JP7422905B1 - 信号処理装置および信号処理方法 - Google Patents

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Abstract

信号処理装置(1)は、入力信号を取得する信号取得部(11)と、入力信号に対して窓関数を乗算して特定の信号を抽出する信号抽出部(12)と、抽出された信号を周波数変換する周波数変換部(13)と、周波数変換された信号を出力する信号出力部(14)とを備え、窓関数は、周波数分解能およびサイドローブの低減量がともに許容範囲内に収まるようにcos関数に乗算する係数の符号またはcos関数の次数の少なくとも一方が設定された一つまたは複数のcos関数項を含む。

Description

本開示は、信号処理装置および信号処理方法に関する。
信号に含まれる特定の信号成分を抽出し、抽出した信号成分を周波数変換し、信号成分の周波数変換データを周波数解析する信号処理技術が知られている。例えば、無線信号の周波数成分におけるサイドローブを低減するために窓関数を用いる技術がある。窓関数には、例えば、非特許文献1に記載されるレイズドコサインウィンドウがある。
レイズドコサインウィンドウは、定数項と、一定の周期ごとに正の係数を乗算した余弦関数(以下cos関数と記載する。)を加算した項で構成される窓関数である。レイズドコサインウィンドウでは、cos関数に適切な係数値を乗算することによりcos関数項が線形結合されるので、レイズドコサインウィンドウを用いて抽出した信号の周波数成分におけるサイドローブを低減できる。
F. J. Harris, " On the Use of Windows for Harmonic Analysis With the Discrete Fourier Transform, " in proc. IEEE. vol. 66, no.1, Jan., 1978.
レイズドコサインウィンドウに代表される従来の窓関数は、周波数領域のサイドローブ成分を低減させると、それに伴って周波数分解能が低減するという課題があった。
本開示は上記課題を解決するものであり、従来の窓関数よりも周波数分解能とサイドローブ特性を良好にトレードオフすることができる、信号処理装置および信号処理方法を得ることを目的とする。
本開示に係る信号処理装置は、入力信号を取得する信号取得部と、入力信号に対して窓関数を乗算して特定の信号を抽出する信号抽出部と、抽出された信号を周波数変換する周波数変換部と、周波数変換された信号を出力する信号出力部と、を備え、窓関数は、一つの余弦関数項または複数の余弦関数項の合成によって構成され、窓の範囲の中央が0値であり、余弦関数項の全てに正の係数を乗算したものよりも、周波数領域における、余弦関数項に対応するサイドローブのピーク電力が低減される、または、周波数分解能の低減が抑えられる、もしくは、その両方となるように、一つまたは複数の余弦関数項のうちから選択された余弦関数項に負の係数を乗算したものである。
本開示によれば、周波数分解能およびサイドローブの低減量がともに許容範囲内に収まる窓関数を用いることで、本開示に係る信号処理装置は、レイズドコサインウィンドウに代表される従来の窓関数よりも周波数分解能とサイドローブ特性とを良好にトレードオフすることができる。
実施の形態1に係る信号処理装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る信号処理方法を示すフローチャートである。 cos関数項(cos(2πkx))の周波数領域の応答とシンク関数(以下、sinc関数と記載する。)の周波数領域の応答を示す図である。 cos関数項(cos(2πx))の周波数領域の応答とsinc関数の周波数領域の応答とを重ね描きしたものを示す図である。 cos関数項(cos(4πx))の周波数領域の応答とsinc関数の周波数領域の応答とを重ね描きしたものを示す図である。 cos関数項(cos(5πx))の周波数領域の応答とsinc関数の周波数領域の応答とを重ね描きしたものを示す図である。 実施の形態1における窓関数の形状を示す図である。 図7の窓関数の周波数領域の応答と、矩形窓関数の周波数領域の応答とを重ね描きしたものを示す図である。 図9Aおよび図9Bは、実施の形態1に係る信号処理装置の機能を実現するハードウェア構成を示すブロック図である。 sinc関数、cos(2πx)、-cos(4πx)およびcos(6πx)のそれぞれの周波数領域における応答を重ね描きしたものを示す図である。 実施の形態2における窓関数および一般化ハミング窓についての周波数分解能とサイドローブのピークレベルとの関係を示す図である。 ±1/2シフトしたsinc関数の周波数領域の応答とこれらの合成により構成されるcos(πx)の周波数領域の応答とを示す図である。 実施の形態3における窓関数にそれぞれ含まれるcos(πx)の周波数領域の応答とcos(3πx)の周波数領域の応答とを重ね描きしたものを示す図である。 実施の形態4における窓関数の形状を示す図である。 図14の窓関数の周波数成分を示す図である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る信号処理装置1の構成を示すブロック図である。図1において、信号処理装置1は、入力信号記憶部2から入力信号を取得し、入力信号に窓関数を乗算することにより信号を抽出し、抽出した信号を周波数変換した信号を出力信号として出力信号記憶部3に出力する。上記窓関数は、周波数分解能およびサイドローブの低減量がともに許容範囲内に収まるようにcos関数に乗算する係数の符号またはcos関数の次数の少なくとも一方が設定された一つまたは複数のcos関数項を含む。
上記許容範囲は、従来の窓関数で達成できなかった周波数分解能とサイドローブの低減量の範囲となる。例えば、レイズドコサインウィンドウに代表される従来の窓関数では、cos関数に乗算する正の係数の値を調整することによりサイドローブを低減することができるが、サイドローブの低減量に応じて周波数分解能が劣化する。
これに対して、実施の形態1~4に係る信号処理装置は、上記窓関数等を用いて信号を抽出するので、信号の周波数領域における周波数分解能の範囲とサイドローブの低減量の範囲をともに予め決められた上記許容範囲内に収めることができる。これにより、実施の形態1~4に係る信号処理装置は、周波数分解能の劣化とサイドローブの低減とを良好にトレードオフすることが可能である。
信号処理装置1は、例えば、レーダシステムに用いられる。レーダシステムにおいて、信号処理装置1は、上記窓関数を用いて、目標からの到来波の受信信号のサイドローブを低減することにより、サイドローブに起因した目標の検出不良を防止することができる。
また、信号処理装置1は、合成開口レーダを用いたレーダ画像の生成システムに応用することも可能である。この場合、信号処理装置1は、受信信号のサイドローブを低減することにより、レーダ画像内のサイドローブに起因したノイズを低減できる。
入力信号記憶部2は、入力信号を記憶する記憶装置である。例えば、レーダシステムにおいて、入力信号記憶部2は、レーダ装置により受信された受信信号を一時的に記憶しておく記憶装置である。また、入力信号記憶部2は、信号処理装置1の機能を実現するための信号処理用プログラムを記憶するものであってもよい。例えば、コンピュータが備えるプロセッサが、入力信号記憶部2から読み出した信号処理用プログラムを実行することにより、コンピュータが信号処理装置1として機能する。
出力信号記憶部3は、信号処理装置1から出力された出力信号を記憶する記憶装置である。例えば、図1において不図示の表示装置が、出力信号記憶部3に記憶される出力信号に関する表示情報を表示してもよい。表示情報には、合成開口レーダを用いたレーダ画像等がある。なお、入力信号記憶部2および出力信号記憶部3は、信号処理装置1が備える一つの記憶装置であってもよいし、それぞれ別の記憶装置であってもよい。
