JPH07110474A - 液晶素子用光着色膜 - Google Patents

液晶素子用光着色膜

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JPH07110474A
JPH07110474A JP25696393A JP25696393A JPH07110474A JP H07110474 A JPH07110474 A JP H07110474A JP 25696393 A JP25696393 A JP 25696393A JP 25696393 A JP25696393 A JP 25696393A JP H07110474 A JPH07110474 A JP H07110474A
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JP
Japan
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film
light
liquid crystal
phosphor
colored
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Application number
JP25696393A
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English (en)
Inventor
Zenta Kikuchi
善太 菊地
Toshiro Takei
寿郎 武井
Tetsushi Yoshida
哲志 吉田
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Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
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Publication date
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Priority to DE69427109T priority patent/DE69427109T2/de
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Abstract

(57)【要約】 【目的】カラー液晶素子に高輝度のカラー表示を行なわ
せるとともに、その駆動電圧も低くすることができる液
晶素子用光着色膜を提供する。 【構成】高分子に導電性ドーパント3を添加した比抵抗
が小さい基材2に、光を吸収して着色蛍光を発する蛍光
物質4を混入した蛍光体膜1を、光着色膜として用い
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカラー液晶素子に用いる
光着色膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶素子は、透明電極を設けた一対の透
明基板間に液晶を封入したものであり、カラー画像を表
示するカラー液晶素子では、その一方の基板に、可視光
のうちの特定の波長域の光だけを透過させ他の波長域の
光は吸収するカラーフィルタを設けている。
【0003】なお、カラー液晶素子には、透明電極の下
(基板面)にカラーフィルタを設けた構成のものと、前
記電極の上にカラーフィルタを設けた構成のものとがあ
るが、前者の構成では、ガラス等からなる透明基板に対
するカラーフィルタ密着性が十分でないため、カラーフ
ィルタの上に形成した電極がカラーフィルタごと基板か
ら剥離してしまうことがあるから、信頼性の面では、後
者の構成が望ましいとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記カ
ラーフィルタを用いているカラー液晶素子は、その表示
が暗いという問題をもっている。これは、カラーフィル
タが、可視光のうちの特定の波長域の光だけを透過させ
他の波長域の光は吸収して着色光とするものであるた
め、このカラーフィルタでの光吸収が大きいからであ
り、特に、裏面側に反射膜を配置した反射型の液晶素子
では、表面側から入射した光がカラーフィルタを通って
