JPH07111391B2 - 複合材料積層板の擬三次元モデル作成法および該モデルを用いた複合材料積層板の解析方法 - Google Patents

複合材料積層板の擬三次元モデル作成法および該モデルを用いた複合材料積層板の解析方法

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JPH07111391B2
JPH07111391B2 JP5120641A JP12064193A JPH07111391B2 JP H07111391 B2 JPH07111391 B2 JP H07111391B2 JP 5120641 A JP5120641 A JP 5120641A JP 12064193 A JP12064193 A JP 12064193A JP H07111391 B2 JPH07111391 B2 JP H07111391B2
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泰以 濱田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭素繊維強化プラスチ
ックス(CFPR)をはじめとする複合材料積層板の擬
三次元モデルの作成法に関するものである。また、その
モデルを用いた複合材料積層板の解析方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】補強繊維に樹脂を含浸させたプリプレグ
を多層に積層してから加熱一体化することによりFRP
が製造される。樹脂成分としてはエポキシ樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ジアリルフタレー
ト樹脂、ビニルエステル樹脂、シリコーン樹脂、ポリイ
ミドなどが用いられを用いられ、補強繊維としては炭素
繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、シリコンカーバイド繊
維、アルミナ繊維、シリカ繊維、芳香族ポリアミド繊維
などが用いられる。
【0003】このようにして得られた複合材料積層板
(殊にCFRP)は、軽量でかつすぐれた力学的特性を
有し、しかも繊維の配向角を変化させることにより必要
な剛性を持つ構造物を得ることが可能で、比強度も高い
ことから、航空機・宇宙関係材料、自動車部品、電子・
電気部品、スポーツ・レジャー用品、一般産業用をはじ
めとする種々の分野において用途展開がなされている。
【0004】一方向強化材の積層からなる複合材料積層
板を構造物として用いる場合、その剛性、強度と言った
静的特性はもとより、固有振動数に代表される動的な特
性も問題となることが多い。固有振動数は材料の持って
いる剛性と構造物の形状によって決定されるため、複雑
な構造物の場合、実験的にその固有振動数を決定するこ
とが困難である。そのため、有限要素法等を用いて数値
解析的に固有振動数を推定する方法が有効であると考え
られる。
【0005】複合材料積層板の特性評価に関する報告は
数多く見られるが、複合材料積層板の破壊強度は樹脂部
の破壊、繊維−樹脂界面破壊、層間剥離などのモードが
複雑に組み合わさるため決定するのが困難である。さら
に構造物に円孔などの欠陥を有する場合の臨界荷重の把
握は極めて困難である。
【0006】また、航空機におけるバードアタックや構
造物への落下衝突などにより内部に層間剥離などの欠陥
を有するようになった積層板の静的、動的強度の低下も
大きな問題となる。強度低下において最も問題となるの
が座屈強度であり、そのため、剥離状態と残留座屈強度
との関係を明らかにする必要がある。この場合も有限要
素法によるシミュレーションが可能となれば、複合材料
積層板を用いた設計の重要な指針となる。
【0007】積層板の振動解析を行う場合や変形破壊挙
動をシミュレートする場合、積層板の挙動は面内、面外
の変形が組み合わさった複雑な三次元変形となるため、
解析をある断面に限定した二次元解析を行うことが困難
である。そのためソリッド要素を用いた解析が最も妥当
であるが、後述のような問題点がある。そこで、古典積
層理論を用いて積層板を1枚の等価剛性板に置換し、シ
ェル要素による解析が行われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ソリッド要素を用いて
表現した三次元解析を行う方法は、解析時間を考慮して
要素分割を粗くすると要素要素のアスペクト比が極端に
大きくなり、精度的に問題を生ずる。逆にアスペクト比
を1に近づけると、今度は要素数が膨大になり事実上解
析は不可能となる。
【0009】積層板を1枚の等価剛性板に置換してシェ
ル要素による解析を行う方法は、層間の相互作用を無視
してしまうことになり、積層内の繊維−樹脂界面特性の
