JPH07111027B2 - 高導電性繊維の製造法 - Google Patents

高導電性繊維の製造法

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JPH07111027B2
JPH07111027B2 JP61154751A JP15475186A JPH07111027B2 JP H07111027 B2 JPH07111027 B2 JP H07111027B2 JP 61154751 A JP61154751 A JP 61154751A JP 15475186 A JP15475186 A JP 15475186A JP H07111027 B2 JPH07111027 B2 JP H07111027B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は機能性複合材料用素材として有用な高導電性繊
維の製造法に関するもので、導電性塗料、インキ、電気
メツキ用複合材料、電波シールド材等に適用できるもの
である。
(従来の技術) 科学技術の発達とニーズの多様化に伴ない高性能、多機
能素材の開発が活発に行われ、プラスチック業界にあつ
ても導電性高分子材料の開発についての研究が種々試み
られており、例えばカーボン粒子もしくは繊維又は銅、
銀、金等の金属粉を導電性充填剤として用いた高分子材
料が提案されている。しかしながらカーボン繊維以外は
充填剤として用いた時、いずれも補強性に乏しいという
欠点があつた。
カーボン繊維は補強性の導電性充填剤ではあるが、繊維
長を均質に揃えるのが困難であり、アスペクト比が不揃
いとなるため、成型加工性が悪く、また成型品の表面平
滑性及び研摩性において劣る。
以上の如き実状に鑑み、既に公知の充填剤の欠点を改善
するものとして、耐熱性、補強性の優れた導電性チタン
酸アルカリの開発に期待が寄せられ、還元チタン酸アル
カリ、金属被覆チタン酸アルカリ、炭素蒸着法、金属酸
化物被覆法等が提案されているが、金属被覆法以外、体
積抵抗率が10-2Ω・cm未満のものが得られていない現状
である。
尚、本発明者は既に特開昭58−135129において、チタン
酸アルカリと炭素物質とからなる混合物を還元又は不活
性雰囲気下に昇温し、500〜1300℃で加熱焼成すること
を特徴とする還元チタン酸アルカリの製造法を提案し、
これら先願技術として開示した炭化水素化合物、高炭素
含有化石成分の有用性を活用した導電性チタン酸アルカ
リの製造技術において、これら炭化水素化合物、高炭素
含有化石成分は、チタン酸アルカリとともに焼成すると
き、チタン酸アルカリを還元するとともに、非酸化性雰
囲気で分解し、チタン酸アルカリ金属の表面に炭素質被
膜を形成し、黒色の導電性チタン酸アルカリが得られ
た。
但し、これら先願技術ではチタン酸アルカリは還元され
ることにより導電性が発現するための補助的手段として
利用していた。近年ニーズの多様化、高性能化に併い高
導電性の補強材料の開発が望まれ補強性とともに導電性
の優れた素材開発が望まれている。しかるに先願技術に
おいて、室温で気体である炭化水素化合物を用いるとチ
タン酸カリウムとの接触は均質であり、チタン酸アルカ
リの還元と同時に炭素被膜を形成させることはできる
が、炭化水素ガスの比重が小さく、開放型の焼成炉で
は、雰囲気ガスとともに外部に流出しガス濃度を高濃度
にするか、長時間焼成する必要があり、前者では炭素被
膜以外に多量の遊離カーボンが副生し、そのまま用いる
と補強性を著しく低減し、遊離カーボンの除去が必要で
あり、後者では密閉式焼成炉にするか、内圧を引圧にし
