JPH07109020B2 - 低温靭性のすぐれたCu析出強化型極厚鋼材 - Google Patents

低温靭性のすぐれたCu析出強化型極厚鋼材

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JPH07109020B2
JPH07109020B2 JP30891086A JP30891086A JPH07109020B2 JP H07109020 B2 JPH07109020 B2 JP H07109020B2 JP 30891086 A JP30891086 A JP 30891086A JP 30891086 A JP30891086 A JP 30891086A JP H07109020 B2 JPH07109020 B2 JP H07109020B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 北海、氷海域などの低温環境で使用される海洋構造物に
おいて、板厚70〜150mmを必要とする重装備部材に用い
られる、溶接性の良好な、高靭性、高張力鋼として適合
するように改良したCu析出強化型極厚鋼材を新規に提案
しようとするものである。
(従来の技術) Cuの析出強化をねらった鋼材は、その溶接性が良好なこ
とから、米国特許第3692514号明細書などでみられるほ
か、さらに特願昭60−289323号明細書にも開示したよう
に、開発研究が進められ、とくに近年来、低温環境で使
用される鋼材として高強度化、厚肉化の要請とともに、
一層厳しい低温靭性の要求が強まりつつある。
一般に引張り強度60kgf/mm2以上の高強度鋼では、強
度、靭性を確保するために、再加熱焼入れ−焼もどし又
は直接焼入れ−焼もどし処理が適用され、これは、組織
を下部ベイナイトあるいはマルテンサントにし、靭性を
向上させるためである。
しかし、板厚70mm以上にもなると、とくに中心部では焼
入性が低下して組織が粗大上部ベイナイト化するため、
靭性は低下する。
したがって溶接性が良好であり、なおかつ−80℃でシャ
ルピー吸収エネルギーを保証するような過酷な低温靭性
の要求には、従来技術では応えられない。
(発明が解決しようとする問題点) 溶接性が良好であるCu析出型鋼材の厚肉化(70〜150m
m)の要求を満たして、しかも、とくに板厚中心部での
靭性をE-80≧15kgf・m程度に確保するためとくに、Ti
の微細析出物、例えばTiNによる組織の細粒化を図り得
る新規な開発成果を提案することがこの発明の目的であ
る。
(問題点を解決するための手段) 上記の発明目的は次の事項を骨子とする構成によって有
利に充足される。
C:0.005〜0.10wt% Si:0.05〜0.60wt% Mn:0.5〜2.0wt% Ti:0.004〜0.015wt% Nb:0.005〜0.10wt% B:0.0005〜0.0020wt% Cu:0.7〜2.0wt% Al:0.010〜0.10wt% N:0.0050wt%以下 と、残部Fe及び不可避不純物の組成に成り、上記のTiの
少なくとも一部が、0.01μm以上、0.06μm以下の微細
なTi析出物として、0.004〜0.015wt%の範囲で鋼中を占
めていること を特徴とする低温靭性のすぐれたCu析出強化型極厚鋼材
(第1発明)。
C:0.005〜0.10wt% Si:0.05〜0.60wt% Mn:0.5〜2.0wt% Ti:0.004〜0.015wt% Nb:0.005〜0.10wt% B:0.0005〜0.0020wt% Cu:0.7〜2.0wt% Al:0.010〜0.10wt% N:0.0050wt%以下 のほか、1.5wt%以下のNi、それぞれ1.0wt%以下のMo,C
rおよび0.05wt%以下のREMよりなる群のうちから選ばれ
る1種又は2種以上と、残部Fe及び不可避不純物の組成
に成り、上記のTiの少なくとも一部が、0.01μm以上、
0.06μm以下の微細なTi析出物として、0.004〜0.015wt
%の範囲で鋼中を占めていること を特徴とする低温靭性のすぐれたCu析出強化型極厚鋼材
(第2発明)。
(作 用) 各発明に従いCu析出硬化型極厚鋼材の成分組成範囲を上
記のように限定する理由を次に説明する。
C:0.005〜0.60wt% Cは溶接性および母材、溶接部の低温靭性に影響を及ぼ
すために規制せねばならず、0.10wt%をこえると靭性を
害し、一方0.005wt%未満では結晶粒が粗大化して、強
度、靭性を損なうので0.005〜0.10wt%に限定される。
Si:0.05〜0.06wt% Siは鋼材を高強度化し、そのためには0.05wt%以上が必
要である。しかし、0.6wt%を超えると溶接性および溶
接部靭性を損なう。従って0.05〜0.60wt%に限定され
る。
Mn:0.5〜2.0wt% Mnは鋼材を高強度、高靭性化するのに有用であり、その
ためには0.5wt%以上必要であるが、2.0wt%を超えると
溶接性を損なうので0.5〜2.0wt%に限定される。
Ti:0.004〜0.015wt% Tiはこの発明の特徴成分であって、0.004〜0.015wt%と
し、なおかつ、Ti析出物の大きさが0.01μm以上0.06μ
m以下の微細析出物として0.004〜0.015wt%とすること
が必要である。
Ti添加量は、微細Ti析出物の必要量の関係から決まるも
ので、Tiの微細析出物がTi量として0.004wt%未満では
母材組織の細粒化が図れず、一方、0.015wt%を超える
と、却って靭性が損なわれる。なお、Ti総量が例えば0.
