JPH07106860A - アンプのバイアス回路 - Google Patents

アンプのバイアス回路

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JPH07106860A
JPH07106860A JP5269960A JP26996093A JPH07106860A JP H07106860 A JPH07106860 A JP H07106860A JP 5269960 A JP5269960 A JP 5269960A JP 26996093 A JP26996093 A JP 26996093A JP H07106860 A JPH07106860 A JP H07106860A
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current
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emitter
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Yamato Okashin
大和 岡信
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電流増幅率がばらついても、所定のコレクタ
電流を流すことのできるバイアス回路を提供する。 【構成】 トランジスタQ6、Q7をSEPP接続する。
トランジスタQ8のエミッタ及びコレクタを、トランジ
スタQ6、Q7の各ベースに接続する。トランジスタQ16
のエミッタを、トランジスタQ6のエミッタに接続す
る。トランジスタQ17のエミッタを、トランジスタQ7
のエミッタに接続する。トランジスタQ18のエミッタ及
びコレクタを、トランジスタQ16、Q17の各ベースに接
続する。トランジスタQ18のベースを、トランジスタQ
8のベースに接続する。トランジスタQ16のコレクタ電
流I16及びトランジスタQ17のコレクタ電流I17と、基
準値の電流とを比較する。この比較結果をトランジスタ
Q18のベースに供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、アンプのバイアス回
路に関する。
【0002】
【従来の技術】オペアンプとして、例えば図4に示すよ
うな回路が考えらる。すなわち、1は入力段、2はドラ
イブ段、3は出力段、4は負荷を示す。
【0003】そして、入力段1は同相入力端及び逆相入
力端を有する。また、ドライブ段2は、差動アンプ21
と、カレントミラー回路22とにより構成されているも
ので、その差動アンプ21はトランジスタQ1〜Q3によ
り構成され、カレントミラー回路22はトランジスタQ
4、Q5により構成されている。そして、カレントミラー
回路22が、差動アンプ21の負荷となるように接続さ
れている。
【0004】さらに、出力段3において、Q6は出力用
のトランジスタで、このトランジスタQ6は、そのエミ
ッタが電源端子T1に接続され、そのコレクタが定電流
源用のトランジスタQ7に接続されてエミッタ接地とさ
れている。そして、そのベースが、ドライブ段2に接続
されるとともに、そのコレクタに負荷4が接続されてい
る。
【0005】なお、R1及びC1は、位相補正用の抵抗器
及びコンデンサ、R2は負帰還用の抵抗器、T2は接地端
子である。
【0006】したがって、トランジスタQ6は、トラン
ジスタQ7のコレクタ電流、すなわち、定電流の大きさ
を中心値(直流レベル)としてA級で動作をすることに
なり、負荷4には、トランジスタQ6により電流増幅さ
れた信号が供給される。
【0007】そして、このアンプによれば、トランジス
タQ6はコレクタ出力なので、すなわち、負荷4に供給
される出力信号の上側のピーク部分で、トランジスタQ
6のコレクタ・エミッタ間電圧が0.2V程度になるまで、
トランジスタQ6は正常に動作する。同様に、負荷4に
供給される出力信号の下側のピーク部分で、トランジス
タQ7のコレクタ・エミッタ間電圧が0.2V程度になるま
で、トランジスタQ7は正常に動作する。
【0008】したがって、このアンプは、端子T1の電
源電圧VCCに近いピーク・ツー・ピーク値の出力信号を
取り出すことができ、ヘッドホンステレオなどのよう
に、低電圧で動作する機器、例えば1.5Vの電池を電源
とするような機器に使用する場合、有利である。
【0009】ところが、このアンプにおいては、トラン