て炭化水素ガスの漏れを防止しないと爆発、引火しやす
く、装置管理に熟練を要し、しかも、この様にして得ら
れた導電性チタン酸アルカリの導電性は高々10-2Ω・cm
程度の体積固有抵抗率しか得られなかつた。
これら先願技術の改良法として、チタン酸アルカリの還
元と同時に炭素質被膜の形成条件について種々検討した
ところ、チタン酸アルカリを炉内に静置し、炭素物質と
接触させて非酸化性雰囲気で焼成する方法では、室温に
て液体又は固体を呈し、加温下で気化する成分を用いた
方が室温で気体である炭素物質を用いる場合より、反応
効率も良く、爆発等の危険性も低減され産業利用性の高
いものであり、チタン酸アルカリの還元も均質に進行し
たが、遊離カーボンが若干生成し、炭素物質の利用効率
が不充分で、高導電性のものを得るのに高度の熟練した
技術を必要とすることが明らかとなつた。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明の目的は耐熱性及び補強性に優れた高導電性の繊
維その製造法を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明は加熱焼成炉に繊維質成分(ただし炭素繊維を除
く)を定常供給し、繊維質成分100重量部に対し芳香族
炭化水素成分を10〜100重量部となるよう気化室から導
入後、非酸化性雰囲気下800〜1100℃で焼成することを
特徴とする高導電性繊維の製造法に係る。
本発明において繊維質成分とは、アスペクト比(繊維長
と繊維径の比)が10以上の繊維形状を有するものであ
り、非酸化性雰囲気で焼成されることから、耐熱性が優
れたものであり、一般に無機質繊維から選択され、加熱
焼成炉中で焼成される点及び複合材料として利用される
時の加工性等から、繊維長は1μm〜300mm,繊維径は10
μm〜1mm程度のものが好ましく、繊維径が細すぎると
補強効果が不足し、繊維長が長すぎると、解繊に多大の
労を用し、複合材料用素材として利用するとき、成型加
工性及び均質性が低下するとともにアスペクト比が低減
し、補強性が不充分となりやすいためであり、石膏繊
維、アスベスト、ロツクウール、石英繊維、アルミナ繊
維、炭化珪素繊維、窒化珪素繊維、ジルコニア繊維、窒
化ホウ素繊維、炭化ホウ素繊維、ホウ化チタン繊維、ホ
ウ素繊維、酸化ベリリウム繊維、チタン酸アルカリ金属
繊維、チタン酸アルカリ土類金属繊維等が例示される。
本発明の繊維質成分において、チタン酸ナトリウム繊
維、チタン酸リチウム繊維、チタン酸カリウム繊維等と
して例示されるチタン酸アルカリ繊維に関し、チタン酸
カリウム繊維、その中でもK2O・6TiO2で表わされる6チ
タン酸カリウム繊維は、耐火、断熱性、機械的強度に優
れ、しかも充填剤として用いたとき、製品の表面平滑性
が優れている点で有利であり、繊維長5μm以上、アス
ペクト比20以上、特に100以上のものが補強性充填剤と
して適している。
本発明の芳香族炭化水素成分とは、例えばベンゼン、ト
ルエン、キシレンなどの単核芳香族炭化水素、ナフタレ
ン、アントラセンなどの多核芳香族炭化水素及び上述の
各種炭化水素の各種誘導体において、常圧下300℃以下
で気化又は昇華するものであり、これらの1種又は2種
以上の混合物として使用される。
非酸化性雰囲気とは、還元ガス又は不活性ガスを導入し
て非酸化性雰囲気に保つことであり、還元ガスとして水
素ガス、一酸化炭素ガス、アンモニアガスなどが例示で
き、不活性ガスとしては窒素ガスが代表的なものである
が、アルゴン、ヘリウム、キセノン、その他の不活性ガ
