.;
J.E.F.Rankin及びW.R.Ward:Vet.Rec.,101,459,1977)。
これらの乳汁のプロゲステロンを測定する方法として、
従来、(i)放射生同位元素を担持したラジカルを有す
る架橋基によって3位が置換されたプロゲステロンとプ
ロゲステロンの11位に蛋白質を結合したプロゲステロン
−蛋白質複合体に対する抗体を用いた放射免疫検定法
(特開昭56−101554号公報)、(ii)プロゲステロン−
キモシン共役分子、抗プロゲステロン抗体及び試料を混
合し、競合反応を起こさせ、その結果乳汁の凝固の有無
により乳汁中のプロゲステロン濃度を測定する方法(特
開昭58−214856号公報)、(iii)乳汁の凝固を阻害す
る酵素阻害剤をプロゲステロンと結合させ、該酵素阻害
剤−プロゲステロン結合物が乳汁の凝固を抑制する酵素
阻害剤標識免疫検定法により乳汁中のプロゲステロン濃
度を測定する方法(特開昭59−170769号公報)等が提案
されている。
しかしながら、上記(i)の放射性同位元素を用いる方
法はラジオアイソトープ施設と第一種放射線取扱主任者
の有資格者が必要であるのみならず、乳汁中に含まれる
プロゲステロンを石油エーテル等で抽出する操作を必要
とし、さらに測定結果が得られるまでに2〜3日を必要
とするため、受精の最適時期を逸する可能性があるなど
の欠点がある。また、乳汁の凝固または凝固阻害により
乳汁中のプロゲステロンを測定する上記(ii)及び(ii
i)の方法は、乳汁凝固酵素又は乳汁凝固酵素阻害剤と
プロゲステロンを結合する際に、該酵素に対する基質を
介して結合させるという特殊な技術が必要であり、実用
的ではない。
一方、最近に至って脱脂乳中と血中のプロゲステロン濃
度はほぼ同じ値を示すことが明らかにされ(Nakao,T.,
A.Sugihashi,N.Saga,N.Tsunoda及びK.Kawata,Br.Vet,
J.,139,109,1983)、脱脂乳中のプロゲステロンを直接
法酵素免疫検定法で定量することが報告されている(守
野 繁、中尾敏彦、角田修男、河田啓一郎、「家畜繁殖
誌」第30巻第1号1〜8頁、1984年3月)。
酵素免疫法は、前述した放射免疫検定法にみられるよう
な欠点がなく、比較的測定操作が簡便で安価でもあるた
め、その実用化が強く望まれる。
しかし、酵素免疫検定法による脱脂乳中のプロゲステロ
ンの定量は、放射免疫検定法による場合に比べて測定値
の再現性が悪く、すなわち変動係数が大きく、測定値の
信頼性に欠けるという問題があった。
そこで、本発明者らは、酵素免疫検定法による脱脂乳中
のプロゲステロンの定量法における測定法の信頼性を高
める方法について鋭意研究を行なった結果、プロゲステ
ロンと抗プロゲステロン抗体との反応を、カゼイン濃度
を1.5重量%以下に抑え且つある特定濃度の塩化ナトリ
ウムの存在下に実施すると、プロゲステロンの検出感度
が向上し、しかも測定値の再現性も著しく改善されるこ
とを見い出し本発明を完成するに至った。
しかして、本発明によれば、ウシ脱脂乳中のプロゲステ
ロンを、抗プロゲステロン抗体又は抗プロゲステロン抗
体及び第2抗体と酵素標識プロゲステロンとを用いる競
合反応を利用した酵素免疫法により定量するに際して、
プロゲステロンと抗プロゲステロン抗体との反応を、1.