裏面側の反射膜で反射され、再び前記カラーフィルタを
通って表面側に出射するため、カラーフィルタでの光吸
収がより大きくなって、表示がかなり暗くなる。
【0005】また、上述したように、カラーフィルタは
電極の上に設けるのが望ましいが、前記カラーフィルタ
はその比抵抗が高く、したがって電極の上にカラーフィ
ルタを設けると、液晶に印加される電圧がカラーフィル
タのインピーダンスによって大きく低下するため、液晶
素子を、両基板の電極間に高い電圧を印加して駆動しな
ければならなくなる。
【0006】本発明は、カラー液晶素子に高輝度のカラ
ー表示を行なわせるとともに、その駆動電圧も低くする
ことができる液晶素子用光着色膜を提供することを目的
としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の光着色膜は、比
抵抗が小さくかつ光を受けて着色蛍光を発する蛍光体膜
からなることを特徴とするものである。この蛍光体膜
は、例えば、比抵抗が小さい基材に蛍光物質を混入した
ものであり、その基材は、高分子に導電性ドーパントを
添加したもの、または導電性高分子からなるもの、ある
いは前記導電性高分子に導電性ドーパントを添加したも
のである。なお、前記蛍光体膜は、この蛍光体膜が発す
る蛍光の色に対応する波長域の光を透過させ他の波長域
の光は吸収する顔料を添加したものであってもよい。
【0008】
【作用】すなわち、本発明は、蛍光体膜を光着色膜とし
たものであり、前記蛍光体膜は、光を受けて着色蛍光を
発するため、この蛍光体膜からなる光着色膜を出射する
光は、前記蛍光体膜が発する蛍光の色に着色した光であ
る。
【0009】そして、上記蛍光体膜は、カラーフィルタ
のように可視光のうちの特定の波長域の光だけを透過さ
せ他の波長域の光は吸収して着色光とするものではな
く、吸収光のエネルギーによって蛍光を発するものであ
るため、この蛍光体膜で着色された光の強度は、カラー
フィルタによる着色光の強度に比べてはるかに高い。
【0010】したがって、カラー液晶素子に本発明の光
着色膜を用いれば、この光着色膜で着色された光を利用
してカラー表示を行なえるし、またこの光着色膜で着色
された光高強度の光であるため、前記液晶素子に、高輝
度のカラー表示を行なわせることができる。
【0011】しかも、本発明の光着色膜は、比抵抗が小
さい蛍光体膜であるため、この光着色膜を電極の上に設
けても、そのインピーダンスによる電圧降下は小さく、
したがって本発明の光着色膜を用いれば、上記カラー液
晶素子を低電圧で駆動することができる。
【0012】なお、本発明の光着色膜において、上記蛍
光体膜に、前記蛍光物質が発する蛍光の色に対応する波
長域の光を透過させ他の波長域の光は吸収する顔料を添
加しておけば、着色光の色純度を良くすることができ
る。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は本発明の第1の実施例を示す光着色膜の一
部分の断面図である。この光着色膜は、比抵抗が小さ
く、かつ光を受けて着色蛍光を発する蛍光体膜1からな
っており、この実施例の蛍光体膜1は、比抵抗が小さい
透明基材2に蛍光物質4を混入して構成されている。
【0014】上記基材2は、アクリル樹脂、塩化ビニル
樹脂、アルキド樹脂、芳香族スルホンアミド樹脂、ユリ
ア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、および
それらの共縮重合体等の高分子に、導電性ドーパントを
添加したものである。
【0015】なお、導電性ドーパントとしては、Li,
Na,K,Cs等のアルカリ金属、テトラエチルアンモ
ニウム(TEA+ ),テトラブチルアンモニウム(TB
uA+ )等のアルキルアンモニウムイオン、Br 2 ,I2
,Cl 2 等のハロゲン類、BF3 ,PF5 ,As F
5 ,Sb F5 ,SO3 等のルイス酸、HNO3 ,H2
4 ,HCl O4 ,HF,HCl ,FSO3 H,CF3
SO3 H等のプロトン酸、FeCl 3 ,Mo Cl 5 ,W
Cl 5 ,Sn Cl 4 ,Mo F5 ,Ru F5 ,TaBr
5 ,Sn I4 等の遷移金属ハライド、TCNE,TCN
Q,クロラニル等の有機物質、N−メチルフェナジウム
−テトラシアノキノジメタン錯体等の電荷移動錯体があ
る。