ス、更には炭酸ガス等も使用でき、これら還元ガス及び
不活性ガスは単独、又は任意の2種以上の混合ガスとし
て系内に導入でき、これらのガスによつて実質的に90容
量%以上置換された雰囲気を示す。
本発明においては、加熱焼成炉に繊維質成分を定常供給
し、気化した芳香族炭化水素と繊維質成分を均質接触下
で移送、非酸化性雰囲気下で焼成することにより目的の
高導電性繊維が得られる。
好適な加熱焼成炉としては、回転焼成式のロータリーキ
ルンが例示できるが、炉内に送り羽根を付した回転軸に
より繊維質成分を移送する機構を付した円筒型の焼成炉
も利用でき、後者は送り羽根により焼成炉内に乱流が生
じやすく、芳香族炭化水素が送り羽根の表面等で熱分解
して異常析出し、遊離炭素が生じやすいので、制御に熟
練を要する。
尚、本発明では加熱炉を特に工夫しなくても、供給する
繊維質成分をスプレードライ等で造粒したものに加工す
ることにより、傾斜型焼成炉をも利用でき、更にロータ
リーキルンに造粒した繊維質成分を供給することで、よ
り簡易に本発明の導電性繊維が製造できる。
繊維質成分の造粒法としては通常行われている任意の方
法が利用できるが、粒径は10μm〜5mm、好ましくは50
μm〜1mmの範囲であり、細かすぎると繊維のからみが
強く複合材料として用いた時、均質に解繊した分散物に
なりにくく、逆に大きすぎると焼成時の熱伝導及び雰囲
気ガスとの接触が不均質となり、均質な製品が得にく
い。
尚、造粒工程において、繊維質成分を結合させる造粒助
剤は通常用いられる任意のものが利用できるが、ワセリ
ン等のペトロラタム系物質の乳化分散液中に繊維質成分
を分散後スプレードライ等で造粒すると、繊維質表面へ
の炭素質膜の形成を助長する効果がある。
本発明の実施に際して留意すべき点の一つに炭化水素の
分解温度及び繊維質成分への付着温度がある。炭化水素
は種類により分解温度が異なり、カーボンの最適な析出
温度範囲及び繊維質成分への最適付着温度範囲は使用す
る炭化水素種によつて異なる。例えばメタンの場合はカ
ーボンの析出温度範囲は約900〜950℃であり、n−プロ
パンの場合は約950〜1000℃である。ベンゼンの場合は
温度が低く約750〜800℃でカーボンが析出する。但し、
これらの析出温度は静置式測定器で観察された実験例が
多く、析出温度と付着特性の関係についての考察がなさ
れておらず、静置式ではこれらの温度でいずれの成分も
カーボンの析出が認められるが、遊離カーボンも付随し
て析出する。炭素質被膜を有する高導電性繊維の開発に
は、付着効率の向上と付着特性の解析が重要であつた。
炭化水素系化合物としてメタン、プロパン等の気体炭化
水素を用いると、漏れによる引火爆発、接触比の増大と
いう欠点を容認すると製造工程が簡略化されることは明
白であるが、繊維質表面への付着性が、種々の条件で検
討しても不充分であつた。尚、室温で液体又は固体であ
り、気化機構が必要な芳香族炭化水素において、例えば
ベンゼンではカーボンの析出温度が750〜800℃と脂肪族
系炭化水素ガスより低温でカーボンが析出することは知
られていたが、気化機構が必要なことと、上述のカーボ
ンの析出温度に焼成しても、他の気体炭化ガス同様、静
置法では遊離炭素の析出が多く認められ、繊維表面の平
滑度が低減する欠点があつた。
本発明者はベンゼンのカーボン析出機構について種々検
討した結果、ベンゼンを非酸化性雰囲気で焼成すると、
焼成条件によりベンゼンが重合し種々の化合物に変化す
ること、これらの重合物が繊維質表面に付着して均質な
導電性炭素膜を形成することを見い出し、静置法ではこ
れらベンゼンの重合物が繊維質表面に付着せず、遊離炭