5重量%以下の濃度のカゼイン及び0.03〜1.2モル濃度の
塩化ナトリウムの存在下に行なうことを特徴とするウシ
脱脂乳中のプロゲステロンの定量方法が提供される。
本発明の方法は、プロゲステロンと抗プロゲステロン抗
体との反応を、 (a)1.5重量%以下の濃度のカゼイン、及び (b)0.03〜1.2モル濃度の塩化ナトリウム の存在下に行なうことを特徴とするものであり、このこ
とを除けば、本発明の方法は、抗プロゲステロン抗体ま
たは抗プロゲステロン抗体及び第2抗体と酵素標識プロ
ゲステロンとを用いる、それ自体既知の競合反応を利用
した酵素免疫法、例えば、石川栄治他編集酵素免疫測定
法第128〜137頁 医学書院等の文献に記載の方法を用い
て実施することができる。従って、該酵素免疫法の詳細
な操作法の説明は上記文献に委ね、ここではその概要を
述べるにとどめることを了解されたい。
競合反応を利用した酵素免疫法には大別して第一抗体固
相法と二抗体法の2つの方法があり、それぞれの方法の
概要は次のとおりである: (1) 第一抗体固相法 抗プロゲステロン抗体を、免疫学的に不活性な固体担体
に担持し、得られる固相化抗プロゲステロン抗体を検体
及び酵素標識プロゲステロンの混合物に加え、競合反応
させたのち、該固相化抗体に結合した抗原と該固相化抗
体に結合しない抗原を分離し、次いで抗原と結合した固
相化抗体に基質を加え酵素反応を行なったのち、基質の
減量、生成物の増量などを指標として酵素活性を測定
し、その測定値を標準曲線に外挿することにより検体中
のプロゲステロンを定量する。
(2) 二抗体法 第一抗体固相法と原理的に同じであり、先ず検体と酵素
標識プロゲステロンの混合物に抗プロゲステロン抗体を
加え競合反応させる。反応終了後、抗体に結合した抗原
と非結合の抗原を分離するために、上記抗プロゲステロ
ン抗体を作製した動物のγ−グロブリンに対する抗体
(第2抗体)又は該第2抗体を担体に結合した固相化第
2抗体を加える。生ずる沈澱を採取し、これに前記第一
抗体固相法と同様に基質を加えて酵素反応させ、その酵
素活性測定値を標準曲線に外挿することにより検体中の
プロゲステロンを定量する。
[検体の調製] 本発明の方法において使用される検体は、ウシの脱脂乳
である。ウシから採取した乳汁の脱脂は、乳汁を通常2,
000〜5,000rpmで10〜30分間遠心分離し、上層のクリー
ム層と下層の乳泥を分離除去することにより行なうこと
ができ、中間層として脱脂乳が回収される。得られる脱
脂乳はそのままプロゲステロンの定量に供することがで
き、或いは約−80〜−10℃で凍結することにより保存試
料とし、必要に応じて解凍し、プロゲステロンの定量に
供するようにしてもよい。後者の場合、解凍した脱脂乳
は必要に応じて、上記の条件下に予め遠心分離処理を行
なってもよい。
脱脂乳は適宜希釈した後、酵素免疫反応に供することが
できる。希釈液としては、本発明に従う抗原抗体反応及
び酵素反応を阻害しない溶液であればいずれのものでも
使用できるが、好ましくは水、0.1Mリン酸緩衝液などが
用いられる。
[抗プロゲステロン抗体] 本発明の方法に使用される抗プロゲステロン抗体は、そ
れ自体既知の方法、例えば特開昭48−49918号公報に記
載の方法に従い、プロゲステロンそれ自体又はその化学
的変性物(この変性物については特公昭59−6388号公報
参照)と抗原性を有する物質、例えばウシ血清アルブミ
ン(BSA)との結合体よりなる抗原を、常法により動物
に免疫し、抗体力価が所望の値以上に達したら、抗血清
をその動物から採取することによって製造することがで
きる。この血清を製造するに際して使用される該抗原と
しては例えば、11α−ヒドロキシプロゲステロンヘミサ
クシネート−BSA、プロゲステロン−3−(O−カルボ
キシメチル)オキシム−BSA、6−ヒドロキシプロゲス
テロンヘミサクシネート−BSA、16−ヒドロキシプロゲ
ステロンヘミサクシネート−BSA、プロゲステロン−20
−(O−カルボキシメチル)オキシム−BSA等の他に、
プロゲステロンに例えば家兎血清アルブミン(RSA)又
は卵白アルブミン(EA)等を結合させたプロゲステロン
−タンパク質結合体を使用することもでき、それらを例
えばコンプリートフロインドアジュバント等のアジュバ
ントを併用するとより有効に抗血清が製造される。
一方、これら抗原で免疫することのできる動物として