015wt%で、そのうちの0.004wt%分が微細析出物となっ
ていても、この発明の効果は変わらない。
Nb:0.005〜0.10wt% Nbは圧延中のオーステナイト粒の細粒変に有効な元素で
あり、そのためには0.005wt%以上必要である。しか
し、0.10wt%を超えると溶接部靭性を損なう。
B:0.0005〜0.0020wt% Bもこの発明の特徴成分であって、上述したTiNによる
結晶粒の微細化は、厚物鋼板において焼入性の低下を招
き、強度、靭性を低下させるのでその改善のため0.0005
wt%以上のBを添加して、焼入性を向上させることが必
要であり、このことにより、より微細なマルテンサイト
あるいは下部ベイナイト組織がえられる。なお、0.0020
wt%をこえる添加は、却って靭性を低下させる。
Cu:0.7〜2.0wt% Cuは、この発明の基本的に特徴とする成分で、Cuの析出
強化を用いることにより、溶接性を損なうことなく高強
度を達成するために0.7wt%以上必要であり、一方2.0wt
%を超えると低温靭性が損なわれる。
Al:0.010〜0.10wt% Alは脱酸およびオーステナイト粒の粗大化阻止に有効で
あり、そのためには0.010wt%以上必要である。しか
し、0.10wt%を超えると鋼中の清浄度を損ない靭性が低
下する。
N:0.0050wt%以下 N量の低減もこの発明の特徴の一つであって、N量を0.
0050wt%以下に低減することによって、TiNは微細化さ
れる。さらに、N量の組成は溶接部靭性を向上させる。
以上述べた必須成分の他に、要求される強度レベルによ
っては、Ni,Mo,CrおよびREMを添加することができる。
これらの元素は何れも鋼の焼入性を増加して、高強度が
図られることの作用効果の面で均等成分である。
ここにNi≧0.3wt%,Mo≧0.1wt%,Cr≧0.1wt%およびREM
≧0.005wt%で有利に適合する一方、上限としてNi:1.5w
t%,Mo:1.0wt%,Cr:1.0wt%及びREM:0.05wt%に限定さ
れ、それと云うのはNiに関して1.5wt%以上の添加によ
っても斬新的効果しかなく、また、他の元素は上限をこ
える添加で靭性を損なうからである。
第1,第2各発明ともTi析出物は、0.01μm以上0.06μm
以下の微細析出物としてのTi量で0.004〜0.015wt%で含
まれないと、特に板厚中心部の結晶粒の微細化が図れな
い。その条件は、Tiを0.015wt%をこえて含有させる
と、微細析出物の生成が困難となることから限定され
る。なお、このような微細なTiNの生成方法にはとくに
制限はないが、例えば圧延プロセスの前に、1300℃で5h
以上加熱後水冷する溶体化処理などによればよい。
なおTiNの大きさと量は次のようにして分析の手法によ
り容易に決定され得る。鋼中に析出したTiNの総量は10
%AA(10%アセチルアセトン−1%テトラメチルアンモ
ニウムクロライド−メタノール)系電解溶液を用いる定
電位電解法により抽出できる。0.01〜0.06μmのTiN粒
子は、H2SO4(1+9)に70℃で20分間浸漬することに
より溶解できる。この方法を用いれば、0.01〜0.06μm
の粒子を分離できる。
この発明によるCu析出強化型極厚鋼材は、上記のように
例えば圧延プロセスの前に溶体化処理を経た材料を熱間
圧延したのちに直接焼入れ−焼もどし、又は再加熱焼入
れ−焼もどしなどのプロセスで製造され得る。もちろん
圧延プロセスにおけるスラブ加熱条件、圧延条件などに
は制限はなく、通常のプロセスと同等で良いが、焼もど
しにおいてCuの析出強化を図るため加熱温度は500〜650
℃が適当である。