信号処理装置1は、図1に示すように、信号取得部11、信号抽出部12、周波数変換部13および信号出力部14を備える。図2は、実施の形態1に係る信号処理方法を示すフローチャートであり、信号処理装置1による信号処理方法を示している。
以下、図1および図2を用いて、信号処理装置1が備える信号取得部11、信号抽出部12、周波数変換部13および信号出力部14の各機能の詳細を説明する。
信号取得部11が、信号処理対象である入力信号を取得する(ステップST1)。例えば、信号取得部11は、入力信号記憶部2に記憶された入力信号を取得する。入力信号の次元数は問わないが、tの次元に対して周波数変換を行うものとする。以下、入力信号を1次元信号と仮定し、s(t)とする。
信号抽出部12が、信号取得部11が取得した入力信号に対して窓関数を乗算することにより、特定の信号を抽出する(ステップST2)。信号抽出部12が用いる窓関数は、周波数分解能およびサイドローブの低減量がともに許容範囲内に収まるようにcos関数に乗算する係数の符号またはcos関数の次数の少なくとも一方が設定された一つまたは複数のcos関数項を含むものとする。以下、窓関数を用いて抽出される信号の幅は1であるものとする。また、窓関数をw(x)とし、以下、xは実数値であるものとして説明するが、xは離散的な値をとってもよい。
また、窓関数w(x)の設計範囲は-0.5≦x≦0.5であるものとして説明する。なお、この設計範囲は、窓関数w(x)を用いて抽出する信号の幅に応じて変更可能である。入力信号s(t)に窓関数w(x)を乗算することにより抽出される信号s(t)は、下記式(1)で表すことができる。なお、下記式(1)において、tは、抽出する信号s(t)の幅の中心である。
-0.5≦t-t≦0.5の場合、s(t)=w(t-t)s(t)
-0.5≦t-t≦0.5以外の場合、s(t)=0 (1)
周波数変換部13が、信号抽出部12が抽出した信号s(t)の周波数変換を行う(ステップST3)。例えば、周波数変換部13は、信号s(t)をフーリエ変換することにより、信号s(t)の周波数スペクトルを得る。
従来の窓関数を用いて抽出した信号に対して周波数変換を行うと、信号の周波数成分にサイドローブが出現する。これに対し、実施の形態1における窓関数を用いると、抽出した信号の周波数成分におけるサイドローブは低減される。ここで、信号s(t)に対して周波数fへの周波数変換を行った関数をF[s(t)](f)とすることにより、信号s(t)の周波数成分S(f)は、下記式(2)で表される。
(f)=F[s(t)](f) (2)
信号出力部14が、周波数変換部13が算出した信号を出力する(ステップST4)。例えば、信号出力部14は、周波数成分S(f)を出力信号記憶部3に出力する。これにより、図2に示す一連の処理が完了する。実施の形態1における窓関数を用いることにより、周波数成分S(f)におけるサイドローブは低減されている。
実施の形態1における窓関数の理解の一助として、従来のレイズドコサインウィンドウについて説明する。レイズドコサインウィンドウw(x)は、-0.5≦x≦0.5である場合、下記式(3)に示す関数で表される。下記式(3)に示すように、w(x)は、定数項aと、周期が整えられたコサインの窓関数との線形結合によって表される。以下、kは、次数とする。なお、下記式(3)におけるΣ[k=1]acos(2πkx)は、M=acos(2πkx)とした場合に、k=1から順に次数kごとのMの値を加算することを示す。
(x)=a+Σ[k=1]acos(2πkx) a≧0 (3)
レイズドコサインウィンドウw(x)において、定数項aの周波数領域のサイドローブの発生位置(ピーク位置)と、各cos関数の周波数領域のサイドローブの発生位置(ピーク位置)とが調和されており、これらが近しい位置にある。このため、定数項aとコサイン関数を線形結合することにより、効果的にサイドローブを低減することが可能である。
-0.5≦x≦0.5である場合、w(x)における定数項aの周波数領域の応答は、sinc関数で与えられる。w(x)では、適切に係数を与えたcos関数が加算されるので、上記sinc関数の周波数領域のサイドローブが減算される。
続いて、レイズドコサインウィンドウw(x)に含まれるcos関数項の周波数領域における応答について説明する。w(x)に含まれるcos(2πkx)は、下記式(4)のように変形することができる。ここでは-0.5≦x≦0.5であることから、cos(2πkx)の周波数変換を行うことにより、cos(2πkx)の周波数領域の応答は、下記式(4)に示すように、±kのシフトが発生した2つのsinc関数が合成された関数で表される。
cos(2πkx)=(ej2πkx+e-j2πkx)/2 (4)
図3は、cos(2πkx)の周波数領域の応答とsinc関数の周波数領域の応答とを示す図である。図3において、k=2である。また、cos(2πkx)の周波数領域の応答であるF[cos(2πkx)](f)は一点鎖線Aであり、sinc(f-k)/2の周波数領域の応答は実線Bであり、sinc(f+k)/2の周波数領域の応答は破線Cの特性である。図3に示すように、F[cos(2πkx)](f)の応答は、±kのシフトが発生した2つのsinc関数が合成して得られた関数となる。
なお、kが自然数であると、F[cos(2πkx)](f)のナル点は、sinc関数のナル点と重複する。
次に、レイズドコサインウィンドウの代表的な窓関数である一般化ハミング窓を説明し、レイズドコサインウィンドウの原理を詳細に説明する。一般化ハミング窓w(x)は、下記式(5)で表される。αは、実数パラメータである。
(x)=(1-α)+αcos(2πx) (5)
図4は、cos(2πx)の周波数領域の応答とsinc関数の周波数領域の応答とを重ね描きしたものを示す図である。図4において、sinc関数の周波数領域の応答であるsinc(f)は、破線Dである。また、cos(2πx)の周波数領域の応答であるF[cos(2πx)](f)は、実線Eである。
図4において白丸記号で示すように、一般化ハミング窓w(x)では、破線Dで示すsinc(f)のナル点と、実線Eで示すF[cos(2πx)](f)のナル点とが一致するため、両者のサイドローブの発生位置も調和している。さらに、図4に示すように、sinc(f)のサイドローブとF[cos(2πx)](f)のサイドローブでは、符号が反転している。このため、sinc(f)とF[cos(2πx)](f)とを重畳することにより、サイドローブが低減される。
しかしながら、一般化ハミング窓w(x)では、sinc(f)とF[cos(2πx)](f)とを重畳させた際に、F[cos(2πx)](f)のメインローブも加算されてしまうため、周波数分解能が劣化する。また、αの値によっては、sinc(f)の第一サイドローブが過度に低減される。
より高次のレイズドコサインウィンドウw(x)は、次数ごとに加算する、個々のcos関数項の値を増加させることにより、サイドローブをさらに低減させるものである。
しかしながら、cos関数項の値を増加させると、F[cos(2πx)](f)のメインローブも広がることから、周波数分解能が劣化していく。
これに対して、実施の形態1における窓関数は、周波数分解能の劣化を許容範囲内まで限定的にし、かつ周波数成分のサイドローブが許容範囲内まで低減されるように設計される。例えば、実施の形態1における窓関数w(x)は、下記式(6)で表される。下記式(6)において、aは、次数kごとのcos関数項に乗算される係数である。なお、下記式(6)におけるΣ[k=1]acos(πkx)は、M=acos(πkx)とした場合に、k=1から順に次数kごとのMの値を加算することを示す。