は、通常、家兎、山羊、めん羊、モルモット等の哺乳動
物が使用される。動物から採取した抗血清は、プロゲス
テロン又はその化学的変性物との結合に用いられる抗原
性を有する物質により吸収し例えばアルコール沈澱又は
塩析等の如き手段によってγ−グロブリンを分画し、抗
プロゲステロン抗体を得る。
前記抗原を作製する時に用いる抗原性を有する物質とし
ては、前記のウシ血清アルブミン(BSA)の他に、例え
ば家兎血清アルブミン(RSA)、ヒト血清アルブミン(H
SA)、ウシγ−グロブリン、家兎γ−グロブリン、ヒト
γ−グロブリン、破傷風毒素、肺炎球菌多糖体糖を用い
ることもできる。
[固体担体] 第一抗体固相法において、抗プロゲステロン抗体を担持
するための免疫学的に不活性な固体担体としては、例え
ば、ポリスチレン、ナイロン、ポリエチレン、ガラス、
アルミナなどの有機又は無機の固体から成るチューブ、
球状体、板状体などが用いられるが、直径3〜8mmの球
状体を用いるのが好ましい。
該担体への抗プロゲステロン抗体の結合は物理的又は化
学的のいずれであってもよい。物理的結合は、抗体溶液
と固体担体とを接触させることにより行なうことがで
き、また、化学的結合は、抗体のアミノ基又はカルボキ
シル基と結合しうるカルボキシル基又はアミノ基を有す
る固体担体を抗体とアミド化反応させることにより行な
うことができる。
[酵素標識プロゲステロン] 酵素標識プロゲステロンは、プロゲステロン分子に存在
する反応性基を利用して、プロゲステロンに酵素を化学
的に結合させたものであり、それ自身既知の方法で調製
することができる。例えばプロゲステロンの3位または
20位のカルボニル基をO−(カルボキシメチル)ハイド
ロキシルアミンでO−(カルボキシルメチル)オキシム
に変換することによりカルボキシル基を導入する。或い
はプロゲステロンの6位、11位または16位などに微生物
学的または化学的な方法により水酸基を導入し、次いで
無水コハク酸と反応させることにより水酸基をヘミサク
シネートに変換する。上記の如くしてカルボキシル基を
導入した後、酸無水物法又はカルボジイミド法などの方
法により、該カルボキシル基に酵素を結合させれば、目
的とする酵素標識プロゲステロンが得られる[石川栄治
他編集 酵素免疫測定法128−137頁 医学書院発行参
照]。
ここで用いる酵素標識プロゲステロンは、抗体製造の際
抗原蛋白を結合したと異なる部位に酵素を標識したプロ
ゲステロン、例えば抗体を製造するのに11α−ヒドロキ
シプロゲステロンヘミサクシネートを用いたなら、酵素
を標識するにはプロゲステロン−3−(O−カルボキシ
メチル)オキシムを用いるなど、異種のプロゲステロン
誘導体を用いるのが好ましい。
[酵 素] 上記プロゲステロンの標識に用いうる酵素としては、脱
脂乳成分中に存在する物質によって阻害されず、抗原−
抗体反応に影響を及ぼさずに、かつ酵素活性を失うこと
なくプロゲステロンと結合するものであればいずれのも
のでも良く、例えばβ−ガラクトシダーゼ、パーオキシ
ダーゼ、アルカリホスフアターゼ、カラターゼ、グルコ
ースオキシダーゼ、アセチルコリンエステラーゼなどが
挙げられる。
[基 質] 本発明で用いられる基質は酵素活性測定法により異なる
ものが用いられる。酵素活性測定法は吸光度法、蛍光
法、化学発光法及び電気化学的方法などが挙げられ、プ
ロゲステロンの測定にはいずれの方法も用いることがで
きる。例えば、酵素にパーオキシダーゼを用いた時は、
基質として5−アミノサリチル酸、o−フエニレンジア
ミン、チラミン、3−(p−ヒドロキシフエニル)プロ
ピオン酸、ルミノールなどが用いられ;酵素がβ−ガラ
クトシダーゼの場合は、基質としてo−ニトロフエノー
ル−β−D−ガラクトピラノシド、4−メチルウンベリ
フエリール−β−D−ガラクトピラノシドなどが用いら
れ;アルカリホスフアターゼを用いる場合には、基質と
してはp−ニトロフエノールリン酸又は4−メチルウン
ベリフエリルリン酸などが挙げることができる。
本発明は、前述したように、以上に述べた競合反応を利
用した酵素免疫法により、ウシ脱脂乳中のプロゲステロ
ンを定量するに際して、 プロゲステロンと抗プロゲステロン抗体との反応を (a)1.5重量%以下の濃度のカゼイン、及び (b)0.03〜1.2モル濃度の塩化ナトリウムの存在下 に行なうことを特徴とするものである。
