JPH07109988B2 - ディジタルフィルタ回路および送受信装置 - Google Patents

ディジタルフィルタ回路および送受信装置

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JPH07109988B2
JPH07109988B2 JP2041514A JP4151490A JPH07109988B2 JP H07109988 B2 JPH07109988 B2 JP H07109988B2 JP 2041514 A JP2041514 A JP 2041514A JP 4151490 A JP4151490 A JP 4151490A JP H07109988 B2 JPH07109988 B2 JP H07109988B2
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靖彦 安田
二郎 甲藤
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、音声伝送あるいは画像伝送などに利用される
ディジタルフィルタ回路およびそのディジタルフィルタ
回路を用いた送受信装置に関するものである。
〔概要〕
本発明は、入力信号をディジタルフィルタを用いて帯域
分割を行って符号化し伝送する方式において、 帯域分割におけるフィルタ処理を一方については原信号
と他方のフィルタ処理信号との差分信号とすることによ
って、 フィルタ数を少なくするとともに、フィルタ設計を容易
にできるようにするものである。
〔従来の技術〕
近年、画像信号あるいは音声信号の高能率符号化方法と
して、入力信号を複数の空間フィルタによって周波数成
分ごとに分離した後に符号化、伝送を行う帯域分割符号
化が注目されている。
この帯域分割符号化を用いた音声信号の伝送システムの
例を第13図に挙げる。
この第13図の構成では、送信側では、音声信号を複数の
周波数帯域に帯域通過フィルタ(BPF)17、18で分割
し、各帯域信号をサブサンプリング回路20、22によって
ナイキスト速度でサブサンプリングするとともに低域信
号に変換し、符号化回路21、23で例えば適応予測符号化
(APCM)等により符号化してマルチプレクサ24で多重化
し多重伝送路25を介して受信側へ送信する。受信側で
は、復号化回路27、29、補間回路28、30によって符号復
号化、補間を行った後、帯域通過フィルタ35、36を通過
させ、加算回路37で出力信号を合成して、復号信号
(n)の再構成を行う。
この音声信号の帯域分割符号化方式は、音声のエネルギ
が集中している帯域により多くの量子化ビット数を割り
当てることにより総合的な音声品質の向上を図ることが
できる利点があり、また、量子化雑音が他の帯域に影響
を与えないようにできる利点がある。
この帯域分割方式は2分割を単位として行われるので、
第14図にその最も基本的な一次元2バンドのシステム構
成を示して説明する。
この第14図に示す構成では、送信側では二つのローパス
のディジタルフィルタ(h1(n))6、ハイパスのディ
ジタルフィルタ(h2(n))7によって入力信号x
(n)を帯域分割し、これをサブサンプリング回路20、
22によりそれぞれサンプリングを行って伝送し、受信側
で補間回路28、30で0値補間操作を行った後、帯域分割
されて入力された信号をディジタルフィルタ6、7とほ
ぼ同じ特性でそのチャネルに対応するローパスのディジ
タルフィルタ(g1(n))8、ハイパスのディジタルフ
ィルタ(g2(n))9を通過させた後、加算回路37で合
成して復号信号(n)を再構成する。
ここで、一般的には理想的な周波数特性を呈するフィル
タを有限のタップ数で実現することは不可能であり、復
号信号には折り返しひずみ、振幅ひずみ、位相ひずみの
3種類のひずみが発生するが、フィルタ間に の関係が成立するならば、復号信号(n)を原信号x
(n)に完全に一致させることが可能となる。
このため、この(1)式を元にして、復号信号の完全再
構成可能なフィルタの検討が行われている。
この完全再構成フィルタの構成例としては、まず、クロ
チェール(Crochiere)によって提案されているQMF(Qu
adrature Mirror Filter)が挙げられる。
文献 クロチェール,「サブバンドコーディング」,ベ
ル・システムズ・テクニカル・ジャーナル第60号(1981
年9月),第1633〜1653頁(R.E.Crochiere,“Subband