ジスタQ6のコレクタ電流が小さくなると、トランジス
タQ6の高周波特性が低下するので、これに起因する位
相回転を生じ、発振を生じやすくなる。このため、トラ
ンジスタQ6のコレクタ電流には、トランジスタQ6が負
荷4をドライブするのに必要な大きさに対して、十分な
マージンを与えておく必要があり、結果として、消費電
流を大きくなってしまう。そして、このような消費電流
の増大は、電池を電源とするとき、問題となってしま
う。
【0010】特に、アクティブフィルタを構成する場合
には、その周波数特性にもよるが、10個以上のアンプを
必要とすることがあるので、消費電流の増大は、なおさ
ら問題となってしまう。
【0011】一方、トランジスタQ6のコレクタ電流を
小さいままとして消費電流を抑えた状態で、位相回転に
よる発振を防止する場合には、位相補正用のコンデンサ
C1の値を大きくする必要がある。しかし、コンデンサ
C1の値を大きくすることは、IC化に不利であるとと
もに、限界がある。
【0012】そこで、図5に示すように、出力用のトラ
ンジスタQ6をエミッタフォロワとしたアンプが考えら
れる。なお、トランジスタQ7は、やはり定電流源とし
て動作し、トランジスタQ6はA級で動作する。
【0013】そして、このアンプにおいては、トランジ
スタQ6がNPNトランジスタであり、トランジスタそ
のものの高周波特性が優れていること、及びトランジス
タQ6がエミッタフォロワであって動作的にも高周波特
性が優れていることから、トランジスタQ6の安定度は
優れている。
【0014】しかし、このアンプにおいては、トランジ
スタQ6がエミッタフォロワとして動作しているので、
そのベースの信号電圧の波形と、エミッタの信号電圧の
波形とは等しいが、そのベースの信号電圧の下側のピー
ク部分が、ベース・エミッタ間電圧である0.7Vよりも
低くなると、トランジスタQ6がカットオフしてしま
う。また、トランジスタQ7が正常に動作するには、そ
のコレクタ・エミッタ間電圧として0.2V程度が必要で
ある。
【0015】したがって、このアンプにおいて、取り出
すことのできる信号電圧のピーク・ツー・ピーク値は、
電圧(VCC−(0.7V+0.2V))に制限されてしまうの
で、電源電圧VCCが低い場合、例えば1.5Vの電池の場
合、使用するには、問題がある。
【0016】そこで、さらに、図6に示す例ようなアン
プが考えられている。すなわち、図6のアンプにおいて
は、ドライブ段2が、差動アンプ21と、カレントミラ
ー回路22とにより構成される。
【0017】そして、PNPトランジスタQ6が設けら
れ、そのベースがドライブ段2の出力端、すなわち、ト
ランジスタQ2、Q5のコレクタに接続され、トランジス
タQ6のエミッタが電源端子T1に接続され、そのコレク
タが負荷4に接続されるとともに、NPNトランジスタ
Q7のコレクタに接続され、このトランジスタQ7のエミ
ッタが接地端子T2に接続される。なお、トランジスタ
Q6と、トランジスタQ7とは電流増幅率が等しいものと
する。
【0018】さらに、トランジスタQ6のベース・コレ
クタ間に、位相補正用の抵抗器R1及びコンデンサC1の
直列回路が接続され、トランジスタQ6のコレクタと、
入力段1との間に、負帰還用の抵抗器R2が接続され
る。
【0019】また、トランジスタQ6と同極性のトラン
ジスタQ8が設けられ、そのエミッタがトランジスタQ6
のベースに接続され、そのコレクタがトランジスタQ7
のベースに接続され、そのベースにバイアス電圧V8が
供給される。さらに、トランジスタQ8のエミッタ・コ
レクタ間と並列に、コンデンサC2が接続される。
【0020】このような構成によれば、電圧V8が、ト
ランジスタQ6、Q8のエミッタ・ベース間に直列回路に
供給されるので、その電圧V8によりトランジスタQ6、
Q8はそれぞれ能動領域で動作する。また、このとき、
トランジスタQ8はベース接地で動作することになる。
【0021】そして、無信号時には、トランジスタQ5
のコレクタ電流と、トランジスタQ2のコレクタ電流と
は等しいので、ドライブ段2の出力電流i2は0とな
る。そして、i2=0のときには、トランジスタQ6のベ
ース電流ib(破線図示)が、そのままトランジスタQ8
のエミッタ・コレクタ間を通じてトランジスタQ7のベ
ースに流れる。
【0022】したがって、トランジスタQ6、Q7には等
しい大きさのベース電流ibが流れるので、トランジス
タQ6、Q8のコレクタ電流は互いに等しくなり、負荷4