影響や内部欠陥の影響などの微視的な減少を表現するこ
とが困難になる。
【0010】本発明は、このような背景下において、限
られたCPUパフォーマンス下において比較的短時間で
三次元変形挙動を精度良くシミュレートすることができ
る擬三次元モデルを提供すること、およびその擬三次元
モデルを用いて複合材料積層板の解析を行う方法を提供
することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の複合材料積層板
の擬三次元モデル作成法は、複合材料積層板中に存在す
る繊維と樹脂とをそれぞれ独立してとらえ、繊維部をシ
ェル要素で、樹脂部をビーム要素でモデル化し、ビーム
要素でシェル要素を拘束するように組み合わせることに
より擬三次元化モデルを作成することを特徴とするもの
である。
【0012】また本発明の複合材料積層板の解析方法
は、上記の擬三次元モデルを用い、複合材料積層板の引
張解析、曲げ解析、固振動解析、引張損傷解析または残
留強度解析を行うことを特徴とするものである。
【0013】以下、本発明を図面を参照しながら詳細に
説明する。
【0014】図1は積層板の擬三次元モデル化における
基本概念を示した説明図である。図1に示すように、一
層当りに含まれる繊維が六角形配列上に存在すれば、繊
維体積含有率Vf は次の式(1) で表わされる。2Rは繊
維間距離を、2rは繊維径を表わす。
【0015】
【式1】
【0016】式(1) において、R=rのときに理論上体
積含有率Vf が最大となることから、最大体積含有率V
fmaxは Vfmax= 0.907 となる。
【0017】各層の繊維が六角形配列として最密に存在
する部分と、樹脂のみの部分に分離し、この繊維部を二
次元異方性板とし、シェル要素でモデル化を行った。こ
の際、シェル要素の板厚h1 は対応するプリプレグの板
厚とその体積含有率から下記の式を用いて求めた。 h1 =h0 ・Vf0 / 0.907
【0018】図2に擬三次元モデルの作成例を示す。各
層の繊維部を表現しているシェル要素の間隔hは、本モ
デルにおいては各層の中立面に位置しているため、これ
らの間隔h0 は実際の積層板を構成する一層当りの板厚
と同一である。またシェル要素は直交異方性の線形シェ
ル要素とした。次に、線形シェル要素を構成する節点
を、板厚方向に樹脂の物性値を持つ等方性ビーム要素で
連結した。これらのビーム要素は、各層をVf0=90.7%
の繊維密部と残りの樹脂部に分割したうちの後者に対応
している。
【0019】ビーム要素の断面形状は、図3に示すよう
に、その位置により異なり、同一層間に存在するビーム
要素の断面積の総和が全体の面積に等しくなるようにし
た。またシェル要素の面外方向回転の自由度は拘束し
た。図4に振動解析に用いた擬三次元モデルの一例(要
素分割例)を示す。
【0020】擬三次元モデルでは要素のアスペクト比を
考慮する必要がないため、ソリッド要素使用と比較する
と自由度が大幅に減少し、解析時間の短縮化が期待でき
る。またビーム要素を消去することにより、内部欠陥モ
デルにも対応可能である。なお、本モデル比は、繊維体
積含有率が極端に小さい場合には適用できない可能性が
あるが、通常使用されるプリプレグの繊維含有率はたと
えば40〜70%であってそれほど低いものではないた
め、本モデル化に関しては問題を生じない。
【0021】
【作用】擬三次元モデルでは、要素のアスペクト比を考
慮する必要がないため、ソリッド要素使用と比較すると
自由度が大幅に減少し、解析時間の短縮化が図られる。
またビーム要素を消去することにより内部欠陥モデルに
も対応可能である。
【0022】すなわち、本発明の擬三次元モデルを用い
れば、限られたCPUパフォーマンス下において複合材
料積層板の三次元変形挙動を短時間で精度良くシミュレ
ートすることができ、複合材料積層板の引張解析、曲げ
解析、固有振動解析、引張損傷解析、残留強度解析など
を精度良く行うことができる。
【0023】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。
【0024】[複合材料積層板の擬三次元振動解析法] 〈積層板の作成〉先に述べた擬三次元モデルを用いて、
表1に示した配向角の異なる4タイプの疑似等方性積層
板の解析を行った。FRP板は、繊維径7μm の炭素繊
維(東邦レーヨン株式会社製のHTA7)と130℃硬
化型汎用エポキシ樹脂とからなる繊維体積含有率57%
のプリプレグ(東邦レーヨン株式会社製)を用い、14
0℃、30分の条件でプレス成形により作成した。
【0025】