【0016】なお、これらドーパントは、1種だけかま
たは複数種を組合わせて使用し、上記高分子に、基材2
の透明度をあまり落とさず、しかも基材2の比抵抗が十
分小さくできる量だけ添加する。
【0017】一方、上記蛍光物質4は、上記基材2に用
いた樹脂または他の透明樹脂を蛍光染料で染めた蛍光材
を微細な粒状に粉砕したものであり、この蛍光物質4
は、特定の波長域(蛍光物質4が発する蛍光色の波長
域)以外の光を吸収してその光のエネルギーにより前記
特定の波長域の光を発する波長変換機能をもっている。
【0018】そして、上記蛍光体膜1は、高分子材料に
導電性ドーパントを所定量添加し、さらに蛍光物質4を
所望の割合で混合したものを、カラー液晶素子の基板
(図示せず)上に印刷法またはスピンコート法等により
所定の膜厚に塗布し、その後前記樹脂材料を硬化させて
形成される。
【0019】すなわち、この実施例は、導電性ドーパン
ト3を添加して比抵抗を小さくした高分子からなる基材
2に蛍光物質4を混入した蛍光体膜1を光着色膜とした
ものであり、前記蛍光体膜1は光を受けて着色蛍光を発
するため、この光着色膜を出射する光は、前記蛍光体膜
1が発する蛍光の色に着色した光である。
【0020】そして、上記蛍光体膜1は、カラーフィル
タのように可視光のうちの特定の波長域の光だけを透過
させ他の波長域の光は吸収して着色光とするものではな
く、吸収光のエネルギーによって蛍光を発するものであ
るため、この蛍光体膜1で着色された光の強度は、カラ
ーフィルタによる着色光の強度に比べてはるかに高い。
【0021】この蛍光体膜1による光の着色について説
明すると、例えば前記蛍光体膜1の裏面側に図1に鎖線
で示したように反射膜Mを配置した場合は、蛍光体膜1
の表面側から入射した光が図1に実線矢印で示すように
蛍光体膜1を通って反射膜M面で反射され、この反射光
が再び蛍光体膜1を通って出射するが、その光のうちの
ある程度の光が、蛍光体膜1を通る際に蛍光物質4に当
る。
【0022】そして、蛍光物質4は、この蛍光物質4に
当った光のうち、特定の波長域の光、つまり蛍光物質4
が発する蛍光色と同じ波長域の光は透過または反射さ
せ、他の波長域の光は吸収して、その光のエネルギーに
より前記特定の波長域の光(蛍光)を発する。
【0023】なお、蛍光物質4が発する蛍光は、図1に
破線矢印で示したように、蛍光物質4の周囲に放出され
るため、そのうちの一部の蛍光は蛍光体膜1の裏面側に
出射するが、この蛍光は反射膜Mで反射され、再び蛍光
体膜1を通ってその表面側に出射する。これは、蛍光物
質4を透過または反射された光も同様である。
【0024】したがって、上記蛍光体膜1の表面側に出
射する反射光は、前記蛍光体膜1を蛍光物質4に当らず
に透過した光と、前記蛍光物質4が発した蛍光と、前記
蛍光物質4を透過または反射された光(蛍光物質4が発
する蛍光色と同じ波長域の光)であり、蛍光体膜1を蛍
光物質4に当らずに透過した光は白色光であるため、蛍
光体膜1からの出射光の色は、前記蛍光物質4が発する
蛍光の色である。なお、この出射光の色の濃度は、蛍光
体膜1中の蛍光物質4の混入量によって決まる。
【0025】また、上記蛍光体膜1は、カラーフィルタ
のように可視光のうちの特定の波長域の光だけを透過さ
せ他の波長域の光は吸収して着色光とするものではな
く、吸収光のエネルギーによって蛍光を発するものであ
り、この蛍光体膜1中の蛍光物質4は、特定の波長域以
外の可視光および紫外線を吸収してその光のエネルギー
により前記特定の波長域の光を発するため、この蛍光体
膜1で着色された光の強度は、カラーフィルタによる着
色光の強度に比べてはるかに高い。
【0026】図3は、上記蛍光体膜1によって着色され
た光の強度分布と、カラーフィルタによって着色された
光の強度分布とを、それぞれの裏面側に反射膜を配置し
て測定した結果を示しており、ここでは、反射膜に、表
面を粗面化したAl 反射膜(以下、Al 粗面反射膜とい
う)、Ba SO4 (硫酸バリウム)からなる光散乱面を
もった白色反射膜(以下、Ba SO4 反射膜という)、
Ag (銀)からなる鏡面反射膜(以下、Ag 鏡面反射膜
という)との3種類の反射膜を用いた場合の測定結果を
示している。
【0027】なお、この着色光の強度分布測定に用いた
蛍光体膜は、シンロイヒ株式会社製の品番FA−22の