には電流は流れない。
【0023】しかし、トランジスタQ5のコレクタ電流
がトランジスタQ2のコレクタ電流よりも大きい半サイ
クル期間には、i2>0となる。すると、この電流i2
は、トランジスタQ6のベースと、トランジスタQ8のエ
ミッタに分流し、トランジスタQ6のベース電流が減少
してトランジスタQ8のベース電流が増加する。
【0024】したがって、トランジスタQ6のコレクタ
電流は減少し、トランジスタQ7のコレクタ電流は増加
するので、負荷4には、図6に示す極性で電流i4が流
れる。
【0025】一方、トランジスタQ5のコレクタ電流が
トランジスタQ2のコレクタ電流よりも小さい半サイク
ル期間には、i2<0となる。すると、この電流i2は、
トランジスタQ6のベース電流を増加させ、トランジス
タQ8のベース電流を減少させる。したがって、トラン
ジスタQ6のコレクタ電流は増加し、トランジスタQ7の
コレクタ電流は減少するので、負荷4には、図6とは逆
極性に電流i4が流れる。
【0026】したがって、トランジスタQ6、Q7はシン
グルエンデッドプッシュプルアンプとして動作すること
になる。なお、このときのトランジスタQ6、Q7の動作
点は、バイアス電圧V8により決まるが、A級ないしB
級とすることができる。
【0027】そして、トランジスタQ6、Q7がプッシュ
プルアンプとして動作すれば、負荷4に供給される信号
の上側のピーク部分で、トランジスタQ6のコレクタ電
流が減少してその特性が低下しても、このとき、トラン
ジスタQ7のコレクタ電流が増加してその特性は良好な
状態に保たれているので、トランジスタQ6、Q7の総合
の特性で考えると、位相回転の少ない良好なアンプとみ
なすことができる。
【0028】なお、このとき、トランジスタQ8を流れ
る電流ibは、トランジスタQ6、Q7のベース電流であ
って非常に小さいので、トランジスタQ8の高周波特性
が低下するが、コンデンサC2により高域補償が行われ
る。すなわち、信号の周波数が高くなると、コンデンサ
C2のインピーダンスが小さくなり、ドライブ段2から
の信号電流i2はコンデンサC2を通じてもトランジスタ
Q7に供給されるようになるので、トランジスタQ8の高
周波特性の低下が補償される。
【0029】したがって、トランジスタQ6のコレクタ
電流を小さくして消費電流を小さくすることができると
ともに、コンデンサC1の値が小さくても十分な位相補
正を行うことでき、安定な増幅動作を行うことができ
る。
【0030】また、図4あるいは図5のアンプに比べ、
素子Q8、C2を追加するだけであり、むしろコンデンサ
C1の値を小さくできるので、IC化に有利である。一
例として、 C1=2pF C2=2pF R1=2kΩ である。
【0031】しかも、図4のアンプと同様、電源電圧V
CCに近いピーク・ツー・ピーク値の出力信号を取り出す
ことができ、ヘッドホンステレオなどのように、低電圧
で動作する機器、例えば1.5Vの電池を電源とするよう
な機器に使用する場合でも、大きな出力を取り出すこと
ができる。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、図6の
アンプは、IC化に適しているとともに、電池を電源と
するような機器に適しているが、トランジスタQ6、Q7
の電流増幅率にばらつきがあると、所期の目的を達成す
ることができない。
【0033】すなわち、図6のアンプにおいて、 I6 :トランジスタQ6のコレクタ電流 I7 :トランジスタQ7のコレクタ電流 hFE6:トランジスタQ6の電流増幅率 hFE7:トランジスタQ7の電流増幅率 とすれば、 ib=I6/hFE6 ib=I7/hFE7 であるから、 I6/hFE6=I7/hFE7 ∴ I7=I6・hFE7/hFE6 ・・・ (1) となる。
【0034】したがって、hFE7=hFE6であれば、I7
=I6となって上記のような動作となる。
【0035】ところが、IC内にトランジスタを形成す
る場合、そのトランジスタの電流増幅率には、ばらつき
を生じてしまう。そして、このとき、複数のトランジス
タの間の相対的なばらつきは5〜10%程度の範囲に収め
ることができるが、絶対的なばらつきは、設計値に対し
て50〜200%程度の範囲となってしまう。また、PNP
トランジスタと、NPNトランジスタとは無相関なの
で、PNPトランジスタと、NPNトランジスタとの間
でも、電流増幅率は50〜200%程度の範囲でばらついて