【表1】 解析に用いた積層パターン 層 No. 1 2 3 4 5 6 7 8 タイプA 0゜ 90゜ 45゜ -45゜ -45゜ 45゜ 90゜ 0゜ タイプB 90゜ 0゜ 45゜ -45゜ -45゜ 45゜ 0゜ 90゜ タイプC 45゜ -45゜ 0゜ 90゜ 90゜ 0゜ -45゜ 45゜ タイプD 45゜ -45゜ 90゜ 0゜ 0゜ 90゜ -45゜ 45゜ (厚さ= 0.375mm/層)
【0026】〈静的引張解析〉本モデルの妥当性をチェ
ックするために静的引張解析を行い、実験と比較した。
静的剛性解析に用いた有限要素モデルは、シェル要素数
96、ビーム要素数189、節点数216である。結果
を表2に示す。
【0027】
【表2】 静的引張解析結果(引張剛性値) 実験値 [GPa] 解析値 [GPa] 誤差 [%] タイプA 42.14 41.15 -1.6 タイプB 42.30 41.29 -2.4 タイプC 42.08 41.29 -1.9 タイプD 42.27 41.29 -2.3 誤差=(解析値−実験値)/実験値
【0028】表2において、各タイプの引張剛性におけ
る誤差は全て3%以下であり、本モデルが引張特性の把
握に有効であることがわかる。
【0029】〈静的曲げ解析〉次に3点曲げによる静的
曲げ解析を行い、実験と比較した。結果を表3に示す。
【0030】
【表3】 静的曲げ解析結果(曲げ剛性値) 実験値 [GPa] 解析値 [GPa] 誤差 [%] タイプA 71.95 72.02 0.1 タイプB 41.75 44.09 5.6 タイプC 25.38 26.37 3.9 タイプD 18.81 19.24 2.3 誤差=(解析値−実験値)/実験値
【0031】表3に示すように、曲げ剛性における誤差
は粗い線形シェル要素におけるモデル化が原因であると
思われるが、これも6%以内であることから、本モデル
が静的曲げ剛性の把握にも有効であることがわかる。
【0032】〈固有振動解析〉次に各積層板の固有振動
解析を完全自由な境界条件下に行った。用いた有限要素
モデルは、図4に示すように、シェル要素数160、ビ
ーム要素数210、節点数240である。一次モード、
二次モードの固有振動数を表4に示す。なお実験値は、
GEN RAD 社製のGenRad 2512 振動解析システムを用い
て、積層板を糸で吊るした状態で測定したものである。
【0033】
【表4】 固有振動解析結果(一次、二次振動数) 振動数(1次) 振動数(2次) 実験値 [Hz] 解析値 [Hz] 実験値 [Hz] 解析値 [Hz] タイプA 132.5 * 142.8 * 323.3 ** 338.1 ** タイプB 128.7 * 142.9 * 255.6 ** 265.5 ** タイプC 188.1 ** 190.6 ** 235.1 * 255.2 * タイプD 178.8 ** 183.2 ** 236.6 * 257.6 * * ねじれモード、 ** 曲げモード)
【0034】表4においても、両者の誤差が小さいこと
から、擬三次元モデルが固有振動解析にも適応できると
判断される。
【0035】今回の解析においては、比較的粗い要素分
割を行ったにもかかわらず、良い精度で固有振動数の推
定ができることがわかる。また積層構成の違いによる振
動モードの検討を行うと、解析結果においては曲げモー
ドとねじれモードが配列により逆転している。すなわ
ち、0゜層が外層近辺に存在するタイプAとタイプBで
はねじれモードが低周波側に励起されているのに対し、
0゜層が内装近辺に存在するタイプCとタイプDでは曲
げモードが低周波側に励起されている。この現象は実験
結果によっても支持されており、本手法が積層板の振動
解析手法として有効であることを示唆するものである。
【0036】一方、固有振動解析に要した時間は、アス
ペクト比28、ソリッド要素数4000で解析した場合
と比較すると1/140に減少し、大幅な計算時間の短
縮が図られることが明らかとなった。
【0037】〈内部欠陥を有する積層板の固有振動数の
推定〉積層板を成形する場合、何らかの要因により内部
欠陥を生ずることがある。内部欠陥が存在することによ
り、その積層板が影響を受けて固有振動数等の力学的特
性が変化することが考えられ、これらの特性の変化を推
定することは破壊の予知にもなるなど重要である。内部
欠陥を取り扱った解析例もいくつか見られるが、ほとん
どが解析対象を断面方向から見た平面ひずみモデルによ
るものである。これは内部欠陥の存在をモデル化するた
め通常の解析よりもさらに詳細な解析が必要となり、ソ
リッド要素では解析が困難になるためである。そこで本
発明で提案した擬三次元モデルを内部欠陥を有する積層
板に適応し、簡便な三次元解析手法の検討を試みた。
【0038】内部剥離を生じた積層板のモデルは、剥離
により剪断応力が伝播しないことから剛性低下を生ずる
ために、その部分のビーム要素を除去することにより表
現し、数値解析において一次、二次の固有振動数を算出
した。
【0039】図5に内部剥離モデルの概略図を示す。積