ここで「プロゲステロンと抗プロゲステロン抗体との反
応」とは、検体である脱脂乳又はプロゲステロン標準液
と酵素標識プロゲステロンを加え混合し、該混合物に抗
プロゲステロン抗体を加え競合反応させることをいう。
検体の脱脂乳は固体差や搾乳時期等にもよるが一般には
2.6〜3.5重量%の濃度でカゼインを含んでいる。従っ
て、カゼイン濃度が1.5重量%以下、好ましくは0.003〜
1.0重量%、さらに好ましくは0.03〜0.75重量%である
条件下で上記反応を行なわせるためには、該反応時の反
応液中のカゼイン濃度が上記範囲内となるよう、必要に
応じて検体の脱脂乳を希釈しておくのが好適である。
一方、上記のプロゲステロンと抗プロゲステロン抗体と
の反応を、上記濃度の塩化ナトリウムの存在下で行なう
ためには、反応時の反応液中の塩化ナトリウム濃度が上
記範囲内になるよう予め計算された量の塩化ナトリウム
を検体である脱脂乳に加えるか、または脱脂乳を希釈す
る希釈液に加えればよい。また、予め計算された量の塩
化ナトリウムを酵素標準プロゲステロン溶液に加えてお
けば、脱脂乳の測定及び標準曲線の作成の両方に用いる
ことができ好都合である。
上記反応時の塩化ナトリウムの好適濃度は0.03〜1.2モ
ル濃度、殊に0.06〜0.6モル濃度の範囲内である。
なお、標準曲線の作成は、従来法と同様に、検体の代り
に、脱プロゲステロン脱脂乳及び標準プロゲステロン液
を用いて行なうことができるが、本発明の方法において
は、脱プロゲステロン脱脂乳の代りにカゼインそれ自体
を用いることもできる。勿論、標準曲線の作成に当って
も、プロゲステロンと抗プロゲステロン抗体との反応に
際して、カゼイン濃度及び塩化ナトリウム濃度はそれぞ
れ前記(a)及び(b)の範囲内にすべきである。
本発明は脱脂乳中のプロゲステロンの測定法であるが、
本発明で得られる標準曲線を用いて血清中のプロゲステ
ロンを測定することも可能である。
プロゲステロンは乳汁の他、血清に含まれていることも
知られており、臨床検査所などにおいてはウシ乳汁中の
プロゲステロン測定時に血清中のプロゲステロンも測定
しなければならないことが多々生じていた。この時、ウ
シの乳汁中のプロゲステロン測定に使用した標準曲線は
ウシの乳汁にしか使用することができず、血清中のプロ
ゲステロンの測定には改めて標準曲線を作成していた。
血清中のプロゲステロンを測定する時は以下に示す予備
処理を必要とする。
血清に石油エーテル、エチルエーテル、ヘキサンなどの
実質的に水−不混和性のエーテル類又は脂肪族炭化水素
溶媒を加えて約5〜20分間振盪する。該溶媒層を分取
し、蒸発乾固したのち、1.5重量%以下のカゼインを含
有する0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)の一定量を加える。
該方法により得られた血清中のプロゲステロンは脱脂乳
中のプロゲステロンを測定したと同様な方法により測定
することができる。かくして得られた値(吸光度)は、
脱脂乳中のプロゲステロンの定量に用いた標準曲線に外
挿することにより血清中のプロゲステロン値を求めるこ
とができる。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例 1 (1) 11α−ヒドロキシプロゲステロン ヘミサクシ
ネート−BSAの製造 11α−ヒドロキシプロゲステロン ヘミサクシネート30
mgをN,N−ジメチルホルムアミド0.75mlに溶解し、これ
に4℃以下でトリ−n−ブチルアミン16μを添加した
のち、イリブチルクロロカーボネート8.4μを加え30
分間撹拌を続けた。該溶液に予めBSA87mgを2.1mlの精製
水にて溶解し、1N水酸化ナトリウム液121μ及びジメ
チルホルムアミド1.5mlを順次加え混合した。該混合液
を8℃で撹拌し、1時間後の1N水酸化ナトリウム液7.5
μを加え、さらに3.5時間撹拌した。次いでセファデ
ックスG−25によるゲル過を行い、未反応の11α−ヒ
ドロキシプロゲステロン ヘミサクシネート及びトリ−
n−ブチルアミン等の低分子試薬を分離した。次いで該
溶液を精製水に対し透析したのち、凍結乾燥して11α−
ヒドロキシプロゲステロン ヘミサクシネート−BSAを
粉末として得た。
(2) 抗プロゲステロン抗体の製造 上記(1)で製造した11α−ヒドロキシプロゲステロン