Coding,"B.S.T.J.60,pp.1633-1653 Sep.1981) この方法は、フィルタh1(n)を係数対称の直線位相FI
Rフィルタとし、その他のフィルタh2(n)、g
1(n)、g2(n)をそれぞれ で定義することによって、復号信号における折り返しひ
ずみと位相ひずみの完全な除去を実現している。ただ
し、振幅ひずみの完全な除去はフィルタのタップ数が2
と無限大の場合に限られており、それ以外の環境下では
近似方法によっている。
このため、画像処理に使用する場合には、16タップ以上
のフィルタが必要となっている。
一方、ルゴール(Le Gall)らは、画像処理への帯域分
割処理を考えるとQMFのような長タップフィルタは好ま
しくないとの観点でSSKF(Symmetric Short Kernel Fil
ter)と呼ばれるフィルタ構成を提案している。
文献 ルゴール,タバタバイ,「サブバンド・コーディ
ング・オブ・ディジタル・イメージズ・ユージング・シ
ンメトリック・ショート・カーネル・フィルターズ・ア
ンド・アリスメティック・コーディング・テクニーク
ス」,IEEEアイキャスプ88(1988年6月),第761〜764
頁(D.L.Gall and A.Tabatabai,“Subband Coding of D
igital Images Using Symmetric Short Kernel Filters
and Arithmetic Coding Techinques,"Proc.of IEEE IC
ASSP'88,pp.761-764(June.1988)) この方法は、フィルタ間の制約を前述のQMFより緩和
し、 とすると、完全再構成フィルタの設計問題は F(z)−F(−z)=2・z-k ……(4) を満たすzの多項式F(z)をH1(z)とH2(-z)に因数分
解する問題に帰着することになる。
このとき、F(z)は、その奇数次の項で係数が零でな
い項がただ一つしかない多項式となるが、ルゴールら
は、偶数次の項の係数に対して、その零でない奇数次の
項を中心とした係数対称条件を課し、その制約条件のも
とで因数分解を行うことによってSSKFの具体解を求める
ことができることを示した。
このルゴールらの提案したSSKFでは、折り返しひずみ、
位相ひずみを完全除去することができ、さらに、QMFで
は、近似にすぎない振幅ひずみの問題も解決される。さ
らに、具体的な完全再構成フィルタを、タップ数が高々
3と5、あるいは4と4の場合の係数対称FIRフィルタ
によって実現できることを示した。
また、帯域分割符号化と同様の特徴を有する階層的符号
化に関する技術について安田らは次のような方式を提案
している。
文献 安田、高木、加藤、粟野、「階層的符号化法によ
る静止画像の段階的伝送および表示」電子通信学会論文
誌(B),第J63-B巻4号(1980年4月),第379〜386
頁 文献 安田、加藤、「静止画符号化とその応用」電子情
報通信学会誌Vol.71,No.7,pp.669-675 1988年7月 この方法は、ローパスフィルタとサブサンプリングの再
帰的な利用によって画像の階層構造を構成し、低周波成
分に対応する上位階層から伝送を行うことによって、伝
送の初期段階で画像の概要を把握できるようにするもの
である。
この方法は階層間の差分をとることによって伝送レート
の削減を図るもので、この操作は帯域分割符号化におけ
る周波数分割と等価である。ただしこの方法では、帯域
分割符号化とは異なって階層数の増加に伴って符号化の
対象となる画素数が増加する問題がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述のように、従来の画像に対する階層的符号化方式で
は、階層処理回数の増加とともに符号化の対象となる画
素数が増加するという問題があった。例えば、階層処理
1回の場合は、1.25(1+1/4)倍、階層処理2回の場
合は1.3125(1+1/4+1/16)倍となり、階層処理回数
の増加ともに4/3倍に漸近する。
一方、従来方式の帯域分割符号化では、符号化対象とな
る画素数が増加する問題はないが、上述のように、QMF
を用いる場合には振幅ひずみの解消が近似によって行わ
れるため、振幅ひずみを解消したフィルタ設計が難しく
完全再構成フィルタを構成することができない問題があ
った。
また、SSKFによる方式では、多項式F(z)が高次式に
なると、その因数分解が非常に複雑になるため、周波数
特性の良好な多タップフィルタへ展開することが困難に
なり、フィルタ設計が難しくなる問題があった。さら
