JPH07113346A - 穀物の乾燥貯留用建家 - Google Patents

穀物の乾燥貯留用建家

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JPH07113346A
JPH07113346A JP28398093A JP28398093A JPH07113346A JP H07113346 A JPH07113346 A JP H07113346A JP 28398093 A JP28398093 A JP 28398093A JP 28398093 A JP28398093 A JP 28398093A JP H07113346 A JPH07113346 A JP H07113346A
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JP
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tent
air
wall
building
space
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JP28398093A
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English (en)
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Satoru Akata
悟 赤田
Hiroshi Fujikawa
弘史 藤河
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Hokoku Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Hokoku Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 穀物の高い品質を維持して乾燥および貯留す
ることができ、かつ、ランニングコストおよび穀物の処
理施設の建設費を低減すること。 【構成】 アウタテント 131とインナテント 132の二重
構造の屋根13にして空気室 133を形成し、アウタテント
131を外壁14との間に一定の空間部15を設けて延長する
ことにより側壁テント16を形成し、この側壁テント16の
下端を解放する。これにより側壁テント16の解放された
下端を通して、空間部15および前記空気室133を外気と
連通させ、前記空気室 133の空気および空間部15の空気
を自然対流させることができ、建家の屋根裏室21および
外壁14を空気層で包むようにして外気との間で熱的に遮
断し、輻射熱による屋根裏室21および外壁14の温度上昇
を防止すると共に、結露の発生を防止することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は穀物の高い品質を維持
し、かつ、穀物の処理施設の建設費およびランニングコ
ストを低減した乾燥貯留用建家に関するものである。
【0002】
【従来の技術】穀物として以下収穫米を例にして説明す
る。収穫米処理施設としては、収穫米の処理過程、すな
わち収穫米の貯留、乾燥および籾摺り工程での米の品質
を保証しなければならない。米の品質とは、貯留時にお
ける収穫米のかび、食味、胴割れ、籾摺り時における玄
米の肌ずれ等をいう。そして、米の水分が多く、かつ、
長期間貯留するとかびが発生し、また、乾燥のし過ぎい
わゆる過乾燥になると食味の低下および胴割れが発生
し、また、水分が多いと肌ずれが起きて食味が低下す
る。したがって、米の含有水分は米の品質に大きく影響
する。
【0003】また、米自体は生き物であるので温度が高
いと米の呼吸が活発になって米内部のエネルギを消費
(以下穀物の劣化という)して米の品質が低下し、ま
た、温度が高いと微生物の繁殖が活発になってかび発生
を引き起こし米の品質を低下させるので、貯留されてい
る米の温度自体も米の品質に大きく影響する。したがっ
て、米を貯留するにはできるだけ低い温度で貯留するこ
とが好ましい。このように、米の品質は米の含有水分お
よび温度に影響されることから、米を貯留する貯留槽を
外気条件から保護して、所定の水分と温度を維持するた
めの建家自体も米の水分および温度の観点から配慮しな
ければならない。
【0004】一方において、農産物の国際的な自由化の
傾向にある現在において、国際的な競争力を養うために
は米の品質と価格の両面を満足させなければならない。
そのうち価格の低減に関しては収穫米の処理施設の建設
費およびランニングコストを低減して、農家一戸当たり
の収穫米処理施設の利用単価を下げることがひとつの大
きな要因となっている。このような理由で収穫米処理施
設の建設費およびランニングコストを低減することが現
在指導されている。
【0005】従来の乾燥貯留用建家とし特開平3ー12
7909号公報には、収穫米を乾燥貯留する貯留ビンを
規格化されたパネルで構築し、この貯留ビンを建家の壁
の一部として使用すると共に、建家のそれ以外の壁面を
貯留ビンを構築したのと同じパネルを使用して構築し、
その上に通常の屋根構造の屋根を設けて、収穫米の処理
施設の建設費を低減するようにした穀物の乾燥貯留用建
家が開示されている。また、通常の屋根構造の屋根は断
熱効果がないことから、貯留ビンから排出される温度が
高い排気を降温させないでそのまま除湿乾燥機にリサイ
クルすることができないので、外気の条件や排気の条件
に関係なく、穀物の乾燥には外気を除湿乾燥機に取り入
れて貯留ビンの底から供給し、貯留ビンに貯留されてい
る穀物を乾燥して、貯留ビンからの排気を大気中に放出
するようにしていた。
【0006】
【発明が解決しょうとする課題】先ず、従来技術の問題
点を指摘するに当たり、穀物の貯留時と乾燥時に分けて
説明する。先ず、貯留時において従来例は次のような改
良すべき問題がある。ここで穀物の貯留とは、穀物の品
質を維持して長期間貯留するに適した、穀物の温度と水
分が既に調節された状態で、ビンに貯留されている状態
をいう。そこで、上記従来の建家の屋根構造は通常のも
のを使用しており、壁面はパネルを用いて構築していた
ので、夏季あるいは昼間場合によっては太陽熱を強く受
ける地域や処理施設の建設場所において、外気温度が高
くなると、建家のいわゆる屋根裏空間は太陽熱で昇温さ
れた屋根の輻射熱により昇温されて建家内の温度が昇温
されると共に太陽熱により壁面が加熱され、この昇温さ
れた建家内および壁面の温度が貯留槽に貯留されている
穀物の適正な温度に影響を与えて穀物の品質を低下させ
るという問題がある。
【0007】また逆に冬期あるいは夜間、場合によって
は寒冷地や処理施設の建設場所において、外気温度が乾
燥貯留建家内の温度よりも低くなると、外気の温度条件
と建家内の温度条件との間の熱力学的な関係で屋根の内
面および壁面の内面に結露する場合があり、この、結露
水により貯留されている穀物の適正な水分に影響を与え
て穀物の品質を低下させるなどの問題がある。
【0008】次に、穀物の乾燥時において従来例は次の
ような改良すべき問題がある。ここで穀物の乾燥とは、
穀物の品質が維持されるように、穀物の温度および水分
を適正な値に調整することをいい、穀物の収穫時に水分
を大量に含んでいる穀物を短時間に所定の水分になるよ
うに乾燥し、また、貯留時においても穀物の温度が高く
なり、そして水分が多くなった時に、その温度と水分を
適正な値にするようにする。
【0009】そこで、上記貯留時のところで述べたよう
に、輻射熱により屋根裏室の温度が上昇し、かつ、壁面
の温度が上昇して、穀物の温度が上昇した場合には穀物
の品質を低下させるので、穀物の温度を適正な温度まで
低くしなければならない。したがって、夏季などにおい
て、屋根裏室の温度および壁面の温度を上昇させるよう
な外気条件のときには、貯留時においても穀物の温度を
常時監視して、穀物の温度が適正な温度よりも高くなる
ような場合には、除湿乾燥機を運転しなければならない
ので除湿乾燥機の運転頻度が多くなり、そのため除湿乾
燥機の動力が消費されてランニングコストが高くなり、
施設を利用する農家一戸あたりの経済的負担が多くなる
という問題がある。また、乾燥貯留建家内の大量の空気
全体を適正な温度にしなければならないので、上記動力
費が更に高くなると共に、壁面の温度が上がらないよう
にするためには、壁面を断熱構造にしなければならず、
折角パネルを使用して建設費を低減しても、断熱構造に
経費がかかりパネルを使用した十分な効果が得られない