素となることが明らかとなつた。尚、これら炭化機構の
解明から、従来論じられているカーボン析出温度より高
温焼成する必要があり、出発原料としてベンゼン誘導体
である芳香族炭化水素を用いると、焼成条件が原料の種
類により大差なく、800〜1100℃の温度範囲、好ましく
は、900℃以上の温度域を通過させることにより、芳香
族系炭化水素の炭素質化が完了することを見い出した。
本発明の方法では炭素源となる芳香族炭化水素が有効利
用されるので、使用量は低減されるが、繊維形状、繊維
の比表面積、目的とする導電性により異なるので特定で
きないが、繊維質成分100重量部に対し、芳香族炭化水
素成分を10〜1000重量部の範囲とするのが好ましい。
本発明では芳香族炭化水素の分解、繊維質表面への付着
を助長する触媒の併用を排除するものではなく、このよ
うな触媒としては、マンガン、モリブデン、タングステ
ン、ホウ素、鉄、ニツケル、コバルト等の化合物の1種
又は2種以上の混合物であり、塩化物、酸化物、水酸化
物、硝酸塩、硫酸塩、更には金属アルコラート、アルキ
ルアセトネート等の有機金属塩が利用できる。これら触
媒の利用の実施態様としては、繊維質成分と均質混合す
るのが最も有効であり、特にスプレードライ等で造粒す
る場合には、造粒工程時に添加し、繊維質成分と触媒が
均質混合された造粒品を利用すると良い。
本発明において、気化した芳香族炭化水素と繊維質成分
を均質接触下で移送する手段として、芳香族炭化水素と
繊維質成分を前もつて均質混合し、その混合物を加熱焼
成炉の予熱部に定常供給することにより、芳香族炭化水
素が気化し、以後の焼成工程で気化した芳香族炭化水素
と繊維質成分を均質接触させることができるが、最も有
効な方法としては、気化室を利用し、芳香族炭化水素を
前もつて気化し、不活性ガスをキヤリヤーとして加熱焼
成炉に導入する方法であり、気化室を利用する方法とし
て、加熱焼成炉の導入部に気化室を前置し、芳香族炭化
水素の気化成分と繊維質成分を併流接触させる方法(併
流接触法と略す)と後述する向流接触法が有り、前者で
は芳香族炭化水素の気化成分と繊維質成分の混合割合
が、精度良く制御される反面、芳香族炭化水素と繊維質
成分の接触効率が若干低下し、且つ本発明に係る芳香族
炭化水素の熱重合物からなる有効成分が、充分活用され
ずに、繊維質成分とともに排出されることがある。
本発明では併流接触法のこのような欠点を改善する手段
として、加熱炉後段部で800〜1100℃、好ましくは900〜
1000℃で数分間、不活性雰囲気で後焼成することによ
り、芳香族炭化水素成分の有効利用とともに、緻密な炭
素質被膜が形成され、高導電性繊維が得られた。
本発明では併流接触法とは別に、気化室を後部に設け、
芳香族炭化水素の気化成分と繊維質成分を向流で接触さ
せる(向流接触法と略す)方法も利用できる。向流接触
法では、芳香族炭化水素の気化成分と繊維質成分の接触
は効率良く行われるが、芳香族炭化水素の重合物が加熱
焼成炉の繊維質成分導入部近くにまで移行することがあ
るので、加熱焼成炉の中央付近を900〜1000℃に数分間
保持するようにし、前述重合物の炭素化を促進させるこ
とにより、この炭化物が核となり、繊維質成分が移動す
るに従い、新たに供給される芳香族炭化水素の気化成分
の接触炭化を促進させ、繊維質表面に緻密な炭素質被膜
を形成させ、高導電性繊維を得ることができる。但し、
向流接触法においても、加熱焼成炉出口近くで新規な芳
香族炭化水素の気化成分と接触し、湿潤汚染される恐れ
があるが、本発明の導電性繊維の製造時安定な炭素質被
膜を形成させるには、比較的低温、好ましくは200℃以