しまう。
【0036】このため、図6のアンプにおいて、バイア
ス電圧V8によりトランジスタQ6のベース電流ibを所
定の大きさに設定しても、そのコレクタ電流I6は、設
計値に対して50〜200%の範囲でばらついてしまう。ま
た、トランジスタQ7のコレクタ電流I7は、(1)式のと
おりなので、25〜400%の範囲でばらついてしまう。
【0037】そして、このように、トランジスタQ6、
Q7のコレクタ電流I6、I7がばらつくと、結果として
クロスオーバー歪みを生じたり、消費電流が大きくなっ
たりしてしまう。
【0038】この発明は、このような問題点を解決し、
トランジスタQ6、Q7に規定のコレクタ電流を流すこと
のできるバイアス回路を提供しようとするものである。
【0039】
【課題を解決するための手段】このため、この発明にお
いては、各部の参照符号を後述の実施例に対応させる
と、第1のトランジスタQ6のエミッタを第1の電位点
T1に接続し、第1のトランジスタQ6のコレクタを、こ
の第1のトランジスタQ6とは逆極性の第2のトランジ
スタQ7のコレクタに接続し、この第2のトランジスタ
Q7のエミッタを、第2の電位点T2に接続し、第1のト
ランジスタQ6と同極性の第3のトランジスタQ8のエミ
ッタを、第1のトランジスタQ6のベースに接続し、第
3のトランジスタQ8のコレクタを、第2のトランジス
タQ7のベースに接続し、第1のトランジスタQ6のベー
スに入力信号を供給し、第1のトランジスタQ6のコレ
クタと、第2のトランジスタQ7のコレクタとの接続点
から出力信号を取り出すようにしたアンプのバイアス回
路10であって、第1のトランジスタQ6と同極性の第
4のトランジスタQ16のエミッタを、第1の電位点T1
に接続し、第4のトランジスタQ16とは逆極性の第5の
トランジスタQ17のエミッタを、第2の電位点T2に接
続し、第4のトランジスタQ16と同極性の第6のトラン
ジスタQ18のエミッタを、第4のトランジスタQ16のベ
ースに接続し、第6のトランジスタQ18のコレクタを、
第5のトランジスタQ17のベースに接続し、第6のトラ
ンジスタQ18のベースを、第3のトランジスタQ8のベ
ースに接続し、第4のトランジスタQ16のコレクタ電流
I16及び第5のトランジスタQ17のコレクタ電流I17
と、基準値の電流とを比較し、この比較結果を第6のト
ランジスタQ18のベースに供給するようにしたものであ
る。
【0040】
【作用】トランジスタQ6、Q7のコレクタ電流がトラン
ジスタQ16、Q17のコレクタ電流に等しくなるように動
作するとともに、トランジスタQ16、Q17のコレクタ電
流が基準値に等しくなるように制御され、結果として、
トランジスタQ6、Q7のコレクタ電流が電流増幅率にか
かわらず設計値となる。
【0041】
【実施例】図1において、10はこの発明によるバイア
ス回路を示し、トランジスタQ6〜Q8と特性及び極性の
等しいトランジスタQ16〜Q18が設けられる。
【0042】そして、トランジスタQ16のエミッタが電
源端子T1に接続され、そのコレクタがトランジスタQ8
のベースに接続されるとともに、トランジスタQ16のベ
ース・コレクタ間に位相補正用のコンデンサC11が接続
される。
【0043】さらに、トランジスタQ18のエミッタがト
ランジスタQ16のベースに接続されるとともに、トラン
ジスタQ18のベースがトランジスタQ16のコレクタに接
続され、トランジスタQ18のコレクタがトランジスタQ
17のベースに接続され、トランジスタQ17のエミッタが
接地端子T2に接続される。
【0044】また、トランジスタQ16のコレクタと、端
子T2との間に、吸い込み型の定電流源Q11が接続さ
れ、端子T1と、トランジスタQ17のコレクタとの間
に、吐き出し型の定電流源Q12が接続される。この場
合、 I11:定電流源Q11の定電流 I12:定電流源Q12の定電流 とするとき、これら定電流I11、I12は、トランジスタ
Q6、Q7のコレクタ電流I6、I7の基準値となるもので
ある。したがって、 I11=I12 とされる。なお、一例として、 I11=I12=45μA である。
【0045】さらに、端子T2を基準電位点としてトラ
ンジスタQ13、Q14によりカレントミラー回路13が構
成され、その入力側のトランジスタQ13のコレクタが、
トランジスタQ17のコレクタに接続され、その出力側の
トランジスタQ14のコレクタが、トランジスタQ16のコ
レクタに接続される。