という問題がある。
【0010】また、冬期において屋根裏室および壁面の
内面に結露し貯留されている穀物の水分が変化した場合
も同様に、穀物の適正な水分を維持するために除湿乾燥
機を運転しなければならず、そのため除湿乾燥機の動力
が消費されてランニングコストが高くなり、施設を利用
する農家一戸あたりの経済的負担が多くなるという問題
がある。
【0011】そして、従来の乾燥の仕方は除湿乾燥機に
外気を取り入れて外気の水分を除去し、温度が低く、か
つ、湿度の低い空気として貯留ビンに供給し、貯留ビン
内の穀物を乾燥した後に貯留ビンから排出される排気を
除湿乾燥機にリサイクルさせないで外気中に放散するよ
うにしていたので、次のような問題がある。
【0012】すなわち、収穫された直後の穀物のように
含有水分が高い間の貯留ビンからの排気中には大量の水
分が含まれているので、大気中に放出するのが得策であ
るが、穀物の乾燥が所定の水分近くになると、穀物から
除去される水分が少なくなり、その結果、貯留ビンから
の排気の温度が高くなり、その逆に湿度が低くなる。そ
こで、例えば冬期で、かつ、雨天のような場合の外気
は、温度が低く、かつ、湿度が高いので、このような外
気を取り入れた場合と除湿乾燥機による乾燥条件がよい
排気(温度が高く、かつ、湿度が低い)をリサイクルさ
せた場合とを比較したときに、この外気を取り入れた場
合には除湿乾燥機の運転時間が長くなってランニングコ
ストが高くなり、農家一戸あたりの経済的負担が多くな
ると共に、更に穀物を所定の水分まで乾燥するのに長時
間を必要として、品質保証の点で問題がある。
【0013】このように、外気条件により建家内の空気
温度が影響され、これによりビンに貯留されている穀物
の温度と含有水分が変化して、穀物の安定した品質の保
証が困難になるという問題があり、またこれに伴い安定
した品質の保証を得るために穀物の温度および湿度の調
整の頻度が多くなって、ランニングコストが高くなり、
更に、貯留ビンからの排気をすべて排気するようにして
いたので、乾燥および冷却効率が低下してランニングコ
ストが高くなり、農家一戸当たりの経済的負担が大きく
なるという問題がある。
【0014】また、屋根の輻射熱の影響や結露の問題を
なくすために屋根裏および壁面に断熱層ないしは断熱空
間を形成することも考えられるが、その分処理施設の建
設費が高くなり農家一戸当たりの施設利用単価が高くな
るという問題がある。
【0015】本発明は上記問題に鑑みてなされたもので
あり、屋根の輻射熱による影響および壁面の外気条件に
よる影響をなくして穀物の高い品質を維持することを可
能にすると共に、ランニングコストを低減し、かつ、従
来の屋根構造よりも簡略化し、かつ、壁面をパネルで構
築するメリットを維持して処理施設の建設費を低減し、
農家一戸当たりの施設利用単価を低減した穀物の乾燥貯
留用建家を提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明に係る第一の手段は、穀物の乾燥貯留用建家の
屋根をインナテントとアウタテントで二重構造として空
気室を形成し、該アウタテントを建家の側壁との間に所
定の空間を設けて延長することにより側壁テントを形成
し、該側壁テントの下端を解放したことを特徴とするも
のであり、
【0017】第二の手段は穀物の乾燥貯留用建家の屋根
をインナテントとアウタテントの間に断熱テントを設け
て三重構造とし、該アウタテントと断熱テントで外側空
気室を形成すると共に断熱テントとインナテントで内側
空気室を形成し、前記断熱テントを建家の側壁との間に
所定の空間を設けて延長すると共にアウタテントを前記
断熱テントとの間に一定の間隔をあけて延長することに
より二重構造の側壁テントを形成し、該側壁テントの下
端を解放したことを特徴とするものである。
【0018】
【作用】本発明はこのように構成したので、次の通りの
作用がある。すなわち、穀物の乾燥貯留用建家の屋根を
インナテントとアウタテントで二重構造として空気室を
形成し、該アウタテントを建家の側壁との間に所定の空
間を設けて延長することにより側壁テントを形成し、該
側壁テントの下端を解放したので、側壁テントの解放さ
れた下端を通して外気と連通させることにより、インナ
テントとアウタテントで形成される空気室の空気および
側壁テントと外壁との間の空気を自然対流させることが
可能になる。これにより、建家の屋根裏室および外壁を
空気層で包むようにして外気との間で熱的に遮断するこ
とが可能になる。
【0019】また、穀物の乾燥貯留用建家の屋根をイン
ナテントとアウタテントの間に断熱テントを設けて三重
構造とし、該アウタテントと断熱テントで外側空気室を
形成すると共に断熱テントとインナテントで内側空気室
を形成し、前記断熱テントを建家の側壁との間に所定の
空間を設けて延長すると共にアウタテントを前記断熱テ
ントとの間に一定の間隔をあけて延長することにより二
重構造の側壁テントを形成し、該側壁テントの下端を解
放したので、この解放された下端を通して、延長された
アウタテントと断熱テントとの間の空間部および外側空
気室を外気と連通させることができ、外側空気室の空気
および当該空間部の空気を、内側空気室および延長され
た断熱テントと建家の側壁との間の空間部とは独立した
状態で自然対流させることが可能になる。
【0020】一方において、内側空気室および断熱テン
トと建家の側壁との間の空間部に例えば貯留室(屋根裏
室)とほぼ同じ温度の空気、あるいは温度の低い空気
を、外側空気室および延長されたアウタテントと断熱テ
ントとの間の空間部とは独立した状態で循環させること
が可能になる。そして、外側空気室の空気および延長さ
れたアウタテントと断熱テントとの間の空間部の空気
を、内側空気室および延長された断熱テントと建家の側
壁との間の空間部とは独立した状態で自然対流させ、か
つ、断熱テントが設けられているので、内側空気室およ
び延長された断熱テントと建家の側壁との間の空間内の
空気が外側空気室および延長されたアウタテントと断熱
テントとの間の空間部内の空気条件により影響されるの
を少なくして、実質上外気条件による影響をほとんどな
くし、建家の屋根裏室および外壁を空気層で包むように
して外気との間で熱的にほぼ確実に遮断し、適正な貯留
温度を積極的に維持することが可能になる。
【0021】また、延長された断熱テントとアウタテン
トの両方の端部を解放することにより、内側空気室内の
空気および延長された断熱テントと建家の側壁との間の
空間部内の例えば冷空気を延長された断熱テントの下端
を通して外気と共に延長されたアウタテントと断熱テン
トとの間の空間部内に導いて循環し、当該空間部および
外側空気室内の空気の温度を調節(変化)させることが
可能になる。
【0022】これにより、夏季等においては空気室内の
空気を自然対流させて空気室内の空気の昇温を防止する
と共に、冬期等においては空気室内の空気に自然対流を
起こさせないようにして、空気室内の空気の温度を下げ
ないようにし、夏季あるいは冬期などの外気条件に応じ
て空気室内の空気による断熱層効果を対応させ、屋根裏
室の空気温度の上昇および結露発生を防止することが可
能になる。
【0023】このようにして、空気室内の空気を単なる
空気層による断熱効果だけでなく、外気条件に応じて空
気室内の空気を自然対流させたりさせないようにして空
気室内の空気の温度を変化させ、この空気層により外気
と屋根裏室とを熱的に遮断するようにしたので、外気条
件による屋根裏室内の空気温度の影響を少なくすること
ができ、外気条件に関係なく穀物の品質を保証すること
が可能になる。また、テントにより屋根を形成するので
屋根構造は勿論のこと建家構造および建家の基礎構造を
簡略化することが可能になる。
【0024】
【実施例】以下に説明する実施例の理解を深めるため
に、平面図を示す図17において穀物の乾燥貯留施設とし
て最も一般的な器機の配置について説明する。ここに示
す穀物の乾燥貯留施設にあっては正方形の四個の貯留ビ
ン1が設けられ、この貯留ビン1に一体的に機械室2が
設けられている。この貯留ビン1および機械室2は規格
化された同一寸法のパネルPで構築されている。この穀
物の乾燥貯留施設では貯留ビン1に一体的に機械室2が
設けられているものを例示している。これ以外に機械室
2をパネルPで構築せずに風雨をしのげる簡易なテント
構造にしたものもある。
【0025】収穫されてオーガホッパ5に受け入れられ
た収穫米は図16にも示すようにビン投入昇降機6により
上方に移送されて、ビン1の上方に配設されたビン受け