ヘミサクシネート−BSA 1mgを0.5mlの生理食塩液に
溶解し、それにコンプリートフロインドアジュバント1m
lを加えて充分に混和し、家兎の皮下に注射した。この
注射を3週間隔で行い、抗体価の上昇を確認後全採血し
血清を分離後−70℃で保存した。
(3) 抗プロゲステロン抗体担持ビーズの製造 上記(2)で得た抗血清より硫安分画法によりIgGを分
離し、そのIgG 1mgを0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)1,000m
lに溶解した。該溶解液に2000個のポリスチレンビーズ
(直径6mm)を加え、4℃で24時間ゆるやかに撹拌し
た。反応終了後、ポリスチレンビーズを上記した緩衝液
で洗浄し、次いで0.1%BSA含有0.1Mリン酸緩衝液(pH7.
0)に加え冷所に保存した。
(4) プロゲステロン−3−(O−カルボキシメチ
ル)オキシム−β−D−ガラクトシダーゼの製造 プロゲステロン−3−(O−カルボキシメチル)オキシ
ム2.0mgをジオキサンに溶解し、3.0mgのカルボジイミド
及び2.0mgのN−ヒドロキシサクシンイミドを加え、室
温で2時間インキュベートした。反応終了後、1mlの水
を加えたのち軽く振盪し次いで1.0mlの酢酸エチルで抽
出する。酢酸エチル層を分取したのち蒸発留去し、次い
でジクロルメタン10mlを加え溶解し、活性エステルのモ
ル濃度を吸光度(240nm)測定により求めた。ジクロル
メタンを蒸発留去したのち、ジオキサン5mlを加え溶解
し、その200μにモル比1/80となるように0.1Mリン酸
緩衝液(pH7.0)に溶解したβ−ガラクトシダーゼ1.0ml
を加え氷中2時間穏やかに撹拌した。反応混合物を0.1M
リン酸緩衝液(pH7.0)に対して透析したのち透析内液
を採取し、プロゲステロン−3−(O−カルボキシメチ
ル)オキシム−β−D−ガラクトシダーゼを得た。
(5) 標準曲線の作成 下記第1表に示したプロゲステロンとなるように0.03%
カゼイン含有0.1リンM酸緩衝液(pH7.0)を希釈液とし
て用いて希釈系列を作製し、次に示す方法により標準曲
線を作成した。
(a) 各小試験管に各濃度の標準溶液をそれぞれ100
μずつ採取し、これに上記(4)で製造した0.28M塩
化ナトリウム含有プロゲステロン−3−(O−カルボキ
シメチル)オキシム−β−D−ガラクトシダーゼ溶液10
0μを加え混合した。
(b) 上記混合液に上記(3)で製造した抗プロゲス
テロン抗体担持ビーズを1個ずつ加え、2〜10℃で90分
間インキュベーションした。
(c) 反応終了後、氷冷した0.15M塩化ナトリウム溶
液約2mlを加え、軽く振盪後アスピレーターで溶液を吸
引除去する。この操作を再度繰り返す。
(d) 次いで、10mM o−ニトロフエノール−β−D
−ガラクトピラノシド溶液500μを採取し、各小試験
管に加え撹拌したのち、37℃で30分間静置した。
(e) 0.1M炭酸ナトリウム溶液2.0mlを加え酵素反応
を停止し、分光光度計を用い420nmで吸光度を測定し
た。その結果を第1表及び第1図に示す。
(6) 脱脂乳中プロゲステロンの測定 非妊娠の牛より1性周期にわたって約20日間毎日早朝に
搾乳し、その牛乳を3000rpmで20分間遠心分離し脂肪を
除去した。該脱脂乳50μに精製水50μを加え希釈し
たのち、上記(4)で得た0.28M塩化ナトリウム含有プ
ロゲステロン−3−(O−カルボキシメチル)オキシム
−β−D−ガラクトシダーゼ溶液100μを加え混合し
たのち、上記(3)で製造した抗プロゲステロン抗体担
持ビーズを1個加え、2〜10℃で90分間静置した。次い
で氷冷した0.15M塩化ナトリウム溶液約2mlを加え軽く振
盪後アスピレーターで溶液を吸引除去した。該操作を再
度繰り返したのち、10mM o−ニトロフエノール−β−
D−ガラクトピラノシド溶液500μを試験管に加え撹
拌し、37℃で30分間静置した。0.1M炭酸ナトリウム溶液
2.0mlを加え反応を停止したのち、反応液を420nmの波長
で吸光度を測定した。
得られた吸光度の値を上記(5)で作成した標準曲線に
外挿し、脱脂乳中のプロゲステロン量を測定した。その
結果を第2図に示す。
その際コントロールとして同じ脱脂乳から石油エーテル
で抽出したプロゲステロンを検体として、ラジオイムノ
アツセイ法(G.E.Abraham et al.J.Clin.Endocrinol.Me