【0046】なお、以上のバイアス回路10は、回路1
〜3を有するアンプと一体にIC化される。したがっ
て、上述のように各トランジスタの電流増幅率の絶対値
にはかなりのばらつきがあるが、同じ極性のトランジス
タの間では、電流増幅率の相対的なばらつきは十分に小
さい。
【0047】このような構成において、 I16:トランジスタQ16のコレクタ電流 I17:トランジスタQ17のコレクタ電流 とすれば、これらコレクタ電流I16、I17は、電流I1
1、I12(I11=I12)を基準とし、これらに等しくな
るように制御される。
【0048】すなわち、トランジスタQ17の電流増幅率
が小さく、I17<I12の場合には、これら電流I12と電
流I17との差分ΔI17 ΔI17=I12−I17 が、カレントミラー回路13のトランジスタQ13のコレ
クタに流れるので、 I14:トランジスタQ14のコレクタ電流 とすれば、 I14=ΔI17 となる。
【0049】そして、この電流I14は、トランジスタQ
18のベースも流れるので、差分ΔI17によりトランジス
タQ18のベース電流が増加し、そのコレクタ電流が増加
するとともに、このコレクタ電流はトランジスタQ17の
ベース電流でもあるから、トランジスタQ17のコレクタ
電流I17が増加する。
【0050】しかし、コレクタ電流I17が増加しても、
回路Q12は定電流源であるから、I17>I12となること
はできない。したがって、 I17≒I12 ・・・ (2) で安定する。
【0051】なお、このとき、電流I14によりトランジ
スタQ18のコレクタ電流が増加すると同時に、そのエミ
ッタ電流も増加し、このエミッタ電流はトランジスタQ
16のベース電流でもあるから、トランジスタQ16のコレ
クタ電流I16も増加するはずである。
【0052】しかし、定常状態では、(2)式が成立して
いることにより ΔI17≒0 であり、 I14≒0 である。
【0053】したがって、差分ΔI17が、トランジスタ
Q16のコレクタ電流I16に影響を与えることはない。
【0054】一方、トランジスタQ16の電流増幅率が小
さく、I16<I11の場合には、これら電流I11と電流I
16との差分ΔI16 ΔI16=I11−I16 が、トランジスタQ18のベースに流れるので、差分ΔI
16によりトランジスタQ18ベース電流が増加し、そのエ
ミッタ電流が増加するとともに、このエミッタ電流はト
ランジスタQ16のベース電流でもあるから、トランジス
タQ16のコレクタ電流I16が増加する。
【0055】しかし、コレクタ電流I16が増加しても、
回路Q11は定電流源であるから、I16>I11となること
はできない。したがって、 I16≒I11 ・・・ (3) で安定する。
【0056】なお、このとき、トランジスタQ18のエミ
ッタ電流が増加すると同時に、そのコレクタ電流も増加
し、このコレクタ電流はトランジスタQ17のベース電流
でもあるから、トランジスタQ17のコレクタ電流I17も
増加するはずである。
【0057】しかし、定常状態では、(3)式が成立して
いることにより ΔI16≒0 である。したがって、差分ΔI16が、トランジスタQ17
のコレクタ電流I17に影響を与えることはない。
【0058】そして、バイアス回路10におけるトラン
ジスタQ16〜Q18のベースバイアス電圧の電圧配分は、
出力段3のトランジスタQ6〜Q8のベースバイアス電圧
の電圧配分と等しい。また、トランジスタQ16〜Q18
は、トランジスタQ6〜Q8と等しい特性とされている。
【0059】したがって、 I7=I17≒I12 I6=I16≒I11 となる。そして、このとき、I11=I12に設定されてい
るので、上式から、 I7≒I6(≒I11=I12) となる。
【0060】すなわち、トランジスタQ6、Q7の電流増
幅率hFE6、hFE7にばらつきがあっても、トランジスタ
Q6、Q7のコレクタ電流I6、I7を、互いにほぼ等しく
することができるとともに、設計値どおりの大きさとす
ることができる。したがって、出力段3において、クロ
スオーバー歪みの生じることを防止でき、あるいは消費
電流の大きくなることを防止することができる。また、
出力段3の所期の目的を達成することもできる。
【0061】図2は、この発明の他の例を示す。すなわ
ち、トランジスタQ16のエミッタが電源端子T1に接続
され、そのコレクタがトランジスタQ8のベースに接続
されるとともに、トランジスタQ16のベース・コレクタ