入れコンベヤ7に受け渡される。次に、このビン受け入
れコンベヤ7により移送された収穫米は回転分散装置8
により分散されながらビン1に略均一な層高さに投入さ
れると共に、四個のビン1に分配されて乾燥後に貯留さ
れる。一方において、ドライエアーゼネレータ(除湿乾
燥機)4によって温度と湿度が調整された空気は送風機
2によりビン1の底部に設けられた風道12およびダクト
11を通して収穫米が貯留されているビン1の底から供給
され、ビン1内に貯留されている収穫米を乾燥し、その
後に貯留している収穫米の温度と湿度を調節するように
している。そして、貯留ビン1に貯留されている収穫米
の払い出しはボトムコンベア10により行うようになって
いる。
【0026】ここに例示した穀物の乾燥貯留施設ではビ
ン1を乾燥貯留用建家の外壁に兼用し、機械室2をビン
1に使用しているパネルPと同一のパネルPを使用して
構築したものであるが、次に説明する本実施例はビン1
を建家の外壁に兼用しないでビン1を囲むように同一の
パネルPで建家の外壁を構築したもの、あるいは通常の
鉄骨構造の建家にも適用可能である。
【0027】以下本発明の一実施例について説明する。
図1に示すように、ビン1および機械室2に設けられた
屋根13はアウタテント 131とインナテント 132の二重構
造になっており、このアウタテント 131とインナテント
132により空気室 133が形成され、アウタテント 131は
建家の外壁14との間に所定の空間部15を形成して下方ま
で延長して側壁テント16を形成し、その下端は地面(基
礎)17との間に隙間を設けて解放されている。また、図
12および図13にも示すように、建家の両側の側面20には
空気室 133が外気に連通する連通孔18が設けられている
と共に、片側の側面20には屋根裏室21が外気に連通する
開閉可能な連通窓19が設けられている。また、図14にも
表れているように、建家の側面20も同様に屋根部分は二
重構造のテントになっており、外壁14との間に一定の間
隔をあけて側壁テント16が設けられている。
【0028】この屋根13の庇部は図2に示すように、屋
根13を構成する骨組みは貯留ビンポスト22の頂部に固定
金物25を固定し、この固定金物25とアウタテント骨材24
に取り付けられた固定金物26とをボルト27にて締結する
ことにより骨組みが形成されている。一方においてイン
ナテント 132の端部は貯留ビンポスト22の頂部に固定さ
れた板状のインナテント取り付け部材23に、C型の固定
部材28を介して取りつけられると共に、インナテント 1
32の途中はアウタテント骨材24に設けられたフック29に
フックボルト30を介して吊り下げられている。
【0029】また、アウタテント 131の下端は図3に示
すように係止されている。すなわち、アウタテント骨材
24の下端にアウタテント 131の端部を案内して止める案
内バー31が固定されていると共に、貯留ビンポスト22に
設けられた腰板32に係止バー33が設けられており、アウ
タテント 131の端部を案内バー31に案内させ、アウタテ
ント 131の端部に設けたロープ34を係止バー33に巻回し
てアウタテント 131を引っ張りながら、止め具35で止め
るようにしている。これにより、外気が矢印Aのように
ロープ24の隙間を通ってアウタテント 131の下端からア
ウタテント 131とパネルPとの間の空間部に入るように
なっている。
【0030】アウタテント 131の下端の係止について、
他の実施例を図4に示して説明する。図3に示した実施
例と相違する点はアウタテント 131の下端において、案
内バー31のところでアウタテント 131は、アウタテント
131をそのまま延長して形成する底部36と接着剤などに
より取りつけられたロープ34とに分離しており、底部36
の端部が腰板32にフラットバー37をボルトで固定するこ
とにより係止されて、アウタテント 131の下端を密閉に
している点である。このように、アウタテント131の端
部を底部36とロープ34に分離して、ロープ34によりアウ
タテント 131を張るようにしているので、底部36に張力
を与えないようにアウタテント 131の端部を係止するこ
とが可能になり、フラットバー37による底部36の係止部
における破断を防止して、アウタテント 131の長い耐用
寿命を得るようにしてる。そして、この密閉にされた底
部36には図14に示すように部分的に孔44が開けられてい
る。
【0031】図12および図13に示すように、空気室 133
が外気に連通するように連通孔18が建家の側壁20に設け
られている。この連通孔18には図示のように下向きに開
口したフードが取りつけられており、雨水などが空気室
133内に侵入しないようになっている。この連通孔18を
開閉可能な孔にしてもよい。そして、この連通孔18は図
13に示すように建家の両側の側面20に設けられている。
また、屋根裏室21が外気に連通するように開閉可能な連
通窓19が側面20および内壁テント39(図15参照)を貫通
して設けられている。本実施例では図15に示すように、
この連通窓19は図14に示す機械室2とは反対側の側壁部
に設けられている。38は機械室2の入口に設けられた外
気取り込み用の庇である。
【0032】図15に示すように、機械室2におけるイン
ナテント 132は内部で仕切られている。すなわち、機械
室2の部分のインナテント 132の内部は内壁テント39、
40、41および42により仕切られており、内壁テント40に
は屋根裏21に連通する開閉可能な連通窓43が設けられて
いる。本実施例ではこの連通窓43が内壁テント40に設け
られているが、内壁テント41に設けてもよく、または両
方の内壁テント40、41に設けてもよい。また、内壁テン
ト39、40、41、42の下端は図2に示したC型の固定部材
28を用いた施工方法により行われる。このように、機械
室2を内壁テント39、40、41および42で仕切ることによ
り、ビン1側への鼠や害虫の侵入を防止することができ
るようになっている。
【0033】このように構成した本実施例の作用につい
て次に説明する。先ず、貯留されている収穫米の貯留の
観点からその作用を説明する。屋根13はアウタテント 1
31とインナテント 132の二重構造にして空気室 133を形
成し、アウタテント 131を外壁14との間に一定の空間部
15を設けて延長することにより側壁テント16を形成し、
側壁テント16の下端を解放したので、側壁テント16の解
放された下端を通して、外壁14と側壁テント16との間の
空間部15および空気室 133を図1の矢印Bで示すように
外気と連通させることができ、インナテント 132とアウ
タテント 131で形成される空気室 133の空気および側壁
テント16と外壁14との間の空間部15の空気を自然対流さ
せることが可能になる。これにより、建家の屋根裏室21
および外壁14を空気層で包むようにして外気との間で熱
的に遮断することが可能になる。
【0034】また、図4に示すように側壁テント16の下
端を解放しないで底部36で密閉し、この底部36に部分的
に孔44(図14参照)を設けた場合も同様に、この孔44を
通して外壁14と側壁テント16との間の空間部15および空
気室 133を外気と連通させることができ、インナテント
132とアウタテント 131で形成される空気室 133の空気
および側壁テント16と外壁14との間の空間部15の空気を
自然対流させることが可能になり、建家の屋根裏室21お
よび外壁14を空気層で包むようにして外気との間で熱的
に遮断することが可能になる。
【0035】そして、この孔44を開閉できるようにする
ことにより、側壁テント16と外壁14との間の空間部15の
空気および空気室 133の空気を自然対流させたり、自然
対流をさせないようにすることができ、外気条件に応じ
て空気室 133内の空気温度を対応させることが可能にな
る。このように、側壁テント16と外壁14との間の空間部
15の空気および空気室 133内の空気の温度を外気条件に
応じて対応させることにより、単なる空気の熱伝導の物
理的性質を利用した断熱層ではなく、この側壁テント16
と外壁14との間の空間部15の空気および空気室 133内の
空気は外気条件に応じた断熱層の役目を果たすことにな
り、側壁テント16と外壁14との間の空間部15の空気およ
び屋根裏室21内の空気の温度雰囲気と外気温度との間を
遮断することが可能になる。
【0036】これについて更に具体的に説明すると、夏
季などにおいて外気温度が高い場合には、孔44を開口し
て側壁テント16と外壁14との間の空間部15の空気および