蛍光物質を用いた緑色系蛍光体膜であって、基材に対す
る蛍光物質の混入量を重量比で60/160としたもの
である。また、上記カラーフィルタは、透明樹脂材料と
緑色系顔料とを混合したものを上記反射膜の上の塗布
し、その後前記樹脂材料を硬化させて形成した緑色系カ
ラーフィルタであり、このカラーフィルタも、前記蛍光
体膜も、その膜厚は7.5μmとした。
【0028】この図3のように、上記蛍光体膜1は、そ
の出射光の強度が、カラーフィルタに比べてはるかに高
く、また、反射膜がAl 粗面反射膜、Ba SO4 反射
膜、Ag 鏡面反射膜のいずれであっても、出射光の強度
分布はほとんど変わらない。
【0029】このように、上記蛍光体膜1を出射する光
は、この蛍光体膜1が発する蛍光の色に着色した光であ
り、またこの蛍光体膜1で着色された光の強度は、カラ
ーフィルタによる着色光の強度に比べてはるかに高い。
【0030】したがって、上記蛍光体膜1からなる光着
色膜をカラー液晶素子に用いれば、この光着色膜で着色
された光を利用してカラー表示を行なえるし、またこの
光着色膜で着色された光高強度の光であるため、カラー
液晶素子に、高輝度のカラー表示を行なわせることがで
きる。
【0031】しかも、上記光着色膜は、比抵抗が小さい
蛍光体膜1であるため、この光着色膜を電極の上に設け
ても、そのインピーダンスによる電圧降下は小さく、し
たがって、この光着色膜を用いれば、上記カラー液晶素
子を低電圧で駆動することができる。
【0032】なお、上記実施例の光着色膜は、基材2に
蛍光物質4だけを混入させた蛍光体膜1であるが、図2
に示した第2の実施例のように、前記蛍光体膜1に、こ
の蛍光体膜1が発する蛍光の色に対応する波長域の光を
透過させ他の波長域の光は吸収する着色顔料(カラーフ
ィルタに用いられている顔料)5を添加しておけば、着
色光の色純度を良くすることができる。
【0033】この場合は、蛍光体膜1を通る光がある程
度前記顔料に吸収されるため、その分だけ出射光の強度
が若干低下するが、顔料の添加量を調整すれば、色純度
が良く、しかも強度も十分な着色光を得ることができ
る。
【0034】また、上記実施例では、蛍光体膜1の基材
2を、高分子に導電性ドーパント3を添加したものとし
ているが、この基材2は、導電性高分子でもよいし、ま
た前記導電性高分子に前記導電性ドーパント3を添加し
たものでもよい。
【0035】なお、導電性高分子には、ポリアセチレ
ン、ポリチアジル、ポリジアセチレン、ポリパラフェニ
レン、ポリアリニン、または、複素五員環系,縮合環
系,ポリアセン系の高分子で導電性を有するものがあ
る。
【0036】そして、蛍光体膜1の基材2に上記導電性
高分子を用いれば、蛍光体膜1自体が導電性をもつた
め、その比抵抗をかなり小さくできるし、また前記導電
性高分子に導電性ドーパント3を添加すれば、さらに蛍
光体膜1の比抵抗を小さくすることができるため、液晶
素子をより低電圧で駆動することができる。
【0037】図4は、上記光着色膜を高分子分散型の液
晶素子に用いた例を示す液晶素子の一部分の断面図であ
る。なお、この液晶素子は、裏面側基板の内面に反射膜
を設けた反射型のアクティブマトリックス液晶素子であ
る。
【0038】図4において、下側の基板11は液晶素子
の裏面側基板、上側の基板12は表面側基板である。上
記裏面側基板11は、ガラス板等からなる絶縁性基板
(ただし、透明である必要はない)であり、この裏面側
基板11には、行方向および列方向に配列された複数の
透明な画素電極13と、これら各画素電極13にそれぞ
れ対応する複数の能動素子14とが配設されている。
【0039】上記能動素子14は例えばTFT(薄膜ト
ランジスタ)であり、このTFT14は、基板11上に
形成されたゲート電極15と、このゲート電極15を覆
うゲート絶縁膜16と、前記ゲート絶縁膜16の上に前
記ゲート電極15と対向させて形成されたa−Si (ア
モルファスシリコン)等からなる半導体膜17と、この
半導体膜17の両側部の上に形成されたソース電極18
およびドレイン電極19とで構成されている。
【0040】なお、図示しないが、裏面側基板11の上
には、上記TFT14にゲート信号を供給するゲートラ
イン(アドレスライン)と、前記TFT14に画像デー
タに応じたデータ信号を供給するデータラインとが配線