上では空気に接触させないようにするのが望ましいの
で、後冷却段階、即ち芳香族炭化水素の気化成分導入部
直後に不活性ガスを加熱焼成炉に導入し、芳香族炭化水
素成分を気化させて分離すると良い。このようにして得
られた排ガスは、再度気化室に導入することにより、有
効に利用することができる。
以上述べた方法により、本発明では、体積固有抵抗率が
常に100Ω・cm以下とすぐれた導電性を示す導電性繊維
が均質に得られ、しかも従来得られなかつた体積固有抵
抗率が10-2Ω・cm未満の高導電性繊維をも得ることがで
きる。
本発明の高導電性繊維の製造装置について図面を参照し
ながら以下に述べる。
第1−a図は前置式焼成炉前部とその付属装置を、第1
−b図は前置式焼成炉後部とその付属装置を示す。また
第2−a図は後置式焼成炉前部とその付属装置を、第2
−b図は後置式焼成炉後部とその付属装置を示す。図に
おいて、 1.芳香族炭化水素,2.気化器, 3.不活性ガス導入管,4.凝縮器,5.受器, 6.連結器,7.ガス導入管,8.保護管, 9.シーリング材,10.摺動部,11.回転軸, 12.駆動部,13.焼成炉,14.投入口, 15.繊維質成分投入器,16.接続管, 17,18.開閉弁,19.ガス放出管, 20.不活性ガス導入口,21.取り出し口 22.開閉弁,23.ストツカー,24.ガス放出管, 25.保護管,26.凝縮器,27.回収器, 28.気密性摺動連結装置である。
(1)湿式解繊された繊維質成分の分散液を不活性ガス
中で噴霧乾燥後分級工程を経て、不活性ガスで気流移送
されたものとの接続管(16)、 (2)不活性ガス中でスプレードライされた繊維質成分
の造粒品を気流移送されたものとの接続管(16)、 (3)繊維質成分原体、分級したもの、造粒処理された
もの等の繊維質成分を不活性ガスと混合し、残存空気量
が10%以下になるよう、予備室にて不活性ガスで置換
後、不活性ガスとともに移送されたものとの接続管(1
6) 上記のいずれかの方法で移送された繊維質成分は繊維質
成分投入器(15)を経て、前もつて所定温度及び非酸化
性雰囲気に調整された焼成炉本体(13)に投入口(14)
を経て投入される。尚、投入器(15)及び投入口(14)
には焼成炉の回転と連動する開閉弁が用意され、且つ、
不要の空気の流入を予防する装置がとられている。
芳香族炭化水素(1)は気化器(2)内に貯蔵され、不
活性ガス管(3)から連続的に不活性ガスを導入しつつ
連結器(6)を経て、ガス導入管(7)へ導入され、非
酸化性ガス導入口(A)より導入された非酸化性ガスと
ともに焼成炉本体(13)に連続供給される。
尚、前置式では焼成炉前部に(第1−a図)、後置式で
は焼成炉後部(第2−b図)に、芳香族炭化水素の導入
装置が設置されている。
焼成炉中で導電化処理された導電性繊維は、取り出し口
(21)を経て、ストツカー(23)に集積され、炉内のガ
スはガス放出管(24)を経て、放出口(B)より放出さ
れる。
尚、その他の装置は参考までに示したもので、図中表示
の構成に限定されないが、焼成炉は駆動機と連結した駆
動部(12)により、回転軸(11)、摺動部(10)を経て
回転運動が伝達され回転する。
一方、ガス導入管(7)、ガス放出管(24)はそれぞれ
保護管(8)及び(25)にて保護され、回転軸(11)と
保護管の間には随時シーリング材(9)を設置し気密性
を保持し、必要により、不活性ガス導入管(20)にて外
部空気の導入を防ぐ。
尚、保護管、ガス導入管(7)、ガス放出管(24)は気
密性摺動連結装置(28)にてそれぞれ連結され、焼成炉