tab.Vol32 619(1971)参照)による測定を行った。そ
の結果も第2図に併せて示す。
【図面の簡単な説明】
第1図は各濃度のプロゲステロン標準液を用いて得られ
たプロゲステロンの標準曲線であり、縦軸は420nmにお
ける吸光度を示す。 第2図は本願発明法及びラジオイムノアツセイ法よる脱
脂乳中のプロゲステロン測定結果であり、実線は本願発
明方法、破線はラジオイムノアツセイ法により得られた
値を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ウシ脱脂乳中のプロゲステロンを、抗プロ
    ゲステロン抗体又は抗プロゲステロン抗体及び第2抗体
    と酵素標識プロゲステロンとを用いる競合反応を利用し
    た酵素免疫法により定量するに際して、プロゲステロン
    と抗プロゲステロン抗体との反応を、1.5重量%以下の
    濃度のカゼイン及び0.03〜1.2モル濃度の塩化ナトリウ
    ムの存在下に行なうことを特徴とするウシ脱脂乳中のプ
    ロゲステロンの定量方法。
JP10107786A 1986-05-02 1986-05-02 ウシ脱脂乳中のプロゲステロンの定量方法 Expired - Fee Related JPH07113633B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10107786A JPH07113633B2 (ja) 1986-05-02 1986-05-02 ウシ脱脂乳中のプロゲステロンの定量方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10107786A JPH07113633B2 (ja) 1986-05-02 1986-05-02 ウシ脱脂乳中のプロゲステロンの定量方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS62272156A JPS62272156A (ja) 1987-11-26
JPH07113633B2 true JPH07113633B2 (ja) 1995-12-06

Family

ID=14291035

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10107786A Expired - Fee Related JPH07113633B2 (ja) 1986-05-02 1986-05-02 ウシ脱脂乳中のプロゲステロンの定量方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07113633B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2523171B2 (ja) * 1987-08-12 1996-08-07 帝人株式会社 免疫測定方法及びそれに用いる試薬キット
JP2509001B2 (ja) * 1989-11-02 1996-06-19 帝人株式会社 ヒト・トロンボモジユリンの免疫学的測定方法、そのための試薬及びそのためのキツト
DE9216110U1 (de) * 1992-11-26 1993-01-28 Biolab GmbH, 80995 München Progesteron-Schnelltest für Mensch und Haustiere
DE19705163C1 (de) * 1997-02-11 1998-10-08 Biolab Gmbh Schnelltest zur Progesteronbestimmung in Milch
KR100624012B1 (ko) * 2001-04-04 2006-09-15 주식회사 녹십자홀딩스 비임신 진단 키트 및 이를 이용한 동물의 비임신 진단 방법
CN105301263A (zh) * 2014-07-25 2016-02-03 江苏维赛科技生物发展有限公司 一种检测鸡肉组织中孕酮残留的酶联免疫试剂盒及其应用

Also Published As

Publication number Publication date
JPS62272156A (ja) 1987-11-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3043999B2 (ja) 排泄物検体中のh.ピロリ菌のイムノアッセイ