間に位相補正用のコンデンサC11が接続される。
【0062】さらに、トランジスタQ18のエミッタがト
ランジスタQ16のベースに接続され、トランジスタQ18
のベースがトランジスタQ16のコレクタに接続され、ト
ランジスタQ18のコレクタがトランジスタQ17のベース
に接続され、トランジスタQ17のエミッタが接地端子T
2に接続されるとともに、トランジスタQ17のベース・
コレクタ間に位相補正用のコンデンサC12が接続され
る。
【0063】また、トランジスタQ16のコレクタと、端
子T2との間に、吸い込み型の定電流源Q11が接続され
る。さらに、端子T1を基準電位点としてトランジスタ
Q13、Q14によりカレントミラー回路13が構成され、
その入力側のトランジスタQ13のコレクタが、トランジ
スタQ17のコレクタに接続され、その出力側のトランジ
スタQ14のコレクタが、トランジスタQ16のコレクタに
接続される。なお、定電流源Q11の定電流I11の値は、
トランジスタQ16、Q17に流すべきコレクタ電流I16、
I17の和の大きさとされる。
【0064】このような構成によれば、電流I16電流I
14との和の電流(I16+I14)が、定電流源Q11に流れ
込むことになるが、このとき、カレントミラー回路13
により I14=I17 である。したがって、定電流源Q11には、電流(I16+
I17)が流れ込むことになる。
【0065】そして、もし、(I16+I17)<I11であ
れば、その差分ΔI67 ΔI67=I11−(I16+I17) が、トランジスタQ18のベースに流れ、トランジスタQ
18のコレクタ電流及びエミッタ電流が増加する。この結
果、トランジスタQ16のコレクタ電流I16が増加すると
ともに、トランジスタQ17のコレクタ電流I17が増加
し、和電流(I16+I17)が増加する。
【0066】しかし、和電流(I16+I17)が増加して
も、回路Q11は定電流源であるから、(I16+I17)>
I11となることはできない。したがって、 I16+I17≒I11 で安定する。
【0067】そして、バイアス回路10におけるトラン
ジスタQ16〜Q18のベースバイアス電圧の電圧配分は、
出力段3のトランジスタQ6〜Q8のベースバイアス電圧
の電圧配分と等しい。また、トランジスタQ16〜Q18
は、トランジスタQ6〜Q8と等しい特性とされている。
【0068】したがって、 I6+I7≒I11 となる。
【0069】そして、このとき、トランジスタQ6、Q1
6とトランジスタQ7、Q17とで電流増幅率にばらつきが
あると、I6≠I7となるが、出力段3には抵抗器R2に
より負帰還がかかっているので、I6≒I7となる。
【0070】したがって、出力段3において、クロスオ
ーバー歪みの生じることを防止でき、あるいは消費電流
の大きくなることを防止することができる。また、出力
段3の所期の目的を達成することもできる。
【0071】図3は、例えばアクティブフィルタにおい
て、複数N組のアンプA1〜ANが使用されるとともに、
そのアンプA1〜ANが、図6の出力段3をそれぞれ有す
るようにした場合の一例を示す。
【0072】すなわち、アンプA1〜ANにおいて、その
出力段のそれぞれが、図1のアンプの出力段3と同様、
トランジスタQ6〜Q8、抵抗器R1、コンデンサC1、C
2により構成される。
【0073】また、バイアス回路10がトランジスタQ
13〜Q18などを有して図1あるいは図2と同様に構成さ
れ、トランジスタQ18のベースが、アンプA1〜ANのト
ランジスタQ8〜Q8のベースにそれぞれ接続される。
【0074】したがって、バイアス回路10は、アンプ
A1〜ANの出力段3〜3に対して共通なので、アンプA
1〜ANごとにバイアス回路を設ける場合に比べ、全体の
消費電流を少なくすることができるとともに、回路規模
を小さくすることができる。
【0075】なお、上述において、トランジスタQ6〜
Q8、Q16〜Q18を、それぞれ複数個のトランジスタを
並列接続して構成することもでき、あるいはベース・エ
ミッタ間の接合面積を、他のトランジスタのN倍とする
こともできる。さらに、上述においては、回路1を入力
段としたが、ドライブ段2が入力段を兼ねることもでき
る。
【0076】
【発明の効果】この発明によれば、トランジスタQ6、
Q7の電流増幅率hFE6、hFE7にばらつきがあっても、
トランジスタQ6、Q7のコレクタ電流I6、I7を、互い
にほぼ等しくすることができるとともに、設計値どおり