本体の回転運動の系外装置への伝達が遮断されている。
(実施例) 以下、実施例を挙げて発明実施の態様を説明する。
実施例1 チタン酸カリ原体を湿式解繊後、加熱窒素中で噴霧乾燥
した、チタン酸カリ繊維(大塚化学製,テイスモD)を
予備室に貯蔵し、第1−a図,第1−b図に示した併流
接触方式の焼成炉(13)において、全装置系を窒素ガス
で置換後、焼成炉前部を450℃、焼成炉中央温度を850
℃、焼成炉後部を950℃に調整後、予備室からチタン酸
カリを窒素ガスにて気流移送し、投入口(14)より、5k
g/hrの供給速度で定常供給した。尚、焼成炉は、1rpmの
回転速度に調整され、供給されたチタン酸カリは各焼成
温度域を各々10分を要して通過し、定常的に取り出し口
(21)から排出され、ストツカー(23)に貯蔵される。
上記条件に調整された雰囲気にチタン酸カリの投入と同
時に気化器(2)からベンゼンを連結器(6)を経て、
ガス導入管(7)より、5/hr(ベンゼン:窒素比=
1:5)の供給条件で導入することにより、ストツカー(2
3)に5.5kg/hrの回収速度で炭素付着量10.3%、体積固
有抵抗率8.7×10-4Ω・cmの高導電性チタン酸カリ繊維
が得られ、電子顕微鏡観察からも遊離炭素は認められ
ず、チタン酸カリ繊維は、原料に用いたテイスモDと何
ら形状変化が認められなかつた。
実施例2 焼成炉後部の温度を850℃にした以外実施例1と同法で
行つたところ、回収量が5.3kg/hrに低減し、炭素量8.6
%、体積固有抵抗率3.7×10-3Ω・cmの高導電性チタン
酸カリ繊維が得られた。
実施例3 実施例1においてベンゼン:窒素比を1:2にした以外同
法で行つたところ、回収量が5.8kg/hrに増大し、炭素量
17.1%、体積固有抵抗率1.3×10-3Ω・cmの高導電性チ
タン酸カリ繊維が得られたが、遊離炭素が若干認められ
た。
参考例1 実施例1において焼成炉の全領域の温度を850℃とし、
チタン酸カリを供給後、供給を一時中断と同時に炉の回
転を止め、実施例1と同条件でベンゼンを30分間導入
後、導入ガスを窒素ガスのみに切り換えた後、再び炉の
回転を開始し、炉内のチタン酸カリを回収したところ、
炭素量13.5%、体積固有抵抗率8.3×10-3Ω・cmの高導
電性チタン酸カリ繊維が得られたが、得られたチタン酸
カリ繊維について、ベンゼン抽出した抽出成分につい
て、NMR,Mass分析の結果ビフエニル、テルフエニル及び
トリフエニルベンゼン等のベンゼン縮合体が検出され
た。
比較例1 参考例1と同法でチタン酸カリを供給後、開閉弁(1
7),(22)を閉じ、ガス導入管(7)よりメタンガス
を2000mm/Aq(水柱)で1時間導入、炉内温度を全領域9
00℃として焼成処理したものは炭素量11.8%、体積固有
抵抗率2.4×10-2Ω・cmと導電性が不充分であつた。
比較例2 比較例1においてメタンガスをメタンガス:窒素比を1:
2に変化し、焼成温度を800℃に変更する以外同法で行つ
たところ、炭素量4.3%、体積固有抵抗率4.7×102Ω・c
mであつた。
実施例4 チタン酸カリ繊維(テイスモD)を1%流動パラフイン
乳化液中に分散し、チタン酸カリ繊維に対し流動パラフ
インが0.1%になるよう調整後、窒素雰囲気下でスプレ
ードライ後、実施例1と同様に予備室に貯蔵し、以下実
施例1と同法で行い、炭素付着量9.8%、体積固有抵抗
率7.1×10-4Ω・cmの高導電性チタン酸カリ繊維を得
た。
実施例5 1%流動パラフイン乳化液に酸化タングステン1%を均
質分散した以外実施例4と同法で行い、炭素付着量10.1
%、体積固有抵抗率4.9×10-4Ω・cmの高導電性チタン