(x)=a+Σ[k=1]acos(πkx) (6)
窓関数w(x)においては、aが負の値を取り得る。すなわち、窓関数w(x)には、次数kごとのcos関数項の中に、負の値となるcos関数項が含まれる。これにより、cos関数項を-方向にも調整できる。
実施の形態1における窓関数w(x)の一例を、矩形窓関数と比べて説明する。
窓関数w(x)は、従来の矩形窓関数に比べて、周波数分解能の低減を抑えつつ周波数成分のピークサイドローブを低減することができる。例えば、従来の窓関数では、周波数領域におけるサイドローブのピークレベルがバラバラであったが、窓関数w(x)を用いることにより、一部の周波数領域でサイドローブのピークレベルが揃えられ、かつ、サイドローブのピークレベルが低減される。
-0.5≦x≦0.5である場合、定数項aの周波数領域の応答は、sinc関数で与えられる。窓関数を、定数項aと、一般化ハミング窓と同様にcos(2πx)項とで構成すると、cos(2πx)の周波数成分であるF[cos(2πx)](f)がsinc関数の周波数分解能を劣化させる。
実施の形態1における窓関数w(x)では、周波数分解能の劣化の原因となる次数の低いcos関数項であるcos(2πx)を含まない。これにより、窓関数w(x)では、従来の矩形窓関数によりも周波数分解能を改善できる。
図5は、cos(4πx)の周波数領域の応答とsinc関数の周波数領域の応答とを重ね描きしたものを示す図である。図5において、sinc関数の周波数領域の応答は、破線Fであり、cos(4πx)の周波数領域の応答F[cos(4πx)](f)は、実線Gである。破線Fおよび実線Gから明らかなように、sinc関数の周波数成分の第一サイドローブには、F[cos(4πx)](f)のメインローブが重畳される。これら両者の符号は反転しているので、sinc関数の第一サイドローブは低減される。
しかしながら、F[cos(4πx)](f)のメインローブは、sinc関数の第二サイドローブにも重畳している。このため、cos(4πx)項を単純に加算しても、第二サイドローブが増大してしまう。
実施の形態1における窓関数w(x)は、周波数領域におけるcos関数項に対応するメインローブを、低減対象のサイドローブに重畳させることにより、低減対象のサイドローブの低減を行う。例えば、窓関数w(x)は、cos(5πx)の項も含むものである。これにより、窓関数w(x)では、F[cos(5πx)](f)のメインローブが、sinc関数のサイドローブの減算に用いられる。
図6は、cos(5πx)の周波数領域の応答とsinc関数の周波数領域の応答とを重ね描きしたものを示す図である。図6において、sinc関数の周波数領域の応答は、破線Fであり、cos(5πx)の周波数領域の応答F[cos(5πx)](f)は、実線Hである。図6において破線の縦線で示すように、F[cos(5πx)](f)のメインローブの発生位置が、sinc関数の第二サイドローブの発生位置と一致している。このため、定数項aからcos(5πx)を減算することにより、sinc関数の第二サイドローブを低減することができる。
実施の形態1における窓関数w(x)は、下記式(7)に示す関数であってもよい。下記式(7)において、αは定数項、βおよびγは係数であり、α、β、γ>0である。下記式(7)に示す窓関数w(x)は、sinc関数に対して周波数分解能をほとんど劣化させずにサイドローブのピークを低減することができる。
(x)=α+β(4πx)-γcos(5πx) (7)
図7は、実施の形態1における窓関数の形状を示す図であり、上記式(7)で表される窓関数w(x)を示している。図7に示すように、窓関数w(x)の特性形状は、その両端部分が突出しており、両端部分に比べて中央部分が凹んでいる。図7に示す特性形状を有する窓関数w(x)を調整することにより、周波数分解能を許容範囲内に改善でき、さらには、サイドローローブのピークレベルを許容範囲内まで低減することも可能である。
図8は、図7の窓関数w(x)の周波数領域の応答と、矩形の特性形状を有した従来の窓関数の周波数領域の応答とを重ね描きしたものを示す図である。図8において、窓関数w(x)の周波数領域の応答が、実線Iであり、矩形の窓関数の周波数領域の応答が、破線Jである。実線Iおよび破線Jから明らかなように、実線Iが示す窓関数w(x)の周波数領域の応答では、破線Jが示す従来の窓関数に比べて、sinc関数に対して周波数分解能をほとんど劣化させずに、サイドローブのピークレベルが低減されている。さらに、窓関数w(x)の周波数領域の応答では、第一、第二および第三サイドローローブがほぼ同じレベルに揃えられ、かつそのピークレベルが低減されている。
実施の形態1における窓関数w(x)は、ハン窓を改良したものであってもよい。
ハン窓whan(x)とは、下記式(8)で与えられる従来の窓関数である。下記式(8)に示すように、ハン窓whan(x)では、定数項とcos(2πx)の項が等利得で加算されるので、周波数方向のサイドローブの減衰率が高い。ハン窓whan(x)は、周波数方向のサイドローブの減衰に優れた効果を示すものの、sinc関数の第一サイドローブが比較的高くなる問題を有する。
han(x)={1+cos(2πx)}/2 ・・・(8)
実施の形態1における窓関数w(x)は、周波数方向のサイドローブの減衰率を劣化させずに、サイドローブのピーク電力を低減させるものである。例えば、下記式(9)で表される。下記式(9)において、αおよびβは実数であり、α、β>0である。
(x)=(1-α+β){1+cos(2πx)}/2+α{cos(4πx)+cos(6πx)}/2-β{cos(6πx)+cos(8πx)}/2 (9)
上記式(9)に示す窓関数w(x)は、{1+cos(2πx)}/2であるハン窓の第一サイドローブを、(cos(4πx)+cos(6πx))/2の項のメインローブで低減し、ハン窓の第二サイドローブを、-{cos(6πx)+cos(8πx)}/2の項のメインローブで低減する。これにより、上記式(9)に示す窓関数w(x)は、サイドローブの減衰率を犠牲にすることなく、バラバラであったサイドローブのレベルの一部が揃えられ、かつ、サイドローブのピーク電力を低減できる。
上記式(9)に示す窓関数w(x)は、{cos(2πx)+cos(4πx)}/2の項を含まないので、ハン窓に比べて、周波数分解能を過度に劣化させずに、サイドローブのピーク電力を低減できる。
なお、上記式(9)に示す窓関数w(x)は、定数項a≧0とすることで、下記式(10)のように一般化することができる。
下記式(10)におけるΣ[k=0](-1)[{cos(2kπx)+cos(2(k+1)πx)}/2]は、M=(-1)[{cos(2kπx)+cos(2(k+1)πx)}/2])とした場合、k=1から順に次数kごとのMの値を加算することを示す。
(x)=Σ[k=0](-1)[{cos(2kπx)+cos(2(k+1)πx)}/2] (10)
また、サイドローブの減衰に優れた従来の窓関数として下記式(11)で表されるものがある。
(x)=0.75cos(πx)+0.25cos(3πx) (11)
実施の形態1における窓関数w(x)は、上記式(11)が示す従来の窓関数を改良したものであってもよい。例えば、上記式(11)に対して係数aを導入することで、下記式(12)で表される窓関数w(x)が得られる。
なお、下記式(12)に示す窓関数w(x)は、上記式(9)に示す窓関数w(x)と同様の原理でサイドローブを低減できる。下記式(12)において、Σ[k=1](-1)k-1は、M1=(-1)k-1とした場合、k=1から順に次数kごとのM1の値を加算することを示している。さらに、Σ[k=1](-1)k-1(x)は、M2=(-1)k-1(x)とした場合、k=1から順に次数kごとのM2の値を加算することを示している。