空気室 133内の空気を自然対流させて、側壁テント16と
外壁14との間の空間部15および空気室 133内の空気温度
を低下させるようにする。すなわち、太陽熱によりアウ
タテント 131および外壁テント16が加熱されて、側壁テ
ント16と外壁14との間の空間部15および空気室 133内の
空気が昇温される。このように昇温された側壁テント16
と外壁14との間の空間部15および空気室 133内の空気
は、側壁テント16と外壁14との間の空間部15および空気
室 133内で上昇気流を発生させ、この上昇気流により開
口されている孔44から外気を吸引し、側壁テント16と外
壁14との間の空間部15から空気室 133内にかけて自然対
流を起こし、側壁テント16と外壁14との間の空間部15お
よび空気室 133内の空気の温度を低下させる。このよう
にして、側壁テント16と外壁14との間の空間部15および
空気室 133内の空気を自然対流させてその温度を低下し
た空気により外気と遮断するので、インナテント 132お
よび外壁14の温度上昇が抑制され、インナテント 132か
ら屋根裏室21の空間に放射される輻射熱を軽減すると共
に、外壁14の昇温を軽減することが可能になる。
【0037】また、図12および図13に示すように、空気
室 133と外気とを連通するように連通孔18が設けられて
いるので、上記太陽熱で昇温された側壁テント16と外壁
14との間の空間部15および空気室 133内の空気の上昇気
流で上昇した温度の高い空気をこの連通孔18から排気す
ることができ、側壁テント16と外壁14との間の空間部15
および空気室 133内の空気の自然対流をより積極的に行
わせることが可能になり、これによりインナテント 132
の温度上昇および外壁14の温度上昇を抑制し、インナテ
ント 132から屋根裏室21の空間に放射される輻射熱およ
び外壁14の昇温をより確実に軽減することが可能にな
る。また、図13に示すように、この連通孔18を建家の側
面20の両側に設けることにより、側壁テント16と外壁14
との間の空間部15および空気室 133内での上記自然対流
を全体にわたって均一に行わせることが可能になる。
【0038】また、この自然対流を全体にわたって偏流
を起こさせることなく均一に行わせるためには、連通孔
18を建家の側面20の両側のみならず、屋根13の棟に複数
個設けるようにしてもよい。このように、屋根13の棟に
複数個の連通孔18を設けても、屋根13はアウタテント 1
31とインナテント 132により二重構造になっているの
で、屋根裏室21内への雨の侵入はインナテント 132によ
り防ぐことが可能である。上記輻射熱の更なる軽減はア
ウタテント 131および側壁テント16の色を黒くして、輻
射熱を吸収するかあるいは輻射熱を反射するような色を
選択することにより達成することが可能である。
【0039】次に、冬期などにおいて外気温度が低くな
った時には、孔44を閉じて側壁テント16と外壁14との間
の空間部15および空気室 133内の空気の自然対流を起こ
させないようにして、側壁テント16と外壁14との間の空
間部15および空気室 133内の空気温度が低下しないよう
にする。すなわち、孔44を閉じることにより側壁テント
16と外壁14との間の空間部15および空気室 133と外気と
の連通を遮断し、屋根裏室21内の温度が高い空気によ
り、空気室 133内の空気が昇温されて側壁テント16と外
壁14との間の空間部15および空気室 133内の空気が自然
対流をしょうとしても、積極的に自然対流を起こさせな
いようにすることが可能である。
【0040】このようにして、側壁テント16と外壁14と
の間の空間部15および空気室 133内での積極的な自然対
流を起こさせないようにすることにより、インナテント
132を境界にした空気室 133内と屋根裏室21との間の温
度勾配および外壁14と外気との間の温度勾配が緩やかに
なるので、インナテント 132および外壁14の内面に発生
する結露を防止することが可能になる。このように結露
の発生が防止されるならば、穀物は低温貯留する方が品
質保証の点で安全側であるので、屋根裏室21内の空気温
度が低下しても問題はない。また、連通孔18を設けてい
る場合には、孔44を閉じるだけで側壁テント16と外壁14
との間の空間部15および空気室 133内での自然対流の発
生を抑制することができるが、更に確実にするために、
連通孔18も閉じて側壁テント16と外壁14との間の空間部
15および空気室 133内での自然対流の発生をより積極的
に抑制するようにする。
【0041】また、側壁テント16と外壁14との間の空間
部15および空気室 133内での空気の自然対流を起こさな
いようにして空気を静止させた場合に、空気の熱伝導に
より高温空気がある屋根裏室21、インナテント 132、空
気室 133、アウタテント 131および低温の外気へと緩や
かな温度勾配で温度が低くなり、アウタテント 131を境
界にしてその内外の温度勾配も緩やかになって、アウタ
テント 131の内面への結露発生が防止される。また、側
壁テント16も同様に、側壁テント16の内外面での温度勾
配が緩やかになって、側壁テント16の内面における結露
の発生を防止することが可能になる。
【0042】もしも寒冷地などで外気温度が極度に低下
してアウタテント 131の空気室 133側面に結露したとし
ても、アウタテント 131の内面に結露した水滴はインナ
テント 132および側壁テント16をつたって底部36に溜
り、乾燥貯留施設内に侵入するのを防止することが可能
になる。そして、閉じられていた孔44を開けることによ
り、その水滴を排水することができる。
【0043】このように、穀物の貯留をする場合におい
て、側壁テント16と外壁14との間の空間部15および空気
室 133内にある空気の物理的性質である熱伝導を単に利
用した断熱効果のみの利用ではなく、夏季とか冬期など
の外気条件に応じて、側壁テント16と外壁14との間の空
間部15および空気室 133内の空気を自然対流させたり、
自然対流をさせないようにして、外壁14および屋根裏室
21と外気とを遮断するようにしたので、外壁14内面への
結露および屋根裏室21内の空気温度の昇温および結露発
生を防止することが可能になる。これにより、穀物の品
質を保証した貯留が可能となり、かつ、貯留時における
乾燥の頻度を少なくしてランニングコストの低減を図る
ことが可能になる。
【0044】次に、穀物の乾燥の観点から作用を説明す
る。先ず、収穫された直後の収穫米には大量の水分が含
まれているので、品質保証の観点より短時間に乾燥する
必要がある。そして、収穫直後の収穫米を貯留するビン
1内を通過し収穫米の水分を吸収して排気された空気中
には大量の水分が含まれている。したがって、この水分
の多い排気をドライエアーゼネレータ4に再循環して使
用した場合には乾燥効率が低下するので、実質上穀物を
乾燥することができない。
【0045】そこで、図12および図13に示すように、屋
根裏室21が外気に連通する開閉可能な連通窓19が設けら
れているので、この連通窓19を開くことによりビン1か
ら排気された湿度が高い排気を外気中に放出し、湿度が
低い外気をドライエアーゼネレータ4に取り入れて、収
穫米を短時間に乾燥するようにすることが可能になる。
【0046】一方において、収穫米を短時間に乾燥する
には、できるだけ高い温度で、かつ、低い湿度の空気を
ドライエアーゼネレータ4に取り入れる必要がある。ま
た、湿度が低い空気を取り入れる程、ドライエアーゼネ
レータ4の負荷が軽くなり、ドライエアーゼネレータ4
の駆動消費電力を低減することができる。
【0047】そこで、ビン1から排気される空気の温度
と湿度(排気条件)と外気の温度と湿度(外気条件)と
を比較し、排気条件の方が外気条件よりも良い場合に
は、連通窓19を閉めて窓43(図15参照)を開けることに
より、乾燥貯留室内の空気を再循環して使用することが
可能になり、また、逆に外気条件が排気条件よりも良い
場合には、連通窓19を開けて窓43を閉めることにより、
外気取り入れ用の庇部38から外気をドライエアーゼネレ
ータ4に取り入れて、排気を連通窓19から大気中に放出
することが可能になる。これにより、穀物の乾燥を短時
間に行うことができ、また、ドライエアーゼネレータ4
の負荷を少なくしてその動力を節減しながら、収穫米を
乾燥することが可能になる。
【0048】また、図15に示すように、機械室2のイン
ナテント 132内部を内壁テント40および41で仕切り、こ