に、このSSKFによる方式は、多項式F(z)の因数分解
に主眼をおくため、フィルタ{h1(n),h2(n)}の
周波数特性はあくまで因数分解の結果として与えられて
おり、所望の周波数特性に応じてフィルタ係数を決定す
ることができない問題があった。
さらに、従来方式では、帯域分割するそれぞれの帯域ご
とにフィルタ{h(n)、g(n)}が必要であり、フ
ィルタの数が帯域分割数に対応して増加しハードウエア
量が大きくなる問題があった。
〔課題を解決するための手段〕 本発明のディジタルフィルタ回路は、入力ディジタル信
号が通過する第一のディジタルフィルタh(n)と、前
記入力ディジタル信号を入力とする乗算回路(α)と、
前記第一のディジタルフィルタの出力および前記乗算回
路の出力を二つの入力としその二つの入力の差を演算す
る減算回路とを備え、前記第一のディジタルフィルタの
出力および前記減算回路の出力を二つの出力信号とする
ことを特徴とする。
また、第二の発明のディジタルフィルタ回路は、入力デ
ィジタル信号が通過する第一のディジタルフィルタ(h
(n))と、前記入力ディジタル信号を入力とする乗算
回路(α)と、前記第一のディジタルフィルタの出力お
よび前記乗算回路の出力を二つの入力としその二つの入
力の差を演算する減算回路とを備え、前記第一のディジ
タルフィルタの出力および前記減算回路の出力を二つの
入力としその二つの入力の和を演算する加算回路と、こ
の加算回路の出力信号が通過し前記第一のディジタルフ
ィルタとはほぼ反対の通過帯域の第二のディジタルフィ
ルタ(g(n))と、この第二のディジタルフィルタの
出力と前記第一のディジタルフィルタの出力とを合成す
る合成回路とを備えたことを特徴とする。
さらに本発明の送受信装置は、入力ディジタル信号が通
過する第一のディジタルフィルタh(n)と、前記入力
ディジタル信号を入力とする乗算回路(α)と、前記第
一のディジタルフィルタの出力および前記乗算回路の出
力を二つの入力としその二つの入力の差を演算する減算
回路と、前記第一のディジタルフィルタの出力および前
記減算回路の出力を二つのサブバンド伝送路に送信する
送信手段と、この二つのサブバンド伝送路から受信する
信号を二つの入力としその二つの入力の和を演算する加
算回路と、この加算回路の出力信号が通過し前記第一の
ディジタルフィルタとはほぼ反対の通過帯域の第二のデ
ィジタルフィルタ(g(n))と、この二つのディジタ
ルフィルタの出力と前記第一のディジタルフィルタの出
力とを合成する合成回路とを備えたことを特徴とする。
なお、第一および第二のディジタルフィルタは二次元フ
ィルタで構成することもできる。
〔作用〕
本発明では、従来二つの帯域に分割を行うディジタルフ
ィルタとしてh1(n)、h2(n)、信号の復号を行う側
のディジタルフィルタとしてg1(n)、g2(n)のそれ
ぞれの帯域ごとにフィルタを用いているのを、一方の帯
域に第一のディジタルフィルタh(n)を、他方の帯域
には係数αの乗算回路を設け、一方の帯域ではこの第一
のディジタルフィルタの出力を出力信号とし、他方の帯
域では乗算回路の出力から第一のディジタルフィルタの
出力の差分をとり、その出力を出力信号とし、両出力を
サンプリングして符号化を行う構成である。
第1図は本発明の基本をなす一次元2バンド構成の帯域
分割のシステム構成を示すものであり、この図に基づい
てその作用を説明する。
この第1図で、符号13がフィルタ係数h(n)をもつデ
ィジタルフイルタ、14が入力信号x(n)をα倍する乗
算回路、15が乗算回路14の出力とディジタルフィルタ13
の出力の差分をとる減算回路、下向きの矢印で表した2
0、22はサブサンプリング回路、上向きの矢印で表した2
8、30は、サブサンプリングに対応して行う0値補間の
ための補間回路、32は加算回路、33は、フィルタ係数g
(n)のディジタルフィルタ、34は、上チャネルの信号
とディジタルフィルタ33の出力信号との合成を行う合成
回路である。
第1図のようにディジタルフィルタ回路を構成すると、
その構成は第14図のシステム構成とは、 と置いた場合に等価である。
このため、第1図に示すシステム構成における完全再構
成条件は、 で与えられる。フィルタ係数{h(n)}に対しては が成立することが要求される。ただし であるから、フィルタ係数が を満足する限り、完全再構成を実現できる。
一方、Tを画素間のサンプリング周期としたときに、ハ
ーフバンドローパス特性 の実現を目的とする奇数タップFIRフィルタのフィルタ