(x)=(1-Σ[k=1](-1)k-1){0.75cos(πx)+0.25cos(3πx)}+Σ[k=1](-1)k-1(x) (12)
上記式(12)におけるF(x)は、下記式(13)で表される。
(x)=[0.125cos{(2k+1)πx}+0.375cos{(2k+3)πx}]+0.375cos[{(2k+5)πx}+0.125cos{(2k+7)πx}] (13)
上述したように、実施の形態1における窓関数w(x)では、cos関数項の周波数成分のメインローブと、定数項を表すsinc関数の周波数成分のサイドローブとの対応関係に着目して、周波数分解能の劣化を抑えつつ、サイドローブを低減するものである。例えば、信号処理装置1をレーダシステムに用いることにより、信号処理装置1が、目標からの受信信号に上記窓関数を乗算することにより目標からの受信信号に重畳した低次のサイドローブを低減できるので、低次のサイドローブによって目標が未検出になる確率を低減できる。また、信号処理装置1を合成開口レーダに用いることにより、信号処理装置1が、レーダ信号に上記窓関数を乗算することにより低次のサイドローブを低減できるので、レーダ画像内における低次のサイドローブによるノイズをより目立たなくすることができる。
次に、信号処理装置1の機能を実現するハードウェア構成について説明する。
信号処理装置1が備える、信号取得部11、信号抽出部12、周波数変換部13および信号出力部14の機能は、処理回路によって実現される。すなわち、信号処理装置1は、図2に示したステップST1からステップST4までの処理を実行するための処理回路を備える。処理回路は、専用のハードウェアであってもよいが、メモリに記憶されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)であってもよい。
図9Aは、信号処理装置1の機能を実現するハードウェア構成を示すブロック図である。図9Bは、信号処理装置1の機能を実現するソフトウェアを実行するハードウェア構成を示すブロック図である。図9Aおよび図9Bにおいて、入力インタフェース100は、信号処理装置1が、入力信号記憶部2から取得する入力信号を中継するインタフェースである。出力インタフェース101は、信号処理装置1から出力信号記憶部3へ出力される出力信号を中継するインタフェースである。
処理回路が図9Aに示す専用のハードウェアの処理回路102である場合、処理回路102は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)またはこれらを組み合わせたものが該当する。信号処理装置1が備える、信号取得部11、信号抽出部12、周波数変換部13および信号出力部14の機能を別々の処理回路で実現してもよく、これらの機能をまとめて一つの処理回路で実現してもよい。
処理回路が図9Bに示すプロセッサ103である場合、信号処理装置1が備える、信号取得部11、信号抽出部12、周波数変換部13および信号出力部14の機能は、ソフトウェア、ファームウェアまたはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。なお、ソフトウェアまたはファームウェアは、プログラムとして記述されてメモリ104に記憶される。
プロセッサ103は、メモリ104に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、信号処理装置1が備える、信号取得部11、信号抽出部12、周波数変換部13および信号出力部14の機能を実現する。例えば、信号処理装置1は、プロセッサ103によって実行されるときに、図2に示したステップST1からステップST4までの処理が結果的に実行されるプログラムを記憶するためのメモリ104を備える。これらのプログラムは、信号取得部11、信号抽出部12、周波数変換部13および信号出力部14が行う処理の手順または方法を、コンピュータに実行させる。メモリ104は、コンピュータを、信号取得部11、信号抽出部12、周波数変換部13および信号出力部14として機能させるためのプログラムが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。
メモリ104は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically-EPROM)(登録商標)などの不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVDなどが該当する。
信号処理装置1が備える、信号取得部11、信号抽出部12、周波数変換部13および信号出力部14の機能の一部を、専用のハードウェアで実現し、他の一部を、ソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。例えば、信号取得部11および信号出力部14は、専用のハードウェアである処理回路102によって機能を実現し、信号抽出部12および周波数変換部13は、プロセッサ103がメモリ104に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって機能を実現する。このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはこれらの組み合わせにより上記機能を実現することが可能である。
以上のように、実施の形態1に係る信号処理装置1は、入力信号s(t)を取得する信号取得部11と、入力信号s(t)に対して窓関数w(x)を乗算して特定の信号s(t)を抽出する信号抽出部12と、抽出された信号s(t)を周波数変換する周波数変換部13と、周波数変換された信号s(f)を出力する信号出力部14とを備える。窓関数w(x)は、周波数分解能およびサイドローブの低減量がともに許容範囲内に収まるようにcos関数に乗算する係数の符号またはcos関数の次数の少なくとも一方が設定された一つまたは複数のcos関数項を含む。信号処理装置1は、上記窓関数を用いることにより、cos関数項を-方向にも調整できる。これにより、信号処理装置1は、レイズドコサインウィンドウに代表される従来の窓関数よりも、周波数分解能とサイドローブ特性とを良好にトレードオフすることができる。なお、信号処理装置1が実行する、図2に示した信号処理方法においても同様の効果が得られる。
実施の形態1に係る信号処理装置1において、窓関数w(x)は、周波数分解能の劣化の原因となる次数の低いcos関数項を含まない。これにより、窓関数w(x)は、従来の矩形の窓関数に比べて周波数分解能の劣化がわずかになり、かつ、sinc関数の周波数成分のサイドローブを低減することができる。
実施の形態1に係る信号処理装置1において、窓関数w(x)は、周波数領域におけるcos関数項に対応するメインローブを、低減対象のサイドローブに重畳させることにより、低減対象のサイドローブの低減を行うものである。これにより、窓関数w(x)は、sinc関数の周波数成分のサイドローブを低減することができる。例えば、窓関数w(x)は、cos(kπx)の項を含むので、周波数領域おけるF[cos(kπx)](f)のメインローブを、サイドローブに重畳することによって、サイドローブを低減する。なお、窓関数w(x)は、ハン窓等の窓関数を拡張した項を含むものであってもよい。
実施の形態1に係る信号処理装置1において、窓関数w(x)は、両端部分に比べて中央部分が凹んだ特性形状を有している。これにより、窓関数w(x)は、矩形の特性形状を有した従来の窓関数によりも周波数分解能を改善できる。
実施の形態2.