されており、TFT14のゲート電極15は前記ゲート
ラインに一体に形成され、ドレイン電極19は前記デー
タラインにつながっている。
【0041】また、上記裏面側基板11の上には、この
裏面側基板11上に配設する全ての画素電極13にそれ
ぞれ対応させて、前記画素電極13のほぼ全面に対向す
る反射膜20が設けられている。なお、この反射膜20
は、上述したAl 粗面反射膜、Ba SO4 反射膜、Ag
鏡面反射膜のいずれでもよいが、この反射膜20と上記
TFT14のゲート電極15およびゲートラインとを同
じ金属膜(例えばAl膜)とすれば、これらを同時に形
成することができる。
【0042】上記反射膜20は、上記TFT14のゲー
ト絶縁膜16で覆われている。このゲート絶縁膜16は
Si N(窒化シリコン)等からなる透明膜であり、画素
電極13は前記ゲート絶縁膜16の上に形成され、その
一端部において対応するTFT14のソース電極18に
接続されている。
【0043】そして、上述した光着色膜(比抵抗が小さ
くかつ光を受けて着色蛍光を発する蛍光体膜1)は、上
記各画素電極13の上にそれぞれ設けられている。な
お、この実施例では、光着色膜として、異なる色の蛍光
を発する複数の光着色膜、例えば、黄色系着色膜1a
と、赤色系着色膜1bと、上述した緑色系着色膜1cと
を用い、これら光着色膜1a,1b,1cを交互に並べ
て設けている。
【0044】上記黄色系着色膜1aに用いる蛍光物質
は、COLOUR INDEX番号が「C.I.562
05」または「C.I.46040」の蛍光染料を用い
て得ることができる。これらの蛍光染料は、紫外線だけ
を照射したときの蛍光色が、「C.I.56205」の
染料では緑〜黄緑、「C.I.46040」の染料では
緑黄〜黄であり、昼光下での色がいずれも黄である。
【0045】また、上記赤色系着色膜1bに用いる蛍光
物質は、COLOUR INDEX番号が「C.I.4
5380」または「C.I.45160」の蛍光染料を
用いて得ることができる。これらの蛍光染料はいずれ
も、紫外線だけを照射したときの蛍光色が黄〜橙であ
り、昼光下での色が赤である。
【0046】なお、上記赤色系着色膜1bは、ピンク系
のものでもよく、このピンク系着色膜に用いる蛍光物質
は、COLOUR INDEX番号が「C.I.451
70」の蛍光染料を用いて得ることができる。この蛍光
染料は、紫外線だけを照射したときの蛍光色が橙〜赤で
あり、昼光下での色がピンクである。
【0047】一方、上記表面側基板12は、ガラス板ま
たは透明樹脂フィルム等からなる透明基板であり、この
表面側基板12には、そのほぼ全面にわたって、上記裏
面側基板11上の全ての画素電極13と対向する透明な
対向電極21が設けられている。
【0048】そして、上記裏面側基板11と表面側基板
12とは、その外周縁部において図示しない枠状のシー
ル材を介して接合されており、これら基板11,12間
の前記シール材で囲まれた領域には、液晶/高分子複合
膜22が設けられている。
【0049】この液晶/高分子複合膜22は、高分子層
中に液晶を分散させたものであり、この複合膜22は、
スポンジのような断面をもつようにポリマー化した高分
子層23の各空隙部にそれぞれ液晶が閉じ込められた構
造をなしている。図4において、24は複合膜22中の
液晶部(液晶が閉じ込められた部分)である。
【0050】なお、この液晶素子では、上記複合膜22
の液晶に、誘電異方性が正のネマティック液晶を用い、
この液晶中に黒色系の二色性染料を混入させている。図
5は上記複合膜22の1つの液晶部24の無電界状態と
電界印加状態における拡大断面図であり、図において、
Aは液晶の分子を示し、Bは前記二色性染料の分子を示
している。
【0051】この液晶素子は、例えば、一対の基板1
1,12をシール材を介して接合した後、この両基板1
1,12間に、前記シール材の一部を欠落させて形成し
ておいた注入口から、光によって重合反応する高分子材
料と二色性染料を添加した液晶との混合溶液を真空注入
法により注入充填し、この充填溶液に、透明基板である
表面側基板11側から紫外線を照射して前記高分子材料
を光重合させる方法で製造することができる。なお、前
記注入口は、溶液の充填後か、あるいは高分子の光重合
後に封止する。