層板は表1で示したタイプAとした。実際の剥離には厚
さ50μm のポリテトラフルオロエチレンシート(淀川
化成株式会社製)を用い、剥離を生じさせる層間にこの
シートをインサートしたままプレス成形することにより
作成した。ここでは第3−4層、4−5層、5−6層間
に、図5で示した部分に剥離を生じさせた。表5に解析
と実験との比較を示す。また両者の曲げ振動モードを剥
離の有無に分けて図6および図7に示す。
【0040】
【表5】 タイプAにおける 内部剥離を有する積層板の振動解析結果 モード 実験値 [Hz] 解析値 [Hz] 1次(ねじれ) 123.7 135.5 2次(曲げ) 254.2 264.9
【0041】曲げモードにおいては解析、実験共に剥離
部分にひずみを生じ、振動の腹が剥離方向にシフトした
ものであり、良い一致が見られる。また振動数も良い一
致を示している。よって擬三次元モデルを用いることに
より、層間剥離を生じたモデルの固有振動数の推定が可
能であることがわかる。
【0042】本モデルを用いた解析によりタイプAにお
ける剥離を生じた位置と固有振動数との関係について考
察を行った。考察に用いた解析結果とその剥離モデルを
図8に示す。
【0043】この結果において、ねじれモードは曲げモ
ードに比べ、剥離すなわち剪断応力の不連続に対する感
度が鈍いことがわかった。これは、ねじれ変形が曲げ変
形に比べ発生する剪断ひずみが小さいためである。また
曲げモードは剥離に関しての感度が高く、剥離を生じた
部分がモードの腹付近(積層板の中央部)に隣接するに
つれ剥離の影響は小さくなっている。これは3点曲げ荷
重が加わったときの最大変位点での剪断ひずみ量が最小
となるためである。
【0044】内部欠陥を生じたモデルの解析において、
断面方向から見た二次元モデルを用いた解析では欠陥が
幅方向に平行に生じている特殊な欠陥にしか対応できな
い。一方、擬三次元モデルはどのような層間剥離にも対
応でき、また短時間で解析可能なモデルであることがわ
かった。
【0045】〈まとめ〉炭素繊維強化複合材料からなる
疑似等方性積層板を数値モデル化し、解析と実験の比較
を行うことにより、以下に示す知見を得た。 (1) CFRP板の有限要素解析を行う場合、通常使用さ
れる繊維体積含有率を有していれば、繊維部分に異方性
線形シェル要素を、樹脂部分に等方性ビーム要素を配し
た擬三次元モデルを用いて、静的剛性、振動特性を精度
良くシミュレートできることがわかった。 (2) 擬三次元モデルは、ビーム要素を消去することによ
り、層間剥離の生じた積層板の振動特性を推定すること
が可能となった。
【0046】[擬三次元モデルを用いた複合材料積層板
の引張損傷解析法]ここでは、ビーム要素にマトリック
ス材の降伏応力値を配し、積層順序を変更した疑似等方
性CFRP板の引張強度の予測を試みた。さらに、円孔
を有するCFRP板の引張強度に関する検討も行った。
【0047】〈モデル化〉図9に示すように、各層に含
有される繊維を六角形配列として最密に存在する部分と
樹脂のみの部分に分離し、前者を二次元異方性板として
シェル要素でモデル化を行った。
【0048】各層の繊維部を表現しているシェル要素
は、本モデルにおいて各層の中立面に位置しているた
め、これらの間隔h0 は実際の積層板を構成する一層当
りの板厚と同一である。またシェル要素の板厚h1 は図
9に示したようにプリプレグの繊維体積含有率に比例し
た値となっている。
【0049】次に線形シェル要素を構成する節点を板厚
方向に樹脂の物性値を持つ等方性ビーム要素で連結し
た。これらのビーム要素は、各層をVf =90.7%の繊維
密部と残りの樹脂部に分割したうちの後者に対応してい
る。ビーム要素の断面形状は、図10に示すようにその
位置により異なり、Z軸方向の長さに対してXY平面上
に大きな断面形状を有し、同一層間に存在するビーム要
素断面積の総和が全体の面積に等しくなるようにした。
また最外層のマトリックスは無視することにより擬三次
元モデル化を行った。さらにシェル要素の面外方向回転
の自由度は拘束した。
【0050】〈引張破壊進展解析手法〉解析対象には、
繊維径7μm の炭素繊維(東邦レーヨン株式会社製のH
TA7)と130℃硬化型汎用エポキシ樹脂とからなる
繊維体積含有率57%のプリプレグ(東邦レーヨン株式
会社製)を先に述べた表1に示す通りに積層した4タイ
プの疑似等方性CFRP板を用いた。
【0051】解析に用いた有限要素モデル(平滑板の要
素分割例)を図11に示す。解析時の荷重条件は、引張
試験時の負荷を考慮して、最外層(第1層と第8層)の
端部の節点に荷重増分法で数十ステップに分けて荷重を
与えた。また各ステップごとにシェル要素とビーム要素
の各々に発生する応力値を垂直応力成分と剪断応力成分
に分けて算出した。ここでは、荷重方向をX軸、幅方向