実施の形態2における窓関数は、一般化ハミング窓の関数に対してcos(kπx)の項をさらに含めたものであり、周波数分解能の劣化をわずかにして、周波数成分のサイドローブを低減することができる。例えば、具体的には、実施の形態2における窓関数は、一般化ハミング窓の関数に対して、-cos(4πx)の項およびcos(6πx)の項を含めたものである。
実施の形態2に係る信号処理装置1は、実施の形態1と同様に、入力信号s(t)を取得する信号取得部11と、入力信号s(t)に対して窓関数w(x)を乗算して特定の信号s(t)を抽出する信号抽出部12と、抽出された信号s(t)を周波数変換する周波数変換部13と、周波数変換された信号s(f)を出力する信号出力部14とを備える。窓関数w(x)は、上述したように、負の値となるcos関数項を含む関数である。
図10は、sinc関数、cos(2πx)、-cos(4πx)およびcos(6πx)のそれぞれの周波数領域における応答を重ね描きしたものを示す図である。図10において、sinc関数の周波数領域の応答であるsinc(f)は、破線Dであり、cos(2πx)の周波数領域の応答であるF[cos(2πx)](f)は、実線Eである。また、-cos(4πx)の周波数領域の応答であるF[-cos(4πx)](f)は、二点鎖線Kであり、cos(6πx)の周波数領域の応答であるF[cos(6πx)](f)は、一点鎖線Lである。
図10に示すように、cos(2πx)、-cos(4πx)およびcos(6πx)の周波数領域の各応答におけるメインローブから離れたサイドローブが、sinc関数の周波数領域の応答におけるサイドローブと符号が反転している。実施の形態2における窓関数は、定数項とcos(2πx)のみを含む一般化ハミング窓とは異なり、-cos(4πx)およびcos(6πx)の項を含むことにより、周波数成分のサイドローブをさらに低減できる。
なお、F[-cos(4πx)](f)のメインローブは、sinc(f)における第一サイドローブを過度に増大させるが、第二サイドローブは過度に減少させる。
さらに、F[cos(6πx)](f)のメインローブは、sinc(f)における第二サイドローブを過度に増大させるが、第三サイドローブは過度に減少させる。
一般化ハミング窓では、αの値によっては、F[cos(2πx)](f)のメインローブがsinc(f)における第一サイドローブを過度に減少させる。
これらを考慮して、実施の形態2における窓関数は、F[cos(2πx)](f)のメインローブにより低減されたsinc(f)の第一サイドローブの低減量に応じて、-cos(4πx)の項の値が決定され、F[-cos(4πx)](f)のメインローブにより、sinc(f)における第二サイドローブが低減される。さらに、F[-cos(4πx)](f)のメインローブにより低減されたsinc(f)の第二サイドローブの低減量に応じて、cos(6πx)の項の値が決定される。
実施の形態2における窓関数において、-cos(4πx)の項に乗算される係数と、cos(6πx)に乗算される係数のそれぞれの値は小さいので、これらの項により発生する周波数分解能の劣化はわずかである。さらに、実施の形態2における窓関数は、周波数領域におけるサイドローブのレベルを揃えて、かつ、全体的にサイドローブのレベルを低減できる。このため、実施の形態2における窓関数は、一般化ハミング窓と比較して、周波数分解能の劣化がわずかであり、周波数領域におけるサイドローブを低減することが可能である。
実施の形態2における窓関数w(x)は、例えば下記式(14)で表される。下記式(14)において、α、βおよびγは実数であり、α、βおよびγ>0である。
αは、一般化ハミング窓におけるαと同様である。
βは、F[cos(2πx)](f)のメインローブによる第一サイドローブの低減量に応じて設定される。γは、F[-cos(4πx)](f)のメインローブにより低減されたsinc(f)の第二サイドローブの低減量に応じて設定される。
(x)=(1-α)+αcos(2πx)-βcos(4πx)+γcos(6πx) (14)
図11は、実施の形態2における窓関数および一般化ハミング窓についての周波数分解能とサイドローブのピークレベルとの関係を示す図である。図11の横軸は、周波数成分の電力プロファイルの3dB幅を、矩形窓における3dB幅で正規化して得られる周波数分解能の指標である。図11の縦軸は、正規化されたピークサイドローブレベルである。実施の形態2における窓関数の上記関係は、丸記号で示すものであり、一般化ハミング窓の上記関係は、四角記号で示すものである。図11に示すように、実施の形態2における窓関数は、一般化ハミング窓に比べて、ピークサイドローブレベルが低減される。
例えば、レーダシステムが、実施の形態2における窓関数w(x)を用いる信号処理装置1を備えることにより、信号処理装置1が、目標からの受信信号に上記窓関数を乗算することにより目標からの受信信号に重畳した低次のサイドローブを低減できるので、低次のサイドローブによって目標が未検出になる確率を低減できる。また、信号処理装置1を合成開口レーダに応用することにより、信号処理装置1が、レーダ信号に上記窓関数を乗算することにより低次のサイドローブを低減できるので、レーダ画像内における低次のサイドローブによるノイズをより目立たなくすることができる。
なお、上記式(14)に示す窓関数w(x)は、定数項a≧0とすることで、下記式(15)のように一般化することができる。下記式(15)におけるΣ[k=0](-1)k-1cos(2kπx)は、M=(-1)k-1cos(2kπx)とした場合に、k=1から順に次数kごとのMの値を加算することを示す。
(x)=a+Σ[k=1](-1)k-1cos(2kπx) (15)
以上のように、実施の形態2に係る信号処理装置1は、入力信号s(t)を取得する信号取得部11と、入力信号s(t)に対して窓関数w(x)を乗算して特定の信号s(t)を抽出する信号抽出部12と、抽出された信号s(t)を周波数変換する周波数変換部13と、周波数変換された信号s(f)を出力する信号出力部14とを備える。窓関数w(x)は、周波数分解能およびサイドローブの低減量がともに許容範囲内に収まるようにcos関数に乗算する係数の符号が設定されたcos関数項を含む。信号処理装置1は、上記窓関数を用いることにより、cos関数項を-方向にも調整できる。これにより、信号処理装置1は、レイズドコサインウィンドウに代表される従来の窓関数よりも、周波数分解能とサイドローブ特性とを良好にトレードオフすることができる。
実施の形態2に係る信号処理装置1において、窓関数w(x)は、周波数領域におけるサイドローブの低減量に応じて、各次数kのcos関数項である、cos(2πx)、-cos(4πx)およびcos(6πx)を決定したものである。これにより、窓関数w(x)は、周波数分解能をほとんど劣化させずに、一般化ハミング窓の周波数成分のサイドローブを低減することができる。
実施の形態3.