実施例 実施例(1) 表1に示す鋼を用いて、造塊後、1000,1100,1200および
1300℃の各温度にてそれぞれ8時間加熱後、水冷する溶
体化処理を施した。
各溶体化温度毎に、0.01〜0.06μmの微細TiNとしてのT
iの量は、表2のようになった。
その後、 i)スラブ加熱条件:1000℃×1h 圧延仕上げ温度:850℃ 圧延後の冷却:空冷 再加熱焼入れ温度:930℃ 焼もどし温度:630℃ とした再加熱焼入れ−焼もどしプロセス、および ii)スラブ加熱条件:1000℃×1h 圧延仕上げ温度:850℃ 圧延後の冷却:70mm厚材は2.5℃/s 1300mm厚材は2℃/s 焼もどし温度:630℃ とした直接焼入れ−焼もどしプロセス を用いて70および130mm厚の鋼材を製造した。
また、母材の強度およびvE-80を表3に示し、また0.01
〜0.06μmのTiNとしてのTiの量とvE-80の関係を整理し
て第1図に示す。
以上の結果から、この発明に従うCu析出強化型板厚鋼材
はすぐれた靭性を有することがわかる。
実施例(2) B無添加鋼JおよびB添加量を変化させた供試鋼K,L及
びM(表4参照)について、何れも1300℃で7hにわたり
TiNの微細化のための溶体化処理を行い、引き続き直接
焼入れ−焼もどしプロセスで130mmの鋼板を製造した。
このプロセスの条件は実施例(1)とほぼ同様とした。
このときの母材の強度、靭性を表5に示すが、この発明
の範囲のB量でとくに高強度、高靭性が得られることが
わかる。
(発明の効果) この発明により溶接性良好なCu析出強化型板厚鋼材の高
強度、高靭性化が達成される。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図は0.01〜0.06μmのTiN微細析出物とし
てのTi量が、vE-80値に及ぼす影響を再加熱焼入れ−焼
もどし材と直接焼入−焼戻し材について調査した結果を
示すグラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.005〜0.10wt% Si:0.05〜0.60wt% Mn:0.5〜2.0wt% Ti:0.004〜0.015wt% Nb:0.005〜0.10wt% B:0.0005〜0.0020wt% Cu:0.7〜2.0wt% Al:0.010〜0.10wt% N:0.0050wt%以下 と、残部Fe及び不可避不純物の組成に成り、上記のTiの
    少なくとも一部が、0.01μm以上、0.06μm以下の微細
    なTi析出物として、0.004〜0.015wt%の範囲で鋼中を占
    めていること を特徴とする低温靭性のすぐれたCu析出強化型極厚鋼
    材。
  2. 【請求項2】C:0.005〜0.10wt% Si:0.05〜0.60wt% Mn:0.5〜2.0wt% Ti:0.004〜0.015wt% Nb:0.005〜0.10wt% B:0.0005〜0.0020wt% Cu:0.7〜2.0wt% Al:0.010〜0.10wt% N:0.0050wt%以下 のほか、1.5wt%以下のNi、それぞれ1.0wt%以下のMo,C
    r及び0.05wt%以下のREMよりなる群のうちから選ばれる
    1種又は2種以上 と、残部Fe及び不可避不純物の組成に成り、上記のTiの
    少なくとも一部が、0.01μm以上、0.06μm以下の微細
    なTi析出物として、0.004〜0.015wt%の範囲で鋼中を占
    めていること を特徴とする低温靭性のすぐれたCu析出強化型極厚鋼
    材。
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