【0052】このように、基板11,12間に充填した
上記混合溶液に紫外線を照射すると、モノマーあるいは
オリゴマーの状態にある高分子材料が、その二重結合が
解けることによってラジカル化し、隣り合う分子のラジ
カルが互いに結合し合うラジカル重合反応により高分子
となって、この高分子材料のポリマー化により液晶が相
分離する。
【0053】このため、ポリマー化した高分子層23は
スポンジのような断面をもち、この高分子層23の各隙
間部にそれぞれ液晶が閉じ込められて、上述した構造の
液晶/高分子複合膜22が形成される。なお、この複合
膜22の形成方法は、光重合相分離法と呼ばれる方法で
ある。
【0054】上記液晶素子は、液晶/高分子複合膜22
での光の散乱と透過とを利用して表示するものであり、
この複合膜22の高分子層23中に分散している液晶部
24の液晶の分子Aは、電界が印加されていない状態で
は図5の(a)のように様々な方向を向いており、同様
に二色性染料の分子Bも様々な方向を向いているため、
この無電界状態では、液晶素子の表面側から入射した光
が、前記複合膜22を通る際に、その液晶部24と高分
子層23との界面および液晶部24の液晶の光散乱作用
により散乱されるとともに、この散乱光の大部分が二色
性染料によって吸収される。
【0055】このため、無電界状態では、上記複合膜2
2を通って裏面側基板12上の光着色膜1a,1b,1
cおよび反射膜20に達する光量は極く僅かであり、し
たがって、前記光着色膜1a,1b,1cが発する蛍光
量および反射膜20からの反射光量が少ないし、また、
これらの光は前記複合膜22を再び通る際に上述したよ
うに散乱および吸収されるから、表面側に出射する光が
ほとんど無く、表示がほぼ黒の暗状態になる。
【0056】また、裏面側基板11の画素電極13と表
面側基板12の対向電極21との間に電圧を印加する
と、図5の(b)のように、上記複合膜22の液晶部2
4の液晶の分子Aが、印加された電界によって、基板1
1,12面に対してほぼ垂直になるように一様に立上り
配向し、それに連れて二色性染料の分子Bも立上り配向
するため、この電界印加状態では、液晶素子の表面側か
ら入射した光が、複合膜22での光散乱作用をほとんど
受けることなく、また二色性染料による吸収もほとんど
受けずに複合膜22を透過する。
【0057】このため、電界印加状態では、入射光が上
記複合膜22を通って裏面側基板2上の光着色膜1a,
1b,1cおよびその下側の反射膜20に達し、この光
が、前記光着色膜1a,1b,1cに着色蛍光を発生さ
せるとともに、前記反射膜20で反射されて再び複合膜
22を通って液晶素子の表面側に出射し、表示が明状態
になる。
【0058】この明表示の色は、上記光着色膜1a,1
b,1cが発する蛍光の色であり、この液晶素子では、
黄色系着色膜1aと赤色系着色膜1bと緑色系着色膜1
cとを各画素電極13にそれぞれ対向させて交互に並べ
て設けているため、黄、赤、緑の3色の画素の組合わせ
によってカラー画像が表示される。
【0059】また、上記光着色膜1a,1b,1cは、
カラーフィルタのように可視光のうちの特定の波長域の
光だけを透過させ他の波長域の光は吸収して着色光とす
るものではなく、吸収光のエネルギーによって蛍光を発
するものであるため、これら光着色膜1a,1b,1c
で着色された光の強度は、カラーフィルタによる着色光
の強度に比べてはるかに高い。
【0060】そして、この液晶素子は、上記光着色膜1
a,1b,1cからなる光着色膜で着色された光を利用
してカラー表示を行なうものであるから、光吸収率の大
きなカラーフィルタは不要であり、また光着色膜で着色
された光は高強度の光であるため、高輝度のカラー表示
を得ることができる。
【0061】しかも、この液晶素子は、各画素電極13
の上に光着色膜1a,1b,1cを設けたものである
が、この光着色膜1a,1b,1cは比抵抗が小さい蛍
光体膜であるため、画素電極13の上に光着色膜1a,
1b,1cがあっても、そのインピーダンスによる電圧
降下は小さく、したがって、この液晶素子は低電圧で駆
動することができる。
【0062】なお、上記液晶素子では、画素電極13と
TFT14を設けた基板11に光着色膜1a,1b,1
cを設けているが、この光着色膜1a,1b,1cは、
対向電極21を設けた基板12に設けても、また両方の