実施の形態3における窓関数は、定数項を含まず、cos関数項で構成された窓関数であり、周波数領域のサイドローブを低減することができる。特に、実施の形態3における窓関数は、従来の一般化ハミング窓とブラックマン窓との中間的な性能を有しており、これらの窓関数よりも良好に周波数分解能とサイドローブ特性とをトレードオフすることができる。
実施の形態3に係る信号処理装置1は、実施の形態1と同様に、入力信号s(t)を取得する信号取得部11と、入力信号s(t)に対して窓関数w(x)を乗算して特定の信号s(t)を抽出する信号抽出部12と、抽出された信号s(t)を周波数変換する周波数変換部13と、周波数変換された信号s(f)を出力する信号出力部14とを備える。
まず、実施の形態3における窓関数の理解の一助となるように、従来のブラックマン窓を説明する。上述した一般化ハミング窓は、単一のパラメータαで特性を設計できる利点がある。一方、ブラックマン窓は、一般化ハミング窓よりも周波数分解能が低いが、一般化ハミング窓と同様に単一のパラメータで特性を設計できる。ブラックマン窓は、下記式(16)で表される。例えば、α=0.08のブラックマン窓がよく知られている。このブラックマン窓は、一般化ハミング窓よりも周波数分解能は低いが、サイドローブを低減することができる。
(x)=(0.5-α)+0.5cos(2πx)+αcos(4πx) (16)
実施の形態3における窓関数は、半波余弦窓を用いることにより、単一のパラメータαで特性を設計でき、かつ、一般化ハミング窓とブラックマン窓との中間的な性能を有した窓関数である。-0.5≦x≦0.5である場合、半波余弦窓は、下記式(17)で表すことができる。
(x)=cos(πx) (17)
cos(πx)で与えられる窓関数の周波数特性は、周波数シフトした2つのsinc関数の足し合わせによって得られ、周波数領域のサイドローブは低減される。
図12は、±1/2シフトしたsinc関数の周波数領域の応答とこれらの合成により構成されるcos(πx)の周波数領域の応答とを示す図である。図12において、cos(πx)の周波数領域の応答であるF[cos(πx)](f)は、実線Mである。また、-1/2シフトしたsinc関数の周波数領域の応答であるsinc(f-0.5)/2は、破線Nであり、+1/2シフトしたsinc関数の周波数領域の応答であるsinc(f+0.5)/2は、一点鎖線Oである。
実線M、破線Nおよび一点鎖線Oから明らかなように、F[cos(πx)](f)は、sinc(f-0.5)/2とsinc(f+0.5)/2とを合成したものに等しい。さらに、図12において白丸記号で示すように、sinc(f-0.5)/2およびsinc(f+0.5)/2のナル点は一致し、重なり合ったサイドローブの符号は互いに反転しているので、これらの合成により得られるF[cos(πx)](f)では、サイドローブが低減される。このように、半波余弦窓は、周波数シフトした2つのsinc関数の足し合わせたものに対応するため、周波数分解能は低いが、サイドローブを良好に低減することが可能である。
実施の形態3における窓関数は、cos(πx)を用いることにより、一般化ハミング窓およびブラックマン窓では達成できない領域で、周波数分解能とサイドローブ特性とをトレードオフすることができる。lを自然数とした場合に、cos{(2l+1)πx}が、cos(πx)の周波数領域の応答であるF[cos(πx)](f)とナル点が一致する。
実施の形態3における窓関数は、上記cos{(2l+1)πx}で表されるcos(3πx)の項と、半波余弦窓であるcos(πx)の項とを含む関数である。
設定パラメータαをα>0とすることにより、実施の形態3における窓関数は、下記式(18)で表すことができる。
(x)=(1-α)cos(πx)+αcos(3πx) (18)
図13は、実施の形態3における窓関数にそれぞれ含まれるcos(πx)の周波数領域の応答とcos(3πx)の周波数領域の応答とを重ね描きしたものを示す図である。図13において、cos(πx)の周波数領域の応答であるF[cos(πx)](f)は、実線Mであり、cos(3πx)の周波数領域の応答であるF[cos(3πx)](f)は、破線Pである。実線Mおよび破線Pから明らかなように、F[cos(πx)](f)のサイドローブの発生位置とF[cos(3πx)](f)のサイドローブの発生位置とは調和しており、両者の符号は反転している。このため、実施の形態3における窓関数では、cos(πx)の項とcos(3πx)の項が加算されているので、周波数成分のサイドローブが低減される。
すなわち、実施の形態3における窓関数は、良好なサイドローブ特性が得られる半波余弦窓であるcos(πx)に加え、cos(3πx)の項を用いることで、さらに良好なサイドローブ特性が得られる。また、実施の形態3における窓関数は、一般化ハミング窓およびブラックマン窓と同様に、単一のパラメータで設計可能である。
また、実施の形態3における窓関数w(x)は、実施の形態2で示した窓関数の設計思想を取り入れて、cos関数項に乗算する係数をα、βおよびγとし、α、βおよびγ>0とすることにより、下記式(19)のように性能を改善することもできる。下記式(19)で与えられる窓関数w(x)は、実施の形態2で示した上記式(14)に類似した関数である。
(x)=(1-α)cos(πx)+αcos(3πx)-βcos(5πx)+γcos(7πx) (19)
なお、上記式(19)に示す窓関数w(x)は、定数項a≧0とすることで、下記式(20)のように一般化することができる。下記式(20)におけるΣ[k=0](-1)k-1cos{(2k+1)πx}は、M=(-1)k-1cos{(2k+1)πx}とした場合に、k=1から順に次数kごとのMの値を加算することを示す。
(x)=acos(πx)+Σ[k=1](-1)k-1cos{(2k+1)πx} (20)
実施の形態3に係る信号処理装置1において、窓関数w(x)は、定数項aを含まず、cos関数項で構成された窓関数である。実施の形態3に係る信号処理装置1は、窓関数w(x)を用いることにより、周波数分解能とサイドローブ特性とを良好にトレードオフすることができる。例えば、窓関数w(x)が、半波余弦窓であるcos(πx)に加えて、cos(3πx)を含む関数とすることにより、一般化ハミング窓とブラックマン窓との中間的な性能を有し、かつ、これら従来の窓関数よりも周波数分解能とサイドローブ特性を良好にトレードオフすることができる。
実施の形態4.