の内壁テントに開閉可能な窓43を設けたので、貯留中の
穀物の乾燥および冷却においては、窓43を開けて乾燥貯
留室内と連通させることにより、機械室2内に設置され
ているドライエアーゼネレータ4により乾燥貯留室内に
排気を循環させることが可能になり、ドライエアーゼネ
レータ4の除湿効率を向上して、穀物の温度および湿度
を下げることが可能になる。
【0049】このように、収穫時における水分が高い収
穫米を短時間に乾燥するためには、上記のように連通窓
19を開けると共に窓43を閉めて水分の多い排気を外気に
放出しながら、外気取り入れ用の庇部38から外気をドラ
イエアーゼネレータ4に取り入れて、収穫米を短時間に
乾燥させることが可能になる。そして、ビン1内に貯留
されている収穫米の温度が高くなり湿度が低くなって、
排気条件が外気条件よりも良くなった時に、上記のよう
に連通窓19を閉めると共に窓43を開けて排気を再循環さ
せ、ドライエアーゼネレータ4の負荷を少なくしてその
動力を節減しながら、収穫米を乾燥することが可能にな
る。
【0050】次に、建設費の観点から作用を説明する。
屋根13はアウタテント 131とインナテント 132により構
築すると共に、側壁テント16により外壁14を覆うように
したので、特別な断熱構造を採用しないで外壁14および
屋根裏室21しいては建家全体の内部雰囲気条件を外気条
件に影響されないようにすることが可能になると共に、
屋根13の構造を簡略化することが可能になる。また、屋
根13をアウタテント 131とインナテント 132により構築
することにより屋根13の重量が軽減されるので、貯留ビ
ン1および建家外壁を規格化された同一のパネルPで構
築することが可能になり、これに伴い建築材料費、納期
および設計施工工事を簡略化することが可能になり、更
に施設全体の基礎工事を簡略化することも可能である。
【0051】次に第二実施例について説明する。この第
二実施例が第一実施例と相違する点はアウタテント 131
とインナテント 132の間に断熱テント 134を設けると共
に、アウタテント 131と断熱テント 134を外壁14との間
に一定の空間部を形成して延長した点である。以下具体
的に説明する。
【0052】図5において、屋根13はアウタテント 131
とインナテント 132の間に断熱テント 134を設けて実質
上三重の屋根構造とし、それぞれ内側と外側の二つの空
気室135と 136を形成している。そして、断熱テント 13
4は外壁14との間に一定の空間 152を形成して下方に延
長されて断熱側面 162を形成しており、一方アウタテン
ト 131は断熱テント 134との間に一定の空間 151を形成
して下方に延長されてアウタ側面 161を形成し、外壁14
には実質上二重構造の側壁が形成されている。
【0053】また、前記外側空気室 135には外気に連通
する連通孔 181が連通孔18と同様に建家の側面20の両側
に設けられ(図13参照)、内側空気室 136には屋根裏室
21に連通する連通孔 182が設けられている。19は第一実
施例と同様に屋根裏室21が外気に連通するように設けら
れた開閉可能な連通窓である。そして、断熱側壁 162の
下端が密閉され、アウタ側面 161の下端は解放されてお
り、矢印Aで示すように外気が空間部 151に流入するよ
うになっている。また、図6に示す実施例は断熱側面 1
62の下端も解放して、空間部 152の空気が矢印Bで示す
ように、空間部151に流入できるようになっている。こ
の場合において、図5に示す下端が密閉にされた断熱テ
ント 162の下部に、図14に示すような部分的に解放可能
な孔を設けるようにしてもよい。
【0054】図7は図5および図6における庇部の構造
を示した図であり、屋根13を構成する骨組みは図9にも
示すように、貯留ビンポスト22の頂部に固定金物25を固
定し、この固定金物25とアウタテント骨材24に取り付け
られた固定金物26とをボルト27にて締結することにより
骨組みが形成されている。一方においてインナテント13
2の端部は貯留ビンポスト22の頂部に固定された板状の
インナテント取り付け部材23に、C型の固定部材28を介
して取りつけられると共に、インナテント 132の途中は
アウタテント骨材24に設けられたフック29にフックボル
ト30を介して吊り下げられている。
【0055】次に断熱テント 134および断熱側面 162の
端部の係止は次のようにして行われている。先ず、断熱
テント 134の端部を係止するための断熱テント取付部材
45は図7に示すように、固定金物25を横切るように上下
に突出した状態で固定金物25に溶接などにより固定され
ている。これにより、固定金物25の部分において、断熱
テント取付部材45により外側空気室 135と 136および空
間部 151と 152に仕切ることができるようになってい
る。この断熱テント取付部材45は固定金物25間(貯留ビ
ンポスト22間)に取りつけられており、この断熱テント
取付部材45の上側にC型の固定部材28を介して断熱テン
ト 134の端部が係止され、断熱側面 162の上端は断熱テ
ント取付部材45の下側にC型の固定部材28を介して係止
されている。また、図8に示すように、断熱側面 162の
上端を断熱テント取付部材45の下側にフラットバー47を
介してボルト46により取りつけるようにしてもよい。そ
して、断熱テント 134の中間部はアウタテント骨材24に
設けられたフック29に、フックボルト30に設けた止め部
301を介して、インナテント 132と共に吊り下げられて
いる。
【0056】次にアウタ側面 161および断熱側面 162の
下端の係止は次のようにして行われる。図10に示す実施
例は断熱側面 162の下端を解放したものであり、断熱側
面 162の下端に設けたロープ48を、腰板32に設けた係止
バー33に巻回してそのロープ48の端部を係止具49で止め
るようにしている。そして、パネルP(外壁14)との間
に空間部 152を形成するために、腰板32または貯留ポス
ト22の側面に支持部材50を設け、この支持部材50の先端
に案内バー51を取りつけて断熱側面 162を案内するよう
にしている。
【0057】図11は断熱側面 162の下端を密閉にした場
合の係止であり、腰板32にL字状に曲げた取付部材52を
取り付け、この取付部材52の上縁に断熱側面 162の端部
をC型の取付部材28を介して取りつけている。図10およ
び図11におけるアウタ側面 161の係止の仕方は図3の場
合と同じであるので、同一部分に同一符号を付してその
説明を省略する。図には現れていないが、取付部材52ま
たは断熱側面 162の下端に部分的に孔44(図14参照)を
設けてもよい。また、この第二実施例の場合も同様に、
図15に示すように機械室2の部分におけるインナテント
132の内部を仕切っている。また、断熱テント 134およ
び断熱側面 162として例えば、テント素材を二重にし、
この二重にしたテント素材の内部に空気層を形成したも
のを使用する。
【0058】以上のように構成した第二実施例の作用に
ついて次に説明する。先ず、貯留されている収穫米の貯
留の観点からその作用を説明する。図5に示すように、
屋根13はアウタテント 131とインナテント 132の間に断
熱テント 134を設けて三重構造にして外側空気室 135と
内側空気室 136を形成し、断熱テント 134を外壁14との
間に一定の空間部 152を設けて延長することにより断熱
側面 162を形成すると共に、アウタテント 131を断熱側
面 162との間に一定の空間部 151を設けてアウタ側面 1
61を形成し、アウタ側面 161の下端を解放したので、ア
ウタ側面 161の解放された下端を通して、断熱側面 162
との間の空間部 151および外側空気室 135を図5の矢印
Aで示すように外気と連通させることができ、外側空気
室 135の空気および空間部 151の空気を、内側空気室 1
36および空間部 152とは独立した状態で自然対流させる
ことが可能になる。
【0059】一方において、内側空気室 136および空間
部 152に例えば貯留室(屋根裏室21)とほぼ同じ温度の
空気、あるいは温度の低い空気を、外側空気室 135およ
び空間部 151とは独立した状態で循環させることが可能
になる。そして、外側空気室135の空気および空間部 15
1の空気を、内側空気室 136および空間部 152とは独立
した状態で自然対流させ、かつ、断熱側面 162および断
熱テント 134が設けられているので、内側空気室 136お