基板11,12に同色の着色膜同士を互いに対向させて
設けてもよい。
【0063】さらに、上記液晶素子は、画素電極13と
TFT14を設けた基板11を裏面側基板としたもので
あるが、これと逆に、対向電極21を設けた基板12を
裏面側基板としてもよく(その場合は、画素電極13と
TFT14を設けた基板11が表面側基板となるため、
この基板12を透明基板とする必要がある)、また反射
膜20は、裏面側基板の外面に設けてもよい。
【0064】また、本発明の光着色膜は、反射型のもの
に限らず、透過型のカラー液晶素子にも使用できるし、
また、高分子分散型の液晶素子に限らず、TN型、ST
N型の液晶素子や、強誘電性液晶または反強誘電性液晶
を用いた液晶素子等、各種液晶素子に広く使用すること
ができる。なお、これら液晶素子は、アクティブマトリ
ックス型に限らず、単純マトリックス型のものでも、ま
た、一方の基板に表示パターンに対応する形状のセグメ
ントを設け、他方の基板にコモン電極を設けたセグメン
ト表示型のものでもよい。
【0065】
【発明の効果】本発明の光着色膜は、比抵抗が小さくか
つ光を受けて着色蛍光を発する蛍光体膜からなるもので
あるから、カラー液晶素子に本発明の光着色膜を用いれ
ば、この光着色膜で着色された光を利用してカラー表示
を行なえるし、またこの光着色膜で着色された光高強度
の光であるため、前記液晶素子に、高輝度のカラー表示
を行なわせることができる。
【0066】しかも、本発明の光着色膜は、比抵抗が小
さい蛍光体膜であるため、この光着色膜を電極の上に設
けても、そのインピーダンスによる電圧降下は小さく、
したがって、この光着色膜を用いれば、上記カラー液晶
素子を低電圧で駆動することができる。
【0067】また、本発明の光着色膜において、上記蛍
光体膜に、この蛍光体膜が発する蛍光の色に対応する波
長域の光を透過させ他の波長域の光は吸収する顔料を添
加しておけば、着色光の色純度を良くすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す光着色膜の一部分
の断面図。
【図2】本発明の第2の実施例を示す光着色膜の一部分
の断面図。
【図3】第1の実施例の光着色膜によって着色された光
の強度分布と、カラーフィルタによって着色された光の
強度分布とを、それぞれの裏面側に反射膜を配置して測
定した結果を示す図。
【図4】本発明の光着色膜を高分子分散型液晶素子に用
いた例を示す液晶素子の一部分の断面図。
【図5】高分子分散型液晶素子における液晶/高分子複
合膜の1つの液晶部の無電界状態と電界印加状態におけ
る拡大断面図。
【符号の説明】
1…螢光体膜 2…基材 3…導電性ドーパント 4…蛍光物質 5…着色顔料

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カラー液晶素子に用いる光着色膜であっ
    て、比抵抗が小さくかつ光を受けて着色蛍光を発する蛍
    光体膜からなることを特徴とする液晶素子用光着色膜。
  2. 【請求項2】蛍光体膜は、比抵抗が小さい基材に蛍光物
    質を混入したものであることを特徴とする請求項1に記
    載の液晶素子用光着色膜。
  3. 【請求項3】蛍光体膜の基材は、高分子に導電性ドーパ
    ントを添加したものであることを特徴とする請求項2に
    記載の液晶素子用光着色膜。
  4. 【請求項4】蛍光体膜の基材は、導電性高分子からなる
    ことを特徴とする請求項2に記載の液晶素子用光着色
    膜。
  5. 【請求項5】蛍光体膜の基材は、導電性高分子に導電性
    ドーパントを添加したものであることを特徴とする請求
    項2に記載の液晶素子用光着色膜。
  6. 【請求項6】蛍光体膜には、この蛍光体膜が発する蛍光
    の色に対応する波長域の光を透過させ他の波長域の光は
    吸収する顔料が添加されていることを特徴とする請求項
    1〜請求項5のいずれか1つに記載の液晶素子用光着色
    膜。
JP25696393A 1993-10-05 1993-10-14 液晶素子用光着色膜 Pending JPH07110474A (ja)

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