実施の形態4における窓関数は、両端部分に比べて中央部分が凹んだ特性形状を有している。実施の形態4における窓関数は、窓の内部と外部との境である両端部分における不連続性が強調されており、例えば、係数αの値に応じて中央部分の凹み度合いを調整することができる。窓関数の中央部分の凹み度合いは、周波数領域のメインローブの幅に影響を与えるので、係数αの値を適切に調整することにより、周波数分解能を改善することが可能である。
実施の形態4に係る信号処理装置1は、実施の形態1と同様に、入力信号s(t)を取得する信号取得部11と、入力信号s(t)に対して窓関数w(x)を乗算して特定の信号s(t)を抽出する信号抽出部12と、抽出された信号s(t)を周波数変換する周波数変換部13と、周波数変換された信号s(f)を出力する信号出力部14とを備える。窓関数w(x)は、上述したように、負の値となるcos関数項を含む関数である。
従来の窓関数は、窓の内部と外部の境である両端部分の連続性を強調することにより、周波数領域におけるサイドローブが低減されるように設計される場合が一般的である。
これに対して、実施の形態4における窓関数は、両端部分に比べて中央部分が凹んだ特性形状を有しており、両端部分における不連続性が強調されている。この形状を有することにより、周波数分解能の劣化を抑圧することが可能である。実施の形態3における窓関数w(x)は、係数α>0とすることにより、下記式(21)で表すことができる。
(x)=1-αcos(πx) (21)
図14は、実施の形態4における窓関数w(x)の形状を示す図であり、係数α1、α2、α3、α4およびα5にそれぞれ対応する窓関数w(x)を示している。図14において、α1=0.2、α2=0.4、α3=0.6、α4=0.8およびα5=0.95である。窓関数w(x)の形状は、係数αの値をα1からα5へ増加させていくにつれて中央部分の凹みが深くなり、中央部分の凹みが深くなるにつれて両端部分の突出度合いも急になり、不連続性が強調される。
図15は、図14の窓関数w(x)の周波数成分を示す図であり、係数α0、α1、α2、α3、α4およびα5にそれぞれ対応する窓関数w(x)を示している。図15において、α0=0、α1=0.2、α2=0.4、α3=0.6、α4=0.8およびα5=0.95である。窓関数w(x)の周波数成分は、係数αの値が増加するにつれてサイドローブが増大するが、メインローブの幅は狭くなるので周波数分解能が改善される。例えば、窓関数の用途に応じて係数αの値を適切に設定することで、実施の形態3に係る信号処理装置1は、従来の窓関数よりも周波数分解能を改善することができる。
なお、実施の形態4における窓関数w(x)は、両端部分に比べて中央部分が凹んだ特性形状を有していればよく、この形状を実現する関数の構成は、これまで説明したものに限定されるものではない。また、実施の形態4における窓関数w(x)は、周波数分解能とサイドローブの低減量とがそれぞれの許容範囲内に収まるようにパラメータを設計することも可能である。
また、実施の形態4における窓関数w(x)は、cos関数項に乗算する係数をα、βおよびγとし、実施の形態1で示した窓関数の設計思想を取り入れて、α、βおよびγ>0とすることで、下記式(22)のように表すこともできる。下記式(22)の窓関数w(x)は、実施の形態1で示したように、cos(kπx)の周波数成分のメインローブでサイドローブを低減するものである。
(x)=1-αcos(πx)+βcos(3πx)-γcos(5πx) (22)
なお、上記式(22)に示す窓関数w(x)は、定数項a≧0とすることで、下記式(23)のように一般化することができる。下記式(23)におけるΣ[k=0](-1)cos{(2k-1)πx}は、M=(-1)cos{(2k-1)πx}とした場合に、k=1から順に次数kごとのMの値を加算することを示す。
(x)=a+Σ[k=1](-1)cos{(2k-1)πx} (23)
次に、実施の形態1~4に示した窓関数の利用例について説明する。
下記の参考文献1には、マルチ-アポダイゼーションを用いた合成開口レーダ画像(以下、SAR画像と記載する。)の一例が記載されている。マルチ-アポダイゼーションとは、窓関数を用いない処理を施した信号または複数の窓関数を用いた処理を施した信号のうちから、強度が最小となる信号を抽出することにより、周波数分解能の劣化を伴うことなく、サイドローブを低減する方法である。
例えば、信号抽出部12が、窓関数w(x)を乗算して入力信号から抽出する。周波数変換部13は、信号抽出部12が抽出した信号を周波数変換する。信号出力部14は、周波数変換部13が周波数変換した信号から、強度が最小の信号を抽出して出力する。
また、窓関数w(x)を用いた処理結果に加えて、窓関数w(x)を用いない処理結果から、出力信号を抽出してもよい。例えば、信号出力部14は、窓関数w(x)を乗算して入力信号から抽出された信号が周波数変換された信号、および入力信号を周波数変換した信号から、強度が最小の信号を抽出してもよい。
このように、マルチ-アポダイゼーションにおける窓関数として実施の形態4における窓関数w(x)を利用することにより、周波数分解能を改善しつつサイドローブを低減することが可能である。
(参考文献1) H. C. Stankwitz, R. J. Dallaire, and J. R. Fienup, “Nonlinear apodization for sidelobe control in SAR imagery,” IEEE Trans. Aerosp. Electron. Syst., vol. 31, no. 1, pp. 267-279, Jan. 1995.
また、信号処理装置1は、窓関数の処理を、有限インパルス応答フィルタ(以下、FIRフィルタと記載する。)で代替することも可能である。例えば、周波数変換部13が、入力信号s(t)を周波数変換して信号S(f)を生成する。信号出力部14は、周波数分解能およびサイドローブの低減量がともに許容範囲内に収まるように設定されたFIRフィルタを用いて、周波数変換された入力信号S(f)から、周波数変換された特定の信号S(f)を抽出して出力する。FIRフィルタリングは、S(f)=F[s(t)](f)として、下記式(24)で示される。下記式(24)において、FIRフィルタリングは、±Δfずれた信号にそれぞれ重みwを与えるフィルタリングである。Δfは、信号をデジタル処理するためにナイキストサンプリングを行う際の1周波数ビンである。Δfずれた信号が1サンプルに相当する場合、重みwが±1サンプルずれた信号に与えられる。
(f)=S(f)+wS(f+Δf)+wS(f+Δf) (24)
参考文献1には、サイドローブを低減することのみを目的として、実数である重みwが0<w≦0.5であるFIRフィルタリングが示されている。
これに対して、実施の形態1に係る信号処理装置1は、上記式(24)に示したFIRフィルタリングを-0.5<w<0の範囲で行うことにより、実施の形態に示した窓関数を入力信号に乗算する場合と同様に、周波数分解能を改善することが可能である。
また、参考文献1には、超空間的可変アポダイゼーションと呼ばれるサイドローブ低減技術が記載されている。この技術を、上述したFIRフィルタリングに適用することで、周波数分解能を改善しつつ、サイドローブを低減するも可能である。
具体的には、重みをw(m)とし、画像データをg(m)とし、g(m)をFIRフィルタリングした画像データをg’(m)として、これらを下記式(25)から(27)の関係としたFIRフィルタリングを行う。
(m)<αである場合、g’(m)=g(m)+α[g(m-1)+g(m+1)] (25)
α≦w(m)≦1/2である場合、g’(m)=g(m)+w(m)[g(m-1)+g(m+1)] (26)
1/2<w(m)である場合、g’(m)=g(m)+(1/2)[g(m-1)+g(m+1)] (27)
なお、上記式(25)および(26)において、αは、-0.5≦α≦0で設定される実数であり、所望の性能に応じて設定される。上述したFIRフィルタリングによって、サイドローブを低減するのみならず、周波数分解能の改善が可能である。
以上のように、実施の形態4に係る信号処理装置1において、窓関数w(x)は、両端部分に比べて中央部分が凹んだ特性形状を有する。これにより、窓関数w(x)は、矩形の窓関数によりも周波数分解能を改善することができる。