酸カリ繊維を得た。
実施例6 第2−a図及び第2−b図に示した向流接触方式におい
て全装置系を窒素ガスで置換後、焼成炉前部を850℃、
中央部を950℃、後部を500℃に調整後、以下実施例1と
同法で、予備室よりチタン酸カリ繊維を投入、気化器か
らベンゼン蒸気を導入した。但しチタン酸カリ繊維の投
入量は5kg/hr、ベンゼン供給量3/hr、ベンゼン:窒
素比=1:6の供給条件とし、各焼成部の温度領域の通過
時間は各々10分間であつた。上記条件で焼成することに
より、ストツカーに5.4kg/hrの回収速度で高導電性チタ
ン酸カリ繊維が回収され、炭素付着量11.2%、体積固有
抵抗率7.3×10-4Ω・cmで、電子顕微鏡写真でも遊離炭
素及び形状異状は認められなかつた。
実施例7 実施例4で示したスプレードライされたチタン酸カリ繊
維を用い、以下実施例6と同法で行い炭素付着量10.8
%、体積固有抵抗率6.4×10-4Ω・cmの高導電性チタン
酸カリ繊維が得られた。
実施例8 酸化タングステンを硝酸ニツケルに変更し、実施例5と
同法で処理したチタン酸カリ繊維を用い、以下実施例6
と同法で行い、炭素付着量10.4%、体積固有抵抗率4.1
×10-4Ω・cmの高導電性チタン酸カリ繊維を得た。
(発明の効果) 発明に係る高導電性繊維は、繊維質成分が本来持つてい
る諸物性、特に耐熱性、複合材料として用いた際の補強
性及び表面平滑性等の特長をそのまま保有する。そして
従来公知の方法で得られる導電性繊維に比較して遥かに
優れた高導電性を示すことから、帯電防止、静電気除
去、導電性材料等としての用途適合性が著しく改善さ
れ、特にシート、紙、布帛、フイルム等の導電材料等の
導電性処理剤として、高い産業上の利用性を備える。更
に本発明の導電性繊維は、以上の他、プラスチツクの補
強材料、導電性塗料、導電性インキ等の種々の用途に広
く利用される。
【図面の簡単な説明】
第1−a図は前置式焼成炉前部とその付属装置を、第1
−b図は前置式焼成炉後部とその付属装置を示す概略図
である。また第2−a図は後置式焼成炉前部とその付属
装置を、第2−b図は後置式焼成炉後部とその付属装置
を示す概略図である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加熱焼成炉に繊維質成分(ただし炭素繊維
    を除く)を定常供給し、繊維質成分100重量部に対し芳
    香族炭化水素成分を10〜100重量部となるよう気化室か
    ら導入後、非酸化性雰囲気下800〜1100℃で焼成するこ
    とを特徴とする高導電性繊維の製造法。
  2. 【請求項2】気化室が前置式である特許請求の範囲第1
    項記載の高導電性繊維の製造法。
  3. 【請求項3】気化室が後置式である特許請求の範囲第1
    項記載の高導電性繊維の製造法。
  4. 【請求項4】繊維質成分がチタン酸アルカリである特許
    請求の範囲第1項記載の高導電性繊維の製造法。
  5. 【請求項5】触媒としてマンガン、モリブデン、タング
    ステン、ホウ素、鉄、ニッケル、コバルト等の化合物の
    1種又は2種以上を併用する特許請求の範囲第1項記載
    の高導電性繊維の製造法。
  6. 【請求項6】芳香族炭化水素成分がベンゼンである特許
    請求の範囲第1項記載の高導電性繊維の製造法。
  7. 【請求項7】焼成温度が900℃以上である特許請求の範
    囲第1項記載の高導電性繊維の製造法。
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