係数h′(n)は、そのインパルス応答を求めることに
より、 として与えられる。なお、この(12)式において、ω
(n)は窓関数を示している。
この(12)式の偶数項はn=0を除いてすべて0とな
り、奇数タップ分の遅延を考慮する限りにおいてそのま
まフィルタ係数h(n)に当てはめることが可能であ
る。
またディジタルフィルタ(h(n))13がローパスフィ
ルタとして機能する場合は、原信号とディジタルフィル
タ(h(n))13が通過した信号との差分して与えられ
る下チャネルの信号には原信号の直流成分が含まれてい
ないことが望ましい。このために乗算回路のパラメータ
αを適切な値に設定する必要がある。このパラメータα
は次のように決定できる。
ωT=0のときにα−H(ωT)=0が成立することに
等価であり、便宜的にh(n)において強制的に1とな
る奇数項をh(0)とすると、そのフィルタの振幅特性
で表せることから となる。一方、フィルタ{h(n)}がローパスフィル
タとして機能し、H(π)=0を実現するためには、フ
ィルタ係数間に が成立する必要がある。このため α=2 ……(16) が求められる。
このように、帯域分割された一方のチャネルにおいて原
信号を乗算してその直流成分を除き、他方のチャネルの
フィルタ処理信号との差分をとった信号についてサンプ
リングを行うようにしても従来の帯域分割方式と同じく
復号信号を再構成できる。
〔実施例〕
以下図面を参照して本発明の実施例を説明する。
第2図は第1図に示したディジタルフィルタ回路を用い
た帯域分割画像伝送方式の例を示す。
この実施例は、本発明のディジタルフィルタ回路を用い
て画像情報を2つの帯域に分割して伝送する例を示す。
入力アナログ信号x(t)は、ローパスフィルタ10によ
って直流成分が抽出され、アナログディジタル変換回路
(A/D)11によってディジタル信号x(n)に変換され
る。このディジタル信号に変換された画像信号は本発明
のディジタルフィルタ回路12に入力されて二つの帯域に
分割される。
第2図において上側のチャネルのディジタルフィルタ
(h(n))13を通過した信号はサブサンプリング回路
20でナイキスト周波数fsの1/2でサブサンプリングさ
れ、符号化回路21によって符号化される。また下チャネ
ルの信号は、乗算回路14でα倍したのち減算回路15で、
ディジタルフィルタ13を通過した信号との差分がとられ
る。この信号はサブサンプリング回路22で上チャネルと
同様にサブサンプリングされた後、符号化回路23によっ
て符号化される。この帯域分割され符号化された2バン
ドの信号はマルチプレクサ24によって多重化され多重伝
送路25によって受信側に時分割多重伝送される。
受信側では受信した多重信号はデマルチプレクサ26によ
って多重分離され2つの帯域信号が取り出される。上チ
ャネルの信号は復号化回路27によって復号され、この信
号は補間回路28によってナイキスト周波数fsにより0値
補間がされる。また下チャネルの信号も復号化回路29に
よって復号され、補間回路30によって0値補間がされ
る。
補間回路28、30で0値補間がされた信号は本発明の受信
側のディジタルフィルタ回路31に入力される。すなわ
ち、下チャネルで0値補間がされた信号は加算回路32に
よって上チャネルの信号との加算がされ、この信号はデ
ィジタルフィルタ(g(n))33を通過する。このディ
ジタルフィルタ33を通過した信号と上チャネルの信号と
は合成回路34によって合成され、ディジタル信号
(n)の復元が行われる。この復元ディジタル信号
(n)は、ディジタルアナログ変換回路(D/A)38によ
ってアナログ信号(t)に変換され、復元された画像
の画像信号が取り出される。なお、本実施例では、上チ
ャネルのディジタルフィルタ13はローパスフィルタ、下
チャネルのディジタルフィルタ33はハイパスフィルタと
して構成されている。
次に具体的にディジタルフィルタ回路12の構成を第3図
に示して説明する。
第3図は、ディジタルフィルタ回路12の構成を示すブロ
ック図であり、ディジタルフィルタ13は6個の遅延素子
(D)131、132、133、134、135、136と、係数aの乗算
器142、143と、係数bの乗算器141、144と、および加算
器151からなる係数対称型のディジタルフィルタであ
る。上チャネルの信号はこの加算器151の出力がサブサ
ンプリング回路20に導かれる。そして係数αの乗算回路
14へ入力される下チャネルの信号は遅延素子131、132を