よび空間室 152内の空気が外側空気室 135および空間部
151内の空気条件により影響されるのを少なくして、実
質上外気条件による影響をほとんどなくし、建家の屋根
裏室21および外壁14を空気層で包むようにして外気との
間で熱的にほぼ確実に遮断し、適正な貯留温度を積極的
に維持することが可能になる。
【0060】また、図6に示すように、断熱側面 162と
アウタ側面 161の両方の端部を解放することにより、空
間部 151および 152を図6の矢印Bで示すように連通さ
せることができると共に、空間部 151を矢印Aで示すよ
うに外気に連通させることができる。これにより、内側
空気室 136内の空気および空間部 152内の例えば、トラ
イエアーゼネレータで冷却した冷空気を屋根裏室21から
連通孔 182を経由して打つ側空気室 136に導き、その冷
空気を断熱側面 162の下端を通して外気と共に空間部 1
51内に導いて連通孔 181から外部に排気することによ
り、空間部 151および外側空気室 135内の空気の温度を
調節(変化)することが可能になる。
【0061】また、図5および図11に示すように断熱側
面 162の下端を解放しないで取付部材52で密閉し、この
取付部材52(または断熱側面 162)に部分的に孔44(図
14参照)を設けた場合も同様に、この孔44を通して空間
部 151と 152とを連通させることができ、上記断熱側面
152の端部を解放したものと同様に、空間部 151および
外側空気室 135の空気温度を調節することが可能にな
る。そして、断熱テント134および断熱側壁 162が設け
たれているので、空間部 151と 152との間が断熱され
て、空間部 151および外側空気室 135の空気温度の調節
をより確実にすることが可能になる。
【0062】そして、この孔44を開閉できるようにする
ことにより、空間部 152の空気を空間部 151へ循環させ
たり、循環させないようにすることができ、外気条件に
応じて空間部 151および外側空気室 135内の空気温度を
調整することが可能になる。このように、空間部 151の
空気および外側空気室 135内の空気の温度を外気条件に
応じて調整することにより、単なる空気の熱伝導の物理
的性質を利用した断熱層ではなく、空間部 151の空気お
よび外側空気室 135内の空気は外気条件に応じた断熱層
の役目を果たすことになり、外壁14および屋根裏室21内
の空気の温度雰囲気と外気温度との間をより確実に遮断
することが可能になる。
【0063】これについて更に具体的に説明すると、夏
季などにおいて外気温度が高い場合には、孔44を開口し
て空間部 152内の冷たい空気を空間部 151に循環して、
空間部 151および外側空気室 135内の空気温度を低下さ
せるようにする。すなわち、太陽熱によりアウタテント
131およびアウタ側壁 161が加熱されて、空間部 151お
よび外側空気室 135内の空気が昇温される。このように
昇温された空間部 151および外側空気室 135内の空気
は、空間部 151および外側空気室 135内で上昇気流を発
生させ、この上昇気流により開口されている孔44から空
間部 152内の空気を吸引し、空間部 151および外側空気
室 135内の空気の温度を低下させる。このようにして、
空間部 151および外側空気室 135内の空気温度を低下し
た空気により外気と遮断するので、インナテント 132お
よび外壁14の温度上昇が抑制され、インナテント 132か
ら屋根裏室21の空間に放射される輻射熱をより確実に軽
減すると共に、外壁14の昇温をより確実に軽減すること
が可能になる。
【0064】また、図12および図13に示すように、外側
空気室 135と外気とを連通するように連通孔 181が設け
られているので、上記太陽熱で昇温された空間部 151お
よび外側空気室 135内の空気の上昇気流で上昇した温度
の高い空気をこの連通孔 181から排気することができ、
空間部 151および外側空気室 135内の空気の自然対流を
より積極的に行わせることが可能になり、これにより空
間部 152および内側空気室 136内の空気が外気条件に影
響されるのを少なくして、インナテント 132の温度上昇
および外壁14の温度上昇を抑制し、インナテント 132か
ら屋根裏室21の空間に放射される輻射熱および外壁14の
昇温をより確実に軽減することが可能になる。
【0065】そして更に、断熱テント 134および断熱側
面 162を使用しているので、空間部151および外側空気
室 135と空間部 152および内側空気室 136との間で断熱
され、空間部 152および内側空気室 136内の空気が外気
条件に影響されるのを更に少なくして、インナテント 1
32の温度上昇および外壁14の温度上昇をより確実に抑制
し、インナテント 132から屋根裏室21の空間に放射され
る輻射熱および外壁14の昇温を更に確実に軽減すること
が可能になる。また、図13に示すように、この連通孔 1
81を建家の側面20の両側に設けることにより、空間部 1
51および外側空気室 135内での上記自然対流を全体にわ
たって均一に行わせることが可能になる。
【0066】また、この自然対流を全体にわたって偏流
を起こさせることなく均一に行わせるためには、連通孔
181を建家の側面20の両側のみならず、屋根13の棟に複
数個設けるようにしてもよい。このように、屋根13の棟
に複数個の連通孔 181を設けても、屋根13はアウタテン
ト 131、断熱テント 134およびインナテント 132により
三重構造になっているので、屋根裏室21内への雨の侵入
は断熱テント 134により防ぐことが可能である。上記輻
射熱の更なる軽減はアウタテント 131および側壁テント
161の色を黒くして輻射熱を吸収するかあるいは輻射熱
を反射するような色を選択することにより達成すること
が可能になる。
【0067】次に、冬期などにおいて外気温度が低くな
った時には、孔44を閉じて空間部 152および内側空気室
136内の空気を空間部 151に循環しないようにして、空
間部151および外側空気室 135内の空気温度と空間部 15
2および内側空気室 136内の空気温度を、断熱テント 13
4および断熱側面 162を介して独立した状態で維持す
る。
【0068】これにより、インナテント 132および外壁
14を境界にした内側空気室 136内および空間部 152と屋
根裏室21および外壁14の内面との間の温度勾配が緩やか
になるので、インナテント 132および外壁14の内面に発
生する結露を防止することが可能になる。このように外
気温度が低くても結露の発生が防止されるならば、穀物
は低温貯留する方が品質保証の点で安全側であるので、
屋根裏室21および貯留ビン1内の空気温度が低下しても
問題はない。
【0069】もしも寒冷地などで外気温度が極度に低下
してアウタテント 131の外側空気室135側面およびアウ
タ側面 161の内面に結露したとしても、その結露した水
滴は断熱テント 134および断熱側面 162をつたって流下
し、乾燥貯留施設内に侵入するのを防止することが可能
になる。
【0070】このように、穀物の貯留をする場合におい
て、外側空気室 135、 136および空間部 151、 152内に
ある空気の物理的性質である熱伝導を単に利用した断熱
効果のみの利用ではなく、夏季とか冬期などの外気条件
に応じて、内側空気室 136および空間部 152内の空気を
空間部 151内に循環させて、空間部 151および外側空気
室 135内の空気温度を調整したり、あるいは循環をさせ
ないようにして空間部151および外側空気室 135の空気
温度と空間部 152と内側空気室 136内の空気温度を独立
して維持し、屋根裏室21および外壁14と外気とを遮断す
るようにしたので、外壁14および屋根裏室21内の空気温
度の昇温および結露発生を防止することが可能になる。
これにより、穀物の品質を保証した貯留が可能となり、
かつ、貯留時における乾燥の頻度を少なくしてランニン
グコストの低減を図ることが可能になる。
【0071】次に、穀物の乾燥の観点から作用を説明す
る。先ず、収穫された直後の収穫米には大量の水分が含
まれているので、品質保証の観点より短時間に乾燥する
必要がある。そして、収穫直後の収穫米を貯留するビン
1内を通過し収穫米の水分を吸収して排気された空気中
には大量の水分が含まれている。したがって、この水分
の多い排気をドライエアーゼネレータ4に再循環して使
用した場合には乾燥効率が低下するので、実質上穀物を
乾燥することができないのは第一実施例と同様である。