をY軸、厚さ方向をZ軸としている。
【0052】Aタイプにおける解析結果を図12に示
す。荷重を増加させていくと、まず90゜層を構成して
いるシェル要素に発生する繊維と垂直方向の応力σT
Vf =90.7%での繊維と垂直方向の強度FT に達する
(図中のA点)。このときの引張応力を第一破壊応力と
定義した。第一破壊応力値に達すると90゜層において
トランスヴァースクラックが生じることにより積層板内
の応力再配分が行われると考えられ、これを表現するた
めに90゜層を構成しているシェル要素の繊維と垂直方
法の弾性率ET を樹脂の弾性率まで低下させて解析を続
けた。さらに荷重を増加させていくと、ビーム要素が降
伏しはじめる(図12中B点)。ビーム要素の最初の一
つが降伏したときの引張応力を第二破壊応力と定義し
た。なおビーム要素の降伏は、等方硬化としたVon-Mise
s 則 (D. R. J. Owen・E. Hinton, Finite Elements i
n Plasticity, (1980) Pineridge Press Limited. p. 2
27) を用いた。さらに荷重を増加させていき、どのビー
ム要素が降伏しているかを調査した。
【0053】上記の解析手法の有効性を確認するために
引張試験を行った。実験にはインストロン4204型材
料試験機を用いてヘッドスピード1mm/minで引張荷重を
加えた。同時にしきい値40dBとしたAE測定も行っ
た。AE測定結果は低振幅(40dB−60dB)、中振幅
(60dB−80dB)、高振幅(80dB−100dB)に分
割し、積算ヒット数をカウントした。
【0054】〈解析結果および考察〉解析および実験結
果を図13に示す。図13によれば、両者における応力
−ひずみ曲線は良い一致を示している。さらに第一破壊
応力は実験で見られるknee-point位置と良い一致を示
し、AE測定における低振幅域のAE波発生開始とも良
い一致を示した。低振幅域のAE波の発生は樹脂内での
マイクロクラックの発生を意味しており、発生開始点と
第一破壊応力レベルでトランスヴァースクラックが発生
すると考えるのが妥当であると判断できる。またA〜D
タイプにおいての第一破壊応力値はそれぞれ 131.0、 1
20.0、 128.1、 128.5 MPaとなり、ほぼ一定であること
も確認できた。
【0055】次に第二破壊応力値以上の応力レベルで4
タイプ全てに中振幅域のAE波の発生が見られる。中振
幅域のAE波の発生は層間剥離を意味しており、発生開
始点と第二破壊応力との一致は擬三次元モデル内のビー
ム要素の降伏が層間剥離と対応していると考えるのは妥
当であると判断した。第二破壊応力下において最初に降
伏したビーム要素における降伏時の発生応力値およびビ
ーム要素のモデル内での位置を表6に示す。
【0056】
【表6】 最初に降伏したビーム要素の位置および発生応力 最初に降伏した σZ τXZ ビーム要素の位置 [MPa] [MPa] タイプA 45/90 interlamina -1.16 14.12 タイプB 90/ 0 interlamina -1.14 14.13 タイプC 0/90 interlamina -5.40 13.80 タイプD -45/90 interlamina -3.21 14.02
【0057】表6によれば、ビーム要素の降伏は4タイ
プとも剪断応力が支配的であり、90゜層との層間から
開始していることわかる。
【0058】図14にAタイプにおけるビーム要素の降
伏進展の様相を4段階に分けて示す。図14によれば、
Aタイプでは90/45層間から降伏がはじまり、荷重
の増加と共にビーム要素の降伏が同一層間内に伝播して
いく様子が見られる。このように繊維と樹脂とを独立し
てとらえることにより、トランスヴァースクラックと層
間剥離と言った異なる破壊現象を一つのモデルにより表
現できることが確認できた。それに対してソリッド要素
でモデル化を行うと、積層板を均質体とみなすため層間
での破壊と層内での破壊との分離は困難である。従っ
て、擬三次元モデルの引張強度解析への適用は効果的で
あると判断した。
【0059】〈円孔を有する積層板の引張破壊進展解
析〉上記においては、平滑板の層間剥離、トランスヴァ
ースクラックの発生を精度良くシミュレートできたが、
以下においてはさらに複雑な場合として強度予測が困難
であるとされている円孔を有する積層板への擬三次元モ
デルの適用を試みた。
【0060】解析対象は、上で用いた4タイプのCFR
P積層板の中央部に直径6mmの円孔を開けたものを使用
した。解析モデルを図15に、解析および事件結果を図
16に示す。
【0061】円孔を有する積層板においても、実験と解
析の応力−ひずみ関係は良い一致を示している。また、
実験結果で見られるknee-pointや中振幅のAE波の発生