実施の形態4に係る信号処理装置1において、信号出力部14は、窓関数を乗算して入力信号から抽出された信号が周波数変換された信号から、強度が最小の信号を抽出して出力する。これにより、周波数分解能を改善しつつサイドローブを低減することが可能である。
実施の形態4に係る信号処理装置1において、信号出力部は、窓関数を乗算して入力信号から抽出された信号が周波数変換された信号、および、入力信号が周波数変換された信号から、強度が最小の信号を抽出して出力する。これにより、周波数分解能を改善しつつサイドローブを低減することが可能である。
実施の形態4に係る信号処理装置1において、周波数変換部13が、入力信号を周波数変換し、信号出力部14が、周波数分解能およびサイドローブの低減量がともに許容範囲内に収まるように設定された有限インパルス応答フィルタを用いて、周波数変換された入力信号から、周波数変換された特定の信号を抽出して出力する。周波数分解能を改善しつつサイドローブを低減する信号抽出が可能なFIRフィルタリングを行うことができる。
なお、各実施の形態の組み合わせまたは実施の形態のそれぞれの任意の構成要素の変形もしくは実施の形態のそれぞれにおいて任意の構成要素の省略が可能である。
本開示に係る信号処理装置は、例えば、レーダシステムに利用可能である。
1 信号処理装置、2 入力信号記憶部、3 出力信号記憶部、11 信号取得部、12 信号抽出部、13 周波数変換部、14 信号出力部。

Claims (18)

  1. 入力信号を取得する信号取得部と、
    前記入力信号に対して窓関数を乗算して特定の信号を抽出する信号抽出部と、
    抽出された信号を周波数変換する周波数変換部と、
    周波数変換された信号を出力する信号出力部と、を備え、
    前記窓関数は、
    一つの余弦関数項または複数の前記余弦関数項の合成によって構成され、
    窓の範囲の中央が0値であり、前記余弦関数項の全てに正の係数を乗算したものよりも、周波数領域における、前記余弦関数項に対応するサイドローブのピーク電力が低減される、または、周波数分解能の低減が抑えられる、もしくは、その両方となるように、一つまたは複数の前記余弦関数項のうちから選択された前記余弦関数項に負の係数を乗算したものである
    ことを特徴とする信号処理装置。
  2. 前記窓関数を構成する一つまたは複数の前記余弦関数項には、周波数分解能の劣化の原因となるメインローブに対応する前記余弦関数項であって、項の値が増加するにつれて前記メインローブが広がる次数の前記余弦関数項が含まれていない
    ことを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。
  3. 前記窓関数は、周波数領域における前記余弦関数項に対応するメインローブを、当該余弦関数項とは次数の異なる前記余弦関数項に対応する前記サイドローブに重畳させることにより、前記サイドローブのピーク電力を低減させるものである
    ことを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。
  4. 前記窓関数は、前記メインローブの重畳によって前記サイドローブのピーク電力が低減されるように、前記メインローブに対応する各次数の前記余弦関数項を決定したものである
    ことを特徴とする請求項3に記載の信号処理装置。
  5. 前記窓関数は、定数項を含まず、前記余弦関数項で構成されている
    ことを特徴とする請求項4に記載の信号処理装置。
  6. 前記窓関数は、窓の両端部分の関数値が0よりも大きく、または、両端部分に比べて中央部分が凹んだ特性形状を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。
  7. 前記信号出力部は、前記窓関数を乗算して前記入力信号から抽出された信号が周波数変換された信号から、強度が最小の信号を抽出して出力する
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の信号処理装置。
  8. 前記信号出力部は、前記窓関数を乗算して前記入力信号から抽出された信号が周波数変換された信号、および、前記入力信号が周波数変換された信号から、強度が最小の信号を抽出して出力する
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の信号処理装置。
  9. 前記周波数変換部は、前記入力信号を周波数変換し、
    前記信号出力部は、周波数領域における、前記余弦関数項に対応する前記サイドローブのピーク電力が低減されるように設定された有限インパルス応答フィルタを用いて、周波数変換された前記入力信号から、周波数変換された特定の信号を抽出して出力する
    ことを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。
  10. 信号処理装置の信号処理方法であって、
    信号取得部が、入力信号を取得するステップと、
    信号抽出部が、前記入力信号に対して窓関数を乗算して特定の信号を抽出するステップと、
    周波数変換部が、抽出された信号を周波数変換するステップと、
    信号出力部が、周波数変換された信号を出力するステップと、を備え、
    前記窓関数は、
    一つの余弦関数項または複数の前記余弦関数項の合成によって構成され、
    窓の範囲の中央が0値であり、前記余弦関数項の全てに正の係数を乗算したものよりも、周波数領域における、前記余弦関数項に対応するサイドローブのピーク電力が低減される、または、周波数分解能の低減が抑えられる、もしくは、その両方となるように、一つまたは複数の前記余弦関数項のうちから選択された前記余弦関数項に負の係数を乗算したものである
    ことを特徴とする信号処理方法。
  11. 前記窓関数を構成する一つまたは複数の前記余弦関数項には、周波数分解能の劣化の原因となるメインローブに対応する前記余弦関数項であって、項の値が増加するにつれて前記メインローブが広がる次数の前記余弦関数項が含まれていない
    ことを特徴とする請求項10に記載の信号処理方法。
  12. 前記窓関数は、周波数領域における前記余弦関数項に対応するメインローブを、当該余弦関数項とは次数の異なる前記余弦関数項に対応する前記サイドローブに重畳させることにより、前記サイドローブのピーク電力を低減するものである
    ことを特徴とする請求項10に記載の信号処理方法。
  13. 前記窓関数は、前記メインローブの重畳によって前記サイドローブのピーク電力が低減されるように、前記メインローブに対応する各次数の前記余弦関数項を決定したものである
    ことを特徴とする請求項12に記載の信号処理方法。
  14. 前記窓関数は、定数項を含まず、前記余弦関数項で構成されている
    ことを特徴とする請求項13に記載の信号処理方法。
  15. 前記窓関数は、窓の両端部分の関数値が0よりも大きく、または、両端部分に比べて中央部分が凹んだ特性形状を有する
    ことを特徴とする請求項10に記載の信号処理方法。
  16. 前記信号出力部が、前記窓関数を乗算して前記入力信号から抽出された信号が周波数変換された信号から、強度が最小の信号を抽出して出力する
    ことを特徴とする請求項10から請求項15のいずれか1項に記載の信号処理方法。
  17. 前記信号出力部が、前記窓関数を乗算して前記入力信号から抽出された信号が周波数変換された信号、および、前記入力信号が周波数変換された信号から、強度が最小の信号を抽出して出力する
    ことを特徴とする請求項10から請求項15のいずれか1項に記載の信号処理方法。
  18. 前記周波数変換部が、前記入力信号を周波数変換し、
    前記信号出力部が、周波数領域における、前記余弦関数項に対応する前記サイドローブのピーク電力が低減されるように設定された有限インパルス応答フィルタを用いて、周波数変換された前記入力信号から、周波数変換された特定の信号を抽出して出力する
    ことを特徴とする請求項10に記載の信号処理方法。
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