通過させディジタル信号x(n)をα倍したのち、この
ディジタルフィルタ13の出力信号との差分を減算回路15
でとり、その出力がサブサンプリング回路22に入力され
る。
ここで、乗算器141〜144のフィルタ係数a、bの値は、
前述の第(12)式における窓関数ω(n)を ω(n)=0.54−0.46cos(2πn/M) ……(17) によって定義されるハミング窓とし、この(17)式のパ
ラメータMを8とすることによって求めることができ
る。この第3図に示すディジタルフィルタ回路ではフィ
ルタ係数a=0.545、b=−0.045となっている。
このフィルタ係数a、bによるディジタルフィルタ13の
周波数特性を従来例のSSKFの周波数特性と比較した図を
第4図に示す。
この第4図に示すディジタルフィルタはタップ数11の場
合であり、その特性は実線で示されている。SSKFはタッ
プ数が3と5の場合が挙げてあり、それぞれ破線、点線
で表されている。ただし、この第4図に示す周波数特性
での非0のフィルタ係数の個数は7、パラメータα(α
=2)の乗算回数は1であって、送信側における画素当
たりのフィルタ処理に要する乗算回数は8となる。一
方、タップ数として、3と5、あるいは5と3の低域通
過フィルタ、高域通過フィルタの対として構成されるSS
KFもまた画素当たりの乗算回数は8となるため、この乗
算回数を基準として両者を比較すると、本発明のディジ
タルフィルタ回路の方が良好な周波数特性を示している
ことが理解できる。
第5図は、実施例における受信側のディジタルフィルタ
回路31の構成を示すブロック図である。この受信側のデ
ィジタルフィルタ回路31も送信側に対応して反対の通過
帯域をもつような構成をとり、ディジタルフィルタ33に
は、加算回路32の出力が遅延素子331、332、333、334、
335、336を介してタップに取り出され、係数対称の乗算
器341、342、343、344、345を介して加算器351に入力さ
れて、遅延素子361、362で遅延された上チャネルの信号
と合成回路34とで合成されて復号信号(n)が復元さ
れる。
このように、本実施例では、ディジタルフィルタ(h
(n))13、(g(n))33は係数対称型フィルタによ
って構成でき、また、そのフィルタ係数a、bが容易に
求めることができ、完全再構成フィルタを容易に設計す
ることが可能である。
次に一次元2バンド構成の帯域分割を二次元に拡張する
例について説明する。
画像信号の処理を帯域分割で行うには一次元構成を二次
元の信号処理に拡張することが望ましい。この拡張方法
としては可分型のフィルタ構成をとる方法あるいは二次
元フィルタ構成をとる方法がある。
第6図は可分型フィルタ構成によって二次元構成システ
ムに拡張した構成を第1図に対応して示すものである。
この可分型フィルタ構成では、まずディジタルフィルタ
(h(m))131、乗算回路141、減算回路151からなる
ディジタルフィルタ回路121およびサブサンプリング回
路201、221によって水平方向に対してフィルタ処理、サ
ブサンプリング処理を行う。続いて、ディジタルフィル
タ(h(n))132、乗算回路142、減算回路152からな
るディジタルフィルタ回路122およびサブサンプリング
回路202、222によって上チャネルの垂直方向に対してフ
ィルタ処理、サブサンプリング処理を行う。また下チャ
ネルの垂直方向に対しても、ディジタルフィルタ(h
(n))133、乗算回路143、減算回路153からなるディ
ジタルフィルタ回路123およびサブサンプリング回路2
03、223によってフィルタ処理、サブサンプリング処理
を行う。こうして得られた4つの信号をそれぞれ符号化
して受信側に伝送する。
受信側では、送信側とは逆に垂直方向に補間処理、フィ
ルタ処理を行い、次いで、水平方向に補間処理、フィル
タ処理を行って最終的な復号信号(m,n)を得る。
この可分型構成は、4バンドに帯域分割を行う形とな
り、伝送路としては4バンドを用いて画像信号を伝送す
る。
第7図は、第1図における一次元ディジタルフィルタ
{h(n),g(m)}を二次元ディジタルフィルタ{h
(m,n),g(m,n)}で置き換えて二次元構成としたシス
テム構成を示すものである。この場合は第6図に示す可
分型構成と異なって2バンドに帯域分割を行うものであ
る。
そこで、二次元サンプリングパターンを第8図のように
とびとびのパターンでとる(○がサンプリングされる画
素を、×がサンプリングされない画素を示す。)ときの
完全再構成条件は、 によって与えられる。したがって、一次元の場合と同様
にフィルタ係数は、 g(m,n)=1/α(-1)m(-1)nh(m,n) ……(20) を満足する限り完全再構成を実現できる。
一方、第4図に示す周波数特性を実現するフィルタ係数
h′(m,n)は、そのインパルス応答を求めることによ
り、 として与えられる。なお、窓関数ω(m,n)は省略して
いる。
したがって、(m,n)が(0,0)以外の偶数同士、あるい
は奇数同士の組合せの場合には、h′(m,n)は必ず0
となり、一次元の場合と同様にh′(m,n)をそのまま
フィルタ係数h(m,n)として用いることができる。な
お、一次元と同様に、下側チャネルの情報に原信号の直
流成分が含まれないようにすることを考えると、H
(π,π)=0が成立するようにフィルタ係数を設定し
た場合 α=2 ……(22) となる。
なお、第8図に示すようなサンプリングパターンをと
り、この二次元構成処理を階層的符号化に適用する場合
には、偶数回目の階層処理のフィルタ係数の乗算の仕
方、およびサンプリングパターンは奇数回目の階層処理
パターンを45°回転したパターンにする必要がある。
この二次元フィルタを用いた場合のディジタルフィルタ
13および33の構成を第9図および第10図に示す。
第9図は二次元の送信側ディジタルフィルタ13の構成を
示すブロック図であり、垂直方向の1画素遅延素子DH
水平方向の1画素遅延素子Dとの組合せにより遅延回路
が構成され、この遅延回路のタップ出力にa、またはb
の係数が乗算器145、146で掛けられて加算回路156で加
算されて取り出される構成である。また第10図は受信側
のディジタルフィルタ33の構成を示すブロック図であ
り、第9図の二次元の送信側ディジタルフィルタ13の構
成に対応して、送信側ディジタルフィルタ13とは反対の
通過帯域をもつように構成している。
このディジタルフィルタ13、33の係数のa、bは、a=
0.297,b=−0.025である。これは第3図および第4図に
示す一次元のディジタルフィルタのフィルタ係数a、b
から a=a×a、b=a×b とすることによって求めることができる。
次に第11図は、第1図に示す構成を階層的符号化に適用
する場合の送信側における構成例を示す。これは送信側
における一次元の階層処理を示している。
この階層的符号化処理は、原信号の低周波成分が抽出さ
れる上チャネルの信号に対してディジタルフィルタ回路
12-2、12-3およびサブサンプリング回路20-2、22-2、20
-3、22-3によって次々とフィルタ処理、サブサンプリン
グ処理を行っていく様子を示すものである。
第12図は、第1図に示す構成を階層的符号化に適用する
場合において、受信側において上チャネルの情報のみを
表示する場合の位相ひずみを解消する構成を示す。
すなわち、上チャネル情報から段階的に表示する場合に
は復号画像に位相ひずみが発生する問題がある。これ
は、フィルタ{h(n),g(n)}を共に直線位相フィ
ルタとして構成することは可能であるが、送信側の下チ
ャネル、および受信側の上チャネルの情報処理に等価な
フィルタH2(z),G1(z)では直線位相特性を実現す
ることはできないためである。
この問題を解決するためには第12図に示すように出力側
に別のパスを設けて、ディジタルフィルタ{h(n)}
39を付加し、このディジタルフィルタ39を通過させた画
像信号を画像の段階表示に用いるとよい。
このようにすれば、従来の階層的符号化の場合と同様の
画像の段階的表示が可能となり、位相ひずみの問題が回
避される。この別パスを設けても従来の帯域分割符号化
方式よりもそのフィルタ数が低減されているため、本発
明の効果は実現できる。
なお、この第12図で付加したフィルタのフィルタ係数を
h(n)としているが、より厳密には送信側ディジタル
フィルタ(h(n))13の構成に応じて適切な正規化フ
ァクタを乗ずる必要がある。本実施例ではα=2として
いるため、正規化ファクタは0.5となる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明においては、従来の帯域分
割符号化方式に比べてそのフィルタ数を半減しており、
ハードウエア量を小さくすることができる。
また、その復号信号の完全再構成を実現するフィルタ係
数を簡単に求めることができ、フィルタ設計が簡単とな
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のシステム構成を説明する図。 第2図は本発明のディジタルフィルタ回路を用いた伝送
方式を示す図。 第3図は送信側ディジタルフィルタの構成を示すブロッ
ク図。 第4図は実施例ディジタルフィルタの周波数特性を従来
例と比較した図。 第5図は受信側ディジタルフィルタの構成を示すブロッ
ク図。 第6図は可分型フィルタを用いた二次元構成システムを
示す図。 第7図は二次元フィルタを用いた二次元構成システムを
示す図。 第8図は第7図に示す実施例でのサブサンプリングパタ
ーン。 第9図および第10図は二次元構成システムでの二次元デ
ィジタルフィルタの構成を示すブロック図。 第11図は一次元構成システムを階層的符号化に用いる送
信側の構成を示す図。 第12図は階層的符号化での位相ひずみを解消する構成を
説明する図。 第13図は従来の帯域分割伝送システムを示す図。 第14図は従来の帯域分割符号化システムを説明する図。 8〜9、13、33、39……ディジタルフィルタ、10……ロ
ーパスフィルタ、11……アナログディジタル変換回路、
14……乗算回路、15……減算回路、20、22……サブサン
プリング回路、21、23……符号化回路、24……マルチプ
レクサ、25……多重伝送路、26……デマルチプレクサ、
27、29……復号化回路、28、30……補間回路、32、37…
…加算回路、34……合成回路、38……ディジタルアナロ
グ変換回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−40914(JP,A) 特開 昭64−47114(JP,A) 特開 昭62−198285(JP,A) 特開 平1−233496(JP,A) 特開 平1−57360(JP,A) 特開 平1−134399(JP,A) 特開 昭57−4099(JP,A) 特開 昭64−7810(JP,A) 特公 平3−17411(JP,B2) 特公 平6−26298(JP,B2) 特公 平3−35848(JP,B2) 特公 昭63−42967(JP,B2) 斉藤、中田「音声情報処理の基礎」(昭 56−11−30)オーム社P.54−56

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力ディジタル信号(X(n))が通過し
    そのフィルタ係数をh(n)とする第一のディジタルフ
    ィルタ(h(n))と、 前記入力ディジタル信号を入力とし所定の定数(α)を
    乗算する乗算回路と、 前記第一のディジタルフィルタの出力および前記乗算回
    路の出力を二つの入力としその二つの入力の差を演算す
    る減算回路と を備え、 前記第一のディジタルフィルタの出力および前記減算回
    路の出力を二つの入力としその二つの入力の和を演算す
    る加算回路と、 この加算回路の出力信号が通過し前記第一のディジタル
    フィルタとはほぼ反対の通過帯域を有し、そのフィルタ
    係数を1/α(-1)nh(n)とする第二のディジタルフィ
    ルタと、 この第二のディジタルフィルタの出力と前記第一のディ
    ジタルフィルタの出力とを合成する合成回路と を備えたことを特徴とするディジタルフィルタ回路。
  2. 【請求項2】入力ディジタル信号(X(n))が通過し
    そのフィルタ係数をh(n)とする第一のディジタルフ
    ィルタ(h(n))と、 前記入力ディジタル信号を入力とし所定の定数(α)を
    乗算する乗算回路と、 前記第一のディジタルフィルタの出力および前記乗算回
    路の出力を二つの入力としその二つの入力の差を演算す
    る減算回路と、 前記第一のディジタルフィルタの出力および前記減算回
    路の出力を二つのサブバンド伝送路に送信する送信手段
    と、 この二つのサブバンド伝送路から受信する信号を二つの
    入力としその二つの入力の和を演算する加算回路と、 この加算回路の出力信号が通過し前記第一のディジタル
    フィルタとはほぼ反対の通過帯域を有し、そのフィルタ
    係数を1/α(-1)nh(n)とする第二のディジタルフィ
    ルタと、 この二つのディジタルフィルタの出力と前記第一のディ
    ジタルフィルタの出力とを合成する合成回路と を備えたことを特徴とする送受信装置。
  3. 【請求項3】上記第一のディジタルフィルタおよび第二
    のディジタルフィルタは二次元信号を通過させる二次元
    フィルタである請求項2記載の送受信装置。
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