と、解析結果における第一、第二破壊応力レベルとに良
い相関があることがわかった。
【0062】さらにAタイプおいてビーム要素の降伏進
展を図17に示す。図17によれば、まず90/45層
間の円孔縁より幅方向にビーム要素の降伏は進展し、次
に荷重の増加に伴ない荷重方向に進展することがわかっ
た。第二破壊応力レベルにおいて、ビーム要素の降伏は
Aタイプでは90/45層間、Bタイプでは90/0層
間、Cタイプでは0/90層間、Dタイプでは−45/
90層間で開始したが、これは先に述べた平滑板の降伏
開始と同一層間であることがわかった。
【0063】以上の結果より、円孔を有する積層板のよ
うに応力集中の生じるものの破壊進展予測が可能である
と判断した。
【0064】〈まとめ〉擬三次元モデルを用いることに
より、繊維と樹脂とを独立してとらえた引張解析を行
い、実験との比較により以下に示す知見を得た。 (1) CFRP積層板における応力−ひずみ曲線を第二破
壊応力まで精度良くシミュレートできた。 (2) またトランスヴァースクラックや層間破壊が発生す
る応力レベルの予測および層間破壊進展の予測も可能と
なった。 (3) 応力集中の生じる円孔を有するCFRP積層板にお
いても、応力−ひずみ曲線を第二破壊応力まで精度良く
シミュレートできた。またトランスヴァースクラックや
層間破壊が発生する応力レベルの予測および層間破壊進
展の予測も可能となった。
【0065】今回の解析では臨界強度についての評価は
行っていない。臨界強度は積層板内の欠陥に左右され、
ばらつきも大きいために、実際の設計には統計的処理を
施して用いられる。本モデルにおいてはそのようなばら
つきを考慮していないため、検討対象を積層板内の損傷
領域の進展としたが、擬三次元モデルを用いることによ
い簡便に破壊の発生および進展に関する考察が可能であ
るため、複合材料を用いた構造物の設計に対して本モデ
ルは有効であると判断した。
【0066】[内部欠陥を有する複合材料積層板の残留
強度解析法] 〈剥離を有する積層板のモデル化〉各層を六角形配列に
最密充填した繊維密部(繊維体積含有率Vf 90.7%)と
残りの樹脂部に分離し、前者を二次元直交シェル要素
で、後者を等方性ビーム要素でモデル化した。シェル要
素は各層の中立面上に位置しているため、シェル要素間
の距離は各層の板厚と等しくなっている。またシェル要
素の板厚h1 は図18に示したようにプリプレグの板厚
と繊維体積含有率に比例した値となっている。
【0067】次にシェル要素を構成する節点を板厚方向
に連結するようにビーム要素を配した。ビーム要素の断
面形状は、図19に示すようにその位置により異なり、
同一層間に存在するビーム要素の断面積の総和が全体の
面積に等しくなっている。図18に層間隔離を有する積
層板のモデル化の一例を示す。層間剥離を有することに
より、そのエリアでは層間剪断応力が伝達しないため、
ビーム要素を消去することにより剥離の表現とした。
【0068】〈剥離を有する積層板の曲げ剛性の推定〉
解析条件は擬三次元モデルを用いた静的三点曲げとし
た。解析対象は、繊維径7μm の炭素繊維と130℃硬
化型汎用エポキシ樹脂とからなる繊維体積含有率57%
のプリプレグ(東邦レーヨン株式会社製)を[0゜/9
0゜/45゜/−45°]sym に積層した160mm×4
0mm×3mmの疑似等方性CFRP板とした。積層板中の
剥離には、厚さ50μm のポリテトラフルオロエチレン
シート(淀川化成株式会社製)を層間にインサートした
まま成形することにより作成した。
【0069】解析に用いた有限要素モデルを図20に示
す。剥離の大きさは図21に示した20mm×20mm、4
0mm×20mm、60mm×20mmの3種類とし、剥離位置
は、3−4、4−5、5−6層間(以下Dela. 1 と呼
ぶ)、1−2、7−8層間(以下Dela. 2 と呼ぶ)、6
−7層間(以下Dela. 3 と呼ぶ)の3タイプとした。実
験にはインストロン4204型万能材料試験機を用い、
支点間距離120mmで3点曲げを行った。解析および実
験結果を図22に示す。
【0070】図22によれば、誤差は±6%以下である
ことから、本モデルが剥離を有した積層板の曲げ剛性の
把握に有効であることがわかった。
【0071】Area1と2、Area3と4、Area5と6およ
び7と言った内部剥離面積が同一であるタイプでの剛性
値を比較すると、全ての面積において剥離が積層板の端
部寄りに存在する方が剛性の低下は顕著であることがわ
かった。これは、三点曲げ荷重下において発生する層間
剪断ひずみは、荷重点下(最大変位点)が最小で、端部
に移行するに従って増大するためである。また剥離位置
において同一エリアで比較すると、曲げ剛性値は、Del
a. 3 、Dela. 1 、Dela. 2 の順に低下している。従っ
て静的残留強度に関しては、外層に剥離を有する構造物
の方が内層に剥離を有するものに比べ危険度が高いと推
定される。
【0072】次に、幅方向の剥離位置が曲げ剛性に与え
る影響を検討するため、剥離長さを同一とし、内部のみ
に剥離が存在するタイプ(以下Aタイプとする)、幅方
向端部のみに剥離が存在するタイプ(以下Bタイプとす
る)、幅方向に貫通した剥離が存在するタイプ(以下C
タイプとする)の3タイプの比較を行った。解析には最
も剪断応力の影響を受けると思われる厚さに対して中央
部に剥離が存在するDela. 1 を用いた。解析対象を図2
3に、解析結果を図24に示す。なお添字0は平滑板を
示す。
【0073】図24によれば、Cタイプでの剛性低下が
最も顕著であることがわかった。これは、長さ方向への
剪断応力が剥離位置において伝達を止められてしまうた
めである。これに対してA、Bタイプでは、平滑部分が
存在することで剥離位置においても伝達が生じるために
剛性低下が抑制されると推察される。またA、Bタイプ
においての差は見られなかった。これは三点曲げにおい
ては幅方向は湾曲しないことを示唆するものである。
【0074】上に述べたように、剥離を有した積層板の
曲げ剛性値は、擬三次元モデルを用いた解析により精度
良くシミュレートできることが確認される。
【0075】〈剥離を有する積層板の座屈解析〉次に、
擬三次元モデルを用いた動的残留特性としての座屈解析
を行い、文献(石川・村上, 機論, 56-525, A (1990) p
p. 1343-1347)による実験値との比較を行った。
【0076】解析対象は、繊維径8μm の炭素繊維(東
レ株式会社製の「トレカT−300」)とエポキシ樹脂
******株式会社製の「#2500」)とからな
る繊維重量含有率63%のCFRP積層板とし、積層配
列は[±45゜/0゜/90゜]2 sym である。サンプ
ルサイズおよび剥離状態を図25に、解析に使用した有
限要素モデルを図26に示す。実験において示された剥
離状態は衝撃力負荷後の超音波探傷によるものである。
解析は、平滑状態と剥離を有する状態の2タイプについ
て両端単純支持を境界条件として行った。解析結果を表
7に示す。
【0077】
【表7】 座屈解析および実験結果 座屈強度 [MPa] 界面剥離 文献実験値 解析値 誤差 なし 238 250 5.04 0.7mm厚− 1.9mm厚間 212 201 -5.47 誤差=(解析値−文献実験値)/文献実験値
【0078】表7から、平滑板における座屈強度は文献
の実験値よりも高い値を示しているが、逆に剥離を有す
る積層板においては解析結果が実験結果よりも低くなっ
ている。これは、モデル化の際、擬三次元モデルでの剥
離エリアが実験のそれよりも大きなものとなっているこ
とが原因と思われる。しかし本解析に用いたシェル要素
と同一サイズのソリッド要素で要素分割を行えばアスペ
クト比が50となり、大きな誤差を含む可能性がある
が、本解析の誤差は6%以下となっていることから、本
モデルは剥離を有する座屈解析に適用できることがわか
る。またアスペクト比50のソリッド要素を用いた三次
元解析と比較すると、解析時間は1/20になることも
わかった。擬三次元解析によって得られた平滑板の座屈
モードを図27に示す。
【0079】この擬三次元モデルを用いて先の図23に
示したタイプにおける座屈強度の検討を行った。解析結
果を図28に示す。
【0080】図28によれば、動的残留特性においても
Cタイプのみが平滑板に比べ大きな強度低下が見られる
のに対し、A、Bタイプではそれほど大きな低下は見ら
れなかった。また端部に剥離を有するBタイプは、中央
部にそれを有するAタイプに比べ座屈強度の低下が大き
いこともわかった。これは、座屈時に積層板が単純に曲
がっているのではなく、ポアソン効果によって鞍形に反
る変形を起こすことに起因するものと考えられる。
【0081】次に座屈モードに関する考察を行った。
A、Bタイプにおける座屈モードは、平滑板のそれに比
べて変化は見られなかったが、Cタイプにおいては大き
な変化が見られた。Cタイプにおける座屈モードを図2
9に示す。
【0082】図29によれば、剥離の位置変化と共にモ
ードの腹の位置も変化することがわかる。Cタイプの剥
離が幅方向に貫通しており、剪断応力が伝達されないた
め、積層板全体が剥離箇所で剪断変形が最大となるよう
に変形するためと考えられる。従って、人工的に剥離を
生じさせることによってモード制御が可能であると推察
される。
【0083】さらに動的残留特性としての曲げ剛性値と
動的残留特性としての座屈強度との関係を見るために、
各タイプにおいて後者を前者で除した値の比較検討を行
った。平滑板における値を1としてときの各タイプの値
を図30に示す。
【0084】図30によれば、A1 、B1 は1に近い値
を示しているが、その他のタイプでは全て1よりも小さ