の大きさとすることができる。
【0077】したがって、出力段3において、クロスオ
ーバー歪みの生じることを防止でき、あるいは消費電流
の大きくなることを防止することができる。また、出力
段3の所期の目的を達成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一例を示す接続図である。
【図2】この発明の他の例を示す接続図である。
【図3】この発明の使用例を示す接続図である。
【図4】従来例を示す接続図である。
【図5】他の従来例を示す接続図である。
【図6】この発明を適用できるアンプの一例を示す接続
図である。
【符号の説明】
1 入力段 2 ドライブ段 3 出力段 4 負荷 10 バイアス回路 13 カレントミラー回路 Q6 出力用トランジスタ Q7 出力用トランジスタ Q8 ベース接地トランジスタ Q11 定電流源 Q12 定電流源

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のトランジスタのエミッタを第1の
    電位点に接続し、 上記第1のトランジスタのコレクタを、この第1のトラ
    ンジスタとは逆極性の第2のトランジスタのコレクタに
    接続し、 この第2のトランジスタのエミッタを、第2の電位点に
    接続し、 上記第1のトランジスタと同極性の第3のトランジスタ
    のエミッタを、上記第1のトランジスタのベースに接続
    し、 上記第3のトランジスタのコレクタを、上記第2のトラ
    ンジスタのベースに接続し、 上記第1のトランジスタのベースに入力信号を供給し、 上記第1のトランジスタのコレクタと、上記第2のトラ
    ンジスタのコレクタとの接続点から出力信号を取り出す
    ようにしたアンプのバイアス回路であって、 上記第1のトランジスタと同極性の第4のトランジスタ
    のエミッタを、上記第1の電位点に接続し、 上記第4のトランジスタとは逆極性の第5のトランジス
    タのエミッタを、上記第2の電位点に接続し、 上記第4のトランジスタと同極性の第6のトランジスタ
    のエミッタを、上記第4のトランジスタのベースに接続
    し、 上記第6のトランジスタのコレクタを、上記第5のトラ
    ンジスタのベースに接続し、 上記第6のトランジスタのベースを、上記第3のトラン
    ジスタのベースに接続し、 上記第4のトランジスタのコレクタ電流及び上記第5の
    トランジスタのコレクタ電流と、基準値の電流とを比較
    し、 この比較結果を上記第6のトランジスタのベースに供給
    するようにしたアンプのバイアス回路。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のアンプのバイアス回路
    において、 上記第4のトランジスタのコレクタ電流及び上記第5の
    トランジスタのコレクタ電流と、上記基準値の電流との
    比較を、上記第4のトランジスタのコレクタ電流と、上
    記第5のトランジスタのコレクタ電流とでは、大きさは
    等しいが別に用意した基準値により行うようにしたアン
    プのバイアス回路。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のアンプのバイアス回路
    において、 上記第4のトランジスタのコレクタ電流及び上記第5の
    トランジスタのコレクタ電流と、上記基準値の電流との
    比較を、上記第4のトランジスタのコレクタ電流及び上
    記第5のトランジスタのコレクタ電流の和の電流と、上
    記基準値との比較により行うようにしたアンプのバイア
    ス回路。
  4. 【請求項4】 請求項1、請求項2あるいは請求項3に
    記載のアンプのバイアス回路において、 上記基準値を定電流源により供給するようにしたアンプ
    のバイアス回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010034669A (ja) * 2008-07-25 2010-02-12 Sharp Corp 電圧増幅回路および駆動回路
CN104081660A (zh) * 2012-01-18 2014-10-01 高通股份有限公司 用于无线发射机的具有可配置效率的基带滤波器和上变频器

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