US4828985A (en) Antibodies against the complex of a small molecule and its binding protein, their preparation and their use in diagnostic methods
Van de Wiel et al. Development and validation of an enzyme immunoassay for progesterone in bovine milk or blood plasma
US4840895A (en) Monoclonal antibodies reactive with immune complexes
JPH0239747B2 (ja)
DE3853940T2 (de) Vaginale Probe, Test und Reagenzien.
US5932430A (en) Immunoassay for H. pylori in fecal specimens
US5279942A (en) Detection of pregnancy by identification of the C peptide of relaxin in body fluids of animals
US5283176A (en) Reagents for use in competition assays for progesterone
US7030210B2 (en) Materials and methods for detection and quantitation of an analyte
US4587212A (en) Immunoassay
US5120660A (en) Method for canine fertility detection
JP2002504994A (ja) 抗アロタイプモノクローナル抗体を使用するイムノアッセイ
JPH07113633B2 (ja) ウシ脱脂乳中のプロゲステロンの定量方法
Sauer et al. Use of microtitre plate EIA for direct determination of progesterone in whole milk: application of heterologous systems for improved sensitivity
JP2002502036A (ja) 受胎動物を検出する方法および装置
Hatzidakis et al. Comparison of different antibody–conjugate derivatives for the development of a sensitive and specific progesterone assay
JP4071330B2 (ja) 抗ヒトメダラシンモノクローナル抗体、その製造方法及びそれを用いる免疫学的測定方法
PL205979B1 (pl) Sposób immunologicznego pomiaru zawartości ludzkiej medullazyny i sposób diagnozowania stwardnienia rozsianego
JPH06289020A (ja) 歯槽骨由来タンパクの測定方法
JP4037586B2 (ja) ヒトメダラシンの免疫学的測定方法
JP4363767B2 (ja) 多発性硬化症の検査方法
RU2118823C1 (ru) Способ проведения точечного твердофазного иммуноферментного анализа антигена вируса чумы плотоядных
IVANOVA et al. COMPARISON OF FOUR DIFFERENT METHODS FOR DEVELOPMENT OF PROGESTERONE FLUORESCENT IMMUNOASSAY
GB2177094A (en) Polyclonal antibodies, preparation and use

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees