JPH07111137A - カラー受像管 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ほぼ矩形状のパネル1 の内側に、側壁31の一
端に内側張出し部32が形成されたほぼ矩形状のマスクフ
レーム33と多数の電子ビーム通過孔が形成されマスクフ
レームの側壁の他端部に取付けられたマスク本体34とか
らなるシャドウマスク30が配置され、このシャドウマス
クがマスクフレームのコーナー部に取付けられた弾性支
持体10をパネルに設けられたスタッドピン11に係止する
ことにより支持されてなるカラー受像管において、マス
クフレームの少なくとも短辺における側壁長ａと内側張
出し部長ｂをａ＜ｂの関係に形成した。 【効果】 マスクフレームの重量を増大させることな
く、シャドウマスクの耐衝撃、耐振動特性の劣化を防
ぎ、色ずれをおこしにくくすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、シャドウマスク形カ
ラー受像管に係り、特にシャドウマスクのマスクフレー
ムにエレクトロンシールド機能をもたせたカラー受像管
に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般にシャドウマスク形カラー受像管
は、図４に示すように、周辺部にスカート部１が設けら
れたほぼ矩形状のパネル２と、このパネル２のスカート
部１に接合された漏斗状のファンネル３とからなる外囲
器を有し、そのパネル２の内面に、３色蛍光体層からな
る蛍光体スクリーン４が形成され、その内側にほぼ矩形
状のシャドウマスク５が蛍光体スクリーン４と所定間隔
で対向して配置されている。このシャドウマスク５は、
側壁６の一端に内側張出し部７が形成された断面Ｌ字形
のマスクフレーム８と、蛍光体スクリーン４と対向する
面に多数の電子ビーム通過孔が形成され、周辺のスカー
ト部が上記マスクフレーム８の側壁６の他端部が取付け
られたマスク本体９とから構成されている。そしてマス
クフレーム８の側壁６に取付けられた弾性支持体１０を
パネル２のスカート部１に設けられたスタッドピン１１
に係止することにより、パネル２の内側に支持されてい
る。さらにファンネル３の径大部内側に、上記マスクフ
レーム８の内側張出し部７に取付けられた内部磁気遮蔽
体１２が配置されている。一方、ファンネル３のネック
１３内に、３電子ビーム１４B ，１４G ，１４R を放出
する電子銃１５が配置されている。

【０００３】そして、上記電子銃１５から放出される３
電子ビーム１４B ，１４G ，１４Rをファンネル３の外
側に装着された偏向装置１７の発生する磁界により偏向
して、蛍光体スクリーン４を水平、垂直走査することに
よりカラー画像を表示する構成に形成されている。

【０００４】ところで、従来の内部磁気遮蔽体１２は、
図５に示すように、マスクフレーム８の内側面やマスク
本体９のスカート部内面への電子ビームの衝突を極力少
なくするため、マスクフレーム８との取付け部１９を内
側に大きく張出させて、マスクフレーム８の内側面やマ
スク本体９のスカート部内面に向かう電子ビームを遮蔽
するエレクトロンシールド機能をもつ構造に形成されて
いる。

【０００５】しかしこのような内部磁気遮蔽体１２は、
その内側にクリップ２０を挿入してマスクフレーム８に
取付けなければならないため、作業性がよくない。

【０００６】そのため、図６に示すように、内部磁気遮
蔽体１２に外側に張出したフランジ部２２を設けて、こ
のフランジ部２２でマスクフレーム８の内側張出し部７
に取付け、一方、このマスクフレーム８の内側張出し部
７を図５に示したマスクフレームよりも大きく張出させ
て、この内側張出し部７にエレクトロンシールド機能を
もたせようとする試みがある。

【０００７】しかしこのようにマスクフレーム８の内側
張出し部７の張出し量を大きくすると、マスクフレーム
８の重量が増大し、カラー受像管に衝撃や振動が加わっ
た場合に、シャドウマスク５が位置ずれし、電子ビーム
が所定の蛍光体層にランディングせず、色ずれが生じや
すくなる。またシャドウマスク５のコストアップをまね
く。

【０００８】一方、最近のカラー受像管は、重量を減ら
す一手段として、マスクフレームの各辺の中央部に弾性
支持体を取付けてシャドウマスクを支持する従来方式に
かえて、四隅部に弾性支持体を取付けて支持する方式が
採用されている。このようにシャドウマスクを四隅部で
支持すると、マスクフレームの四隅部は、他の部分にく
らべて強度が大きいため、板厚を薄くして軽量化するこ
とができる。しかしこのような方式によりシャドウマス
クを支持しても、衝撃や振動に対しては、なお十分でな
く、その耐衝撃、耐振動特性の向上が望まれている。

【０００９】このシャドウマスクの耐衝撃、耐振動特性
を向上する手段として、弾性支持体の強度を高くする方
法があるが、弾性支持体の強度を高くすると、マスクフ
レームが変形する。この変形を防止するためには、マス
クフレームの板厚を厚くしなければならず、シャドウマ
スクの軽量化に逆行することになる。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
内部磁気遮蔽体は、マスクフレームの内側面やマスク本
体のスカート部内面への電子ビームの衝突を極力少なく
するために、マスクフレームとの取付け部を内側に大き
く張出させて、エレクトロンシールド機能をもつ構造に
形成されている。しかしこの構造は、マスクフレームへ
の取付作業の作業性がよくない。

【００１１】そのため、内部磁気遮蔽体に外側に張出し
たフランジ部を設けて、このフランジ部でマスクフレー
ムの内側張出し部に取付け、一方、このマスクフレーム
の内側張出し部を上記マスクフレームよりも大きく張出
させて、この内側張出し部にエレクトロンシールド機能
をもたせようとする試みがある。しかしこのようにマス
クフレームの内側張出し部の張出し量を大きくすると、
マスクフレームの重量が増大し、カラー受像管に衝撃や
振動が加わった場合に、シャドウマスクが位置ずれし、
電子ビームが所定の蛍光体層にランディングせず、色ず
れが生じやすくなる。またシャドウマスクのコストアッ
プをまねく。

【００１２】一方、最近のカラー受像管は、重量を減ら
す手段の１つとして、マスクフレームの四隅部に弾性支
持体を取付けて支持する方式が採用されている。このよ
うに四隅部で支持すると、マスクフレームの四隅部は、
他の部分にくらべて強度が大きいため、板厚を薄くして
軽量化することができる。しかしこのような方式により
シャドウマスクを支持しても、衝撃や振動に対しては、
十分でなく、その耐衝撃、耐振動特性の向上が望まれて
いる。

【００１３】この発明は、上記問題点に鑑みてなされた
ものであり、シャドウマスクのマスクフレームにその内
側面やマスク本体のスカート部内面への電子ビームの衝
突を防ぐエレクトロンシールド機能をもたせても、マス
クフレームの重量を増大させず、シャドウマスクの耐衝
撃、耐振動特性を向上して、色ずれをおこしにくくする
ことを目的とする。

【００１４】

【課題を解決するための手段】ほぼ矩形状のパネルの内
側に、側壁の一端に内側張出し部が形成されたほぼ矩形
状のマスクフレームと多数の電子ビーム通過孔が形成さ
れマスクフレームの側壁の他端部に取付けられたマスク
本体とからなるシャドウマスクが配置され、このシャド
ウマスクがマスクフレームのコーナー部に取付けられた
弾性支持体をパネルに設けられたスタッドピンに係止す
ることにより支持されてなるカラー受像管において、マ
スクフレームの少なくとも短辺における側壁長さａと内
側張出し部長さｂをａ＜ｂの関係に形成した。

【００１５】

【作用】上記のように、マスクフレームの少なくとも短
辺における側壁長さａと内側張出し部長さｂをａ＜ｂの
関係に形成すると、マスクフレームの重量を増大させる
ことなく、シャドウマスクの耐衝撃、耐振動特性の劣化
を防ぎ、色ずれをおこしにくくすることができる。

【００１６】

【実施例】以下、図面を参照してこの発明を実施例に基
づいて説明する。

【００１７】図３にその一実施例であるカラー受像管を
示す。このカラー受像管は、周辺部にスカート部１が設
けられたほぼ矩形状のパネル２と、このパネル２のスカ
ート部１に接合された漏斗状のファンネル３とからなる
外囲器を有し、そのパネル２の内面に、青、緑、赤に発
光する３色蛍光体層からなる蛍光体スクリーン４が形成
され、その内側に蛍光体スクリーン４と所定間隔で対向
するほぼ矩形状のシャドウマスク３０が配置されてい
る。このシャドウマスク３０は、側壁３１の一端に内側
張出し部３２が形成されたほぼ矩形状の断面Ｌ字形のマ
スクフレーム３３と、蛍光体スクリーン４と対向する多
数の電子ビーム通過孔が形成された有効面の外周にスカ
ート部が形成され、このスカート部が上記マスクフレー
ム３３の側壁３１の他端部内側に取付けられたマスク本
体３４とから構成されている。そしてマスクフレーム８
の四隅部の側壁３５に取付けられた弾性支持体１０をパ
ネル２のスカート部１に設けられたスタッドピン１１に
係止することにより、パネル２の内側に支持されてい
る。さらにファンネル３の径大部内側に、上記マスクフ
レーム３３の内側張出し部３２に取付けられた内部磁気
遮蔽体３６が配置されている。この内部磁気遮蔽体３６
は、一端部に外側に張出したフランジ部を形成したもの
であり、このフランジ部でマスクフレーム３３の内側張
出し部３２に取付けられている。一方、ファンネル３の
ネック１３内に、３電子ビーム１４B ，１４G ，１４R
を放出する電子銃１５が配置されている。

【００１８】そして、上記電子銃１５から放出される３
電子ビーム１４B ，１４G ，１４Rをファンネル３の外
側に装着された偏向装置１７の発生する磁界により偏向
して、蛍光体スクリーン４を水平、垂直走査することに
よりカラー画像を表示する構造に形成されている。

【００１９】特にこのカラー受像管では、マスクフレー
ム３３が、その内側面やマスク本体３４のスカート部内
面への電子ビームの衝突を極力少なくするために、図１
に示すように、内側張出し部３２を、図５に示した従来
のマスクフレームの内側張出し部よりも大きく内側に張
出させて、この内側張出し部３２にマスクフレーム３３
の内側面やマスク本体のスカート部内面に向かう電子ビ
ームを遮蔽するエレクトロンシールド機能をもたせ、か
つマスク本体３４の有効面への電子ビームの入射を妨げ
ないように、各辺の中央部での張出し量が大きく、四隅
部に近づくにしたがって張出し量が減少した曲面状に形
成されている。

【００２０】さらにこの例のマスクフレーム３３は、各
辺の側壁長さをａ、内側張出し部長さをｂとするとき、
その側壁長さａと内側張出し部長さｂとが、図２に示す
ように、長辺３８では、 ａ＞ｂ 短辺３９では、 ａ＜ｂ の関係に形成されている。

【００２１】このようなマスクフレーム３３の一例を６
８cm、１１０度偏向カラー受像管の具体例について、表
１に長辺中央（垂直軸Ｙ上）、短辺中央（水平軸Ｘ
上）、四隅部での側壁長さａと内側張出し部長さｂおよ
びそれらの和（ａ＋ｂ）を、従来のマスクフレームのそ
れらと比較して示す。なおこのカラー受像管のマスクフ
レームは、板厚０．８mmの軟鋼板のプレス成形により製
作したものである。

【００２２】

【表１】 この表１に示されているように、この例のマスクフレー
ムの短辺および長辺中央での（ａ＋ｂ）の値は、従来の
マスクフレームのそれらとほぼ同じに形成され、四隅部
では、従来のマスクフレームのそれよりも、やや大きく
形成されている。 したがってこのようにマスクフレー
ムを構成すると、従来の四隅部に弾性支持体を取付けて
支持するシャドウマスクのマスクフレームと同程度の重
量でエレクトロンシールド機能をもたせることができ
る。しかもたとえば上記６８cm、１１０度偏向カラー受
像管の場合、管自体に３５Ｇの衝撃を加えたのちの色純
度を測定した結果、従来のカラー受像管と同様にほとん
ど変化がなく、十分な耐衝撃、耐振動特性を保持するカ
ラー受像管とすることができた。

【００２３】この耐衝撃、耐振動特性については、上記
６８cm、１１０度偏向カラー受像管の場合（アスペクト
比が５：４）、側壁長さａと内側張出し部長さｂとが、
ａ＜ｂの関係なっている割合いがマスクフレーム全周の
約４０％である。これに対し、アスペクト比が１６：９
のたとえば６６cm、１０５度偏向カラー受像管では、マ
スクフレームの長辺でａ＞ｂ、短辺でａ＜ｂとした場
合、ａ＜ｂの関係なる割合いがマスクフレーム全周の約
３５％となるが、この場合も、６８cm、１１０度偏向の
カラー受像管と同様に、従来のマスクフレームと同程度
の重量で十分な耐衝撃、耐振動特性を保持するカラー受
像管とすることができた。

【００２４】つまり、マスクフレームの内側張出し部を
大きくしてエレクトロンシールド機能を付与した場合、
その短辺を中心に３０％以上の領域をａ＜ｂの関係にす
ることにより、従来のマスクフレームと同程度の重量
で、耐衝撃、耐振動特性を劣化しないカラー受像管を構
成することができる。

【００２５】なお，ａ＜ｂの関係になる領域の割合いを
多くするほど、マスクフレームの重量を軽減できるが、
ａ＜ｂの領域を多くすると、マスクフレームの機械的強
度が低下する。また内側張出し部長さｂに対して側壁長
さａを短くしすぎると、マスクフレームが平板に近い状
態となり、強度がさらに低下する。したがってマスクフ
レームの強度を保持するためには、ａ＞ｂの領域も必要
である。概して強度的に最もバランスのよい形状は、側
壁の面積と内側張出し部の面積が等しい場合であり、こ
れに近い形状として、長辺３８を ａ＞ｂ とし、短辺３９を ａ＜ｂ とすることにより、マスクフレームの機械的強度を低下
させることなく、マスクフレームの内側張出し部３２を
大きく張出させて、マスクフレームにエレクトロンシー
ルド機能をもたせ、かつシャドウマスク３０の耐衝撃、
耐振動特性の劣化を防ぎ、色ずれを生じにくいカラー受
像管とすることができる。

【００２６】

【発明の効果】ほぼ矩形状のパネルの内側に、側壁の一
端に内側張出し部が形成されたほぼ矩形状のマスクフレ
ームと多数の電子ビーム通過孔が形成されマスクフレー
ムの側壁の他端部に取付けられたマスク本体とからなる
シャドウマスクが配置されるカラー受像管において、そ
のマスクフレームの少なくとも短辺における側壁長さａ
と内側張出し部長さｂを ａ＜ｂ の関係に形成すると、マスクフレームの重量を増大させ
ることなく、従来の四隅部に弾性支持体を取付けて支持
するシャドウマスクのマスクフレームと同程度の重量で
エレクトロンシールド機能をもつマスクフレームとする
ことができ、かつシャドウマスクの耐衝撃、耐振動特性
の劣化を防ぎ、色ずれをおこしにくいカラー受像管とす
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例であるカラー受像管のシャ
ドウマスクのマスクフレームを示す斜視図である。

【図２】図２（ａ）はその長辺中央における断面形状を
示す図、図２（ｂ）は短辺中央における断面形状を示す
図である。

【図３】この発明の一実施例であるカラー受像管の構成
を示す図である。

【図４】従来のカラー受像管の構成を示す図である。

【図５】従来のカラー受像管のマスクフレームと内部磁
気遮蔽体との関係を示す図である。

【図６】従来のマスクフレームと内部磁気遮蔽体との改
良構造を示す図である。

【符号の説明】 １…スカート部 ２…パネル ４…蛍光体スクリーン １０…弾性支持体 １１…スタッドピン １４B ，１４G ，１４R …３電子ビーム １５…電子銃 １７…偏向装置 ３０…シャドウマスク ３１…側壁 ３２…内側張出し部 ３３…マスクフレーム ３４…マスク本体 ３６…内部磁気遮蔽体 ３８…長辺 ３９…短辺

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ほぼ矩形状のパネルの内側に、側壁の一
   端に内側張出し部が形成されたほぼ矩形状のマスクフレ
   ームと多数の電子ビーム通過孔が形成され上記マスクフ
   レームの側壁の他端部に取付けられたマスク本体とから
   なるシャドウマスクが配置され、このシャドウマスクが
   上記マスクフレームのコーナー部に取付けられた弾性支
   持体を上記パネルに設けられたスタッドピンに係止する
   ことにより支持されてなるカラー受像管において、 上記マスクフレームは少なくとも短辺における側壁長さ
   ａと内側張出し部長さｂがａ＜ｂの関係に形成されてい
   ることを特徴とするカラー受像管。