【0072】そこで、図5および図6に示すように、屋
根裏室21が外気に連通する開閉可能な連通窓19が設けら
れているので、この連通窓19を開くことによりビン1か
ら排気された湿度が高い排気を外気中に放出し、湿度が
低い外気をドライエアーゼネレータ4に取り入れて、収
穫米を短時間に乾燥するようにすることが可能になる。
【0073】一方において、収穫米を短時間に乾燥する
には、できるだけ高い温度で、かつ、低い湿度の空気を
ドライエアーゼネレータ4に取り入れる必要がある。ま
た、湿度が低い空気を取り入れる程、ドライエアーゼネ
レータ4の負荷が軽くなり、ドライエアーゼネレータ4
の駆動消費電力を低減することができる。
【0074】そこで、ビン1から排気される空気の温度
と湿度(排気条件)と外気の温度と湿度(外気条件)と
を比較し、排気条件の方が外気条件よりも良い場合に
は、連通窓19を閉めて窓43を開けることにより、乾燥貯
留室内の空気を再循環して使用することが可能になり、
また、逆に外気条件が排気条件よりも良い場合には、連
通窓19を開けて窓43を閉めることにより、外気取り入れ
用の庇部38から外気をドライエアーゼネレータ4に取り
入れて、排気を連通窓19から大気中に放出することが可
能になる。これにより、穀物の乾燥を短時間に行うこと
ができ、また、ドライエアーゼネレータ4の負荷を少な
くしてその動力を節減しながら、収穫米を乾燥すること
が可能になる。
【0075】また、図15に示すように、機械室2の部分
におけるインナテント 132内部を内壁テント40および41
で仕切り、この内壁テントに開閉可能な窓43を設けたの
で、貯留中の穀物の乾燥および冷却においては、窓43を
開けて乾燥貯留室内と連通させることにより、乾燥貯留
室内に排気を循環させることが可能になり、ドライエア
ーゼネレータ4の除湿効率を向上して、穀物の温度およ
び湿度を下げることが可能になる。
【0076】このように、収穫時における水分が高い収
穫米を短時間に乾燥するためには、上記のように連通窓
19を開けると共に窓43を閉めて水分の多い排気を外気に
放出しながら、外気取り入れ用の庇部38から外気をドラ
イエアーゼネレータ4に取り入れて、収穫米を短時間に
乾燥させることが可能になる。そして、ビン1内に貯留
されている収穫米の温度および湿度が低くなり、排気条
件が外気条件よりも良くなった時に、上記のように連通
窓19を閉めると共に窓43を開けて排気を再循環させ、ド
ライエアーゼネレータ4の負荷を少なくしてその動力を
節減しながら、収穫米を乾燥することが可能になる。
【0077】次に、建設費の観点から作用を説明する。
屋根13はアウタテント 131とインナテント 132の間に断
熱テント 134を設けて構築するようにしたので、特別な
断熱構造を採用しないで屋根裏室21しいては建家全体の
内部雰囲気条件を外気条件に影響されないようにするこ
とが可能になると共に、屋根13の構造を簡略化すること
が可能になる。また、屋根13をアウタテント 131、断熱
テント 134およびインナテント 132により構築すること
により屋根13の重量が軽減されるので、貯留ビン1およ
び建家外壁を規格化された同一のパネルPで構築するこ
とが可能になり、これに伴い建築材料費、納期および設
計施工工事を簡略化することが可能になり、更に施設全
体の基礎工事を簡略化することも可能である。
【0078】
【発明の効果】以上詳述した通り本発明によれば、アウ
タテントとインナテントの二重構造のまた、上記側壁テ
ントの下端を解放しないで密閉し、この密閉部分に部分
的に孔を設けた場合も同様に、この孔を通して外壁と側
壁テントとの間の空間部および空気室を外気と連通さ
せ、前記空気室の空気および側壁テントと外壁との間の
空間部の空気を自然対流させることができ、建家の屋根
裏室および外壁を空気層で包むようにして外気との間で
熱的に遮断し、輻射熱による屋根裏室および外壁の温度
上昇を防止すると共に、結露の発生を防止することがで
きる。
【0079】そして、この孔を開閉できるようにするこ
とにより、側壁テントと外壁との間の空間部の空気およ
び空気室の空気を自然対流させたり、自然対流をさせな
いようにすることができ、外気条件に応じて空気室内の
空気温度を対応させることができる。これにより、単な
る空気の熱伝導の物理的性質を利用した断熱層ではな
く、この側壁テントと外壁との間の空間部の空気および
空気室内の空気は外気条件に応じた断熱層の役目を果た
すことになり、側壁テントと外壁との間の空間部の空気
および屋根裏室内の空気の温度雰囲気と外気温度との間
を遮断することができ、輻射熱による屋根裏室および外
壁の温度上昇を防止すると共に、結露の発生を防止する
ことができる。
【0080】また、空気室と外気とを連通するように連
通孔を設けることにより、太陽熱で昇温された側壁テン
トと外壁との間の空間部および空気室内の空気の上昇気
流で上昇した温度の高い空気をこの連通孔から排気する
ことができ、側壁テントと外壁との間の空間部および空
気室内の空気の自然対流をより積極的に行わせることが
でき、これによりインナテントの温度上昇および外壁の
温度上昇を抑制し、インナテントから屋根裏室の空間に
放射される輻射熱および外壁の昇温をより確実に軽減
し、輻射熱による屋根裏室および外壁の温度上昇を防止
すると共に、結露の発生を防止することができる。
【0081】また、密閉された側壁テントの下端に孔を
設けることにより、冬期などにおいて外気温度が低くな
った時には、孔を閉じて側壁テントと外壁との間の空間
部および空気室内の空気の積極的な自然対流を起こさせ
ないようにして、側壁テントと外壁との間の空間部およ
び空気室内の空気温度が低下しないようにすることがで
き、インナテントを境界にした空気室内と屋根裏室との
間の温度勾配および外壁と外気との間の温度勾配が緩や
かになり、インナテントおよび外壁の内面に発生する結
露を防止することができる。更に、連通孔も閉めること
により、上記自然対流の発生をより積極的に抑制し、上
記結露の発生をより確実に防止することができる。
【0082】このように、穀物の貯留をする場合におい
て、側壁テントと外壁との間の空間部および空気室内に
ある空気の物理的性質である熱伝導を単に利用した断熱
効果のみの利用ではなく、夏季とか冬期などの外気条件
に応じて、側壁テントと外壁との間の空間部および空気
室内の空気を自然対流させたり、自然対流をさせないよ
うにして、外壁および屋根裏室と外気とを遮断するよう
にしたので、外壁内面への結露および屋根裏室内の空気
温度の昇温および結露発生を防止することができ、穀物
の品質を保証した貯留が可能となり、かつ、貯留時にお
ける乾燥の頻度を少なくしてランニングコストの低減を
図ることが可能になる。
【0083】次に、アウタテントとインナテントの間に
断熱テントを設けて三重構造の屋根にして外側空気室と
内側空気室を形成し、断熱テントを外壁との間に一定の
空間部を設けて延長することにより断熱側面を形成する
と共に、アウタテントを断熱側面との間に一定の空間部
を設けてアウタ側面を形成し、アウタ側面の下端を解放
したので、アウタ側面の解放された下端を通して、断熱
側面との間の空間部および外側空気室を外気と連通させ
ることができ、外側空気室の空気およびアウタ側面と断
熱側面との間の空間部の空気を、内側空気室および断熱
側面と外壁との間の空間部とは独立した状態で自然対流
させることができ、輻射熱による屋根裏室および外壁の
温度上昇を確実に防止すると共に、結露の発生も確実に
防止し、穀物の高い品質を維持した状態で貯留すること
ができる。
【0084】そして更に、内側空気室および断熱側面と
外壁との間の空間部に例えば貯留室とほぼ同じ温度の空
気、あるいは温度の低い空気を、外側空気室およびアウ
タ側面と断熱側面との間の空間部とは独立した状態で循
環させることができ、更に、外側空気室の空気およびア
ウタ側面と断熱側面との間の空間部の空気を、内側空気
室および断熱側面と外壁との間の空間部とは独立した状
態で自然対流させ、かつ、断熱側面および断熱テントが
設けられているので、内側空気室および断熱側面と外壁
との間の空間室内の空気が外側空気室およびアウタ側面
と断熱側面との間の空間部内の空気条件により影響され
るのを少なくして、実質上外気条件による影響をほとん
どなくし、建家の屋根裏室および外壁を空気層で包むよ
うにして外気との間で熱的にほぼ確実に遮断し、輻射熱
による屋根裏室および外壁の温度上昇を確実に防止する
と共に、結露の発生も確実に防止し、かつ、適正な貯留
温度を積極的に維持し、穀物の高い品質を維持して貯留
することができる。
【0085】また、断熱側面とアウタ側面の両方の端部
を解放することにより、二つの空間部を連通させること
ができると共に、アウタ側面と断熱側面との間の空間部
を外気に連通させることができ、内側空気室内の空気お
よび断熱側面と外壁との間の空間部内の例えば冷空気を
断熱側面の下端を通して外気と共に他の空間部内に導い
て循環し、他の空間部および外側空気室内の空気の温度
を調節(変化)することができ、輻射熱による屋根裏室
および外壁の温度上昇を確実に防止すると共に、結露の
発生も確実に防止し、かつ、適正な貯留温度を積極的に
維持し、穀物の高い品質を維持しながら貯留することが
できる。
【0086】また、断熱側面の下端を解放しないで密閉
し、この密閉部分に部分的に孔を設けた場合も同様に、
この孔を通して二つの空間部を連通させたりさせないよ
うにすることができるので、上記断熱側面の端部を解放
したもの、および解放しないものと同様の効果を選択的
に得ることができる。そして更に、断熱テントおよび断
熱側壁が設けたれているので、二つの空間部の間が断熱
されて、上記断熱側面の端部を解放したもの、および解
放しないものと同様の効果を選択的により確実に得るこ
とができる。
【0087】また、屋根裏室が外気に連通する開閉可能
な連通窓を設けることにより、排気条件と外気条件とを
比較し、乾燥貯留室内の空気を再循環して乾燥用空気と
して使用したり、また、逆に排気を連通窓から大気中に
放出して、新たな外気を取り入れることができ、穀物の
乾燥を短時間に行うことができると共に、ドライエアー
ゼネレータの負荷を少なくしてその動力を節減しなが
ら、収穫米を乾燥し、ランニングコストを低減すること
ができる。
【0088】また、機械室のインナテント内部を内壁テ
ントで仕切り、この内壁テントに開閉可能な窓を設けた
ので、貯留中の穀物の乾燥および冷却においては、窓を
開けて乾燥貯留室内と機械室内とを連通させることによ
り、機械室内に設置されているドライエアーゼネレータ
により乾燥貯留室内に排気を循環させることができ、ド
ライエアーゼネレータの除湿効率を向上して、穀物の温
度および湿度を下げることができ、ランニングコストを
低減することができる。
【0089】そして、屋根はアウタテントとインナテン
トの二重構造、またはその間に断熱テントを設けた三重
構造で構築すると共に、外壁との間に一定の空間を設け
て側壁テントを形成したので、特別な断熱構造を採用す
ることなく屋根裏室および外壁を外気条件に影響されな
いようにすることができると共に、屋根の構造および外
壁の構造を簡略化することができる。また、屋根の重量
が軽減され、かつ、外壁の構造が簡略化されているの
で、貯留ビンおよび建家外壁を規格化された同一のパネ
ルで構築することができ、これに伴い建築材料費、納期
および設計施工工事を簡略化し、更に施設全体の基礎工
事を簡略化して建設費を大幅に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の要部を模式図で示した正面
図である。
【図2】図1における庇部を拡大して示した図である。
【図3】図1におけるアウタテントの端部係止部を拡大
して示した図である。
【図4】図1におけるアウタテントの端部係止部の他の
実施例を拡大して示した図である。
【図5】本発明の他の実施例の要部を模式図で示した正
面図である。
【図6】本発明の更に他の実施例の要部を模式図で示し
た正面図である。
【図7】図5および図6における庇部を拡大して示した
図である。
【図8】図5および図6における庇部の他の実施例を拡
大して示した図である。
【図9】図7および図8のAーA線における横断面図で
ある。
【図10】図7および図8におけるアウタ側面と断熱側
面の端部係止部を拡大して示した図である。
【図11】図7および図8におけるアウタ側面と断熱側
面の端部係止部の他の実施例を拡大して示した図であ
る。
【図12】図1、図5および図6の正面図である。
【図13】図12の側面図である。
【図14】図4および図11の底面図である。
【図15】機械室におけるインナテント内部の斜視図で
ある。
【図16】貯留乾燥建家の側面を模式図で示した説明用
図である。
【図17】図16の平面図である。
【符合の説明】
13 屋根 131 アウタテント 132 インナテント 133 空気室 134 断熱テント 14 外壁 15 空間部 151 空間部 152 空間部 16 側壁テント 161 アウタ側面 162 断熱側面 18 連通孔 181 連通孔 19 連通窓 21 屋根裏室

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 穀物の乾燥貯留用建家の屋根をインナテ
    ントとアウタテントで二重構造として空気室を形成し、
    該アウタテントを建家の側壁との間に所定の空間を設け
    て延長することにより側壁テントを形成し、該側壁テン
    トの下端を解放したことを特徴とする穀物の乾燥貯留用
    建家。
  2. 【請求項2】 側壁テントの下端を密閉にし、該密閉し
    た部分を部分的に開口したことを特徴とする請求項1記
    載の穀物の乾燥貯留用建家。
  3. 【請求項3】 側壁テントの下端を密閉にし、該密閉し
    た部分を部分的に開口し、該開口を開閉可能にしたこと
    を特徴とする請求項2記載の穀物の乾燥貯留用建家。
  4. 【請求項4】 空気室と外気とが連通する連通孔を開閉
    可能に設けたことを特徴とする請求項1、2および3記
    載の穀物の乾燥貯留用建家。
  5. 【請求項5】 穀物の乾燥貯留用建家の屋根をインナテ
    ントとアウタテントの間に断熱テントを設けて三重構造
    とし、該アウタテントと断熱テントで外側空気室を形成
    すると共に断熱テントとインナテントで内側空気室を形
    成し、前記断熱テントを建家の側壁との間に所定の空間
    を設けて延長すると共にアウタテントを前記断熱テント
    との間に一定の間隔をあけて延長することにより二重構
    造の側壁テントを形成し、該側壁テントの下端を解放し
    たことを特徴とする穀物の乾燥貯留用建家。
  6. 【請求項6】 側壁テントにおける断熱テントの下端を
    密閉にしたことを特徴とする請求項5記載の穀物の乾燥
    貯留用建家。
  7. 【請求項7】 側壁テントにおける断熱テントの下端を
    密閉にし、該密閉した部分を部分的に開口したことを特
    徴とする請求項6記載の穀物の乾燥貯留用建家。
  8. 【請求項8】 側壁テントにおける断熱テントの下端密
    閉部分に設けた孔を開閉可能にしたことを特徴とする請
    求項7記載の穀物の乾燥貯留用建家。
  9. 【請求項9】 外側空気室と外気が連通する連通孔を開
    閉可能に設けたことを特徴とする請求項5、6、7およ
    び8記載の穀物の乾燥貯留用建家。
  10. 【請求項10】 内側空気室と屋根裏室とを連通する連通
    孔を設けたことを特徴とする請求項5、6、7、8およ
    び9記載の穀物の乾燥貯留用建家。
  11. 【請求項11】 インナテントとアウタテントで形成され
    た屋根の屋根裏室と外気とを連通するように、外壁テン
    トと内壁テントとを貫通して開閉可能な連通窓を設けた
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9及び10記載の穀物の乾燥貯留用建家。
  12. 【請求項12】 機械室のインナテント内部を内壁テント
    で仕切り、該内壁テントに開閉可能な窓を設けたことを
    特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9
    10及び11記載の穀物の乾燥貯留用建家。
JP28398093A 1993-10-18 1993-10-18 穀物の乾燥貯留用建家 Pending JPH07113346A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114916324A (zh) * 2022-05-12 2022-08-19 国家粮食和物资储备局科学研究院 一种成品粮堆垛帐幕及气调储粮系统

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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