い値を示している。これは、剥離を有する積層板では静
的負荷に比べ動的負荷に対する危険度が平滑板のそれよ
りも高いことを示唆するものである。従って、CFRP
板からなる構造物に剥離を生じた場合の強度評価は、動
的残留特性において行う方が望ましいと思われる。
【0085】〈まとめ〉擬三次元モデルを用いて曲げ解
析、座屈解析を行うことにより、以下のことが明らかに
なった。 (1) 剥離を生じたCFRP板の曲げ剛性および座屈強度
を簡便に精度良くシミュレートすることができた。 (2) 静的残留特性としての曲げ剛性値と剥離位置の関係
をとらえることが可能となった。 (3) 動的残留特性としての座屈強度と剥離位置との関係
が明らかとなった。また、剥離の位置を変化させること
による座屈モードの変化もとらえることができた。さら
に、局所座屈強度も予測できた。 (4)平滑板に比べ、剥離を有する積層板に関しては静的
残留強度よりも動的残留強度の方が危険性が高いことが
明らかとなった。
【0086】
【発明の効果】作用の項で述べたように、本発明の擬三
次元モデルを用いれば、限られたCPUパフォーマンス
下において複合材料積層板の三次元変形挙動を短時間で
精度良くシミュレートすることができ、該積層板の引張
解析、曲げ解析、固有振動解析、引張損傷解析、残留強
度解析などを精度良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】積層板のモデル化における基本概念を示した図
である。
【図2】擬三次元モデルの作成例を示した図である。
【図3】ビーム要素の断面形状を示した図である。
【図4】振動解析に用いた要素分割例を示した図であ
る。
【図5】内部剥離モデルを示した図である。
【図6】積層板の曲げモード(剥離なし)を示した図で
ある。
【図7】内部剥離を有する積層板の曲げモードを示した
図である。
【図8】タイプAにおける剥離位置による固有振動数の
変化を示した図である。
【図9】積層板のモデル化における基本概念を示した図
である。
【図10】ビーム要素の断面形状を示した図である。
【図11】解析に用いた有限要素モデル(要素分割例)
を示した図である。
【図12】Aタイプにおける解析結果を示した図であ
る。
【図13】平滑板における解析および実験結果を示した
図である。
【図14】Aタイプにおけるビーム要素の降伏進展(平
滑板)を示した図である。
【図15】円孔を有する積層板の要素分割例(a)とそ
の上面図(b)を示した図である。
【図16】円孔を有する積層板における解析および実験
結果を示した図である。
【図17】Aタイプにおけるビーム要素の降伏進展(円
孔を有する積層板)を示した図である。
【図18】積層板のモデル化における基本概念を示した
図である。
【図19】ビーム要素の断面形状を示した図である。
【図20】解析に用いた有限要素モデル(要素分割例)
を示した図である。
【図21】解析に用いた剥離エリア(a)の例と剥離位
置(b)を示した図である。
【図22】曲げ解析および実験結果を示した図である。
【図23】解析に用いたモデルの剥離位置(解析対象)
を示した図である。
【図24】曲げ解析結果を示した図である。
【図25】実験(a)および解析(b)に用いた剥離モ
デルを示した図である。
【図26】座屈解析に用いた有限要素モデル(要素分割
例)を示した図である。
【図27】平滑板の座屈モードを示した図である。
【図28】座屈解析結果を示した図である。
【図29】Cタイプの座屈モードを示した図である。
【図30】座屈強度と曲げ剛性との関係を示した図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 貞樹 兵庫県加古郡播磨町野添1733−4 オリー ブハイツ4−518

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複合材料積層板中に存在する繊維と樹脂と
    をそれぞれ独立してとらえ、繊維部をシェル要素で、樹
    脂部をビーム要素でモデル化し、ビーム要素でシェル要
    素を拘束するように組み合わせることにより擬三次元化
    モデルを作成することを特徴とする複合材料積層板の擬
    三次元モデル作成法。
  2. 【請求項2】繊維部を直交異方性シェル要素で、樹脂部
    を等方性ビーム要素でモデル化することを特徴とする請
    求項1記載の擬三次元モデル作成法。
  3. 【請求項3】請求項1または2の擬三次元モデルを用
    い、複合材料積層板の引張解析、曲げ解析、固有振動解
    析、引張損傷解析または残留強度解析を行うことを特徴
    とする複合材料積層板の解析方法。
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